JP2004285755A - 布基礎と土台の一体施工方法及びこれに用いる保持装置 - Google Patents

布基礎と土台の一体施工方法及びこれに用いる保持装置 Download PDF

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光一 青木
Takashi Namiki
高 並木
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Abstract

【課題】布基礎へ土台用木材をアンカーボルトの位置ずれなしに正確に固定する。同時に、均質で高い品質の布基礎を得る。
【解決手段】土台用木材2aに貫通孔6を形成し、アンカーボルト5を挿通して吊り下げておく。これを布基礎用の型枠10a,10bの上方に、アンカーボルト5を型枠10a,10bの内側空間に差し込んで設置する。土台用木材2aと、型枠上辺との間にはスペーサーブロック15などを用いて充分な間隙を形成しておく。次いで、型枠の内側空間にコンクリートを打設し、バイブレータの振動片を差し込んで振動を与えて均質化する。硬化によって、布基礎1が実質的に形成されたら、保持装置16で土台用木材2aを保持してから内外型枠10a,10bを外す。そして、保持装置を緩めて土台用木材2aを布基礎1の天端面に下して固定する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布基礎と土台を一体的に施工する方法及びこれに用いる保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
木造住宅では構築した基礎の上に土台を固定し、柱を立設する。最近ではほとんどが布基礎(土間コンクリートを打設したいわゆるベタ基礎を含む)であって、土台は土台用木材をあらかじめ布基礎に固定したアンカーボルトに固定して構成している。
【0003】
土台用木材を布基礎と確実に固定するには、土台用木材を布基礎天端面に載置したとき、土台用木材に形成したアンカーボルト用の貫通孔と布基礎に固定されているアンカーボルトの位置が正確に一致する必要がある。しかし、実際には、布基礎の構築時にアンカーボルトを固定しているので、別途に土台用木材に形成したアンカーボルト用の貫通孔の位置とずれの生じることが多い。このような場合には、布基礎の天端面から突出しているアンカーボルトの上部を無理に曲げるなどしてその場をしのぐことになるが、布基礎に亀裂が入ったり、作業に手間がかかったりで、好ましくない。
【0004】
特に、木材(構造材)に対する孔の形成や仕口加工を工場で済ませ、現場での加工作業を出来るだけ減らそうとする施工では、工場で形成したアンカーボルトの貫通孔と現場でのアンカーボルトの位置が狂っていることは、いずれの側にミスがあるとしても致命的な欠陥となる。極端な場合、現場でアンカーボルトの位置に合わせて土台用木材に孔を追加工することになるが、これでは、土台用木材を無用に傷つけ、現場に加工屑を散乱させ、また、加工に手間がかかるなど、工場加工の意味がまったくなくなる。
【0005】
一方、あらかじめ土台用木材にアンカーボルトを取り付けた状態でそのままアンカーボルトを布基礎中に固定してしまえば、位置ずれの問題は解消する。特開2001−193079号公報(特許文献1)には、土台部材1(土台)にアンカーボルト2の上端部を挿通して固定しておき、アンカーボルト2の下端に支持ブロック3を土台部材1が設計した高さ位置となるように取り付け、基礎部分に対応する地業面に支持ブロック3を載置して、土台部材1で囲まれる部分に、土台部材1の下面の高さまでスラブコンクリートを打設するべた基礎の施工方法が記載されている。
【0006】
また、特開2001−26932号公報(特許文献2)には、基礎コンクリート31上に載置する土台32を正確に位置決め固定するために、保持板12にアンカー材2を保持させ、その状態でアンカー材2を基礎コンクリート31に固定するアンカーボルト装置が記載されている。さらに、特開2001−279687号公報(特許文献3)は、土台9にアンカー12を連結しておき、そのままアンカー12をスラブ形基礎1の立ち上がり部を構成するコンクリート中に固定している。これらはいずれも、土台とアンカーボルトに位置ずれの生じないことを作用効果としてあげている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−193079号公報
【特許文献2】
特開2001−26932号公報
【特許文献3】
特開2001−279687号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
木造住宅の施工においても、布基礎に固定する土台用木材にあらかじめアンカーボルトを取り付けておき、内外型枠と共に布基礎空間を形成し、そのままコンクリートを打設することが考えられる。しかし、木造住宅の布基礎の場合、幅(内外方向寸法)が120〜180mm程度で地面からの立ち上がりが400mm(フーチング上面からは520mm)以上必要とするものであり、布基礎を構築するための内外型枠の内側空間は狭く非常に細長いので、打設コンクリートの品質ばかりでなく、施工時にコンクリートが内外型枠の内側へ均等にいきわたり、空隙などを生じないように施工して布基礎に要求される強度を確保している。
【0009】
具体的には、コンクリートの打設をなるべく一挙に行うために複数の個所からコンクリートを型枠空間に注入し、バイブレータで振動を与えて、気泡や小空間を除去すると共にコンクリート成分を均質にする作業を省略することができない。しかし、前記のように、単に、アンカーボルトを取り付けた土台用木材で内外型枠と共に布基礎空間を形成するのでは、型枠空間へコンクリートをスムーズに注入したり、注入したコンクリートをバイブレータで均質化する作業を行えない。
【0010】
特許文献1のべた基礎の施工方法は、基礎と土台を一体的に施工するものではあっても、布基礎の構築というよりは布基礎部分を持たない土間コンクリートだけの特殊な基礎に近く、布基礎部分を構築するために内外の型枠を使用する構造ではない。このために、型枠内側の狭い空間にコンクリートを流し込んで形成する布基礎を均質で強度の高いものとする技術的思想がない。
【0011】
特許文献2のアンカーボルト装置における保持板12は従来の定規の機能であって、土台用木材に対するアンカーボルトの位置が正確になる可能性があるものの、土台用木材とアンカーボルトを一体化しておくとの技術的思想はない。
特許文献3のスラブ形基礎は、土台9とアンカー12が一体となってコンクリート中に固定され、土台9とアンカー12の位置とにずれが生じる余地はないが、布基礎に関するものではなく、コンクリートの注入や均質化についての開示がない。
【0012】
そこで、本願の発明は、土台用木材と布基礎側のアンカーボルトとの結合が正確であると共に、品質の良い布基礎を構築できる施工方法とこの施工方法を実施するに際して必要となる保持装置の提供を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
土台用木材と布基礎構築用の内外の型枠を準備する。土台用木材には、基礎アンカー伏図に基づいてアンカーボルト位置に貫通孔を形成し、その貫通孔にそれぞれアンカーボルトの上部を嵌挿しナットなどで仮止めしておく。すなわち、土台用木材にアンカーボルトをあらかじめ吊り下げた状態で取り付けておく。
基礎アンカー伏図にしたがって、敷地に型枠を設置固定する。
【0014】
型枠上方に土台伏図に基づいて前記の土台用木材を、吊り下げたアンカーボルトを内外型枠の内側空間に差し込んで配置し、多少の振動や接触では移動しないように、仮止めする。このとき、土台用木材と型枠との間に土台用木材の下辺から型枠10a,10bの上辺までに約100mm程度の間隙を形成しておく。例えば、木片などの上下方向の寸法(厚さ)が80mmから90mm程度のスペーサーブロックを介在させる。スペーサ−ブロックによる間隙の形成は上下方向であるが、左右方向には、例えば、土台用木材が90mm×90mmの角材であるとき、布基礎の天端面の幅を150mmとして、土台用木材の両側にはそれぞれ30mmの間隙が存在する。すなわち、土台用木材の下辺と型枠上辺との間に、水平片30mm、垂直片90mmの直角三角形の斜辺に相当する、およそ95mm幅の型枠の内側空間に通じた作業用間隙がある。
【0015】
土台用木材と型枠上辺との間隙から、型枠内部にコンクリートを打設する。間隙は、前記のように上下方向及び土台用木材の両側方向に比較的大きくとり、また、型枠の長手方向に延びているから、コンクリートの打設に格別な支障はない。ついで、この間隙からバイブレータの振動片(通常、直径約25〜50mm)を差し込んで、振動により打設コンクリートを型枠内に行き渡らせる。
【0016】
そして、打設コンクリートが硬化して実質的に布基礎が形成されたら、型枠の上部に配置していた土台用木材を布基礎の天端面へ下降させ、アンカーボルトと土台用木材を結合固定する。土台用木材は、下部が布基礎に固定されたアンカーボルトに沿って下降し、正確な位置で固定される。“実質的に”とは、打設コンクリートの強度が型枠を除去しても支障がない程度に硬化した状態をいう。
土台用木材を下降させるタイミングは、打設コンクリートが硬化して布基礎が実質的に形成された後であれば、型枠を除去する前であっても後であっても良い。ただし、型枠を除去する前であれば、土台用木材を型枠上に支持している部材(スペーサ−ブロック等)を取り除く手段を講じる必要があり、また、型枠除去後に下降させる場合は、型枠除去後に土台用木材を下降させるまでの間、この木材を保持している手段を講じる必要がある。
【0017】
この施工法によれば、土台用木材に形成したアンカーボルト用の貫通孔とアンカーボルトの位置にずれが生じる余地がないので、現場において土台用木材に孔を追加工をするような事態は生じない。また、土台用木材と型枠上辺との間に十分な間隙を設けるので、コンクリートの打設をスムーズに行え、かつ、バイブレータにより振動を与えて均質化するので、品質の良い布基礎を得られる。
【0018】
型枠の上辺と土台用木材との間に内外型枠の内側へ通じる上下方向の間隙を確保するためには、前記のようにスペーサ−ブロックを用いるのが普通であるが、他に、型枠をまたいで配置した複数の支脚の間にロープで吊り下げるなどの手段を用いることも出来る。スペーサ−ブロックの場合は、上下方向寸法(厚さ)を選択することで、コンクリートの打設と振動の付与に適切な間隙を調整することができる。スペーサーブロックは木材や合成樹脂の部材であり、使い捨ての場合もあれば、繰り返し使用する場合もある。
【0019】
布基礎が実質的に形成されたとき、通常、型枠を取り外してから、土台用木材をアンカーボルトに沿って下降させて布基礎に固定する。この時、スペーサ−ブロックと型枠を除去しても土台用木材が落下しないように、実質的に形成された布基礎の天端面を支持面とした保持装置を用い、土台用木材を布基礎の天端面から一定位置に保持させておくことがある。
【0020】
施行の手順として、基礎アンカー伏図に基づいて設置し固定された布基礎用型枠の上方にあらかじめ全ての土台用木材(アンカーボルトを吊り下げてある)を土台伏図に基づき配置した後にコンクリートを打設し振動を加えることがある。このようにすると、多数ある土台用木材の配置ミスや位置ずれを防止し、布基礎に対して土台用木材を正確に配置することができる。
【0021】
保持装置は、土台用木材の上面及び両側面を被覆する被覆部材と支持部材及び挟持部材とからなる。支持部材は被覆部材の両側面に係合し実質的に形成された布基礎の天端面を支持面として被覆部材を支持する脚部材である。この支持部材は被覆部材の上下方向位置を調整することができる。挟持部材は土台用木材に被せた被覆部材の両側面から土台用木材を挟持し、被覆材の内側に土台用木材を掴む機能を備えたものであればよく、市販のシャックルバイスを用いることができる。
【0022】
この構造は、型枠を取り外すときに土台用木材を布基礎天端面の上方に保持し、これまでこの木材を支持してきたスペーサ−ブロックや型枠を除去しても土台用木材が布基礎天端面に落下しないようにする。そして、挟持部材の掴む力を徐々に緩めることにより、土台用木材をゆっくりと傷つけることなく天端面に降ろすことができる。この作業は2人以上の作業として、土台用木材を平行に降ろすことが好ましい。しかし、土台用木材の長さに対して、降下させる寸法は小さいので、降下させるとき土台用木材が傾いても格別な支障は生じない。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1(イ)は、木造住宅の布基礎1と土台2であり、布基礎1は土間コンクリート3から垂直に立ち上がっている。布基礎の天端面は仕上げモルタル4で上面が水平にしあげられ、その上面に土台用木材2aが載置され、アンカーボルト5で布基礎1に固定されている。布基礎1の幅は150mm、高さは400mm、土台用木材2aは90mm×90mm、アンカーボルト5の長さは450mmである。
土台用木材2aには貫通孔6とその上部に座掘り孔7が一体に形成されている。
【0024】
アンカーボルト5(図1 ロ)は、上部が布基礎1の上面から突出して下部が布基礎に固定されている。土台用木材2aは、上方からその貫通孔6にアンカーボルト5の上部を嵌挿させて、布基礎1の天端面に載置してある。そして、土台用木材2aは、座掘り孔7の上方から螺合させた座金付きナット9によって固定され、土台2となっている。座金付きナット9の座金部は座掘り孔7に沈み、土木用木材2aの上面には突出しない。
【0025】
布基礎1は、基礎アンカー伏図に基づいて、内外の型枠10a、10bを設置し、固定しておき(図2,3)、その内側にコンクリート11(図4)を打設して形成する。図2において符合12は内外の型枠10a,10bを固定する固定具である。土台用木材2a(図5 イ)は、基礎アンカー伏図に基づいて工場にて所定寸法に切断すると共に、アンカーボルト用の貫通孔6とその上部の座掘り孔7を形成してある。
【0026】
布基礎用の型枠を組み上げた現場では、土台用木材2aの貫通孔6に上方から仮止め用ボルト13(図5 ロ)を挿通して下端をアンカーボルト5の上部に取り付けた長ナット8に螺合して、仮止め用ボルト13とアンカーボルト5を連結し、仮止め用ボルト13の上端部に仮止め用ナット14を取り付けておく。仮止め用ナット14は、その螺合位置を調整してアンカーボルト5の上下位置を調整する。アンカーボルト5は下端部が布基礎1の下辺近くにあると共に、上端部が完成した布基礎の天端面から露出し、土台用木材2aを載置したとき座掘り孔7の中にあって土台用木材2aの上面から約5mm沈んだ位置となるように配置する。このようにして、土台用木材2aのすべての貫通孔6にアンカーボルト5を取り付け吊り下げた状態としておく。
【0027】
ついで、土台伏図に基づいて前記土台用木材2aを型枠10a,10b上方に、吊り下げたアンカーボルト5を内外型枠10a,10bの内側空間に差し込んで配置する。このとき、土台用木材2aと型枠10a,10b上辺との間に筋かい材(38mm×89mm)を300mmに切断したスペーサーブロック15を少なくとも2個、それぞれ厚みの大きい方(89mm側)を上下方向に用いて土台用木材2aを型枠10a,10bの上方に支持する(図6)。これにより、土台用木材2aと内外の型枠10a,10bの上辺との間には上下方向に89mm、土台用木材2aの両側でそれぞれ30mmの間隙が生じ、コンクリートを注入する方向である斜め上方から見ると約95mmの間隔で内外型枠10a,10bの内側空間に通じる間隙がある。この間隙は内外型枠10a,10bの内側へコンクリートを注入する作業やバイブレータの振動片を差し込むのに十分な寸法である。
【0028】
アンカーボルト5を仮止めした土台用木材2aは土台伏図に基づいて、全ての土台個所に設置する。こうすることによって、同じ長さであるがアンカーボルトの位置が異なる土台用木材を間違えて配置したり、配置し忘れたりのミスを防止できると共に、土台全体から見て個々の土台用木材2aの位置ずれを矯正することができる。
また、コンクリートの注入時やバイブレーターによる振動付与時には、内外の型枠10a,10b上方の土台用木材2aとがスペーサ−ブロック15ともども移動してしまうことが考えられるから、土台用木材2aがスペーサ−ブロック15を縛ったり、軽く釘打ちするなどして仮に固定し、さらにスペーサ−ブロック15をシャックルバイス15a(図3)など着脱が簡単な固定具で型枠10a,10bに固定しておく。
【0029】
準備が整ったら、内外型枠10a,10bの内側にコンクリートを打設する。打設は流し込み板を用い数箇所からできるだけ均等に注入し、続けてバイブレーターで振動を与えていく。コンクリートの注入は、最後に上質で流動性が高いモルタルを天端面に流し込み上面を水平にすることで終了する。打設コンクリートは、型枠10a,10bの上辺から80mm下方の位置で打ち止めるので、上方に載置されている土台用木材2aの下面と布基礎天端面との間隔は約160mmある。
打設後3日以上経過すると、コンクリートは次の作業に支障がない程度に硬化する。
【0030】
前記の硬化状態、すなわち、実質的に布基礎が形成されたら、スペーサーブロック15と内外の型枠10a,10bを除去する。このとき、土台用木材2aが落下しないように、型枠などを除去する前に、保持装置16(図7)を用いて土台用木材2aを保持しておく。
保持装置16は、土台用木材2aの上面及び両側面を被覆するように屈曲された板金加工の被覆部材17と支持部材18及び挟持部材19とからなる(図7)。
【0031】
支持部材18は、被覆部材17の両側面に位置し、脚板20を備えたボルト21とこれに係合して被覆部材17を支持することができるU字形をした支持駒22とからなり、支持駒22のボルト21と接する内面にはボルトのネジ溝に近似する水平な溝条が複数本形成されている。したがって、支持駒22をボルト21のネジ部分に差し込むと支持駒22はボルト21のネジ溝と係合してその位置に維持できるので、位置を上下に調整して被覆部材17の上下位置を調整することができる。なお、被覆部材17の両側面の下部は外側に屈曲されて受け片23とされ、この部分に前記のボルト21が側方から嵌まり込む切欠が形成されている。
【0032】
内外の型枠10a,10bを除去するときは、土台用木材2aの少なくとも2箇所において、被覆部材17を土台用木材2aの上方から被せ、その両側に支持部材18を配置して被覆部材17と係合させる。支持部材の脚板20は実質的に形成された布基礎1の天端面に置かれる。ついで、支持駒22を側方からボルト21に係合させ、被覆部材17を受け片23の下面側で支持させる。そして、被覆部材17の両側面を挟持部材19で挟み込んで内側の土台用木材2aを掴むようにして被覆部材17と一体とする。すなわち、保持装置16を用い、実質的に形成された布基礎1の天端面を支持面として土台用木材2aを保持する(図8)。
【0033】
土台用木材2aを保持したら、スペーサ−ブロック15と内外の型枠10a,10bを取り去る(図9)。ついで、仮止め用ボルト13と長ナット8を取り外し、挟持部材19を徐々に緩め、掴んでいた土台用木材2aを被覆部材17内を滑らせるようにして丁寧に布基礎1の天端面に載置する(図10)。土台用木材2aは、その貫通孔6にアンカーボルト5の上部を挿通させながら下降する。
このようにして、すべての土台用木材2aを布基礎1上に載置する。座金付きナット9をアンカーボルト5の上部ににねじ込んで、土台用木材2aを布基礎1に固定し土台2とする(図1)。
【0034】
図11(イ,ロ)は、保持装置16における被覆部材17の他の形態を示したもので、図11(イ)は一方の土台用木材2aに他方の土台用木材2aが突き当てられT字形を成す部分に用いるものであり、図11(ロ)はコーナー部に用いるものである。このように、土台用木材2aの保持は個々の土台用木材2aばかりでなく、土台伏図に現れるような複数の土台用木材2aが関連する個所を保持することもある。
【0035】
以上、実施形態について説明したが、保持した土台用木材2aを下降させるタイミングは、内外の型枠10a,10bを取り外す前であっても良い。ただし、スペーサ−ブロック15や内外型枠10a,10bにわたってこれらを固定している固定具12を事前に除去する手段を講じなければならない。
座金付ナット9は、座面に切り刃を備えた自己埋入型のものを利用しても良い。この場合、貫通孔6上部の座掘りは必要がない。
【0036】
【発明の効果】
土台用木材にあらかじめアンカーボルトを取りつけた状態で型枠に設置し、アンカーボルトを固定するので、土台用木材に形成したアンカーボルト用の貫通孔と布基礎に固定されるアンカーボルトの位置にずれが生じることがなく、土台用木材を布基礎へ正確に固定することができる。
【0037】
アンカーボルトを取りつけた土台用木材を布基礎用の型枠の上方へ間隔をあけて取りつけ、布基礎の完成後に土台用木材をすでに固定されているアンカーボルトに沿って下降させる手順をとるので、コンクリートの打設に支障がなく、強度的に均質で高い品質の土台一体布基礎を得ることができる。
【0038】
また、布基礎用の型枠を取り外すとき、保持装置で土台用木材を保持するので、型枠除去の作業をしやすく、土台用木材が粗雑に降下されて損傷してしまうことがない。
保持装置は、被覆部材と挟持部材で土台用木材を上方から掴んで保持するので、型枠上にある土台用木材を保持しやすく、また、取り外し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】イは、布基礎と土台の一体施工方法による布基礎部分の断面図。ロは、アンカーボルト部分を取り出した正面図。
【図2】基礎アンカー伏図に基づき設置固定した布基礎用の内外型枠(破線は、その上に設置した土台用木材)。
【図3】アンカーボルトを吊り下げた土台用木材を型枠上に設置した状態の断面図。
【図4】コンクリートを打設した状態の断面図。
【図5】イは、土台用木材の斜視図、ロは、断面による正面図。
【図6】布基礎用の内外型枠上に土台用木材を設置した状態の斜視図。
【図7】保持装置の斜視図。イは全体、ロは支持駒。
【図8】保持装置を装着した状態の断面図。
【図9】型枠を取り外した状態で示した断面図
【図10】保持装置を取り外した状態で示した断面図。
【図11】イ、ロは、被覆部材の他の実施形態を示した平面図。
【符号の説明】
1 布基礎
2 土台
2a 土台用木材
3 土間コンクリート
4 仕上げモルタル
5 アンカーボルト
6 貫通孔
7 座掘り孔
8 長ナット
9 座金付きナット
10a、10b 内外の型枠
11 コンクリート
12 固定具
13 仮止め用ボルト
14 仮止め用ナット
15 スペーサーブロック
16 保持装置
17 被覆部材
18 支持部材
19 挟持部材
20 脚板
21 ボルト
22 支持駒
23 受け片
24 ボルト

Claims (5)

  1. 土台用の素材であって基礎アンカー伏図に基づいた位置にアンカーボルト用の貫通孔が形成されており、これにアンカーボルトをその上部を貫通させて吊り下げた状態で取り付けてある土台用木材と布基礎構築用の内外の型枠を準備し、基礎アンカー伏図にしたがって、型枠を設置固定すると共に、その型枠上方に土台伏図に基づいて前記土台用木材を、前記吊り下げたアンカーボルトを内外型枠の内側空間に差し込み、土台用木材と型枠上辺との間に型枠の内側空間に通じる間隙を設けて配置し、次いで、土台用木材と型枠上辺との間隙から、型枠内側にコンクリートを打設すると共にさらにこの間隙からバイブレータの振動片を差し込んで、振動により打設コンクリートを型枠内に行き渡らせ、打設コンクリートが硬化して実質的に布基礎が形成された後に、土台用木材を布基礎に固定された前記のアンカーボルトに沿って布基礎の天端面へ下降させ、アンカーボルトと土台用木材を結合固定することを特徴とした布基礎と土台の一体施工方法。
  2. 前記内外の型枠の上辺間にスペーサーブロックを架け渡してその上面に土台用木材を載置することで、前記型枠の上辺と土台用木材との間に内外型枠の内側へ通じる上下方向の間隙を確保することを特徴とした請求項1に記載の布基礎と土台の一体施工方法。
  3. 土台用木材をアンカーボルトに沿って下降させる前に、実質的に形成された布基礎の天端面を支持面とした保持装置で前記の土台用木材を一定位置に保持し、ついで、スペーサ−ブロックと型枠を除去することを特徴とした請求項2に記載の布基礎と土台の一体施工方法。
  4. 基礎アンカー伏図に基づいて設置し固定した布基礎用型枠の上方にあらかじめ全ての土台用木材を土台伏図に基づき配置した後に、型枠の内側へコンクリートを打設し振動を加えることを特徴とした請求項1〜3のいずれか一つに記載の基礎と土台の一体施工方法。
  5. 保持装置は、土台用木材の上面及び両側面を被覆する被覆部材と支持部材及び挟持部材とからなり、支持部材は被覆部材の両側面に係合し実質的に形成された布基礎の天端面を支持面として被覆部材を支持すると共に被覆部材の上下方向位置を調整可能であり、挟持部材は土台用木材に被せた被覆部材の両側面から土台用木材を挟持し、被覆材の内側に土台用木材を掴む機能を備えたものであることを特徴とした保持装置。
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JP5912194B1 (ja) * 2015-02-20 2016-04-27 株式会社ポラス暮し科学研究所 木造建築物の施工方法及び該施工方法に用いる基礎部材
JP7163561B2 (ja) 2018-11-08 2022-11-01 株式会社竹中工務店 コンクリート構造体の施工方法

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