JP2915425B2 - 硬質物を含有する軟質合金用ホーニング砥石 - Google Patents

硬質物を含有する軟質合金用ホーニング砥石

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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) 本発明は、アルミニウム合金,銅合金,ニッケル合金
などの軟質金属材料を素材として用いた部材(部品,素
材)の研削ないしは研摩に利用するのに好適であり,と
くに軟質金属母材中に初晶Si,SiC,Al2O3,ZrO2粒などの
粒子状やSiC,ZrO2,Al2O3繊維などの繊維状の硬質成分
を含む部材の研削ないしは研摩に利用するのに好適な、
硬質物を含有する軟質合金用ホーニング砥石に関するも
のである。 (従来の技術) 従来、部材の研削ないしは研摩を行う手法としては、
電解研摩,羽布研摩,ホーニング加工などがあり、ホー
ニング加工用の砥石としては、長石を主成分とする無機
質の結合剤であるビトリファイド結合剤やフェノール樹
脂を主成分とするレジノイド結合剤をバインダーとして
用いることにより砥粒を結合させたものが使用されてい
た。 他方、近年における自動車の軽量化の要請にしたが
い、エンジンのシリンダブロックなどをアルミニウム合
金から製造することも検討され、一部実用化されてい
る。そして、エンジンのシリンダブロック素材として
は、耐摩耗性に優れた初晶Siが晶出する過共晶Al−Si鋳
造用合金が使用され、エンジンのシリンダブロックのと
くにピストンとの摺動により摩耗しやすいシリンダボア
の耐摩耗性を向上させるために、シリンダボアの研削・
研摩に際して硬い初晶Siを表面に露出させた状態とし、
ボア表面でのオイルの保持能力を高めることとあわせて
耐摩耗性を向上させるようにする方法が考えられてい
る。 そして、このようなエンジンのシリンダブロックのボ
ア面などのアルミニウム合金部材の表面の研削ないしは
研摩に使用される砥石として、砥粒と微粒子添加材とを
可撓性のある注型用熱硬化型液状エポキシ樹脂によって
結合して無気孔状態としたものがあった(特開昭62−24
969号公報)。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、電解研摩では酸性の研摩浴を用いるた
め、研摩用加工機械や被研摩部材を腐食することがある
という課題を有し、羽布研摩では砥粒と水もしくは油と
の混合液を研摩の都度羽布にしみ込ませる必要があるた
め作業が繁雑であるという課題があった。 また、長石を主成分とする無機質の結合剤であるビト
リファイド結合剤やフェノール樹脂を主成分とするレジ
ノイド結合剤をバインダーとして使用して砥粒を結合し
た砥石では、砥石の縦弾性係数が大きいために、過共晶
Siアルミニウム合金のように比較的軟らかい金属の中に
硬い初晶Si粒子が晶出している素材を用いた部材を研削
ないしは研摩した場合には、砥石の弾性率が高いことか
ら、アルミニウム合金中にある初晶Si粒子の破壊を生じ
たり、アルミニウム母材からの初晶Si粒子の欠落を生じ
たりすることがあるという課題があった。 さらに、可撓性のある注型用熱硬化型液状エポキシ樹
脂を結合剤として砥粒と混合して無気孔状態とした砥石
の場合には、無気孔であるため砥石の研削面からの砥粒
の突出量が小さいことから、時間あたりの研削・研摩量
が少なくなり、従来の長石を主成分とした結合剤を用い
た砥石で鋳鉄部材を研削・研磨していたときの時間あた
りの加工量と比較しても加工量が大幅に低下し、大量生
産工程には採用しにくいという課題があった。 (発明の目的) 本発明は、このような従来の課題にかんがみてなされ
たもので、とくに軟質金属材料を用いた部材を研削ない
しは研摩するに際して、軟質金属材料中に含まれる硬質
物質、例えば過共晶Siアルミニウム合金を素材とした場
合の初晶Siの破壊および欠落を生じることがなく、ま
た、従来の液状エポキシ樹脂を用いて無気孔状態に成形
された砥石に比べて時間あたりの研削・研摩量を増加さ
せることが可能であって、とくに軟質金属部材の短時間
での研削・研摩に適したホーニング砥石を提供すること
を目的としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) 本発明に係るホーニング砥石は、硬質物を含有する軟
質合金用ホーニング砥石において、砥粒が粉末の可撓性
樹脂とくに粉末のエポキシ樹脂によって結合されている
と共に2〜50体積%の気孔を有している構成としたこと
を特徴としており、このようなホーニング砥石を製造す
る実施態様においては、少なくとも粉末の可撓性樹脂と
くに粉末のエポキシ樹脂と粉状や液状の硬化剤と砥粒と
必要に応じて微粒子添加材等とを混合して得た混合物を
砥石成形型内に装入し、内部に適度の気孔が残留する程
度の加圧力によって加圧成形する構成としたことを特徴
としており、上記の各構成を前述した従来の課題を解決
するための手段としている。 本発明に係る硬質物を含有する軟質合金用ホーニング
砥石において、砥粒としては、炭化珪素質粒,炭化硼素
質粒,ダイヤモンド粒,立方晶窒化硼素質(CBN)粒,
溶融アルミナ質粒などの人造硬質砥粒やそれらの混合粒
を用いることが可能であるが、必らずしも人造のものに
限定されず、必要に応じて天然のものを適宜使用しても
よい、 また、粉末の可撓性樹脂としては、従来のビトリファ
イド結合剤およびレジノイド結合剤よりも可撓性のある
結合剤である粉末の可撓性樹脂、とくに粉末のエポキシ
樹脂が用いられ、例えばエポキシ当量が400〜5000であ
ってかつ融点が60℃以上の固型状のビスフェノールA型
エポキシ樹脂を適宜の粉砕機により例えば♯60全通にな
る程度まで粉砕して粉末状にしたものが用いられる。 さらに、上記の粉末状可撓性樹脂の硬化剤としては、
酸無水物,芳香族アミン,フェノール樹脂等の硬化剤な
ど、通常エポキシ樹脂などの硬化剤として使用されるも
ののうち、例えば融点が60℃以上であって常温において
固型のものを例えば♯60全通となる程度まで粉砕して粉
末にした粉状のものを使用したり、液状の硬化剤を使用
したりすることができる。 このとき、粉末状の可撓性樹脂と同じく粉末状の硬化
剤とをそれぞれ所定量ずつ配合するほか、所定量だけ秤
量した固型の可撓性樹脂と同じく所定量だけ秤量した固
型の硬化剤とを同時に粉砕することにより、粉末の可撓
性樹脂と粉末の硬化剤とを得るようになすこともでき
る。 そのほか、微粒子状の添加材として、グラファイトな
どの黒鉛や、酸化クロム,酸化ジルコニウムなどの酸化
物を必要に応じて添加することもできる。 そして、上記した粉末の可撓性樹脂と粉状や液状の硬
化剤とを配合し、この配合物に前述した砥粒と必要に応
じて微粒子添加材等とを混合して得た混合物を砥石成形
型内に装入して加圧成形し、この際の加圧成形条件を調
整することによって内部に2〜50体積%の気孔を有する
砥石を得る。 この場合、砥石の気孔量(気孔率)をある程度以上の
多いものとすることにより砥石が研削中に軟らかく作用
し、目詰まりを防止することができる。しかし、気孔量
が多すぎると砥石の消耗量が多くなりすぎ、砥粒が砥石
の研削面から脱落することがあり、脱落した砥粒によっ
て被研削・研摩部材の研削・研摩面に深い疵が入るおそ
れがでてくる。したがって、砥石の気孔率は50体積%以
下とするのがよい。 他方、砥石の気孔量が少なくなれば、砥粒が砥石の研
削面から脱落するおそれが小さくなるが、砥石の気孔量
が少なくなりすぎると、砥石があまり消耗しなくなるこ
とから、研削・研摩された微細な被研削・研摩部材の切
粉が気孔内に入って詰まりを生じて砥石の研削面が無気
孔状態となり、この結果研削・研摩面からの砥粒の突出
量が小さくなって時間あたりの研削・研摩量が少なくな
る。したがって、砥石の気孔率は2体積%以上とするの
がよい。 さらに、砥石の弾性係数については5〜200kg/mm2
度のものとするのがより好ましく、従来の長石を主成分
とする無機質の結合剤であるビトリファイド結合剤やフ
ェノール樹脂を主成分とするレジノイド結合剤を使用し
た砥石に比べて弾性係数の低いものとすることによっ
て、初晶Siやセラミックスなどの粒状あるいは繊維状の
強化材の破壊や欠落が起りにくいものとなる。 したがって、砥石を用いた研削・研摩条件にみ合った
最適の気孔率および縦弾性係数等を選定することによっ
て、砥粒を微粉砕させながら砥石を適量消耗させること
により、砥石の研削・研摩面に微細な被研削・研摩部材
の切粉が詰まることなく、被研削・研摩部材において良
好な仕上面を得ることができるようになる。 このような砥石によって研削ないしは研摩加工される
被研削・研摩部材は、例えば過共晶Siアルミニウム合金
であり、エンジンのシリンダブロック等の素材となるも
のであるが、アルミニウム合金に限らず、銅合金,亜鉛
合金,ニッケル合金などの比較的軟らかい金属材料から
なる部材(部品,素材)に適用され、さらには初晶Siに
よる強化だけでなく、炭化珪素,アルミナ,ジルコニア
等の粒子や繊維(ホイスカ等)を複合化させた複合軟質
金属部材の研削ないしは研摩に適用可能である。 (発明の作用) 本発明に係るホーニング砥石は、硬質物を含有する軟
質合金用ホーニング砥石において、砥粒が粉末の可撓性
樹脂とくに粉末のエポキシ樹脂によって結合されている
と共に2〜50体積%の気孔を有しているものであるか
ら、従来の長石を主成分とする無機質の結合剤であるビ
トリファイド結合剤やフェノール樹脂を主成分とするレ
ジノイド結合剤を使用した砥石に比べて砥石の弾性係数
が低いものとなっており、砥粒は可撓性樹脂とくに従来
のビトリファイド結合剤およびレジノイド結合剤よりも
可撓性のある結合剤である粉末のエポキシ樹脂によって
弾性的に保持されているので、被研削・研摩部材の表面
に露出する硬質粒子,硬質繊維、例えば過共晶アルミニ
ウム合金よりなる部材の研削ないしは研摩に使用した場
合における硬質粒子である初晶Siに対して砥粒から加え
られる局部的な荷重が緩和されるようになり、砥粒は初
晶Siを乗り越えながらアルミニウム合金基地のみを削り
取るようになることから、初晶Siの破壊や欠落が起りに
くく、アルミニウム合金基地のみが効率的に研削・研摩
されるようになる。また、適度の気孔(気孔率)を有し
ているので、液状のエポキシ樹脂を結合剤として用いた
無気孔状態の砥石と比較して時間あたりの研削・研摩量
が多いものとなるという有利な作用がもたらされる。 (実施例) 実施例1 粉末の可撓性樹脂としてエポキシ当量が925である固
型のビスフェノールA型エポキシ樹脂を粉砕機により♯
60全通とななるまで粉砕した粉末と、硬化剤として通常
エポキシ樹脂の硬化剤に使用される固型の酸無水物硬化
剤を粉砕機により♯60全通となるまで粉砕した粉末とを
高速混合機に入れて下記に示す重量比で配合を行った。 次いで、上記の粉末状の可撓性樹脂と硬化剤とからな
る配合物中に、砥粒として炭化珪素(GC♯800)を下記
に示す重量比で混合した。 このとき、可撓性樹脂と硬化剤と砥粒との混合比,混
合物の重量,加圧成形したのちの成形体の体積(みかけ
比重)を調整することによって、砥石の気孔量(気孔
率)を調整することが可能であるが、この実施例1で
は、固型物を粉砕した粉末状の可撓性樹脂20重量部と同
じく固型物を粉砕した粉末状の酸無水物粉末硬化剤2重
量部と、砥粒100重量部との配合比となるようにして混
合した。 次いで、上記の混合物を砥石成形型内に装入し、プレ
スによって加圧成形することにより砥石を得るに際し、
加圧力を調整することによって、砥石のみかけ比重が1.
48g/cm3となるようにした。 この結果、炭化珪素砥粒が38.0体積%、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂が20.0体積%、酸無水物粉末硬化剤
が2.0体積%、気孔が40.0体積%の砥石粗材を得た。次
いで、この砥石粗材を120〜200℃の温度で10時間加熱し
て硬化させることにより砥石原料を得たのち、所望の寸
法に切り出して実施例1のホーニング用砥石とした。 評価例1 次に、このようにして製造した実施例1の砥石の縦弾
性係数と、長石を主成分とする結合剤であるビトリファ
イド結合剤を用いた従来の砥石(比較例1)および注型
用の液状エポキシ樹脂を主成分とする結合剤を用いた従
来の無気孔状態の砥石(比較例2)の縦弾性係数をそれ
ぞれ調べたところ、第1表に示す結果であった。 第1表に示す結果より明らかなように、本発明実施例
1による砥石では、従来から使用されている長石を主成
分とする結合剤であるビトリファイド結合剤を用いた比
較例1の砥石に比べて、縦弾性係数が大幅に低下してい
ることが認められ、注型用の液状エポキシ樹脂を主成分
とする結合剤を用いて無気孔状態にした比較例2の砥石
の縦弾性係数と比べても小さなものとなっていることが
認められた。 次に、各砥石を用いた研削試験を行うにあたり、第1
図に示した研削装置を用いた。 第1図に示した研削装置1は、図示していないピスト
ンによってスライドコーン2,3を押し下げ、分割スライ
ド4を介して砥石5を被研削部材6に押し付け、このと
きに駆動軸7が回転して被研削部材6に対する研削が行
われるようにしたものである。 そこで、第2表に示す研削条件によって過共晶Siアル
ミニウム合金(A390)よりなる被研削部材6の表面研削
を行い、研削寸法を調べたところ、第3表に示す結果で
あった。 第3表に示す結果より明らかなように、本発明による
実施例1の砥石と、液状エポキシ樹脂を結合剤として用
いた無気孔状態の比較例2の砥石とを用いて同一条件下
において研削を行ったところ、本発明による場合には比
較例2の場合に比べてほぼ8倍の研削能率を得ることが
できることが確かめられた。これは、第2図に示すよう
に、砥粒11を液状のエポキシ樹脂を主成分とする結合剤
12を用いて無気孔状態にした比較例2の砥石13により、
アルミニウム母材14中に初晶Si粒子15が含まれている過
共晶Siアルミニウム合金からなる被研削部材16を研削す
る場合には、砥石13の研削面からの砥粒11の突出量が小
さいのに対して、第3図に示すように、砥粒11を粉末状
のエポキシ樹脂を主成分とする結合材22を用いて適度の
気孔24を有する実施例1の砥石23により、アルミニウム
母材14中に初晶Si粒子15が含まれている過共晶Siアルミ
ニウム合金からなる被研削部材16を研削する場合には、
砥石23の研削面からの砥粒11の突出量が大きいことによ
るものと考えられる。 次に、長石を主成分とする結合剤を用いた比較例1の
砥石を使用して研削した場合の被研削部材16の研削表面
を調べたところ、第4図に示すとおりであり、初晶Si粒
子の破壊を生じていることが認められた。 これに対して実施例1の砥石を使用して研削した場合
の被研削部材16の研削表面を調べたところ、第5図に示
すとおりであり、初晶Si粒子の破壊を生じていないとと
もにアルミニウム母材が良好に研削されていることが認
められた。 このように、この発明による砥石によれば、過共晶Si
アルミニウム合金よりなる被研削部材の研削を行うに際
して、アルミニウム合金中の初晶Si粒子を破壊すること
なく、しかも従来の液状エポキシ樹脂を結合剤として用
いた無気孔状態の砥石よりも効率良く研削することが可
能であり、従来の長石を主成分とする結合剤を用いた砥
石によって鋳鉄製部材を研削する場合と同等の高い能率
で研削加工を行うことが可能であることがわかった。 実施例2 実施例1と同じ可撓性樹脂および硬化剤の配合物に実
施例1と同じ砥粒を後記する体積%の成分比をもつ砥石
が得られるように加圧成形後の砥石体積(見かけ比重)
をも考慮してそれぞれの配合比を定めて混合し、この混
合物を砥石成形型内に装入してプレスによって加圧成形
することにより、炭化珪素砥粒(GC♯800)が30.0体積
%、エポキシ当量925のビスフェノールA型エポキシ樹
脂が20.0体積%、酸無水物硬化剤が2.0体積%、気孔が4
8.0体積%の砥石粗材を得た。次いで、この砥石粗材を1
20〜200℃の温度で10時間加熱して硬化させることによ
り砥石原材を得たのち、所望の寸法に切り出して実施例
2のホーニング用砥石とした。 実施例3 実施例1と同じ可撓性樹脂および硬化剤の配合物に実
施例1と同じ砥粒を後記する体積%の成分比をもつ砥石
が得られるように加圧成形後の砥石体積(見かけ比重)
をも考慮してそれぞれの配合比を定めて混合し、この混
合物を砥石成形型内に装入してプレスによって加圧成形
することにより、炭化珪素砥粒(GC♯800)が34.0体積
%、エポキシ当量925のビスフェノールA型エポキシ樹
脂が23.7体積%、酸無水物硬化剤が2.3体積%、気孔が4
0.0体積%の砥石粗材を得た。次いで、この砥石粗材を1
20〜200℃の温度で10時間加熱して硬化させることによ
り砥石原材を得たのち、所望の寸法に切り出して実施例
3のホーニング用砥石とした。 実施例4 実施例1と同じ可撓性樹脂および硬化剤の配合物に実
施例1と同じ砥粒を後記する体積%の成分比をもつ砥石
が得られるように加圧成形後の砥石体積(見かけ比重)
をも考慮してそれぞれの配合比を定めて混合し、この混
合物を砥石成形型内に装入してプレスによって加圧成形
することにより、炭化珪素砥粒(GC♯800)が38.0体積
%、エポキシ当量925のビスフェノールA型エポキシ樹
脂が27.3体積%、酸無水物硬化剤が2.7体積%、気孔が3
2.0体積%の砥石粗材を得た。次いで、この砥石粗材を1
20〜200℃の温度で10時間加熱して硬化させることによ
り砥石原材を得たのち、所望の寸法に切り出して実施例
4のホーニング用砥石とした。 評価例2 次に、上記のようにして製造した実施例2,3,4の砥石
の縦弾性係数と、長石を主成分とするビトリファイド結
合剤を用いた従来の砥石(比較例1)および注型用の液
状エポキシ樹脂を主成分とする結合剤を用いて無気孔状
態とした従来の砥石(比較例2)およびフェノール樹脂
を主成分とするレジノイド結合剤を用いた従来の砥石
(比較例3)のそれぞれ縦弾性係数を比較したところ、
第4表に示す結果であった。 第4表に示す結果より明らかなように、本発明実施例
2,3,4による砥石では、従来から使用されているビトリ
ファイド結合剤およびレジノイド結合剤を用いた比較例
1,3の砥石に比べて、縦弾性係数が大幅に低下している
ことが認められ、注型用の液状エポキシ樹脂を主成分と
する結合剤を用いて無気孔状態にした比較例2の砥石の
縦弾性係数と比べてもほぼ同等ないしはそれよりも小さ
なものとなっていることが確かめられた。 次に、実施例2,3,4の砥石および比較例1,2,3の各砥石
を使用し、初晶Si粒子が晶出したアルミニウム合金(A3
90)よりなる被研削部材の研削を定圧研削方式により第
5表に示す研削条件で研削を行い、研削寸法,金属除去
速度,面粗度および初晶Si粒子の破壊の有無を調べた。
これらの結果を第6表に示す。 第6表に示した結果より明らかなように、実施例2,3,
4の砥石を用いた場合には、液状のエポキシ樹脂を主成
分とする接合剤を用いて無気孔状態に成形した比較例2
の砥石を用いた場合に比べて、金属除去速度が大きいも
のとなっている。これは、第2図および第3図をもとに
して先に説明したように、比較例2における無気孔状態
の砥石13では研削面からの砥粒11の突出量が、実施例2,
3,4における有気孔状態の砥石23の研削面からの砥粒11
の突出量よりも小さいためであると考えられる。 また、ビトリファイド結合剤を用いた比較例1の砥石
およびレジノイド結合剤を用いた比較例3の砥石の場合
には気孔を有していることから金属除去速度は本発明実
施例2,3,4の砥石のそれとほぼ同等であるが、砥石の縦
弾性係数が大きいために第4図に示したと同じようにア
ルミニウム母材中に晶出している初晶Si粒子の破壊がみ
られた。 これに対して本発明実施例2,3,4の砥石では、従来の
液状エポキシ樹脂を主成分とする結合剤を用いた無気孔
状態の比較例2の砥石の縦弾性係数と同等であるかそれ
よりも小さいものであるため、第5図に示したと同じよ
うに研削面における初晶Si粒子の破壊はみられず、しか
もアルミニウム合金材が良好に研削されているものであ
った。 さらに、実施例4の砥石を用いて、ジルコニア系のセ
ラミックファイバーを補強材として含むアルミニウム合
金部材と、炭化珪素系のセラミックファイバーを補強材
として含むアルミニウム合金部材とをそれぞれ表面研削
したところ、被研削部材の研削面においていずれのセラ
ミックファイバーをも損傷することなくアルミニウム合
金母材を良好な状態で研削することが可能であった。
【発明の効果】
本発明に係るホーニング砥石は、硬質物を含有する軟
質合金用ホーニング砥石において、砥粒が粉末のエポキ
シ樹脂によって結合されていると共に2〜50体積%の気
孔を有している構成を有するものであるから、砥粒は可
撓性樹脂とくに従来のビトリファイド結合剤およびレジ
ノイド結合剤よりも可撓性のある結合剤である粉末のエ
ポキシ樹脂によって弾性的に保持されているものとする
ことができるので、とくに軟質金属材料を用いた部材を
研削ないしは研摩するに際して、軟質金属材料中に含ま
れている粒状や繊維状の硬質物質、例えば過共晶Siアル
ミニウム合金を素材とした場合の初晶Siの破壊や欠落を
生じることなくアルミニウム合金母材の研削・研摩を著
しく良好に行うことが可能であり、また、液状エポキシ
樹脂を用いて無気孔状態に成形された砥石に比べて時間
あたりの研削・研摩量を大幅に増加させることが可能で
あって、軟質金属部材の研削・研摩を短時間のうちに行
うことができることから、研削・研磨される部材の大量
生産にも適したものであるという著しく優れた効果がも
たらされ、このような砥石の製造に際して、少なくとも
粉末の可撓性樹脂と硬化剤と砥粒とを混合して得た混合
物を砥石成形型内に装入し、内部に気孔が残留する加圧
力によって加圧成形するようになすことによって、上述
した優れた特長を有する砥石を簡単に製造することが可
能であるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は砥石の性能評価に用いた研削装置の概略構成を
示す断面説明図、第2図は従来の液状のエポキシ樹脂を
主成分とする結合剤を用いて砥粒を結合した砥石によっ
て、初晶Si粒子を含むアルミニウム合金部材の表面を研
削するようすを示す模型的断面説明図、第3図は本発明
による粉末状のエポキシ樹脂を主成分とする結合剤を用
いて砥粒を結合した砥石によって、初晶Si粒子を含むア
ルミニウム合金部材の表面を研削するようすを示す模型
的断面説明図、第4図は従来のビトリファイド結合剤を
用いて砥粒を結合した砥石によって、初晶Si粒子を含む
アルミニウム合金部材の表面を研削したのちの被研削面
の金属組織を示す金属顕微鏡写真(400倍)、第5図は
本発明の実施例による粉末の可撓性樹脂を用いて砥粒を
結合した砥石によって、初晶Si粒子を含むアルミニウム
合金部材の表面を研削したのちの被研削面の金属組織を
示す金属顕微鏡写真(400倍)である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−14793(JP,A) 特開 昭61−197164(JP,A) 特開 昭60−6358(JP,A) 特開 昭62−246474(JP,A) 特開 昭61−297080(JP,A) 特開 昭60−192480(JP,A) 特開 昭61−230871(JP,A) 特開 昭62−24969(JP,A) 特開 昭53−132887(JP,A) 特公 昭56−49709(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24D 3/28 - 3/32 B24D 3/00 340 B24D 33/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬質物を含有する軟質合金用ホーニング砥
    石において、砥粒が粉末のエポキシ樹脂によって結合さ
    れていると共に2〜50体積%の気孔を有していることを
    特徴とする硬質物を含有する軟質合金用ホーニング砥
    石。
  2. 【請求項2】砥粒は、炭化珪素質粒,炭化硼素質粒,ダ
    イヤモンド粒,立方晶窒化硼素質粒,溶融アルミナ質粒
    のうちから選ばれる請求項1に記載の硬質物を含有する
    軟質合金用ホーニング砥石。
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