JP2004281797A - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池素子の受光面側と非受光面側に接続タブをはんだ付けする場合において、既にはんだ付けされている接続タブが剥離すること防止する。
【解決手段】太陽電池モジュールに使われる太陽電池素子1の電気的接続において、太陽電池素子1の受光面側バスバー電極3に接続される受光面側の接続タブ5と非受光面バスバー電極8に接続される非受光面側の接続タブ9とを融点が異なるはんだで接続する。
【選択図】 図1
【解決手段】太陽電池モジュールに使われる太陽電池素子1の電気的接続において、太陽電池素子1の受光面側バスバー電極3に接続される受光面側の接続タブ5と非受光面バスバー電極8に接続される非受光面側の接続タブ9とを融点が異なるはんだで接続する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の太陽電池素子を接続タブで接続した太陽電池モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池素子は単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製することが多い。このため太陽電池素子は物理的衝撃に弱く、また野外に太陽電池を取り付けた場合に雨などからこれを保護する必要があるため、太陽電池素子を透光性基板とエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする充填材で封入して太陽電池モジュールを作成することが通常行われている。
【0003】
この太陽電池モジュールでは、太陽電池素子の1枚では電気出力が小さいため、通常複数の太陽電池素子を直並列に接続して太陽電池モジュールから実用的な所定の電気出力が発生するようにしている。
【0004】
図3は従来の太陽電池モジュールを示す図である。図3において、1、2は太陽電池素子、3、4は受光面側バスバー電極、5、6は受光面側の接続タブ、7は受光面側フィンガ電極を示す。
【0005】
太陽電池素子1、2は、例えば厚み0.3〜0.4mm程度、大きさ150mm角程度の単結晶シリコンや多結晶シリコンで作られている。その両面に設けられる電極は銀ペーストのスクリーンプリント法などで形成され、電極部の保護と接続タブを取り付けやすくするために、電極表面はほぼ全面にわたってはんだコートされる。また、受光面側と非受光面側ともバスバー電極3、4とフィンガ電極7がある。
【0006】
受光面ではできるだけ電極面積を少なくして受光面を多くする必要があるため、通常非受光面に較べ電極の幅は狭く形成される。フィンガ電極7は光生成キャリヤを収集するために太陽電池素子1の辺に平行に多数本形成され、例えば幅0.2mm程度に形成される。また、バスバー電極3、4は収集されたキャリヤを集電するためにフィンガ電極7と垂直に交わるように2〜3本形成され、接続タブ5、6を取り付けるために幅2mm程度に形成される。
【0007】
太陽電池素子1、2同士を直列接続するときは、太陽電池素子1の受光面側バスバー電極3、4に取り付けた接続タブ5、6を隣接する太陽電池素子2の非受光面のバスバー電極(不図示)に接続することにより行う。この接続タブ5、6の接続はバスバー電極3、4の表面にコートされたはんだと接続タブ5、6の表面にコートされたはんだを加熱して溶融させることにより行う。
【0008】
接続の順序は、まず太陽電池素子1の受光側バスバー電極3、4上に受光面側の接続タブ5、6を取り付ける。次に、非受光面バスバー電極上に非受光面側の接続タブ(不図示)を取り付ける。その後、受光面側の接続タブ5、6の一端を隣接する太陽電池素子2の非受光面側の接続タブ上に接続する(特許文献1参照)。
【0009】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のようなものがある。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−312820号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような太陽電池素子1、2同士の接続に用いられる接続タブは、受光面側の接続タブ5、6も非受光面側の接続タブも同じ組成のはんだでコートされている。このため、非受光面側の接続タブを加熱して接続するときに、その裏面にある既に接続されている受光面側の接続タブ5、6の温度が上昇してはんだが再度溶融して接続されている受光面側の接続タブ5、6が太陽電池素子1から外れることがある。これを再度接続した場合、はんだの酸化膜の影響などで接続強度が低下する。
【0012】
また、接続されている受光面側の接続タブ5が外れないように加熱の程度を調節しても、太陽電池素子1に接続されている受光面側の接続タブ5のはんだはその加熱により酸化が進み、太陽電池素子1と受光面側の接続タブ5の接続強度がやはり低下する。
【0013】
このように太陽電池素子1と受光面側の接続タブ5との接続強度が低下すると、太陽電池モジュールの製造工程途中で、受光面側の接続タブ5が太陽電池素子1から剥離してしまい、不良発生の原因となる。また、剥離しない場合でも抵抗成分が大きくなり、太陽電池モジュールの出力に影響することも考えられる。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は太陽電池素子の電極と接続タブの接続強度の低下を防止するとともに、太陽電池モジュールの出力低下を防止した高性能な太陽電池モジュールを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る太陽電池モジュールでは、複数の太陽電池素子を接続タブで接続した太陽電池モジュールにおいて、前記接続ダブを前記太陽電池素子の受光面側と隣接する太陽電池素子の非受光面側とに融点が異なるはんだで接続したことを特徴とする。
【0016】
上記太陽電池モジュールでは、前記太陽電池素子の受光面側と隣接する太陽電池素子の非受光面側のうち、前記接続タブが先に接続される側を実質的に鉛を含まないはんだで接続してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を用いて説明する。
図1は本発明に係る太陽電池モジュールの接続タブの接続順序を説明するための図である。図1において、1、2は太陽電池素子、3は受光面側バスバー電極、5は受光面側の接続タブ、8は非受光面バスバー電極、9は非受光面側の接続タブを示す。
【0018】
受光面側の接続タブ5は、その表面全面に20〜70μm程度はんだコートした厚さ100〜300μm程度の銅箔を用いる。コートするはんだは、その融点が非受光面側の接続タブ9に使用するはんだよりも高いものを使用する。例えばスズ50%、鉛50%(融点215℃)またはスズ40%、鉛60%(融点238℃)またはスズ30%、鉛70%(融点258℃)の組成のものが最適である。
【0019】
また、近年太陽電池モジュールにおいて、環境問題から有害物質である鉛を含有しないはんだが盛んに検討されているが、この鉛を実質的に含有しないはんだは従来の共晶はんだなどの鉛を含有したはんだに較べて融点が高いものが多い。例えば錫63%、鉛37%の組成の共晶はんだは、その融点は184℃であるのに較べ、広く使用されている鉛を含まないはんだである錫96.5%、銀3%、銅0.5%の組成のはんだは融点が220℃である。したがって、受光面側の接続タブ5の表面を被覆するはんだとしてこのような鉛を実質的に含まないはんだも用いることができる。
【0020】
また、その幅はそれ自身によって太陽電池素子の受光面に影を作らないように受光面側バスバー電極5の幅と同じかそれ以下にする。長さは受光面側バスバー電極3のほぼ全てに重なり、さらに所定の太陽電池素子1、2間の間隔と非受光面バスバー電極8に10〜30mm程度重なるようにする。一般的な150mm角の多結晶シリコン太陽電池素子を使用する場合、受光面側の接続タブ5の幅は、1〜3mm程度、その長さは160〜180mm程度である。受光面側の接続タブ5が受光面側バスバー電極3のほぼ全てに重なるようにするのは、太陽電池素子の抵抗成分を少なくするためである。
【0021】
非受光面バスバー電極8は受光面側バスバー電極3に較べて通常太く、一例では4〜6mm程度である。非受光面側の接続タブ9は、その表面全面に20〜70μm程度はんだコートした厚さ50〜150μm程度の銅箔を用いる。コートするはんだは、その融点が受光面側の接続タブ5に使用するはんだよりも低いものを使用する。例えばスズ63%、鉛37%(融点184℃)またはスズ60%、鉛40%(融点190℃)の組成のものが最適である。
【0022】
また、その幅は非受光面バスバー電極8とほぼ同じであり、その長さは非受光面バスバー電極8の長さとほぼ同じか若干短めである。一般的な150mm角の多結晶シリコン太陽電池素子を使用する場合、幅は4〜6mm程度、その長さは130〜150mm程度である。非受光面側の接続タブ9を接続する目的は、電極の電気抵抗を少なくするためである。
【0023】
本発明に係る太陽電池素子同士の接続は、次のように行う。まず、図1(a)に示すように、太陽電池素子1の受光面側バスバー電極3上に受光面側の接続タブ5を配置する。この受光面側の接続タブ5を押さえピン(不図示)で押さえながらホットエアーを吹き付け受光面側バスバー電極3と受光面側の接続タブ5の両者のはんだを溶融させ接続する。
【0024】
次に、図1(b)に示すように、受光面側バスバー電極3上に受光面側の接続タブ5を取り付けた太陽電池素子1をひっくり返し、非受光面バスバー電極8の所定の位置に非受光面側の接続タブ9を配置する。この非受光面側の接続タブ9を押さえピン(不図示)で押さえながらホットエアーを吹き付け非受光面側バスバー電極8と非受光面側の接続タブ9の両者のはんだを溶融させ接続する。この場合において、受光面側の接続タブ5表面のはんだは、非受光面側の接続タブ9表面のはんだより融点が高いため、非受光面側の接続タブ9を取り付けるための加熱中においても、受光面側の接続タブ5が再度溶融することはなく、受光面側バスバー電極3から剥離することはない。
【0025】
その後、図1(c)に示すように、受光面側の接続タブ5の一端を隣接する太陽電池素子2の非受光面側の接続タブ9の所定位置に配置して押さえピン(不図示)で押さえながらホットエアーを吹き付けて太陽電池素子1の受光面側の接続タブ5と太陽電池素子2の非受光面側の接続タブ9の両者のはんだを溶融させて接続する。すなわち、接続タブ5と接続タブ9の重なりは約10mmであり、ホットエアーでピンポイントで短時間で溶着させるため、熱が他の部分に伝導する前にはんだが凝固することから、接続タブ5と接続タブ9が外れたりする問題はない。
【0026】
上述の太陽電池素子1、2同士の接続方法では、まず太陽電池素子1の受光面側バスバー電極3上に受光面側の接続タブ5を接続し、その後非受光面バスバー電極8に非受光面側の接続タブ9を接続する場合について説明したが、先に非受光面バスバー電極8に非受光面側の接続タブ9を接続して受光面側の接続タブ5の一端を接続する場合においては、非受光面側の接続タブ9に使用するはんだの融点を受光面側の接続タブ5に使用する融点より高くすればよい。
【0027】
図2は、本発明に係る太陽電池モジュールの構造の一例を示す図である。図2において、12は透光性基板、13、15は充填材、14は接続タブで接続した複数の太陽電池素子、16は裏面材である。
【0028】
透光性基板12は、厚さ3〜5mm程度の白板強化ガラス等が多く使用される。太陽電池素子14は厚み0.3mm程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン基板などからなり、概略の大きさは例えば多結晶シリコン太陽電池でおよそ150mm角である。太陽電池モジュールを作成するときには太陽電池素子14の電極とはんだメッキなど施した銅箔などの接続タブ17を接続し、さらに太陽電池モジュールから所定の電気出力を取り出せるように、接続タブ17で複数の太陽電池素子14を直並列に接続したものを用いる。
【0029】
充填材13、15は上述のようにエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)のほかポリビニルブチラール(PVB)などを主成分とするものが多く用いられる。非受光面材16は水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂などが用いられる。
【0030】
太陽電池モジュールでは、図2に示すように、重畳したものをラミネーターと呼ばれる装置で全体を加熱しながら押圧一体化する。この一体化したものにアルミなどで作成したモジュール枠(不図示)を四辺にビス止めし、さらに太陽電池モジュールの電気出力を外部の回路に接続するための端子ボックス(不図示)を接着剤で固定して太陽電池モジュールが完成する。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。例えば太陽電池素子は単結晶や多結晶シリコンなどの結晶系太陽電池に限定されるものではなく、薄膜系太陽電池などでも透光性基板の非受光面に複数の太陽電池素子を配置し、この複数の太陽電池素子を接続タブにより電気的に接続した太陽電池モジュールであれば適用される。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る太陽電池モジュールによれば、受光面側の接続タブと非受光面側の接続タブとを融点が異なるはんだで被覆することから、接続タブの再溶融による剥離の発生がなくなり、これにより接続タブの太陽電池素子から剥離や太陽電池モジュールの出力低下を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池モジュールの接続タブの接続順序を説明するための図である。
【図2】本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す図である。
【図3】従来の太陽電池モジュールを示す図である。
【符号の説明】
1、2;太陽電池素子、3、4;受光面側バスバー電極、5.6;受光面側の接続タブ、7;受光面側フィンガ電極、8;非受光面バスバー電極、9;非受光面側の接続タブ、12;透光性基板、13、15;充填材、14;複数の太陽電池素子、16;裏面材
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の太陽電池素子を接続タブで接続した太陽電池モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池素子は単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製することが多い。このため太陽電池素子は物理的衝撃に弱く、また野外に太陽電池を取り付けた場合に雨などからこれを保護する必要があるため、太陽電池素子を透光性基板とエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする充填材で封入して太陽電池モジュールを作成することが通常行われている。
【0003】
この太陽電池モジュールでは、太陽電池素子の1枚では電気出力が小さいため、通常複数の太陽電池素子を直並列に接続して太陽電池モジュールから実用的な所定の電気出力が発生するようにしている。
【0004】
図3は従来の太陽電池モジュールを示す図である。図3において、1、2は太陽電池素子、3、4は受光面側バスバー電極、5、6は受光面側の接続タブ、7は受光面側フィンガ電極を示す。
【0005】
太陽電池素子1、2は、例えば厚み0.3〜0.4mm程度、大きさ150mm角程度の単結晶シリコンや多結晶シリコンで作られている。その両面に設けられる電極は銀ペーストのスクリーンプリント法などで形成され、電極部の保護と接続タブを取り付けやすくするために、電極表面はほぼ全面にわたってはんだコートされる。また、受光面側と非受光面側ともバスバー電極3、4とフィンガ電極7がある。
【0006】
受光面ではできるだけ電極面積を少なくして受光面を多くする必要があるため、通常非受光面に較べ電極の幅は狭く形成される。フィンガ電極7は光生成キャリヤを収集するために太陽電池素子1の辺に平行に多数本形成され、例えば幅0.2mm程度に形成される。また、バスバー電極3、4は収集されたキャリヤを集電するためにフィンガ電極7と垂直に交わるように2〜3本形成され、接続タブ5、6を取り付けるために幅2mm程度に形成される。
【0007】
太陽電池素子1、2同士を直列接続するときは、太陽電池素子1の受光面側バスバー電極3、4に取り付けた接続タブ5、6を隣接する太陽電池素子2の非受光面のバスバー電極(不図示)に接続することにより行う。この接続タブ5、6の接続はバスバー電極3、4の表面にコートされたはんだと接続タブ5、6の表面にコートされたはんだを加熱して溶融させることにより行う。
【0008】
接続の順序は、まず太陽電池素子1の受光側バスバー電極3、4上に受光面側の接続タブ5、6を取り付ける。次に、非受光面バスバー電極上に非受光面側の接続タブ(不図示)を取り付ける。その後、受光面側の接続タブ5、6の一端を隣接する太陽電池素子2の非受光面側の接続タブ上に接続する(特許文献1参照)。
【0009】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のようなものがある。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−312820号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような太陽電池素子1、2同士の接続に用いられる接続タブは、受光面側の接続タブ5、6も非受光面側の接続タブも同じ組成のはんだでコートされている。このため、非受光面側の接続タブを加熱して接続するときに、その裏面にある既に接続されている受光面側の接続タブ5、6の温度が上昇してはんだが再度溶融して接続されている受光面側の接続タブ5、6が太陽電池素子1から外れることがある。これを再度接続した場合、はんだの酸化膜の影響などで接続強度が低下する。
【0012】
また、接続されている受光面側の接続タブ5が外れないように加熱の程度を調節しても、太陽電池素子1に接続されている受光面側の接続タブ5のはんだはその加熱により酸化が進み、太陽電池素子1と受光面側の接続タブ5の接続強度がやはり低下する。
【0013】
このように太陽電池素子1と受光面側の接続タブ5との接続強度が低下すると、太陽電池モジュールの製造工程途中で、受光面側の接続タブ5が太陽電池素子1から剥離してしまい、不良発生の原因となる。また、剥離しない場合でも抵抗成分が大きくなり、太陽電池モジュールの出力に影響することも考えられる。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は太陽電池素子の電極と接続タブの接続強度の低下を防止するとともに、太陽電池モジュールの出力低下を防止した高性能な太陽電池モジュールを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る太陽電池モジュールでは、複数の太陽電池素子を接続タブで接続した太陽電池モジュールにおいて、前記接続ダブを前記太陽電池素子の受光面側と隣接する太陽電池素子の非受光面側とに融点が異なるはんだで接続したことを特徴とする。
【0016】
上記太陽電池モジュールでは、前記太陽電池素子の受光面側と隣接する太陽電池素子の非受光面側のうち、前記接続タブが先に接続される側を実質的に鉛を含まないはんだで接続してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を用いて説明する。
図1は本発明に係る太陽電池モジュールの接続タブの接続順序を説明するための図である。図1において、1、2は太陽電池素子、3は受光面側バスバー電極、5は受光面側の接続タブ、8は非受光面バスバー電極、9は非受光面側の接続タブを示す。
【0018】
受光面側の接続タブ5は、その表面全面に20〜70μm程度はんだコートした厚さ100〜300μm程度の銅箔を用いる。コートするはんだは、その融点が非受光面側の接続タブ9に使用するはんだよりも高いものを使用する。例えばスズ50%、鉛50%(融点215℃)またはスズ40%、鉛60%(融点238℃)またはスズ30%、鉛70%(融点258℃)の組成のものが最適である。
【0019】
また、近年太陽電池モジュールにおいて、環境問題から有害物質である鉛を含有しないはんだが盛んに検討されているが、この鉛を実質的に含有しないはんだは従来の共晶はんだなどの鉛を含有したはんだに較べて融点が高いものが多い。例えば錫63%、鉛37%の組成の共晶はんだは、その融点は184℃であるのに較べ、広く使用されている鉛を含まないはんだである錫96.5%、銀3%、銅0.5%の組成のはんだは融点が220℃である。したがって、受光面側の接続タブ5の表面を被覆するはんだとしてこのような鉛を実質的に含まないはんだも用いることができる。
【0020】
また、その幅はそれ自身によって太陽電池素子の受光面に影を作らないように受光面側バスバー電極5の幅と同じかそれ以下にする。長さは受光面側バスバー電極3のほぼ全てに重なり、さらに所定の太陽電池素子1、2間の間隔と非受光面バスバー電極8に10〜30mm程度重なるようにする。一般的な150mm角の多結晶シリコン太陽電池素子を使用する場合、受光面側の接続タブ5の幅は、1〜3mm程度、その長さは160〜180mm程度である。受光面側の接続タブ5が受光面側バスバー電極3のほぼ全てに重なるようにするのは、太陽電池素子の抵抗成分を少なくするためである。
【0021】
非受光面バスバー電極8は受光面側バスバー電極3に較べて通常太く、一例では4〜6mm程度である。非受光面側の接続タブ9は、その表面全面に20〜70μm程度はんだコートした厚さ50〜150μm程度の銅箔を用いる。コートするはんだは、その融点が受光面側の接続タブ5に使用するはんだよりも低いものを使用する。例えばスズ63%、鉛37%(融点184℃)またはスズ60%、鉛40%(融点190℃)の組成のものが最適である。
【0022】
また、その幅は非受光面バスバー電極8とほぼ同じであり、その長さは非受光面バスバー電極8の長さとほぼ同じか若干短めである。一般的な150mm角の多結晶シリコン太陽電池素子を使用する場合、幅は4〜6mm程度、その長さは130〜150mm程度である。非受光面側の接続タブ9を接続する目的は、電極の電気抵抗を少なくするためである。
【0023】
本発明に係る太陽電池素子同士の接続は、次のように行う。まず、図1(a)に示すように、太陽電池素子1の受光面側バスバー電極3上に受光面側の接続タブ5を配置する。この受光面側の接続タブ5を押さえピン(不図示)で押さえながらホットエアーを吹き付け受光面側バスバー電極3と受光面側の接続タブ5の両者のはんだを溶融させ接続する。
【0024】
次に、図1(b)に示すように、受光面側バスバー電極3上に受光面側の接続タブ5を取り付けた太陽電池素子1をひっくり返し、非受光面バスバー電極8の所定の位置に非受光面側の接続タブ9を配置する。この非受光面側の接続タブ9を押さえピン(不図示)で押さえながらホットエアーを吹き付け非受光面側バスバー電極8と非受光面側の接続タブ9の両者のはんだを溶融させ接続する。この場合において、受光面側の接続タブ5表面のはんだは、非受光面側の接続タブ9表面のはんだより融点が高いため、非受光面側の接続タブ9を取り付けるための加熱中においても、受光面側の接続タブ5が再度溶融することはなく、受光面側バスバー電極3から剥離することはない。
【0025】
その後、図1(c)に示すように、受光面側の接続タブ5の一端を隣接する太陽電池素子2の非受光面側の接続タブ9の所定位置に配置して押さえピン(不図示)で押さえながらホットエアーを吹き付けて太陽電池素子1の受光面側の接続タブ5と太陽電池素子2の非受光面側の接続タブ9の両者のはんだを溶融させて接続する。すなわち、接続タブ5と接続タブ9の重なりは約10mmであり、ホットエアーでピンポイントで短時間で溶着させるため、熱が他の部分に伝導する前にはんだが凝固することから、接続タブ5と接続タブ9が外れたりする問題はない。
【0026】
上述の太陽電池素子1、2同士の接続方法では、まず太陽電池素子1の受光面側バスバー電極3上に受光面側の接続タブ5を接続し、その後非受光面バスバー電極8に非受光面側の接続タブ9を接続する場合について説明したが、先に非受光面バスバー電極8に非受光面側の接続タブ9を接続して受光面側の接続タブ5の一端を接続する場合においては、非受光面側の接続タブ9に使用するはんだの融点を受光面側の接続タブ5に使用する融点より高くすればよい。
【0027】
図2は、本発明に係る太陽電池モジュールの構造の一例を示す図である。図2において、12は透光性基板、13、15は充填材、14は接続タブで接続した複数の太陽電池素子、16は裏面材である。
【0028】
透光性基板12は、厚さ3〜5mm程度の白板強化ガラス等が多く使用される。太陽電池素子14は厚み0.3mm程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン基板などからなり、概略の大きさは例えば多結晶シリコン太陽電池でおよそ150mm角である。太陽電池モジュールを作成するときには太陽電池素子14の電極とはんだメッキなど施した銅箔などの接続タブ17を接続し、さらに太陽電池モジュールから所定の電気出力を取り出せるように、接続タブ17で複数の太陽電池素子14を直並列に接続したものを用いる。
【0029】
充填材13、15は上述のようにエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)のほかポリビニルブチラール(PVB)などを主成分とするものが多く用いられる。非受光面材16は水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂などが用いられる。
【0030】
太陽電池モジュールでは、図2に示すように、重畳したものをラミネーターと呼ばれる装置で全体を加熱しながら押圧一体化する。この一体化したものにアルミなどで作成したモジュール枠(不図示)を四辺にビス止めし、さらに太陽電池モジュールの電気出力を外部の回路に接続するための端子ボックス(不図示)を接着剤で固定して太陽電池モジュールが完成する。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。例えば太陽電池素子は単結晶や多結晶シリコンなどの結晶系太陽電池に限定されるものではなく、薄膜系太陽電池などでも透光性基板の非受光面に複数の太陽電池素子を配置し、この複数の太陽電池素子を接続タブにより電気的に接続した太陽電池モジュールであれば適用される。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る太陽電池モジュールによれば、受光面側の接続タブと非受光面側の接続タブとを融点が異なるはんだで被覆することから、接続タブの再溶融による剥離の発生がなくなり、これにより接続タブの太陽電池素子から剥離や太陽電池モジュールの出力低下を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池モジュールの接続タブの接続順序を説明するための図である。
【図2】本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す図である。
【図3】従来の太陽電池モジュールを示す図である。
【符号の説明】
1、2;太陽電池素子、3、4;受光面側バスバー電極、5.6;受光面側の接続タブ、7;受光面側フィンガ電極、8;非受光面バスバー電極、9;非受光面側の接続タブ、12;透光性基板、13、15;充填材、14;複数の太陽電池素子、16;裏面材
Claims (2)
- 複数の太陽電池素子を接続タブで接続した太陽電池モジュールにおいて、前記接続ダブを前記太陽電池素子の受光面側と隣接する太陽電池素子の非受光面側とに融点が異なるはんだで接続したことを特徴とする太陽電池モジュール。
- 前記太陽電池素子の受光面側と隣接する太陽電池素子の非受光面側のうち、前記接続タブが先に接続される側を実質的に鉛を含まないはんだで接続したことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
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