JP3930304B2 - 燃料流量制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の車速制御に利用する。本発明は、アクセルペダルの踏み込み量に対応して内燃機関に供給する燃料流量を調節制御する装置の改良に関する。本発明は、ディーゼル機関のインジェクションポンプ、またはガソリン機関のキャブレタをプログラム制御回路により制御する装置に関する。本発明は、とくに車速が最大制限値(Vmax )を越えないように設計される燃料流量制御装置の制御パターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
アクセルペダルの機械的な踏み込み量を電気信号に変換し、この電気信号および車速情報その他の入力情報により、プログラム制御回路を利用して内燃機関に供給する燃料流量を制御する装置(エンジンECU)が広く普及した。この装置を利用することにより、運転者の意思を表すアクセルペダルの操作に対して、その時点の車速、クラッチの状態およびギヤ位置などの情報に応じて、エンジン回転速度を適正に調節制御することができる。
【0003】
一方、とくに大型車両について、車速が法令により定められた最大制限値を越えて走行することがないように、車両装置に車速制限規制が施されることになった。これは、車速が最大制限値(例:90km/h)に達すると、運転者がアクセルペダルを踏み込んでもそれを越える車速にならないように規制する装置である。このための多くの装置では、車速が最大制限値に達すると、その位置でアクセルペダルに機械的なストッパが作用し、アクセルペダルをそれ以上深く踏み込むことができないように構成されることになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者は、このような車速を規制するための装置についてさまざまな試験を行った。その中で、車速が最大制限値に達するとアクセルペダルに機械的なストッパが作用する装置では、運転者にとっては長時間にわたり、ストッパに当たっている状態のアクセルペダルを踏みつづけることになる。これは、自由にアクセルペダルを前後させながら運転を続ける場合に比べて、右足の疲労が大きくなることがわかった。
【0005】
これに対応するためには、クルーズ・コントローラ(定速走行装置)を利用することができる。すなわち、車速が最大制限値に達したときに操作によりクルーズ・コントローラを起動させると、運転者はアクセルペダルから足を離しても運転を継続することが可能になる。しかし、職業的な運転者および多数の運転者を管理する運転管理者の中には、クルーズ・コントローラを利用する長時間の走行は、注意力が散漫になることがあるとして、クルーズ・コントローラを利用しない、あるいは利用をすすめない場合がある。このようなユーザに対してはクルーズ・コントローラを装備しない車両が提供されている。
【0006】
本発明はこのような背景に行われたものであって、運転者の疲労を少なくすることができる燃料流量制御装置を提供することを目的とする。本発明は、車速が最大制限値に達した後に、アクセルペダルをある範囲で前後に動かしても車速が最大制限値に維持されるように設定された制御装置を提供することを目的とする。本発明は、減速するときには特別の操作をすることなく、単にアクセルペダルの踏み込み量を小さくすることにより、運転を継続することができる制御装置を提供することを目的とする。本発明は、クルーズコントローラを装備していない車両で、アクセルペダルを踏みつづけながら、最大制限値の車速で走行を続けることができる装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、運転者が車両を加速させ、アクセルペダルを踏み込んだ状態で、その車速が最大制限値(Vmax 、例:90km/h)に達した後に、短い時間(t1 )にわたりその車速が維持されたときに、アクセルペダルの機械的なストロークに対する燃料供給量の制御関数を自動的に転換して、アクセルペダルを多少踏み込み方向にあるいは解放方向に操作しても、車速が最大制限値に維持されるように構成することを最大の特徴とする。さらに、本発明はアクセルペダルのストロークを相応に小さくしたときには、転換した制御関数を元の制御関数に戻して、アクセルペダルにより車速調節ができるように構成される。
【0008】
すなわち本発明は、アクセルペダルのストローク(x)に対応する電気信号および車速(v)を含むパラメタを入力として第一の制御関数(f1 (x))により演算された出力信号
y=f1 (x)
を発生する手段と、この出力信号により内燃機関に供給する燃料流量を調節する手段とを備えた燃料流量制御装置において、
【0009】
前記出力信号(y)を発生する手段は、アクセルペダルのストローク(x)が第一の所定値(x1 )より大きく(x>x1 )、かつ車速が最大制限値以上にある状態(v≧Vmax )が第一の所定時間(t1 )にわたり継続した時点から、アクセルペダルの踏み込み量が前記第一の所定値(x1 )より小さい第二の所定値(x2 )になる状態(x2 <x1 )が第二の所定時間(t2 )にわたり継続するまで、前記第一の制御関数に代えて第二の制御関数(f2 (x))を利用して出力信号
y=f2 (x)
を発生する手段を含むことを特徴とする。
【0010】
さらに、前記第二の制御関数(f2 (x))は、アクセルペダルのストロークが前記第二の所定値(x2 )を越え前記第一の所定値の間に設定された第三の所定値(x3 、x2 <x3 <x2 )からアクセルペダルのストロークが最大値に至るまでの範囲(x3 <x<xmax )にあるとき車速をほぼ最大制限値に維持する(v≒Vmax )ように設定することができる。
【0011】
上記括弧内の記号は、後から説明する実施例図面の記号である。この記号を実施例図面と対応させてゆくと構成を理解しやすい。これは発明の内容を理解しやすいように付すものであって、発明の構成を実施例に限定して理解するためのものではない。
【0012】
この構成により、車速が最大制限値に達したあと短い時間の経過後に、運転者はアクセルペダルを深く踏み込んだ状態で、アクセルペダルを多少前後させても、車速は最大制限値を維持するように制御される。そして、運転者がアクセルペダルのストロークを小さくすると、その状態は解除されて通常のアクセルペダルの制御状態に復帰する。
【0013】
運転者の意志により操作される作動スイッチを設け、この作動スイッチにより運転者の意志が表示されていない状態では、前記第一の制御関数に代えて第二の制御関数を利用して出力信号を発生する手段の作動を禁止する手段を含む構成とすることができる。この構成により、運転者が意識しない状態で、アクセルペダルのストロークに対応する制御関数が転換してしまう状態を回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施例図面を用いて詳しく説明する。図1は本発明実施例装置のハードウエア・ブロック構成図である。この例は本発明をディーゼル機関に実施したものである。内燃機関1には燃料噴射ポンプ2を備える。この燃料噴射ポンプ2の燃料流量は、制御回路3の出力信号yにより制御される。この制御回路3はプログラム演算回路および入出力インターフェースを含む。この制御回路3の入力情報は、アクセルペダル4のストロークxを表す信号、車速センサ5の出力に得られる車速vを表す信号、内燃機関の回転速度情報ωe、およびクラッチの出力側回転速度情報ωcその他である。車速vを表す信号は、具体的にはこの信号はプロペラ軸6の回転にしたがって得られるパルス信号である。
【0015】
制御回路3は、これらの入力情報にしたがって出力信号yを発生する。いまこれらの入力情報のうち、とくにアクセルペダル4のストロークxを表す信号(および車速vを表す信号)は、本発明の制御に関係の深い入力信号であり、出力信号yを演算するための制御関数を
y=f(x)
と表すことにする。
【0016】
図2に示す例によりこの制御関数を説明する。図2は本発明第一実施例の制御関数を示す。横軸にアクセルペダルのストロークxをとり、縦軸に出力信号y、すなわち上記制御関数の演算結果である。この出力信号yにより燃料通路の開度が制御される。
【0017】
内燃機関1が停止し、運転が行われていない状態では、x=0、y=0である。内燃機関1が起動したときには、制御回路3で第一の制御関数
y=f1 (x)
が有効な状態になる。この第一の制御関数は、図2に細い直線で表示する関数であり、アクセルペダルのストロークxが零から大きくなるにしたがいほぼ直線的に大きくなる。車両が発進し加速され、さらにアクセルペダルが踏み込まれると、ストロークx1 (第一の所定値)で、車速vが法令に定められた最大制限値Vmax(例:90km/h)に達したものとする。この状態からさらにアクセルペダルを踏み込んでも、燃料供給量は車速vがこの最大制限値Vmaxを維持するように推移する。そしてアクセルペダルの機械的な限界値xmax に設けられたストッパに当接して、それより深く踏み込むことはできなくなる。
【0018】
ここで本発明の特徴ある動作として、車速vが最大制限値Vmaxに達し、時間t1 (第一の所定時間、例:0.5〜2秒ていどに設定される)にわたり維持されると、制御回路3の制御関数は自動的に第二の制御関数
y=f2 (x)
に変更される。図2にはこの第二の制御関数を太い実線で示す。この第二の制御関数は、アクセルペダルのストロークが前記第二の所定値x2 を越え、前記第一の所定値x1 との間に設定された第三の所定値x3 (x2 <x3 <x2 )からアクセルペダルのストロークが最大値に至るまでの範囲(x3 <x<xmax)にあるとき、車速をほぼ最大制限値に維持する(v≒Vmax )ように設定されている。すなわち、運転者はアクセルペダルのストロークをx1 の位置から前後に変化させても、ストロークx3 から最大ストロークxmax までの間は、車速が最大制限値Vmaxに維持されるように制御される。
【0019】
この状態から運転者がアクセルペダルのストロークを小さくしてゆくと、第三の所定値x3 からはアクセルペダルのストロークを小さくすると車速が小さくなる。さらにアクセルペダルのストロークを小さくし、第二の所定値x2 に達して第二の所定時間t2 (例:0〜1秒)が経過すると、制御回路3の制御関数は第二の制御関数から第一の制御関数に自動的に転換する。この後はこの第一の制御関数にしたがって燃料流量が制御される。
【0020】
このように構成された装置では、運転者は車速vが最大制限値Vmaxになった状態で運転を継続しているときには、アクセルペダルをある範囲で、図2に示す例ではx3 からxmax の範囲で前後に動かしても、車速はそのまま最大制限値で走行をつづけることになる。したがって、アクセルペダルが機械的なストッパに当たった状態で、アクセルペダルを長く踏みつづけるようなことはなくなる。そして、車速を減速する必要があるときには、たんにアクセルペダルのストロークを小さくなる方向にやや多めに戻すことにより、自動的に通常のアクセルペダルの制御状態に復帰する。
【0021】
図3に本発明の制御関数についての第二実施例を示す。この例は、図に太い実線で示す第二の制御関数について、その勾配を有する部分が座標の原点を起点とする勾配ではなく、オフセットのある勾配になっているところが相違する。はじめに設定された第一の制御関数f1 (x)から第二の制御関数f2 (x)に転換される動作、およびアクセルペダルのストロークがx2 まで戻されたときに、第二の制御関数が第一の制御関数に戻る動作は上記第一実施例と同等である。また運転者が車速の最大制限値で運転を継続するときに、アクセルペダルのストロークをある範囲で変更することができることについても、第一実施例と同等である。同様に、このほかにも制御関数についてはさまざまな形態の関数を設定することが可能であり、これらによっても同様に本発明を実施することができる。
【0022】
つぎに作動スイッチ7について説明する。作動スイッチ7は運転者の操作によりオン・オフされるスイッチである。その開閉状態は制御回路3に取り込まれる。この作動スイッチ7は一例として、操舵輪の近傍に配置するスイッチである。この作動スイッチ7の操作端は運転者の手指により操作される。これは上で説明した第一の制御関数 f1 (x) から第二の制御関数 f2 (x) に切り替わることに運転者が同意しているときに運転者の操作によりオン状態に操作される。すなわちこの作動スイッチ7を設けることにより、運転者が意識しないうちに制御関数が第二の制御関数に変更されているという不都合がなくなる。
【0023】
この作動スイッチ7はいったんオン状態になると、制御回路3の内部フラグがオン状態となり、作動スイッチ7そのものはオフ状態に復帰してもその内部フラグのオン状態は維持される。そして、上で説明したようにアクセルペダルの変位がx2を下回る状態になったときに、この内部フラグは自動的にオフ状態に復帰するよう構成することがよい。したがって、この作動スイッチ7のハードウエアについても、これが運転者の手指により操作されるスイッチとするときには、手指を離したときにスイッチ回路が自動的に復帰する押ボタン形スイッチにより構成することがよい。
【0024】
この作動スイッチ7は、別の構成例として、運転者のキックダウン操作によりオン状態となるスイッチを利用することができる。すなわち、運転者がその右足の操作により、アクセルペダルをそのストロークがほとんど零変位の位置まで戻し、その後ただちにアクセルペダルをその最大踏み込み位置近くまで踏み込む操作を行うと、作動スイッチ7がその操作に連動してオン状態になるように構成される。このようなキックダウン操作により動作モードを転換させるスイッチは、自動変速装置のギヤダウン操作などに広く利用され、その構成および動作原理は広く知られているから、ここではその詳しい説明は省略する。この場合にも、制御回路3に内部フラグを設け、アクセルペダルの変位が上で説明したx2を下回る状態になったときに、この内部フラグを自動的にオフ状態に復帰するように構成される。
【0025】
このように作動スイッチを利用して、運転者の意志表示を行う構成では、作動スイッチがオン状態にあること、あるいは上記説明の内部フラグがオン状態にあることを運転席の表示パネルに光学的に表示する構成とすることがよい。
【0026】
図4に上記動作をプログラム制御回路の動作フローチャートにより示す。この動作フローチャートは上記第一実施例および第二実施例に共通であるとともに、作動スイッチ7についてもその形態にかかわらず共通である。
【0027】
上記説明では車速の最大制限値Vmax を法定の最高速度に等しく設定するように説明したが、これは必ずしも法定の最高速度に等しくなくともよい。実用的には、最大制限値Vmax は法定の最高速度を基準にして、マイナス側にあるいはプラス側にある幅を設けて、その幅の範囲内に適宜設定することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明により、車速が最大制限値の状態で運転を継続しても、運転者はアクセルペダルを前後に動かすことができるから、疲労を少なくすることができる。また、本発明の装置では、車速を減速するときには特別な操作をする必要がなく、単にアクセルペダルの踏み込み量を小さくすることにより、通常の運転状態を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置のハードウエアのブロック構成図。
【図2】本発明第一実施例装置の制御関数を説明する図。
【図3】本発明第二実施例装置の制御関数を説明する図。
【図4】本発明実施例制御回路の要部動作フローチャート。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 燃料噴射ポンプ
3 制御回路
4 アクセルペダル
5 車速センサ
6 ペロペラ軸
7 作動スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の車速制御に利用する。本発明は、アクセルペダルの踏み込み量に対応して内燃機関に供給する燃料流量を調節制御する装置の改良に関する。本発明は、ディーゼル機関のインジェクションポンプ、またはガソリン機関のキャブレタをプログラム制御回路により制御する装置に関する。本発明は、とくに車速が最大制限値(Vmax )を越えないように設計される燃料流量制御装置の制御パターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
アクセルペダルの機械的な踏み込み量を電気信号に変換し、この電気信号および車速情報その他の入力情報により、プログラム制御回路を利用して内燃機関に供給する燃料流量を制御する装置(エンジンECU)が広く普及した。この装置を利用することにより、運転者の意思を表すアクセルペダルの操作に対して、その時点の車速、クラッチの状態およびギヤ位置などの情報に応じて、エンジン回転速度を適正に調節制御することができる。
【0003】
一方、とくに大型車両について、車速が法令により定められた最大制限値を越えて走行することがないように、車両装置に車速制限規制が施されることになった。これは、車速が最大制限値(例:90km/h)に達すると、運転者がアクセルペダルを踏み込んでもそれを越える車速にならないように規制する装置である。このための多くの装置では、車速が最大制限値に達すると、その位置でアクセルペダルに機械的なストッパが作用し、アクセルペダルをそれ以上深く踏み込むことができないように構成されることになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者は、このような車速を規制するための装置についてさまざまな試験を行った。その中で、車速が最大制限値に達するとアクセルペダルに機械的なストッパが作用する装置では、運転者にとっては長時間にわたり、ストッパに当たっている状態のアクセルペダルを踏みつづけることになる。これは、自由にアクセルペダルを前後させながら運転を続ける場合に比べて、右足の疲労が大きくなることがわかった。
【0005】
これに対応するためには、クルーズ・コントローラ(定速走行装置)を利用することができる。すなわち、車速が最大制限値に達したときに操作によりクルーズ・コントローラを起動させると、運転者はアクセルペダルから足を離しても運転を継続することが可能になる。しかし、職業的な運転者および多数の運転者を管理する運転管理者の中には、クルーズ・コントローラを利用する長時間の走行は、注意力が散漫になることがあるとして、クルーズ・コントローラを利用しない、あるいは利用をすすめない場合がある。このようなユーザに対してはクルーズ・コントローラを装備しない車両が提供されている。
【0006】
本発明はこのような背景に行われたものであって、運転者の疲労を少なくすることができる燃料流量制御装置を提供することを目的とする。本発明は、車速が最大制限値に達した後に、アクセルペダルをある範囲で前後に動かしても車速が最大制限値に維持されるように設定された制御装置を提供することを目的とする。本発明は、減速するときには特別の操作をすることなく、単にアクセルペダルの踏み込み量を小さくすることにより、運転を継続することができる制御装置を提供することを目的とする。本発明は、クルーズコントローラを装備していない車両で、アクセルペダルを踏みつづけながら、最大制限値の車速で走行を続けることができる装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、運転者が車両を加速させ、アクセルペダルを踏み込んだ状態で、その車速が最大制限値(Vmax 、例:90km/h)に達した後に、短い時間(t1 )にわたりその車速が維持されたときに、アクセルペダルの機械的なストロークに対する燃料供給量の制御関数を自動的に転換して、アクセルペダルを多少踏み込み方向にあるいは解放方向に操作しても、車速が最大制限値に維持されるように構成することを最大の特徴とする。さらに、本発明はアクセルペダルのストロークを相応に小さくしたときには、転換した制御関数を元の制御関数に戻して、アクセルペダルにより車速調節ができるように構成される。
【0008】
すなわち本発明は、アクセルペダルのストローク(x)に対応する電気信号および車速(v)を含むパラメタを入力として第一の制御関数(f1 (x))により演算された出力信号
y=f1 (x)
を発生する手段と、この出力信号により内燃機関に供給する燃料流量を調節する手段とを備えた燃料流量制御装置において、
【0009】
前記出力信号(y)を発生する手段は、アクセルペダルのストローク(x)が第一の所定値(x1 )より大きく(x>x1 )、かつ車速が最大制限値以上にある状態(v≧Vmax )が第一の所定時間(t1 )にわたり継続した時点から、アクセルペダルの踏み込み量が前記第一の所定値(x1 )より小さい第二の所定値(x2 )になる状態(x2 <x1 )が第二の所定時間(t2 )にわたり継続するまで、前記第一の制御関数に代えて第二の制御関数(f2 (x))を利用して出力信号
y=f2 (x)
を発生する手段を含むことを特徴とする。
【0010】
さらに、前記第二の制御関数(f2 (x))は、アクセルペダルのストロークが前記第二の所定値(x2 )を越え前記第一の所定値の間に設定された第三の所定値(x3 、x2 <x3 <x2 )からアクセルペダルのストロークが最大値に至るまでの範囲(x3 <x<xmax )にあるとき車速をほぼ最大制限値に維持する(v≒Vmax )ように設定することができる。
【0011】
上記括弧内の記号は、後から説明する実施例図面の記号である。この記号を実施例図面と対応させてゆくと構成を理解しやすい。これは発明の内容を理解しやすいように付すものであって、発明の構成を実施例に限定して理解するためのものではない。
【0012】
この構成により、車速が最大制限値に達したあと短い時間の経過後に、運転者はアクセルペダルを深く踏み込んだ状態で、アクセルペダルを多少前後させても、車速は最大制限値を維持するように制御される。そして、運転者がアクセルペダルのストロークを小さくすると、その状態は解除されて通常のアクセルペダルの制御状態に復帰する。
【0013】
運転者の意志により操作される作動スイッチを設け、この作動スイッチにより運転者の意志が表示されていない状態では、前記第一の制御関数に代えて第二の制御関数を利用して出力信号を発生する手段の作動を禁止する手段を含む構成とすることができる。この構成により、運転者が意識しない状態で、アクセルペダルのストロークに対応する制御関数が転換してしまう状態を回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施例図面を用いて詳しく説明する。図1は本発明実施例装置のハードウエア・ブロック構成図である。この例は本発明をディーゼル機関に実施したものである。内燃機関1には燃料噴射ポンプ2を備える。この燃料噴射ポンプ2の燃料流量は、制御回路3の出力信号yにより制御される。この制御回路3はプログラム演算回路および入出力インターフェースを含む。この制御回路3の入力情報は、アクセルペダル4のストロークxを表す信号、車速センサ5の出力に得られる車速vを表す信号、内燃機関の回転速度情報ωe、およびクラッチの出力側回転速度情報ωcその他である。車速vを表す信号は、具体的にはこの信号はプロペラ軸6の回転にしたがって得られるパルス信号である。
【0015】
制御回路3は、これらの入力情報にしたがって出力信号yを発生する。いまこれらの入力情報のうち、とくにアクセルペダル4のストロークxを表す信号(および車速vを表す信号)は、本発明の制御に関係の深い入力信号であり、出力信号yを演算するための制御関数を
y=f(x)
と表すことにする。
【0016】
図2に示す例によりこの制御関数を説明する。図2は本発明第一実施例の制御関数を示す。横軸にアクセルペダルのストロークxをとり、縦軸に出力信号y、すなわち上記制御関数の演算結果である。この出力信号yにより燃料通路の開度が制御される。
【0017】
内燃機関1が停止し、運転が行われていない状態では、x=0、y=0である。内燃機関1が起動したときには、制御回路3で第一の制御関数
y=f1 (x)
が有効な状態になる。この第一の制御関数は、図2に細い直線で表示する関数であり、アクセルペダルのストロークxが零から大きくなるにしたがいほぼ直線的に大きくなる。車両が発進し加速され、さらにアクセルペダルが踏み込まれると、ストロークx1 (第一の所定値)で、車速vが法令に定められた最大制限値Vmax(例:90km/h)に達したものとする。この状態からさらにアクセルペダルを踏み込んでも、燃料供給量は車速vがこの最大制限値Vmaxを維持するように推移する。そしてアクセルペダルの機械的な限界値xmax に設けられたストッパに当接して、それより深く踏み込むことはできなくなる。
【0018】
ここで本発明の特徴ある動作として、車速vが最大制限値Vmaxに達し、時間t1 (第一の所定時間、例:0.5〜2秒ていどに設定される)にわたり維持されると、制御回路3の制御関数は自動的に第二の制御関数
y=f2 (x)
に変更される。図2にはこの第二の制御関数を太い実線で示す。この第二の制御関数は、アクセルペダルのストロークが前記第二の所定値x2 を越え、前記第一の所定値x1 との間に設定された第三の所定値x3 (x2 <x3 <x2 )からアクセルペダルのストロークが最大値に至るまでの範囲(x3 <x<xmax)にあるとき、車速をほぼ最大制限値に維持する(v≒Vmax )ように設定されている。すなわち、運転者はアクセルペダルのストロークをx1 の位置から前後に変化させても、ストロークx3 から最大ストロークxmax までの間は、車速が最大制限値Vmaxに維持されるように制御される。
【0019】
この状態から運転者がアクセルペダルのストロークを小さくしてゆくと、第三の所定値x3 からはアクセルペダルのストロークを小さくすると車速が小さくなる。さらにアクセルペダルのストロークを小さくし、第二の所定値x2 に達して第二の所定時間t2 (例:0〜1秒)が経過すると、制御回路3の制御関数は第二の制御関数から第一の制御関数に自動的に転換する。この後はこの第一の制御関数にしたがって燃料流量が制御される。
【0020】
このように構成された装置では、運転者は車速vが最大制限値Vmaxになった状態で運転を継続しているときには、アクセルペダルをある範囲で、図2に示す例ではx3 からxmax の範囲で前後に動かしても、車速はそのまま最大制限値で走行をつづけることになる。したがって、アクセルペダルが機械的なストッパに当たった状態で、アクセルペダルを長く踏みつづけるようなことはなくなる。そして、車速を減速する必要があるときには、たんにアクセルペダルのストロークを小さくなる方向にやや多めに戻すことにより、自動的に通常のアクセルペダルの制御状態に復帰する。
【0021】
図3に本発明の制御関数についての第二実施例を示す。この例は、図に太い実線で示す第二の制御関数について、その勾配を有する部分が座標の原点を起点とする勾配ではなく、オフセットのある勾配になっているところが相違する。はじめに設定された第一の制御関数f1 (x)から第二の制御関数f2 (x)に転換される動作、およびアクセルペダルのストロークがx2 まで戻されたときに、第二の制御関数が第一の制御関数に戻る動作は上記第一実施例と同等である。また運転者が車速の最大制限値で運転を継続するときに、アクセルペダルのストロークをある範囲で変更することができることについても、第一実施例と同等である。同様に、このほかにも制御関数についてはさまざまな形態の関数を設定することが可能であり、これらによっても同様に本発明を実施することができる。
【0022】
つぎに作動スイッチ7について説明する。作動スイッチ7は運転者の操作によりオン・オフされるスイッチである。その開閉状態は制御回路3に取り込まれる。この作動スイッチ7は一例として、操舵輪の近傍に配置するスイッチである。この作動スイッチ7の操作端は運転者の手指により操作される。これは上で説明した第一の制御関数 f1 (x) から第二の制御関数 f2 (x) に切り替わることに運転者が同意しているときに運転者の操作によりオン状態に操作される。すなわちこの作動スイッチ7を設けることにより、運転者が意識しないうちに制御関数が第二の制御関数に変更されているという不都合がなくなる。
【0023】
この作動スイッチ7はいったんオン状態になると、制御回路3の内部フラグがオン状態となり、作動スイッチ7そのものはオフ状態に復帰してもその内部フラグのオン状態は維持される。そして、上で説明したようにアクセルペダルの変位がx2を下回る状態になったときに、この内部フラグは自動的にオフ状態に復帰するよう構成することがよい。したがって、この作動スイッチ7のハードウエアについても、これが運転者の手指により操作されるスイッチとするときには、手指を離したときにスイッチ回路が自動的に復帰する押ボタン形スイッチにより構成することがよい。
【0024】
この作動スイッチ7は、別の構成例として、運転者のキックダウン操作によりオン状態となるスイッチを利用することができる。すなわち、運転者がその右足の操作により、アクセルペダルをそのストロークがほとんど零変位の位置まで戻し、その後ただちにアクセルペダルをその最大踏み込み位置近くまで踏み込む操作を行うと、作動スイッチ7がその操作に連動してオン状態になるように構成される。このようなキックダウン操作により動作モードを転換させるスイッチは、自動変速装置のギヤダウン操作などに広く利用され、その構成および動作原理は広く知られているから、ここではその詳しい説明は省略する。この場合にも、制御回路3に内部フラグを設け、アクセルペダルの変位が上で説明したx2を下回る状態になったときに、この内部フラグを自動的にオフ状態に復帰するように構成される。
【0025】
このように作動スイッチを利用して、運転者の意志表示を行う構成では、作動スイッチがオン状態にあること、あるいは上記説明の内部フラグがオン状態にあることを運転席の表示パネルに光学的に表示する構成とすることがよい。
【0026】
図4に上記動作をプログラム制御回路の動作フローチャートにより示す。この動作フローチャートは上記第一実施例および第二実施例に共通であるとともに、作動スイッチ7についてもその形態にかかわらず共通である。
【0027】
上記説明では車速の最大制限値Vmax を法定の最高速度に等しく設定するように説明したが、これは必ずしも法定の最高速度に等しくなくともよい。実用的には、最大制限値Vmax は法定の最高速度を基準にして、マイナス側にあるいはプラス側にある幅を設けて、その幅の範囲内に適宜設定することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明により、車速が最大制限値の状態で運転を継続しても、運転者はアクセルペダルを前後に動かすことができるから、疲労を少なくすることができる。また、本発明の装置では、車速を減速するときには特別な操作をする必要がなく、単にアクセルペダルの踏み込み量を小さくすることにより、通常の運転状態を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置のハードウエアのブロック構成図。
【図2】本発明第一実施例装置の制御関数を説明する図。
【図3】本発明第二実施例装置の制御関数を説明する図。
【図4】本発明実施例制御回路の要部動作フローチャート。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 燃料噴射ポンプ
3 制御回路
4 アクセルペダル
5 車速センサ
6 ペロペラ軸
7 作動スイッチ
Claims (3)
- アクセルペダルのストローク(x)に対応する電気信号および車速(v)を含むパラメタを入力として第一の制御関数(f1 (x))により演算された出力信号(y)を発生する手段と、この出力信号により内燃機関に供給する燃料流量を調節する手段とを備えた燃料流量制御装置において、
前記出力信号(y)を発生する手段は、アクセルペダルのストローク(x)が第一の所定値(x1 )より大きく(x>x1 )、かつ車速が最大制限値以上にある状態(v≧Vmax)が第一の所定時間(t1 )にわたり継続した時点から、アクセルペダルの踏み込み量が前記第一の所定値(x1 )より小さい第二の所定値(x2)になる状態(x2 <x1 )が第二の所定時間(t2 )にわたり継続するまで、前記第一の制御関数に代えて車速をほぼ最大制限値に維持するように設定された第二の制御関数(f2(x))を利用して出力信号(y)を発生する手段を含むことを特徴とする燃料流量制御装置。 - 前記第二の制御関数(f2 (x))は、アクセルペダルのストロークが前記第二の所定値を越え前記第一の所定値の間に設定された第三の所定値(x3 、x2 <x3 <x2 )からアクセルペダルのストロークが最大値に至るまでの範囲(x3 <x<xmax )にあるとき車速をほぼ最大制限値に維持する(v≒Vmax )ように設定された請求項1記載の燃料流量制御装置。
- 運転者の意志により操作される作動スイッチを設け、この作動スイッチにより運転者の意志が表示されていない状態では、前記第一の制御関数に代えて第二の制御関数を利用して出力信号を発生する手段の作動を禁止する手段を含む請求項1または2記載の燃料流量制御装置。
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