JP2004281221A - 電極製造装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極構成体表面に静電スクリーン塗布手段で粉体の電極材料を塗布し、より高性能な電極を製造する電極製造装置および方法を提供する。
【解決手段】スクリーン14と電解質膜10(受け台12)との間に直線状の電界30が生じる。負に帯電させられ、スクリーン14から押し出された白金触媒20は電界30によって加速され、電解質膜10に衝突されることになる。こうすることで電解質膜10に白金触媒20を印刷(塗布)でき、電極を形成できる。
【選択図】 図1
【解決手段】スクリーン14と電解質膜10(受け台12)との間に直線状の電界30が生じる。負に帯電させられ、スクリーン14から押し出された白金触媒20は電界30によって加速され、電解質膜10に衝突されることになる。こうすることで電解質膜10に白金触媒20を印刷(塗布)でき、電極を形成できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電極製造装置および方法、特に電極構成体表面に粉体の電極材料を静電スクリーン塗布手段によって塗布されて形成される電極を製造する電極製造装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解質膜、カーボンなどの電極構成体表面に電極触媒や撥水ペーストなどの電極材料を付着させ、形成される電極が知られている。このような電極を用いている電池の1つとして、固体高分子型燃料電池が挙げられる。
【0003】
固体高分子電解質型燃料電池は、イオン交換膜からなる電解質膜とこの電解質膜の一面に配置されたアノードおよび電解質膜の他面に配置されたカソードとからなる膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane−Electrode Assembly)と、アノード、カソードに燃料ガス(水素:H2)および酸化ガス(酸素:O2、通常は空気)を供給するための流体流路を形成するセパレータとを複数重ねてセル積層体とし、セル積層体のセル積層方向両端に、ターミナル(電極板)、インシュレータ、エンドプレートを配置し、セル積層体をセル積層方向に締め付け、セル積層体の外側でセル積層方向に延びる締結部材(たとえば、テンションプレート)にて固定したスタックからなる。
固体高分子電解質型燃料電池では、アノード側では、水素が水素イオンと電子に解離する反応(H2→2H++2e)が行われ、水素イオンは電解質膜中をカソード側に移動し、カソード側では酸素と水素イオンおよび電子から水を生成する反応(2H++2e+(1/2)O2→H2O)が行われる。
アノード、カソードは上記反応を活性化させるための触媒を表面に有し、この触媒の層を触媒層と呼んでいる。この触媒層とセパレータとの間には拡散層(一般的にカーボンペーパ、カーボンクロスなどからなる膜)が設けられる。触媒層は、それぞれ1〜10μm程度の厚さで、電解質膜あるいは拡散層などの表面に塗布されている。
拡散層などの多孔質導電性電極基材や電解質膜上に、触媒層を形成し、電極を製造する方法を報告したものとして、下記特許文献1や特許文献2がある。
【0004】
特許文献1では、窒素ガスなどのキャリアガスを用いて摩擦帯電させた電極触媒粉末をチャンバー中に送り、電解質膜に付着させて電極を形成する方法が報告されている。また、特許文献2では、白金触媒を担持したカーボンをキャリアガスに混ぜて電解質膜中に衝突させて電極を製造する方法が報告されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−288728号公報
【特許文献2】
特開2000−3714号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1、特許文献2に記載される方法では、電解質膜に電極触媒を付着させるのにチャンバーに入れなければならず、連続生産は困難である場合がある。また、塗布面全面の同時塗布であるため、容易に電解質膜の部位別の膜厚の制御が難しい場合がある。
【0007】
また、特許文献1では、チャンバー内で浮遊している触媒粒子の一部が、主にその触媒自身の摩擦帯電によって付着する方式のため、触媒粒子を電解質膜に付着させる際、時間がかかる場合や付着しても付着強度が弱い場合がある。
【0008】
また、特許文献2に記載されている方法では、白金触媒を担持したカーボンをキャリアガスに混ぜて電解質膜中に衝突させて電極を製造しているが、カーボンが電解質膜に侵入してカーボンを介して電解質膜と触媒が直接付着する構造を主としているので、その付着強度が弱い場合がある。
【0009】
本発明は上記課題等を鑑みてなされたものであり、電極構成体表面に静電スクリーン塗布手段で粉体の電極材料を塗布し、より高性能な電極を製造する電極製造装置および方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題等を解決するために、電極構成体表面に粉体の電極材料が塗布され、形成される電極を製造する本発明の電極製造装置は、前記電極材料を前記電極構成体表面に塗布し、前記電極を形成させる静電スクリーン塗布手段を備えたこと、を特徴とする。
【0011】
また、前記静電スクリーン塗布手段は導電性スクリーンと、前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記導電性スクリーン上の電極材料を摩擦帯電させ、前記導電性スクリーンから前記電極構成体表面へ押出す押出手段と、を備える静電スクリーン塗布手段を有していてもよい。
【0012】
上記構成をとることにより、以下のような利点もある。帯電された電極材料を印加した電界によって加速し、加速した電極材料を電極構成体表面に衝突させることで電極構成体表面に塗布できる。したがって、印加電界を制御することによって電極構成体表面に衝突する電極材料の速度を制御でき、電極構成体表面に塗布される電極材料の度合いを制御することができる。すなわち、電極構成体表面の電極材料の部位別の膜厚を制御できる。また、その印加電界によって導電性スクリーンから落とされた電極材料を直接的に電極構成体表面へほぼ均一に導くことが可能である。さらにスクリーンによって、電極材料の粒径等の大きさを均一にし、粒径のばらつきの少ない電極材料の塗布もできる。また、静電スクリーン塗布手段を用いればよいので、大きな設備等を要せず、連続的に電極構成体に電極材料を塗布できる。
【0013】
また、上記電極製造装置は、前記電極材料を前記電極構成体表面に加熱定着させる加熱定着手段を有し、前記電極材料が塗布された後、前記加熱定着手段によって、前記電極材料が前記電極構成体に加熱定着されてもよい。
【0014】
このような構成とすることで、塗布された電極材料を電極構成体表面により確実に接着させることもできる。
【0015】
また、上記電極製造装置は、前記電極材料を前記電極構成体表面に固定する結着剤と、前記電極構成体に前記結着剤を塗布する結着剤塗布手段と、を有し、前記電極材料が塗布される前に、前記結着剤塗布手段によって前記結着剤が前記電極構成体に塗布されていてもよい。
【0016】
このような構成とすることで、電極材料が電極構成体表面に塗布される際、結着剤によってより確実に固定させることもできる。
【0017】
また、上記電極製造装置は、前記静電スクリーン塗布手段によって、前記電極材料が前記電極構成体表面及び裏面に塗布され、前記電極が形成されていてもよい。
【0018】
このような構成とすることで、電極構成体の表面と裏面に一度に電極材料を塗布することも可能であり、電極製造の効率化を図ることができる。
【0019】
また、上記電極製造装置は、貫通穴を有する保護膜を、少なくとも前記導電性スクリーン上、または前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に有し、前記保護膜によって、前記貫通穴に対応する前記電極構成体表面以外に前記電極材料が塗布されることを防止してもよい。
【0020】
このような保護膜を設けることで、保護膜の所定の形状を持った貫通穴以外に電極材料が電極構成体表面に塗布されることを防止できる。これにより、例えば、所望のパターン形状に電極材料を電極構成体の表面に塗布したい場合に、貫通穴を所望のパターン形状としておけば、電極構成体表面に電極材料の所望のパターン形状を得ることができる。静電スクリーン塗布手段は印加電界によって導電性スクリーンから落とされた電極材料を直接的に電極構成体表面へ導くことが可能であり、パターン形状の見切りをはっきりとすることができる。また、導電性スクリーン上の保護膜と、導電性スクリーンと電極構成体表面の間に有した保護膜と、を併用すれば、さらにパターン形状以外に電極材料が塗布されないようにして、電極構成体表面における電極材料が塗布された部分とそれ以外の部分との見切りをよりはっきりとすることができる。
【0021】
また、上記電極製造装置は、前記導電性スクリーンは回転ドラム式導電性スクリーンであってもよい。また、上記電極製造装置は、前記押出手段が回転機能を含む回転押出手段であってもよい。静電スクリーン塗布手段を回転ドラムにすることで煩わしさをなくすこともできる。また、押出手段に回転機能を加えることで効率よく、電極材料を押し出すこともできる。
【0022】
また、上記電極製造装置は、前記電極構成体が、燃料電池における電解質膜または拡散層を形成する膜、であってもよい。また、上記電極製造装置は、前記電極材料が、拡散層を形成する膜に塗布される撥水ペースト、または、カーボンに白金触媒を担持させた白金触媒であってもよい。
【0023】
電解質膜または拡散層は、部位によって電極材料の塗布される度合いを変える必要がある場合に好適である場合がある。また、電極材料がカーボンに白金を担持させた電極材料である場合などに静電スクリーン印刷が好適である場合がある。
【0024】
また、上記電極製造装置は、前記電極が不燃性ガス雰囲気中で製造されていてもよい。静電スクリーン印刷の電圧の印加や加熱定着等によって、電極触媒等が発火すことなどにより確実に防止できる。
【0025】
さらに上記電極製造装置と同様の製造方法も上記課題等を同様に解決できる。具体的には、次の通りである。
【0026】
電極構成体表面に粉体の電極材料が塗布され、形成される電極を製造する本発明の電極製造方法は、前記電極材料を前記電極構成体表面に塗布し、前記電極を形成させる静電スクリーン塗布工程を有すること、を特徴とする。
【0027】
また、前記静電スクリーン塗布工程は導電性スクリーンと、前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に電圧を印加する電圧印加工程と、前記導電性スクリーン上の電極材料を摩擦帯電させ、前記導電性スクリーンから前記電極構成体表面へ押出す押出工程と、を備える静電スクリーン塗布工程を有していてもよい。
【0028】
また、上記電極製造方法は、前記電極材料を前記電極構成体表面に加熱定着させる加熱定着工程を有し、前記電極材料が塗布された後、前記加熱定着工程によって、前記電極材料が前記電極構成体に加熱定着されてもよい。
【0029】
また、上記電極製造方法は、前記電極材料を前記電極構成体表面に固定する結着剤を前記電極構成体に塗布する結着剤塗布工程を有し、前記電極材料が塗布される前に、前記結着剤塗布工程によって前記結着剤が前記電極構成体に塗布されていてもよい。
【0030】
また、上記電極製造方法は、前記静電スクリーン塗布工程によって、前記電極材料が前記電極構成体表面及び裏面に塗布され、前記電極が形成されていてもよい。
【0031】
また、上記電極製造方法は、貫通穴を有する保護膜を、少なくとも前記導電性スクリーン上、または前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に有し、前記保護膜によって、前記貫通穴に対応する前記電極構成体表面以外に前記電極材料が塗布されることを防止してもよい。
【0032】
また、上記電極製造方法は、前記導電性スクリーンは回転ドラム式導電性スクリーンであってもよい。
【0033】
また、上記電極製造方法は、前記押出工程が回転機能を含む回転押部材を用いる回転押出工程であってもよい。また、上記電極製造方法は、前記電極構成体が、固体高分子型燃料電池における電解質膜または拡散層を形成する膜、であってもよい。
【0034】
また、上記電極製造方法は、前記電極材料が、拡散層を形成する膜に塗布される撥水ペースト、またはカーボンに白金触媒を担持させた白金触媒、であってもよい。
【0035】
また、上記電極製造方法は、前記電極が不燃性ガス雰囲気中で製造されていてもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電極製造装置を用いて電極構成体表面に粉体の電極材料を塗布して、形成される電極を製造する実施形態について説明する。なお、本発明の実施形態は、本発明の実施に関しての好ましい一例であって、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。
【0037】
なお、本実施形態では、電極構成体として固体高分子型燃料電池の電解質膜(以下、電解質膜10という)、粉体の電極材料としてカーボンに白金の担持させた白金触媒(以下、白金触媒という)を用いて電解質膜10上に白金触媒20を塗布された電極(白金触媒20が電解質膜10の表面に塗布された構造)について説明する。
【0038】
「実施形態1」
図1には本実施形態1の電極製造装置100が示される。電極製造装置100はバインダ塗布部(スクリーン印刷)100a、電極触媒塗布部(静電スクリーン印刷)100b、定着部(加熱ローラ)100cからなる。電解質膜10は矢印50の方向に向かって、バインダ塗布部(スクリーン印刷)100a、電極触媒塗布部(静電スクリーン印刷)100b、定着部(加熱ローラ)100cの順に間欠送りされて電極製造処理される。
【0039】
最初に電解質膜10には、結着剤塗布手段であるバインダ塗布部100aで高粘度バインダ60、(例えばナイフォン(デュポン社製))が一般的なスキージ62を用いるスクリーン印刷によって塗布される。塗布する場所は少なくとも白金触媒20を電極触媒塗布部100bで塗布したい場所であればよいが、電解質膜10の全面であってもよい。バインダ塗布部100aでは、バインダ60を塗布できればどんな塗布手段であってもよい。
【0040】
バインダ塗布部100aでバインダ60が塗布された電解質膜10は電極触媒塗布部100bに移動する。電極触媒塗布部100bでは、白金触媒20を所望の場所に静電スクリーン印刷で塗布する。(バインダ塗布部100bの静電スクリーン印刷の方法については後に詳述する。)バインダ60によって静電スクリーン印刷された白金触媒20は、強固に固定される。
【0041】
白金触媒20を印刷された電解質膜10は定着部100cに移動する。定着部100cでは、電解質膜10上の白金触媒20は加熱定着手段である加熱ローラ64によって、電解質膜10に加熱定着され、電極が形成される。
【0042】
ここでは、加熱定着(ホットプレス)することができればいかなる装置を用いてもよく、平板ホットプレス等であってもよい。このようにして、電解質膜10に白金触媒20を塗布した電極が形成できる。ここで、静電スクリーン印刷や加熱定着などの際の、白金触媒20の発火などを防止するために本電極の製造は不燃性ガス雰囲気中70で行うこともできる。
【0043】
次に電極触媒塗布部100bで、電解質膜10に白金触媒20が塗布される方法について詳述する。
【0044】
電解質膜10は電極触媒塗布部100bに移行され、ステンレス製の受け台12と適切なメッシュを有する導電性スクリーンであるステンレス製平面スクリーン14との間であって、受け台12の直上に導入される。ここで電解質膜10とスクリーン14との距離は2mmから50mm、より好ましくは5mmから10mmである。スクリーン14はその上側も含めて、保護膜として樹脂製のマスク(図示せず)で覆われている。この樹脂製のマスクは貫通穴を有し、その貫通穴は白金触媒20を電解質膜10に塗布したいパターン形状に対応させて開けられている。白金触媒20はこの樹脂製マスクの貫通穴からのみ押し出される。マスクの材質としては例えばアクリルや塩化ビニルが挙げられる。
【0045】
スクリーン14の上には、図1の矢印方向に回転し、往復する回転往復ブラシ22が備えられている。またブラシ22の上には白金触媒20の供給手段として定量供給機構24が備えられている。白金触媒20は定量供給機構24によってブラシ22の上に常時供給される。この供給機構24はスクリュウねじ、振動板、スキージを利用した供給手段など何であってもよく、好ましくは定量供給できるものである。ブラシ22の上に供給された白金触媒はブラシ22の回転往復運動によってスクリーン14上に均一に分散される。
【0046】
さらにブラシ22はスクリーン14の上を回転往復し、摩擦帯電作用によって、白金触媒20を負に帯電させる。さらにブラシ22は、スクリーン14上の白金触媒20をその回転往復運動によって押し出す。(白金触媒20が押し出されるのはスクリーン14で樹脂製マスクで覆われていない貫通穴からである。)ここでブラシ22は回転または往復運動のみでもよい。回転運動があれば白金触媒20を好適に摩擦帯電させ、押し出すことができる場合がある。ブラシ22の材質としてはポリウレタン、ナイロン等、白金触媒20を摩擦耐電させることに有利な材質が望ましい。また、スクリーンのメッシュは適切な粒径の白金触媒20を電解質膜10に塗布するために50メッシュから1000メッシュ、より好ましくは100メッシュから300メッシュであることが望ましい。ここで、受け台12は、アースされ、スクリーン14は負電圧が印加されるように負の電源(図示せず)に接続されている。負電圧をスクリーン14に印加すると、スクリーン14と電解質膜10(受け台12)との間に直線状の電界30が生じる。電界30を形成する電位差は電解質膜10との距離に応じて設定される。本実施形態では電位差500Vから20kV、より好ましくは3kVから5kVである。ここで、電解質膜10は受け台12を通じてアースされているために0Vである。ここで、正電圧印加用の電源(図示せず)から受け台12を通じて電解質膜10を積極的に正電圧に印加させてもよく、かかる場合にはさらに均一な塗布が可能である場合がある。また、このようにすれば電解質膜10とスクリーン14との距離がさらに離れていても塗布が可能となる場合もある。
【0047】
このようにして負に帯電させられ、スクリーン14から押し出された白金触媒20は電界30によって加速され、電解質膜10に衝突されることになる。こうすることで電解質膜10に白金触媒20を印刷(塗布)でき、電極を形成できる。
【0048】
負に帯電された白金触媒20を印加した電界によって加速し、加速した白金触媒20を電解質膜10に衝突させることでその表面に塗布できる。したがって、印加電界30を制御することによって電解質膜10に衝突する白金触媒20の速度を制御でき、電解質膜10に塗布される白金触媒20の度合いを制御することができる。すなわち、電解質膜10上の部位別の白金触媒20の膜厚等を制御できる。また、その印加電界30によってスクリーン14から押し出された白金触媒20を直接的に電解質膜10の表面へ導くことが可能である。さらにスクリーン14のメッシュによって電極材料の粒径等の大きさを均一にし、粒径のばらつきの少ない白金触媒20を塗布できる。また、静電スクリーン塗布手段を用いればよいので、従来のような大きな設備等を要せず、連続的に電解質膜10に白金触媒20をほぼ均一に塗布できる。
【0049】
特に本実施形態では、電解質膜10上に白金触媒20が激しく衝突し、電解質膜10に埋め込まれる構成となり、キャリアガスを用いて衝突させる場合などと比較して強固に、電解質膜10の表面に白金触媒20が塗布される。さらに、加熱ローラ64によって溶融した電解質膜10が結着作用を示し、塗布された白金触媒20が電解質膜10とさらに強固に決着される作用を望めることもある。
【0050】
ところでスクリーン14と電解質膜10との間にはさらに保護膜として樹脂製のマスク26が備えられてもよい。このマスク26を用いる例を説明する。このマスク26は貫通穴を有する。このマスク26の貫通穴は電解質膜10上に白金触媒20を塗布する位置、すなわち、スクリーン14を覆っている樹脂製マスクの貫通穴と対応させる。このようにマスク26を設けることで貫通穴を有する箇所に対応する電解質膜10上に白金触媒20は塗布され、それ以外の電解質膜10の箇所に白金触媒20が塗布されることをさらに防止できる。よって、所望のパターンの白金触媒20を電解質膜10に塗布した電極を得ることができる。
このようにスクリーン14を覆っている樹脂製マスクとマスク26をともに用いてもよいが、スクリーン14を覆っている樹脂製マスクを用いずにマスク26のみを用いてもよい場合がある。また、マスク26は、白金触媒20が塗布されること以外にもその他汚れ等を防止できる場合がある。
【0051】
「実施形態2」
図2には、本実施形態2の電極製造装置200が示される。電極製造装置200は、電解質膜10のカソード側200aとその裏面のアノード側200b(電解質膜10の表面及び裏面)に白金触媒20を塗布できる電極製造方法である。
【0052】
すなわち、カソード側200aおよびアノード側200bにそれぞれ実施形態1の構成である、バインダ塗布部(スクリーン印刷)100a、電極触媒塗布部(静電スクリーン印刷)100b、定着部(加熱ローラ)100cという、を有するものである。カソード側200aおよびアノード側200bにおいてそれぞれ電解質膜10へ白金触媒20が塗布される方法は実施形態1と同じである。
【0053】
当初、電解質膜10はローラ40a等によって、カソード側200aの電極を形成したい側を上面とし、アノード側200bの電極を形成したい側を下面にした状態で矢印250の方向に向かって、移動させられる。
【0054】
カソード側200aの静電スクリーン塗布手段等によって電解質膜10のカソード側に白金触媒20が塗布され、カソード側の電極が形成され、ローラ40bに至る。ここでローラ40bより下位に位置するローラ40cまで電解質膜10が至ると、カソード側が下面となり、アノード側が上面となる。
【0055】
次にその状態でアノード側200bの静電スクリーン塗布手段等によって電解質膜10のアノード側に白金触媒20が塗布され、アノード側の電極が形成される。
【0056】
このようにして、ローラ40dに至るときには電解質膜10のカソード側200aとその裏面のアノード側200b(電解質膜10の表面及び裏面)に白金触媒20を一度に塗布でき、表面及び裏面の両面の電極を一度に形成できる。電解質膜10の両面に白金触媒20を塗布して形成される固体高分子型燃料電池の電極製造方法に特に工程削減等の面で好適である。
【0057】
「実施形態3」
図3には、本実施形態3の電極製造装置300が示される。電極製造装置300はバインダ塗布部(回転ドラム式スクリーン印刷)300a、電極触媒塗布部(回転ドラム式静電スクリーン印刷)300b、定着部(加熱ローラ)300cからなる。電解質膜10は矢印350の方向に向かって、バインダ塗布部(回転ドラム式スクリーン印刷)300a、電極触媒塗布部(回転ドラム式静電スクリーン印刷)300b、定着部(加熱ローラ)300cの順に電極が製造処理される。
【0058】
実施形態1とはバインダ塗布部および電極触媒塗布部がそれぞれ異なる以外は製造方法は同様である。すわわち、バインダ塗布部に回転ドラム式スクリーン印刷300a、電極触媒塗布部に回転ドラム式静電スクリーン印刷300bを用いている。具体的には以下の通りである。
【0059】
最初に電解質膜10には、結着剤塗布手段であるバインダ塗布部300aで高粘度バインダ60、(例えばナイフォン(デュポン社製))がスキージ62によって回転ドラム式スクリーン印刷で塗布される。塗布する場所は白金触媒20を電極触媒塗布部300bで塗布したい場所であるが全面であってもよい。バインダ塗布部300aでは、バインダ60を塗布できれば、バインダ60によって回転ドラム式静電スクリーン印刷された白金触媒20は、より強固に固定される。ここで回転ドラム式スクリーン印刷に限られないのは
【0060】
バインダ塗布部300aでバインダ60を塗布された電解質膜10は電極触媒塗布部300bに移動する。電極触媒塗布部300bでは、白金触媒20を所望の場所に回転ドラム式静電スクリーン16を用いた回転ドラム式静電スクリーン印刷で塗布する。ここでは回転ドラム式スクリーン16の中にある電極触媒20が回転機能を有する回転ブラシ22によって、負に帯電させられ、押し出される。
【0061】
回転ドラム式スクリーン16は導電性であり、負の電圧をかけられている。その後実施形態1と同様に電界30によって白金触媒20は加速され、電解質膜10の表面に衝突して印刷される。
【0062】
白金触媒20を印刷された電解質膜10は定着部300cに移動する。定着部300cでは、電解質膜10上の白金触媒20は加熱定着手段である加熱ローラ64によって、電解質膜10に加熱定着され、電極が形成される。
【0063】
ここでは、加熱定着(ホットプレス)することができれば、平板ホットプレス等何であってもよい。このようにして、電解質膜10に白金触媒20を塗布した電極が形成できる。ここで、静電スクリーン印刷や加熱定着などの際の、白金触媒20の発火などを防止するために本電極の製造は不燃性ガス雰囲気中70で行うこともできる。マスク26を設けることもできることなどは実施形態1と同じである。
【0064】
実施形態3の電極製造装置300の場合、電解質膜10を矢印350の方向へ連続送りとし、それに同期回転させたドラム16で塗布を行うこともできるので効率がよい場合がある。
【0065】
上記各実施形態において、電解質膜10の代わりに拡散層を形成する膜を用いることも可能である。この場合は、白金触媒20を同様に静電スクリーン印刷することもできるが、撥水ペーストを印刷することもできる。
【0066】
また、固体高分子型燃料電池以外にも、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池の電極の製造方法にも適用できる。さらに、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、Ni系電池(例えばNi−MH電池など)など二次電池をはじめとして、電池一般の電極の製造方法に適用できる。
【0067】
また、上記バインダ塗布部、定着部は必ずとも必要とはされない。電極触媒塗布部のみでも十分に電極を製造できる場合があるからである。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、電極構成体表面に静電スクリーン塗布手段で粉体の電極材料を塗布し、より高性能な電極を製造する電極製造装置および方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態1の電極製造装置を示す図である。
【図2】本実施形態2の電極製造装置を示す図である。
【図3】本実施形態3の電極製造装置を示す図である。
【符号の説明】
10 電解質膜(電極構成体)、12 受け台、14 スクリーン、16 回転ドラム式スクリーン、20 白金触媒(電極材料)、22 ブラシ、24 供給機構、26 保護膜(マスク)、30 電界、40 ローラ、64 加熱ローラ、70 不燃性ガス雰囲気、100,200,300 電極製造装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は電極製造装置および方法、特に電極構成体表面に粉体の電極材料を静電スクリーン塗布手段によって塗布されて形成される電極を製造する電極製造装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解質膜、カーボンなどの電極構成体表面に電極触媒や撥水ペーストなどの電極材料を付着させ、形成される電極が知られている。このような電極を用いている電池の1つとして、固体高分子型燃料電池が挙げられる。
【0003】
固体高分子電解質型燃料電池は、イオン交換膜からなる電解質膜とこの電解質膜の一面に配置されたアノードおよび電解質膜の他面に配置されたカソードとからなる膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane−Electrode Assembly)と、アノード、カソードに燃料ガス(水素:H2)および酸化ガス(酸素:O2、通常は空気)を供給するための流体流路を形成するセパレータとを複数重ねてセル積層体とし、セル積層体のセル積層方向両端に、ターミナル(電極板)、インシュレータ、エンドプレートを配置し、セル積層体をセル積層方向に締め付け、セル積層体の外側でセル積層方向に延びる締結部材(たとえば、テンションプレート)にて固定したスタックからなる。
固体高分子電解質型燃料電池では、アノード側では、水素が水素イオンと電子に解離する反応(H2→2H++2e)が行われ、水素イオンは電解質膜中をカソード側に移動し、カソード側では酸素と水素イオンおよび電子から水を生成する反応(2H++2e+(1/2)O2→H2O)が行われる。
アノード、カソードは上記反応を活性化させるための触媒を表面に有し、この触媒の層を触媒層と呼んでいる。この触媒層とセパレータとの間には拡散層(一般的にカーボンペーパ、カーボンクロスなどからなる膜)が設けられる。触媒層は、それぞれ1〜10μm程度の厚さで、電解質膜あるいは拡散層などの表面に塗布されている。
拡散層などの多孔質導電性電極基材や電解質膜上に、触媒層を形成し、電極を製造する方法を報告したものとして、下記特許文献1や特許文献2がある。
【0004】
特許文献1では、窒素ガスなどのキャリアガスを用いて摩擦帯電させた電極触媒粉末をチャンバー中に送り、電解質膜に付着させて電極を形成する方法が報告されている。また、特許文献2では、白金触媒を担持したカーボンをキャリアガスに混ぜて電解質膜中に衝突させて電極を製造する方法が報告されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−288728号公報
【特許文献2】
特開2000−3714号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1、特許文献2に記載される方法では、電解質膜に電極触媒を付着させるのにチャンバーに入れなければならず、連続生産は困難である場合がある。また、塗布面全面の同時塗布であるため、容易に電解質膜の部位別の膜厚の制御が難しい場合がある。
【0007】
また、特許文献1では、チャンバー内で浮遊している触媒粒子の一部が、主にその触媒自身の摩擦帯電によって付着する方式のため、触媒粒子を電解質膜に付着させる際、時間がかかる場合や付着しても付着強度が弱い場合がある。
【0008】
また、特許文献2に記載されている方法では、白金触媒を担持したカーボンをキャリアガスに混ぜて電解質膜中に衝突させて電極を製造しているが、カーボンが電解質膜に侵入してカーボンを介して電解質膜と触媒が直接付着する構造を主としているので、その付着強度が弱い場合がある。
【0009】
本発明は上記課題等を鑑みてなされたものであり、電極構成体表面に静電スクリーン塗布手段で粉体の電極材料を塗布し、より高性能な電極を製造する電極製造装置および方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題等を解決するために、電極構成体表面に粉体の電極材料が塗布され、形成される電極を製造する本発明の電極製造装置は、前記電極材料を前記電極構成体表面に塗布し、前記電極を形成させる静電スクリーン塗布手段を備えたこと、を特徴とする。
【0011】
また、前記静電スクリーン塗布手段は導電性スクリーンと、前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記導電性スクリーン上の電極材料を摩擦帯電させ、前記導電性スクリーンから前記電極構成体表面へ押出す押出手段と、を備える静電スクリーン塗布手段を有していてもよい。
【0012】
上記構成をとることにより、以下のような利点もある。帯電された電極材料を印加した電界によって加速し、加速した電極材料を電極構成体表面に衝突させることで電極構成体表面に塗布できる。したがって、印加電界を制御することによって電極構成体表面に衝突する電極材料の速度を制御でき、電極構成体表面に塗布される電極材料の度合いを制御することができる。すなわち、電極構成体表面の電極材料の部位別の膜厚を制御できる。また、その印加電界によって導電性スクリーンから落とされた電極材料を直接的に電極構成体表面へほぼ均一に導くことが可能である。さらにスクリーンによって、電極材料の粒径等の大きさを均一にし、粒径のばらつきの少ない電極材料の塗布もできる。また、静電スクリーン塗布手段を用いればよいので、大きな設備等を要せず、連続的に電極構成体に電極材料を塗布できる。
【0013】
また、上記電極製造装置は、前記電極材料を前記電極構成体表面に加熱定着させる加熱定着手段を有し、前記電極材料が塗布された後、前記加熱定着手段によって、前記電極材料が前記電極構成体に加熱定着されてもよい。
【0014】
このような構成とすることで、塗布された電極材料を電極構成体表面により確実に接着させることもできる。
【0015】
また、上記電極製造装置は、前記電極材料を前記電極構成体表面に固定する結着剤と、前記電極構成体に前記結着剤を塗布する結着剤塗布手段と、を有し、前記電極材料が塗布される前に、前記結着剤塗布手段によって前記結着剤が前記電極構成体に塗布されていてもよい。
【0016】
このような構成とすることで、電極材料が電極構成体表面に塗布される際、結着剤によってより確実に固定させることもできる。
【0017】
また、上記電極製造装置は、前記静電スクリーン塗布手段によって、前記電極材料が前記電極構成体表面及び裏面に塗布され、前記電極が形成されていてもよい。
【0018】
このような構成とすることで、電極構成体の表面と裏面に一度に電極材料を塗布することも可能であり、電極製造の効率化を図ることができる。
【0019】
また、上記電極製造装置は、貫通穴を有する保護膜を、少なくとも前記導電性スクリーン上、または前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に有し、前記保護膜によって、前記貫通穴に対応する前記電極構成体表面以外に前記電極材料が塗布されることを防止してもよい。
【0020】
このような保護膜を設けることで、保護膜の所定の形状を持った貫通穴以外に電極材料が電極構成体表面に塗布されることを防止できる。これにより、例えば、所望のパターン形状に電極材料を電極構成体の表面に塗布したい場合に、貫通穴を所望のパターン形状としておけば、電極構成体表面に電極材料の所望のパターン形状を得ることができる。静電スクリーン塗布手段は印加電界によって導電性スクリーンから落とされた電極材料を直接的に電極構成体表面へ導くことが可能であり、パターン形状の見切りをはっきりとすることができる。また、導電性スクリーン上の保護膜と、導電性スクリーンと電極構成体表面の間に有した保護膜と、を併用すれば、さらにパターン形状以外に電極材料が塗布されないようにして、電極構成体表面における電極材料が塗布された部分とそれ以外の部分との見切りをよりはっきりとすることができる。
【0021】
また、上記電極製造装置は、前記導電性スクリーンは回転ドラム式導電性スクリーンであってもよい。また、上記電極製造装置は、前記押出手段が回転機能を含む回転押出手段であってもよい。静電スクリーン塗布手段を回転ドラムにすることで煩わしさをなくすこともできる。また、押出手段に回転機能を加えることで効率よく、電極材料を押し出すこともできる。
【0022】
また、上記電極製造装置は、前記電極構成体が、燃料電池における電解質膜または拡散層を形成する膜、であってもよい。また、上記電極製造装置は、前記電極材料が、拡散層を形成する膜に塗布される撥水ペースト、または、カーボンに白金触媒を担持させた白金触媒であってもよい。
【0023】
電解質膜または拡散層は、部位によって電極材料の塗布される度合いを変える必要がある場合に好適である場合がある。また、電極材料がカーボンに白金を担持させた電極材料である場合などに静電スクリーン印刷が好適である場合がある。
【0024】
また、上記電極製造装置は、前記電極が不燃性ガス雰囲気中で製造されていてもよい。静電スクリーン印刷の電圧の印加や加熱定着等によって、電極触媒等が発火すことなどにより確実に防止できる。
【0025】
さらに上記電極製造装置と同様の製造方法も上記課題等を同様に解決できる。具体的には、次の通りである。
【0026】
電極構成体表面に粉体の電極材料が塗布され、形成される電極を製造する本発明の電極製造方法は、前記電極材料を前記電極構成体表面に塗布し、前記電極を形成させる静電スクリーン塗布工程を有すること、を特徴とする。
【0027】
また、前記静電スクリーン塗布工程は導電性スクリーンと、前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に電圧を印加する電圧印加工程と、前記導電性スクリーン上の電極材料を摩擦帯電させ、前記導電性スクリーンから前記電極構成体表面へ押出す押出工程と、を備える静電スクリーン塗布工程を有していてもよい。
【0028】
また、上記電極製造方法は、前記電極材料を前記電極構成体表面に加熱定着させる加熱定着工程を有し、前記電極材料が塗布された後、前記加熱定着工程によって、前記電極材料が前記電極構成体に加熱定着されてもよい。
【0029】
また、上記電極製造方法は、前記電極材料を前記電極構成体表面に固定する結着剤を前記電極構成体に塗布する結着剤塗布工程を有し、前記電極材料が塗布される前に、前記結着剤塗布工程によって前記結着剤が前記電極構成体に塗布されていてもよい。
【0030】
また、上記電極製造方法は、前記静電スクリーン塗布工程によって、前記電極材料が前記電極構成体表面及び裏面に塗布され、前記電極が形成されていてもよい。
【0031】
また、上記電極製造方法は、貫通穴を有する保護膜を、少なくとも前記導電性スクリーン上、または前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に有し、前記保護膜によって、前記貫通穴に対応する前記電極構成体表面以外に前記電極材料が塗布されることを防止してもよい。
【0032】
また、上記電極製造方法は、前記導電性スクリーンは回転ドラム式導電性スクリーンであってもよい。
【0033】
また、上記電極製造方法は、前記押出工程が回転機能を含む回転押部材を用いる回転押出工程であってもよい。また、上記電極製造方法は、前記電極構成体が、固体高分子型燃料電池における電解質膜または拡散層を形成する膜、であってもよい。
【0034】
また、上記電極製造方法は、前記電極材料が、拡散層を形成する膜に塗布される撥水ペースト、またはカーボンに白金触媒を担持させた白金触媒、であってもよい。
【0035】
また、上記電極製造方法は、前記電極が不燃性ガス雰囲気中で製造されていてもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電極製造装置を用いて電極構成体表面に粉体の電極材料を塗布して、形成される電極を製造する実施形態について説明する。なお、本発明の実施形態は、本発明の実施に関しての好ましい一例であって、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。
【0037】
なお、本実施形態では、電極構成体として固体高分子型燃料電池の電解質膜(以下、電解質膜10という)、粉体の電極材料としてカーボンに白金の担持させた白金触媒(以下、白金触媒という)を用いて電解質膜10上に白金触媒20を塗布された電極(白金触媒20が電解質膜10の表面に塗布された構造)について説明する。
【0038】
「実施形態1」
図1には本実施形態1の電極製造装置100が示される。電極製造装置100はバインダ塗布部(スクリーン印刷)100a、電極触媒塗布部(静電スクリーン印刷)100b、定着部(加熱ローラ)100cからなる。電解質膜10は矢印50の方向に向かって、バインダ塗布部(スクリーン印刷)100a、電極触媒塗布部(静電スクリーン印刷)100b、定着部(加熱ローラ)100cの順に間欠送りされて電極製造処理される。
【0039】
最初に電解質膜10には、結着剤塗布手段であるバインダ塗布部100aで高粘度バインダ60、(例えばナイフォン(デュポン社製))が一般的なスキージ62を用いるスクリーン印刷によって塗布される。塗布する場所は少なくとも白金触媒20を電極触媒塗布部100bで塗布したい場所であればよいが、電解質膜10の全面であってもよい。バインダ塗布部100aでは、バインダ60を塗布できればどんな塗布手段であってもよい。
【0040】
バインダ塗布部100aでバインダ60が塗布された電解質膜10は電極触媒塗布部100bに移動する。電極触媒塗布部100bでは、白金触媒20を所望の場所に静電スクリーン印刷で塗布する。(バインダ塗布部100bの静電スクリーン印刷の方法については後に詳述する。)バインダ60によって静電スクリーン印刷された白金触媒20は、強固に固定される。
【0041】
白金触媒20を印刷された電解質膜10は定着部100cに移動する。定着部100cでは、電解質膜10上の白金触媒20は加熱定着手段である加熱ローラ64によって、電解質膜10に加熱定着され、電極が形成される。
【0042】
ここでは、加熱定着(ホットプレス)することができればいかなる装置を用いてもよく、平板ホットプレス等であってもよい。このようにして、電解質膜10に白金触媒20を塗布した電極が形成できる。ここで、静電スクリーン印刷や加熱定着などの際の、白金触媒20の発火などを防止するために本電極の製造は不燃性ガス雰囲気中70で行うこともできる。
【0043】
次に電極触媒塗布部100bで、電解質膜10に白金触媒20が塗布される方法について詳述する。
【0044】
電解質膜10は電極触媒塗布部100bに移行され、ステンレス製の受け台12と適切なメッシュを有する導電性スクリーンであるステンレス製平面スクリーン14との間であって、受け台12の直上に導入される。ここで電解質膜10とスクリーン14との距離は2mmから50mm、より好ましくは5mmから10mmである。スクリーン14はその上側も含めて、保護膜として樹脂製のマスク(図示せず)で覆われている。この樹脂製のマスクは貫通穴を有し、その貫通穴は白金触媒20を電解質膜10に塗布したいパターン形状に対応させて開けられている。白金触媒20はこの樹脂製マスクの貫通穴からのみ押し出される。マスクの材質としては例えばアクリルや塩化ビニルが挙げられる。
【0045】
スクリーン14の上には、図1の矢印方向に回転し、往復する回転往復ブラシ22が備えられている。またブラシ22の上には白金触媒20の供給手段として定量供給機構24が備えられている。白金触媒20は定量供給機構24によってブラシ22の上に常時供給される。この供給機構24はスクリュウねじ、振動板、スキージを利用した供給手段など何であってもよく、好ましくは定量供給できるものである。ブラシ22の上に供給された白金触媒はブラシ22の回転往復運動によってスクリーン14上に均一に分散される。
【0046】
さらにブラシ22はスクリーン14の上を回転往復し、摩擦帯電作用によって、白金触媒20を負に帯電させる。さらにブラシ22は、スクリーン14上の白金触媒20をその回転往復運動によって押し出す。(白金触媒20が押し出されるのはスクリーン14で樹脂製マスクで覆われていない貫通穴からである。)ここでブラシ22は回転または往復運動のみでもよい。回転運動があれば白金触媒20を好適に摩擦帯電させ、押し出すことができる場合がある。ブラシ22の材質としてはポリウレタン、ナイロン等、白金触媒20を摩擦耐電させることに有利な材質が望ましい。また、スクリーンのメッシュは適切な粒径の白金触媒20を電解質膜10に塗布するために50メッシュから1000メッシュ、より好ましくは100メッシュから300メッシュであることが望ましい。ここで、受け台12は、アースされ、スクリーン14は負電圧が印加されるように負の電源(図示せず)に接続されている。負電圧をスクリーン14に印加すると、スクリーン14と電解質膜10(受け台12)との間に直線状の電界30が生じる。電界30を形成する電位差は電解質膜10との距離に応じて設定される。本実施形態では電位差500Vから20kV、より好ましくは3kVから5kVである。ここで、電解質膜10は受け台12を通じてアースされているために0Vである。ここで、正電圧印加用の電源(図示せず)から受け台12を通じて電解質膜10を積極的に正電圧に印加させてもよく、かかる場合にはさらに均一な塗布が可能である場合がある。また、このようにすれば電解質膜10とスクリーン14との距離がさらに離れていても塗布が可能となる場合もある。
【0047】
このようにして負に帯電させられ、スクリーン14から押し出された白金触媒20は電界30によって加速され、電解質膜10に衝突されることになる。こうすることで電解質膜10に白金触媒20を印刷(塗布)でき、電極を形成できる。
【0048】
負に帯電された白金触媒20を印加した電界によって加速し、加速した白金触媒20を電解質膜10に衝突させることでその表面に塗布できる。したがって、印加電界30を制御することによって電解質膜10に衝突する白金触媒20の速度を制御でき、電解質膜10に塗布される白金触媒20の度合いを制御することができる。すなわち、電解質膜10上の部位別の白金触媒20の膜厚等を制御できる。また、その印加電界30によってスクリーン14から押し出された白金触媒20を直接的に電解質膜10の表面へ導くことが可能である。さらにスクリーン14のメッシュによって電極材料の粒径等の大きさを均一にし、粒径のばらつきの少ない白金触媒20を塗布できる。また、静電スクリーン塗布手段を用いればよいので、従来のような大きな設備等を要せず、連続的に電解質膜10に白金触媒20をほぼ均一に塗布できる。
【0049】
特に本実施形態では、電解質膜10上に白金触媒20が激しく衝突し、電解質膜10に埋め込まれる構成となり、キャリアガスを用いて衝突させる場合などと比較して強固に、電解質膜10の表面に白金触媒20が塗布される。さらに、加熱ローラ64によって溶融した電解質膜10が結着作用を示し、塗布された白金触媒20が電解質膜10とさらに強固に決着される作用を望めることもある。
【0050】
ところでスクリーン14と電解質膜10との間にはさらに保護膜として樹脂製のマスク26が備えられてもよい。このマスク26を用いる例を説明する。このマスク26は貫通穴を有する。このマスク26の貫通穴は電解質膜10上に白金触媒20を塗布する位置、すなわち、スクリーン14を覆っている樹脂製マスクの貫通穴と対応させる。このようにマスク26を設けることで貫通穴を有する箇所に対応する電解質膜10上に白金触媒20は塗布され、それ以外の電解質膜10の箇所に白金触媒20が塗布されることをさらに防止できる。よって、所望のパターンの白金触媒20を電解質膜10に塗布した電極を得ることができる。
このようにスクリーン14を覆っている樹脂製マスクとマスク26をともに用いてもよいが、スクリーン14を覆っている樹脂製マスクを用いずにマスク26のみを用いてもよい場合がある。また、マスク26は、白金触媒20が塗布されること以外にもその他汚れ等を防止できる場合がある。
【0051】
「実施形態2」
図2には、本実施形態2の電極製造装置200が示される。電極製造装置200は、電解質膜10のカソード側200aとその裏面のアノード側200b(電解質膜10の表面及び裏面)に白金触媒20を塗布できる電極製造方法である。
【0052】
すなわち、カソード側200aおよびアノード側200bにそれぞれ実施形態1の構成である、バインダ塗布部(スクリーン印刷)100a、電極触媒塗布部(静電スクリーン印刷)100b、定着部(加熱ローラ)100cという、を有するものである。カソード側200aおよびアノード側200bにおいてそれぞれ電解質膜10へ白金触媒20が塗布される方法は実施形態1と同じである。
【0053】
当初、電解質膜10はローラ40a等によって、カソード側200aの電極を形成したい側を上面とし、アノード側200bの電極を形成したい側を下面にした状態で矢印250の方向に向かって、移動させられる。
【0054】
カソード側200aの静電スクリーン塗布手段等によって電解質膜10のカソード側に白金触媒20が塗布され、カソード側の電極が形成され、ローラ40bに至る。ここでローラ40bより下位に位置するローラ40cまで電解質膜10が至ると、カソード側が下面となり、アノード側が上面となる。
【0055】
次にその状態でアノード側200bの静電スクリーン塗布手段等によって電解質膜10のアノード側に白金触媒20が塗布され、アノード側の電極が形成される。
【0056】
このようにして、ローラ40dに至るときには電解質膜10のカソード側200aとその裏面のアノード側200b(電解質膜10の表面及び裏面)に白金触媒20を一度に塗布でき、表面及び裏面の両面の電極を一度に形成できる。電解質膜10の両面に白金触媒20を塗布して形成される固体高分子型燃料電池の電極製造方法に特に工程削減等の面で好適である。
【0057】
「実施形態3」
図3には、本実施形態3の電極製造装置300が示される。電極製造装置300はバインダ塗布部(回転ドラム式スクリーン印刷)300a、電極触媒塗布部(回転ドラム式静電スクリーン印刷)300b、定着部(加熱ローラ)300cからなる。電解質膜10は矢印350の方向に向かって、バインダ塗布部(回転ドラム式スクリーン印刷)300a、電極触媒塗布部(回転ドラム式静電スクリーン印刷)300b、定着部(加熱ローラ)300cの順に電極が製造処理される。
【0058】
実施形態1とはバインダ塗布部および電極触媒塗布部がそれぞれ異なる以外は製造方法は同様である。すわわち、バインダ塗布部に回転ドラム式スクリーン印刷300a、電極触媒塗布部に回転ドラム式静電スクリーン印刷300bを用いている。具体的には以下の通りである。
【0059】
最初に電解質膜10には、結着剤塗布手段であるバインダ塗布部300aで高粘度バインダ60、(例えばナイフォン(デュポン社製))がスキージ62によって回転ドラム式スクリーン印刷で塗布される。塗布する場所は白金触媒20を電極触媒塗布部300bで塗布したい場所であるが全面であってもよい。バインダ塗布部300aでは、バインダ60を塗布できれば、バインダ60によって回転ドラム式静電スクリーン印刷された白金触媒20は、より強固に固定される。ここで回転ドラム式スクリーン印刷に限られないのは
【0060】
バインダ塗布部300aでバインダ60を塗布された電解質膜10は電極触媒塗布部300bに移動する。電極触媒塗布部300bでは、白金触媒20を所望の場所に回転ドラム式静電スクリーン16を用いた回転ドラム式静電スクリーン印刷で塗布する。ここでは回転ドラム式スクリーン16の中にある電極触媒20が回転機能を有する回転ブラシ22によって、負に帯電させられ、押し出される。
【0061】
回転ドラム式スクリーン16は導電性であり、負の電圧をかけられている。その後実施形態1と同様に電界30によって白金触媒20は加速され、電解質膜10の表面に衝突して印刷される。
【0062】
白金触媒20を印刷された電解質膜10は定着部300cに移動する。定着部300cでは、電解質膜10上の白金触媒20は加熱定着手段である加熱ローラ64によって、電解質膜10に加熱定着され、電極が形成される。
【0063】
ここでは、加熱定着(ホットプレス)することができれば、平板ホットプレス等何であってもよい。このようにして、電解質膜10に白金触媒20を塗布した電極が形成できる。ここで、静電スクリーン印刷や加熱定着などの際の、白金触媒20の発火などを防止するために本電極の製造は不燃性ガス雰囲気中70で行うこともできる。マスク26を設けることもできることなどは実施形態1と同じである。
【0064】
実施形態3の電極製造装置300の場合、電解質膜10を矢印350の方向へ連続送りとし、それに同期回転させたドラム16で塗布を行うこともできるので効率がよい場合がある。
【0065】
上記各実施形態において、電解質膜10の代わりに拡散層を形成する膜を用いることも可能である。この場合は、白金触媒20を同様に静電スクリーン印刷することもできるが、撥水ペーストを印刷することもできる。
【0066】
また、固体高分子型燃料電池以外にも、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池の電極の製造方法にも適用できる。さらに、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、Ni系電池(例えばNi−MH電池など)など二次電池をはじめとして、電池一般の電極の製造方法に適用できる。
【0067】
また、上記バインダ塗布部、定着部は必ずとも必要とはされない。電極触媒塗布部のみでも十分に電極を製造できる場合があるからである。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、電極構成体表面に静電スクリーン塗布手段で粉体の電極材料を塗布し、より高性能な電極を製造する電極製造装置および方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態1の電極製造装置を示す図である。
【図2】本実施形態2の電極製造装置を示す図である。
【図3】本実施形態3の電極製造装置を示す図である。
【符号の説明】
10 電解質膜(電極構成体)、12 受け台、14 スクリーン、16 回転ドラム式スクリーン、20 白金触媒(電極材料)、22 ブラシ、24 供給機構、26 保護膜(マスク)、30 電界、40 ローラ、64 加熱ローラ、70 不燃性ガス雰囲気、100,200,300 電極製造装置。
Claims (22)
- 電極構成体表面に粉体の電極材料が塗布され、形成される電極を製造する電極製造装置において、
前記電極材料を前記電極構成体表面に塗布し、前記電極を形成させる静電スクリーン塗布手段を備えたこと、
を特徴とする電極製造装置。 - 電極構成体表面に粉体の電極材料が塗布され、形成される電極を製造する電極製造装置において、
導電性スクリーンと、
前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記導電性スクリーン上の電極材料を摩擦帯電させ、前記導電性スクリーンから前記電極構成体表面へ押出す押出手段と、
を備える静電スクリーン塗布手段を有し、
前記静電スクリーン塗布手段によって、前記電極材料が前記電極構成体表面に塗布され、前記電極が形成されること、
を特徴とする電極製造装置。 - 請求項1または2に記載される電極製造装置において、
前記電極材料を前記電極構成体表面に加熱定着させる加熱定着手段を有し、
前記電極材料が塗布された後、前記加熱定着手段によって、前記電極材料が前記電極構成体に加熱定着されること、
を特徴とする電極製造装置。 - 請求項1から3のいずれか1つに記載される電極製造装置において、
前記電極材料を前記電極構成体表面に固定する結着剤と、
前記電極構成体に前記結着剤を塗布する結着剤塗布手段と、を有し、
前記電極材料が塗布される前に、前記結着剤塗布手段によって前記結着剤が前記電極構成体に塗布されること
を特徴とする電極製造装置。 - 請求項1から4のいずれか1つに記載される電極製造装置において、
前記静電スクリーン塗布手段によって、前記電極材料が前記電極構成体表面及び裏面に塗布され、前記電極が形成されること、
を特徴とする電極製造装置。 - 請求項1から5のいずれか1つに記載される電極製造装置において、
貫通穴を有する保護膜を、少なくとも前記導電性スクリーン上、または前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に有し、
前記保護膜によって、前記貫通穴に対応する前記電極構成体表面以外に前記電極材料が塗布されることを防止すること、
を特徴とする電極製造装置。 - 請求項1から6のいずれか1つに記載される電極製造装置において、
前記導電性スクリーンは回転ドラム式導電性スクリーンであること、
を特徴とする電極製造装置。 - 請求項1から7のいずれか1つに記載される電極製造装置において、
前記押出手段は回転機能を含む回転押出手段であること、
を特徴とする電極製造装置。 - 請求項1から8のいずれか1つに記載される電極製造装置において、
前記電極構成体は、固体高分子型燃料電池における電解質膜または拡散層を形成する膜、であること、
を特徴とする電極製造装置。 - 請求項1から9のいずれか1つに記載される電極製造装置において、
前記電極材料は、撥水ペースト、またはカーボンに白金触媒を担持させた白金触媒、であること、
を特徴とする電極製造装置。 - 請求項1から10のいずれか1つに記載される電極製造装置において、
前記電極は、不燃性ガス雰囲気中で製造されること、
を特徴とする電極製造装置。 - 電極構成体表面に粉体の電極材料が塗布され、形成される電極を製造する電極製造方法において、
前記電極材料を前記電極構成体表面に塗布し、前記電極を形成させる静電スクリーン塗布工程を有すること、
を特徴とする電極製造方法。 - 電極構成体表面に粉体の電極材料が塗布され、形成される電極を製造する電極製造方法において、
導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に電圧を印加する電圧印加工程と、
前記導電性スクリーン上の電極材料を摩擦帯電させ、前記導電性スクリーンから前記電極構成体表面へ押出す押出工程と、
を備える静電スクリーン塗布工程を有し、
前記静電スクリーン塗布工程によって、前記電極材料が前記電極構成体表面に塗布され、前記電極が形成されること、
を特徴とする電極製造方法。 - 請求項12または13に記載される電極製造方法において、
前記電極材料を前記電極構成体表面に加熱定着させる加熱定着工程を有し、
前記電極材料が塗布された後、前記加熱定着工程によって、前記電極材料が前記電極構成体に加熱定着されること、
を特徴とする電極製造方法。 - 請求項12から14のいずれか1つに記載される電極製造方法において、
前記電極材料を前記電極構成体表面に固定する結着剤を前記電極構成体に塗布する結着剤塗布工程を有し、
前記電極材料が塗布される前に、前記結着剤塗布工程によって前記結着剤が前記電極構成体に塗布されること、
を特徴とする電極製造方法。 - 請求項12から15のいずれか1つに記載される電極製造方法において、
前記静電スクリーン塗布工程によって、前記電極材料が前記電極構成体表面及び裏面に塗布され、前記電極が形成されること、
を特徴とする電極製造方法。 - 請求項12から16のいずれか1つに記載される電極製造方法において、
貫通穴を有する保護膜を、少なくとも前記導電性スクリーン上、または前記導電性スクリーンと前記電極構成体表面の間に有し、
前記保護膜によって、前記貫通穴に対応する前記電極構成体表面以外に前記電極材料が塗布されることを防止すること、
を特徴とする電極製造方法。 - 請求項12から17のいずれか1つに記載される電極製造方法において、
前記導電性スクリーンは回転ドラム式導電性スクリーンであること、
を特徴とする電極製造方法。 - 請求項12から18のいずれか1つに記載される電極製造方法において、
前記押出手段は回転機能を含む回転押出部材を用いた回転押出工程であること、
を特徴とする電極製造方法。 - 請求項12から19のいずれか1つに記載される電極製造方法において、
前記電極構成体は、固体高分子型燃料電池における電解質膜または拡散層を形成する膜、であること、
を特徴とする電極製造方法。 - 請求項12から20のいずれか1つ記載の電極製造方法において、
前記電極材料は、撥水ペーストまたはカーボンに白金触媒を担持させた白金触媒であること、
を特徴とする電極製造方法。 - 請求項12から21のいずれか1つに記載の電極製造方法において、
前記電極は、不燃性ガス雰囲気中で製造されること、
を特徴とする電極製造方法。
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