JP4319844B2 - 空中撮影用カメラ雲台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無人ヘリコプタなどの無人空中移動体に撮影用カメラを載置するための空中撮影用カメラ雲台に関するものである。
【0002】
【背景技術】
一般に、無人ヘリコプタに撮影用カメラを取り付け、例えば、作業者が近づくことができない火山噴火口や、あるいは、災害現場などに対して、遠隔操作することで空中からの映像を撮影することが行なわれている。
この無人ヘリコプタでは、遠隔操作の技量差や風などの影響を受け易いため、空中での安定した姿勢を維持することが難しい。また、無人ヘリコプタでは、エンジン振動やロータ回転などに起因する機体の振動により、撮影カメラの映像に対して影響を与える原因が多く存在する。
【0003】
さらに、無人ヘリコプタでは、機体に撮影カメラを取り付ける位置が制約されること、さらに、機体も小さいことから積載重量も限られている。
そのため、無人ヘリコプタにおいて、撮影用カメラを取り付ける空中撮影用カメラ雲台の機能性、軽量化、かつ、コンパクト化が要求されている。
【0004】
このような要求があることを踏まえて、従来の空中撮影用カメラ雲台の構成を図7に示す。空中撮影用カメラ雲台100は、無人ヘリコプタ110に取り付けられる取付部材101と、この取付部材101に取り付けられるX軸回転部材102と、このX軸回転部材102に支持されるY軸回転部材103と、このY軸回転部材103に支持されるZ軸回転部材104と、このZ軸回転部材104に支持され、撮影カメラ107をチルトさせるためのチルト部材105と、このチルト部材105に支持され、撮影カメラ107をパンさせるためのパン部材106とを備えている(特許文献1参照)。
【0005】
なお、この空中撮影用カメラ雲台100では、X軸回転部材102、Y軸回転部材103、および、Z軸回転部材104について、ジャイロセンサによる角度制御を行なっていると共に、チルト部材105とパン部材106との軸部分に防振装置が組み込まれている。
【0006】
そして、空中撮影用カメラ雲台100は、X軸回転部材102、Y軸回転部材103、および、Z軸回転部材104により、撮影カメラ107の姿勢を常に一定に保つように制御するため、水平面基準により撮影カメラ107のパン、チルトを行なうことができるものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−131830号公報(段落番号0010〜0016)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の空中撮影用カメラ雲台では、以下に示すような更なる改良点が存在していた。
従来の空中撮影用カメラ雲台では、積載量について制限があり、一般的サイズの無人ヘリコプタの積載量では、ほぼ30キロが上限となっているが、撮影カメラが特にハイビジョン等収録機付きビデオカメラであると、優に13キロ前後の重量となり、空中撮影用カメラ雲台を合せた全体として、無人ヘリコプタで可能となる積載量を越えることになってしまった。
【0008】
また、空中撮影用カメラ雲台では、X軸回転部材、Y軸回転部材およびZ軸回転部材により常時同一の姿勢をとる構成であると共に、撮影カメラの視野方向を積極的に移動させるパン部材およびチルト部材を同時に制御するため、構造が複雑となり、さらに、制御するための駆動モータも大型のものを使用する必要があった。
【0009】
さらに、空中撮影用カメラ雲台では、パン部材およびチルト部材の軸部分に、振動対策として設けられる防振装置を備えているため、無人ヘリコプタに備える空中撮影用カメラ雲台に対する振動対策も複雑となってしまった。
【0010】
本発明は前記の問題点に鑑み創案されたものであり、無人空中移動体の積載量が軽減され、また、コンパクトな構成でかつ駆動モータも小型なものを使用でき、さらに、振動対策も複雑とならない空中撮影用カメラ雲台を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の目的を達成するために、以下のような構成とした。すなわち、本発明にかかる空中撮影用カメラ雲台は、遠隔操作される無人空中移動体の底面側で左右となる位置に設置された支持アームに設けられ、被写体を撮影する撮影手段を着脱自在に支持する空中撮影用雲台であって、前記支持アームが互いに対面する方向に沿って設けた支軸に、回動機構を介して回動自在に取り付けられる取付アームと、この取付アームに支持される支持台と、この支持台に駆動機構を介して設けられた回動テーブルと、を備え、前記回動テーブルは、前記撮影手段の支持手段を有する表面板と、この表面板に緩衝部材を介して離間して設けられる接合板とを備える構成とした。
【0012】
かかる構成によれば、空中撮影用カメラ雲台は、無人空中移動体、例えば、無人ヘリコプタにおいて、その底面側に設けられた支持アームに、回動機構を介して取付アームを回動させることで、その取付アームに取り付けられた支持台を無人ヘリコプタの正面に対して、回動テーブルごと撮影手段の視野が上下する方向、つまり、撮影手段のチルト方向の動きを行なう。また、空中撮影用カメラ雲台は、支持台に設けた回動テーブルを、駆動機構により左右方向、つまり、撮影手段のパン方向の動きを行なうことができる。
また、空中撮影用カメラ雲台は、無人空中移動体である例えば、無人ヘリコプタのロータによる振動あるいは遠隔操作者が行う操作に伴う振動など、撮影手段の撮影に影響を与える振動に対して、その振動が支持台側から伝わって来たときに、緩衝部材により減衰あるいは消滅させることができる。なお、前記表面板と接合板は、それぞれ対応する位置に水平面から折り曲げて形成した曲折部を有し、前記緩衝部材は、前記平面板および接合板が対面する水平面に対して配置されると共に、前記表面板および接合板の曲折部に対面して配置される構成としても良い。
【0013】
さらに、本発明にかかる空中撮影用カメラ雲台において、前記駆動機構は、前記回動テーブルを回動するための回動軸に設けた従動プーリと、この従動プーリに対向する位置に配置された駆動プーリと、この駆動プーリおよび前記従動プーリに掛け渡されたタイミングベルトと、前記駆動プーリを駆動する駆動モータと、この駆動モータを制御する制御手段と、を備える構成とした(請求項2)。
【0014】
かかる構成によれば、空中撮影用カメラ雲台は、駆動モータが制御手段により制御されて駆動すると、駆動プーリを一方方向あるいは他方方向に回転させ、タイミングベルトを介して従動プーリを一方方向あるいは他方方向に回転させる。そのため、回動テーブルが、回動軸を介して所定角度撮影手段の撮影方向(パン方向)を変え、あるいは、調整するように回動することができる。
【0015】
さらに、本発明にかかる空中撮影用カメラ雲台は、前記撮影手段の姿勢状態を検出するための検出手段を、前記支持台に設けると共に、前記駆動機構および前記回動機構の少なくとも一方に対して、前記検出手段の出力により制御を行なう構成とした(請求項3)。
【0016】
かかる構成によれば、空中撮影用カメラ雲台は、例えば無人空中移動体としての無人ヘリコプタにおいて、風の影響を受けるなどして本来の操作状態と異なる等の状況により撮影手段の姿勢が不安定になると、検出手段がその撮影手段の姿勢を検出してその検出結果を出力して、撮影手段のパン方向の制御について駆動機構を介して行ない、あるいは、撮影手段のチルト方向の制御について回動機構を介して行なっている。
【0017】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態を説明する。図1(a)、(b)は、無人ヘリコプタに空中撮影用カメラ雲台を設けた状態を示す側面図および正面図、図2(a)、(b)は、空中撮影用カメラ雲台の一部切欠いた側面図、および、チルト方向の回動状態を示す側面図、図3は空中撮影用カメラ雲台の正面図、図4は空中撮影用カメラ雲台の回動テーブルおよび駆動機構を示す分解斜視図である。
図1(a)、(b)に示すように、空中撮影用カメラ雲台1は、無人空中移動体である例えば、無人ヘリコプタHの底面側で左右となる位置に配置されている支持アーム2,2に、支軸2a,2aにより回動自在に支持される取付アーム3,3と、この取付アーム3,3を回動させるための回動機構8と、取付アーム3,3の下端側に設けられた支持台4と、この支持台4に支持される回動テーブル5と、この回動テーブル5を駆動するための駆動機構6(図2参照)とを備えている。
【0018】
なお、無人ヘリコプタHは、例えば、一般的に、無線により遠隔操作される積載重量が30キロ前後であるものが使用されている。また、無人ヘリコプタHは、ここでは、あらかじめ支持アーム2,2が設けられているものを使用しているが、その無人ヘリコプタの底側に突出するように設ける構成としても構わない。そして、この空中撮影用カメラ雲台1は、無人ヘリコプタHのスキッドS(図1参照)の下端より上方となる位置に配置される。
【0019】
図1および図3に示すように、取付アーム3,3は、その取付アーム3,3が互いに対面する方向に沿って設けた支軸2a,2aを介して、回動機構8により回動自在となるように設けられている。この取付アーム3,3は、軽量で、30キロ程度の荷重に対して十分保持でき、かつ、無人ヘリコプタHの運転中に変形することがない部材、例えば、ステンレス、アルミニウム合金などの金属、あるいは、FRPなどの強化性プラスチックなどの部材で形成されることが望ましい。
【0020】
なお、取付アーム3,3は、ここでは、左右の対面する位置にそれぞれ一本ずつ配置されているが、支持台4の回動テーブル5に支持されている撮影手段Kをチルト方向に移動することができる構成であれば、3本あるいは4本であっても構わない。
【0021】
図2および図3に示すように、支持台4は、取付アーム3,3の下端側で、左右の取付アーム3,3に亘って取り付けられており、回動テーブル5および駆動機構6を支持するものである。この支持台4は、回動テーブル5の従動プーリ6dを支持する回動軸6eが安定して支持することのできる奥行き寸法であれば良く、ここでは、回動テーブル5のほぼ3分の1程度の奥行き寸法として形成されている。また、この支持台4は、回動テーブル5が回動したときに撮影手段Kのパン方向の撮影に影響がない幅寸法に形成されている。
【0022】
なお、取付アーム3,3および支持台4は、同じ素材で一体に形成される構成としても良く、また、別素材で形成されて接合手段により接合されるように構成されても構わない。
【0023】
図4に示すように、回動テーブル5は、撮影手段Kを着脱自在に支持するための支持手段としての取付穴11を有する表面板5aと、この表面板5aに対面するように配置される接合板5cと、表面板5aと接合板5cとを離間した状態で接合する緩衝部材5bとを備えている。
【0024】
この回動テーブル5の表面板5aは、長丸状に形成された取付穴11により、撮影手段K側に設けられている取付手段に対応してその撮影手段Kを着脱自在に支持できるようになっている。なお、表面板5aは、その両端位置(前後位置)において、水平面から直角に折り曲げて形成された曲折部5dを有し、かつ、緩衝部材5bの取付孔5eを、その曲折部5dに形成し、かつ、曲折部5dの近傍の水平面に形成している。
【0025】
回動テーブル5の接合板5cは、表面板5aより一端側(後端側)が延長して大きくなるように形成されており、駆動機構6の駆動モータ6aを載置して固定するスペースを確保できる大きさに形成されている。また、この接合板5cは、その他端側(先端側)に水平面から直角に折り曲げて形成した曲折部5fを有すると共に、表面板5aの一端側(後端側)の曲折部5dに対応する位置に、L字状の支持部材5gを備えている。
【0026】
そして、接合板5cは、その曲折部5fと支持部材5gに、緩衝部材5bの取付孔5eが形成されていると共に、曲折部5fおよび支持部材5gの近傍の水平面に、緩衝部材5bの取付孔5eが形成されている。
なお、回動テーブル5の表面板5aおよび接合板5cは、金属などの同じ素材で形成されることや、また、金属と樹脂のように別の素材で形成されるものであっても構わない。
【0027】
図4に示すように、回動テーブル5に用いられる緩衝部材5bは、ここでは、鼓形状の防振用シリコンダンパが使用されており、主翼ロータおよび尾翼ロータ(図1参照)の振動あるいは駆動モータ6aの振動などを表面板5aに伝達することを防止あるいは減衰させるためのものである。この緩衝部材5bは、表面板5aの両端位置に形成した曲折部5dと対面する接合板5cの曲折部5f、および支持部材5gに取付孔5eを介して水平状態に取り付けられていると共に、表面板5aの曲折部5dおよび接合板5cの曲折部5fおよび支持部材5gの近傍の水平面に形成された取付孔5eに垂直状態に取り付けられている。そのため、表面板5aおよび接合板5cは、緩衝部材5bにより、非接触状態となるように配置されている。
【0028】
なお、緩衝部材5bは、接着手段を介して固定されることや、また、緩衝部材5bの弾性変形を利用して、表面板5aおよび接合板5cに形成した取付孔5eに嵌合することで固定することや、その両者を使用するものでも構わない。また、緩衝部材5bの離脱防止のために、その緩衝部材5bの中心に軸(図示せず)を相通させその軸の両端を取付孔5eから抜けないような直径に形成する構成としても良い。
【0029】
図4に示すように、駆動機構6は、撮影手段K(図3参照)のパン方向に対する動作を行なうため、および、無人ヘリコプタH(図1参照)が操作中に左右方向に対する揺れを生じたときに、撮影手段Kの映像を安定させるように調整するために、回動テーブル5を水平方向において左右となる方向、つまり、パン方向に回動させるものである。
【0030】
図4および図5に示すように、この駆動機構6は、無線により制御手段6hを介して駆動モータ6aを駆動制御するように構成されており、操作信号を受信する受信手段であるアンテナ6jと、このアンテナ6jで受信した操作信号により駆動モータ6aを制御する制御手段6hと、駆動モータ6aの駆動力を、駆動軸を介して伝達する駆動プーリ6bと、この駆動プーリ6bに掛け渡されるタイミングベルト6cと、このタイミングベルト6cにより従動する従動プーリ6dと、この従動プーリ6dの回動軸6eと、この回動軸6eに支持される回動部材としてのボールベアリング6fと、このボールベアリング6fに支持され、従動プーリ6dおよび回動テーブル5の接合板5cを固定する取付部材としての取付座金6gとを備えている。
【0031】
そして、図4に示すように、この駆動機構6では、従動プーリ6d、取付座金6gおよび回動テーブル5の接合板5cが、止付手段としてのビスを介して一体に固定されている。さらに、駆動機構6では、回動コマ部6e1を備え、この回動コマ部6e1の両側部分を、回動軸6eの筒部分に挿入させると共に、取付座金6gの底面側に挿入させて、回動軸6eを回転支軸として、従動プーリ6d、取付座金6gおよび回動テーブル5を、一体として回動させている。なお、回動コマ部6e1は、ワッシャを介して取り付けられている。また、回動軸6eは、ここでは、支持台4に固定(図2参照)している。
【0032】
この駆動機構6は、駆動モータ6aが駆動して駆動プーリ6bおよびタイミングベルト6cにより従動プーリ6dを一方向あるいは他方向に回転させると、回動軸6eを中心として従動プーリ6dが固定されている回動テーブル5を所定角度回動(一方向あるいは他方向に回転)させる。なお、駆動モータ6aは、サーボモータのように制御部分(制御手段)と駆動部分とを一体に備えているものであっても良く、また、ステップモータのように制御部分(制御手段)と駆動部分が別々の構成であっても構わない。
【0033】
なお、図5に示すように、制御手段6hは、ここでは、支持台4に設けられた検出手段であるジャイロセンサ7により、撮影手段Kの横ぶれに対しての調整を常に行なっており、操作者が操作するリモコンの操作装置(図示せず)から送信される操作信号を、アンテナ6jにより受けたときには、その操作信号が優先して駆動機構6の制御を行なうように構成されている。
また、制御手段6hは、ジャイロセンサ7により、撮影手段Kのチルト方向の映像に関する調整を行なう回動機構8についても、駆動制御するように構成しても良く、この場合においても、操作信号が優先されるものである。
【0034】
図2および図4に示すように、撮影手段Kは、ここでは、ハイビジョン等収録機付きビデオカメラを用いており、その下端側に有している取付手段(図示せず)により、回動テーブル5の表面板5aの取付穴11に着脱自在に支持されている。なお、撮影手段Kは、遠隔操作でズームできる構成であっても良く、また、収録媒体は、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク等、特に限定されるものではない。
【0035】
つぎに、空中撮影用カメラ雲台1を無人ヘリコプタHに搭載したときの動作について説明する。
はじめに、無人ヘリコプタHに空中撮影用カメラ雲台1を取り付け、回動テーブル5に撮影手段Kを固定して、無線操作により無人ヘリコプタHを飛行させる。そして、被写体の近くに無人ヘリコプタHを旋回させ、あるいは、ホバリングさせることで、撮影手段Kの目標アングル内に被写体を捉える。
【0036】
撮影手段Kの撮影状態は、被写体に近づくまえから収録して後に編集して使用する構成とすることや、必要に応じてスイッチャの切り替えにより撮影画面を使用する構成とすることなど様々な使用形態として用いることができる。
【0037】
そして、図5および図2(a)、(b)に示すように、撮影中において、ジャイロセンサ7は、常に撮影手段Kのパン方向およびチルト方向に対しての姿勢を検出しており、目標とする被写体(撮影画面上の中央に位置する被写体)に対して、映像のぶれが少しでもなくなり、かつ、安定した状態となるように制御手段6hを介して、駆動機構6および回動機構8を制御している。このとき、撮影手段Kに細かな振動が伝わらないように、回動テーブル5の緩衝部材5bが吸収するため、ジャイロセンサ7の制御移動と併せて、さらに安定した映像を提供することができる。
【0038】
また、被写体を変え、あるいは、被写体に対する一定のアングルから他のアングルに変えるときには、無人ヘリコプタHの空中での姿勢あるいは位置を変えることで行なう。
【0039】
あるいは、図2(a)、(b)に示すように、回動機構8(図3参照)により支持台4を所定角度回動させて、回動テーブル上の撮影手段Kをチルト方向に移動させること、または、図6(a)、(b)に示すように、駆動機構6(図2参照)を作動させ回動テーブル5の回動角度を変えることで、撮影手段Kの向きを変えて被写体に対する撮影を行なうことで、被写体を変え、あるいは、被写体に対するアングルを変えることも可能となる。
【0040】
なお、図2(a)、(b)および図5に示すように、撮影手段Kのチルト方向の移動には、作業者が操作するコントローラ(図示せず)から制御手段6hに回動機構8を回動させるための操作信号を送り、所定のチルト方向に支持台4を、支軸2a,2aを回動中心点として回動させることで行なっている。
【0041】
また、図6(a)、(b)および図5に示すように、撮影手段Kのパン方向の移動には、作業者が操作するコントローラ(図示せず)から制御手段6hに操作信号を送り、回動テーブル5を所定角度に回動させている。回動テーブル5は、駆動機構6により、回動軸6e(図3参照)を回動中心として、支持台4の上でその回動テーブル5の後端側が移動することで、所定角度回動して撮影手段Kのパン方向の調整あるいはパン方向の移動を行っている。そのため、駆動モータ6aは、小型であっても十分回動テーブル5を回動することができる。
【0042】
なお、図5では、制御手段6hは、駆動機構6および回動機構8を、それぞれ制御させるものとして示したが、駆動機構6および回動機構8のそれぞれに対して独立して設置されるものであっても構わない。
【0043】
また、図6および図5に示すように、駆動機構6は、駆動モータ6aおよび駆動プーリ6b側が、回動軸6eを中心として回動するように構成したが、駆動モータ6aおよび駆動プーリ6b側は、回動テーブル5に支持することなく支持台4側に固定して、回動テーブル側が回動するものであっても構わない。
さらに、無人空中移動体は、無人ヘリコプタに限られるものではなく、例えば、無人プロペラ飛行機、あるいは、競技場内の天井側に配置される空中移動体であっても構わない。そして、ジャイロセンサ7は、回動テーブルの上に設置する構成としても良い。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されるため、以下に示すような優れた効果を奏するものである。
本発明によれば、空中撮影用カメラ雲台は、支持アームを介して、取付アーム、支持台、回動テーブルおよび駆動機構を設けるため、構造が簡略化して軽量化を図ることができ、また、無人空中移動体に対しての脱着が容易となる。なお、支持アームは、多くの無人ヘリコプタに備える既存の支持アームを用いることができるため、空中撮影用カメラ雲台の取付作業が簡素化される利点も備える。
【0045】
また、空中撮影用カメラ雲台は、支持台に駆動機構を介して回動する回動テーブルにより撮影手段のパン方向の移動および調整を行い、また、取付アームの回動機構を介して回動させることで、支持台上に設けた回動テーブルに取り付けた撮影手段のチルト方向の移動を行っているので、パン方向およびチルト方向の操作性に優れる。
【0046】
また、本発明によれば、空中撮影用カメラ雲台は、回動テーブルが緩衝部材を介して表面板と接合板とを離間した状態で接合する構成であるため、無人空中移動体がヘリコプタのような回転ロータを備えるものである場合に、振幅が短い振動を吸収あるいは低減させて、撮影手段の映像に与える振動の影響を最小限とすることができる。
【0047】
さらに、本発明によれば、空中撮影用カメラ雲台は、駆動機構が小さくパン方向の移動を確実に行なうことができ、構造の簡略化および軽量化を維持して操作性にも優れている。
特に、空中撮影用カメラ雲台は、回動軸を支持台側に固定して回動テーブルに固定した従動プーリをタイミングベルトにより回動させることで、駆動モータおよび駆動プーリ側が、その回動軸を中心に回動することで、回動テーブルを所定角度に回動させることができる。そのため、空中撮影用カメラ雲台は、支持台が小さくでき、また、駆動モータも小さいもので十分回動テーブルを回動させることができる。
【0048】
また、本発明によれば、空中撮影用カメラ雲台は、撮影手段の姿勢状態を検出する検出手段により、駆動機構および回動機構の少なくとも一方を制御しているため、撮影手段による撮影を安定した状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、本発明にかかる空中撮影用カメラ雲台を無人ヘリコプタに設けた状態を示す側面図および正面図である。
【図2】(a)、(b)は、本発明にかかる空中撮影用カメラ雲台の一部切欠いた側面図、および、チルト方向の回動状態を示す側面図である。
【図3】本発明にかかる空中撮影用カメラ雲台の正面図である。
【図4】本発明にかかる空中撮影用カメラ雲台の回動テーブルおよび駆動機構を示す分解斜視図である。
【図5】本発明にかかる空中撮影用カメラ雲台の制御状態を模式的に示すブロック図である。
【図6】(a)、(b)は、本発明にかかる空中撮影用カメラ雲台の回動テーブルが回動する状態を模式的に示す平面図である。
【図7】従来の空中撮影用カメラ雲台の全体を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1 空中撮影用カメラ雲台
2 支持アーム
2a 支軸
3 取付アーム
4 支持台
5 回動テーブル
5a 表面板
5b 緩衝部材
5c 接合板
5d 曲折部
5e 取付孔
5f 曲折部
5g 支持部材
6 駆動機構
6a 駆動モータ
6b 駆動プーリ
6c タイミングベルト
6d 従動プーリ
6e 回動軸
6e1 回動コマ部
6f ボールベアリング(回動部材)
6g 取付座金(取付部材)
6h 制御手段
6j アンテナ(駆動機構または回動機構用)
7 ジャイロセンサ(検出手段)
8 回動機構
11 取付穴(支持手段)
H 無人ヘリコプタ(無人空中移動体)
K 撮影手段
Claims (3)
- 遠隔操作される無人空中移動体の底面側で左右となる位置に設置された支持アームに設けられ、被写体を撮影する撮影手段を着脱自在に支持する空中撮影用雲台であって、
前記支持アームが互いに対面する方向に沿って設けた支軸に、回動機構を介して回動自在に取り付けられる取付アームと、この取付アームに支持される支持台と、この支持台に駆動機構を介して設けられた回動テーブルと、を備え、
前記回動テーブルは、前記撮影手段の支持手段を有する表面板と、この表面板に緩衝部材を介して離間して設けられる接合板とを備えることを特徴とする空中撮影用カメラ雲台。 - 前記駆動機構は、前記回動テーブルを回動するための回動軸に設けた従動プーリと、この従動プーリに対向する位置に配置された駆動プーリと、この駆動プーリおよび前記従動プーリに掛け渡されたタイミングベルトと、前記駆動プーリを駆動する駆動モータと、この駆動モータを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の空中撮影用カメラ雲台。
- 前記撮影手段の姿勢状態を検出するための検出手段を、前記支持台に設けると共に、前記駆動機構および前記回動機構の少なくとも一方に対して、前記検出手段の出力により制御を行なうことを特徴とする請求項2に記載の空中撮影用カメラ雲台。
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