JP2004297670A - 移動体用全方位カメラ装置の防振機構 - Google Patents

移動体用全方位カメラ装置の防振機構 Download PDF

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Hiroo Iwata
洋夫 岩田
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Abstract

【課題】機材など邪魔なものが入ることなく全方位の撮影が可能であり、しかも移動体の振動や揺れにより映像の振れ等の生じない、構造が簡単な移動体用全方位カメラ装置の防振機構を実現する。
【解決手段】移動体上に配設された支持フレーム3と、緩衝機構6と、緩衝機構6を介して設けられ上部に全方位カメラ装置8を取り付ける支持軸7と、支持軸7の下部に取り付けられており全方位カメラ装置8を鉛直方向に姿勢制御するカウンターウェイト9とを備え、緩衝機構6は、支持フレーム3に対し全方位カメラ装置8を相対的に回転及び直線方向に並進させる自由度を有するとともに、全方位カメラ装置8、支持軸7及びカウンターウェイト9から構成される部分の重心に位置するように支持フレーム3に取り付けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体用全方位カメラ装置の防振機構であり、360度全方位の映像を取得するカメラを自動車等の移動体に搭載し撮影を行う際に、移動体の振動がカメラに伝わらないようにするとともに、復元力が作用してカメラの姿勢を一定に制御することのできる防振機構に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
自動車、列車等の移動体上に全方位カメラ装置を載置して、移動体の全方位の映像を撮影し、その映像を乗員、乗客に供することは、運転上の安全のため、観光その他の目的でにおいてきわめて有用である。
【0003】
或いは、都市計画、都市整備、環境維持、森林整備、治安警備等の目的で、自動車等の移動体上に全方位カメラ装置を載置し、移動体の全方位の映像を撮影し、その映像で、市街地や地域の家並み、建築構造物の状況、環境状況、地形、森林の生育、管理状況、人々の動き等の様々な状況取得して調査に役立てることはきわめて有用である。
【0004】
従来、移動体上に全方位カメラ装置を載置して、所定の垂直視野の範囲で全方位の情景を同時に撮像する技術は公知である(特許文献1参照。)。
【0005】
そして、カメラに防振装置を設け、カメラの振動を吸収して画像振れの発生を防止する撮像装置も公知である(特許文献2参照。)。この特許文献2では、画像を撮像するためのカメラ部と、カメラ部をチルト方向に回転させるチルトモーターと、チルトモーターを支持する支持部材と、支持部材をパン方向に回転させるパンモーターと、パンモーターを固定する筐体と、カメラ部と筐体との間に設けられた防振装置とを備え、この防振装置で、カメラの高速回転動作終了後の停止時のカメラの過剰回転や自励振動を防止し、画像振れのない鮮明な映像を得るものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−337887号公報
【特許文献2】
特開2000−358172号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1記載の技術は、移動体上に全方位カメラ装置を載置して、所定の垂直視野の範囲で全方位の情景を同時に撮像することはできるが、このようにして得られた映像は、移動体の振動、揺れ等が生じた場合には、それがカメラに直に伝達され、カメラで撮影した映像は振れて不鮮明となってしまう。
【0008】
そこで、カメラの振れを防止するカメラの防振装置が必要である。しかしながら、一例として特許文献2に記載されているような従来のカメラ用の防振装置は、前方しか写らない画角が限られたカメラに対応したものであり、全方位カメラ装置には適用できないものである。
【0009】
ところで、全方位カメラ装置の固有の問題として、360度全方位の映像が写されるために、カメラの設置された近辺に防振装置等の各種の機材を設けたり、撮影者自身操作して撮影するような場合はその撮影者自信がカメラの撮影範囲に入ってしまし、映像の邪魔にになるという問題が生じる。
【0010】
本発明は、上記従来の技術を単に組み合わせただけでは解決することのできない移動体に載置した全方位カメラ装置固有の防振に関する問題を解決することを目的とするものであり、移動体に載置し、機材など邪魔なものが全方位カメラ装置の画角範囲に入ることなく全方位の撮影が可能であり、しかも移動体の振動や揺れにより映像の振れ等の生じることがなく、カメラの姿勢も常時制御可能である、構造が簡単な移動体用全方位カメラ装置の防振機構を実現するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、移動体に載置した全方位カメラ装置の下方に、つりあわせ機構、緩衝機構及び支持機構を配設してなることを特徴とする移動体用全方位カメラ装置の防振機構を提供する。
【0012】
上記つりあわせ機構は、少なくとも全方位カメラ装置を取り付ける支持軸と、上記全方位カメラ装置を姿勢制御するカウンターウェイトからなり、上記緩衝機構は、上記全方位カメラ装置を上記移動体に対し相対的に回転及び並進させる自由度を有し、上記支持機構は、上記移動体上に配設され、上記緩衝機構を、上記全方位カメラ装置、上記支持軸及び上記カウンターウェイトから構成される部分の重心に位置させるための支持フレームである構成とすることが好ましい。
【0013】
上記緩衝機構は、少なくとも上記回転に2自由度、上記並進に1自由度を有するとともに、上記支持フレームに対して上記全方位カメラ装置の相対的な動きを減衰させるバネ及びダンパーを有する構成とすることが好ましい。
【0014】
上記緩衝機構は、上記支持フレームに固定された支持枠と、該支持枠と上記支持軸との間に設けられ、一端が上記支持枠に固定され他端が上記支持軸に固定された索条体とから成る構成とすることが好ましい。そして、索条体には、例えば、複数の鉄線をよりあわせて成るワイヤーロープを用いればよい。
【0015】
上記緩衝機構は、上記支持フレームに固定された支持枠と、該支持枠に沿って長手方向に移動する摺動体とを備え、該摺動体は回転継手を介して、上記支持軸に取り付けられており、上記支持枠と上記摺動体の間、及び上記摺動体と上記支持軸の間には、バネ及びダンパーが介装されている構成とすることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る移動体用全方位カメラ装置の防振機構の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る移動体用全方位カメラ装置の防振機構の概要を説明する図である。自動車、列車等の移動体の車体1の上に支持機構として、垂直支柱2と、垂直支柱2の上に載置された支持フレーム3が配設されている。この支持フレーム3は、垂直支柱2の上端に載置された底板4と、底板4から斜め上方に伸びた複数本の傾斜支持杆5とを備えている。
【0018】
支持フレーム3の上端に緩衝機構6が配設されており、この緩衝機構6で支持された支持軸7が上下方向に伸びるように設けられている。この支持軸7の上端に全方位カメラ装置8が配設されており、下端にはカウンターウェイト9が取り付けられている。
【0019】
全方位カメラ装置8、支持軸7及びカウンターウェイト9から成る部分の重心の位置に緩衝機構6が配設されている。支持軸7は緩衝機構6で回転可能に支持されており、カウンターウェイト9は、全方位カメラ8に発生する慣性力を相殺するために機能し、つり合わせ機構を構成する。カウンターウェイト9の重量は、全方位カメラ装置8と支持軸7の重量を考慮して決められる。
【0020】
全方位カメラ装置8は、図2に示すように、カメラ10と、カメラ10の上方に配置される凸面鏡11とを備えている。この全方位カメラ装置8は、図1、2に示すように、その上下方向には画角αで、且つ外周方向には360度全方位の撮影対象範囲について、その情景を写すことができる。
【0021】
カメラ10と凸面鏡11は、画角αの範囲の上下方向から且つ全方位からの入射光k、k’が凸面鏡11に入射して反射されカメラ10に入射されるような位置関係に配置されている。
【0022】
なお、このような全方位の撮影が可能な全方位カメラ装置8、及びこの全方位カメラ装置8で撮影した映像を投影するスクリーン投影装置については、本件出願人に係る特許文献(特許第2916142号公報)に詳細に記述されているので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0023】
本発明に係る移動体用全方位カメラ装置8の防振機構では、支持フレーム3、支持軸7及び緩衝機構6等は、画角αの全方位の撮影対象範囲(撮影映像の範囲)に入らないように、移動体用全方位カメラ装置8に対してその直下の位置に全て納められている。
【0024】
さらに、本発明に係る移動体用全方位カメラ装置8の防振機構は、緩衝機構6と釣り合わせ用のカウンターウェイト9を共に設けた点を特徴とする。この緩衝機構6は、移動体が走行する際に生じる車体1の振動や揺れ等で撮影振れが生じないように全方位カメラ装置8を防振するとともに、カウンターウェイト9の釣り合わせ作用と相俟って支持軸7を可動且つ姿勢を制御して支持するという二つの役割を行うものである。
【0025】
要するに、本発明に係る移動体用全方位カメラ装置8の防振機構は、車体1の振動や揺れ等が移動体用全方位カメラ装置8に伝わらないように防振作用を行いながら、支持軸7を可動且つ姿勢を制御して支持するものである。
【0026】
緩衝機構6は、支持軸7を可動に支持する役割を有するが、支持軸7を回転に2自由度、並進に1自由度を有するように支持している。この場合の回転は、ロールとピッチであり、並進は支持軸7方向の上下動である。
【0027】
さらに緩衝機構6の防振の役割について述べると、復元力と減衰力を同時に有している。即ち、支持軸7で支持された全方位カメラ装置8が、車体1の振動や揺れの影響を受けて、緩衝機構6を中心に、ロール方向(矢印▲1▼で示す紙面に垂直な回転方向。)、ピッチ方向(矢印▲2▼で示す方向。)、支持軸7の長手方向の上下動(矢印▲3▼で示す直線方向。)の影響を受けた場合に、その動きに対する減衰作用を行うとともに、影響を受ける前の位置に復元して戻る作用を行うものである。
【0028】
このような防振作用を行う為には、緩衝機構6は、支持軸7で支持された全方位カメラ装置8のロール方向、ピッチ方向、支持軸7の長手方向の夫々の移動に対して、復元と減衰作用を有するバネとダンパーが必要である。具体的には、緩衝機構6において、支持フレーム3と支持軸7の間にロール、ピッチ、支持軸の各方向に対するバネとダンパーを設ける必要がある。以下、本発明に係る移動体用全方位カメラ装置8の防振機構の具体的な構造を、実施例1、2で説明する。
【0029】
(実施例1)
図3〜5は、本発明に係る移動体用全方位カメラ装置の防振機構の実施例1を説明する図である。この実施例1の移動体用全方位カメラ装置の防振機構12は、車体1の上に垂直支柱2を介して支持フレーム3が配設されている。この支持フレーム3は、垂直支柱2の上端に載置された、例えば円盤状の底板4と、この底板4の周縁部から垂直支柱2の軸心の中心上方に向かって伸びた複数本の傾斜支持杆5とを備えている。
【0030】
この複数本の傾斜支持杆5の上端に緩衝機構6が設けられている。そして、この緩衝機構6で支持された支持軸7が上下方向に伸びるように設けられている。この支持軸7の上端に全方位カメラ装置8が配設されており、下端にはカウンターウェイト9が取り付けられている。全方位カメラ装置8、支持軸7及びカウンターウェイト9から成る部分の重心の位置に緩衝機構6が配設されている。
【0031】
全方位カメラ装置8は、支持軸7の上端に付設された保持枠13と、この保持枠13内に収納され上向きに鏡筒口14が向けられたカメラ10と、保持枠13から上方に伸びた支持アーム15と、支持アーム15でカメラの上方に支持された凸面鏡11とから成る。
【0032】
カメラ10は、通常の写真機、デジタルカメラ、ビデオカメラ等各種のカメラが利用可能である。カメラの鏡筒口14と凸面鏡11は、夫々の光軸が互いに一致するように配置されている。
【0033】
全方位カメラ装置8、支持軸7及びカウンターウェイト9から成る部分を、その重心において緩衝機構6で回転可能に支持する。カウンターウェイト9によって、全方位カメラ装置8にかかる慣性力が相殺される。カウンターウェイト9の重量は、全方位カメラ装置8と支持軸7の重量を考慮して決められる。
【0034】
この実施例1の緩衝機構6は、支持フレーム3の上端に取り付けられた支持枠16と、この支持枠16内を摺動可能な摺動体17を備えている。支持枠16は、具体的には円筒状シリンダの形状をしており、その上下端の内面側に上部フランジ18及び下部フランジ19が一体に形成されている。そして、支持枠16の内面には、例えば円周方向4箇所に図4に示すようなスプライン溝(縦溝)20が形成されている。
【0035】
摺動体17は、やはり円筒状に形成されており、その内孔の内面に後述する支持軸7に形成された球体部21を回転可能に受け入れる凹状の球面22が形成されている。この凹状の球面22から上下方向に夫々拡開するように上下のテーパ面23が形成されている。
【0036】
摺動体17の円筒外周面に、支持枠16のスプライン溝20に摺動可能に嵌合する凸条部24が形成されている。摺動体17は支持枠16内を、1自由度をもって、即ち支持枠16の長手方向に矢印▲3▼の方向に直線的に摺動する。
【0037】
ところで、支持軸7における緩衝機構6で支持される回転継手は、球体部21によって構成されている。この球体部21が摺動体17によって、2自由度をもって、即ちロール方向(矢印▲1▼に示す方向)及びピッチ方向(矢印▲2▼に示す方向)に回転可能に支持されている。
【0038】
支持枠16の上部フランジ18と摺動体17の上面との間にはバネ25及びダンパー26から成るバネ・ダンパーが介装されている。同様に、支持枠16の下部フランジ19と摺動体17の下面との間にはバネ・ダンパーが介装されている。これにより、常時は、支持枠16の上下方向の中間位置に摺動体17を保持している。
【0039】
このバネ・ダンパー27は、車体1の振動により支持フレーム3及び支持枠16が上下方向に振動しても、この上下方向の振動を緩衝して減衰させるとともに、摺動体17を支持枠16の上限方向の中間位置に復元し維持する機能を有する。
【0040】
さらに、支持軸7における球体部21の上方の部分と摺動体17の上面との間には、放射状に複数のバネ・ダンパー27が設けられている。同様に、支持軸7における球体部21の下方の部分と摺動体17の下面との間には放射状に複数のバネ・ダンパー27が設けられている。これにより、支持軸7を鉛直方向に起立し且つ摺動体17の軸心と一致するように保持する。
【0041】
バネ・ダンパー27の両端部は、夫々支持軸7及び摺動体17へ玉継手28によりピボット可能に枢着されている。即ち、図5(a)、(b)にその一部を拡大して示すように、バネ・ダンパー27の両端部には、夫々玉部29を設け、一方、支持軸7及び摺動体17のテーパ面23にソケット30を設ける。そして、バネ・ダンパー27の両端部に夫々設けた玉部29は、ソケット30内に回転可能に嵌合されている。
【0042】
このバネ・ダンパー27は、車体1の振動により支持フレーム3及び支持枠16がロール方向及びピッチ方向に振動しても、これらの方向の振動を減衰させるとともに、摺動体17に対して支持軸7を鉛直方向になるように復元し維持する機能を有する。
【0043】
このように、支持枠16と摺動体17の間、支持軸7と摺動体17の間に設けられたバネ・ダンパー27は、復元力と減衰力を同時に発揮するものであればどのような構造でもよいが、本実施例1では、図5(c)〜(e)に示すように、コイルバネ25と油圧緩衝器26を組み合わせたバネ・ダンパー27を用いる。図5(c)は、バネ・ダンパー27を構成するコイルバネ25と油圧緩衝器26の関係的構造を示し、図5(d)、(e)はバネ・ダンパー27の動作を示している。
【0044】
(作用)
以上の構成からなる実施例1の作用を説明する。バネ・ダンパー27のバネ25により、常時は摺動体17を上下方向から弾力的に付勢し支持枠16の上下方向の中間位置に維持している。又、支持軸7を摺動体17で支持し、バネ・ダンパー27のバネ25により放射方向から均等に付勢するとともにカウンターウェイト9で重心位置となるように維持している。
【0045】
車体1の振動により支持フレーム3及び支持枠16が上下方向に振動すると、この上下方向の振動を上下部フランジ18、19と摺動体17の間のバネ・ダンパー27の油圧緩衝器26により緩衝、減衰させ、車体1の上下方向の振動が全方位カメラ装置8に伝達することが防止されるとともに、バネ25の復元力が摺動体17に作用して、摺動体17を支持枠16の上下方向の中間位置に復元し維持する。
【0046】
又、車体1の振動により支持フレーム3及び支持枠16がロール方向及びピッチ方向に振動しても、摺動体17と支持軸7との間の油圧緩衝器26がこれらの方向の振動を減衰させ、車体1のロール方向及びピッチ方向の振動が全方位カメラ装置8に伝達することが防止されるとともに、バネ25の復元力が摺動体17に作用し、支持軸7を鉛直方向になるように復元、維持する。
【0047】
従って、車体1が振動や揺れで支持枠16が上下方向、ロール方向、ピッチ方向に振動しても、油圧緩衝器26の作用により、その振動は減衰され、支持軸7乃至全方位カメラ装置8には伝達されないので、カメラでは振れのないきわめて鮮明な全方位の映像が撮影可能となる。
【0048】
又、移動体の急発進、急停車、急旋回等により全方位カメラ装置8に慣性力が作用した場合においても、その慣性力はカウンターウェイトによって相殺され、支持軸7がピッチ方向やロール方向に傾動や回動することはない。このとき、バネ25による復元力が支持軸7に作用し、支持軸7を鉛直状態となるように姿勢制御する。
【0049】
(実施例2)
さらに実用的な構成を実施例2として、図6によって説明する。実施例2の移動体用全方位カメラ装置の防振機構31では、実施例1と同様に、車体1の上に垂直支柱2を介して支持フレーム3が配設されている。この支持フレーム3は、垂直支柱2の上端に載置された、例えば円盤状の底板4と、この底板4の周縁部から斜円盤の中心上方に向かって伸びた複数本の傾斜支持杆5とを備えている。
【0050】
この複数本の支持フレーム3の上端に緩衝機構32が設けられている。そして、この緩衝機構32で支持された支持軸7が上下方向に伸びるように設けられている。この支持軸7の上端に全方位カメラ装置8が配設されており、下端にはカウンターウェイト9が取り付けられている。
【0051】
全方位カメラ装置8は、実施例1同様に、支持軸7の上端に付設された保持枠13と、この保持枠13内に収納され上向きに鏡筒口14が向けられたカメラ10と、保持枠13から上方に伸びた支持アーム15と、支持アーム15でカメラ10の上方に支持された凸面鏡11とから成る。カメラ10は、通常の写真機、デジタルカメラ、ビデオカメラ等各種のカメラが利用可能である。カメラ10の鏡筒口と凸面鏡11の夫々の光軸は互いに一致している。
【0052】
全方位カメラ装置8、支持軸7及びカウンターウェイト9から成る部分は、その重心の位置に緩衝機構32が配置されており、この緩衝機構32で回転可能に支持されている。カウンターウェイト9によって、全方位カメラ装置8にかかる慣性力が相殺される。カウンターウェイト9の重量は、全方位カメラ装置8と支持軸7の重量を考慮して決められる。
【0053】
実施例2の緩衝機構32は、支持フレーム3の上端に取り付けられた支持枠33を備えている。支持軸7は、この支持枠33の中心を通過するようにして上下方向に伸びるように設けられている。支持軸7における支持フレーム3に対応する位置に、取付部材34が設けられている。
【0054】
この取付部材34は、その正方形、円形等のいずれの平面形状でもよく、その中心に形成された孔に支持軸7が嵌合されて固着されている。この取付部材34の上下両端の周縁には、夫々上部テーパ面35及び下部テーパ面36が形成されている。
【0055】
支持枠33の上部内面と取付部材34の上部テーパ面35との間には、索条体37が円周方向に均等間隔の複数箇所において放射状に配設されている。同様に、支持枠33の下部内面と取付部材34の下部テーパ面36との間には、索条体37が円周方向に均等間隔の複数箇所(本実施例では45度間隔で8箇所)において放射状に配設されている。
【0056】
索条体37は、細い鉄線を複数本より合わせて成り、バネ及びダンパを組み合わせた特性を有する。即ち、索条体37は、任意の方向にバネとしての復元力を有するとともに、鉄線同士の間の摩擦力によりダンパとしてのダンピング作用を生じる。要するに、索条体37は、実施例1のバネ及びダンパーから成るバネ・ダンパーと同様の機能を有する。
【0057】
支持軸7は、このような索条体37によって、その取付部材34が支持枠33の内側のほぼ中心かつ上下方向のほぼ中心位置になるように、且つ支持軸7が鉛直方向の姿勢をとるように支持されている。
【0058】
(作用)
以上の構成からなる実施例2の作用を説明する。常時は索条体37の復元力を受け、支持軸7の取付部材34は、支持枠33の内側の上下方向のほぼ中心であって、その軸心が支持枠33の軸心と一致する位置に支持され、支持軸7及び全方位カメラ装置8が鉛直方向の姿勢をとるように制御されている。
【0059】
今、車体1の振動により支持フレーム3及び支持枠33が上下方向に振動すると、この上下方向の振動は索条体37のダンピング作用で減衰され、車体1の上下方向の振動が全方位カメラ装置8に伝達することが防止されるとともに、索条体37のバネの復元力が取付部材34に作用して取付部材34を支持枠33の上下方向の中間位置に戻して維持する。
【0060】
又、車体1の振動により支持フレーム3及び支持枠33がロール方向及びピッチ方向に振動しても、索条体37のダンピング作用によりこれらの方向の振動は減衰され、車体1のロール方向及びピッチ方向の振動が全方位カメラ装置8に伝達することが防止されるとともに、索条体37のバネの復元力が取付部材34に作用し、支持軸7及び全方位カメラ装置8を鉛直方向になるように維持する。
【0061】
従って、車体1が振動し円支持枠33が上下方向、ロール方向、ピッチ方向に振動しても、索条体37のダンピング作用により、その振動は緩衝、減衰され、支持軸7乃至全方位カメラ装置8には伝達されないので、カメラ10は振れのないきわめて鮮明な全方位の写真が撮影可能となる。
【0062】
又、移動体の急発進、急停車、急旋回等により全方位カメラ装置8に慣性力が作用した場合においても、その慣性力はカウンターウェイトによって相殺され、支持軸7がピッチ方向やロール方向に傾動や回動することはない。このとき、バネ25による復元力が支持軸7に作用し、支持軸7を鉛直状態となるように姿勢制御する。
【0063】
以上、本発明に係る移動体用全方位カメラ装置の防振機構の実施の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は、以上のような実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施の形態があることは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成であるから、次のような効果が生じる。
(1)全方位カメラ装置の画角に入らない直下であって移動体の車体の上に緩衝機構を設けたので、映像内に各種の機材が入ってしまうという全方位カメラ装置固有の問題は解消される。
【0065】
(2)全方位カメラ装置は、少なくとも回転に2自由度、並進に1自由度を有し、しかも、車体上に取り付けられた支持フレームに対して全方位カメラ装置をバネ・ダンパーを介して配設したので、移動体の各方向への振動は減衰され全方位カメラ装置に伝達されず、又移動体の急激な発進停止や旋回で全方位カメラ装置に慣性力が作用しても、その慣性力はカウンターウェイトによって相殺され、全方位カメラ装置は元の姿勢を保つ。その結果、全方位カメラ装置による映像は、移動体の振動、揺れ、急激な発進、停止、旋回等の動作に影響されることなく、きわめて鮮明である。
【0066】
(3)特に、細い鉄線をより合わせて成る索条体を利用した緩衝装置は、任意の方向に復元力を有するとともに、鉄線同士の間の摩擦力によりダンピング作用が生じるので、振動減衰及び復元効果が十分得られるだけでなく、その構造がきわめてシンプルであり、製造及びコストの点からみてきわめて商業的利用価値が高いものある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動体用全方位カメラ装置の防振機構の概要を説明する図である。
【図2】本発明で使用される全方位カメラ装置の構成を説明する図である。
【図3】本発明に係る移動体用全方位カメラ装置の実施例1を説明する図である。
【図4】本発明に係る移動体用全方位カメラ装置の実施例1の細部を説明する図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】本発明に係る移動体用全方位カメラ装置の実施例1の細部を説明する図であり、(a)は図4(b)の一部を示し、(b)は(a)の要部拡大図であり、図(c)はバネ・ダンパーの断面図であり、(d)、(e)はバネ・ダンパーの動作状態を示す図である。
【図6】本発明に係る移動体用全方位カメラ装置の実施例2を説明する図であり、(a)は(b)のA−Aから見た図である。
【符号の説明】
1 車体
2 垂直支柱
3 支持フレーム
4 支持フレームの底板
5 傾斜支持杆
6、32 緩衝機構
7 支持軸
8 全方位カメラ装置
9 カウンターウェイト
10 カメラ
11 凸面鏡
12 実施例1の移動体用全方位カメラ装置の防振機構
13 保持枠
14 鏡筒口
15 支持アーム
16 支持枠
17 摺動体
18 上部フランジ
19 下部フランジ
20 スプライン溝(縦溝)
21 支持軸の球体部
22 摺動体の球面
23 摺動体のテーパ面
24 摺動体の凸条部
25 バネ
26 油圧緩衝器(ダンパー)
27 バネ・ダンパー
28 玉継手
29 玉部
30 ソケット
31 実施例2の移動体用全方位カメラ装置の防振機構
33 支持枠
34 取付部材
35 上部テーパ面
36 下部テーパ面
37 索条体

Claims (5)

  1. 移動体に載置した全方位カメラ装置の下方に、つりあわせ機構、緩衝機構及び支持機構を配設してなることを特徴とする移動体用全方位カメラ装置の防振機構。
  2. 上記つりあわせ機構は、少なくとも全方位カメラ装置を取り付ける支持軸と、上記全方位カメラ装置を姿勢制御するカウンターウェイトからなり、
    上記緩衝機構は、上記全方位カメラ装置を上記移動体に対し相対的に回転及び並進させる自由度を有し、
    上記支持機構は、上記移動体上に配設され、上記緩衝機構を、上記全方位カメラ装置、上記支持軸及び上記カウンターウェイトから構成される部分の重心に位置させるための支持フレームであることを特徴とする請求項1に記載の移動体用全方位カメラ装置の防振機構。
  3. 上記緩衝機構は、少なくとも上記回転に2自由度、上記並進に1自由度を有するとともに、上記支持フレームに対して上記全方位カメラ装置の相対的な動きを減衰させるバネ及びダンパーを有することを特徴とする請求項2記載の移動体用全方位カメラ装置の防振機構。
  4. 上記緩衝機構は、上記支持フレームに固定された支持枠と、該支持枠と上記支持軸との間に設けられ、一端が上記支持枠に固定され他端が上記支持軸に固定された索条体とから成ることを特徴とする請求項2又は3記載の移動体用全方位カメラ装置の防振機構。
  5. 上記緩衝機構は、上記支持フレームに固定された支持枠と、該支持枠に沿って長手方向に移動する摺動体とを備え、該摺動体は回転継手を介して、上記支持軸に取り付けられており、上記支持枠と上記摺動体の間、及び上記摺動体と上記支持軸の間には、バネ及びダンパーが介装されていることを特徴とする請求項2又は3記載の移動体用全方位カメラ装置の防振機構。
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