JP2004285844A - 速度制限装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車速の最大値を設定しておき、車速がこの最大値を越えないように制御する車速制限装置を利用して、運転操作の中で運転感覚に合うように、車両を加速または減速させるために利用できる装置を提供する。従来のオート・クルーザと同様に、あるいはオート・クルーザと併用して利用することができる装置を提供する。
【解決手段】車速の最大値を複数設定し、その複数の最大値の中の最小値を選択してこれを車速の最大値として有効に作用させる。その複数設定される最大値の一つ(第一の値)を運転操作の中で変更することができるように構成する。これによりアクセル・ペダルを踏み込んだ状態で、その設定値を操作により変更しながら車速を実質的に加速または減速させることができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の車速制御に利用する。本発明は、制御目標として設定する車速の最大値を運転中の操作により入力設定することができる速度制限装置に関する。本発明は、入力設定された値にしたがって車速の最大値が制限された状態で車両を走行させる装置の改良に関する。本発明は、速度制限装置に設定される車速の最大値を変更しながら所望の快適な運転操作を行うための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の走行中に運転者が操作を行うことにより、アクセル・ペダルを放してもその時の速度を維持するように、自動的に燃料流量を制御するオートクルーズ装置が広く知られている。オートクルーズ装置は、運転操作の中でいったん自動的な制御を起動すると、アクセル・ペダルを放したままでその制御目標値を操作により増減して車速を加減することができる。
【0003】
一方、運転者がアクセル・ペダルを踏み込み車両を加速させても、車速が設定された最大値を越えないように、自動的に燃料流量を制限する速度制限装置が知られている。その装置の最も広く利用されている例は、新しい法規制により大型車両など特定の車両に装備することが義務付けられている装置である。これは、高速道路で法的に許容される速度の最大値((80km/h)に+10%程度の余裕を加えた値 例:90km/h)を強制的に設定し、アクセル・ペダルを踏み込んでもこの最大値を越えて車両を走行させることができないように制限する装置である。
【0004】
また設定された車速があらかじめ設定された最大値を越えないように制限する装置としては、たとえば市内の個別配達を行う貨物便のための車両に、運行管理者が例えば60km/hを設定し、これ以上の速度で走行することができないようにする装置が利用されている。この設定されている車速の最大値(60km/h)を変更するには、メモリ内容を書替える特別なツールを使用することが必要であり、いったん設定されると車両の運行管理者など特定の者のみがその設定された値を変更することが可能であり、車両の運転者が任意に変更することができないようにして運用されている。
【0005】
さらに設定された車速の最大値を越えないように制限する装置として、運転者が所望の値を入力設定しておくことにより、アクセル・ペダルの調節により、車両はみずから設定した最大値を越えない車速で走行することができる速度制限装置が知られている。これは上記のように最大値を一律に90km/h、あるいは60km/hに設定するのではなく、最大値を運転者が任意に設定して、変化する路面状況に対応して所定速度以下で車両を走行させようとする装置である。例えば、貨物の集積所で構内走行の最大速度が20km/hに定められているときに、この値を入力することによりこの最大値を越えない速度で運転することができる。運転者はこの装置の制御を有効状態に操作すると、以降アクセル・ペダルを調節することにより、設定されている最大値以下の任意の速度で車両を走行させることができる。
【0006】
関連する従来例技術として、特許文献1(出願人:日産ディーゼル)、特許文献2(出願人:日野自動車)に開示されたものが知られている。さらに本願出願人は、先願として特願2002−29499(本願出願時において未公開)を出願している。これらはいずれも、車速制限装置の操作性を改善するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−252520号公報
【特許文献2】
特開平11−189068号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記説明のような従来からの装置は、いずれも法や規則に反する高速度で走行するようなことがないように規制する装置である。しかし本願発明者らは、これを単に規制するための装置として装備するのではなく、せっかく車両に装備したからには、制御される車速の最大値を自ら任意に設定または解除して、快適な走行を行うために利用することができることに着目した。つまり従来から広く知られているオートクルーズ装置のように、快適な走行に利用することを考えた。
【0009】
すなわち、従来からのオートクルーズ装置は、車速の制御目標値を設定し、これを走行中に運転者が操作変更することにより車速を変更するように利用することができるものであるが、同様に車速が設定された最大値を越えないように制御を行う速度制限装置を利用して、その設定された最大値を操作変更することにより、快適な運転操作を行うことができるのではないかと考えた。たとえば、走行中の車速を減速しようとするときに、速度制限装置を利用して、その最大値を徐々に低くするように操作することにより快適な減速を行うことができる。またその最大値を徐々に高くすることにより快適な増速を行うことができるのではないかと考えた。
【0010】
本発明は、単に最大速度を規制するためだけではなく、円滑な運転を行うために利用することができる速度制限装置を提供することを目的とする。本発明は、従来から装備が義務づけられている速度制限装置との調和のよい装置を提供することを目的とする。本発明は、運転者が任意にかつその時の車速に対応させて、車速の最大値を設定し変更することができる装置を提供することを目的とする。本発明は、運転操作の流れの中で自然な形態で車速の最大値を変更することができる装置を提供することを目的とする。本発明は従来のオート・クルーザにくらべて、人間の運転感覚により円滑に適合する速度制限装置を提供することを目的とする。本発明は、走行できる車速の最大値を変更することにより速度制御が行われていることを運転者が正しく認識することができる装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の最大の特徴は、複数の車速最大値を設定することが可能であり、その複数設定される最大値のうちの最小の値をその時点の車速の最大値として採用するように構成したところにある。これは、従来から装備されている車速制限装置との調和をとるためである。複数の最大値を例示すると、
(1)法定の最大値(90km/h)、
(2)運行管理者が設定する最大値(60km/h)、
(3)運転者が走行中に任意に設定する最大値(可変)
である。この複数設定された最大値のうちの最小の値を有効な最大値とする。上記(2)運行管理者が設定する最大値は省いてもよい。また上記3つの最大値のほかに何らかの最大値を設けてもよい。
【0012】
従来から広く利用されているオートクルーズ装置と本発明の車速制限装置との大きい相違点は、これを運転中の車速制御に利用するときに、オートクルーズ装置ではその作動中にアクセル・ペダルを放しているが、本発明の速度制限装置ではその作動中にアクセル・ペダルを踏み込んでいることにある。つまり本発明の装置は、アクセル・ペダルを相応に踏み込んでいる状態で、設定される車速の最大値を変更しながら走行するようにして利用する。本発明の装置を利用して走行しているときには、アクセル・ペダルを放すと、対応して車速は減速するから、オートクルーズ装置にくらべると運転感覚により適合する装置であるとともに、相応に安全性の高い装置となる。
【0013】
なお、本発明の装置はこれを従来のオート・クルーザとともに一つの車両に併設することができる。その場合には、オート・クルーザによる制御モードと本発明の車速制限装置による制御モードとの間で有効となるモードを選択するためのモード転換を行う手段を設けることによりこれを実現することができる。モード転換は、スイッチなど何らかの操作によることができるし、アクセル・ペダルの踏み込み量、あるいはその時点の車速値などを利用してモード転換点を設定することにより、自動的なモード転換を実行するように構成することができる。
【0014】
すなわち本発明は、車速(v)の情報を取込み、アクセル・ペダルが踏まれてもその車速(v)が設定された最大値を越えないようにエンジンへの燃料供給量を加減する制御手段を備えた速度制限装置において、運転中の操作により入力できる第一の値(V )および運転操作により変更不可能な第二の値(V )を保持する記憶領域をそれぞれ含む記憶手段と、前記第一の値および第二の値(V、V )のうちの最小値を選択して前記制御手段に前記最大値として設定する演算手段と、前記第一の値(V )を前記記憶手段に入力設定するための操作手段と を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記変更不可能な第二の値(V )を保持する記憶領域は、非運行中に特別のツールにより変更可能な(半固定的な)値を保持する領域、および法規上変更不可能な(固定的な)値を保持する領域を含む複数の記憶領域からなり、この複数の記憶領域に設定されている値の最小値を前記第二の値(V )として有効化する手段を含む構成とすることができる。すなわち本発明の速度制限装置では、その車速の最大値は、運転中の操作により入力設定される第一の値(V ) のほかに、一つまたは複数の値を設定することが可能であり、その設定された複数の値の最小値が速度制限装置の最大値(リミッタ車速)として有効に作用するように、最小値を選択する構成とすることができる。
【0016】
前記制御手段は、エンジンへの燃料供給量を加減するほかに、併せて補助ブレーキ装置の作動を制御する手段を含む構成とすることができる。この構成はたとえば長い下り坂を走行中であるときに、燃料供給量を低減してもなお増速するような状況下で有効である。このための補助ブレーキ装置は、排気ブレーキ、リターダ等である。
【0017】
前記操作手段として、運転者が運転中に操作できる位置に操作端を設け、この操作端に対するセット操作により前記記憶手段に記憶された値を前記第一の値(V )として前記演算手段に対して有効化する手段と、前記操作端に対するキャンセル操作によりその第一の値(V )を前記演算手段に対して無効化するとともにその第一の値(V )を退避メモリに保持する手段と、前記操作端に対するリジューム操作により前記退避メモリに保持された前記第一の値(V )を前記演算手段に対して有効化する手段とを備えた構成とすることができる。
【0018】
前記リジューム操作が識別された時点で、前記退避メモリに保持されていた前記第一の値(V )がその時点の車速(v)に対して第一の所定幅(α )を越えて小さいとき(|v−V |>α )には、そのリジューム操作を無効にする手段を備えた構成とすることができる。この構成によりリジューム操作が行われたときに、車両が急に減速することを回避することができる。
【0019】
前記操作手段として、運転者が運転中に操作することができるアップ・ダウン・スイッチ(12)と、このアップ・ダウン・スイッチの操作に対応して前記記憶手段に設定されている第一の値(V )を前記操作手段に対する入力の都度所定のステップで加算(+δv)または減算(−δv)する手段(チップ・アップ、チップ・ダウン)とを備えた構成とすることができる。この構成により運転請求の操作端を簡便化することができるとともに、運転操作の中で自然に速度制限装置の操作を行うことができる。具体的な構成例については後から図面を参照して詳しく説明する。
【0020】
前記所定のステップで加算または減算する手段(チップ・アップ、チップ・ダウン)により加減された新たな第一の値(V )とその時点の車速(v)との差が第二の所定幅(α )を越えるとき(|v−V |>α )には、その加算または減算する手段による操作入力を一時的に無効化する手段を備えた構成とすることができる。この構成によりチップ・アップまたはチップ・ダウンの操作を行っても、何らかの理由で車速がこれに追従して増減しないことがあっても、操作値と実車速とが大きく離れてしまい、適正な操作ができなくなる事態を回避することができる。
【0021】
前記操作手段として、運転者が運転中に操作できる位置に設けたセット・アクセル操作手段およびセット・コースト操作手段と、このセット・アクセル操作手段が操作されているときには前記記憶手段に記憶された第一の値(V )をその操作されている時間に対応して増大させる手段と、前記セット・コースト操作手段が操作されているときには前記記憶手段に記憶された第一の値(V )をその操作されている時間に対応して減少させる手段とを備えた構成とすることができる。この構成により、設定された最大値を連続的に増大させる、あるいは連続的に逓減させる操作を行うことができる。
【0022】
前記セット・アクセル操作手段および前記セット・コースト操作手段は、アップ・ダウン・スイッチ(12)を兼用し、このアップ・ダウン・スイッチが所定時間より短く操作されたときにはこれをチップ・アップ操作またはチップ・ダウン操作として識別し、このアップ・ダウン・スイッチが所定時間より長く操作されたときにはこれをセット・アクセル操作またはセット・コースト操作であると識別する回路手段を備えた構成とすることができる。この構成により、一つのスイッチを多機能に利用することができるから、運転席の構成が単純化される。この具体的な構成例についてあとから図面を参照して説明する。
【0023】
前記セット・アクセル操作により前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって増大しているとき、アクセル・ペダルが所定以上に踏まれている場合には、その第一の値(V )とこれに追従して増大する車速(v)との差がつねに第三の所定幅(α )を越えないように((V −v)≦α )制御する手段を含む構成とすることができる。この構成により、加速度を適切な値に保つとともに、セット・アクセル操作が終了したときに、増大させていた最大値(第一の値(V ))と実車速との相違が異常に多くなるようなことがなくなり、車速について円滑な制御が可能になる。
【0024】
その場合に、前記制御する手段が作動中に前記セット・アクセル操作が中止された時点で、増大中であった前記第一の値(V )をその時点の車速(v)に等しく設定する手段を含む構成とすることもできる。この構成によりセット・アクセル操作が中止された時点で車速変動が生じることを防ぐことができる。
【0025】
前記セット・アクセル操作が識別され、前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって増大しているにもかかわらず車速(v)が減少するときには(例、上り坂での出力不足またはアクセル・ペダルが踏まれていない場合その他)、前記セット・アクセルの操作が中止されたときに、増大中であった前記第一の値(V )を前記セット・アクセルが操作される前に設定されていた値に戻す手段を含む構成とすることができる。
【0026】
前記セット・コースト操作が識別され、前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって減少している状態でそのセット・コースト操作が中止されたときには、減少中であった前記第一の値(V )をその時点の車速(v)に等しく設定する手段を含む構成とすることができる。
【0027】
前記セット・コースト操作が識別され、前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって減少している状態で車速(v)がなお増大するときには(例、下り坂走行中など)、前記第一の値(V )を前記セット・コースト操作前の値に戻す手段を含む構成とすることができる。
【0028】
前記セット・コーストが操作され、その操作により前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって減少している状態で、車速(v)がその減少中の第一の値(V )に十分追従しないとき、その第一の値(V )をそのときの車速(v)より第四の所定幅(α )だけ小さい値(V →v−α )に設定する手段を含む構成とすることができる。
【0029】
前記セット操作が識別されたとき、前記第一の値(V )としてその操作時点の車速(v)が設定される構成とすることができる。この構成により、設定される最大値はその時点の車速にほぼ等しくなり、設定操作に伴う急激な車速変動を引き起こすことがなくなる。このような場合に限らず、前記第一の値(V )をその入力または変更の操作が行われた時点における車速(v)の関数(f(v))として設定する手段を含む構成とすることができる。
【0030】
その時点で有効に設定された最大値を運転者が視認できる位置に表示する手段を備えた構成とすることが望ましい。さらにその時点で有効に設定された最大値が変更限界に達したときに運転席に音響的な表示を行う手段を備えることが望ましい。車速が前記第一の値(V )にほぼ等しいときに運転者が視認できる位置にランプ表示を行う手段を備える構成が望ましい。このランプ表示は色表示を含み、
i) 車速が前記第一の値(V )にほぼ等しいときに第一の色で点灯し、
ii) 前記第一の値(V ) が有効な値に設定されているが車速と一致しないときに第二の色で点灯し、
iii) 前記第一の値(V ) が実質的に無限大であるときに滅灯する
構成とすることができる。このような構成により運転者が速度制限装置の動作状態を正しく認識することができるようになり、この装置の円滑かつ有効な運用をはかることができる。
【0031】
前記第一の値(V )をその時点の車速に対応して設定する手段、すなわち第一の値(V )をその時点の車速の関数として設定するように構成することができる。これは上記以外にもこのような構成をとることにより、この装置を実質的に車速を制御する装置として有効に利用することができるようになる。またこの構成は本発明の装置と従来から利用されているオート・クルーザが併設される場合にも有効である。たとえば、本発明の装置からオート・クルーザに制御が切り替えられるときに有用である。
【0032】
アクセル・ペダルが解放された時点で前記第一の値(V )をその時点の車速に等しい値を設定する手段(Vmax →v)を含む構成とすることができる。アクセル・ペダルが解放された時点で前記第一の値(V )を実質的に無限大とする手段を含むように構成することもできる。また、オート・クルーズ制御モードを指定するオート・クルーズメインスイッチがオンのときも前記第一の値(V )を実質的に無限大にする手段を含むように構成することもできる。これも本発明の装置にオート・クルーザが併設され、二つの装置の間で制御切替えが行われるときに有用である。
【0033】
運転者が運転中に操作できる位置にキャンセル・スイッチ(16)を設け、このキャンセル・スイッチが操作されたときに、前記エンジンへの燃料供給量を加減する制御手段を無効化する手段を備えた構成とすることができる。すなわちキャンセル・スイッチは本発明の制御を操作により停止させるためのスイッチである。本発明の制御を停止させるには、このキャンセル・スイッチの操作によるほか、たとえばブレーキ・ペダルの操作による、あるいは車速がきわめて小さい値(または零)になったことが識別されたとき、などによることもできる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明実施例装置の制御系を説明するためのブロック構成図である。エンジン1の燃料ポンプ2はエンジンECU(Electronic Control Unit)3により制御される。このエンジンECU3には、アクセル・ペダル4の踏み込み量情報、車速センサ5の出力情報、エンジン回転センサ6の出力情報、およびクラッチ回転センサ7の出力情報が入力する。さらにこのエンジンECU3には、運転席に設けられた操作端10からの操作情報が入力する。
【0035】
ECUは半導体回路および入出力インターフェイスにより構成された電子装置であり、あらかじめソフトウェアがインストールされ、入力信号に応じて所定の演算および制御を継続的に実行し、その制御出力を出力信号として送出する。本発明は、従来から利用されている装置に、入力信号を発生する操作端およびいくつかの出力表示系を設けるとともに、そのソフトウェアを付加改良することにより実施される。すなわち操作端10にはセット・スイッチ11、アップ・ダウン・スイッチ12およびキャンセル・スイッチ16が設けられている。さらにこのエンジンECU3の制御出力は、上記燃料ポンプ2のほかに補助ブレーキ制御回路9にも与えられる。表示出力系として、運転席に数字を電光表示する表示器13、運転者が見える位置にランプ点灯表示を行う表示ランプ14、および運転席で「ピピッ」という短い表示音を発生する表示音スピーカ15が設けられている。
【0036】
図2は操作端10の説明図である。この操作端10は運転席の操舵輪の下側に取り付けられ、運転者が視線を走行路面から転換することなく指先で操作することができるように取り付けられる。操作端10にはリング状可動部材が設けられ、このリング状可動部材を回転することにより回路の開閉を行う。セット・スイッチ11はこの操作端10のリング状可動部材を指先で矢印SETの方向に回転することにより、(図1で説明した)セット・スイッチ11のセット側の回路SETが閉じる。指先を解放することによりセット・スイッチ11は自動的に復帰してその回路が開く。またこの操作端10のリング状可動部材を矢印RESの方向に回転することにより、セット・スイッチ11のリジューム側の回路RESが閉じる。指先を開放することによりセット・スイッチ11は自動的に復帰してその回路は中立の状態になる。
【0037】
アップ・ダウン・スイッチ12は、この操作端10に取り付けられたリング状の可動部材を指先でつまみ矢印UPの方向に回転することにより、図1で説明したアップ・ダウン・スイッチ12のUP側の回路が閉じる。同じく矢印DOWNの方向に回転することにより、DOWN側の回路が閉じる。指を放すことによりアップ・ダウン・スイッチ12は、バネ作用により自動的に中立の状態に復帰していずれの回路も開放される。このようにセット・リジューム・スイッチとアップダウン・スイッチとは兼用することができる。この操作端10の先端には、押しボタン状のキャンセル・スイッチ16が設けられている。このキャンセル・スイッチ16は指先で押している間だけ回路が閉じ、指先を解放するとバネ作用により自動的に復帰して回路が開放状態になる。キャンセル・スイッチ16は、速度制限装置の利用を中止するときに操作するスイッチであり、このキャンセル・スイッチ16はいずれの操作とも兼用されない。
【0038】
車両走行中に、この操作端10により「セット」が命令されると、その車両のその時点の車速がこの車速制限装置に設定され、この値が車速最大値として有効な状態になる。この操作端10により「リジューム」が命令されると、いったん退避させてある車速の最大値を有効な状態とする。すなわち運転者にとっては、この車速制限装置を起動させるには2通りの方法がある。現在の車速を車速の最大値として設定して装置を起動するなら「セット」を命令し、以前に利用して退避させてある値を車速の最大値として設定して装置を起動するなら「リジューム」を命令することになる。
【0039】
この操作端10に設けられたキャンセル・スイッチ16が操作され、キャンセルが命令されると、この車速制限装置に操作により設定された車速の最大値は無効になり、運転者が操作により変更することができない高い値が有効になる。この高い値は、例えば法定の制限速度(厳密には法定速度+10km/h)であり、別の例では運行管理者が設定した市街地走行用の最大速度(60km/h)となる。
【0040】
この操作端10のアップ・ダウン・スイッチ12がUP方向またはDOWN方向に短い時間だけ操作されると、チップ・アップまたはチップ・ダウンを入力したことになる。チップ・アップまたはチップ・ダウンは、入力操作により設定されている車速の最大値を小さいステップで増大または減少させる操作である。このアップ・ダウン・スイッチ12がUP方向またはDOWN方向に長い時間(例、1秒以上)にわたり継続的に操作されると、セット・アクセルまたはセット・コーストが操作されたこととして識別される。セット・アクセルおよびセット・コーストは、設定されている車速の最大値を操作されている時間にわたり連続的に漸増または漸減させる操作である。これはさらに後から詳しく説明する。
【0041】
本発明は、上述のようにエンジンECU3の制御論理の一部を変更または追加することにより実施される。このエンジンECU3には、車速の最大値を制限する制御機能がすでに設けられている。この車速の最大値を制限する制御機能は従来から何らかの形で設けられている機能を利用することができる。これは車速センサ5から車速情報を取り込み、その車速があらかじめ設定された値を越えて大きくならないように燃料供給を制限する制御論理を含む。ここで説明する実施例は大型車両に実施するものであって、新しく施行された規則により、最高速度を高速道路における大型車両に許容される最高速度(例:90km/h)に制限するように構成しなければならない。この規則に対応して、車速がその値を越えると、アクセル・ペダルを踏み込んでもエンジンに対する燃料供給が相応に制限されるように構成されている。本発明は、この制御論理を利用して車速の最大値をただ一つの値に限るのではなく、これを複数設定することができ、この複数の車速の最大値を選択設定し、かつその最大値を変更するための論理である。
【0042】
図3は本発明実施例装置の車速の最大値を選択する論理を説明する図である。この例では車速制限装置に車速の最大値として三つの値(V、VおよびV )がそのメモリに設定できるように構成されている。第一の値Vは運転操作により設定または変更できる値である。第二の値Vは上記規則により定められた値(例:90km/h)である。第三の値Vは車両の非運行中に特別なツールを使って書き換えることが可能な値である。この第三の値の一例は、この車両が市内の配送用に利用される車両であるときに、この車両の運行管理者が第三の値として60km/hを設定するものである。そして本発明の最大の特徴は、図3に示すように複数設定された車速の最大値のうち、つねにその時点での最小値を選択して、これを車速の最大値としてエンジンECU3における制御に利用するところにある。かりに操作により設定できる第一の値Vを設定しない、あるいは第一の値Vとして90km/hを越える値を設定すると、第二の値90km/hまたは第三の値の小さい方が有効な最大値となる。第三の値が上記例のように60km/hに設定されていれば、これが最大値として有効な値になる。第三の値が設定されていない、あるいは第三の値Vとして90km/hを越える値を設定すると、第一の値Vが90km/h以下の範囲で有効な最大値となる。
【0043】
そして上記第一の値Vを運転者が運転操作の中で任意に設定し変更することにより、従来から知られているオート・クルーザのように快適な運転操作を行うことができる。その運転操作の一例を説明すると、上記第一の値Vが有効な状態として設定されていない状態で車両を走行させていたとする。このときに車両を減速しようとして、この第一の値Vを現在の車速値に等しい値に設定し、これを操作端10の操作によりしだいに小さくしてゆくと車両を減速させることができる。反対に車両を加速させようとするときには、この第一の値をいったん現在の車速に設定し、これをしだいに大きくしてゆくことにより車両を円滑に加速させることができる。これは上記説明の操作端10によりセットを命令し、つづいてアップ・ダウン・スイッチ12をDOWN方向にあるいはUP方向に操作することにより実行することができる。
【0044】
このような操作で、従来のオート・クルーザとの違いは、車両を減速または加速させる間にアクセル・ペダルを踏んでいるか踏んでいないかの違いである。オート・クルーザでは車速の制御目標値を操作により変更するのであるから、いったん制御を起動させるとその後はアクセル・ペダルを踏んでいる必要がない。本発明の車速制限装置では、設定されている車速の最大値を操作により変更するのであるから、操作により制御を有効な状態に設定すると原則として運転者はアクセル・ペダルを踏み込んだ状態で車速の最大値(さらに具体的には上記第一の値V )をアップ・ダウンさせることになる。
【0045】
この運転操作の違いは運転感覚として大きい違いである。従来のオート・クルーザではこれを利用して車両を相応の高速で走行させているときに、オート・クルーザによる制御を中断させるには、オート・クルーザ装置のスイッチをオフに操作する、あるいはブレーキを踏むなどの積極的な操作が必要である。これに対して本発明の車速制限装置では、車両を相応の高速で走行させているときに、この制御を中断させるには、たんにアクセル・ペダルを放すことにより、設定された車速の最大値で走行する状態から離脱することができる。これは従来のオート・クルーザによる運転操作より人間の感覚に適合した運転操作である。かりに走行中の車両の運転者が居眠りをしたときには、従来のオート・クルーザではその車速が維持されるが、本発明の装置ではアクセル・ペダルが放される、あるいは踏み込み量が小さくなることにより車速はそれに応じて減速することになる。本発明の車速制限装置は従来のオート・クルーザと併設できることも上述のとおりである。
【0046】
つぎにこの実施例装置に設定されている制御論理について、各部分の構成をさらに詳しく説明する。
【0047】
図4は本発明実施例装置のキャンセル操作およびセット操作の制御フローチャートである。車速が操作により設定できる第一の値Vが有効になる状態で制御が実行されているときに、キャンセル操作が行われると、そのときの制御の最大値である第一の値Vは退避メモリにコピーされる。そして、セット操作が行われると現在の車速(v)を第一の値Vとして設定して制御を継続する。キャンセル操作およびセット操作は、上述のとおり運転者による操作端10の操作により行われる。
【0048】
ここで、本発明実施例装置には、そのソフトウェアにシステム動作の異常を検出する論理が設けられていて、これに異常が検出されたときにはこのキャンセル操作が行われたときと同等の制御が自動的に実行される。つまり運転者が設定する車速の最大値による制御を中止し、法定により車速の最大値などが有効な状態となる。また、本発明実施例装置には、従来のオート・クルーザを併設することもできる。上記のようなキャンセル操作により自動的にオート・クルーザによる制御が有効になるように構成することもできる。
【0049】
図5は本発明実施例装置のリジューム操作における制御フローチャートである。リジューム操作は操作端10のリング状可動部材をRES方向に回転する操作である。このときには図4で説明した退避メモリにコピーされた値を車速の最大値として有効化する。ただしこのとき現在の車速(v)と退避メモリにコピーされている値との開きがαを越えて大きいときには、操作を無効とするか、またはその退避メモリにコピーされていた値を棄てて、現在の車速(v)を車速の最大値として設定する。これは車両が急な減速あるいは増速の状態になることを回避するためである。この開きαの値については車両の特性によりそれぞれ適当な値を設定することがよい。例示すると20km/hである。このαは定数でなく現車速の関数として設定することも可能である。
【0050】
図6は本発明実施例装置のチップ・アップ操作またはチップ・ダウン操作における制御フローチャートである。チップ・アップとは、車速の最大値を操作ごとにより小刻みに大きくすることにより車速を増速させる操作である。チップ・ダウンとは、車速の最大値を操作ごとに小刻みに小さくすることにより車速を減速させる操作である。これは操作端10のアップ・ダウン・スイッチ12をアップ方向またはダウン方向に短く操作することにより行われる。この実施例では設定されている車速の最大値(第一の値V )が操作毎に1km/hずつ増大または減少するように構成される。またチップ・アップまたはチップ・ダウンにより現車速との差が所定値αを越えるときには無効になる。所定値αはたとえば5km/hである。これはチップ・アップまたはチップ・ダウンの操作が行われたにもかかわらず、なんらかの原因により車速がこの操作に追従しない場合に、そのような制御を禁止するためである。車速が操作に追従しない場合はこのような制御の意味を失うことになる。
【0051】
図7は本発明実施例装置のセット・アクセル操作の制御フローチャートである。セット・アクセルとは車速の最大値として設定されている設定値を継続的に大きくすることにより、車速を増速するための制御である。セット・アクセルの操作は、操作端10のアップ・ダウン・スイッチ12を所定時間より長く(例、1秒以上)継続的にアップ方向に操作することにより行われる。これはアクセル・ペダルを踏み込みながら行う。これが従来から知られているオート・クルーザとの相違であることはすでに説明した。アクセル・ペダルを踏み込みながら車速を増大する制御は運転感覚と一致する。この操作が行われると、その操作が行われている期間だけ、車速の最大値(第一の値V)が現在の実車速を越える値[現在の実車速(v)+α ]に設定される。αは0〜20km/h程度が適当である。図8にこのときの実車速(v)と車速の最大値(V )との関係を示す。図8の横軸は時間の経過であり、縦軸は車速である。セット・アクセルが操作されると、車速の最大値が増大し車速はこれに追従するように増大する。そしてこのセット・アクセルの操作が終了したときに、車速の最大値はその時点の実車速(v)に自動的に戻るように制御設定される。
【0052】
また、従来のオート・クルーズ制御モードを指定するスイッチがオンになったときは、車速の最大値(V )を無限大に設定することで、自動的に通常のオート・クルーザによる制御が有効となる。
【0053】
図9は本発明実施例装置のセット・コースト操作の制御フローチャートである。これは車速の最大値として設定されている設定値を継続的に小さく操作することにより、車速を減速するための制御である。これは、操作端10のアップ・ダウン・スイッチ12を所定時間より長く(例、1秒以上)継続的にダウン方向に操作することにより行われる。この操作も車速を操作に追従させながら実行するにはアクセル・ペダルを踏みながら行う。車速の最大値が小さく制御されることにより、実車速が減速することになる。この制御では、操作開始時点に設定されている車速の最大値(V )をいったん退避メモリにコピーし、操作終了時にそのコピーされている値とその時点の実車速との小さい方の値を新しい最大値として設定する。この制御により、セット・コーストを操作している期間に車速がその制御に追従しているなら、操作終了時の車速で走行をつづけることになる。この操作の終了時に所望の減速が実行されなかったとき、たとえば下り坂を走行中であるときなどには、この操作を終了した時点で、退避メモリにコピーしてある値を車速の最大値とするように制御を元に戻す。その場合には、運転者はブレーキ・ペダルを踏む、あるいは補助ブレーキを作動することになる。
【0054】
セット・コースト操作され、その操作により設定された最大値(V )が時間の経過にしたがって減少している状態で車速(v)がなお増大するときには、車両が下り坂を走行していることであり、その最大値(V )としてあらかじめ定められた最小車速(Vmin)を設定するように構成することができる。セット・コーストが操作され、その操作により設定された最大値(V )が時間の経過にしたがって減少している状態で車速(v)がその減少中の最大値(V )に十分追従しないときには、その最大値(V )をそのときの車速(v)より第四の所定幅(α )だけ小さい値(V →v−α )に設定するように構成することができる。
【0055】
つぎに運転者へのこの車速制限装置からの表示装置を説明する。図1に示す表示器13は運転席から見える位置に設けられた数字表示器である。これは光学的に二桁の数字を表示するもので、その時点で有効になっている車速の最大値が表示される。表示ランプ14は表示器13に表示されている数字にしたがって車速が有効に制御されているときに点灯する。この表示ランプ14はオレンジ色または緑色で点灯する2色のランプである。この表示点灯について説明すると、
i) この装置の制御が実行され、車速が設定された最大値(V )にほぼ等しいときにオレンジ色で点灯し、
ii) 前記最大値(V )が有効な値に設定されているが車速と一致しないときには緑色で点灯し、さらに
iii)この設定されている最大値(V )が実質的に無限大であるときに滅灯する
ように制御される。このような点灯表示を行うことにより、この装置が作動していることを認識することができるとともに、運転者が交代するようなことがある場合にも、前の運転者が最大値をセットしてあることを交代した運転者が知ることができる。
【0056】
これによりアクセル・ペダルを踏み込んでも車速が上昇しないあるいは降下するなどの場合に、本発明の装置が作動していることを運転者が正しく認識することができる。表示音スピーカは「ピピッ」と短い警報音を発生する装置であり、セット・アクセル操作あるいはセット・コースト操作などで、操作による設定限界を越えたときに警報音を発生し、これ以上の操作は意味がないことを運転者に通知する。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の速度制限装置は、単に最大速度を規制するためだけではなく、この装置を円滑な運転を行うために利用することができる。本発明は、従来から装備が義務づけられている速度制限装置に付加機能を設けることにより安価に実現することができる。本発明の装置は、運転操作の流れの中で自然な形態で車速の最大値を変更することにより、実際の走行速度を加速または減速することができる。本発明は実質的にアクセル・ペダルを踏み込んでいる状態で有効になるから、従来のオート・クルーザにくらべて、人間の運転感覚により適合する状態で車速制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置の制御系を説明するブロック構成図。
【図2】本発明実施例装置の操作端の説明図。
【図3】本発明実施例装置の最小値選択論理の説明図。
【図4】本発明実施例装置のキャンセル操作およびセット操作の制御フローチャート。
【図5】本発明実施例装置のリジューム操作の制御フローチャート。
【図6】本発明実施例装置のチップ・アップ操作およびチップ・ダウン操作の制御フローチャート。
【図7】本発明実施例装置のセット・アクセル操作の制御フローチャート。
【図8】本発明実施例装置のセット・アクセル操作における車速の時間経過説明図。
【図9】本発明実施例装置のセット・コースト操作の制御フローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2 燃料ポンプ
3 エンジンECU
4 アクセル・ペダル
5 車速センサ
6 エンジン回転センサ
7 クラッチ回転センサ
9 補助ブレーキ制御回路
10 操作端
11 セット・スイッチ
12 アップ・ダウン・スイッチ
13 表示器
14 表示ランプ
15 表示音スピーカ
16 キャンセル・スイッチ

Claims (26)

  1. 車速(v)の情報を取込み、アクセル・ペダルが踏まれてもその車速(v)が設定された最大値を越えないようにエンジンへの燃料供給量を加減する制御手段を備えた速度制限装置において、
    運転中の操作により入力できる第一の値(V )および運転操作により変更不可能な第二の値(V )を保持する記憶領域をそれぞれ含む記憶手段と、
    前記第一の値および第二の値(V、V )のうちの最小値を選択して前記制御手段に前記最大値として設定する演算手段と、
    前記第一の値(V )を前記記憶手段に入力設定するための操作手段と
    を備えたことを特徴とする速度制限装置。
  2. 前記変更不可能な第二の値(V )を保持する記憶領域は、非運行中に特別のツールにより変更可能な値を保持する領域、および法規上変更不可能な値を保持する領域を含む複数の記憶領域からなり、この複数の記憶領域に設定されている値の最小値を前記第二の値(V )として有効化する手段を含む請求項1記載の速度制限装置。
  3. 前記制御手段は、併せて補助ブレーキ装置の作動を制御する手段を含む請求項1記載の速度制限装置。
  4. 前記操作手段として、運転者が運転中に操作できる位置に操作端を設け、
    この操作端に対するセット操作により前記記憶手段に記憶された値を前記第一の値(V )として前記演算手段に対して有効化する手段と、
    前記操作端に対するキャンセル操作によりその第一の値(V )を前記演算手段に対して無効化するとともにその第一の値(V )を退避メモリに保持する手段と、
    前記操作端に対するリジューム操作により前記退避メモリに保持された前記第一の値(V )を前記演算手段に対して有効化する手段と
    を備えた請求項1記載の速度制限装置。
  5. 前記リジューム操作が識別された時点で、前記退避メモリに保持されていた前記第一の値(V )がその時点の車速(v)に対して第一の所定幅(α )を越えて小さいとき(|v−V |>α )には、そのリジューム操作を無効にする手段を備えた請求項4記載の速度制限装置。
  6. 前記操作手段として、運転者が運転中に操作することができるアップ・ダウン・スイッチ(12)と、このアップ・ダウン・スイッチの操作に対応して前記記憶手段に設定されている第一の値(V )を前記操作手段に対する入力の都度所定のステップで加算(+δv)または減算(−δv)する手段(チップ・アップ、チップ・ダウン)とを備えた請求項1記載の速度制限装置。
  7. 前記所定のステップで加算または減算する手段(チップ・アップ、チップ・ダウン)により加減された新たな第一の値(V )とその時点の車速(v)との差が第二の所定幅(α )を越えるとき(|v−V |>α )には、その加算または減算する手段による操作入力を一時的に無効化する手段を備えた請求項6記載の速度制限装置。
  8. 前記操作手段として、運転者が運転中に操作できる位置に設けたセット・アクセル操作手段およびセット・コースト操作手段と、このセット・アクセル操作手段が操作されているときには前記記憶手段に記憶された第一の値(V )をその操作されている時間に対応して増大させる手段と、前記セット・コースト操作手段が操作されているときには前記記憶手段に記憶された第一の値(V )をその操作されている時間に対応して減少させる手段とを備えた請求項1記載の速度制限装置。
  9. 前記セット・アクセル操作手段および前記セット・コースト操作手段は請求項6記載のアップ・ダウン・スイッチ(12)を兼用し、このアップ・ダウン・スイッチが所定時間より短く操作されたときにはこれをチップ・アップ操作またはチップ・ダウン操作として識別し、このアップ・ダウン・スイッチが所定時間より長く操作されたときにはこれをセット・アクセル操作またはセット・コースト操作であると識別する回路手段を備えた請求項8記載の速度制限装置。
  10. 前記セット・アクセル操作により前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって増大しているとき、アクセル・ペダルが所定以上に踏まれている場合には、その第一の値(V )とこれに追従して増大する車速(v)との差がつねに第三の所定幅(α )を越えないように((V −v)≦α )制御する手段を含む請求項8記載の速度制限装置。
  11. 前記制御する手段が作動中に前記セット・アクセル操作が中止された時点で、増大中であった前記第一の値(V )をその時点の車速(v)に等しく設定する手段を含む請求項10記載の速度制限装置。
  12. 前記セット・アクセル操作が識別され、前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって増大しているにもかかわらず車速(v)が減少するときには、前記セット・アクセルの操作が中止されたときに増大中であった前記第一の値(V )を前記セット・アクセルが操作される前に設定されていた値に戻す手段を含む請求項8記載の速度制限装置。
  13. 前記セット・コースト操作が識別され、前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって減少している状態でそのセット・コースト操作が中止されたときには、減少中であった前記第一の値(V )をその時点の車速(v)に等しく設定する手段を含む請求項8記載の速度制限装置。
  14. 前記セット・コースト操作が識別され、前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって減少している状態で車速(v)がなお増大するときには、前記第一の値(V )を前記セット・コースト操作前の値に戻す手段を含む請求項8記載の速度制限装置。
  15. 前記セット・コーストが操作され、その操作により前記第一の値(V )が時間の経過にしたがって減少している状態で車速(v)がその減少中の第一の値(V )に十分追従しないとき、その第一の値(V )をそのときの車速(v)より第四の所定幅(α )だけ小さい値(V →v−α )に設定する手段を含む請求項8記載の速度制限装置。
  16. 前記セット操作が識別されたとき、前記第一の値(V )としてその操作時点の車速(v)が設定される請求項4記載の速度制限装置。
  17. 前記第一の値(V )をその入力または変更の操作が行われた時点における車速(v)の関数(f(v) )として設定する手段を含む請求項1記載の速度制限装置。
  18. その時点で有効に設定された最大値を運転者が視認できる位置に表示する手段を備えた請求項1記載の速度制限装置。
  19. その時点で有効に設定された最大値が変更限界に達したときに運転席に音響的な表示を行う手段を備えた請求項1記載の速度制限装置。
  20. 車速が前記第一の値(V ) にほぼ等しいときに運転者が視認できる位置にランプ表示を行う手段を備えた請求項1記載の速度制限装置。
  21. 請求項20記載のランプ表示は色表示を含み、
    i)車速が前記第一の値(V )にほぼ等しいときに第一の色で点灯し、
    ii) 前記第一の値(V ) が有効な値に設定されているが車速と一致しないときに第二の色で点灯し、
    iii) 前記第一の値(V ) が実質的に無限大であるときに滅灯する
    制御手段を含む速度制限装置。
  22. 前記第一の値(V )をその時点の車速に対応して設定する手段を備えた請求項1記載の車速制限装置。
  23. アクセル・ペダルが解放された時点で前記第一の値(V )をその時点の車速に等しい値を設定する手段(Vmax →v)を含む請求項1記載の速度制限装置。
  24. アクセル・ペダルが解放された時点で前記第一の値(V )を実質的に無限大とする手段を含む請求項1記載の速度制限装置。
  25. オートクルーズ制御モードを指定するスイッチがオンのときは、前記第一の値(V )を実質的とする手段を含む請求項1記載の速度制限装置。
  26. 運転者が運転中に操作できる位置にキャンセル・スイッチを設け、このキャンセル・スイッチが操作されたときに、前記エンジンへの燃料供給量を加減する制御手段を無効化する手段を備えた請求項1記載の速度制限装置。
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