JP2004298500A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】再遊技入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることで興趣を高められるうえに、再遊技入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができるスロットマシンを提供すること。
【解決手段】リプレイ入賞のみ発生させることが可能に定められたリールの制御パターンと、リプレイ入賞と小役入賞を同時に発生させることが可能に定められたリールの制御パターンと、を備え、特定遊技状態においてリプレイ入賞を許容する旨のリプレイフラグが当選したときに、一定の割合でリプレイ入賞と小役入賞を同時に発生させることが可能に定められたリールの制御パターンを選択し、リプレイ入賞と小役入賞を同時に発生させることが可能となるようにリールの停止制御を行う。
【選択図】 図8
【解決手段】リプレイ入賞のみ発生させることが可能に定められたリールの制御パターンと、リプレイ入賞と小役入賞を同時に発生させることが可能に定められたリールの制御パターンと、を備え、特定遊技状態においてリプレイ入賞を許容する旨のリプレイフラグが当選したときに、一定の割合でリプレイ入賞と小役入賞を同時に発生させることが可能に定められたリールの制御パターンを選択し、リプレイ入賞と小役入賞を同時に発生させることが可能となるようにリールの停止制御を行う。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関し、特には、遊技者所有の価値を用いることなくゲームを行える再ゲームが付与される再遊技入賞を発生させることが可能なスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスロットマシンでは、遊技者の損失を抑制するために、メダル等の遊技者所有の価値を用いることなくゲームを行うことが可能なリプレイゲーム(再ゲーム)が付与されるリプレイ入賞(再遊技入賞)を発生させることができるものが実用化されている。
【0003】
しかしながら、リプレイ入賞の発生により遊技者所有の価値は減少しないものの増加することもないため興趣に欠けるものであった。
【0004】
このため、前述したリプレイ入賞と有価価値の付与を伴う小役入賞とを重複して発生可能な、すなわちリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることができるスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−336426号公報(第2−6頁、第1−9図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述したスロットマシンにおいて、リプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させる条件としては、内部抽選、すなわち可変表示装置の表示結果が導出される以前に入賞の発生を許容するか否かを決定するための抽選においてリプレイ入賞が許容されていること、または、小役入賞が許容されていること、のどちらかの条件が考えられる。
【0007】
一方、リプレイ入賞とは、本来、遊技者の損失を抑制することで適度な射幸性を保つことを目的として付与されるものであり、内部抽選により一定の割合でリプレイ入賞が許容されることに基づいて適度な射幸性が担保されることとなるため、リプレイ入賞の出現率は、内部抽選によりリプレイ入賞が許容される確率に近い方が好ましい。
【0008】
しかしながら、前述のように内部抽選により小役入賞が許容されていることを条件にリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生可能とした場合には、リプレイ入賞の出現率が内部抽選により小役入賞が許容される確率に応じて変動することとなるため、内部抽選によりリプレイ入賞が許容される確率とリプレイ入賞の出現率とが乖離してしまい、適度な射幸性を担保することができない。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、再遊技入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることで興趣を高められるうえに、再遊技入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のスロットマシンは、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記入賞は、遊技者所有の価値を用いることなくゲームを行える再ゲームが付与される再遊技入賞と、有価価値が付与される小役入賞と、を含み、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に基づいて前記可変表示装置の制御内容を定めた制御パターンを選択する制御パターン選択手段と、
前記制御パターン選択手段により選択された前記制御パターンに基づいて前記可変表示装置に表示結果を導出表示させる制御を行う表示制御手段と、
を備え、
前記制御パターンは、前記再遊技入賞と前記小役入賞とが同時に発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた複合制御パターンを含み、
前記制御パターン選択手段は、前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生が許容されたときのみ前記複合制御パターンを選択可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、再遊技入賞と同時に小役入賞も発生させることが可能とされており、再遊技入賞の発生に伴い再ゲームが付与されるため、遊技者所有の価値を減少させることなくゲームを行えるうえに、小役入賞が同時に発生することで有価価値が付与され、遊技者所有の価値が増加することとなるため、再遊技入賞の発生に伴い興趣を高めることができる。更に、事前決定手段により再遊技入賞の発生が許容されることを条件に再遊技入賞と同時に小役入賞も発生させることが可能となる。これにより事前決定手段により再遊技入賞の発生が許容される割合と、再遊技入賞が発生する割合と、が近似する割合となるため、再遊技入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができる。また、可変表示装置の制御パターンとして、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生する表示結果を導出表示させることが可能となる複合制御パターンが予め定められており、この複合制御パターンに基づいて再遊技入賞と小役入賞とを同時に発生させる制御が行われるため、再遊技入賞と小役入賞とを同時に発生させるときでも制御が複雑となることがなく、すなわち特別な制御行う必要がなく、制御負荷を軽減することができる。
【0011】
本発明のスロットマシンの前記制御パターン選択手段は、前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生が許容されたときに所定の割合で前記複合制御パターンを選択することが好ましい。
このようにすれば、事前決定手段により再遊技入賞が許容されたときでも、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生するときとそうではないときがあるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0012】
本発明のスロットマシンの前記制御パターンは、前記再遊技入賞が単独で発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた単独制御パターンを含み、
前記制御パターン選択手段は、前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生が許容されたときに前記複合制御パターンまたは前記単独制御パターンを選択可能であることが好ましい。
このようにすれば、事前決定手段により再遊技入賞が許容されたときでも、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生するときと再遊技入賞のみが発生するときがあるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0013】
本発明のスロットマシンは、所定の発生条件が成立したときに特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段を備え、
前記制御パターン選択手段は、前記特定遊技状態においてのみ前記複合制御パターンを選択可能であることが好ましい。
このようにすれば、特定遊技状態が発生することで再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生可能となるため、特定遊技状態が発生するか否かによりゲームの流れにメリハリをつけることができる。
【0014】
本発明のスロットマシンの前記複合制御パターンは、前記再遊技入賞と同時に発生させることが可能な小役入賞が常に同一の種類となるように定められていることが好ましい。
このようにすれば、再遊技入賞と同時に発生させることが可能な小役入賞が常に同一種類となるため、複数の選択肢を備えることで遊技者を戸惑わせてしまうことがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
本発明が適用された遊技機の実施例を図面を用いて説明すると、図1には、本実施例におけるスロットマシン1の全体正面図、図2にはスロットマシン1の内部構造図がそれぞれ示されている。スロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筺体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bと、から構成されており、前面扉2bの裏面に設けられた施錠装置(図示略)の鍵穴3に挿入した所定のキーを時計回り方向に回動操作することにより施錠が解除されて前面扉2bを開放することができるようになっている。
【0017】
前面扉2bの周囲には、遊技効果LED130(図3参照)が内蔵された遊技効果LED部41が設けられているとともに、前面扉2bの前面上部には役構成等が印刷された上部パネル4が、前面中央部には各種表示部が形成された遊技パネル6が、前面下部にはタイトル等が印刷された下部パネル7が、各々設けられている。
【0018】
遊技パネル6と下部パネル7の間には、前方に突出するように操作部8が形成されており、この操作部8には遊技媒体であるメダルを投入可能なメダル投入部34や各種操作ボタン35、36a、36b、37、40L、40C、40R、及びスタートレバー38等が設けられているとともに、操作部8の下部左右側には、遊技効果LED131(図3参照)が内蔵された遊技効果LED部43がそれぞれ設けられている。
【0019】
前面扉2bにおける下部パネル7の下方には、メダルが払出されるメダル払出穴9が設けられたメダル受皿11が設けられている。
【0020】
上部パネル4の左右側には、内部に設けられる高音用のスピーカ136a、136b(図3参照)から出力される音を放音する放音部12a、12bがそれぞれ設けられているとともに、メダル払出穴9の側方には、内部に設けられる低音用のスピーカ137(図3参照)から出力される音を放音する放音部13が設けられている。
【0021】
上部パネル4の中央部には、液晶表示部15が設けられており、この液晶表示部15を透して内部に設けられる液晶表示器135(図3参照)の表示内容が表示されるようになっている。
【0022】
遊技パネル6には、スロットマシン1の筐体2aに内設された後述のリール51L、51C、51Rを透視可能な透視窓14と、各種表示部と、がそれぞれ設けられている。
【0023】
遊技パネル6に設けられた各種表示部のうち、クレジット表示部31は、クレジットが表示される。クレジットとは、遊技者所有の有価価値としてスロットマシン1内部の記憶部に記憶されているメダル数である。このスロットマシン1では、クレジットとして記憶可能な価値の上限値が最大でメダル50枚分とされており、この上限値を越えるクレジットの加算更新の要求が発生した場合にはその上限を越えるメダルがメダル払出穴9から払出される。
【0024】
ゲーム回数表示部32は、後述するビッグボーナス(BB)中に提供されるビッグボーナスゲーム(BBゲーム)の残回数や、後述するレギュラーボーナス(RB)の残回数等が表示される。さらにゲーム回数表示部32は、スロットマシン1に発生した各種の異常を表示する報知手段であるエラー表示器としても機能する。
【0025】
ペイアウト表示部33は、1ゲーム中に発生した入賞に基づいて遊技者に付与されるメダル枚数が入賞がある毎に表示される。
【0026】
1〜3枚賭け表示部46〜48は、内蔵された1〜3枚賭けLED111〜113(図3参照)が、遊技者がゲームに賭数を設定した場合にその賭数に応じて点灯する。
【0027】
リプレイ表示部27は、リプレイ入賞が発生した場合に、その内部に内蔵されたリプレイLED114(図3参照)が点灯する。スタート表示部28は、賭数が設定されることによりスタート操作をすることが可能となった場合に、その内部に内蔵されたスタートLED115(図3参照)が点灯し、有効なスタート操作が検出されることにより消灯する。投入指示表示部30は、メダルを受付可能な状態である場合に、その内部に内蔵された投入指示LED117(図3参照)が点滅し、メダルを受付不可能な状態である場合に消灯する。
【0028】
ウェイト表示部29は、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に、その内部に内蔵されたウェイトLED116(図3参照)が点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、ゲームがあまりに速く進行しすぎてしまうことを規制するために設定されたゲーム進行規制期間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後にリールが始動するように設定されている。
【0029】
演出用表示部16〜25のうち演出用表示部17〜20は、リプレイ表示部27、ウェイト表示部29、スタート表示部28、投入指示表示部30と、演出用表示部21〜25は、1〜3枚賭け表示部46〜48と、各々同様に機能する表示部であり、これら各表示部に内蔵されたLED111〜117の点灯/消灯に応じて、各々対応する演出用表示部17〜25に内蔵された演出用ランプ141〜149(図3参照)が点灯/消灯する。また、演出用表示部16は、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞の発生が許容されている場合に、その内部に内蔵された演出用ランプ140(図3参照)が点灯するようになっており、ボーナス告知表示部として機能する。尚、以下の説明において演出用ランプ140をWINランプと称す。
【0030】
操作部8の上面右側には、メダル投入口が形成されたメダル投入部34が設けられているとともに、左側には精算ボタン37、1枚BETボタン36a、MAXBETボタン36bがそれぞれ設けられている。
【0031】
1枚BETボタン36aは、クレジットを使用してメダルを1枚分賭ける際に押圧するボタンであり、MAXBETボタン36bは、1ゲームにおいて許容される賭数の最大数(本実施例ではメダル3枚分)をクレジットの範囲内で賭ける際に押圧するボタンである。1枚BETボタン36a、MAXBETボタン36bの内部には、BETボタンLED121a、121bがそれぞれ内蔵されており(図3参照)、これらのBETボタンLED121a、121bは、対応するBETボタンの操作により賭数を設定可能な状態にある場合に点灯し、賭数を設定不可能な状態の場合に消灯する。
【0032】
精算ボタン37は、記憶部に記憶されているクレジットの精算操作をする際に押圧するボタンであり、この精算ボタン37の押圧操作に伴い、クレジットとして記憶されている枚数のメダルがメダル払出穴9から払出されるようになっている。
【0033】
操作部8の前側面には、スタートレバー38、ストップボタン40L、40C、40R、メダル詰まり解除ボタン35がそれぞれ設けられている。スタートレバー38は、ゲームを開始する際に操作するレバーであり、賭数の設定終了後においてスタートレバー38を操作することによりリールユニット50の各リール51L、51C、51Rの回転が開始される。
【0034】
各ストップボタン40L、40C、40Rは、ゲームが開始した後にリール51L、51C、51Rの回転を停止させる際に操作するボタンであり、ストップボタン40L、40C、40Rの内部には操作有効LED122L、122C、122Rが、それぞれ内蔵されている(図3参照)。これら操作有効LED122L、122C、122Rは、対応するストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効である場合に点灯し、操作が無効である場合に消灯する。
【0035】
メダル詰まり解除ボタン35は、メダル投入部34に投入されたメダルが内部で詰まった場合に、これを解消させる際に操作するボタンである。
【0036】
前面扉2bの裏面には、メダル投入部34から投入されたメダルを後述するホッパータンク57aに導く投入メダルセレクタ(図示略)が設けられている。直径や厚みの異なる不正メダルは、この投入メダルセレクタにより振り分けられてメダル払出穴9から返却される。
【0037】
投入メダルセレクタの下流側には、流下するメダル流路を選択的に切替可能とする図示しない流路切替ソレノイド107(図3参照)が設けられている。通常時において流路切替ソレノイド107は励磁されており、この状態において流下するメダルは投入メダルセンサ106(図3参照)により検出された後、ホッパータンク57a内に貯留されるようになっている。メダル投入が不可能な場合には、流路切替ソレノイド107の励磁が解除されて流路が切替わってメダル払出穴9から返却される。
【0038】
図2に示すように、筐体2a内略中央部には、複数種の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻回されたリール51L、51C、51Rを有する可変表示装置としてのリールユニット50が設けられている。それぞれのリール51L、51C、51Rは、各々に対応して設けられたリールモータ54L、54C、54Rによりそれぞれ独立して縦方向に回転(駆動)、停止するように構成されており、各リール51L、51C、51Rが回転することにより、透視窓14には前記各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。
【0039】
透視窓14から視認できる各リールの領域を、各リールに対応させて左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部(領域)と呼ぶ。この各可変表示部からは、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示される。
【0040】
各リール51L、51C、51Rに対応して各リールの基準位置を検出するリールセンサ56が設けられており、このリールセンサ56により所定の図柄の停止位置を導出できるようになっているとともに、各リール51L、51C、51Rにおける特定の表示領域(上、中、下段の表示領域)を裏面から個別に照射可能な複数のリールランプ55がそれぞれ上、中、下段に設けられており、これら各リールランプ55は、透視窓14に表示される各図柄を後方から点灯するバックライトとして機能するようになっている。
【0041】
リールユニット50の下方には、メダル投入部34から投入されたメダルを貯留するホッパータンク57aを有するホッパーユニット57が設けられている。また、ホッパーユニット57の右側にはホッパータンク57aからオーバーフローしたメダルが貯留されるオーバーフロータンク59が設けられている。このオーバーフロータンク59内にはメダルを検出可能な満タンセンサ60が設けられており、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったことを検出できるようになっている。
【0042】
ホッパーユニット57の下方部分にはホッパーモータ62が設けられており、このホッパーモータ62が回転することによりホッパータンク57a内のメダルがメダル排出口63から排出される。排出されたメダルは、メダル排出口63の近傍に設けられる払出メダルセンサ61により検出された後、メダル払出穴9から払い出される。
【0043】
ホッパーユニット57の側部には、メイン電源をon/offするメインスイッチ部65と、エラーが生じた場合等において再びゲームを続行可能な状態にリセットするための第2リセットボタン66と、入賞確率を変更可能とする設定ボタン67と、自動精算機能をon/offする自動精算選択スイッチ部68と、自動打止め機能をon/offする打止め選択スイッチ部69と、遊技場の管理者等が所持する特定のキーを挿入可能な設定キー挿入部70と、が前面に設けられた電源ユニット64が配設されている。
【0044】
本実施例では、設定キー挿入部70に特定のキーを挿入して時計回りに90度回転した状態、すなわちonの状態で電源投入を行う操作により、後述する設定キースイッチ82のonが検出され、遊技状態の初期化、すなわち後述するRAM212の記憶内容の初期化が実行されるとともに、設定ボタン67の操作が有効となり、この設定ボタン67の操作により入賞確率、すなわち出玉率の変更が実行可能となる。
【0045】
次に、遊技者が遊技(ゲーム)を行うための操作や、該操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
【0046】
ゲームを開始する場合は、メダルやクレジットを使用して所望の大きさの有価価値を賭けて所望の大きさの賭数を設定する。賭数は、メダルをメダル投入部34から投入するか、あるいはクレジットを使用することにより設定できるようになっている。クレジットを使用するにはMAXBETボタン36b、または1枚BETボタン36aを押圧すれば良い。
【0047】
遊技者により賭数が「1」に設定されると入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、賭数が「2」に設定されると入賞ラインL1、L2、L2’(図1参照)が有効となり、賭数が「3」に設定されると入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’(図1参照)が有効となる。
【0048】
そして本実施例では最大賭数である「3」の賭数が設定された時点でスタートレバー38の操作が有効に受付けられる状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
【0049】
尚、このような賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数、及び形状等は任意に変更可能であり、本実施例の形態に限定されるものではない。また、賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数も任意に設定変更可能である。
【0050】
また、本実施例では、最大賭数である「3」の賭数が設定された時点(後述するRBゲームでは「1」の賭数が設定された時点)でゲームが開始可能な状態となる構成とされているが、少なくとも「1」以上の賭数が設定された時点でゲームが開始可能な構成であれば良い。
【0051】
ゲームが開始可能な状態でスタートレバー38を押圧操作すれば、各リール51L、51C、51Rが回転し、透視窓14には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。各リール51L、51C、51Rの回転が開始されてから所定時間が経過すれば各ストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効になり、この状態で遊技者がいずれかのストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作すれば、対応するリールの回転が停止され、透視窓14からは対応する可変表示部の上、中、下段に図柄が表示される。
【0052】
また、遊技者がストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作しない場合には、一定時間が経過した時点で自動的に各リール51L、51C、51Rの回転が順次停止する。
【0053】
そして全てのリール51L、51C、51Rが停止された時点で、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に予め定められた図柄の組合せが表示された場合は入賞となり、入賞内容に対応して予め定められた所定枚数のメダルが遊技者に対してクレジットとして払出される。また、クレジットが上限数に達した場合には、メダルが直接メダル払出穴9から払い出される。
【0054】
また、特に予め定められた特別図柄の組合せが表示されて大当たり入賞した場合にあっては、メダルの払出しが行なわれるとともに、通常遊技状態とは異なるとともに、遊技者にとって有利な、すなわち大量のメダルを獲得できるビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)が遊技者に対して遊技価値として付与されるようになっている。
【0055】
尚、このように入賞することにより遊技者に対して付与される「遊技価値」は、メダル及びクレジット等の有価価値に限らず、上記のように大当たり入賞した場合において遊技者に対して付与されるBBやRB等、遊技に関連する特典全てを含む。
【0056】
図3は、スロットマシン1に設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。また、図4は、遊技制御基板200に設けられたメイン制御手段としての制御部210の構成と、演出制御基板201に設けられたサブ制御手段としての制御部230の構成と、を説明するためのブロック図である。
【0057】
スロットマシン1に設けられた各種基板のうち、遊技制御基板200によって主に遊技状態が制御され、演出制御基板201によって遊技状態に応じた演出制御等が実施される。また、電源基板202にはスロットマシン1の外部から電源が供給される。この電源基板202には、外部電源の供給を受けるための電源コード84と、メインスイッチ80とが接続されている。
【0058】
遊技制御基板200は、演出制御基板201、電源基板202、リール中継基板203と配線接続されているとともに、リール中継基板203を介して外部出力基板205と接続されている。
【0059】
遊技制御基板200の制御部210は、遊技状態がRBであることを示すRB中信号や、遊技状態がBBであることを示すBB中信号、賭数を設定するために用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により払出されたメダル数を示す メダルOUT信号、などをリール中継基板203を介して外部出力基板205からスロットマシン1の外部に出力する制御を行う。尚、外部出力基板205から外部に出力される信号のうち、ストップスイッチ103L、103C、103Rの操作がなされた旨を示すストップスイッチ信号は、ストップスイッチ103L、103C、103Rから直接出力された信号であり、リール制御信号は、各リール51L、51C、51Rに対応するリールモータ54L、54C、54Rを制御するための制御信号(モータ位相信号)である。
【0060】
これら外部出力基板205から出力される信号は、たとえば、第3者機関が型式試験を行う際に利用可能である。
【0061】
遊技制御基板200には、各種のスイッチ、センサ、LED、及び表示器等、各種部品からの配線が接続されている。
【0062】
電源基板202に配線接続された設定スイッチ83、設定キースイッチ82、第2リセットスイッチ81、払出しセンサ61、及びホッパーモータ62は、電源基板202によって中継されて遊技制御基板200と配線接続されており、それぞれのスイッチ及びセンサの検出信号は、遊技制御基板200の制御部210に入力される。
【0063】
リール中継基板203に配線接続されたリールモータ54L、54C、54R、及びリールセンサ56は、リール中継基板203によって中継されて遊技制御基板200に配線接続されており、リールセンサ56の検出信号は、遊技制御基板200の制御部210に入力される。
【0064】
遊技制御基板200に配線接続されたスイッチ、センサのうち、1枚BETスイッチ100は1枚BETボタン36aの操作を検出し、MAXBETスイッチ101はMAXBETボタン36bの操作を検知するスイッチであり、スタートスイッチ102はスタートレバー38の操作を検出するスイッチであり、左、中、右ストップスイッチ103L、103C、103Rは、左、中、右ストップボタン40L、40C、40Rの操作を検出するスイッチである。精算スイッチ104は、精算ボタン37の操作を検出するスイッチであり、第1リセットスイッチ105は、施錠装置の鍵穴3に挿入したキーによるスロットマシン1のリセット操作を検出するスイッチである。また、投入メダルセンサ106は、メダル投入部34に投入されたメダルを検出するセンサである。
【0065】
遊技制御基板200に配線接続された表示器のうち、ゲーム回数表示器108はゲーム回数表示部32を構成する表示器であり、クレジット表示器109はクレジット表示部31を構成する表示器であり、ペイアウト表示器110はペイアウト表示部33を構成する表示器である。
【0066】
また、遊技制御基板200には、前述した1枚賭けLED111、2枚賭けLED112、3枚賭けLED113、リプレイLED114、スタートLED115、ウェイトLED116、投入指示LED117、BETボタンLED121a、BETボタンLED121b、左操作有効LED122L、122C、122R、流路切替ソレノイド107等の各種電気部品が配線接続されている。
【0067】
電源基板202あるいはリール中継基板203を介して、あるいはこれらの基板を介することなく遊技制御基板200に配線接続された各種LED及び表示器、モータ、ソレノイド等の電気部品は、遊技制御基板200に搭載された制御部210によって制御される。また、制御部210は、遊技制御基板200に接続され、または、電源基板202あるいはリール中継基板203を介して遊技制御基板200に接続された各種スイッチ及びセンサの検出信号を受け、遊技状態を制御する。
【0068】
遊技制御基板200に設けられた制御部210は、図4に示すように、制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU211と、CPU211の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM213と、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM212と、CPU211と外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート214とを含む。すなわち、制御部210は、これらCPU211、RAM212、ROM213、I/Oポート214が全て内蔵された1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0069】
また、遊技制御基板200には、電源投入時にCPU211にリセットパルスを与える初期リセット回路217と、CPU211にクロック信号を与えるクロック発生回路218と、クロック発生回路218からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にCPU211に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)219と、一定範囲の乱数を高速で連続的に発生している乱数発生回路221と、乱数発生回路221から乱数をサンプリングするサンプリング回路222と、バッファ回路220とが設けられる。さらに、遊技制御基板200には、各種スイッチからの信号が入力されるスイッチ回路215や、モータ回路216、その他、図示しないソレノイド回路等が設けられている。
【0070】
遊技制御基板200の制御部210から演出制御基板201へは、バッファ回路220を介して制御部210が制御する制御状態を特定可能な制御情報としての各種コマンドが出力される。バッファ回路220は、遊技制御基板200の内部から外部への信号の出力を許容するが遊技制御基板200の外部から内部へ信号が入力されることを阻止するように機能する。このため、遊技制御基板200と演出制御基板201との間において、遊技制御基板200から演出制御基板201への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板200に信号を入力させて不正な制御動作を行わせる不正行為を防止できる。
【0071】
演出制御基板201には、遊技効果LED130〜134と、演出用ランプ140〜149と、液晶表示器135と、放音部12a、12b、13に内蔵されるスピーカ136a、136b、137と、タイトルパネル8及び遊技パネル6を内側から照らす各蛍光灯138と、がそれぞれ接続され、さらに、リールランプ中継基板204を介してリール51L、51C、51Rに内蔵されているリールランプ55が接続されている。
【0072】
リール中継基板203を介して、あるいはこれらの基板を介することなく演出制御基板201に配線接続された各種ランプ及びスピーカ、液晶表示器等の電気部品は、演出制御基板201に搭載された制御部230によって制御される。
【0073】
演出制御基板201によって制御される各遊技効果LED130〜134、演出用ランプ140〜149、液晶表示器135、各スピーカ136a、136b、137、各蛍光灯138、リールランプ55は、遊技制御基板200によって制御される各種表示器などに比較すると、それが機能しなくても遊技の進行自体には影響を与えるものでなく、演出効果を主眼においた演出手段である。このため、たとえ、演出制御基板201に故障が発生したとしても、遊技者に不利な状況が提供されてしまうことはないばかりか、制御部210の制御の負荷が軽減される。
【0074】
演出制御基板201に設けられた制御部230は、CPU231と、必要なデータの書き込み、及び読み出しができるRAM232と、CPU231の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM233と、I/Oポート234と、を含む。制御部230も、制御部210と同様に1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0075】
また、演出制御基板201には、各スピーカ136a、136b、137から音を出力させるためのスピーカ駆動回路235と、液晶表示器135を表示制御するための表示駆動回路236と、各種ランプを点灯あるいは点滅させるためのランプ駆動回路237と、が搭載されている。
【0076】
また、演出制御基板201は、遊技制御基板200と接続されており、制御部230は、遊技制御基板200から送信された各種コマンドに基づいて遊技制御基板200の制御状態を特定し、この特定した制御状態に応じて予め定められた制御パターンを設定し、この制御パターンに応じて各遊技効果LED130〜134、演出用ランプ140〜149、液晶表示器135、各スピーカ136a、136b、137、各蛍光灯138、リールランプ55等の電気部品を制御する。
【0077】
図5は、各リール51L、51C、51R、の図柄配列を示す図であり、図中、「左」はリール51Lの図柄配列を示し、「中」はリール51Cの図柄配列を示し、「右」はリール51Rの図柄配列を示す。左側に示した数字は図柄番号であり、「1」〜「21」の各図柄番号に対応して、「黒7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「リプレイ」の図柄が各リールに21個配列されている。
【0078】
本実施例では、図6に示すように、通常遊技状態において「黒7−黒7−黒7」、「白7−白7−白7」、「BAR−BAR−BAR」、「チェリー−any−any(any=「黒7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「リプレイ」)」、「スイカ−スイカ−スイカ」、「ベル−ベル−ベル」、または「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが入賞の対象とされている。
【0079】
通常遊技状態において「チェリー−any−any」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが払い出されるチェリー入賞が発生する。また、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、12枚のメダルが払い出されるスイカ入賞が発生する。また、「ベル−ベル−ベル」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが払い出されるベル入賞が発生する。以下、チェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞を小役入賞ともいう。
【0080】
また、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、当該ゲームと同一の賭数にて次回のゲームを実施可能なリプレイゲーム(再ゲーム)が付与されるリプレイ入賞(再遊技入賞)が発生する。
【0081】
また、賭数に応じて有効化された入賞ラインが複数本存在する場合において、前述したようにメダルが払い出される図柄の組合せが複数本の入賞ライン上において同時に揃った場合には、各入賞ライン上の図柄の組合せによって払い出されるメダル枚数の合計枚数に相当するメダルが払い出されるのが原則である。しかし、1ゲームにおいて遊技者に払い出されるメダルの上限が15枚と定められているために、15枚を越える場合にはその16枚目以降のメダルが無効となる。
【0082】
また、通常遊技状態において有効化されたいずれかの入賞ライン上に「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃えば、特別入賞であるRB入賞が発生し、その対価として15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって有利なレギュラーボーナス(RB)が発生し、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が遊技者に対して付与される。RBゲームにおいては、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃って、15枚のメダルが払い出されるJac入賞が高確率で発生する。RBでは、RBゲームが最大で12回提供される。そしてRBは、RBゲームが12回実行されるか、あるいはRBゲームが12回に達する前にJac入賞が8回発生するか、のいずれかの条件が満たされた時点で終了する。したがって、遊技者は12回のRBゲーム中に最大8回のJac入賞の機会を得ることができる。
【0083】
また、通常遊技状態において有効化された入賞ライン上に、「黒7−黒7−黒7」または「白7−白7−白7」が揃えば、特別入賞であるBB入賞が発生し、その対価として15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態としてのビッグボーナス(BB)が発生し、以下に説明するビッグボーナスゲーム(BBゲーム)と前述したRBが遊技者に対して付与される。
【0084】
BBゲームにおいては、「チェリー−any−any」、「スイカ−スイカ−スイカ」、「ベル−ベル−ベル」、または「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが入賞の対象とされており、これらの入賞が通常遊技状態に比較して高確率で発生する。
【0085】
BBゲームにおいて「チェリー−any−any」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが払い出されるチェリー入賞が発生する。また、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、12枚のメダルが払い出されるスイカ入賞が発生する。また、「ベル−ベル−ベル」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが払い出されるベル入賞が発生する。
【0086】
また、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、JacIn入賞が発生し、その対価として3枚のメダルが払い出されるとともに、前述したRBに移行し、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が遊技者に対して付与される。
【0087】
BBでは、BBゲームが最大で30ゲーム提供されるとともに、このBBゲームにおいてRBに移行可能な最大回数が規定されており、本実施例では最大で3回移行し得るように規定されている。そしてBBは、30回のBBゲームを実行した場合か、或いは30回のBBゲームを実行する前にRBへ3回移行し、3回目のRBが終了した場合のうち、少なくともいずれか1つの条件が満たされた時点で終了する。
【0088】
尚、本実施例では、規定数のBBゲームを実行した場合か、規定数のRBが終了した場合のいずれか一方の条件でBBが終了する構成とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、BB中の獲得枚数が上限枚数に到達した場合にBBが終了するようにしても良い。更にこの場合には、RB中において上限枚数に到達した場合に、そのRBが終了することでBBが終了するようにしても良い。
【0089】
本実施例では、図6に示すように、各入賞に対応した内部当選フラグの種類が定められており、各ゲーム毎に実行する内部抽選処理に当選して内部当選フラグが設定された場合にのみ、対応する入賞の発生が許容されるとともに、その許容された入賞に該当する図柄が有効化された入賞ラインに揃えられるように制御される。
【0090】
通常遊技状態における小役入賞(チェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞)の組合せは、内部抽選処理により該当する入賞を許容する内部当選フラグ(チェリーフラグ、スイカフラグ、ベルフラグ、リプレイフラグ)が当選した場合であって、各リールの停止操作が行われた際に該当する図柄が引込範囲(本実施例では停止された際の図柄を除き最大4図柄)内にあれば有効化された入賞ラインに揃う。
【0091】
また、通常遊技状態におけるBB入賞、RB入賞の組合せは、内部抽選処理によりBB入賞またはRB入賞を許容する内部当選フラグ(BBフラグまたはRBフラグ)が当選した場合であって、各リールの停止操作が行われた際に該当する図柄が引込範囲内にあれば有効化された入賞ラインに揃う。
【0092】
また、本実施例では、通常遊技状態が、特定遊技状態と非特定遊技状態とからなり、BB終了後1/2の割合で特定遊技状態に移行し、それ以外は非特定遊技状態に移行するようになっており、特定遊技状態に移行した場合には、その後200ゲームが経過するか、それまでにBBフラグまたはRBフラグが当選することで特定遊技状態の終了条件が成立し、非特定遊技状態に移行するようになっている。
【0093】
尚、特定遊技状態への移行条件や終了条件は上記のものに限られるものではなく、これら特定遊技状態への移行条件や終了条件としてその他の条件を適用しても良い。
【0094】
特定遊技状態においては、リプレイフラグの当選時に一定の割合(本実施例では80%)でリプレイ入賞の組合せとチェリー入賞の組合せを同時に有効な入賞ラインに揃えることが許容される。すなわち、特定遊技状態においては、リプレイゲームが付与されるリプレイ入賞と8枚のメダルの払出を伴うチェリー入賞の複合入賞の発生が許容される。この場合には、リールの停止操作が行われた際にリプレイ入賞の組合せを構成する図柄とチェリー入賞の組合せを構成する図柄が引込範囲内にあれば、リプレイ入賞の組合せとチェリー入賞の組合せが有効化された入賞ラインに揃う。尚、この場合でも、リールの停止操作が行われた際にリプレイ入賞の組合せを構成する図柄のみしか引込範囲内になければ、リプレイ入賞の組合せのみが有効化された入賞ラインに揃う。
【0095】
次に、本実施例における遊技制御基板200の制御部210がゲームの進行に伴い実行する各種制御内容を、図7のフローチャートに基づいて以下に説明していく。
【0096】
まず、電源投入に伴いゲームスタートに備えるための初期処理を実行する。具体的には、各種装置の接続、及び作動状況、等の確認を行い、電源断前の遊技状態に復帰可能であれば復帰する処理を行う(Sa1)。
【0097】
次いで、BET処理(Sa2)、内部抽選処理(Sa3)、リール制御振分処理(Sa4)、リール回転処理(Sa5)、リール停止処理(Sa6)、入賞判定処理(Sa7)、払出処理(Sa8)、遊技状態更新処理(Sa9)を繰返し実行するループ処理に移行する。
【0098】
Sa2のステップにおけるBET処理では、メダルやクレジットを受付け可能な状態で待機し、賭数が設定され、スタートレバー38が押圧操作された時点でメダルの賭数を確定する処理を実行する。
【0099】
Sa3のステップにおける内部抽選処理では、スタートレバー38の押圧操作によるゲームスタートに伴いサンプリングされた乱数値に基づいて各入賞の当選を判定し、当選した場合には該当する入賞の発生を許容する旨を示す内部当選フラグを設定する処理を行う。すなわち内部抽選処理は、本発明の事前決定手段として機能する。
【0100】
Sa4のステップにおけるリール制御振分処理では、当該ゲームの遊技状態、内部当選フラグの設定状況等に応じて、後述するリール停止処理において適用するリールの制御パターンを選択する処理を実行する。すなわちリール制御振分処理は、本発明の制御パターン選択手段として機能する。
【0101】
Sa5のステップにおけるリール回転処理では、リール制御振分処理の終了に伴い各リール51L、51C、51Rを回転させる処理を実行する。
【0102】
Sa6のステップにおけるリール停止処理では、遊技者による停止ボタン40L、40C、40Rが押圧操作されるか、または自動停止時間が経過したか、のいずれかの条件が満たされることで、リール制御振分処理において選択した制御パターンに基づいて各リール51L、51C、51Rを停止させる処理を行う。すなわちリール停止処理は、本発明の表示制御手段として機能する。
【0103】
Sa7のステップにおける入賞判定処理では、Sa6のステップにおいて全てのリール51L、51C、51Rの回転が停止した時点で、有効化された入賞ラインに停止した図柄の組合せを確認し、入賞の発生を判定する処理を行う。
【0104】
Sa8のステップにおける払出処理では、メダルの払出を伴う入賞の発生が判定された場合に、クレジットの加算並びにホッパーユニット57によるメダルの払出等の処理を行う。
【0105】
Sa9のステップにおける遊技状態更新処理では、BB入賞やRB入賞が発生した場合に、遊技状態をBBまたはRBに移行させる処理や、BB中のBBゲームやRB中のRBゲームのカウンタの設定や更新を行う処理、BBやRBの終了条件の成立に基づき遊技状態を通常遊技状態に移行させる処理、等を行う。更に遊技状態更新処理では、BB終了時に特定遊技状態への移行抽選を行い、移行抽選に当選した場合に特定遊技状態へ移行させる処理や、特定遊技状態の終了条件の成立に基づき非特定遊技状態へ移行させる処理を行う。すなわち遊技状態更新処理は、本発明における特定遊技状態発生手段として機能する。
【0106】
図8は、通常遊技状態において小役入賞またはリプレイ入賞を許容する内部当選フラグが当選した場合にリール制御振分処理において選択される各リールの制御パターンを示す図であり、図10は、通常遊技状態における内部当選フラグ別の各リール制御パターンの選択率を示す図である。
【0107】
本実施例では、図8に示すように、通常遊技状態において小役入賞またはリプレイ入賞を許容する内部当選フラグが当選した場合に適用される各リールの制御パターンとして制御番号01〜05の制御パターンが定められている。
【0108】
これら制御パターンのうち、制御番号01の制御パターンは、「チェリー−any−any」の組合せのみを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターンであり、この制御番号01の制御パターンは、通常遊技状態におけるチェリーフラグ当選時において特定遊技状態であるか否かに関わらず100%の割合で選択される制御パターンである。このため、通常遊技状態におけるチェリーフラグ当選時には、チェリー入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御される。
【0109】
また、制御番号02の制御パターンは、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せのみを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターンであり、この制御番号02の制御パターンは、通常遊技状態におけるスイカフラグ当選時において特定遊技状態であるか否かに関わらず100%の割合で選択される制御パターンである。このため、通常遊技状態におけるスイカフラグ当選時には、スイカ入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御される。
【0110】
また、制御番号03の制御パターンは、「ベル−ベル−ベル」の組合せのみを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターンであり、この制御番号03の制御パターンは、通常遊技状態におけるベルフラグ当選時において特定遊技状態であるか否かに関わらず100%の割合で選択される制御パターンである。このため、通常遊技状態におけるベルフラグ当選時には、ベル入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御される。
【0111】
また、制御番号04の制御パターンは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せのみを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターンであり、この制御番号04の制御パターンは、通常遊技状態のうち非特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において100%の割合で選択され、特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において20%の割合で選択される制御パターンである。
【0112】
また、制御番号05の制御パターンは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せと「チェリー−any−any」の組合せを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターン、すなわち「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せと「チェリー−any−any」の組合せを有効化された入賞ラインに同時に引き込むとともに、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せのみしか引き込めない場合には、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せをいずれかの入賞ラインに引き込む制御パターンであり、この制御番号05の制御パターンは、通常遊技状態のうち特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において80%の割合で選択される制御パターンである。
【0113】
このため、通常遊技状態のうち非特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時には、図9(a)に示すように、リプレイ入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御される。また、通常遊技状態のうち特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時には、20%の割合で、図9(a)に示すように、リプレイ入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御され、80%の割合で、図9(b)に示すように、リプレイ入賞の組合せとチェリー入賞の組合せを有効化された入賞ラインに同時に揃えることが可能に制御される。すなわち特定遊技状態においては80%の割合でリプレイゲームが付与されるリプレイ入賞と8枚のメダルの付与を伴うチェリー入賞の複合入賞を発生させることが可能に制御される。
【0114】
尚、本実施例では、特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において制御番号05の制御パターンが選択される割合、すなわちリプレイ入賞とチェリー入賞の複合入賞を発生させることが可能となる割合が80%とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リプレイ入賞とチェリー入賞の複合入賞を発生させることが可能となる割合として、その他の割合を適用しても良いし、リプレイ入賞とチェリー入賞の複合入賞を発生させることが可能となる割合を変動させるようにしても良い。
【0115】
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、リプレイ入賞と同時に小役入賞(チェリー入賞)も発生させることが可能とされており、リプレイ入賞の発生に伴いリプレイゲームが付与されるため、メダルやクレジットを減少させることなくゲームを行えるうえに、メダルの払出を伴う小役入賞(チェリー入賞)が同時に発生することでメダルも獲得できることとなる、すなわち遊技者所有のメダルを増加させることもできるため、リプレイ入賞の発生に伴い興趣を高めることができる。
【0116】
また、リプレイ入賞とは、本来、遊技者の損失を抑制することで適度な射幸性を保つことを目的として付与されるものであり、内部抽選処理により一定の割合でリプレイ入賞の発生が許容されること、すなわちリプレイフラグが一定の割合で当選することに基づいて適度な射幸性が担保されることとなるため、リプレイ入賞の出現率は、内部抽選処理によるリプレイフラグの当選確率に近い方が好ましい。このため、本実施例では、内部抽選処理によりリプレイフラグが当選すること、すなわちリプレイ入賞の発生が許容されることを条件にリプレイ入賞と同時に小役入賞(チェリー入賞)も発生させることが可能とされている。これにより内部抽選処理によりリプレイフラグが当選する割合と、リプレイ入賞が発生する割合と、が近似する割合となるため、リプレイ入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができる。
【0117】
また、近年においては、BBフラグやRBフラグが当選した後、これらBBフラグやRBフラグにより許容されるBB入賞やRB入賞を発生させることが困難または不可能に制御するためにリプレイフラグの当選確率を一般的なスロットマシンにおけるリプレイ入賞の出現率(例えば、1/7.3)よりも高い確率とするが、リプレイフラグが当選したときに、リプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンとリプレイ入賞の組合せを揃えられない制御パターンとを一定の割合で振り分けることにより、実際にリプレイ入賞が出現する確率を、一般的なスロットマシンにおけるリプレイ入賞の出現率とほぼ同じ確率となるようにしたスロットマシンが提案されている。この種のスロットマシンにおいては、内部抽選処理によりリプレイフラグが当選し、かつリプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンに振り分けられてリプレイ入賞が発生可能に制御される割合を一定の割合とすることで適度な射幸性が担保されることとなるため、リプレイ入賞の出現率は、リプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンの振分率に近い方が好ましい。このため、内部抽選処理によりリプレイフラグが当選し、かつリプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンに振り分けられることによりリプレイ入賞が発生するスロットマシンに本発明を適用する場合には、内部抽選処理によりリプレイフラグが当選し、かつリプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンに振り分けられること、すなわちリプレイ入賞の発生が許容されることを条件にリプレイ入賞と同時に小役入賞(チェリー入賞)も発生させることが可能に制御されることが好ましい。これによりリプレイ入賞の発生が許容される割合と、リプレイ入賞が発生する割合と、が近似する割合となるため、リプレイ入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができる。
【0118】
また、本実施例では、リール停止処理において適用する各リールの制御パターンとして、リプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)とを同時に発生させることが可能となるように定められた制御パターン(制御番号05の制御パターン)が予め定められており、この制御パターンに基づいてリプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)とを同時に発生させる制御が行われるため、リプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)とを同時に発生させる場合でも制御が複雑となることがなく、すなわちリール停止処理において適用するリールの制御パターンを変更するのみで特別な制御行う必要がないことから、制御負荷も軽減することができる。
【0119】
また、本実施例では、通常遊技状態のうち特定遊技状態においてのみリール制御振分処理においてリプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)とを同時に発生させることが可能な制御番号05の制御パターンを選択可能とされている。すなわち特定遊技状態においてのみリプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)の複合入賞が発生しうるため、特定遊技状態に移行するか否かによりゲームの流れ、すなわちメダルの増減の波にメリハリをつけることができる。
【0120】
また、本実施例では、特定遊技状態におけるリプレイ当選時においても、20%の割合で制御番号04の制御パターン、すなわちリプレイ入賞のみを発生させることが可能に制御される制御パターンが選択されるようになっており、特定遊技状態におけるリプレイフラグの当選時でも、リプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)の複合入賞を発生させることができる場合と、リプレイ入賞のみを発生させることができる場合と、があるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0121】
尚、本実施例では、特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において一定の割合でリプレイ入賞のみを発生させることが可能に制御される制御パターンが選択されるようになっているが、例えば、特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において一定の割合でいずれの入賞も発生させることができない制御パターンが選択されるようにしても良く、このようにした場合には、特定遊技状態におけるリプレイフラグの当選時でも、リプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)の複合入賞を発生させることができる場合と、いずれの入賞も発生させることができない場合と、があるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0122】
また、本実施例では、制御番号05の制御パターン、すなわちリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることができる制御パターンが適用されることにより発生させることが可能な小役入賞が常に同一種類(本実施例ではチェリー入賞)となるように定められており、特定遊技状態のリプレイフラグ当選時においてリプレイ入賞とともに発生させることが可能となる入賞の種類が常に同一となるため、遊技者は、1種類の入賞、すなわち本実施例の場合にはチェリー入賞の組合せを狙って各リールの停止操作を行えば良く、例えば、リプレイ入賞とともに発生させることが可能となる入賞の種類としてチェリー入賞とスイカ入賞のいずれかの可能性がある場合等、複数の選択肢を備えることで遊技者を戸惑わせてしまうことがない。
【0123】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0124】
例えば、前記実施例では、リプレイ入賞とともに発生させることが可能な小役入賞としてチェリー入賞、すなわち左リールのみで入賞の組合せが成立する、いわゆる単図柄入賞が適用されており、リプレイ入賞の組合せと同時に有効化された入賞ラインに揃える場合でも他の図柄との整合性が取りやすいことから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、リプレイ入賞とともに発生させることが可能な小役入賞としてその他の小役入賞、すなわちスイカ入賞やベル入賞を適用しても良い。
【0125】
また、前記実施例では、特定遊技状態のリプレイフラグ当選時においてのみリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることが可能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定遊技状態であるか否かに関わらず、リプレイフラグの当選時の一定の割合でリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることができるようにしても良い。更に、特定遊技状態か否かに応じて、リプレイフラグ当選時のリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることが可能となる割合を変動させるようにしても良い。
【0126】
また、前記実施例では、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能な通常のスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、更には可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンにも適用可能であることはいうまでもなく、これらスロットマシンの種別が限定されるものではない。
【0127】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0128】
本発明の請求項1は、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(リール51L、51C、51R)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置(リール51L、51C、51R)の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン1であって、前記入賞は、遊技者所有の価値(メダル、クレジット)を用いることなくゲームを行える再ゲーム(リプレイゲーム)が付与される再遊技入賞(リプレイ入賞)と、有価価値(メダル)が付与される小役入賞(チェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞)と、を含み、
前記可変表示装置(リール51L、51C、51R)の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))と、前記事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))の決定結果(内部当選フラグ)に基づいて前記可変表示装置(リール51L、51C、51R)の制御内容を定めた制御パターンを選択する制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))と、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))により選択された前記制御パターンに基づいて前記可変表示装置(リール51L、51C、51R)に表示結果を導出表示させる制御を行う表示制御手段(制御部210(リール停止処理))と、を備え、前記制御パターンは、前記再遊技入賞(リプレイ入賞)と前記小役入賞(チェリー入賞)とが同時に発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)を含み、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))は、前記事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))により前記再遊技入賞(リプレイ入賞)の発生が許容されたときのみ前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)を選択可能である。
【0129】
本発明の請求項2は、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))は、前記事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))により前記再遊技入賞(リプレイ入賞)の発生が許容されたときに所定の割合(80%)で前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)を選択する。
【0130】
本発明の請求項3は、前記制御パターンは、前記再遊技入賞(リプレイ入賞)が単独で発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた単独制御パターン(制御番号04の制御パターン)を含み、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))は、前記事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))により前記再遊技入賞(リプレイ入賞)の発生が許容されたときに前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)または前記単独制御パターン(制御番号04の制御パターン)を選択可能である。
【0131】
本発明の請求項4は、所定の発生条件が成立したとき(BB終了後に行われる移行抽選に当選したとき)に特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段(制御部210(遊技状態更新処理))を備え、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))は、前記特定遊技状態においてのみ前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)を選択可能である。
【0132】
本発明の請求項5は、前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)は、前記再遊技入賞(リプレイ入賞)と同時に発生させることが可能な小役入賞が常に同一の種類(チェリー入賞)となるように定められている。
【0133】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0134】
(a)請求項1項の発明によれば、再遊技入賞と同時に小役入賞も発生させることが可能とされており、再遊技入賞の発生に伴い再ゲームが付与されるため、遊技者所有の価値を減少させることなくゲームを行えるうえに、小役入賞が同時に発生することで有価価値が付与され、遊技者所有の価値が増加することとなるため、再遊技入賞の発生に伴い興趣を高めることができる。更に、事前決定手段により再遊技入賞の発生が許容されることを条件に再遊技入賞と同時に小役入賞も発生させることが可能となる。これにより事前決定手段により再遊技入賞の発生が許容される割合と、再遊技入賞が発生する割合と、が近似する割合となるため、再遊技入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができる。また、可変表示装置の制御パターンとして、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生する表示結果を導出表示させることが可能となる複合制御パターンが予め定められており、この複合制御パターンに基づいて再遊技入賞と小役入賞とを同時に発生させる制御が行われるため、再遊技入賞と小役入賞とを同時に発生させるときでも制御が複雑となることがなく、すなわち特別な制御行う必要がなく、制御負荷を軽減することができる。
【0135】
(b)請求項2項の発明によれば、事前決定手段により再遊技入賞が許容されたときでも、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生するときとそうではないときがあるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0136】
(c)請求項3項の発明によれば、事前決定手段により再遊技入賞が許容されたときでも、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生するときと再遊技入賞のみが発生するときがあるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0137】
(d)請求項4項の発明によれば、特定遊技状態が発生することで再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生可能となるため、特定遊技状態が発生するか否かによりゲームの流れにメリハリをつけることができる。
【0138】
(e)請求項5項の発明によれば、再遊技入賞と同時に発生させることが可能な小役入賞が常に同一種類となるため、複数の選択肢を備えることで遊技者を戸惑わせてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンを示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの内部構造図である。
【図3】本実施例のスロットマシンの全体構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例のスロットマシンにおける回路構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例のスロットマシンのリールの図柄配列を示す図である。
【図6】本実施例のスロットマシンの通常遊技状態において入賞の対象となる図柄の組合せ等を示す図である。
【図7】本実施例のスロットマシンの遊技制御基板に搭載された制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図8】本実施例のスロットマシンの通常遊技状態において小役入賞またはリプレイ入賞が許容された際に適用される各リールの制御パターンを示す図である。
【図9】(a)は、本実施例のスロットマシンにおいてリプレイ入賞のみが有効化された入賞ラインに揃った際の表示態様の一例を示す図であり、(b)は、リプレイ入賞とチェリー入賞が同時に有効化された入賞ラインに揃った際の表示態様の一例を示す図である。
【図10】本実施例のスロットマシンの通常遊技状態において小役入賞またはリプレイ入賞が許容された際に適用される各リールの制御パターンの内部当選フラグ別の選択率を示す図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
51L、51C、51R リール
210 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関し、特には、遊技者所有の価値を用いることなくゲームを行える再ゲームが付与される再遊技入賞を発生させることが可能なスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスロットマシンでは、遊技者の損失を抑制するために、メダル等の遊技者所有の価値を用いることなくゲームを行うことが可能なリプレイゲーム(再ゲーム)が付与されるリプレイ入賞(再遊技入賞)を発生させることができるものが実用化されている。
【0003】
しかしながら、リプレイ入賞の発生により遊技者所有の価値は減少しないものの増加することもないため興趣に欠けるものであった。
【0004】
このため、前述したリプレイ入賞と有価価値の付与を伴う小役入賞とを重複して発生可能な、すなわちリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることができるスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−336426号公報(第2−6頁、第1−9図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述したスロットマシンにおいて、リプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させる条件としては、内部抽選、すなわち可変表示装置の表示結果が導出される以前に入賞の発生を許容するか否かを決定するための抽選においてリプレイ入賞が許容されていること、または、小役入賞が許容されていること、のどちらかの条件が考えられる。
【0007】
一方、リプレイ入賞とは、本来、遊技者の損失を抑制することで適度な射幸性を保つことを目的として付与されるものであり、内部抽選により一定の割合でリプレイ入賞が許容されることに基づいて適度な射幸性が担保されることとなるため、リプレイ入賞の出現率は、内部抽選によりリプレイ入賞が許容される確率に近い方が好ましい。
【0008】
しかしながら、前述のように内部抽選により小役入賞が許容されていることを条件にリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生可能とした場合には、リプレイ入賞の出現率が内部抽選により小役入賞が許容される確率に応じて変動することとなるため、内部抽選によりリプレイ入賞が許容される確率とリプレイ入賞の出現率とが乖離してしまい、適度な射幸性を担保することができない。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、再遊技入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることで興趣を高められるうえに、再遊技入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のスロットマシンは、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記入賞は、遊技者所有の価値を用いることなくゲームを行える再ゲームが付与される再遊技入賞と、有価価値が付与される小役入賞と、を含み、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に基づいて前記可変表示装置の制御内容を定めた制御パターンを選択する制御パターン選択手段と、
前記制御パターン選択手段により選択された前記制御パターンに基づいて前記可変表示装置に表示結果を導出表示させる制御を行う表示制御手段と、
を備え、
前記制御パターンは、前記再遊技入賞と前記小役入賞とが同時に発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた複合制御パターンを含み、
前記制御パターン選択手段は、前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生が許容されたときのみ前記複合制御パターンを選択可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、再遊技入賞と同時に小役入賞も発生させることが可能とされており、再遊技入賞の発生に伴い再ゲームが付与されるため、遊技者所有の価値を減少させることなくゲームを行えるうえに、小役入賞が同時に発生することで有価価値が付与され、遊技者所有の価値が増加することとなるため、再遊技入賞の発生に伴い興趣を高めることができる。更に、事前決定手段により再遊技入賞の発生が許容されることを条件に再遊技入賞と同時に小役入賞も発生させることが可能となる。これにより事前決定手段により再遊技入賞の発生が許容される割合と、再遊技入賞が発生する割合と、が近似する割合となるため、再遊技入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができる。また、可変表示装置の制御パターンとして、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生する表示結果を導出表示させることが可能となる複合制御パターンが予め定められており、この複合制御パターンに基づいて再遊技入賞と小役入賞とを同時に発生させる制御が行われるため、再遊技入賞と小役入賞とを同時に発生させるときでも制御が複雑となることがなく、すなわち特別な制御行う必要がなく、制御負荷を軽減することができる。
【0011】
本発明のスロットマシンの前記制御パターン選択手段は、前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生が許容されたときに所定の割合で前記複合制御パターンを選択することが好ましい。
このようにすれば、事前決定手段により再遊技入賞が許容されたときでも、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生するときとそうではないときがあるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0012】
本発明のスロットマシンの前記制御パターンは、前記再遊技入賞が単独で発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた単独制御パターンを含み、
前記制御パターン選択手段は、前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生が許容されたときに前記複合制御パターンまたは前記単独制御パターンを選択可能であることが好ましい。
このようにすれば、事前決定手段により再遊技入賞が許容されたときでも、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生するときと再遊技入賞のみが発生するときがあるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0013】
本発明のスロットマシンは、所定の発生条件が成立したときに特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段を備え、
前記制御パターン選択手段は、前記特定遊技状態においてのみ前記複合制御パターンを選択可能であることが好ましい。
このようにすれば、特定遊技状態が発生することで再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生可能となるため、特定遊技状態が発生するか否かによりゲームの流れにメリハリをつけることができる。
【0014】
本発明のスロットマシンの前記複合制御パターンは、前記再遊技入賞と同時に発生させることが可能な小役入賞が常に同一の種類となるように定められていることが好ましい。
このようにすれば、再遊技入賞と同時に発生させることが可能な小役入賞が常に同一種類となるため、複数の選択肢を備えることで遊技者を戸惑わせてしまうことがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
本発明が適用された遊技機の実施例を図面を用いて説明すると、図1には、本実施例におけるスロットマシン1の全体正面図、図2にはスロットマシン1の内部構造図がそれぞれ示されている。スロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筺体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bと、から構成されており、前面扉2bの裏面に設けられた施錠装置(図示略)の鍵穴3に挿入した所定のキーを時計回り方向に回動操作することにより施錠が解除されて前面扉2bを開放することができるようになっている。
【0017】
前面扉2bの周囲には、遊技効果LED130(図3参照)が内蔵された遊技効果LED部41が設けられているとともに、前面扉2bの前面上部には役構成等が印刷された上部パネル4が、前面中央部には各種表示部が形成された遊技パネル6が、前面下部にはタイトル等が印刷された下部パネル7が、各々設けられている。
【0018】
遊技パネル6と下部パネル7の間には、前方に突出するように操作部8が形成されており、この操作部8には遊技媒体であるメダルを投入可能なメダル投入部34や各種操作ボタン35、36a、36b、37、40L、40C、40R、及びスタートレバー38等が設けられているとともに、操作部8の下部左右側には、遊技効果LED131(図3参照)が内蔵された遊技効果LED部43がそれぞれ設けられている。
【0019】
前面扉2bにおける下部パネル7の下方には、メダルが払出されるメダル払出穴9が設けられたメダル受皿11が設けられている。
【0020】
上部パネル4の左右側には、内部に設けられる高音用のスピーカ136a、136b(図3参照)から出力される音を放音する放音部12a、12bがそれぞれ設けられているとともに、メダル払出穴9の側方には、内部に設けられる低音用のスピーカ137(図3参照)から出力される音を放音する放音部13が設けられている。
【0021】
上部パネル4の中央部には、液晶表示部15が設けられており、この液晶表示部15を透して内部に設けられる液晶表示器135(図3参照)の表示内容が表示されるようになっている。
【0022】
遊技パネル6には、スロットマシン1の筐体2aに内設された後述のリール51L、51C、51Rを透視可能な透視窓14と、各種表示部と、がそれぞれ設けられている。
【0023】
遊技パネル6に設けられた各種表示部のうち、クレジット表示部31は、クレジットが表示される。クレジットとは、遊技者所有の有価価値としてスロットマシン1内部の記憶部に記憶されているメダル数である。このスロットマシン1では、クレジットとして記憶可能な価値の上限値が最大でメダル50枚分とされており、この上限値を越えるクレジットの加算更新の要求が発生した場合にはその上限を越えるメダルがメダル払出穴9から払出される。
【0024】
ゲーム回数表示部32は、後述するビッグボーナス(BB)中に提供されるビッグボーナスゲーム(BBゲーム)の残回数や、後述するレギュラーボーナス(RB)の残回数等が表示される。さらにゲーム回数表示部32は、スロットマシン1に発生した各種の異常を表示する報知手段であるエラー表示器としても機能する。
【0025】
ペイアウト表示部33は、1ゲーム中に発生した入賞に基づいて遊技者に付与されるメダル枚数が入賞がある毎に表示される。
【0026】
1〜3枚賭け表示部46〜48は、内蔵された1〜3枚賭けLED111〜113(図3参照)が、遊技者がゲームに賭数を設定した場合にその賭数に応じて点灯する。
【0027】
リプレイ表示部27は、リプレイ入賞が発生した場合に、その内部に内蔵されたリプレイLED114(図3参照)が点灯する。スタート表示部28は、賭数が設定されることによりスタート操作をすることが可能となった場合に、その内部に内蔵されたスタートLED115(図3参照)が点灯し、有効なスタート操作が検出されることにより消灯する。投入指示表示部30は、メダルを受付可能な状態である場合に、その内部に内蔵された投入指示LED117(図3参照)が点滅し、メダルを受付不可能な状態である場合に消灯する。
【0028】
ウェイト表示部29は、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に、その内部に内蔵されたウェイトLED116(図3参照)が点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、ゲームがあまりに速く進行しすぎてしまうことを規制するために設定されたゲーム進行規制期間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後にリールが始動するように設定されている。
【0029】
演出用表示部16〜25のうち演出用表示部17〜20は、リプレイ表示部27、ウェイト表示部29、スタート表示部28、投入指示表示部30と、演出用表示部21〜25は、1〜3枚賭け表示部46〜48と、各々同様に機能する表示部であり、これら各表示部に内蔵されたLED111〜117の点灯/消灯に応じて、各々対応する演出用表示部17〜25に内蔵された演出用ランプ141〜149(図3参照)が点灯/消灯する。また、演出用表示部16は、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞の発生が許容されている場合に、その内部に内蔵された演出用ランプ140(図3参照)が点灯するようになっており、ボーナス告知表示部として機能する。尚、以下の説明において演出用ランプ140をWINランプと称す。
【0030】
操作部8の上面右側には、メダル投入口が形成されたメダル投入部34が設けられているとともに、左側には精算ボタン37、1枚BETボタン36a、MAXBETボタン36bがそれぞれ設けられている。
【0031】
1枚BETボタン36aは、クレジットを使用してメダルを1枚分賭ける際に押圧するボタンであり、MAXBETボタン36bは、1ゲームにおいて許容される賭数の最大数(本実施例ではメダル3枚分)をクレジットの範囲内で賭ける際に押圧するボタンである。1枚BETボタン36a、MAXBETボタン36bの内部には、BETボタンLED121a、121bがそれぞれ内蔵されており(図3参照)、これらのBETボタンLED121a、121bは、対応するBETボタンの操作により賭数を設定可能な状態にある場合に点灯し、賭数を設定不可能な状態の場合に消灯する。
【0032】
精算ボタン37は、記憶部に記憶されているクレジットの精算操作をする際に押圧するボタンであり、この精算ボタン37の押圧操作に伴い、クレジットとして記憶されている枚数のメダルがメダル払出穴9から払出されるようになっている。
【0033】
操作部8の前側面には、スタートレバー38、ストップボタン40L、40C、40R、メダル詰まり解除ボタン35がそれぞれ設けられている。スタートレバー38は、ゲームを開始する際に操作するレバーであり、賭数の設定終了後においてスタートレバー38を操作することによりリールユニット50の各リール51L、51C、51Rの回転が開始される。
【0034】
各ストップボタン40L、40C、40Rは、ゲームが開始した後にリール51L、51C、51Rの回転を停止させる際に操作するボタンであり、ストップボタン40L、40C、40Rの内部には操作有効LED122L、122C、122Rが、それぞれ内蔵されている(図3参照)。これら操作有効LED122L、122C、122Rは、対応するストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効である場合に点灯し、操作が無効である場合に消灯する。
【0035】
メダル詰まり解除ボタン35は、メダル投入部34に投入されたメダルが内部で詰まった場合に、これを解消させる際に操作するボタンである。
【0036】
前面扉2bの裏面には、メダル投入部34から投入されたメダルを後述するホッパータンク57aに導く投入メダルセレクタ(図示略)が設けられている。直径や厚みの異なる不正メダルは、この投入メダルセレクタにより振り分けられてメダル払出穴9から返却される。
【0037】
投入メダルセレクタの下流側には、流下するメダル流路を選択的に切替可能とする図示しない流路切替ソレノイド107(図3参照)が設けられている。通常時において流路切替ソレノイド107は励磁されており、この状態において流下するメダルは投入メダルセンサ106(図3参照)により検出された後、ホッパータンク57a内に貯留されるようになっている。メダル投入が不可能な場合には、流路切替ソレノイド107の励磁が解除されて流路が切替わってメダル払出穴9から返却される。
【0038】
図2に示すように、筐体2a内略中央部には、複数種の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻回されたリール51L、51C、51Rを有する可変表示装置としてのリールユニット50が設けられている。それぞれのリール51L、51C、51Rは、各々に対応して設けられたリールモータ54L、54C、54Rによりそれぞれ独立して縦方向に回転(駆動)、停止するように構成されており、各リール51L、51C、51Rが回転することにより、透視窓14には前記各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。
【0039】
透視窓14から視認できる各リールの領域を、各リールに対応させて左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部(領域)と呼ぶ。この各可変表示部からは、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示される。
【0040】
各リール51L、51C、51Rに対応して各リールの基準位置を検出するリールセンサ56が設けられており、このリールセンサ56により所定の図柄の停止位置を導出できるようになっているとともに、各リール51L、51C、51Rにおける特定の表示領域(上、中、下段の表示領域)を裏面から個別に照射可能な複数のリールランプ55がそれぞれ上、中、下段に設けられており、これら各リールランプ55は、透視窓14に表示される各図柄を後方から点灯するバックライトとして機能するようになっている。
【0041】
リールユニット50の下方には、メダル投入部34から投入されたメダルを貯留するホッパータンク57aを有するホッパーユニット57が設けられている。また、ホッパーユニット57の右側にはホッパータンク57aからオーバーフローしたメダルが貯留されるオーバーフロータンク59が設けられている。このオーバーフロータンク59内にはメダルを検出可能な満タンセンサ60が設けられており、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったことを検出できるようになっている。
【0042】
ホッパーユニット57の下方部分にはホッパーモータ62が設けられており、このホッパーモータ62が回転することによりホッパータンク57a内のメダルがメダル排出口63から排出される。排出されたメダルは、メダル排出口63の近傍に設けられる払出メダルセンサ61により検出された後、メダル払出穴9から払い出される。
【0043】
ホッパーユニット57の側部には、メイン電源をon/offするメインスイッチ部65と、エラーが生じた場合等において再びゲームを続行可能な状態にリセットするための第2リセットボタン66と、入賞確率を変更可能とする設定ボタン67と、自動精算機能をon/offする自動精算選択スイッチ部68と、自動打止め機能をon/offする打止め選択スイッチ部69と、遊技場の管理者等が所持する特定のキーを挿入可能な設定キー挿入部70と、が前面に設けられた電源ユニット64が配設されている。
【0044】
本実施例では、設定キー挿入部70に特定のキーを挿入して時計回りに90度回転した状態、すなわちonの状態で電源投入を行う操作により、後述する設定キースイッチ82のonが検出され、遊技状態の初期化、すなわち後述するRAM212の記憶内容の初期化が実行されるとともに、設定ボタン67の操作が有効となり、この設定ボタン67の操作により入賞確率、すなわち出玉率の変更が実行可能となる。
【0045】
次に、遊技者が遊技(ゲーム)を行うための操作や、該操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
【0046】
ゲームを開始する場合は、メダルやクレジットを使用して所望の大きさの有価価値を賭けて所望の大きさの賭数を設定する。賭数は、メダルをメダル投入部34から投入するか、あるいはクレジットを使用することにより設定できるようになっている。クレジットを使用するにはMAXBETボタン36b、または1枚BETボタン36aを押圧すれば良い。
【0047】
遊技者により賭数が「1」に設定されると入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、賭数が「2」に設定されると入賞ラインL1、L2、L2’(図1参照)が有効となり、賭数が「3」に設定されると入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’(図1参照)が有効となる。
【0048】
そして本実施例では最大賭数である「3」の賭数が設定された時点でスタートレバー38の操作が有効に受付けられる状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
【0049】
尚、このような賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数、及び形状等は任意に変更可能であり、本実施例の形態に限定されるものではない。また、賭数に応じて有効化される入賞ラインの本数も任意に設定変更可能である。
【0050】
また、本実施例では、最大賭数である「3」の賭数が設定された時点(後述するRBゲームでは「1」の賭数が設定された時点)でゲームが開始可能な状態となる構成とされているが、少なくとも「1」以上の賭数が設定された時点でゲームが開始可能な構成であれば良い。
【0051】
ゲームが開始可能な状態でスタートレバー38を押圧操作すれば、各リール51L、51C、51Rが回転し、透視窓14には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。各リール51L、51C、51Rの回転が開始されてから所定時間が経過すれば各ストップボタン40L、40C、40Rの操作が有効になり、この状態で遊技者がいずれかのストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作すれば、対応するリールの回転が停止され、透視窓14からは対応する可変表示部の上、中、下段に図柄が表示される。
【0052】
また、遊技者がストップボタン40L、40C、40Rを押圧操作しない場合には、一定時間が経過した時点で自動的に各リール51L、51C、51Rの回転が順次停止する。
【0053】
そして全てのリール51L、51C、51Rが停止された時点で、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1、L2、L2’、L3、L3’上に予め定められた図柄の組合せが表示された場合は入賞となり、入賞内容に対応して予め定められた所定枚数のメダルが遊技者に対してクレジットとして払出される。また、クレジットが上限数に達した場合には、メダルが直接メダル払出穴9から払い出される。
【0054】
また、特に予め定められた特別図柄の組合せが表示されて大当たり入賞した場合にあっては、メダルの払出しが行なわれるとともに、通常遊技状態とは異なるとともに、遊技者にとって有利な、すなわち大量のメダルを獲得できるビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)が遊技者に対して遊技価値として付与されるようになっている。
【0055】
尚、このように入賞することにより遊技者に対して付与される「遊技価値」は、メダル及びクレジット等の有価価値に限らず、上記のように大当たり入賞した場合において遊技者に対して付与されるBBやRB等、遊技に関連する特典全てを含む。
【0056】
図3は、スロットマシン1に設けられた各種基板と電気部品との接続状況を説明するためのブロック図である。また、図4は、遊技制御基板200に設けられたメイン制御手段としての制御部210の構成と、演出制御基板201に設けられたサブ制御手段としての制御部230の構成と、を説明するためのブロック図である。
【0057】
スロットマシン1に設けられた各種基板のうち、遊技制御基板200によって主に遊技状態が制御され、演出制御基板201によって遊技状態に応じた演出制御等が実施される。また、電源基板202にはスロットマシン1の外部から電源が供給される。この電源基板202には、外部電源の供給を受けるための電源コード84と、メインスイッチ80とが接続されている。
【0058】
遊技制御基板200は、演出制御基板201、電源基板202、リール中継基板203と配線接続されているとともに、リール中継基板203を介して外部出力基板205と接続されている。
【0059】
遊技制御基板200の制御部210は、遊技状態がRBであることを示すRB中信号や、遊技状態がBBであることを示すBB中信号、賭数を設定するために用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により払出されたメダル数を示す メダルOUT信号、などをリール中継基板203を介して外部出力基板205からスロットマシン1の外部に出力する制御を行う。尚、外部出力基板205から外部に出力される信号のうち、ストップスイッチ103L、103C、103Rの操作がなされた旨を示すストップスイッチ信号は、ストップスイッチ103L、103C、103Rから直接出力された信号であり、リール制御信号は、各リール51L、51C、51Rに対応するリールモータ54L、54C、54Rを制御するための制御信号(モータ位相信号)である。
【0060】
これら外部出力基板205から出力される信号は、たとえば、第3者機関が型式試験を行う際に利用可能である。
【0061】
遊技制御基板200には、各種のスイッチ、センサ、LED、及び表示器等、各種部品からの配線が接続されている。
【0062】
電源基板202に配線接続された設定スイッチ83、設定キースイッチ82、第2リセットスイッチ81、払出しセンサ61、及びホッパーモータ62は、電源基板202によって中継されて遊技制御基板200と配線接続されており、それぞれのスイッチ及びセンサの検出信号は、遊技制御基板200の制御部210に入力される。
【0063】
リール中継基板203に配線接続されたリールモータ54L、54C、54R、及びリールセンサ56は、リール中継基板203によって中継されて遊技制御基板200に配線接続されており、リールセンサ56の検出信号は、遊技制御基板200の制御部210に入力される。
【0064】
遊技制御基板200に配線接続されたスイッチ、センサのうち、1枚BETスイッチ100は1枚BETボタン36aの操作を検出し、MAXBETスイッチ101はMAXBETボタン36bの操作を検知するスイッチであり、スタートスイッチ102はスタートレバー38の操作を検出するスイッチであり、左、中、右ストップスイッチ103L、103C、103Rは、左、中、右ストップボタン40L、40C、40Rの操作を検出するスイッチである。精算スイッチ104は、精算ボタン37の操作を検出するスイッチであり、第1リセットスイッチ105は、施錠装置の鍵穴3に挿入したキーによるスロットマシン1のリセット操作を検出するスイッチである。また、投入メダルセンサ106は、メダル投入部34に投入されたメダルを検出するセンサである。
【0065】
遊技制御基板200に配線接続された表示器のうち、ゲーム回数表示器108はゲーム回数表示部32を構成する表示器であり、クレジット表示器109はクレジット表示部31を構成する表示器であり、ペイアウト表示器110はペイアウト表示部33を構成する表示器である。
【0066】
また、遊技制御基板200には、前述した1枚賭けLED111、2枚賭けLED112、3枚賭けLED113、リプレイLED114、スタートLED115、ウェイトLED116、投入指示LED117、BETボタンLED121a、BETボタンLED121b、左操作有効LED122L、122C、122R、流路切替ソレノイド107等の各種電気部品が配線接続されている。
【0067】
電源基板202あるいはリール中継基板203を介して、あるいはこれらの基板を介することなく遊技制御基板200に配線接続された各種LED及び表示器、モータ、ソレノイド等の電気部品は、遊技制御基板200に搭載された制御部210によって制御される。また、制御部210は、遊技制御基板200に接続され、または、電源基板202あるいはリール中継基板203を介して遊技制御基板200に接続された各種スイッチ及びセンサの検出信号を受け、遊技状態を制御する。
【0068】
遊技制御基板200に設けられた制御部210は、図4に示すように、制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU211と、CPU211の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM213と、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM212と、CPU211と外部回路との信号の整合性をとるためのI/Oポート214とを含む。すなわち、制御部210は、これらCPU211、RAM212、ROM213、I/Oポート214が全て内蔵された1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0069】
また、遊技制御基板200には、電源投入時にCPU211にリセットパルスを与える初期リセット回路217と、CPU211にクロック信号を与えるクロック発生回路218と、クロック発生回路218からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にCPU211に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)219と、一定範囲の乱数を高速で連続的に発生している乱数発生回路221と、乱数発生回路221から乱数をサンプリングするサンプリング回路222と、バッファ回路220とが設けられる。さらに、遊技制御基板200には、各種スイッチからの信号が入力されるスイッチ回路215や、モータ回路216、その他、図示しないソレノイド回路等が設けられている。
【0070】
遊技制御基板200の制御部210から演出制御基板201へは、バッファ回路220を介して制御部210が制御する制御状態を特定可能な制御情報としての各種コマンドが出力される。バッファ回路220は、遊技制御基板200の内部から外部への信号の出力を許容するが遊技制御基板200の外部から内部へ信号が入力されることを阻止するように機能する。このため、遊技制御基板200と演出制御基板201との間において、遊技制御基板200から演出制御基板201への一方向通信が担保され、コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板200に信号を入力させて不正な制御動作を行わせる不正行為を防止できる。
【0071】
演出制御基板201には、遊技効果LED130〜134と、演出用ランプ140〜149と、液晶表示器135と、放音部12a、12b、13に内蔵されるスピーカ136a、136b、137と、タイトルパネル8及び遊技パネル6を内側から照らす各蛍光灯138と、がそれぞれ接続され、さらに、リールランプ中継基板204を介してリール51L、51C、51Rに内蔵されているリールランプ55が接続されている。
【0072】
リール中継基板203を介して、あるいはこれらの基板を介することなく演出制御基板201に配線接続された各種ランプ及びスピーカ、液晶表示器等の電気部品は、演出制御基板201に搭載された制御部230によって制御される。
【0073】
演出制御基板201によって制御される各遊技効果LED130〜134、演出用ランプ140〜149、液晶表示器135、各スピーカ136a、136b、137、各蛍光灯138、リールランプ55は、遊技制御基板200によって制御される各種表示器などに比較すると、それが機能しなくても遊技の進行自体には影響を与えるものでなく、演出効果を主眼においた演出手段である。このため、たとえ、演出制御基板201に故障が発生したとしても、遊技者に不利な状況が提供されてしまうことはないばかりか、制御部210の制御の負荷が軽減される。
【0074】
演出制御基板201に設けられた制御部230は、CPU231と、必要なデータの書き込み、及び読み出しができるRAM232と、CPU231の制御プログラムや各種データテーブルを格納するROM233と、I/Oポート234と、を含む。制御部230も、制御部210と同様に1チップマイクロコンピュータにて構成されている。
【0075】
また、演出制御基板201には、各スピーカ136a、136b、137から音を出力させるためのスピーカ駆動回路235と、液晶表示器135を表示制御するための表示駆動回路236と、各種ランプを点灯あるいは点滅させるためのランプ駆動回路237と、が搭載されている。
【0076】
また、演出制御基板201は、遊技制御基板200と接続されており、制御部230は、遊技制御基板200から送信された各種コマンドに基づいて遊技制御基板200の制御状態を特定し、この特定した制御状態に応じて予め定められた制御パターンを設定し、この制御パターンに応じて各遊技効果LED130〜134、演出用ランプ140〜149、液晶表示器135、各スピーカ136a、136b、137、各蛍光灯138、リールランプ55等の電気部品を制御する。
【0077】
図5は、各リール51L、51C、51R、の図柄配列を示す図であり、図中、「左」はリール51Lの図柄配列を示し、「中」はリール51Cの図柄配列を示し、「右」はリール51Rの図柄配列を示す。左側に示した数字は図柄番号であり、「1」〜「21」の各図柄番号に対応して、「黒7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「リプレイ」の図柄が各リールに21個配列されている。
【0078】
本実施例では、図6に示すように、通常遊技状態において「黒7−黒7−黒7」、「白7−白7−白7」、「BAR−BAR−BAR」、「チェリー−any−any(any=「黒7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「リプレイ」)」、「スイカ−スイカ−スイカ」、「ベル−ベル−ベル」、または「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが入賞の対象とされている。
【0079】
通常遊技状態において「チェリー−any−any」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが払い出されるチェリー入賞が発生する。また、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、12枚のメダルが払い出されるスイカ入賞が発生する。また、「ベル−ベル−ベル」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが払い出されるベル入賞が発生する。以下、チェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞を小役入賞ともいう。
【0080】
また、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、当該ゲームと同一の賭数にて次回のゲームを実施可能なリプレイゲーム(再ゲーム)が付与されるリプレイ入賞(再遊技入賞)が発生する。
【0081】
また、賭数に応じて有効化された入賞ラインが複数本存在する場合において、前述したようにメダルが払い出される図柄の組合せが複数本の入賞ライン上において同時に揃った場合には、各入賞ライン上の図柄の組合せによって払い出されるメダル枚数の合計枚数に相当するメダルが払い出されるのが原則である。しかし、1ゲームにおいて遊技者に払い出されるメダルの上限が15枚と定められているために、15枚を越える場合にはその16枚目以降のメダルが無効となる。
【0082】
また、通常遊技状態において有効化されたいずれかの入賞ライン上に「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃えば、特別入賞であるRB入賞が発生し、その対価として15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって有利なレギュラーボーナス(RB)が発生し、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が遊技者に対して付与される。RBゲームにおいては、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃って、15枚のメダルが払い出されるJac入賞が高確率で発生する。RBでは、RBゲームが最大で12回提供される。そしてRBは、RBゲームが12回実行されるか、あるいはRBゲームが12回に達する前にJac入賞が8回発生するか、のいずれかの条件が満たされた時点で終了する。したがって、遊技者は12回のRBゲーム中に最大8回のJac入賞の機会を得ることができる。
【0083】
また、通常遊技状態において有効化された入賞ライン上に、「黒7−黒7−黒7」または「白7−白7−白7」が揃えば、特別入賞であるBB入賞が発生し、その対価として15枚のメダルが払い出されるとともに、遊技者にとって有利な特別遊技状態としてのビッグボーナス(BB)が発生し、以下に説明するビッグボーナスゲーム(BBゲーム)と前述したRBが遊技者に対して付与される。
【0084】
BBゲームにおいては、「チェリー−any−any」、「スイカ−スイカ−スイカ」、「ベル−ベル−ベル」、または「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが入賞の対象とされており、これらの入賞が通常遊技状態に比較して高確率で発生する。
【0085】
BBゲームにおいて「チェリー−any−any」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが払い出されるチェリー入賞が発生する。また、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、12枚のメダルが払い出されるスイカ入賞が発生する。また、「ベル−ベル−ベル」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが払い出されるベル入賞が発生する。
【0086】
また、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが有効化された1本の入賞ライン上に揃った場合には、JacIn入賞が発生し、その対価として3枚のメダルが払い出されるとともに、前述したRBに移行し、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が遊技者に対して付与される。
【0087】
BBでは、BBゲームが最大で30ゲーム提供されるとともに、このBBゲームにおいてRBに移行可能な最大回数が規定されており、本実施例では最大で3回移行し得るように規定されている。そしてBBは、30回のBBゲームを実行した場合か、或いは30回のBBゲームを実行する前にRBへ3回移行し、3回目のRBが終了した場合のうち、少なくともいずれか1つの条件が満たされた時点で終了する。
【0088】
尚、本実施例では、規定数のBBゲームを実行した場合か、規定数のRBが終了した場合のいずれか一方の条件でBBが終了する構成とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、BB中の獲得枚数が上限枚数に到達した場合にBBが終了するようにしても良い。更にこの場合には、RB中において上限枚数に到達した場合に、そのRBが終了することでBBが終了するようにしても良い。
【0089】
本実施例では、図6に示すように、各入賞に対応した内部当選フラグの種類が定められており、各ゲーム毎に実行する内部抽選処理に当選して内部当選フラグが設定された場合にのみ、対応する入賞の発生が許容されるとともに、その許容された入賞に該当する図柄が有効化された入賞ラインに揃えられるように制御される。
【0090】
通常遊技状態における小役入賞(チェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞)の組合せは、内部抽選処理により該当する入賞を許容する内部当選フラグ(チェリーフラグ、スイカフラグ、ベルフラグ、リプレイフラグ)が当選した場合であって、各リールの停止操作が行われた際に該当する図柄が引込範囲(本実施例では停止された際の図柄を除き最大4図柄)内にあれば有効化された入賞ラインに揃う。
【0091】
また、通常遊技状態におけるBB入賞、RB入賞の組合せは、内部抽選処理によりBB入賞またはRB入賞を許容する内部当選フラグ(BBフラグまたはRBフラグ)が当選した場合であって、各リールの停止操作が行われた際に該当する図柄が引込範囲内にあれば有効化された入賞ラインに揃う。
【0092】
また、本実施例では、通常遊技状態が、特定遊技状態と非特定遊技状態とからなり、BB終了後1/2の割合で特定遊技状態に移行し、それ以外は非特定遊技状態に移行するようになっており、特定遊技状態に移行した場合には、その後200ゲームが経過するか、それまでにBBフラグまたはRBフラグが当選することで特定遊技状態の終了条件が成立し、非特定遊技状態に移行するようになっている。
【0093】
尚、特定遊技状態への移行条件や終了条件は上記のものに限られるものではなく、これら特定遊技状態への移行条件や終了条件としてその他の条件を適用しても良い。
【0094】
特定遊技状態においては、リプレイフラグの当選時に一定の割合(本実施例では80%)でリプレイ入賞の組合せとチェリー入賞の組合せを同時に有効な入賞ラインに揃えることが許容される。すなわち、特定遊技状態においては、リプレイゲームが付与されるリプレイ入賞と8枚のメダルの払出を伴うチェリー入賞の複合入賞の発生が許容される。この場合には、リールの停止操作が行われた際にリプレイ入賞の組合せを構成する図柄とチェリー入賞の組合せを構成する図柄が引込範囲内にあれば、リプレイ入賞の組合せとチェリー入賞の組合せが有効化された入賞ラインに揃う。尚、この場合でも、リールの停止操作が行われた際にリプレイ入賞の組合せを構成する図柄のみしか引込範囲内になければ、リプレイ入賞の組合せのみが有効化された入賞ラインに揃う。
【0095】
次に、本実施例における遊技制御基板200の制御部210がゲームの進行に伴い実行する各種制御内容を、図7のフローチャートに基づいて以下に説明していく。
【0096】
まず、電源投入に伴いゲームスタートに備えるための初期処理を実行する。具体的には、各種装置の接続、及び作動状況、等の確認を行い、電源断前の遊技状態に復帰可能であれば復帰する処理を行う(Sa1)。
【0097】
次いで、BET処理(Sa2)、内部抽選処理(Sa3)、リール制御振分処理(Sa4)、リール回転処理(Sa5)、リール停止処理(Sa6)、入賞判定処理(Sa7)、払出処理(Sa8)、遊技状態更新処理(Sa9)を繰返し実行するループ処理に移行する。
【0098】
Sa2のステップにおけるBET処理では、メダルやクレジットを受付け可能な状態で待機し、賭数が設定され、スタートレバー38が押圧操作された時点でメダルの賭数を確定する処理を実行する。
【0099】
Sa3のステップにおける内部抽選処理では、スタートレバー38の押圧操作によるゲームスタートに伴いサンプリングされた乱数値に基づいて各入賞の当選を判定し、当選した場合には該当する入賞の発生を許容する旨を示す内部当選フラグを設定する処理を行う。すなわち内部抽選処理は、本発明の事前決定手段として機能する。
【0100】
Sa4のステップにおけるリール制御振分処理では、当該ゲームの遊技状態、内部当選フラグの設定状況等に応じて、後述するリール停止処理において適用するリールの制御パターンを選択する処理を実行する。すなわちリール制御振分処理は、本発明の制御パターン選択手段として機能する。
【0101】
Sa5のステップにおけるリール回転処理では、リール制御振分処理の終了に伴い各リール51L、51C、51Rを回転させる処理を実行する。
【0102】
Sa6のステップにおけるリール停止処理では、遊技者による停止ボタン40L、40C、40Rが押圧操作されるか、または自動停止時間が経過したか、のいずれかの条件が満たされることで、リール制御振分処理において選択した制御パターンに基づいて各リール51L、51C、51Rを停止させる処理を行う。すなわちリール停止処理は、本発明の表示制御手段として機能する。
【0103】
Sa7のステップにおける入賞判定処理では、Sa6のステップにおいて全てのリール51L、51C、51Rの回転が停止した時点で、有効化された入賞ラインに停止した図柄の組合せを確認し、入賞の発生を判定する処理を行う。
【0104】
Sa8のステップにおける払出処理では、メダルの払出を伴う入賞の発生が判定された場合に、クレジットの加算並びにホッパーユニット57によるメダルの払出等の処理を行う。
【0105】
Sa9のステップにおける遊技状態更新処理では、BB入賞やRB入賞が発生した場合に、遊技状態をBBまたはRBに移行させる処理や、BB中のBBゲームやRB中のRBゲームのカウンタの設定や更新を行う処理、BBやRBの終了条件の成立に基づき遊技状態を通常遊技状態に移行させる処理、等を行う。更に遊技状態更新処理では、BB終了時に特定遊技状態への移行抽選を行い、移行抽選に当選した場合に特定遊技状態へ移行させる処理や、特定遊技状態の終了条件の成立に基づき非特定遊技状態へ移行させる処理を行う。すなわち遊技状態更新処理は、本発明における特定遊技状態発生手段として機能する。
【0106】
図8は、通常遊技状態において小役入賞またはリプレイ入賞を許容する内部当選フラグが当選した場合にリール制御振分処理において選択される各リールの制御パターンを示す図であり、図10は、通常遊技状態における内部当選フラグ別の各リール制御パターンの選択率を示す図である。
【0107】
本実施例では、図8に示すように、通常遊技状態において小役入賞またはリプレイ入賞を許容する内部当選フラグが当選した場合に適用される各リールの制御パターンとして制御番号01〜05の制御パターンが定められている。
【0108】
これら制御パターンのうち、制御番号01の制御パターンは、「チェリー−any−any」の組合せのみを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターンであり、この制御番号01の制御パターンは、通常遊技状態におけるチェリーフラグ当選時において特定遊技状態であるか否かに関わらず100%の割合で選択される制御パターンである。このため、通常遊技状態におけるチェリーフラグ当選時には、チェリー入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御される。
【0109】
また、制御番号02の制御パターンは、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せのみを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターンであり、この制御番号02の制御パターンは、通常遊技状態におけるスイカフラグ当選時において特定遊技状態であるか否かに関わらず100%の割合で選択される制御パターンである。このため、通常遊技状態におけるスイカフラグ当選時には、スイカ入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御される。
【0110】
また、制御番号03の制御パターンは、「ベル−ベル−ベル」の組合せのみを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターンであり、この制御番号03の制御パターンは、通常遊技状態におけるベルフラグ当選時において特定遊技状態であるか否かに関わらず100%の割合で選択される制御パターンである。このため、通常遊技状態におけるベルフラグ当選時には、ベル入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御される。
【0111】
また、制御番号04の制御パターンは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せのみを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターンであり、この制御番号04の制御パターンは、通常遊技状態のうち非特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において100%の割合で選択され、特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において20%の割合で選択される制御パターンである。
【0112】
また、制御番号05の制御パターンは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せと「チェリー−any−any」の組合せを有効化された入賞ラインに優先的に引き込む制御パターン、すなわち「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せと「チェリー−any−any」の組合せを有効化された入賞ラインに同時に引き込むとともに、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せのみしか引き込めない場合には、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せをいずれかの入賞ラインに引き込む制御パターンであり、この制御番号05の制御パターンは、通常遊技状態のうち特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において80%の割合で選択される制御パターンである。
【0113】
このため、通常遊技状態のうち非特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時には、図9(a)に示すように、リプレイ入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御される。また、通常遊技状態のうち特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時には、20%の割合で、図9(a)に示すように、リプレイ入賞の組合せのみを有効化された入賞ラインに揃えることが可能に制御され、80%の割合で、図9(b)に示すように、リプレイ入賞の組合せとチェリー入賞の組合せを有効化された入賞ラインに同時に揃えることが可能に制御される。すなわち特定遊技状態においては80%の割合でリプレイゲームが付与されるリプレイ入賞と8枚のメダルの付与を伴うチェリー入賞の複合入賞を発生させることが可能に制御される。
【0114】
尚、本実施例では、特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において制御番号05の制御パターンが選択される割合、すなわちリプレイ入賞とチェリー入賞の複合入賞を発生させることが可能となる割合が80%とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リプレイ入賞とチェリー入賞の複合入賞を発生させることが可能となる割合として、その他の割合を適用しても良いし、リプレイ入賞とチェリー入賞の複合入賞を発生させることが可能となる割合を変動させるようにしても良い。
【0115】
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、リプレイ入賞と同時に小役入賞(チェリー入賞)も発生させることが可能とされており、リプレイ入賞の発生に伴いリプレイゲームが付与されるため、メダルやクレジットを減少させることなくゲームを行えるうえに、メダルの払出を伴う小役入賞(チェリー入賞)が同時に発生することでメダルも獲得できることとなる、すなわち遊技者所有のメダルを増加させることもできるため、リプレイ入賞の発生に伴い興趣を高めることができる。
【0116】
また、リプレイ入賞とは、本来、遊技者の損失を抑制することで適度な射幸性を保つことを目的として付与されるものであり、内部抽選処理により一定の割合でリプレイ入賞の発生が許容されること、すなわちリプレイフラグが一定の割合で当選することに基づいて適度な射幸性が担保されることとなるため、リプレイ入賞の出現率は、内部抽選処理によるリプレイフラグの当選確率に近い方が好ましい。このため、本実施例では、内部抽選処理によりリプレイフラグが当選すること、すなわちリプレイ入賞の発生が許容されることを条件にリプレイ入賞と同時に小役入賞(チェリー入賞)も発生させることが可能とされている。これにより内部抽選処理によりリプレイフラグが当選する割合と、リプレイ入賞が発生する割合と、が近似する割合となるため、リプレイ入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができる。
【0117】
また、近年においては、BBフラグやRBフラグが当選した後、これらBBフラグやRBフラグにより許容されるBB入賞やRB入賞を発生させることが困難または不可能に制御するためにリプレイフラグの当選確率を一般的なスロットマシンにおけるリプレイ入賞の出現率(例えば、1/7.3)よりも高い確率とするが、リプレイフラグが当選したときに、リプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンとリプレイ入賞の組合せを揃えられない制御パターンとを一定の割合で振り分けることにより、実際にリプレイ入賞が出現する確率を、一般的なスロットマシンにおけるリプレイ入賞の出現率とほぼ同じ確率となるようにしたスロットマシンが提案されている。この種のスロットマシンにおいては、内部抽選処理によりリプレイフラグが当選し、かつリプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンに振り分けられてリプレイ入賞が発生可能に制御される割合を一定の割合とすることで適度な射幸性が担保されることとなるため、リプレイ入賞の出現率は、リプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンの振分率に近い方が好ましい。このため、内部抽選処理によりリプレイフラグが当選し、かつリプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンに振り分けられることによりリプレイ入賞が発生するスロットマシンに本発明を適用する場合には、内部抽選処理によりリプレイフラグが当選し、かつリプレイ入賞の組合せを揃えられるリールの制御パターンに振り分けられること、すなわちリプレイ入賞の発生が許容されることを条件にリプレイ入賞と同時に小役入賞(チェリー入賞)も発生させることが可能に制御されることが好ましい。これによりリプレイ入賞の発生が許容される割合と、リプレイ入賞が発生する割合と、が近似する割合となるため、リプレイ入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができる。
【0118】
また、本実施例では、リール停止処理において適用する各リールの制御パターンとして、リプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)とを同時に発生させることが可能となるように定められた制御パターン(制御番号05の制御パターン)が予め定められており、この制御パターンに基づいてリプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)とを同時に発生させる制御が行われるため、リプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)とを同時に発生させる場合でも制御が複雑となることがなく、すなわちリール停止処理において適用するリールの制御パターンを変更するのみで特別な制御行う必要がないことから、制御負荷も軽減することができる。
【0119】
また、本実施例では、通常遊技状態のうち特定遊技状態においてのみリール制御振分処理においてリプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)とを同時に発生させることが可能な制御番号05の制御パターンを選択可能とされている。すなわち特定遊技状態においてのみリプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)の複合入賞が発生しうるため、特定遊技状態に移行するか否かによりゲームの流れ、すなわちメダルの増減の波にメリハリをつけることができる。
【0120】
また、本実施例では、特定遊技状態におけるリプレイ当選時においても、20%の割合で制御番号04の制御パターン、すなわちリプレイ入賞のみを発生させることが可能に制御される制御パターンが選択されるようになっており、特定遊技状態におけるリプレイフラグの当選時でも、リプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)の複合入賞を発生させることができる場合と、リプレイ入賞のみを発生させることができる場合と、があるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0121】
尚、本実施例では、特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において一定の割合でリプレイ入賞のみを発生させることが可能に制御される制御パターンが選択されるようになっているが、例えば、特定遊技状態におけるリプレイフラグ当選時において一定の割合でいずれの入賞も発生させることができない制御パターンが選択されるようにしても良く、このようにした場合には、特定遊技状態におけるリプレイフラグの当選時でも、リプレイ入賞と小役入賞(チェリー入賞)の複合入賞を発生させることができる場合と、いずれの入賞も発生させることができない場合と、があるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0122】
また、本実施例では、制御番号05の制御パターン、すなわちリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることができる制御パターンが適用されることにより発生させることが可能な小役入賞が常に同一種類(本実施例ではチェリー入賞)となるように定められており、特定遊技状態のリプレイフラグ当選時においてリプレイ入賞とともに発生させることが可能となる入賞の種類が常に同一となるため、遊技者は、1種類の入賞、すなわち本実施例の場合にはチェリー入賞の組合せを狙って各リールの停止操作を行えば良く、例えば、リプレイ入賞とともに発生させることが可能となる入賞の種類としてチェリー入賞とスイカ入賞のいずれかの可能性がある場合等、複数の選択肢を備えることで遊技者を戸惑わせてしまうことがない。
【0123】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0124】
例えば、前記実施例では、リプレイ入賞とともに発生させることが可能な小役入賞としてチェリー入賞、すなわち左リールのみで入賞の組合せが成立する、いわゆる単図柄入賞が適用されており、リプレイ入賞の組合せと同時に有効化された入賞ラインに揃える場合でも他の図柄との整合性が取りやすいことから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、リプレイ入賞とともに発生させることが可能な小役入賞としてその他の小役入賞、すなわちスイカ入賞やベル入賞を適用しても良い。
【0125】
また、前記実施例では、特定遊技状態のリプレイフラグ当選時においてのみリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることが可能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定遊技状態であるか否かに関わらず、リプレイフラグの当選時の一定の割合でリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることができるようにしても良い。更に、特定遊技状態か否かに応じて、リプレイフラグ当選時のリプレイ入賞と小役入賞の複合入賞を発生させることが可能となる割合を変動させるようにしても良い。
【0126】
また、前記実施例では、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能な通常のスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、更には可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンにも適用可能であることはいうまでもなく、これらスロットマシンの種別が限定されるものではない。
【0127】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0128】
本発明の請求項1は、1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置(リール51L、51C、51R)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置(リール51L、51C、51R)の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン1であって、前記入賞は、遊技者所有の価値(メダル、クレジット)を用いることなくゲームを行える再ゲーム(リプレイゲーム)が付与される再遊技入賞(リプレイ入賞)と、有価価値(メダル)が付与される小役入賞(チェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞)と、を含み、
前記可変表示装置(リール51L、51C、51R)の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))と、前記事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))の決定結果(内部当選フラグ)に基づいて前記可変表示装置(リール51L、51C、51R)の制御内容を定めた制御パターンを選択する制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))と、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))により選択された前記制御パターンに基づいて前記可変表示装置(リール51L、51C、51R)に表示結果を導出表示させる制御を行う表示制御手段(制御部210(リール停止処理))と、を備え、前記制御パターンは、前記再遊技入賞(リプレイ入賞)と前記小役入賞(チェリー入賞)とが同時に発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)を含み、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))は、前記事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))により前記再遊技入賞(リプレイ入賞)の発生が許容されたときのみ前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)を選択可能である。
【0129】
本発明の請求項2は、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))は、前記事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))により前記再遊技入賞(リプレイ入賞)の発生が許容されたときに所定の割合(80%)で前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)を選択する。
【0130】
本発明の請求項3は、前記制御パターンは、前記再遊技入賞(リプレイ入賞)が単独で発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた単独制御パターン(制御番号04の制御パターン)を含み、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))は、前記事前決定手段(制御部210(内部抽選処理))により前記再遊技入賞(リプレイ入賞)の発生が許容されたときに前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)または前記単独制御パターン(制御番号04の制御パターン)を選択可能である。
【0131】
本発明の請求項4は、所定の発生条件が成立したとき(BB終了後に行われる移行抽選に当選したとき)に特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段(制御部210(遊技状態更新処理))を備え、前記制御パターン選択手段(制御部210(リール制御振分処理))は、前記特定遊技状態においてのみ前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)を選択可能である。
【0132】
本発明の請求項5は、前記複合制御パターン(制御番号05の制御パターン)は、前記再遊技入賞(リプレイ入賞)と同時に発生させることが可能な小役入賞が常に同一の種類(チェリー入賞)となるように定められている。
【0133】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0134】
(a)請求項1項の発明によれば、再遊技入賞と同時に小役入賞も発生させることが可能とされており、再遊技入賞の発生に伴い再ゲームが付与されるため、遊技者所有の価値を減少させることなくゲームを行えるうえに、小役入賞が同時に発生することで有価価値が付与され、遊技者所有の価値が増加することとなるため、再遊技入賞の発生に伴い興趣を高めることができる。更に、事前決定手段により再遊技入賞の発生が許容されることを条件に再遊技入賞と同時に小役入賞も発生させることが可能となる。これにより事前決定手段により再遊技入賞の発生が許容される割合と、再遊技入賞が発生する割合と、が近似する割合となるため、再遊技入賞の出現率に基づいて適度な射幸性を担保することができる。また、可変表示装置の制御パターンとして、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生する表示結果を導出表示させることが可能となる複合制御パターンが予め定められており、この複合制御パターンに基づいて再遊技入賞と小役入賞とを同時に発生させる制御が行われるため、再遊技入賞と小役入賞とを同時に発生させるときでも制御が複雑となることがなく、すなわち特別な制御行う必要がなく、制御負荷を軽減することができる。
【0135】
(b)請求項2項の発明によれば、事前決定手段により再遊技入賞が許容されたときでも、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生するときとそうではないときがあるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0136】
(c)請求項3項の発明によれば、事前決定手段により再遊技入賞が許容されたときでも、再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生するときと再遊技入賞のみが発生するときがあるため、興趣を高めつつ、適度な射幸性を維持することができる。
【0137】
(d)請求項4項の発明によれば、特定遊技状態が発生することで再遊技入賞と小役入賞とが同時に発生可能となるため、特定遊技状態が発生するか否かによりゲームの流れにメリハリをつけることができる。
【0138】
(e)請求項5項の発明によれば、再遊技入賞と同時に発生させることが可能な小役入賞が常に同一種類となるため、複数の選択肢を備えることで遊技者を戸惑わせてしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンを示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの内部構造図である。
【図3】本実施例のスロットマシンの全体構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例のスロットマシンにおける回路構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例のスロットマシンのリールの図柄配列を示す図である。
【図6】本実施例のスロットマシンの通常遊技状態において入賞の対象となる図柄の組合せ等を示す図である。
【図7】本実施例のスロットマシンの遊技制御基板に搭載された制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図8】本実施例のスロットマシンの通常遊技状態において小役入賞またはリプレイ入賞が許容された際に適用される各リールの制御パターンを示す図である。
【図9】(a)は、本実施例のスロットマシンにおいてリプレイ入賞のみが有効化された入賞ラインに揃った際の表示態様の一例を示す図であり、(b)は、リプレイ入賞とチェリー入賞が同時に有効化された入賞ラインに揃った際の表示態様の一例を示す図である。
【図10】本実施例のスロットマシンの通常遊技状態において小役入賞またはリプレイ入賞が許容された際に適用される各リールの制御パターンの内部当選フラグ別の選択率を示す図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
51L、51C、51R リール
210 制御部
Claims (5)
- 1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記入賞は、遊技者所有の価値を用いることなくゲームを行える再ゲームが付与される再遊技入賞と、有価価値が付与される小役入賞と、を含み、
前記可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に基づいて前記可変表示装置の制御内容を定めた制御パターンを選択する制御パターン選択手段と、
前記制御パターン選択手段により選択された前記制御パターンに基づいて前記可変表示装置に表示結果を導出表示させる制御を行う表示制御手段と、
を備え、
前記制御パターンは、前記再遊技入賞と前記小役入賞とが同時に発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた複合制御パターンを含み、
前記制御パターン選択手段は、前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生が許容されたときのみ前記複合制御パターンを選択可能であることを特徴とするスロットマシン。 - 前記制御パターン選択手段は、前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生が許容されたときに所定の割合で前記複合制御パターンを選択する請求項1に記載のスロットマシン。
- 前記制御パターンは、前記再遊技入賞が単独で発生する表示結果を導出表示させることが可能となるように定められた単独制御パターンを含み、
前記制御パターン選択手段は、前記事前決定手段により前記再遊技入賞の発生が許容されたときに前記複合制御パターンまたは前記単独制御パターンを選択可能である請求項1または2に記載のスロットマシン。 - 所定の発生条件が成立したときに特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段を備え、
前記制御パターン選択手段は、前記特定遊技状態においてのみ前記複合制御パターンを選択可能である請求項1〜3のいずれかに記載のスロットマシン。 - 前記複合制御パターンは、前記再遊技入賞と同時に発生させることが可能な小役入賞が常に同一の種類となるように定められている請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシン。
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