JP3752180B2 - アイドルストップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のエンジン制御に利用する。本発明は、運転中の車両が停車したことを含む一定の条件下で、エンジンを自動的に停止させるためのアイドルストップ制御に関する。本発明は、半自動変速装備された車両におけるアイドルストップの制御論理、およびアイドルストップにより停止中のエンジンを自動的に起動させる制御論理の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンからの排気ガスを減少させるとともに、騒音を低減するなど環境保全のために、自動車が停車してエンジンがアイドリング状態になったときに、自動的にエンジンの回転を停止させるアイドルストップ装置が多数の車両に装備されるようになった。とくに、バスやトラックなどの大型車両については、アイドルストップ装置を装備することを求める社会的な要望が大きい。
【0003】
アイドルストップ装置は、走行状態にある車両が停車し変速装置がニュートラルになりクラッチペダルが放れるとエンジン回転速度がアイドリング速度になるなどを電気的に検出し、運転操作がなくとも自動的にエンジンの回転を停止させる制御手段が設けられた装置である。そして、この制御手段により自動的にエンジンの回転を停止した状態にあるとき、クラッチ・ペダルが踏まれるなどの条件にしたがって、運転者がエンジンの始動スイッチの操作を行わなくとも、自動的にエンジンを再始動するように制御される。このようなエンジンを自動的に停止する、あるいは再始動するように制御する装置は、停留所ごとに停止および走行をひんぱんに繰り返すことになる市内バスなどに広く利用されるようになった。
【0004】
このようなアイドルストップ装置については、たとえば本願出願人による特許出願に係る特開平11−141367号公報にくわしい説明がある。
【0005】
いっぽう半自動変速装置が多くの大型車両に搭載されるようになった。ここでいう半自動変速装置とは、車両を発進させるときにはクラッチ・ペダルを利用するが、発進させた後のギヤの選択変更は運転者がそのつどクラッチ・ペダルを踏むことなく、自動的な制御により実行される装置である。半自動変速装置を装備した車両では、車両を発進させるときには運転者はクラッチ・ペダルを踏み、シフトレバーをDレンジ(ドライブ位置)に入れる。ついでアクセル・ペダルを踏み込みながら、クラッチ・ペダルのストロークを緩やかに戻してゆくように操作を行う。このとき半自動変速装置は車速情報にしたがって、車速が零であるときには、自動的に変速比の大きい発進ギヤ(ローギヤ)を選択し設定する。車両が発進すると、運転者が操作するアクセル・ペダルの操作量情報および車速情報を取り込み、運転者がそのつどクラッチ・ペダルおよびシフトレバーを操作しなくとも、半自動変速装置が車速およびアクセル・ペダルの操作量に応じて、クラッチを切断し、適正な変速比のギヤを選択設定し、ついでクラッチを接続する動作を自動的に実行する。そして、半自動変速装置を装備した車両では、シフトレバーがDレンジ(ドライブ位置)にあり走行している状態から、ブレーキが踏まれて停車し、エンジン回転速度が所定値以下になると、エンジンが停止しないように自動的にクラッチを切断するように制御が行われる。
【0006】
この装置は、発進のためのクラッチ操作もすべて自動的に行われる全自動形の変速装置にくらべると、発進時に使用される燃料消費量が小さくなる利点がある。また半自動変速装置を装備した車両では、運転者は走行中のギヤシフトに気をつかわなくてよいから、運転者の疲労が小さくなる利点がある。多くの大型車両は職業的な運転者により運転されので、発進時のクラッチ操作をわずらわしいと感じる運転者は少ない。むしろ、発進時に運転者の意思にしたがって、機械的なクラッチ操作によりこまかい速度制御ができる半自動変速装置は多くのユーザに好評であり、トラックやバスなどの大型車両に急速に普及するようになった。そして、このような半自動変速装置を装備した車両にも、上記説明のアイドルストップ装置が利用されることになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなアイドルストップ装置は、環境保全のために、あるいは燃料消費量を少なくするために、停車中はなるべくエンジン回転を停止するように設定することが望ましい。しかし、運転者がエンジン回転を停止させることを望まない状況下にあるときに、所定の条件が成立したからとして、エンジン回転が自動的に停止してしまうことは快適な運転を行う上で不都合であるし、運転操作のうえで違和感を伴うことになる。
【0008】
たとえば、シフトレバーがDレンジにある状態で、車両を停止させた位置が停留所であるなら、ここでアイドルストップ装置が自動的に作動して、乗客が乗り降りする間はエンジンが停止していることは何ら問題はない。しかしその停車させた位置が渋滞中の道路上であり、先行車両が停止したためにごく一時的に停車し、運転者はそのすぐ後に車両を発進させるつもりであるときには、そのつどエンジン回転が停止することは不便であり、これは運転操作のうえでの違和感になる。すなわち、従来のアイドルストップ装置は、そのエンジン回転を停止させる条件が、かならずしも運転者の意思を適正に反映するようにはなっていない。
【0009】
アイドルストップ装置には、その電源電流を遮断して、その動作を停止させるための電源スイッチが設けられている。多くの設計では、このスイッチは運転席の前方ウンイドシールドの上方、バックミラーの近傍に設けられている。運転者の意思によりアイドルストップ装置の作動を禁止するには、この電源スイッチをオフに操作すればよいことになるが、運転中にひんぱんにこのスイッチを操作することはわずらわしいことである。またこれは走行中の前方不注意の原因にもなる。さらに、いったんその電源スイッチをオフ状態にしてから再度オン状態に操作すると、プログラム制御回路が立ち上がるまでに数秒程度の時間が必要である。したがって、渋滞中の路面でこの電源スイッチを操作してアイドルストップ装置の動作を停止させると、運転者は以降再起動の操作を行うことを怠り、長い時間にわたりアイドルストップ装置が使われないことにもなってしまう。また最近は、アイドルストップ装置の電源スイッチを運転者がひんぱんに操作しないように、運行管理者が保管する鍵によりこれを操作するようにして運用されている例もある。このような場合には、走行中に運転者が、その意思によりアイドルストップ装置の電源スイッチを切ることは事実上できないことになる。
【0010】
本発明はこのような背景に行われたものであって、運転者の意思を反映させることができるアイドルストップ装置を提供することを目的とする。とくに、走行中の車両が停車した直後のアイドルストップ動作について、アイドルストップを実行するか実行しないかをそのつど、運転者の意思にしたがって適正に反映し、しかも、通常の運転操作の中できわめて簡単な操作により、作動または非作動を選択することができる装置を提供することを目的とする。本発明は、通常の運転操作の流れの中でアイドルストップ制御によるエンジンの回転停止およびその再始動が、運転者にとって違和感をいだく原因にならないアイドルストップ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、走行中の車両が減速されたとき、車速が零になる前に半自動変速装置が作動してクラッチを自動的に切断するように制御するが、このときシフトレバーがNレンジ(ニュートラル位置)にあるなら、アイドルストップ制御を所定のプロセスにしたがって実行するが、このときシフトレバーがDレンジ(ドライブ位置)にあるなら(正確にはNレンジ以外にあるなら)、アイドルストップ制御をただちに実行することがないように構成することを最大の特徴とする。
【0012】
たとえば車両を停止させる位置が停留所の位置であるなら、運転者は車両を停止させるときにシフトレバーをNレンジに操作すればよい。このときには所定のプロセスにしたがってアイドルストップ制御が実行される。停車位置が、たとえば渋滞中の路面でありきわめて短い時間の停車の後に発進させる見込みであるときには、運転者はシフトレバーをDレンジにしたままブレーキを踏んで停車させればよい。このときにはアイドルストップ制御がただちに実行されることはない。上記説明のように電源スイッチを操作することはわずらわしいが、シフトレバーの操作は通常の運転操作の流れの中で簡単かつ自然な操作であり、シフトレバーをDレンジにするか、Nレンジにするかにより、運転者の意思表示を行うことはきわめて合理的な操作である。そしてこのような構成により、運転操作の中での違和感を除くことができる。
【0013】
すなわち本発明は、シフトレバーがD(ドライブ)レンジにあるとき車両が停止すると自動的にクラッチを切断するように制御する手段を含む半自動変速装置が装備された車両のアイドルストップ装置であって、少なくも
(1)車両が停車している、
(2)エンジンの回転速度がアイドリング速度にある、
(3)シフトレバーがN(ニュートラル)レンジにある、
(4)クラッチ・ペダルが解放されている
なる四つの条件が同時に成立するときにエンジン停止の運転操作がなくとも、その条件が成立したあとt秒後に、エンジンの回転を自動的に停止させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記条件の(3)は、変速装置本体のハードウェアがニュートラル位置にあるのではなく、シフトレバーがNレンジにあることを条件とするものである。変速装置本体のハードウェアがニュートラル位置にある、あるいはシフトレバーがDレンジにある状態で、上記説明のようにアイドルストップ制御が実行される装置は知られている。しかし、シフトレバーがNレンジにあることを条件とする構成、すなわちシフトレバーがDレンジにあるときにはアイドルストップ制御が実行されない装置は、出願人が調べたかぎりこれまでに知られていない。
【0015】
上記時間t秒と、数秒以下の短い時間を設定することができる。この時間t秒は零でもよい。すなわち上記条件が成立したときにただちにエンジン回転を停止させるように制御するように構成することもできる。この時間t秒が経過する間に、上記条件が成立しなくなったときには、エンジン回転の停止制御をとりやめることもできるし、いったん上記条件が成立したあとは、時間t秒の経過の後に自動的にエンジン回転を停止するように制御することもできる。
【0016】
少なくも上記四つの条件が同時に成立するとして説明したが、これはエンジンの回転を自動的に停止させるための条件をこの四つの条件に限るという意味ではない。上記四つの条件に、このほかの条件を加えて本発明を実施することができる。その加えることができる条件の一つは、
(5)パーキングブレーキが制動状態にある
ことである。このほかにも、従来装置でもさまざまに実施されているように、バッテリの状態が再始動を実行するために十分な状態にあることを条件として加えることができる。また、エンジン冷却水の温度が十分に高いことを条件として加えることができる。さらにブレーキ用および各種制御用の空気圧が十分に高いこと、ターボ装置の温度が十分に低いこと、エンジン系および変速装置まわりに警報信号が発生していないこと、その他についても、アイドルストップ制御を実行するための条件として上記条件(1)ないし(4)に加えて設計することができる。
【0017】
さらに本発明は、上記のように説明した条件によりエンジンの回転を停止させた状態にあるとき、前記制御手段は、
(6)変速装置がニュートラルの状態にある、
(7)クラッチ・ペダルが所定より深く踏まれた
なる条件が同時に成立するときに、エンジン始動の運転操作がなくともエンジンを自動的に始動させる手段を含む構成とすることができる。この条件(6)について説明すると、この場合にはシフトレバーの位置ではなく、変速装置本体のハードウェアがニュートラルの状態にあることを条件とするものである。すなわちエンジンを再始動させる条件としては、上で説明したアイドルストップ制御によりエンジン回転を停止させる場合の条件とは異なり、シフトレバーがNレンジにあるということではなく、変速装置本体のハードウェアがニュートラルの状態にあるということを意味する。これは、エンジンを再始動させるときに、かりにシフトレバーがNレンジになっていても、変速装置がハードウェアとしてニュートラルの状態にない場合には、エンジンを自動的に始動させないことが安全のために望ましいからである。
【0018】
また、上記条件(6)がシフトレバーがNレンジにあるということでなく、変速装置本体がニュートラルの状態にあるとすることにより、運転操作の上での違和感をなくすることができる。これを説明すると、アイドルストップ装置の制御によりエンジンが回転を停止している状態で、運転者がクラッチ・ペダルを踏みながら、クラッチ・ペダルが深く踏み込まれるわずかに前に、シフトレバーをDレンジに投入した場合を考える。このような操作は通常の運転操作の流れの中で正常な操作である。このとき、上記条件(6)がシフトレバーがNレンジにあるということにするなら、エンジン再始動が禁止されてしまうことになる。これは運転者にとって「どうして再始動しないのか」という違和感になる。しかし上記条件(6)が変速装置本体がニュートラル位置にあるとすることにより、シフトレバーの操作から変速装置の機械動作によりニュートラル位置を離脱するまでのごく短い時間遅れの期間に条件が成立して、エンジンが円滑に再始動することができることになる。この場合には運転者は無用な違和感をいだくことはなくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図面を利用して本発明実施例装置についてさらに詳しく説明する。図1は本発明実施例装置について制御系とハードウェアとの関係を表示する構成図である。図2は本発明実施例装置のアイドルストップECUまわりの電気系について、さらに条件を加えた状態のブロック構成図である。
【0020】
図1を参照して、はじめに半自動変速装置とアイドルストップ制御装置との関連を説明する。エンジン1の回転出力は、クラッチ2を介して、変速装置3を経由し、プロペラ軸4に伝達される。本発明の装置は、このクラッチ2および変速装置3を制御するために半自動変速装置が利用されている。運転者による運転操作は、アクセル・ペダル5、ブレーキ・ペダル6、クラッチ・ペダル7、パーキング・ブレーキ・レバー8、およびシフトレバー9から入力される。操舵系の操作については、本発明と直接関係がないので図面上の記載および説明を省略する。
【0021】
半自動変速装置は、プログラム制御回路である半自動変速装置ECU10により制御される。プログラム制御回路は、半導体チップおよびその周辺ハードウェアと、その半導体チップにインストールされたソフトウェアとにより構成される。半自動変速装置ECU10は、本発明の特徴であるアイドルストップECU11と、エンジン1の燃料噴射ポンプ14を制御するエンジンECU12とに通信ライン13により連結され、相互に情報を交換することができるように構成される。アイドルストップECU11およびエンジンECU2もプログラム制御回路である。
【0022】
半自動変速装置ECU10には、アクセル・ペダル5の操作情報、クラッチ・ペダル7の操作情報、シフトレバー9の位置情報、および車速センサ15からの車速情報が入力する。そして半自動変速装置ECU10の制御出力は、クラッチアクチュエータ17に供給する空気圧を制御するエアバルブ18、変速装置アクチュエータ19を制御するエアバルブ20、および変速装置3がニュートラル状態にあることを示すニュートラルリレー16に供給される。アイドルストップECU11には、クラッチ・ペダル7の操作情報、パーキング・ブレーキ・レバー8の操作情報、シフトレバー9の操作情報、ニュートラルリレー16の状態情報、および車速センサ15からの車速情報が入力し、その制御出力は、通信ライン13を介して半自動変速装置ECU10およびエンジンECU12に供給されるとともに、エンジン1のスタータリレー21に供給される。エンジンECU12は、エンジン1の状態を制御する制御装置であり、アクセル・ペダル5の操作情報、およびエンジン回転センサ22の回転情報を入力とし、燃料噴射ポンプ14に制御出力を供給する。
【0023】
このように構成された装置での、車両発進走行動作について説明すると、車両が停止状態にあるとき、運転者はクラッチ・ペダル7を深く踏み込み機械的にクラッチを切り、シフトレバー9をDレンジ(ドライブ位置)に投入すると、半自動変速装置ECU10は、エアバルブ20を制御して変速装置アクチュエータ19に空気圧を送り、変速装置3を発進ギヤに設定する。ついでアクセル・ペダル5が踏み込まれると、エンジンECU12は燃料噴射ポンプ14を制御して、エンジン1の回転速度を上昇させる。運転者の操作により、クラッチ・ペダル7のストロークが緩やかに戻されるに応じて、クラッチ2を緩やかに接続させ車両を発進させる。クラッチ2が接続状態になると、そのあとはアクセル・ペダル5の操作情報にしたがって、エアバルブ18および20を制御して、クラッチ2を切断しては変速装置3のギヤを切替え設定し、クラッチ2を接続させる動作を繰り返し自動的に実行する。すなわち、運転者は発進時にはクラッチ・ペダル7を操作するが、その後はクラッチ・ペダル7もシフトレバー9も操作する必要がなく、アクセル・ペダル5の操作にしたがって、クラッチ2が切断接続され変速装置3のギヤは自動的に最適なものが選択設定されてゆく。
【0024】
つぎに本発明の特徴である車両停止に伴うエンジンの回転停止について説明する。運転者が、ブレーキ・ペダル6を踏み車速を減速させてゆくと、半自動変速装置ECU10は、エンジン1の回転が停止する直前にクラッチ2を切断状態に制御する。そしてこのとき、車速が零になり、シフトレバー9がNレンジ(ニュートラル位置)に操作されることになると、上で説明した条件
(1)車両が停車している、
(2)エンジンの回転速度がアイドリング速度にある、
(3)シフトレバーがNレンジにある、
(4)クラッチ・ペダルが解放されている、
(5)パーキングブレーキが制動状態にある
がすべて同時に成立したときからt秒後に、アイドルストップECU11は通信ライン13から、エンジンECU12にエンジン停止要求信号を送出する。エンジンECU12は、燃料噴射ポンプ14の燃料供給を遮断しエンジン1は回転を停止する。t秒は一例として0.5秒から2秒の間に設定される。
【0025】
つぎに、アイドルストップ制御によりエンジン回転が停止している状態から、自動的にエンジンを再始動させる制御について説明する。再始動は原則的に
(6)変速装置がニュートラルの状態にある、
(7)クラッチ・ペダルが所定より深く踏まれた
なる条件が同時に成立するときに自動的に実行される。この条件(6)がシフトレバー9がNレンジにあることではなく、変速装置本体のハードウェアがニュートラルの状態にあることが再始動の条件であることは上で説明したとおりである。運転操作としては、クラッチ・ペダル7を深く踏み込むことによりエンジンは再始動する。
【0026】
ここで本発明の特徴について繰り返して説明すると、本発明の装置では、上記条件(3)で説明したように、シフトレバー9がNレンジにあることをアイドルストップ制御の条件とする。これは変速装置本体がニュートラル位置にあるのではなく、シフトレバー9がNレンジに操作されているということである。したがって、運転者は車両を停止させる位置がたとえば停留所であり、乗客が乗り降りする間はエンジンを停止させておいてもよい、と考えるときには、シフトレバー9をNレンジに設定する。そうするとアイドルストップ制御が作動してエンジン回転は停止する。しかし、車両を停止させようとしている位置が、たとえば渋滞中の路面であり、停止後にもすぐに発進する見込みであるような場合には、シフトレバー9をDレンジにしたままブレーキ・ペダル6を踏んで停車させる。このときにはアイドルストップECUは制御を起動させないから、車両が停止してもエンジン回転が自動的に停止することはない。シフトレバー9の操作による運転者の意思表示または意思入力は、電源スイッチをオフに操作するなどの動作とは異なり、きわめて通常的な運転操作である。シフトレバー9は、運転中には運転者が左手(左ハンドルでは右手)で通常的に操作するものである。本発明の装置では、この通常的な操作により運転者の意思を的確に入力することができることになる。また、シフトレバー9をDレンジにおいたまま停車させることは、きわめて一時的な停車を行い停車後にもすぐに発進するとの感覚的にも一致するから、運転者がこの操作を誤解するまたはこの操作により現象を混乱することがない。
【0027】
図2には、本発明実施例に係るアイドルストップECU11を中心に、さらに詳しくその電気信号の接続状態をブロック構成図により示す。図1に示す参照数字と共通するものには同一の参照数字を表示する。図2に示す構成は、現実の装置でさらに安全なかつ合理的な動作を実行することができるように、上記条件(1)ないし(5)で説明した原理的な条件のほかに、アイドルストップ制御を実行するための条件を追加した構成である。すなわち、エア圧スイッチが正常であることの情報、エア回路に失陥が発生していないことの情報、バッテリ電圧が正常値を示すことの情報などを取り込み、アイドルストップECU11が、これらの情報が正常でない場合には、アイドルストップ制御を禁止するように構成されている。さらに、制御出力についても、アイドルストップ制御によりエンジン回転が停止したときに、油圧低下ブザーが警報音を発生しないようにキャンセルするための信号、エンジン回転停止中にクーラーの作動を一時的に停止させる信号、客室内の空気循環ブロアについては、アイドルストップ制御によりエンジン回転が停止した後に遅延して作動するように制御するための信号、およびアイドルストップ装置が作動状態にあることを運転席に表示するための信号などが追加されている。図2のダイアグモニタ出力は、保守整備のときに調整用のダイアグモニタを接続するための接続端子であり、通信用信号入出力は、アイドルストップECUを外部のパーソナルコンピュータに接続して、調整または設定を行うためのインターフェースである。
【0028】
運転者の運転操作の観点から、このアイドルストップ制御の動作の流れをつぎの表1にまとめて表示する。
【0029】
【表1】
【発明の効果】
本発明により、運転者の意思を反映させて制御が実行されるアイドルストップ装置が得られる。とくに、走行中の車両が停車した直後のアイドルストップ動作について、アイドルストップを実行するか実行しないかをそのつど、運転者の意思にしたがって、シフトレバーによるきわめて簡単な運転操作の中で選択することができる装置を提供することができる。本発明により、運転者が行う運転操作の流れの中での違和感を除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のブロック構成図。
【図2】本発明実施例装置についてさらに詳しい接続関係を示すブロック構成図。
【符号の説明】
1 エンジン
2 クラッチ
3 変速装置
4 プロペラ軸
5 アクセル・ペダル
6 ブレーキ・ペダル
7 クラッチ・ペダル
8 パーキング・ブレーキ・レバー
9 シフトレバー
10 半自動変速装置ECU
11 アイドルストップECU
12 エンジンECU
13 通信ライン
14 燃料噴射ポンプ
15 車速センサ
16 ニュートラルリレー
17 クラッチアクチュエータ
18 エアバルブ
19 変速装置アクチュエータ
20 エアバルブ
21 スタータリレー
22 エンジン回転センサ
Claims (2)
- シフトレバーがDレンジにあるとき車両が停止すると自動的にクラッチを切断するように制御する手段を含む半自動変速装置が装備された車両のアイドルストップ装置であって、少なくも
(1)車両が停車している、
(2)エンジンの回転速度がアイドリング速度にある、
(3)シフトレバーがNレンジにある、
(4)クラッチ・ペダルが解放されている
なる条件が同時に成立するときに、その条件が成立したあとエンジン停止の運転操作がなくとも、そのt秒後に、エンジンの回転を自動的に停止させ、
エンジンの回転を停止させた状態にあるときは、
(6)変速装置がニュートラルの状態にある、
(7)クラッチ・ペダルが所定より深く踏まれた
なる条件が同時に成立するときにエンジン始動の運転操作がなくともエンジンを自動的に始動させる制御手段を備えたことを特徴とするアイドルストップ装置。 - 前記制御手段は、前記(1)ないし(4)に示す条件に
(5)パーキングブレーキが制動状態にある
ことを加えてエンジンの回転を停止させる条件とする請求項1記載のアイドルストップ装置。
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