JP2004299044A - レジノイド結合剤を使用して構成されたオフセット型フレキシブル研削砥石及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【手段】 本発明のレジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石は、砥材として、砥粒の表面にビトリファイド結合剤が残存した砥材を含むことを特徴とする。そのビトリファイド結合剤の好ましい残存量は、該ビトリファイド結合剤が残存した砥材重量に対して4〜10重量%である。
【選択図】 なし
Description
(a)ビトリファイド結合剤を使用して構成されている使用済みの研削砥石から、砥材を再生する工程;および
(b)前記再生した砥材をレジノイド結合剤と共に使用して、レジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石を製造する工程;
を含む製造方法を提供する。
本発明のレジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石は、使用済みのビトリファイド研削砥石から再生した砥材を含むことを特徴とする。ビトリファイド研削砥石からの砥材再生は、以下のようにして行われる。
上記のようにして得られた砥材を再生砥粒として使用する。
図1は、上述のようにして再生されたHA砥粒の写真を示し、図2は、同種の未使用砥粒(砥粒メーカーから購入した同種新品の砥粒)の写真を示す。
(1)各砥粒の表面に残留したビトリファイド結合剤のガラス質がレジノイド結合剤と水素結合を起こし、レジノイド結合剤と砥粒との接着性が向上した。これが、研削時における砥粒の脱落を抑制し得る。
(2)上記再生工程を経て得られる砥粒は、粒度が均一であるため、切れ刃となる砥粒の割合が増加した。
(3)砥粒形状が球状に近くなったため、研削時における砥粒のエッジ部分の破砕、脱落がなくなった。
本発明の砥石製造のために再生され得る砥材は、特に限定されないが、ビトリファイド研削砥石で広く使用されているアルミナ系砥材や炭化珪素系砥材が好ましい。具体的には、アルミナ系砥材としては褐色アルミナ研削材、白色アルミナ研削材、淡紅色アルミナ研削材、解砕型アルミナ研削材、ゾルゲルアルミナ質砥材、炭化珪素系砥材としては黒色炭化珪素研削材、緑色炭化珪素研削材などが挙げられる。
上記再生砥材を使用した研削砥石は、公知の方法に従って製造できる。具体的には、上記再生砥材とレジノイド結合剤と(必要であれば樹脂硬化剤等の他の配合物と共に)を混合し、その混合物を適切な圧力及び温度下で成型及び焼成する。得られた成型体は研削砥石としての用途に適するよう適宜加工される。その製造条件(原料の配合比、混合条件、加圧・加熱条件等)は、当該技術分野において良く知られている。
使用済みビトリファイド研削砥石から、淡紅色アルミナ質砥材を再生した。本実施例では、異なる粒度の砥粒(F46、F60、F80、F100、F120、F120、F150)をそれぞれ再生した。
上記のようにして得られた再生砥材について、かさ比重、破砕率、残存結合剤量の測定を行った。
[かさ比重]
上記のようにして再生した砥材(F46、F60)とそれらの同種新品の砥材との間で、かさ比重を比較し、砥粒形状の相違について評価した。
[破砕率]
再生した砥材(F60)とその同種新品の砥材との間で破砕率を比較し、砥材の強度を評価した。
X=(1−(a)/(b))×100
表2に破砕率テストの結果を示す。
[残存する結合剤量]
再生砥材(F46、F80、F120)をフッ酸溶解テストにかけ、表面に残存する結合剤量を測定した。
Y=((c)―(d))/(c)×100
表3にフッ酸溶解テストの結果を示す。
[砥材の篩い分けテスト]
各再生砥材(F46、F60、F80、F100、F120、F150)について、篩い分けテストを行い、それらの粒度分布を評価した。
表4は、各粒度分布の比較を示す。
テスト砥石の製造
上述した再生工程の手順に従い、別の使用済みビトリファイド研削砥石から、白色アルミナ質砥材(WA砥粒とも称する)と解砕型アルミナ質砥材(HA砥粒とも称する)をそれぞれ再生した。
再生砥材を使用した場合と未使用砥材を使用した場合との効果の差を確認するため、以下の研削テストを行った。
[研削テスト条件]
テスト研削は、電気ディスクグラインダー(日立工機(株)製720W)にテスト砥石を装着し、手動によりテスト砥石を被削材の上で往復させて行った。テスト砥石は寸法102mm厚さ2.8mm、穴径15mmとし、被削材は材質をSUS304(HRBで86/90)、寸法を厚さ9mm、横幅50mm、縦長さ300mmとした。研削条件は、砥石回転数12,000rpm、送り速度約0.5m/sec、研削幅9mm、傾斜角10〜15°、研削時間は20分とした。
[研削テスト結果の評価方法]
評価項目として、被削材除去体積、砥石消耗体積、及び研削比を測定し、比較した。被削材除去体積及び砥石消耗体積は、研削前と研削後の砥石又は被削材の各重量を測定し、それら重量値とそれぞれの比重値から、前記テスト研削で消耗し消失した体積分を算出した。また、研削比は、前記被削材除去体積/前記砥石消耗体積から算出した。
[研削テストの結果]
表6に、各実施例のテスト砥石の被削材除去体積、砥石消耗体積及び研削比についてそれぞれ比較例を100とした相対指数で示す。
さらに研削比からは、砥石消耗体積と被削材除去体積の上記2つの特性を総合的に評価することができる。上記表6の結果によると、実施例1〜3のいずれも、研削比が比較例1に比べて向上しており、とりわけ、再生砥材のみによる実施例3の研削比は、未使用砥材のみによる比較例1と比較して1.6倍に達するという顕著な効果が得られた。このように実施例の砥石においては、被削材除去体積と砥石消耗体積の双方が良好である上に研削比も向上している。このことは、切れ味が良好で且つ砥石消耗体積が低いということであるから、研削砥石にとって理想的な特性である。
実施例1の再生工程に従い使用済みビトリファイド砥石から再生した白色アルミナ質砥粒(WA)粒度F60を使用したレジノイド砥石のテストピースを作製し、曲げ強度テストを行った。比較例では、同じ白色アルミナ質砥粒(WA)粒度F60であるが市販のものを同様の粒度分布に調製して使用した。
砥粒作製手順は、次の通りである。それぞれ用意した砥粒を、砥粒100重量部に、ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム15重量部を加えて攪拌し、液状フェノール樹脂5重量部を加えて攪拌して湿らせた後、粉末フェノール樹脂20重量部を加えて攪拌し、砥石材料混合物を得た。得られた砥石材料混合物を120×40(mm)の長方形形状の金型に充填し、厚み30mmになるよう冷間で加圧し、120×30×40(mm)の直方体形状の成型物を得た。さらに170℃、24時間で硬化させてテスト砥石を得た。
[焼成後の砥石比重評価手順]
上記のようにして得られたテスト砥石の直方体各片の寸法を測定し、体積を求め、重量も測定する。重量(g)を体積で割った値を砥石比重値とした。
[曲げ強度評価手順]
JIS規格(ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法R1601、1986)に従い、各テスト砥石をスパン間距離100mm、荷重降下速度1.0mm/分にて3点曲げ強度を行った。各テストピースについて3個の平均値をとった。
表7にテスト結果を示す。
実施例ではビトリファイド砥石から回収および再生した砥粒を使用しているため砥粒表面にビトリファイド結合剤が付着しているが、比較例では実施例と同様の整粒手順にて整粒した市販砥粒であり、砥粒表面にビトリファイド結合剤は付着していない点で異なる。すなわち、実施例における曲げ強度の向上は、砥粒表面にビトリファイド結合剤が付着しているか否かの差のみに依拠する。本テスト結果は、再生砥粒に残存したビトリファイド結合剤が、レジノイド結合剤との接着性を向上させ、砥粒保持力の向上をもたらしたことを示す。
本発明によれば、使用済みビトリファイド研削砥石からの再生砥材をレジノイド研削砥石に利用するので、使用済み砥石の廃棄処理の負担を軽減し、その廃棄のために懸念される環境問題を解消し、その結果、資源の有効利用に寄与する。これらに加えて、使用済みビトリファイド研削砥石からの再生砥材をレジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石に使用することで、研削性能が良好なレジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石を提供できる。
Claims (5)
- 砥材とレジノイド結合剤とにより構成されるオフセット型フレキシブル研削砥石であって、前記砥材として、砥粒の表面にビトリファイド結合剤が残存した砥材を含むことを特徴とするレジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石。
- 前記ビトリファイド結合剤の残存量は、該ビトリファイド結合剤が残存した砥材の重量に対して、少なくとも4重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のレジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石。
- 前記砥材が、アルミナ系砥材又は炭化珪素系砥材であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石。
- 砥材とレジノイド結合剤とにより構成されるレジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石の製造方法であって、
(a)ビトリファイド結合剤を使用して構成されている使用済みの研削砥石から、砥材を再生する工程;および
(b)前記再生した砥材をレジノイド結合剤と共に使用して、レジノイド−オフセット型フレキシブル研削砥石を製造する工程;
を含む製造方法。 - 前記工程(a)において、アルミナ系砥材又は炭化珪素系砥材とビトリファイド結合剤とにより構成されている使用済みのビトリファイド研削砥石から、該アルミナ系砥材又は該炭化珪素系砥材を再生することを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004053876A JP2004299044A (ja) | 2003-03-19 | 2004-02-27 | レジノイド結合剤を使用して構成されたオフセット型フレキシブル研削砥石及びその製造方法 |
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JP2004053876A JP2004299044A (ja) | 2003-03-19 | 2004-02-27 | レジノイド結合剤を使用して構成されたオフセット型フレキシブル研削砥石及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009528924A (ja) * | 2006-03-06 | 2009-08-13 | サン−ゴバン アブラジフ テクノロジ エ セルビス | 微細トリミングのための研削砥石、研削砥石の使用ならびにその製造方法及び装置 |
US8961269B2 (en) | 2010-12-30 | 2015-02-24 | Saint-Gobain Abrasives, Inc. | Abrasive wheels and methods for making and using same |
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2004
- 2004-02-27 JP JP2004053876A patent/JP2004299044A/ja active Pending
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