JP2004295969A - オーディオ信号再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジョグダイヤル100が操作された場合、回転操作信号はメインシステムコントローラ36に供給される。メインシステムコントローラ36は、回転操作信号に基づきスクラッチ操作時の回転方向と回転速度を検出し、DSP信号処理部44におけるメモリ46からのオーディオデータの読み出しを制御する。フラッシュROM40には予めスクラッチパターンデータが記憶され、ユーザがスクラッチボタンを操作すると、メインシステムコントローラ36は選択されたパターンデータを読み出してDSP信号処理部44に指令し、選択されたスクラッチパターンでデータをメモリ46から読み出す。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はオーディオ信号再生装置、特に、スクラッチ操作の自動化に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アナログレコードプレーヤ等においては、アナログレコード盤を順方向あるいは逆方向に高速又は低速で連続的に回転させることで独特のリズムを生成するスクラッチ再生が知られている。また、このようなスクラッチ再生をCD等の光ディスクでも可能とする技術が提案されている。
【0003】
例えば、本願出願人が提案した下記の技術においては、スクラッチ操作を行うためのジョグダイヤルを装置に設け、このジョグダイヤルの回転方向と速度を検出し、検出した回転方向及び速度に応じて、予め再生しメモリに記憶したオーディオ信号を読み出して再生することでスクラッチ再生を実現している。
【0004】
具体的なスクラッチ再生は以下のようにして実行される。すなわち、CD等の光ディスク再生装置において光ディスクを通常の再生速度(定速)の2倍(倍速)で再生してオーディオデータをDRAM等のメモリに記憶する。メモリは、例えば、約10秒間のオーディオデータを記憶する。ジョグダイヤルが操作された場合、メモリに記憶されたデータをジョグダイヤルの回転方向及び回転速度に応じて読み出して再生する。メモリに記憶された約10秒間のデータは前後5秒間ずつのオーディオデータとされ、ジョグダイヤルが順方向(例えば時計回り)に操作された場合にはその回転角に応じたデータ量だけ時間的に後のデータを回転速度に応じた速度で読み出して再生する。また、ジョグダイヤルが逆方向(例えば反時計回り)に操作された場合、その回転角に応じたデータ量だけ時間的に前のデータを回転速度に応じた速度で読み出して再生する。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−312857号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
スクラッチ操作は、独特のリズムを曲に付加するのに好適であるが、ユーザによっては所望のスクラッチ音を出力するのにその都度スクラッチ操作を行うのは面倒である、あるいはより迅速にスクラッチ音を出力させたいと欲する場合もある。例えば、ある曲を再生する際に、その曲においてはあるスクラッチパターンでスクラッチすると効果的であるとの経験的な知識がDJにあっても、DJはその都度ジョグダイヤルあるいはターンテーブルをスクラッチ操作しなければならず、煩雑であると共に再現性が保証されない問題がある。
【0007】
本発明の目的は、所望のスクラッチ音を容易に出力することができる装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オーディオ信号記録媒体から予め読み出して記憶したオーディオデータをスクラッチ操作に基づいて再生するオーディオ信号再生装置であって、スクラッチパターンを記憶する記憶手段と、スクラッチ操作手段と、前記スクラッチ操作手段が操作された場合に、前記記憶手段に記憶されたスクラッチパターンに基づき前記オーディオデータを再生する処理手段とを有することを特徴とする。記憶手段に記憶されたスクラッチパターンは、DJ等のユーザの手動によるスクラッチ操作をデータ化したものであり、スクラッチ操作手段が操作された場合にこのスクラッチパターンのデータを用いてオーディオデータを再生することでスクラッチ音が自動的に(ユーザの手動スクラッチ操作を必要とすることなく)スクラッチ音が出力される。
【0009】
記憶手段は前記スクラッチパターンを複数パターン記憶し、スクラッチ操作手段が操作された場合に、複数のスクラッチパターンのうち選択されたスクラッチパターンに基づき前記オーディオデータを再生することもできる。
【0010】
スクラッチパターンは、例えばスクラッチ方向及びスクラッチ速度で特定することができ、この場合、記憶手段にはスクラッチ方向データとスクラッチ速度データが記憶される。
【0011】
スクラッチ操作手段は、例えば操作ボタンとすることができ、操作ボタンを操作(例えば押下操作)するのみで所定のスクラッチパターンでスクラッチ音が出力される。
【0012】
本発明において、回転スクラッチ操作手段と、ユーザによる前記回転スクラッチ操作手段によるスクラッチ操作を検出してユーザスクラッチパターンとして前記記憶手段に記憶する手段をさらに有してもよい。ユーザによる所望のスクラッチパターンが記憶手段に記憶され、必要に応じてこのユーザスクラッチパターンが読み出され、スクラッチ音が出力される。ユーザスクラッチパターンはデータ化されて記憶されるため、スクラッチの再現性が確保される。
【0013】
本発明において、スクラッチ開始ポイントを登録する登録手段を有してもよい。スクラッチ操作手段が操作された場合、前記登録手段に登録された前記スクラッチ開始ポイントから前記記憶手段に記憶されたスクラッチパターンに基づきオーディオデータが再生される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1には、本実施形態に係るオーディオ信号再生装置の全体構成図が示されている。オーディオ信号再生装置は、CDプレーヤ1及びコントローラ2を含んで構成される。
【0016】
CDプレーヤ1は、光ディスクとしてのCD11を再生するもので、CD11はトレイ上に載置されて装填位置に移動後、クランプされてスピンドルモータ12により回転駆動される。スピンドルモータ12はドライブ回路14によりその回転速度が制御され、ドライブ回路14はDSP28からの制御信号によりスピンドルモータ12を回転駆動する。具体的には、スピンドルモータ12は、DSP28及びドライブ回路14からの指令によりCD11を2倍(倍速)の速度で回転駆動する。CD11を載置するトレイはトレイモータ16により出し入れ自在に駆動される。トレイモータ16はドライブ回路18により駆動される。
【0017】
光ピックアップ20がCD11に対向して設けられ、CD11に再生レーザ光を照射し、その反射光を受光してCD11のオーディオデータを読み取る。光ピックアップ20はスレッドモータ22によりCD11の半径方向に駆動され、スレッドモータ22はドライブ回路24により駆動制御される。ドライブ回路24はDSP28からの制御信号により制御される。光ピックアップ20からの再生信号はRFアンプ回路26に供給され、RFアンプ回路26は再生RF信号をDSP28に供給する。
【0018】
DSP28は、信号処理及びエラー訂正回路32及びサーボコントロール回路34を含む。信号処理及びエラー訂正回路32は、RFアンプ回路26からの再生RF信号を処理してオーディオデータを復調し、エラー訂正を行いDSP信号処理部44に供給する。DSP信号処理部44は、DSP28からのオーディオデータをメモリ46に格納する。メモリ46はDRAM等で構成され、オーディオデータのバッファとして機能する。スクラッチ動作時にはDSP信号処理部44は現在を基準として過去5秒、将来5秒の合計約10秒間のオーディオデータをメモリ46に格納する。メモリ46に記憶されたオーディオデータは、DSP信号処理部44により読み出され、DAコンバータ48にてアナログオーディオ出力に変換された後アナログアンプ50からオーディオ信号として出力される。DSP信号処理部44がメモリ46に記憶されたオーディオデータを読み出す速度はテンポ(Tempo)コントロールに応じて設定される。テンポコントロールとは、スクラッチ音のテンポを規定するものであり、スクラッチ操作における回転操作速度に応じて決定される。すなわち、スクラッチ操作における回転操作速度が倍速で行われた場合、DSP信号処理部44は通常の2倍の処理速度でメモリ46からオーディオデータを読み出してDAコンバータ48に出力する。同様に、スクラッチ回転操作速度が1/2倍速で行われた場合、1/2の処理速度でメモリ46からオーディオデータを読み出す。DSP信号処理部44におけるメモリ46からのオーディオデータの読み出し速度、すなわちテンポコントロールは、メインシステムコントローラ36からの指令により制御される。
【0019】
また、DSP28の信号処理及びエラー訂正回路32は、システムコントローラ36からの指令に応じてスレッドモータ22を駆動するため、あるいはスピンドルモータ12を駆動するためのサーボ信号をサーボコントロール回路34に供給する。このサーボ信号は、光ピックアップ20をCD11の半径方向にシークさせて所望のトラック位置からの読み出しを可能とする場合に出力される。サーボコントロール回路34は、サーボ信号に基づいてドライブ回路24を制御してスレッドモータ22を駆動し、あるいはドライブ回路14を制御してスピンドルモータ12を駆動する。DSP28は、クロック発生回路30からのクロックに基づき動作する。
【0020】
メインシステムコントローラ36は、CDプレーヤ1全体の動作を制御するコントローラであり、CDプレーヤ1に設けられた操作表示部15からの操作信号を入力すると共に表示部への表示データを出力する。また、コントローラ2に設けられたジョグダイヤル(JOG)100からの回転操作信号を入力し、この回転操作信号に基づきDSP信号処理部44にメモリ46からの読み出しを指令する。メインシステムコントローラ36の処理プログラムやデータはフラッシュROM40に記憶され、バックアップ用データはEEPROM42に記憶される。
【0021】
フラッシュROM40には、さらに所定のスクラッチパターンが複数パターン予め記憶される。スクラッチは、通常ジョグダイヤル100を回転操作することで実行されるが、メインシステムコントローラ36は、コントローラ2からの指令によりジョグダイヤル100からの回転操作信号ではなく、所定の選択信号が入力されるとフラッシュROM40に記憶された複数のスクラッチパターンのうち、選択されたスクラッチパターンでDSP信号処理部44によるメモリ46の読み出しを制御する。スクラッチパターンは、ジョグダイヤル100のスクラッチ操作をパターン化したものであり、ジョグダイヤル100の回転方向、回転速度及び回転角度で決定される。スクラッチパターンの一例を挙げると、ジョグダイヤル100を順方向に定速で90度だけ回転させ、その後逆方向に定速で90度回転させるパターンである。スクラッチパターンはフラッシュROM40ではなくEEPROM42に記憶してもよい。また、スクラッチパターンを予め用意してフラッシュROM40に記憶する他、ジョグダイヤル100の実際のスクラッチ操作を検出し、検出したスクラッチ操作を一つのスクラッチパターンとして新たにEEPROM42等に登録することもできる。ジョグダイヤル100のスクラッチ操作の登録は、メインシステムコントローラ36がジョグダイヤル100からの回転操作信号を所定のサンプリングタイミングでサンプリングしてEEPROM42に記憶することで実行される。予め記憶されるスクラッチパターン、及び新たに登録されるユーザのスクラッチパターンについてはさらに後述する。
【0022】
コントローラ2は、CDプレイヤ1に接続される。コントローラ2は、ジョグダイヤル100、操作・表示部102、スライドVR(テンポ)104及びサブシステムコントローラ106を含む。ジョグダイヤル100には、ジョグダイヤル100の回転操作を検出するセンサ101が設けられ、ジョグダイヤル100操作時の回転操作を回転操作信号としてメインシステムコントローラ36に供給する。センサ101は、フォトインタラプタを備えるロータリエンコーダで構成され、ジョグダイヤル100の回転方向及び回転速度に応じたパルス信号をメインシステムコントローラ36に供給する。回転方向は、ジョグダイヤル100の互いに異なる位置(90度位相の異なる位置)から出力されるA相、B相2つの信号の位相順序から決定され、回転速度はパルス信号のパルス周期から決定される。図には、A相、B相のパルス信号が示されており、A相がB相よりも位相が90度だけ遅れている。ジョグダイヤル100が順方向に操作された場合、A相、B相はこの位相の順序で出力され、ジョグダイヤル100が逆方向に操作された場合にはA相とB相の位相順序が逆転する。これにより、ジョグダイヤル100の回転方向が検出される。また、ジョグダイヤル100の回転操作速度はパルス信号のパルス周期に反映し、回転操作速度が大なるほどパルス周期は短くなる。メインシステムコントローラ36は、ジョグダイヤル100のセンサ101から供給されたパルス信号のパルス周期に基づきスクラッチ音のテンポを決定し、DSP信号処理部44に指令する。
【0023】
サブシステムコントローラ106は、コントローラ2の各部の動作を制御する。操作・表示部102の各操作スイッチや操作ボタンからの信号を入力し、ドライバ110を介してディスプレイ112に現在の状態等を表示すると共に、メインシステムコントローラ36に操作信号を供給する。操作・表示部102にはスクラッチREADY状態に移行させるスクラッチキーや、予め記憶されたスクラッチパターンによりスクラッチ音を出力するためのスクラッチパターン選択ボタン、ユーザのジョグダイヤル100のスクラッチ操作を検出して登録するためのスクラッチ登録ボタンがある。スクラッチパターン選択ボタンが押下操作された場合、サブシステムコントローラ106からメインシステムコントローラ36に選択信号が供給され、メインシステムコントローラ36は選択信号に応じて対応するスクラッチパターンをフラッシュROM40から読み出す。
【0024】
図2には、コントローラ2の正面図が示されている。コントローラ2の前面パネルには、ジョグダイヤル100、ジョグダイヤル100とは別個にスクラッチ操作用のターンテーブルを設けた場合にスクラッチ操作をジョグダイヤル100からターンテーブルに切り替えるための切替スイッチ102a、スクラッチキー102c、スクラッチパターン選択ボタン102d、スクラッチの開始ポイント(キューポイント)を設定するためのセットボタン102e、複数のキューポイントを設定した場合にキューポイントを選択するためのキュー選択ボタン102f、各ボタンの機能を切り替えるシフト(SHIFT)キー102g、スライドVR(テンポ)104及びディスプレイ112を有する。
【0025】
スクラッチキー102cはその操作時間に応じた2つの操作モードを有する。第1は、スクラッチキー102cを短押し操作した場合で、ジョグダイヤル100によるスクラッチ操作を行う場合のモードである。以下、これをマニュアルスクラッチモードと称する。第2は、スクラッチキー102cを1秒以上長押し操作した場合で、この場合にはスクラッチキー102cのLEDが点滅し、スクラッチパターン選択ボタン102dを操作することでジョグダイヤル100を操作することなく自動的に選択したパターンでスクラッチ音を出力する場合のモードである。以下、これをオートスクラッチモードと称する。スクラッチキー102cの操作時間は、操作信号に基づきサブシステムコントローラ106が判定する。スクラッチパターン選択ボタン102dは、予め記憶されたスクラッチパターンを選択するためのボタンであり、図ではAパターン及びBパターンに対応してA及びB2個のボタンが示されている。もちろん、記憶されたパターンの数に応じて任意の個数のボタンを設けることができる。
【0026】
以下、マニュアルスクラッチモードとオートスクラッチモードについて説明する。なお、マニュアルスクラッチモードは、ジョグダイヤル100の操作による従来のスクラッチ操作に対応するものである。
【0027】
<マニュアルスクラッチモード>
ユーザがジョグダイヤル100によるスクラッチ操作を行う際には、まずスクラッチキー102cを短押し操作し、その後ジョグダイヤル100を回転操作する。スクラッチキー102cの操作信号はサブシステムコントローラ106からメインシステムコントローラ36に供給され、メインシステムコントローラ36はこの操作信号に応じてDSP信号処理部44、メモリ46をスクラッチ可能状態に設定する。ここで、スクラッチ可能状態とは、メモリ46の読み出し位置をセンタに移動し、前後各5秒間のメモリ量を確保した状態である。そして、ジョグダイヤル100が操作された場合、ジョグダイヤル100のセンサ101から回転操作信号がメインシステムコントローラ36に供給され、DSP信号処理部44はメインシステムコントローラ36からの指令に基づきジョグダイヤル100の回転角に応じたデータ量をジョグダイヤル100の回転速度に応じた速度で読み出しスクラッチ再生する。データ量に関しては、回転方向が順方向である場合、メモリ46に記憶された約10秒間のデータのうち将来のデータを回転角に応じたアドレス分だけ読み出して再生し、回転方向が逆方向である場合、メモリ46に記憶された約10秒間のデータのうち過去のデータを回転角に応じたアドレス分だけ読み出して再生する。
【0028】
<オートスクラッチモード>
ユーザがスクラッチキー102cを長押し操作した場合、その操作信号はサブシステムコントローラ106に供給される。サブシステムコントローラ106は、これによりオートスクラッチモードに移行する。サブシステムコントローラ106はメインシステムコントローラ36に指令し、メインシステムコントローラ36は、DSP信号処理部44及びメモリ46をスクラッチ可能状態に設定する。
【0029】
スクラッチ可能状態では、DSP信号処理部44は通常の速度で順次オーディオデータを再生する(スクラッチなし)。その後、ユーザがスクラッチパターン選択ボタン102dを押下げ操作するとその選択信号はサブシステムコントローラ106からメインシステムコントローラ36に供給され、メインシステムコントローラ36はフラッシュROM40から対応するスクラッチパターンデータを読み出す。そして、ユーザがスタートキー102hを押下操作すると、サブシステムコントローラ106からメインシステムコントローラ36にスクラッチ開始指令が供給され、メインシステムコントローラ36はこの開始指令に従い、選択されたスクラッチパターンに基づいてメモリ46から読み出すべきデータ及び読み出すべき速度を設定してDSP信号処理部44に指令する。スクラッチパターンは回転方向、回転速度、回転角度を規定し、回転方向により前後いずれのデータを読み出すべきかが決定され、回転角度により読み出すデータ量が決定され、回転速度により読み出し速度が決定される。ユーザはジョグダイヤル100を回転操作することなく、単にスクラッチパターン選択ボタン102dを操作してスクラッチパターンを選択し、その後スタートキー102hを押下操作することで、自動的に所望のスクラッチ音を出力することができる。
【0030】
なお、オートスクラッチモードにおいて、スタートボタン102hを長押ししてスクラッチリピートモードにし、さらにREADY状態にした後、ユーザがジョグダイヤル100を操作した場合、メインシステムコントローラ36及びDSP信号処理部44はジョグダイヤル100からの回転操作信号に応じてメモリ46からデータを読み出しながらその点を中心としてスクラッチパターンに応じたスクラッチ音を出力する。スクラッチ音を聴きながら、ユーザがスクラッチを開始したいポイントを見い出すと、ユーザはセットボタン102e及びキューキー102fを押下げ操作する。サブシステムコントローラ106は、この操作に応じてキューポイント設定信号をメインシステムコントローラ36に供給し、メインシステムコントローラ36はその時点のメモリ46の中央アドレス(前後5秒間のオーディオデータの中央アドレス)をキューポイントに相当する時間情報としてシステムコントローラ36の内部RAMに記憶後、EEPROM42に保存する。キューポイントは複数設定することができ、順次キュー1、キュー2、・・・としてEEPROM42に記憶される。キューポイントを記憶するのは、スクラッチ音はスクラッチパターンだけでなくスクラッチの開始ポイントによっても大きく変化するからであり、曲によって効果的なスクラッチパターン及びスクラッチ開始ポイントが異なるからである。キューポイントを設定登録した後、ユーザがキューキー102fを押下操作した場合、メインシステムコントローラ36は予め設定し登録したキューポイントから再生するようにDSP信号処理部44に指令する。すなわち、キューポイントを中心とし、選択されたスクラッチパターンに応じて前後のオーディオデータを読み出してスクラッチ音を出力する。これにより、ユーザは所望のパターンでスクラッチ音を出力するだけでなく、所望の開始ポイントからスクラッチを開始することができる。
【0031】
また、メインシステムコントローラ36は、サブシステムコントローラ106からキューポイント設定信号を入力した場合、選択されているスクラッチパターン(パターン番号)とキューポイントとをセットとしてEEPROM42に記憶することもできる。スクラッチキー102cが長押し操作され、オートスクラッチモードに移行した場合、メインシステムコントローラ36及びDSP信号処理部44は、プレイ時にメモリ46に記憶されたオーディオデータを通常の定速で再生するとともに、オーディオデータのアドレスをキューポイントと比較し、オーディオデータがキューポイントに達した時点でそのキューポイントとセットをなすスクラッチパターンでメモリ46からデータを読み出し、自動的にスクラッチを開始することもできる。ユーザは最初にスクラッチキー102cを操作することで、予め設定したキューポイントで予め設定したパターンに従ったスクラッチ音を出力することができる(フルオートスクラッチモード)。
【0032】
図3には、フラッシュROM40に記憶されるスクラッチパターンの一例が示されている。図3(a)はジョグダイヤル100のスクラッチ操作の時間的変化を示したものであり、横軸は時間、縦軸はジョグダイヤル100の回転角度である。図3(b)はジョグダイヤル100の回転方向を示したものであり、図において上向きは順方向、下向きは逆方向を示す。図3(c)はジョグダイヤル100の回転速度を示す。2倍は通常の速度の2倍、つまり倍速を示し、4倍は通常の速度の4倍を示す。実際にはジョグダイヤル100の回転速度は複雑であるが、図では説明の都合上簡略化して示している。
【0033】
図3に示すスクラッチパターンは、最初に倍速の回転速度で順方向に45度回転し、その後倍速の回転速度で逆方向に45度回転させて元の位置に戻し、再び倍速で順方向に45度回転し、その後倍速で逆方向に45度回転させて戻し、次に倍速で順方向に90度回転し、その後4倍速で逆方向に90度回転させて元の位置に戻す、というスクラッチ操作を約1秒間の間に2回繰り返すパターンである。フラッシュROM40には、所定のサンプリングタイミング(例えば2ms)における回転方向データ(順方向か逆方向か)群及び回転速度データ群が記憶される。サンプリングタイミング及び回転速度データにより回転角度も一義的に定まる。回転方向データは例えば1ビット(0か1)、回転速度データは例えば8ビットで表現される。
【0034】
図2においては、スクラッチパターンはA及びBの2種類であるが、必要に応じて3種類あるいはそれ以上をフラッシュROM40に記憶してもよい。図4及び図5には、図3以外のスクラッチパターンが示されている。図4は、まず順方向に倍速で45度回転し、その後倍速で逆方向に回転し、次に順方向に倍速で45度回転し、再び倍速で逆方向に回転した後に一定時間操作せず、再び同じようなスクラッチ操作を繰り返すパターンである。また、図5は、まず順方向に倍速で90度まで回転し、その後逆方向に4倍速で90度回転し、順方向に倍速で45度回転し、逆方向に倍速で45度回転し、再び順方向に倍速で45度回転し、逆方向に倍速で45度回転する操作を繰り返すパターンである。
【0035】
本実施形態では、既述したようにユーザのジョグダイヤル100のスクラッチ操作を検出してスクラッチパターンとしてEEPROM42に登録することができる。図2におけるシフト(SHIFT)キー102gとともにセット/メモキー102eを操作すると、サブシステムコントローラ106はこれらのキー操作を検出してスクラッチパターン登録モード指令をメインシステムコントローラ36に供給する。ユーザがその後ジョグダイヤル100を回転操作すると、回転操作信号がメインシステムコントローラ36に供給され、メインシステムコントローラ36は所定のサンプリングタイミング(例えば2ms)で回転操作信号をサンプリングし、回転方向及び回転速度を検出する。ユーザが図3に示すような回転操作を行った場合、メインシステムコントローラ36は回転操作信号をサンプリングし、A相とB相の位相から回転方向を検出するとともに、パルス数あるいはパルス周期を検出して回転速度を検出する。そして、得られた(回転方向,回転速度)のデータ群をEEPROM42に記憶していく。
【0036】
次に、ユーザが登録したスクラッチパターンを選択する際に、シフトキー102gとフラッシュ/リコールキー102jを同時に押下げ操作することによりスクラッチパターンを選択し、その後スタートキー102hを押下げ操作することにより行う。ユーザは、予め記憶されたスクラッチパターン、あるいはユーザが登録したスクラッチパターンのいずれかを選択して自動的にスクラッチ音を出力できる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、本実施形態ではスクラッチパターンを回転方向と回転速度のデータ群として表現しているが、回転方向と回転速度と回転角度で表現してもよい。また、スクラッチパターンとしてDSP信号処理部44においてメモリ46からデータを読み出して再生する際の読み出しデータ量及び読み出し速度で表現してもよい。回転方向は前後いずれのデータを読み出すかに対応し、回転速度はデータの読み出し速度に対応するから、いずれのデータ形式を用いてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、スクラッチキー102cを長押し操作することでオートスクラッチモードに移行し、スクラッチパターン選択ボタン102dでパターンを選択した後、スタートキー102hを操作することでスクラッチを開始しているが、スクラッチパターン選択ボタン102dでパターンを選択した直後にスクラッチを開始してもよい。また、ジョグダイヤル100を回転操作するのではなく、ジョグダイヤル100を押下げ操作したときにスクラッチを開始してもよい。要するに、スクラッチ操作手段の回転操作を伴うことなく単にある種のボタンの簡易な操作によりスクラッチを開始すればよい。スクラッチパターンを1種類のみ記憶しておき、単にスクラッチキー102cを押下操作するのみで当該パターンに従いスクラッチを開始してもよい。
【0040】
さらに、本実施形態では、キューポイントはユーザがセットボタン102eを操作することによりフラッシュROM40あるいはEEPROM42に記憶しているが、メインシステムコントローラ36がオーディオデータに基づいて自動的に設定してメモリに記憶することもできる。メモリ46に記憶された計10秒間のオーディオデータがある特定のパターンを示している場合、スクラッチの開始ポイントとして適当であると判断してキューポイントを設定する。特定のパターンは、例えば経験のあるDJが予め選択してフラッシュROM40に記憶させておく。メインシステムコントローラ36は、記憶されたパターンとメモリ46のオーディオデータとを比較し、両パターンが近似している場合にキューポイントを自動設定する。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、極めて容易に所望のスクラッチ音を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の全体構成図である。
【図2】図1におけるコントローラの前面パネル説明図である。
【図3】スクラッチパターン説明図である。
【図4】他のスクラッチパターン説明図である。
【図5】さらに他のスクラッチパターン説明図である。
【符号の説明】
1 CDプレーヤ、2 コントローラ、11 CD、36 メインシステムコントローラ、44 DSP信号処理部、46 メモリ、100 ジョグダイヤル、106 サブシステムコントローラ。
Claims (7)
- オーディオ信号記録媒体から予め読み出して記憶したオーディオデータをスクラッチ操作に基づいて再生するオーディオ信号再生装置であって、
スクラッチパターンを記憶する記憶手段と、
スクラッチ操作手段と、
前記スクラッチ操作手段が操作された場合に、前記記憶手段に記憶されたスクラッチパターンに基づき前記オーディオデータを再生する処理手段と、
を有することを特徴とするオーディオ信号再生装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記記憶手段は前記スクラッチパターンを複数パターン記憶し、
複数の前記スクラッチパターンを選択する選択手段と、
を有し、前記処理手段は、前記スクラッチ操作手段が操作された場合に、前記選択手段で選択されたスクラッチパターンに基づき前記オーディオデータを再生する
ことを特徴とするオーディオ信号再生装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記記憶手段は、前記スクラッチパターンとして、少なくともスクラッチ方向及びスクラッチ速度を記憶することを特徴とするオーディオ信号再生装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記スクラッチ操作手段は、操作ボタンであることを特徴とするオーディオ信号再生装置。 - 請求項1記載の装置において、さらに、
回転スクラッチ操作手段と、
ユーザによる前記回転スクラッチ操作手段によるスクラッチ操作を検出してユーザスクラッチパターンとして前記記憶手段に記憶する手段と、
を有することを特徴とするオーディオ信号再生装置。 - 請求項1記載の装置において、さらに、
スクラッチ開始ポイントを登録する登録手段と、
を有することを特徴とするオーディオ信号再生装置。 - 請求項6記載の装置において、
前記処理手段は、前記スクラッチ操作手段が操作された場合に、前記登録手段に登録された前記スクラッチ開始ポイントから前記記憶手段に記憶されたスクラッチパターンに基づき前記オーディオデータを再生する
ことを特徴とするオーディオ信号再生装置。
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- 2003-03-26 JP JP2003084609A patent/JP2004295969A/ja active Pending
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JP2009153165A (ja) * | 2006-07-13 | 2009-07-09 | Avid Technology Inc | 音楽およびオーディオ再生システム |
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