JP2004249861A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フェイス用吹出口を乗員の前方に設置する空調ユニットを構成することで、送風系の圧力損失の低減を図るとともに冷房時の快適性の向上を可能とした車両用空調装置を実現する。
【解決手段】空調ユニット20は、蒸発器23とヒータコア24とが車両左右方向に配置され、かつ蒸発器23の上流側に空気を送風する送風機25が車両左右方向の側方に配置されるとともに、フット・デフロスタ向け空気通路37およびフェイス向け空気通路34がヒータコア24下流側の車両左右方向の側方に形成されてヒータコア24を通過した空気がフット・デフロスタ吹出口36、フェイス吹出口33に流入されるように構成した。これにより、送風系の圧力損失の低減を図るとともに冷房時の快適性の向上を可能とした。
【選択図】 図2
【解決手段】空調ユニット20は、蒸発器23とヒータコア24とが車両左右方向に配置され、かつ蒸発器23の上流側に空気を送風する送風機25が車両左右方向の側方に配置されるとともに、フット・デフロスタ向け空気通路37およびフェイス向け空気通路34がヒータコア24下流側の車両左右方向の側方に形成されてヒータコア24を通過した空気がフット・デフロスタ吹出口36、フェイス吹出口33に流入されるように構成した。これにより、送風系の圧力損失の低減を図るとともに冷房時の快適性の向上を可能とした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、建設機械、農機、産業機械などの車両に搭載される車両用空調装置に関するものであり、特に、天井部に搭載する空調ユニットを構成する構成部品の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用空調装置では、送風手段、冷房用熱交換器、暖房用熱交換器、および吹出モード切替用ドア機構部などを備える空調ユニットを車両天井部に設置して車室内に温度調節された空調風を吹き出す装置である。
【0003】
そして、車室内の乗員の頭部スペースを確保するために、車両前面の窓ガラスの内側面に沿って下方に空気を吹き出すフット・デフロスタ用吹出口を有する吹出ダクトを車室天井部の最前部に配置し、この吹出ダクトの下流に、車両左右方向の両端に配置した乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス吹出口を有するフェイス吹出ダクトに連結し、吹出ダクトに隣接して、車室後方側に空調ユニットを配置し、かつ吹出ダクト16内に暖房用熱交換器のバイパス通路の開度を調整する温度調整用エアミックスドアと、フェイス吹出ダクトへの空気流れを開閉する吹出モード切替用ドアとを回動可能に設けている。これにより、空調ユニットの位置を乗員の頭部上方よりも車室前方側にずらすことが可能となり乗員の頭部スペースの確保を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平09−249020
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1によれば、空調ユニットの車両前後方向の寸法を短縮することで乗員の頭部スペースの確保が可能であるが、フェイス吹出口が乗員に対して側方から空調風を吹き出す部位に設置されているため、乗員に対して前面側から空調風を吹き出す部位に設置したときよりも冷房時の快適性が劣る問題がある。
【0006】
しかも、送風機からフェイス吹出口に至るまでの通風路が長くなっていることと、空気の流れが数箇所にて屈曲しているため送風系の圧力損失が大きくなり冷房時の風量が大幅に低下してしまう問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、フェイス用吹出口を乗員の前方に設置する空調ユニットを構成することで、送風系の圧力損失の低減を図るとともに冷房時の快適性の向上を可能とした車両用空調装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項8に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、空気通路を形成する空調ケース(21)と、この空調ケース(21)内に設置され、空気を冷却する冷房用熱交換器(23)およびこの冷房用熱交換器(23)を通過した空気を加熱する暖房用熱交換器(24)と、この暖房用熱交換器(24)を迂回して冷風が流れるバイパス通路(31)と、このバイパス通路(31)を開閉するバイパス通路切替ドア手段(32)と、暖房用熱交換器(24)の下流端に設けられ、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口(33)と、暖房用熱交換器(24)の下流側に形成され、暖房用熱交換器(24)を通過した空気がフェイス吹出口(33)に向けて流入されるフェイス向け空気通路(34)と、暖房用熱交換器(24)の下流端に形成され、車両前面の窓ガラス(11)の内側面に沿って下方に空気を吹き出すフット・デフロスタ吹出口(36)を有する吹出ダクト(22)に連結されて、暖房用熱交換器(24)を通過した空気がフット・デフロスタ吹出口(36)に向けて流入されるフット・デフロスタ開口部(38)と、暖房用熱交換器(24)の下流側に形成され、暖房用熱交換器(24)を通過した空気がフット・デフロスタ開口部(38)に向けて流入されるフット・デフロスタ向け空気通路(37)と、暖房用熱交換器(24)を通過した空気をモードに応じて、フェイス向け空気通路(34)およびフット・デフロスタ向け空気通路(37)の少なくとも一方に流れ方向を切り替える吹出口切替ドア手段(35)とを備える空調ユニット(20)を車室天井部に設置して車室内に温度調節された空調風を吹き出す車両用空調装置であって、
吹出ダクト(22)は、車室天井部の最前部に配置され、この吹出ダクト(22)より車室後方側に空調ユニット(20)が隣接して配置されており、フェイス吹出口(33)は、冷房用熱交換器(23)および暖房用熱交換器(24)よりも車両後方側の部位に乗員の前面に向けて空調風を吹き出すように空調ケース(21)に設けられたことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、フット・デフロスタ吹出口(36)を有する吹出ダクト(22)を車室天井部の最前部に配置し、フェイス吹出口(33)を乗員の前面に向けて空調風を吹き出すように空調ケース(21)に設けられたことにより、吹出ダクト(22)の車両左右方向の両端部に連結させて車両前部から後部に向けて伸びるように連結させて、車両前部から後部に向けて延びるように配置させたフェイス用吹出ダクトを設ける従来の方式では乗員の側面側に空調風が吹き出されるが、本発明の乗員の前面に空調風が吹き出されるため冷房時の快適性が向上する。
【0010】
また、従来がフェイス用吹出ダクトを設けることで、通風系の圧力損失が大きいために冷房時の風量が低下するが本発明では通風系の圧力損失が大幅に低減できる。従って、送風手段(25)の送風動力の省力化が図れる。
【0011】
また、車両最前部にフット・デフロスタ吹出口(36)が配置され、その車両後方側にフェイス吹出口(33)が設けられることにより、乗員の足元への温風の吹き出し、および乗員の上半身への足元よりも低い空調風の吹き出しによる頭寒足熱の空調ができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、空調ユニット(20)は、冷房用熱交換器(23)と暖房用熱交換器(24)とが車両左右方向に配置され、かつ冷房用熱交換器(23)の上流側に空気を送風する送風手段(25)が車両左右方向の側方に配置されるとともに、フット・デフロスタ向け空気通路(37)およびフェイス向け空気通路(34)が暖房用熱交換器(24)の下流側の車両左右方向の側方に形成されて暖房用熱交換器(24)を通過した空気が吹出ダクト(22)およびフェイス吹出口(33)に流入される流入されるように構成したことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、冷房用熱交換器(23)、暖房用熱交換器(24)、送風手段(25)、フット・デフロスタ向け空気通路(37)およびフェイス向け空気通路(34)を車両左右方向に設置することにより、空調ユニット(20)の車両前後方向の寸法を小さくできる。従って、フェイス吹出口(33)を乗員の前方側に配置することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、バイパス通路(31)は、冷房用熱交換器(23)および暖房用熱交換器(24)とフェイス吹出口(33)との間に形成され、フェイス向け空気通路(34)は、バイパス通路(31)の車両左右方向の側方に形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、冷房時の通風経路であるバイパス通路(31)、フェイス向け空気通路(34)およびフェイス吹出口(33)を送風手段(25)の近傍に構成することにより、送風手段(25)からフェイス吹出口(33)に至るまでの通風路が短くなるため送風系の圧力損失を大幅に低減でき、かつフェイス吹出ダクトを不要とすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、冷房用熱交換器(23)および暖房用熱交換器(24)は、車両前後方向に対して車両左右方向に傾斜して配置されることを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、車両左右方向に傾斜して配置されることにより、空調ユニット(20)の車両前後方向の寸法をより小さくできる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、最大冷房のときに、バイパス通路切替ドア手段(32)は、バイパス通路(31)を全開位置に切り替えるとともに、吹出口切替ドア手段(35)は、フェイス向け空気通路(34)側に流れ方向を切り替えることを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、バイパス通路切替ドア手段(32)をバイパス通路(31)を全開位置に切り替えることにより、送風系の圧力損失が低減できる。これにより、最大冷房時においては風量を増加させることができる。従って、冷房時の快適性が向上する。
【0020】
請求項6に記載の発明では、暖房用熱交換器(24)に温水を循環させる温水回路に温水量を調節可能な温水弁(30)が設けられ、温水弁(30)とバイパス通路切替ドア手段(32)とを連動させ、バイパス通路切替ドア手段(32)がバイパス通路(31)の全開位置のときに温水弁(30)が閉弁されることを特徴としている。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、最大冷房のときには、バイパス通路切替ドア手段(32)と連動して温水弁(30)が閉弁されることにより、冷房能力に支障を来たすことはない。
【0022】
請求項7に記載の発明では、温水を循環させる温水入口管(24a)と温水出口管(24b)とを有する暖房用熱交換器(24)は、温水入口管(24a)側がフット・デフロスタ開口部(38)側に設置したことを特徴としている。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、暖房用熱交換器(24)を通過する温風は、温水入口管(14a)側のほうが温水温度が高いため、温水入口管(14a)側をフット・デフロスタ開口部(38)の近傍に設置したことにより、フット・デフロスタ開口部(38)側に温度が高い温風を配風することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明では、フット・デフロスタ向け空気通路(37)には、暖房用熱交換器(24)を通過した空気をフット・デフロスタ向け空気通路(37)への流入を開閉するモード切替ドア手段(39)が設けられ、季節が中間期のときに、バイパス通路切替ドア手段(32)がバイパス通路(31)の閉塞位置に切り替えられるとともに、モード切替ドア手段(39)が開口位置に切り替えられ、吹出口切替ドア手段(35)がフェイス向け空気通路(34)側に流れ方向を切り替えられることを特徴としている。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、乗員の足元への温風の吹き出し、および乗員の上半身への足元よりも低い空調風の吹き出しによる頭寒足熱の空調ができる。
【0026】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を小型特殊車両(例えば、農業用トラクター)に搭載する車両用空調装置の空調ユニットに適用した一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明する。まず、図1(a)および図1(b)に示すように、10は車両の天井部外板、11は車両前面の窓ガラス、12は車両後面の窓ガラス、13は車両の天井部内板、20は空調ユニット、21はこの空調ユニット20の空気通路を形成する空調ケースであって、本実施形態では樹脂にて形成し、吹出ダクト22と一体成形されている。
【0028】
空調ケース21は、図示を省略しているが、上ケースと下ケースとに2分割され、その内部に蒸発器(冷房用熱交換器)23、ヒータコア(暖房用熱交換器)24等の機器を内蔵した後、上ケースと下ケースを適宜の締結手段にて一体に結合するようになっている。
【0029】
蒸発器23は、図示しない車両エンジンにて駆動される圧縮機をもつ冷凍サイクルに設けられ、送風空気を冷媒の蒸発潜熱により冷却する。また、ヒータコア24は車両エンジンの冷却水(温水)を熱源として送風空気を加熱する。車両の天井部において、吹出ダクト22は車両の最前部に配置され、空調ケース21はこの吹出ダクト22の後方側に隣接して配置されている。
【0030】
そして、送風手段である送風機25は空調ケース21の車両左右方向の側方、本実施形態では右側の側方に配置されている。この送風機25は周知の遠心式多翼ファン25aをスクロールケーシング25b内に収納した構成であり、このスクロールケーシング25bの吹出口部25cを、蒸発器23の空気流れの上流側に連結して、遠心式多翼ファン25aの送風空気が蒸発器23の空気上流側に流入するようになっている。
【0031】
また、車両の天井部外板10と天井部内板13との間の空間を利用して、空調ユニット20の空気吸入流路26(図1(b)参照)が形成されており、スクロールケーシング25bの空気吸入口(図示せず)は上面側に配置されて、空気吸入流路26に連通している。この空気吸入流路26は、天井部外板10の内側に全面的に形成されるものであって、その最も後方側の部位に、外気(車室外空気)を導入する外気導入口27および内気(車室内空気)を導入する内気導入口28が配置されている。
【0032】
この内外気の両導入口27、28は、内外気切換ドア29により、空気吸入流路26に対して連通、遮断される。また、内外気の両導入口27、28には、それぞれ空気中の塵埃等を除去するフィルタ部材(図示せず)が設けられている。
【0033】
また、ヒータコア24に温水を循環させる温水回路の温水入口管24aには、ヒータコア24への温水量を調整する温水弁30が設けられている。この温水弁30は、後述するバイパス通路切替ドア手段であるバイパスドア32と図示しない操作パネルに設けられた温度調節部材に連結され、この温度調節部材の手動操作により連動して作動するようになっている。
【0034】
因みに、バイパスドア32が全開位置に操作されると温水弁30は全閉位置に操作されるようになっている。所謂、最大冷房のときは、ヒータコア24へ温水を循環させないように設定されている。そして、バイパスドア32の全開位置から閉じる方向に開度が小さくなることで順次温水量を増加するように設定されている。なお、本実施形態では、温水弁30を温水回路の温水入口管24aに設けたが温水出口管24bに設けてもよい。
【0035】
次に、本発明の要部である空調ユニット20は、車両天井部の最前部に後述するフット・デフロスタ吹出口36を有する吹出ダクト22を配置し、その吹出ダクト22より車両後方側に空調ユニット20を隣接して配置したもので、空調ユニット20の車両後方端にフェイス吹出口33を設けて乗員の上半身の前面側に温度調節された空調風を吹き出すように構成されたものである。
【0036】
従って、空調ユニット20の車両前後方向の寸法を小さくするように各種構成部品をレイアウトしたものであって、図2に示すように、空調ケース21内において、蒸発器23とヒータコア24が蒸発器23の空気下流側に車両左右方向に配置され、かつそれぞれが車両の前後方向に対して車両左右方向に傾斜させて配置させている。
【0037】
さらに、蒸発器23の空気上流側、つまり車両左右方向の右側方に送風機25を連結させている。なお、ここで、ヒータコア24は、温水入口管24a側が車両前方側に配置するように構成されている。これにより、ヒータコア24を通過した空気のうちで、温水温度が高い車両前方側を通過した空気の温度の方が後方側より高くすることができる。
【0038】
そして、蒸発器23の車両後方側にヒータコア24を迂回するバイパス通路31が形成してある。このバイパス通路31には、バイパス通路切換ドア手段であるバイパスドア32が回動軸32aにより回動可能に配置されており、回動軸32aが図示しないリンク部材を介して温度調節部材および温水弁30に連結されて作動するようになっている。
【0039】
因みに、最大冷房時のときは、バイパス通路31を全開位置に切り替えるとともに、ヒータコア24への温水の供給を停止(温水量を0とする)する。なお、ここでは、3個のバイパス通路31と3個のバイパスドア32とを設けたが、この個数に限定することはなく個数を増加することで空調ユニット20の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0040】
そして、バイパス通路31の車両後方側にフェイス吹出口33が複数個設けられている。ここでは、3個のフェイス吹出口33を車両左右方向に並べて乗員の上半身の前面に向けて空調風を吹き出すように空調ケース21に設けられている。なお、フェイス吹出口33には、手動操作にて吹出空気の遮断および吹出方向の調整が可能なグリル機構(図示せず)が備えられている。
【0041】
一方、ヒータコア24下流側の車両左右方向の左側方には、ヒータコア24を通過した空気をフェイス吹出口33に向けて流入させるフェイス用通風通路34と、ヒータコア24を通過した空気をフット・デフロスタ吹出口36に向けて流入させるフット・デフロスタ向け空気通路37が形成され、このフット・デフロスタ向け空気通路37の空気下流端にフット・デフロスタ開口部38が形成されている。
【0042】
また、フェイス用通風通路34には、ヒータコア24を通過した空気をフェイス向け空気通路34およびフット・デフロスタ向け空気通路37の少なくとも一方に流れ方向を切り替える吹出口切替ドア手段である吹出口切替ドア35が設けられている。この吹出口切替ドア35は、冷房モードのときにフェイス向け空気通路34側に切り替えられ、バイレベルモードのときに、フェイス向け空気通路34への流入を半減する半開位置に切り替えられ、および暖房モードのときにフット・デフロスタ向け空気通路37側に切り替えられる。
【0043】
また、このフット・デフロスタ向け空気通路37の空気上流側には、ヒータコア24を通過した空気をフット・デフロスタ向け空気通路37への流入を開閉するモード切替ドア手段であるモード切替ドア39が設けられている。このモード切替ドア39は、暖房モード、バイレベルのときに、フット・デフロスタ向け空気通路37への流入を開口する開口位置に切り替えられ、冷房モードのときにフット・デフロスタ向け空気通路37への流入を閉塞する閉口位置に切り替えられる。
【0044】
なお、吹出口切替ドア35およびモード切替ドア39は、それぞれの回動軸35a、39aにより回動可能に配置されており、その回動軸35a、39aが図示しないリンク部材を介して、図示しない空調操作盤に設けられた吹出モード切換部材に連結され、この吹出モード切換部材の手動操作により図示しないリンク部材により連動して作動するようになっている。
【0045】
次に、吹出ダクト22は、下方に向けて、フット・デフロスタ吹出口36が複数個設けてある。ここでは4個、車両左右方向に並べて配置してあり、このフット・デフロスタ吹出口36からの空調風は、車両前面の窓ガラス11の内側面に沿って下方に向かうので、乗員の足元部に温風を到達させるフット吹出口としての役割と、窓ガラス11の曇り止めを行うデフロスタ吹出口としての役割を兼ねるものである。なお、このフット・デフロスタ吹出口36にも、手動操作にて冷風吹出の遮断および吹出方向の調整が可能なグリル機構(図示せず)が備えられている。
【0046】
また、本実施形態では、吹出ダクト22と空調ケース21とは一体に成形したが、これに限らず、吹出ダクト22と空調ケース21とが別体で成形してフット・デフロスタ開口部38において、吹出ダクト22と空調ケース21と接続させてもよい。
【0047】
次に、以上の構成によるバイパスドア32、吹出口切替ドア35およびモード切替ドア39の作動をモード別に説明する。図2は、最大冷房モードの状態を示し、冷凍サイクルの圧縮機および送風機25を作動させることにより、蒸発器23に冷媒が循環するとともに、送風機25の送風空気(内気または外気)が蒸発器23に送風され、蒸発器23にて送風空気が冷却されて冷風となる。
【0048】
ここで、図2に示すように、バイパスドア32がバイパス通路31の全開位置に操作されると、温水弁30は全閉位置に操作される。また、吹出口切替ドア35およびモード切替ドア39は、フット・デフロスタ向け空気通路37を閉塞してフェイス吹出口33へのフェイス向け空気通路34を全開している。従って、蒸発器23で冷却された冷風は、冷風バイパス通路31およびフェイス向け空気通路34を通ってフェイス吹出口33から乗員の上半身に向かって冷風が吹き出され、車室内の冷房が行われる。なお、この最大冷房モード時には、温水弁30の全閉によりヒータコア24への温水の循環が停止されており、冷風中への放熱を防止する。
【0049】
なお、冷房モードにおける吹出空気温度の調節は、バイパスドア32を冷風バイパス通路31の全開位置から閉位置側に開度を狭めることにより行うことができる。すなわち、バイパスドア32を閉じる方向に回動させることにより、温水弁30が順次開弁して、ヒータコア24への温水の循環が開始されるので、ヒータコア24を通過する空気が加熱され温風となる。この温風と冷風バイパス通路31からの冷風とが、バイパス通路31とフェイス吹出口33の間に設けた図示しない混合ガイド板によって、フェイス吹出口33の直前で混合することにより、フェイス吹出口33から車室内へ吹き出す空調空気の吹出温度を調節できる。
【0050】
次に、図3は春秋期のような中間シーズンに用いるバイレベルモードの状態を示す。このバイレベルモードでは、上記冷房モードに対して、バイパスドア32をバイパス通路31の閉塞位置に操作する。また、モード切替ドア39は、フット・デフロスタ向け空気通路37への流入を全開位置に操作する。また、吹出口切替ドア35は、フェイス向け空気通路34への流入を半開位置に操作する。
【0051】
これにより、ヒータコア24を通過して加熱された温風の大部分がフット・デフロスタ吹出口36側へ流れるとともに、この温風の一部がフェイス向け空気通路34に流れフェイス吹出口33から吹き出される。なお、このときに、ヒータコア24において、フット・デフロスタ用吹出口36側へ流れる温風は、温水温度の高い温水入口管24a側で加熱されるため、フェイス吹出口33から空気の温度をフット・デフロスタ用吹出口36から吹き出す空気の温度より低くすることができ、頭寒足熱型の快適な温度分布を車室内に形成できる。
【0052】
次に、図4は除湿暖房モードであり、外気温度が比較的低く、かつ湿度が高いような条件で使用する。この除湿暖房モードでは、上記冷房モードに対して、バイパスドア32をバイパス通路31の閉塞位置に操作する。また、モード切替ドア39は、フット・デフロスタ向け空気通路37への流入を全開位置に操作する。また、吹出口切替ドア35をフェイス向け空気通路34への流入が閉塞する全閉位置に操作する。
【0053】
これにより、蒸発器23で冷却、除湿された冷風がヒータコア24で加熱されすべてフット・デフロスタ吹出口36から車両前面の窓ガラス11の内側面に沿って下方に吹き出し、窓ガラス11の曇り止めを行いながら、車室の暖房を行なう。なお、このときの温度調節は、温水弁30によりヒータコア24を循環する温水量により温度調節が行われる。
【0054】
以上の一実施形態の車両用空調装置によれば、フット・デフロスタ吹出口36を有する吹出ダクト22を車室天井部の最前部に配置し、フェイス吹出口33を乗員の前面に向けて空調風を吹き出すように空調ケース21に設けられたことにより、吹出ダクト22の車両左右方向の両端部に連結させて車両前部から後部に向けて伸びるように連結させて、車両前部から後部に向けて延びるように配置させたフェイス用吹出ダクトを設ける従来の方式では乗員の側面側に空調風が吹き出されるが、本発明の乗員の前面に空調風が吹き出されるため冷房時の快適性が向上する。
【0055】
また、従来がフェイス用吹出ダクトを設けることで、通風系の圧力損失が大きいために冷房時の風量が低下するが本発明では通風系の圧力損失が大幅に低減できる。従って、送風機25の送風動力の省力化が図れる。
【0056】
また、車両最前部にフット・デフロスタ吹出口36が配置され、その車両後方側にフェイス吹出口33が設けられることにより、乗員の足元への温風の吹き出し、および乗員の上半身への足元よりも低い空調風の吹き出しによる頭寒足熱の空調ができる。
【0057】
また、蒸発器23、ヒータコア24、送風機25、フット・デフロスタ向け空気通路37およびフェイス向け空気通路34を車両左右方向に設置することにより、空調ユニット20の車両前後方向の寸法を小さくできる。従って、フェイス吹出口33を乗員の前方側に配置することができる。
【0058】
さらに、冷房時の通風経路であるバイパス通路31、フェイス向け空気通路34およびフェイス吹出口33を送風機25の近傍に構成することにより、送風機25からフェイス吹出口33に至るまでの通風路が短くなるため送風系の圧力損失を大幅に低減でき、かつフェイス吹出ダクトを不要とすることができる。
【0059】
また、蒸発器23およびヒータコア24は、車両前後方向に対して車両左右方向に傾斜して配置されることことにより空調ユニット20の車両前後方向の寸法をより小さくできる。
【0060】
また、最大冷房のときに、バイパス通路切替ドア32がバイパス通路31を全開位置に切り替えることにより、送風系の圧力損失が低減できる。これにより、最大冷房時においては風量を増加させることができる。従って、冷房時の快適性が向上する。また、このときに、バイパス通路切替ドア32と連動して温水弁30が閉弁されることにより、冷房能力に支障を来たすことはない。
【0061】
また、ヒータコア24を通過する温風は、温水入口管14a側のほうが温水温度が高いため、温水入口管14a側をフット・デフロスタ開口部38の近傍に設置したことにより、フット・デフロスタ開口部38側に温度が高い温風を配風することができる。
【0062】
また、中間期のときに、フット・デフロスタ向け空気通路37には、ヒータコア24を通過した空気をフット・デフロスタ向け空気通路37への流入を開閉するモード切替ドア39が設けられ、バイパス通路切替ドア32がバイパス通路31の閉塞位置に切り替えられるとともに、モード切替ドア39が開口位置に切り替えられ、吹出口切替ドア35がフェイス向け空気通路34側に流れ方向を切り替えられることにより、乗員の足元への温風の吹き出し、および乗員の上半身への足元よりも低い空調風の吹き出しによる頭寒足熱の空調ができる。
【0063】
(他の実施形態)
以上の一実施形態では、吹出口切替ドア35を平板状の板ドアで説明したが、回動軸35aが中央部に形成されるバタフライドアを用いてもよい。空調ユニット20の車両前後方向の寸法を、さらに小さくできる。
【0064】
また、以上の実施形態では、蒸発器23の車両左右方向の右側方に送風機25を配置させたが、全体が左右対称となる配置のレイアウトでもよい。また、バイパスドア32、吹出口切替ドア35およびモード切替ドア39の駆動手段として、手動操作による温度調節部材および吹出モード切換部材に連結させて駆動させたが、サーボモータなどアクチュエータを用いてもよい。
【0065】
また、以上の実施形態では、空調ユニット20が空調ケース21内に蒸発器23と、ヒータコア24とを両方とも一体的に内蔵するタイプのものであったが、これに限らず、車両用空調装置を構成するヒータコアを内蔵するヒータユニット、蒸発器のみを内蔵するクーラユニットおよびこれらのユニットに送風空気を送風する送風ユニットにおいても本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における(a)は車両用空調装置の全体構成を示す平面配置図、(b)は(a)の側面配置図である。
【図2】本発明の一実施形態における空調ユニット20の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるバイレベルモードのときの作動形態を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態における除湿暖房モードのときの作動形態を示す模式図である。
【符号の説明】
11…窓ガラス
20…空調ユニット
21…空調ケース
22…吹出ダクト
23…蒸発器(冷房用熱交換器)
24…ヒータコア(暖房用熱交換器)
24a…温水入口管
24b…温水出口管
25…送風機(送風手段)
30…温水弁
31…バイパス通路
32…バイパスドア(バイパス通路切替ドア手段)
33…フェイス吹出口
34…フェイス向け空気通路
35…吹出口切替ドア(吹出口切替ドア手段)
36…フット・デフロスタ吹出口
37…フット・デフロスタ向け空気通路
38…フット・デフロスタ開口部
39…モード切換ドア(モード切換ドア手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、建設機械、農機、産業機械などの車両に搭載される車両用空調装置に関するものであり、特に、天井部に搭載する空調ユニットを構成する構成部品の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用空調装置では、送風手段、冷房用熱交換器、暖房用熱交換器、および吹出モード切替用ドア機構部などを備える空調ユニットを車両天井部に設置して車室内に温度調節された空調風を吹き出す装置である。
【0003】
そして、車室内の乗員の頭部スペースを確保するために、車両前面の窓ガラスの内側面に沿って下方に空気を吹き出すフット・デフロスタ用吹出口を有する吹出ダクトを車室天井部の最前部に配置し、この吹出ダクトの下流に、車両左右方向の両端に配置した乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス吹出口を有するフェイス吹出ダクトに連結し、吹出ダクトに隣接して、車室後方側に空調ユニットを配置し、かつ吹出ダクト16内に暖房用熱交換器のバイパス通路の開度を調整する温度調整用エアミックスドアと、フェイス吹出ダクトへの空気流れを開閉する吹出モード切替用ドアとを回動可能に設けている。これにより、空調ユニットの位置を乗員の頭部上方よりも車室前方側にずらすことが可能となり乗員の頭部スペースの確保を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平09−249020
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1によれば、空調ユニットの車両前後方向の寸法を短縮することで乗員の頭部スペースの確保が可能であるが、フェイス吹出口が乗員に対して側方から空調風を吹き出す部位に設置されているため、乗員に対して前面側から空調風を吹き出す部位に設置したときよりも冷房時の快適性が劣る問題がある。
【0006】
しかも、送風機からフェイス吹出口に至るまでの通風路が長くなっていることと、空気の流れが数箇所にて屈曲しているため送風系の圧力損失が大きくなり冷房時の風量が大幅に低下してしまう問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、フェイス用吹出口を乗員の前方に設置する空調ユニットを構成することで、送風系の圧力損失の低減を図るとともに冷房時の快適性の向上を可能とした車両用空調装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項8に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、空気通路を形成する空調ケース(21)と、この空調ケース(21)内に設置され、空気を冷却する冷房用熱交換器(23)およびこの冷房用熱交換器(23)を通過した空気を加熱する暖房用熱交換器(24)と、この暖房用熱交換器(24)を迂回して冷風が流れるバイパス通路(31)と、このバイパス通路(31)を開閉するバイパス通路切替ドア手段(32)と、暖房用熱交換器(24)の下流端に設けられ、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口(33)と、暖房用熱交換器(24)の下流側に形成され、暖房用熱交換器(24)を通過した空気がフェイス吹出口(33)に向けて流入されるフェイス向け空気通路(34)と、暖房用熱交換器(24)の下流端に形成され、車両前面の窓ガラス(11)の内側面に沿って下方に空気を吹き出すフット・デフロスタ吹出口(36)を有する吹出ダクト(22)に連結されて、暖房用熱交換器(24)を通過した空気がフット・デフロスタ吹出口(36)に向けて流入されるフット・デフロスタ開口部(38)と、暖房用熱交換器(24)の下流側に形成され、暖房用熱交換器(24)を通過した空気がフット・デフロスタ開口部(38)に向けて流入されるフット・デフロスタ向け空気通路(37)と、暖房用熱交換器(24)を通過した空気をモードに応じて、フェイス向け空気通路(34)およびフット・デフロスタ向け空気通路(37)の少なくとも一方に流れ方向を切り替える吹出口切替ドア手段(35)とを備える空調ユニット(20)を車室天井部に設置して車室内に温度調節された空調風を吹き出す車両用空調装置であって、
吹出ダクト(22)は、車室天井部の最前部に配置され、この吹出ダクト(22)より車室後方側に空調ユニット(20)が隣接して配置されており、フェイス吹出口(33)は、冷房用熱交換器(23)および暖房用熱交換器(24)よりも車両後方側の部位に乗員の前面に向けて空調風を吹き出すように空調ケース(21)に設けられたことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、フット・デフロスタ吹出口(36)を有する吹出ダクト(22)を車室天井部の最前部に配置し、フェイス吹出口(33)を乗員の前面に向けて空調風を吹き出すように空調ケース(21)に設けられたことにより、吹出ダクト(22)の車両左右方向の両端部に連結させて車両前部から後部に向けて伸びるように連結させて、車両前部から後部に向けて延びるように配置させたフェイス用吹出ダクトを設ける従来の方式では乗員の側面側に空調風が吹き出されるが、本発明の乗員の前面に空調風が吹き出されるため冷房時の快適性が向上する。
【0010】
また、従来がフェイス用吹出ダクトを設けることで、通風系の圧力損失が大きいために冷房時の風量が低下するが本発明では通風系の圧力損失が大幅に低減できる。従って、送風手段(25)の送風動力の省力化が図れる。
【0011】
また、車両最前部にフット・デフロスタ吹出口(36)が配置され、その車両後方側にフェイス吹出口(33)が設けられることにより、乗員の足元への温風の吹き出し、および乗員の上半身への足元よりも低い空調風の吹き出しによる頭寒足熱の空調ができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、空調ユニット(20)は、冷房用熱交換器(23)と暖房用熱交換器(24)とが車両左右方向に配置され、かつ冷房用熱交換器(23)の上流側に空気を送風する送風手段(25)が車両左右方向の側方に配置されるとともに、フット・デフロスタ向け空気通路(37)およびフェイス向け空気通路(34)が暖房用熱交換器(24)の下流側の車両左右方向の側方に形成されて暖房用熱交換器(24)を通過した空気が吹出ダクト(22)およびフェイス吹出口(33)に流入される流入されるように構成したことを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、冷房用熱交換器(23)、暖房用熱交換器(24)、送風手段(25)、フット・デフロスタ向け空気通路(37)およびフェイス向け空気通路(34)を車両左右方向に設置することにより、空調ユニット(20)の車両前後方向の寸法を小さくできる。従って、フェイス吹出口(33)を乗員の前方側に配置することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、バイパス通路(31)は、冷房用熱交換器(23)および暖房用熱交換器(24)とフェイス吹出口(33)との間に形成され、フェイス向け空気通路(34)は、バイパス通路(31)の車両左右方向の側方に形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、冷房時の通風経路であるバイパス通路(31)、フェイス向け空気通路(34)およびフェイス吹出口(33)を送風手段(25)の近傍に構成することにより、送風手段(25)からフェイス吹出口(33)に至るまでの通風路が短くなるため送風系の圧力損失を大幅に低減でき、かつフェイス吹出ダクトを不要とすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、冷房用熱交換器(23)および暖房用熱交換器(24)は、車両前後方向に対して車両左右方向に傾斜して配置されることを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、車両左右方向に傾斜して配置されることにより、空調ユニット(20)の車両前後方向の寸法をより小さくできる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、最大冷房のときに、バイパス通路切替ドア手段(32)は、バイパス通路(31)を全開位置に切り替えるとともに、吹出口切替ドア手段(35)は、フェイス向け空気通路(34)側に流れ方向を切り替えることを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、バイパス通路切替ドア手段(32)をバイパス通路(31)を全開位置に切り替えることにより、送風系の圧力損失が低減できる。これにより、最大冷房時においては風量を増加させることができる。従って、冷房時の快適性が向上する。
【0020】
請求項6に記載の発明では、暖房用熱交換器(24)に温水を循環させる温水回路に温水量を調節可能な温水弁(30)が設けられ、温水弁(30)とバイパス通路切替ドア手段(32)とを連動させ、バイパス通路切替ドア手段(32)がバイパス通路(31)の全開位置のときに温水弁(30)が閉弁されることを特徴としている。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、最大冷房のときには、バイパス通路切替ドア手段(32)と連動して温水弁(30)が閉弁されることにより、冷房能力に支障を来たすことはない。
【0022】
請求項7に記載の発明では、温水を循環させる温水入口管(24a)と温水出口管(24b)とを有する暖房用熱交換器(24)は、温水入口管(24a)側がフット・デフロスタ開口部(38)側に設置したことを特徴としている。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、暖房用熱交換器(24)を通過する温風は、温水入口管(14a)側のほうが温水温度が高いため、温水入口管(14a)側をフット・デフロスタ開口部(38)の近傍に設置したことにより、フット・デフロスタ開口部(38)側に温度が高い温風を配風することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明では、フット・デフロスタ向け空気通路(37)には、暖房用熱交換器(24)を通過した空気をフット・デフロスタ向け空気通路(37)への流入を開閉するモード切替ドア手段(39)が設けられ、季節が中間期のときに、バイパス通路切替ドア手段(32)がバイパス通路(31)の閉塞位置に切り替えられるとともに、モード切替ドア手段(39)が開口位置に切り替えられ、吹出口切替ドア手段(35)がフェイス向け空気通路(34)側に流れ方向を切り替えられることを特徴としている。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、乗員の足元への温風の吹き出し、および乗員の上半身への足元よりも低い空調風の吹き出しによる頭寒足熱の空調ができる。
【0026】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を小型特殊車両(例えば、農業用トラクター)に搭載する車両用空調装置の空調ユニットに適用した一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明する。まず、図1(a)および図1(b)に示すように、10は車両の天井部外板、11は車両前面の窓ガラス、12は車両後面の窓ガラス、13は車両の天井部内板、20は空調ユニット、21はこの空調ユニット20の空気通路を形成する空調ケースであって、本実施形態では樹脂にて形成し、吹出ダクト22と一体成形されている。
【0028】
空調ケース21は、図示を省略しているが、上ケースと下ケースとに2分割され、その内部に蒸発器(冷房用熱交換器)23、ヒータコア(暖房用熱交換器)24等の機器を内蔵した後、上ケースと下ケースを適宜の締結手段にて一体に結合するようになっている。
【0029】
蒸発器23は、図示しない車両エンジンにて駆動される圧縮機をもつ冷凍サイクルに設けられ、送風空気を冷媒の蒸発潜熱により冷却する。また、ヒータコア24は車両エンジンの冷却水(温水)を熱源として送風空気を加熱する。車両の天井部において、吹出ダクト22は車両の最前部に配置され、空調ケース21はこの吹出ダクト22の後方側に隣接して配置されている。
【0030】
そして、送風手段である送風機25は空調ケース21の車両左右方向の側方、本実施形態では右側の側方に配置されている。この送風機25は周知の遠心式多翼ファン25aをスクロールケーシング25b内に収納した構成であり、このスクロールケーシング25bの吹出口部25cを、蒸発器23の空気流れの上流側に連結して、遠心式多翼ファン25aの送風空気が蒸発器23の空気上流側に流入するようになっている。
【0031】
また、車両の天井部外板10と天井部内板13との間の空間を利用して、空調ユニット20の空気吸入流路26(図1(b)参照)が形成されており、スクロールケーシング25bの空気吸入口(図示せず)は上面側に配置されて、空気吸入流路26に連通している。この空気吸入流路26は、天井部外板10の内側に全面的に形成されるものであって、その最も後方側の部位に、外気(車室外空気)を導入する外気導入口27および内気(車室内空気)を導入する内気導入口28が配置されている。
【0032】
この内外気の両導入口27、28は、内外気切換ドア29により、空気吸入流路26に対して連通、遮断される。また、内外気の両導入口27、28には、それぞれ空気中の塵埃等を除去するフィルタ部材(図示せず)が設けられている。
【0033】
また、ヒータコア24に温水を循環させる温水回路の温水入口管24aには、ヒータコア24への温水量を調整する温水弁30が設けられている。この温水弁30は、後述するバイパス通路切替ドア手段であるバイパスドア32と図示しない操作パネルに設けられた温度調節部材に連結され、この温度調節部材の手動操作により連動して作動するようになっている。
【0034】
因みに、バイパスドア32が全開位置に操作されると温水弁30は全閉位置に操作されるようになっている。所謂、最大冷房のときは、ヒータコア24へ温水を循環させないように設定されている。そして、バイパスドア32の全開位置から閉じる方向に開度が小さくなることで順次温水量を増加するように設定されている。なお、本実施形態では、温水弁30を温水回路の温水入口管24aに設けたが温水出口管24bに設けてもよい。
【0035】
次に、本発明の要部である空調ユニット20は、車両天井部の最前部に後述するフット・デフロスタ吹出口36を有する吹出ダクト22を配置し、その吹出ダクト22より車両後方側に空調ユニット20を隣接して配置したもので、空調ユニット20の車両後方端にフェイス吹出口33を設けて乗員の上半身の前面側に温度調節された空調風を吹き出すように構成されたものである。
【0036】
従って、空調ユニット20の車両前後方向の寸法を小さくするように各種構成部品をレイアウトしたものであって、図2に示すように、空調ケース21内において、蒸発器23とヒータコア24が蒸発器23の空気下流側に車両左右方向に配置され、かつそれぞれが車両の前後方向に対して車両左右方向に傾斜させて配置させている。
【0037】
さらに、蒸発器23の空気上流側、つまり車両左右方向の右側方に送風機25を連結させている。なお、ここで、ヒータコア24は、温水入口管24a側が車両前方側に配置するように構成されている。これにより、ヒータコア24を通過した空気のうちで、温水温度が高い車両前方側を通過した空気の温度の方が後方側より高くすることができる。
【0038】
そして、蒸発器23の車両後方側にヒータコア24を迂回するバイパス通路31が形成してある。このバイパス通路31には、バイパス通路切換ドア手段であるバイパスドア32が回動軸32aにより回動可能に配置されており、回動軸32aが図示しないリンク部材を介して温度調節部材および温水弁30に連結されて作動するようになっている。
【0039】
因みに、最大冷房時のときは、バイパス通路31を全開位置に切り替えるとともに、ヒータコア24への温水の供給を停止(温水量を0とする)する。なお、ここでは、3個のバイパス通路31と3個のバイパスドア32とを設けたが、この個数に限定することはなく個数を増加することで空調ユニット20の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0040】
そして、バイパス通路31の車両後方側にフェイス吹出口33が複数個設けられている。ここでは、3個のフェイス吹出口33を車両左右方向に並べて乗員の上半身の前面に向けて空調風を吹き出すように空調ケース21に設けられている。なお、フェイス吹出口33には、手動操作にて吹出空気の遮断および吹出方向の調整が可能なグリル機構(図示せず)が備えられている。
【0041】
一方、ヒータコア24下流側の車両左右方向の左側方には、ヒータコア24を通過した空気をフェイス吹出口33に向けて流入させるフェイス用通風通路34と、ヒータコア24を通過した空気をフット・デフロスタ吹出口36に向けて流入させるフット・デフロスタ向け空気通路37が形成され、このフット・デフロスタ向け空気通路37の空気下流端にフット・デフロスタ開口部38が形成されている。
【0042】
また、フェイス用通風通路34には、ヒータコア24を通過した空気をフェイス向け空気通路34およびフット・デフロスタ向け空気通路37の少なくとも一方に流れ方向を切り替える吹出口切替ドア手段である吹出口切替ドア35が設けられている。この吹出口切替ドア35は、冷房モードのときにフェイス向け空気通路34側に切り替えられ、バイレベルモードのときに、フェイス向け空気通路34への流入を半減する半開位置に切り替えられ、および暖房モードのときにフット・デフロスタ向け空気通路37側に切り替えられる。
【0043】
また、このフット・デフロスタ向け空気通路37の空気上流側には、ヒータコア24を通過した空気をフット・デフロスタ向け空気通路37への流入を開閉するモード切替ドア手段であるモード切替ドア39が設けられている。このモード切替ドア39は、暖房モード、バイレベルのときに、フット・デフロスタ向け空気通路37への流入を開口する開口位置に切り替えられ、冷房モードのときにフット・デフロスタ向け空気通路37への流入を閉塞する閉口位置に切り替えられる。
【0044】
なお、吹出口切替ドア35およびモード切替ドア39は、それぞれの回動軸35a、39aにより回動可能に配置されており、その回動軸35a、39aが図示しないリンク部材を介して、図示しない空調操作盤に設けられた吹出モード切換部材に連結され、この吹出モード切換部材の手動操作により図示しないリンク部材により連動して作動するようになっている。
【0045】
次に、吹出ダクト22は、下方に向けて、フット・デフロスタ吹出口36が複数個設けてある。ここでは4個、車両左右方向に並べて配置してあり、このフット・デフロスタ吹出口36からの空調風は、車両前面の窓ガラス11の内側面に沿って下方に向かうので、乗員の足元部に温風を到達させるフット吹出口としての役割と、窓ガラス11の曇り止めを行うデフロスタ吹出口としての役割を兼ねるものである。なお、このフット・デフロスタ吹出口36にも、手動操作にて冷風吹出の遮断および吹出方向の調整が可能なグリル機構(図示せず)が備えられている。
【0046】
また、本実施形態では、吹出ダクト22と空調ケース21とは一体に成形したが、これに限らず、吹出ダクト22と空調ケース21とが別体で成形してフット・デフロスタ開口部38において、吹出ダクト22と空調ケース21と接続させてもよい。
【0047】
次に、以上の構成によるバイパスドア32、吹出口切替ドア35およびモード切替ドア39の作動をモード別に説明する。図2は、最大冷房モードの状態を示し、冷凍サイクルの圧縮機および送風機25を作動させることにより、蒸発器23に冷媒が循環するとともに、送風機25の送風空気(内気または外気)が蒸発器23に送風され、蒸発器23にて送風空気が冷却されて冷風となる。
【0048】
ここで、図2に示すように、バイパスドア32がバイパス通路31の全開位置に操作されると、温水弁30は全閉位置に操作される。また、吹出口切替ドア35およびモード切替ドア39は、フット・デフロスタ向け空気通路37を閉塞してフェイス吹出口33へのフェイス向け空気通路34を全開している。従って、蒸発器23で冷却された冷風は、冷風バイパス通路31およびフェイス向け空気通路34を通ってフェイス吹出口33から乗員の上半身に向かって冷風が吹き出され、車室内の冷房が行われる。なお、この最大冷房モード時には、温水弁30の全閉によりヒータコア24への温水の循環が停止されており、冷風中への放熱を防止する。
【0049】
なお、冷房モードにおける吹出空気温度の調節は、バイパスドア32を冷風バイパス通路31の全開位置から閉位置側に開度を狭めることにより行うことができる。すなわち、バイパスドア32を閉じる方向に回動させることにより、温水弁30が順次開弁して、ヒータコア24への温水の循環が開始されるので、ヒータコア24を通過する空気が加熱され温風となる。この温風と冷風バイパス通路31からの冷風とが、バイパス通路31とフェイス吹出口33の間に設けた図示しない混合ガイド板によって、フェイス吹出口33の直前で混合することにより、フェイス吹出口33から車室内へ吹き出す空調空気の吹出温度を調節できる。
【0050】
次に、図3は春秋期のような中間シーズンに用いるバイレベルモードの状態を示す。このバイレベルモードでは、上記冷房モードに対して、バイパスドア32をバイパス通路31の閉塞位置に操作する。また、モード切替ドア39は、フット・デフロスタ向け空気通路37への流入を全開位置に操作する。また、吹出口切替ドア35は、フェイス向け空気通路34への流入を半開位置に操作する。
【0051】
これにより、ヒータコア24を通過して加熱された温風の大部分がフット・デフロスタ吹出口36側へ流れるとともに、この温風の一部がフェイス向け空気通路34に流れフェイス吹出口33から吹き出される。なお、このときに、ヒータコア24において、フット・デフロスタ用吹出口36側へ流れる温風は、温水温度の高い温水入口管24a側で加熱されるため、フェイス吹出口33から空気の温度をフット・デフロスタ用吹出口36から吹き出す空気の温度より低くすることができ、頭寒足熱型の快適な温度分布を車室内に形成できる。
【0052】
次に、図4は除湿暖房モードであり、外気温度が比較的低く、かつ湿度が高いような条件で使用する。この除湿暖房モードでは、上記冷房モードに対して、バイパスドア32をバイパス通路31の閉塞位置に操作する。また、モード切替ドア39は、フット・デフロスタ向け空気通路37への流入を全開位置に操作する。また、吹出口切替ドア35をフェイス向け空気通路34への流入が閉塞する全閉位置に操作する。
【0053】
これにより、蒸発器23で冷却、除湿された冷風がヒータコア24で加熱されすべてフット・デフロスタ吹出口36から車両前面の窓ガラス11の内側面に沿って下方に吹き出し、窓ガラス11の曇り止めを行いながら、車室の暖房を行なう。なお、このときの温度調節は、温水弁30によりヒータコア24を循環する温水量により温度調節が行われる。
【0054】
以上の一実施形態の車両用空調装置によれば、フット・デフロスタ吹出口36を有する吹出ダクト22を車室天井部の最前部に配置し、フェイス吹出口33を乗員の前面に向けて空調風を吹き出すように空調ケース21に設けられたことにより、吹出ダクト22の車両左右方向の両端部に連結させて車両前部から後部に向けて伸びるように連結させて、車両前部から後部に向けて延びるように配置させたフェイス用吹出ダクトを設ける従来の方式では乗員の側面側に空調風が吹き出されるが、本発明の乗員の前面に空調風が吹き出されるため冷房時の快適性が向上する。
【0055】
また、従来がフェイス用吹出ダクトを設けることで、通風系の圧力損失が大きいために冷房時の風量が低下するが本発明では通風系の圧力損失が大幅に低減できる。従って、送風機25の送風動力の省力化が図れる。
【0056】
また、車両最前部にフット・デフロスタ吹出口36が配置され、その車両後方側にフェイス吹出口33が設けられることにより、乗員の足元への温風の吹き出し、および乗員の上半身への足元よりも低い空調風の吹き出しによる頭寒足熱の空調ができる。
【0057】
また、蒸発器23、ヒータコア24、送風機25、フット・デフロスタ向け空気通路37およびフェイス向け空気通路34を車両左右方向に設置することにより、空調ユニット20の車両前後方向の寸法を小さくできる。従って、フェイス吹出口33を乗員の前方側に配置することができる。
【0058】
さらに、冷房時の通風経路であるバイパス通路31、フェイス向け空気通路34およびフェイス吹出口33を送風機25の近傍に構成することにより、送風機25からフェイス吹出口33に至るまでの通風路が短くなるため送風系の圧力損失を大幅に低減でき、かつフェイス吹出ダクトを不要とすることができる。
【0059】
また、蒸発器23およびヒータコア24は、車両前後方向に対して車両左右方向に傾斜して配置されることことにより空調ユニット20の車両前後方向の寸法をより小さくできる。
【0060】
また、最大冷房のときに、バイパス通路切替ドア32がバイパス通路31を全開位置に切り替えることにより、送風系の圧力損失が低減できる。これにより、最大冷房時においては風量を増加させることができる。従って、冷房時の快適性が向上する。また、このときに、バイパス通路切替ドア32と連動して温水弁30が閉弁されることにより、冷房能力に支障を来たすことはない。
【0061】
また、ヒータコア24を通過する温風は、温水入口管14a側のほうが温水温度が高いため、温水入口管14a側をフット・デフロスタ開口部38の近傍に設置したことにより、フット・デフロスタ開口部38側に温度が高い温風を配風することができる。
【0062】
また、中間期のときに、フット・デフロスタ向け空気通路37には、ヒータコア24を通過した空気をフット・デフロスタ向け空気通路37への流入を開閉するモード切替ドア39が設けられ、バイパス通路切替ドア32がバイパス通路31の閉塞位置に切り替えられるとともに、モード切替ドア39が開口位置に切り替えられ、吹出口切替ドア35がフェイス向け空気通路34側に流れ方向を切り替えられることにより、乗員の足元への温風の吹き出し、および乗員の上半身への足元よりも低い空調風の吹き出しによる頭寒足熱の空調ができる。
【0063】
(他の実施形態)
以上の一実施形態では、吹出口切替ドア35を平板状の板ドアで説明したが、回動軸35aが中央部に形成されるバタフライドアを用いてもよい。空調ユニット20の車両前後方向の寸法を、さらに小さくできる。
【0064】
また、以上の実施形態では、蒸発器23の車両左右方向の右側方に送風機25を配置させたが、全体が左右対称となる配置のレイアウトでもよい。また、バイパスドア32、吹出口切替ドア35およびモード切替ドア39の駆動手段として、手動操作による温度調節部材および吹出モード切換部材に連結させて駆動させたが、サーボモータなどアクチュエータを用いてもよい。
【0065】
また、以上の実施形態では、空調ユニット20が空調ケース21内に蒸発器23と、ヒータコア24とを両方とも一体的に内蔵するタイプのものであったが、これに限らず、車両用空調装置を構成するヒータコアを内蔵するヒータユニット、蒸発器のみを内蔵するクーラユニットおよびこれらのユニットに送風空気を送風する送風ユニットにおいても本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における(a)は車両用空調装置の全体構成を示す平面配置図、(b)は(a)の側面配置図である。
【図2】本発明の一実施形態における空調ユニット20の構成を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるバイレベルモードのときの作動形態を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態における除湿暖房モードのときの作動形態を示す模式図である。
【符号の説明】
11…窓ガラス
20…空調ユニット
21…空調ケース
22…吹出ダクト
23…蒸発器(冷房用熱交換器)
24…ヒータコア(暖房用熱交換器)
24a…温水入口管
24b…温水出口管
25…送風機(送風手段)
30…温水弁
31…バイパス通路
32…バイパスドア(バイパス通路切替ドア手段)
33…フェイス吹出口
34…フェイス向け空気通路
35…吹出口切替ドア(吹出口切替ドア手段)
36…フット・デフロスタ吹出口
37…フット・デフロスタ向け空気通路
38…フット・デフロスタ開口部
39…モード切換ドア(モード切換ドア手段)
Claims (8)
- 空気通路を形成する空調ケース(21)と、
前記空調ケース(21)内に設置され、空気を冷却する冷房用熱交換器(23)および前記冷房用熱交換器(23)を通過した空気を加熱する暖房用熱交換器(24)と、
前記暖房用熱交換器(24)を迂回して冷風が流れるバイパス通路(31)と、
前記バイパス通路(31)を開閉するバイパス通路切替ドア手段(32)と、前記暖房用熱交換器(24)の下流端に設けられ、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口(33)と、
前記暖房用熱交換器(24)の下流側に形成され、前記暖房用熱交換器(24)を通過した空気が前記フェイス吹出口(33)に向けて流入されるフェイス向け空気通路(34)と、
前記暖房用熱交換器(24)の下流端に形成され、車両前面の窓ガラス(11)の内側面に沿って下方に空気を吹き出すフット・デフロスタ吹出口(36)を有する吹出ダクト(22)に連結されて、前記暖房用熱交換器(24)を通過した空気が前記フット・デフロスタ吹出口(36)に向けて流入されるフット・デフロスタ開口部(38)と、
前記暖房用熱交換器(24)の下流側に形成され、前記暖房用熱交換器(24)を通過した空気が前記フット・デフロスタ開口部(38)に向けて流入されるフット・デフロスタ向け空気通路(37)と、
前記暖房用熱交換器(24)を通過した空気をモードに応じて、前記フェイス向け空気通路(34)および前記フット・デフロスタ向け空気通路(37)の少なくとも一方に流れ方向を切り替える吹出口切替ドア手段(35)とを備える空調ユニット(20)を車室天井部に設置して車室内に温度調節された空調風を吹き出す車両用空調装置であって、
前記吹出ダクト(22)は、車室天井部の最前部に配置され、前記吹出ダクト(22)より車室後方側に前記空調ユニット(20)が隣接して配置されており、前記フェイス吹出口(33)は、前記冷房用熱交換器(23)および前記暖房用熱交換器(24)よりも車両後方側の部位に乗員の前面に向けて空調風を吹き出すように前記空調ケース(21)に設けられたことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記空調ユニット(20)は、前記冷房用熱交換器(23)と前記暖房用熱交換器(24)とが車両左右方向に配置され、かつ前記冷房用熱交換器(23)の上流側に空気を送風する送風手段(25)が車両左右方向の側方に配置されるとともに、前記フット・デフロスタ向け空気通路(37)および前記フェイス向け空気通路(34)が前記暖房用熱交換器(24)の下流側の車両左右方向の側方に形成されて前記暖房用熱交換器(24)を通過した空気が前記吹出ダクト(22)および前記フェイス吹出口(33)に流入されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記バイパス通路(31)は、前記冷房用熱交換器(23)および前記暖房用熱交換器(24)と前記フェイス吹出口(33)との間に形成され、前記フェイス向け空気通路(34)は、前記バイパス通路(31)の車両左右方向の側方に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記冷房用熱交換器(23)および前記暖房用熱交換器(24)は、車両前後方向に対して車両左右方向に傾斜して配置されることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
- 最大冷房のときに、前記バイパス通路切替ドア手段(32)は、前記バイパス通路(31)を全開位置に切り替えるとともに、前記吹出口切替ドア手段(35)は、前記フェイス向け空気通路(34)側に流れ方向を切り替えることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
- 前記暖房用熱交換器(24)に温水を循環させる温水回路に温水量を調節可能な温水弁(30)が設けられ、前記温水弁(30)と前記バイパス通路切替ドア手段(32)とを連動させ、前記バイパス通路切替ドア手段(32)が前記バイパス通路(31)の全開位置のときに前記温水弁(30)が閉弁されることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
- 温水を循環させる温水入口管(24a)と温水出口管(24b)とを有する前記暖房用熱交換器(24)は、前記温水入口管(24a)側が前記フット・デフロスタ開口部(38)側に設置したことを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
- 前記フット・デフロスタ向け空気通路(37)には、前記暖房用熱交換器(24)を通過した空気を前記フット・デフロスタ向け空気通路(37)への流入を開閉するモード切替ドア手段(39)が設けられ、季節が中間期のときに、前記バイパス通路切替ドア手段(32)が前記バイパス通路(31)の閉塞位置に切り替えられるとともに、前記モード切替ドア手段(39)が開口位置に切り替えられ、前記吹出口切替ドア手段(35)が前記フェイス向け空気通路(34)側に流れ方向を切り替えられることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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