JP2009283187A - 触媒層の形成方法および形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒インクの飛散範囲を所望範囲に精度良く制御でき、該所望範囲内における触媒インク層の厚みを均一に形成したり、この厚み方向で触媒密度を変化させることができる、触媒層の形成方法および形成装置を提供する。
【解決手段】導電性担体、電解質、分散溶媒、を含む触媒インクと、電解質膜E等の基材のいずれか一方に正電荷、他方に負電荷をそれぞれ帯電させ、少なくとも、該触媒インクを散布するノズル43と、該電極触媒層Eとの間の空間に磁界Mを形成し、該磁界M内で触媒インクを飛翔させることにより、触媒インクの散布領域と該散布領域内での散布量を制御しながら電解質膜Eに触媒インク層Cを形成し、電解質膜表面の触媒インク層Cをホットプレスする形成方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用の電解質膜もしくはガス拡散層のいずれか一方の基材に触媒層を形成する方法と形成するための装置に関するものである。
固体高分子型燃料電池のセルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側触媒層およびカソード側触媒層と、から膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を形成し、この外側にセパレータが配されて単セルを形成している。なお、各触媒層の外側にガス流れの促進と集電効率を高めるためのガス拡散層(GDL)が設けられて膜電極接合体(MEGA:MEAとGDLの接合体)を成し、このガス拡散層の外側にセパレータが配される形態もある。実際には、これらの単セルが発電性能に応じた段積だけ積層され、燃料電池スタックが形成されることになる。
上記する従来の触媒層の製造方法は、電解質膜やガス拡散層、テフロンシート(テフロン:登録商標、デュポン社)等の基材表面に、触媒を担持した導電性担体、電解質、分散溶媒を含んだ触媒インクを塗工し、次いで該触媒インクをたとえば100℃以上の高温雰囲気下でプレス加工することにより、その内部が均一構造(均一径の多孔構造)の触媒層を形成するものである。なお、この塗工作業は、スプレーで塗布する方法やドクターブレードを使用する方法などがあり、テフロンシートに塗工する方法の場合にはその後の電解質膜への転写工程が含まれるものである。
たとえば、電解質膜に触媒インクをスプレー塗布する方法においては、このスプレー塗工の際に、電解質膜周辺の電極部ではない領域にまで触媒インクが飛散してしまうことが往々にしてあった。触媒インク中には白金等の極めて高価な触媒を担持した担体が存在しており、このように不要な領域にまで飛散した触媒インクは材料歩留まりの低下となることに加えて、触媒層の形成コスト増の大きな要因となっていた。
これらの材料歩留まりを低下させ、基材に形成される触媒層の厚みムラや輪郭崩れといった課題を解消するための装置、方法に関する従来技術として特許文献1を挙げることができる。この触媒層形成方法は、静電気を帯びた電極粉体を弾性体の押出し力によって電解質膜等の基材に飛翔させ、付着させる方法である。
特開2005−230688号公報
特許文献1に開示の触媒層の形成方法および装置では、静電気力のみによって電極粉体が飛翔する場合の該電極粉体の運動量不足を補うべく、弾性体による押出し力が付加されているが、この方法や装置では、触媒インクをスプレー塗布する場合の上記する従来の課題、すなわち、電解質膜周辺の電極部ではない領域にまで触媒インクが飛散してしまうことを効果的に解消するまでには至らない。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、触媒インクの飛散範囲を所望範囲に精度良く制御でき、しかも該所望範囲内における触媒インク層の厚みを均一に形成したり、さらには、この厚み方向で触媒密度を変化させることができ、もって触媒材料歩留まりの向上を図ることができ、品質に優れた燃料電池用の触媒層を形成することのできる、触媒層の形成方法および形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による触媒層の形成方法は、燃料電池用の電解質膜もしくはガス拡散層のいずれか一方の基材に触媒層を形成する触媒層の形成方法であって、導電性担体、電解質、分散溶媒、を含む触媒インクと、基材のいずれか一方に正電荷、他方に負電荷をそれぞれ帯電させ、少なくとも、該触媒インクを散布する散布ノズルと、該基材との間の空間に磁界を形成し、該磁界内で触媒インクを飛翔させることにより、触媒インクの散布領域と該散布領域内での散布量を制御しながら基材に触媒インク層を形成し、基材表面の触媒インク層をホットプレスするものである。
本発明の触媒層の形成方法は、基材と触媒インク(粒子)の一方を正に、他方を負にそれぞれ帯電させた状態で基材に触媒インク粒子を散布するものであり(正負の帯電によって触媒インク粒子が基材に向って飛翔する)、さらに、双方の間に磁界を形成しておくことにより、電荷を帯びた触媒インク粒子の移動(によって形成される電流)と磁界によって該触媒インク粒子に力(電磁力)を作用させ(フレミング左手の法則による)、この電磁力によって触媒インク粒子の散布方向(飛散方向)を制御しながら、基材の所望範囲内に触媒インク層を形成するものである。
なお、ここでいう触媒インクは、たとえば、白金や白金合金等の触媒が担持された導電性担体(粒子状のカーボン担体など)と、ナフィオン(Nafion)(登録商標、デュポン社製)やフレミオン(Flemion)(登録商標、旭硝子株式会社製)等の電解質と、エタノール、プロピレングリコールなどの分散溶媒(有機溶媒)から生成されるものである。
ここで、触媒インク粒子の帯電量、散布速度、磁界の強さを適宜調整することにより、基材表面への触媒インク粒子の散布範囲や散布量、散布密度などを変化させることができる。なお、ここでいう「基材」とは、燃料電池を形成する電解質膜とガス拡散層(GDL)の双方を含んでいるものであり、したがって、そのいずれか一方に触媒インク粒子が散布されるものである。
また、形成される磁界は、たとえば離間した2つの永久磁石が相互の離間姿勢を保持した状態で回転速度を適宜変化させながら回転(自転)することにより、該永久磁石間で形成される磁界の方向を変化させることができ、帯電した触媒インク粒子に対して、基材を成す平面内における360度方向の電磁力を作用させることができる。すなわち、基材の所望範囲内に、触媒インク粒子をその飛翔方向を調整しながら散布することが可能となる。
基材表面に触媒インク層が形成された後、たとえば、120〜150℃程度の高温雰囲気にて1〜2MPa程度の圧力をかけてホットプレスすることにより、触媒層が形成される。なお、基材が電解質膜の場合には、たとえばカソード側の触媒層を形成後、基材を反転させて同様に触媒インクを散布し、ホットプレスすればよい。また、基材がガス拡散層の場合には、アノード側、カソード側双方のガス拡散層にそれぞれ上記方法によって触媒インク層を形成し、ホットプレスした後に、2つのガス拡散層を電解質膜の両側にホットプレスすることによって膜電極接合体(MEGA)が形成される。
また、触媒層の厚み方向に亘る触媒密度を変化させることも可能である。たとえば、触媒層を電解質膜側領域とガス拡散層(GDL)側領域の2層に分けた場合に、ガス拡散層側領域の層の触媒密度を低くすることにより、ガス拡散層への生成水の排水性を高めることができ(特にカソード側にて有効)、さらには、このように触媒層の厚み方向で触媒密度を変化させることにより、燃料電池の発電性能を低下させることなく高価な白金使用量を可及的に低減することにも繋がる。
上記する本発明の触媒層の形成方法によれば、電荷を帯びた触媒インク粒子を磁界内を通して電解質膜等の基材に散布(飛翔)するに際して、電荷量や散布速度、磁界の強さや磁界の変化速度などを所望に調整することで、触媒インクを基材の所望範囲内に散布することが可能となり、しかも、該所望範囲内における触媒インクの散布量、すなわち、触媒層の厚みや該厚み方向での触媒密度の調整を所望に制御することが可能となる。
また、本発明による触媒層の形成装置は、燃料電池用の電解質膜もしくはガス拡散層のいずれか一方の基材に触媒層を形成する触媒層の形成装置であって、導電性担体、電解質、分散溶媒、を含む触媒インクと、基材のいずれか一方に正電荷を帯電させ、他方に負電荷を帯電させるとともに、それぞれの電荷量を調整自在である帯電手段と、基材の姿勢を保持する姿勢保持手段と、前記帯電手段に連通する散布ノズルを備え、提供された触媒インクを帯電させた後に基材に散布する散布手段と、少なくとも、前記散布ノズルと前記基材との間の空間に磁界を形成するとともに、磁界の方向と強さを調整自在である磁界形成手段と、を具備するものである。
本発明の触媒層の形成装置は、上記する形成方法で使用される装置であり、基材と触媒インクの双方に帯電させる帯電手段と、基材を適宜の姿勢に調整しながら所望姿勢に保持する姿勢保持手段と、帯電手段に連通する散布ノズルを備えた散布手段と、基材と散布ノズルの間でたとえば回転磁界を形成可能な磁界形成手段と、を少なくとも具備するものである。
たとえば、直列回路内に基材と散布ノズルに繋がる金属メッシュを配設し、金属メッシュ側に正極を、基材側に負極を形成するようにしておき、金属メッシュの後方から該金属メッシュの前方に位置するノズルに向って触媒インク粒子を散布することにより、正電荷を帯びた金属メッシュを通過する過程で触媒インクに正電荷を帯電することができる。
ここで、直列回路内には、電圧の異なる複数の電源とそれぞれに固有のスイッチが設けてあり、制御機構にて所望電源のスイッチがON制御されることにより、帯電量を調整することができる。
また、姿勢保持手段にて姿勢が保持された基材と散布ノズルの間にはたとえば離間した2つの永久磁石がその離間姿勢を保持しながら回転可能な磁界形成手段が設けてあり、これら永久磁石が回転速度を変化させたり、あるいは磁界の回転軸を移動させたりすることで、この磁界内を飛翔する電荷を帯びた触媒インク粒子に適宜方向への電磁力を作用させることが可能となる(フレミング左手の法則による)。なお、磁束密度の異なる永久磁石を使い分けることによって磁界の強さを調整することができる。
なお、散布ノズルを移動制御できるようにしておくことで、散布範囲や散布量の制御性能が一層高まる。
このように、上記する本発明の触媒層の形成装置によれば、既述する触媒層の形成方法を精度よく、しかも効率的に実行することが可能となる。
したがって、たとえば電解質膜の所望範囲内に触媒インクを散布することが可能となり、しかも、該所望範囲内の触媒層の層厚の均一化や、触媒層の厚み方向で触媒密度を所望に変化させることも可能となり、触媒材料歩留まりを高めることができ、品質に優れた触媒層を製造することができる。したがって、このような高品質で製造コストを削減可能な触媒層は、近時その生産が拡大しており、車載機器にその製造コストの削減と高い性能を要求している電気自動車やハイブリッド車に車載される燃料電池セルへの使用に好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明の触媒層の形成方法および形成装置によれば、基材の所望範囲内において、層厚が均一な触媒層を形成したり、層厚方向に触媒密度が所望に変化した触媒層を形成することができ、触媒材料歩留まりの向上と、高品質な触媒層の製造を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の触媒層形成装置を説明した模式図である。この形成装置を説明しながら、同時に本発明の触媒層の形成方法を説明する。
この触媒層形成装置100は、帯電装置10と、基材の姿勢を保持する姿勢保持装置20と、提供された触媒インク粒子を帯電させ、帯電した触媒インク粒子を基材に散布する(飛翔させる)帯電インク散布装置40と、姿勢保持装置20にて姿勢が保持された電解質膜E(基材)と帯電インク散布装置40を構成するノズル43との間に回転磁界を形成する磁界形成装置50と、から大略構成されている。
帯電装置10は、電圧の相違する複数の直流電源11,12,13,14と、それぞれに固有の回路スイッチ15,16,17,18が回路19内に配設されており、この回路19の一方端が姿勢保持装置20に姿勢保持された金属枠30に接続され、その他方端が帯電インク散布装置40を構成する金属枠41に接続されており、図示例では、直流電源の正極が帯電インク散布装置40に、負極が金属枠30にそれぞれ配されている。
帯電装置10は、不図示のパーソナルコンピュータと有線もしくは無線にて繋がっており、複数種の直流電源の中から所望の電源を選択する場合には、パーソナルコンピュータ内に内蔵されたスイッチ制御部をCPUにて作動させ、その送信信号に基づいて所望の直流電源が選択され、固有の回路スイッチのみがON制御されるようになっている。なお、このような自動制御をおこなわずに、手動にて所望の回路スイッチをON制御する方法であってもよい。
姿勢保持装置20は、台座21と、これに立設する脚22と、直交する2方向に向いた2つのピボット軸23,24と、治具25と、から大略構成されており、治具25にて金属枠30を保持し、金属枠30内に電解質膜E(基材)を嵌め込んだ後に、ピボット軸23,24にて電解質膜Eの姿勢を調整できるようになっている。
帯電インク散布装置40は、回路19に接続された金属枠41の内部に金属メッシュ42が配設され、かつ、この金属枠41には基材方向前方に延びるノズル43が装着されており、これらがサーボモータ44の出力軸に装着されたねじ材45にスライド自在に取り付けられた移動ナット46に立設されている。
サーボモータ44の作動によってねじ材45が回転し(Y3方向)、この回転により、ねじ材45の周面のねじ切りに螺合する内周面を有する移動ナット46が往復動するようになっている(Y4方向)。
たとえば、白金や白金合金等の触媒が担持された導電性担体(粒子状のカーボン担体など)と、ナフィオン(Nafion)(登録商標、デュポン社製)やフレミオン(Flemion)(登録商標、旭硝子株式会社製)等の電解質と、エタノール、プロピレングリコールなどの分散溶媒(有機溶媒)から生成された触媒インクが不図示の容器内に収容されており、不図示のポンプおよびノズルを介して帯電前の触媒インク粒子P1が金属メッス42に散布される(Z1方向)。この帯電前の触媒インク粒子P1は、正に帯電した金属メッシュ42を通過する過程で正電荷を帯び、正に帯電した触媒インク粒子P2がノズル43を介して電解質膜Eに向って飛翔する。
負極側の金属枠30に嵌め込まれ、負に帯電した電解質膜Eに向って正に帯電した触媒インク粒子P2が飛翔する(Z2方向)。
電解質膜E(および姿勢保持装置20)とノズル43の間には、相互に所定の離間をもって配設された2つの永久磁石53,54によって磁界Mが形成されている。
磁界形成装置50は、サーボモータ51の出力軸に装着された二股支持材52の双方の支持端に永久磁石53,54を具備しており、サーボモータ51の作動(X1方向)によって2つの永久磁石53,54が面内で回転することにより(X2方向)、面内で回転する磁界Mが形成される。
このサーボモータ51は、別途のサーボモータ56の出力軸に装着されたねじ材57にスライド自在に取り付けられた移動ナット55に装着されており、サーボモータ56の作動によってねじ材57が回転し(Y1方向)、この回転により、ねじ材57の周面のねじ切りに螺合する内周面を有する移動ナット55が往復動するようになっている(Y2方向)。
サーボモータ56の作動によってサーボモータ51の位置、ひいては2つの永久磁石53,54の回転軸を移動制御でき、サーボモータ51の回転速度制御によって2つの永久磁石53,54からなる磁界Mの回転速度を変化させることができる。なお、永久磁石53,54を所望の磁束密度を有する永久磁石に適宜取り替えることで、磁界の強さを調整することができる。
図示する触媒層形成装置100を使用して、電荷を帯びた触媒インク粒子P2を電荷を帯びた電解質膜Eに飛翔させ、この飛翔過程で回転磁界からの電磁力を触媒インクP2に作用させることで電解質膜Eの所望範囲内に触媒インクを散布させることが可能となる。
なお、不図示のパーソナルコンピュータによって、サーボモータ44、51、56の回転を同期制御させることで回転磁界の回転軸位置と、ノズル43の位置と、さらには磁界の回転速度をリアルタイムに制御することができ、不図示のポンプ出力を可変に制御することで正に帯電した触媒インク粒子P2の散布速度(飛翔速度)を制御することができる。この同期制御により、触媒インク粒子P2の散布範囲を電解質膜Eの所望範囲内に制御することができ、さらには、形成される触媒インク層の層厚を均一に制御したり、触媒インク層の厚み方向で触媒密度を所望に変化させることが可能となる。
図2aは、電解質膜の一方側に形成された密度の異なる2層構造の触媒インク層を示した図であり、そのb部を拡大したものを図2bに示している。
図1で示す形成装置100を使用することにより、電解質膜E側には触媒密度の相対的に高い高密度触媒インク層C1が形成され、次いで、その表層(セル構造においてGDL側となる層)に触媒密度の相対的に低い低密度触媒インク層C2が形成され、2層構造の触媒インク層Cを形成することができる。なお、この触媒インク層は、単一密度の一層構造であってもよいし、触媒密度がGDL側へ向って除々に低くなる3層以上の構造であってもよい。
電解質膜Eの一方側の所望範囲に所望厚(で所望密度)の触媒インク層が形成されたら、これを100℃以上の高温雰囲気下(たとえば120℃程度)でたとえば1〜2MPa程度の押圧力にてプレス加工することにより(ホットプレス)、アノード側もしくはカソード側の触媒層が形成される。なお、次に電解質膜Eを裏返して金属枠30に嵌め込み、同様の方法にて触媒インクを散布し、ホットプレスすることによって電解質膜Eとアノード側およびカソード側の各触媒層からなる膜電極接合体(MEA)が形成される。
上記する本発明の形成装置100を使用してなる触媒層の形成方法を適用することにより、品質に優れた燃料電池用の触媒層を効率的に製造することが可能となる。しかも、不要な領域に触媒インクを飛翔させることがないため、触媒材料歩留まりを従来の製造方法に比して格段に向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の触媒層形成装置を説明した模式図である。 (a)は電解質膜の一方側に形成された密度の異なる2層構造の触媒インク層を示した斜視図であり、(b)は(a)のb部拡大図である。
符号の説明
10…帯電装置、11,12,13,14…直流電源、15,16,17,18…スイッチ、19…回路、20…姿勢保持装置、21…台座、22…脚、23,24…ピボット軸、25…治具、30…金属枠、40…帯電インク散布装置、41…金属枠、42…金属メッシュ、43…ノズル、44…サーボモータ、45…ねじ材、46…移動ナット、50…磁界形成装置、51…サーボモータ、52…二股支持材、53,54…磁石、55…移動ナット、56…サーボモータ、57…ねじ材、100…触媒層形成装置、P1…帯電前の触媒インク粒子、P2…正に帯電した触媒インク粒子、E…電解質膜(基材)、C…触媒インク層、C1…高密度触媒インク層、C2…低密度触媒インク層

Claims (2)

  1. 燃料電池用の電解質膜もしくはガス拡散層のいずれか一方の基材に触媒層を形成する触媒層の形成方法であって、
    導電性担体、電解質、分散溶媒、を含む触媒インクと、基材のいずれか一方に正電荷、他方に負電荷をそれぞれ帯電させ、
    少なくとも、該触媒インクを散布する散布ノズルと、該基材との間の空間に磁界を形成し、該磁界内で触媒インクを飛翔させることにより、触媒インクの散布領域と該散布領域内での散布量を制御しながら基材に触媒インク層を形成し、
    基材表面の触媒インク層をホットプレスする、触媒層の形成方法。
  2. 燃料電池用の電解質膜もしくはガス拡散層のいずれか一方の基材に触媒層を形成する触媒層の形成装置であって、
    導電性担体、電解質、分散溶媒、を含む触媒インクと、基材のいずれか一方に正電荷を帯電させ、他方に負電荷を帯電させるとともに、それぞれの電荷量を調整自在である帯電手段と、
    基材の姿勢を保持する姿勢保持手段と、
    前記帯電手段に連通する散布ノズルを備え、提供された触媒インクを帯電させた後に基材に散布する散布手段と、
    少なくとも、前記散布ノズルと前記基材との間の空間に磁界を形成するとともに、磁界の方向と強さを調整自在である磁界形成手段と、を具備する、触媒層の形成装置。
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