JP2004280073A - 平版印刷版 - Google Patents

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Shoji Akaiwa
昌治 赤岩
Hiroshi Nishinoiri
洋 西野入
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Abstract

【課題】アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の保存経時におけるインキ受理性、インキ脱離性、白点故障、及び現像ラチチュードが広い細線画像再現性を改良する。
【解決手段】粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核層を有する平版印刷版において、該ハロゲン化銀乳剤層と該物理現像核層の間にコハク化ゼラチンを主体とする中間層を有することを特徴とする平版印刷版。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版に関する。
銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版については 、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著 、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディフュージョン・プロセシズ」、第101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
その中で述べられているように、DTR法を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々にしたツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体上に設けたモノシートタイプの2方式が知られている。ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57−158844号公報に詳しく記載されている。又、モノシートタイプについては、特公昭48−30562号、同51−15765号、特開昭51−111103号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載されている。
アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイプの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称す)は、特開昭57−158844号、同63−260491号、特開平3−116151号、同4−282295号、同7−77805号、米国特許第4,567,131号、同第5,427,889号等の公報に詳しく記載されている。
本発明が対象とする平版印刷版の一般的な製版方法は、露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理の工程からなっている。
詳細には、現像処理によって物理現像核上に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部として露出する。
露出した銀画像部及び非画像部には、その保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液やフィニッシング液とも称され、銀画像部を親油性にする化合物(例えば、メルカプト基またチオン基を有する含窒素複素環化合物)を含有することも一般的である。
前記アルミニウム平版印刷版の製版における課題の1つとして、水洗処理時のハロゲン化銀乳剤層等のゼラチン層除去の問題がある。アルミニウム平版印刷版において、ハロゲン化銀乳剤層の水洗除去は、銀画像部及びアルミニウム表面自身で構成する非画像部を完全に露出させるために極めて重要な工程である。このハロゲン化銀乳剤層の水洗除去が不十分な状態で製版されたアルミニウム平版印刷版は、印刷時にインキ受理性やインキ脱離性が低下するという不都合が生じる。特に、平版印刷版を高温高湿下で保存したときに、上記問題は発生しやすかった。
また、前記アルミニウム平版印刷版の一般的な構成は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核層を有し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設ける構成になっている。しかしながら、このように物理現像核層の上に直接ハロゲン化銀乳剤層を設けることによって、アルミニウム支持体の腐食等によって銀塩拡散転写不良が起こり、その部分が白点となる、いわゆる白点故障が発生しやすかった。
このような問題に対して、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との間に中間層を設けることが知られている。例えば、特開平3−116151号、特開平4−282295号、特開平5−313373号、特開平11−133614号、同11−52577号等に記載されている(特許文献1、2)。しかしながらこれらの平版印刷版では、上記問題に対して十分な効果は得られなかった。また、中間層を設けることは、銀の拡散転写の距離が拡大し、その結果、細線画像の再現性が低下するという不都合が生じた。
一方、平版印刷版に現像に必要な量の現像主薬を含有させ、現像液には実質的に現像主薬を含有させない、いわゆるアルカリ性活性化液で処理することができる平版印刷版(以降、アクチベータ型平版印刷版と称す)が知られている。しかしながらアクチベータ型平版印刷版は、長期保存によって、上記した印刷性能が低下しやすいという問題がある。
特開平11−133614号公報(第2〜3頁) 特開平11−52577号公報(第2〜3頁)
従って、本発明の目的は、アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版の保存経時におけるインキ受理性、インキ脱離性、及び細線画像再現性の低下がなく、かつ白点故障の発生を防止し、更に現像ラチチュードを広げることである。特に、上記問題を解決したアクチベータ型平版印刷版を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の1〜5の手段により解決される。
1.粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核層を有する平版印刷版において、該ハロゲン化銀乳剤層と該物理現像核層の間に、コハク化ゼラチンを主体とする中間層を有することを特徴とする平版印刷版。
2.前記中間層のpHが5以下である1記載の平版印刷版。
3.該平版印刷版中に現像に必要な量の現像主薬を含有する1又は2に記載の平版印刷版。
4.前記平版印刷版において該ハロゲン化銀乳剤層中にポリマーラテックスを含有する1、2又は3記載の平版印刷版。
5.前記平版印刷版の硬膜度が下記の条件を満足する1、2、3又は4に記載の平版印刷版。
(条件)50cm2の平版印刷版を35℃の温水20ml中に10分間浸積したときに温水中に溶出するゼラチンが該平版印刷版の全ゼラチン量の20質量%以下である。
本発明によれば、保存経時におけるインキ受理性、インキ脱離性、白点故障が、及び細線画像再現性が大幅に改良され、かつ現像ラチチュードが広く安定した処理が可能になる。特に、アクチベータ型平版印刷版の場合に一段と高い効果が得られる。
本発明の平版印刷版に用いられるアルミニウム支持体は、その上に設けられる感光層との密着性を向上し、且つ保水性を改善するため、その表面を粗面化することが行われる。この粗面化処理(いわゆるグレイニング)には、ボールグレイニング、ワイヤグレイニング、ブラシグレイニング等の機械的粗面化処理、塩化物、フッ化物等で化学的にアルミニウムを溶解することにより行う化学的粗面化処理、及び電気化学的にアルミニウムを溶解することにより行う電解粗面化処理がある。
粗面化処理を行なった後、陽極酸化処理を行なう必要がある。陽極酸化処理は、従来よりよく知られている方法を用いることが出来るが、硫酸が最も有用な電解液として用いられる。それについで、リン酸、硝酸なども有用な電解液である。さらに特開昭55−28400号明細書に開示されている硫酸とリン酸の混合液もまた有用である。
硫酸法は、通常直流電流で処理が行われるが、交流を用いることも可能である。硫酸の濃度は5〜30%で使用され、20〜60℃の温度範囲で5〜250秒間電解処理されて、表面に1〜10g/m2の酸化被膜が設けられる。さらにこのときの電流密度は1〜20A/dm2が好ましい。リン酸法の場合には、5〜50%の濃度、30〜60℃の温度で、10〜300秒間、1〜15A/dm2の電流密度で処理される。
尚、陽極酸化処理に先立ってデスマット処理を施すことが好ましい。すなわち、粗面化処理したアルミニウム基板を、10〜50%の熱硫酸(40〜60℃)や希薄なアルカリ(水酸化ナトリウム等)で処理することにより表面に付着したスマットが除去される。
また、陽極酸化処理を行なった後、必要に応じて後処理を行うことが出来る。例えば、英国特許第1,230,447号に開示されたポリビニルホスホン酸の水溶液中に浸漬処理する方法が用いられる。また、必要に応じて、親水性高分子の下塗層を設けることも可能であるが、その上に設ける感光層の性質により取捨選択される。
本発明のアルミニウム平版印刷版は、上記アルミニウム支持体上に、物理現像核層を担持させ、その上に中間層及びハロゲン化乳剤層を塗設した平版印刷版である。またハロゲン化銀乳剤層の上に保護層を設けることもできる。
本発明において、物理現像核層には物理現像核として、銀、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれらの混合物、混晶等を含有する。物理現像核層には、親水性バインダーを含んでいてもいなくても良いが、ゼラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ビニルイミダゾールとアクリルアミドの共重合体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子又はそのオリゴマーを含むことが出来、その含有量は0.5g/m2以下であることが好ましい。
本発明の中間層に主体として用いられるコハク化ゼラチンとは無水コハク酸によって作用されたゼラチンのことであり、一般的にはスクシニル化(サクシニル化ともいう)されたゼラチンを意味する。コハク化ゼラチンはアミノ基がスクシニル化されることによってアニオン性のカルボキシ基に変化され、静電的性質が著しく変化し、負電荷同士の反発によってその高次構造が変わったり、凝集状態にあったものが解離したりするため低pH領域でも安定的に用いることが出来る。
本発明において、中間層はコハク化ゼラチンを主体に含有する。ここで主体に含有するとは中間層の全固形分量に対して60質量%以上含有することを意味する。より好ましくは90質量%以上含有することである。
中間層において、コハク化ゼラチンと併用してその他の各種親水性コロイドを少量含有することができる。たとえば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、ゼラチン誘導体、グラフト化ゼラチン等各種ゼラチンを併用することが出来る他、ポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有させることができる。しかし、中間層のバインダーとしてコハク化ゼラチンのみを用いるのが好ましい。
本発明の中間層におけるコハク化ゼラチンの使用量としては1g/m2〜0.01g/m2が好ましく、より好ましくは0.5g/m2〜0.1g/m2である。
本発明において、ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀は、例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ化銀を含むものからなる。ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩等の重金属塩を含んでいてもよい。特に、ロジウム塩及びイリジウム塩が好ましい。これらの添加量はハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハロゲン化銀の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面体粒子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよく、その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲である。好ましい例の一つとしては、ロジウム塩もしくはイリジウム塩を含む、塩化銀が80モル%以上の単分散もしくは多分散結晶がある。
ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時又は塗布される時に種々な方法で増感することが出来る。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素によって、又は金化合物、たとえばロダン金、塩化金によって、又はこれらの両者の併用など当該技術分野において良く知られた方法で化学的に増感することが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層の保護コロイドとして主にゼラチンが用いられるが、その一部をデキストリン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体等の親水性高分子の一種又は二種以上で置換することもできる。ハロゲン化銀乳剤層のゼラチン量は、0.5〜4g/m2程度である。
本発明のハロゲン化銀乳剤層には、ポリマーラテックスを含有させることが好ましい。ポリマーラテックスを含有することにより含有しない場合と比べて現像処理時間による細線再現性が極めて安定化され、現像ラチチュードが広くなる効果が得られる。
本発明のハロゲン化銀乳剤層に用いられるポリマーラテックスについて説明する。ここでいうポリマーラテックスとは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち、分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。
なお本発明のポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などに記載されている。
分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜5000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限はない。
また、ポリマーラテックスのガラス転移点(以下Tgと記す)は50℃以下が好ましく、より好ましくは30℃以下のTgである。
本発明のポリマーラテックスに用いられるポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂などがある。ポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、また、架橋されたポリマーでもよい。
また、ポリマーとしては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。
ポリマーの分子量は数平均分子量Mwで5000〜1000000、好ましくは10000〜500000程度が好ましい。
このようなポリマーは市販もされていて、以下のようなポリマーがポリマーラテックスとして利用できる。例えばアクリル樹脂の例として、セビアンA-4635,46583、4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル樹脂としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学工業(株)製)、WD-size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリウレタン樹脂としてはHYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学工業(株)製)など、ゴム系樹脂としてはLACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C、DS206(以上大日本インキ化学工業(株)製)、 Nipol Lx416、410、438C、2507、(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂としてはG351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、オレフィン樹脂としてはケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
これらのポリマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いても良く、ラテックスの使用量は0.01〜2g/m2が好ましく、更に好ましくは0.1〜1g/m2である。
本発明の平版印刷版は、ハロゲン化銀乳剤層の上に保護層を設けることが出来る。その保護層はゼラチンなどの親水性ポリマーからなり、特開昭61−47946、同61−75338に記載されているようなポリメチルメタアクリレートラテックスやシリカなどのマット剤またはすべり剤を含むことができる。本発明において、ハロゲン化銀乳剤層およびその他の親水性コロイド層にはフィルター染料として、あるいは、イラジエーション防止などの目的で染料を含ませても良く、その他に、帯電防止剤、可塑剤や空気かぶり防止剤、塗布助剤を含むことができる。
本発明の平版印刷版としては、アクチベータ型平版印刷版が好ましい。該アクチベータ型平版印刷版は、物理現像核層、中間層、ハロゲン化銀乳剤層、及び保護層等の構成層に現像に必要な量の現像主薬を含有する。これによって、実質的に現像主薬を含まない、いわゆるアルカリ性活性化液で現像処理することが可能となり、現像液の保存性及び現像処理におけるランニング性が向上する。しかし、一方、アクチベータ型平版印刷版は多量の現像主薬を含有するので、保存経時によって現像主薬の酸化等が起こりやすく、保存安定性に問題がある。
上記した保存安定性に対して、ハロゲン化銀乳剤層や中間層のpHを低くすることが有効である。例えば、pHを5以下にするのが好ましく、より好ましくpH3.6〜4.8の範囲にすることである。
本発明は、中間層にコハク化ゼラチンを用いるが、修飾ゼラチンの中でも、コハク化ゼラチンは上記した低いpH領域でも安定であるという利点がある。他の修飾ゼラチン、例えばフタル化ゼラチンは、このような低いpH領域では凝集が起こりやすく、中間層として用いることは難しい。
上述したように、本発明の中間層及びハロゲン化銀乳剤層のpHは、5以下が好ましく、特にpH3.6〜4.8の範囲が好ましい。ここで、中間層及びハロゲン化銀乳剤層のpH値は、それらの塗布液のpH値である。
前記したアクチベータ型平版印刷版について詳細に説明する。該平版印刷版は、現像に必要な量の現像主薬を含有する。現像主薬の含有層は、ハロゲン化銀乳剤層が最も好ましいが、中間層や保護層に含有させもよい。現像主薬としてはハイドロキノンのようなポリヒドロキシベンゼン系現像主薬が最も好ましく、該現像主薬の含有量は、ハロゲン化銀1モル当たり、0.2〜2モルの範囲が適当であり、好ましくは0.3〜1モルの範囲である。
ポリヒドロキシベンゼン系現像主薬としては、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、クロルハイドロキノン、ブロモハイドロキノン、メチルハイドロキノン等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上を併用してもよい。好ましくは、ハイドロキノンである。また、本発明のアルミニウム印刷版には、上記したポリヒドロキシベンゼン系現像主薬の他に、メトールや1−フェニル−3−ピラゾリジノン類のような補助現像主薬を含有させるのが好ましい。特に3−ピラゾリジノン類が好ましく、ハイドロキノン1モルに対し0.03〜0.24モル、好ましくは0.06〜0.15モルである。
本発明の平版印刷版においてハロゲン化銀乳剤層に含有する銀量は、硝酸銀換算で、2.5g/m2以下が好ましく、2.0g/m2以下がより好ましく、下限は、1g/m2程度である。
本発明の平版印刷版において硬膜度が以下の条件を満足させることが好ましい。
(条件)50cm2の平版印刷版を35℃の温水20ml中に10分間浸積したときに温水中に溶出するゼラチンが該平版印刷版の全ゼラチン量の20質量%以下である。
本発明において上記条件を満足させるために用いられる硬膜剤は、中間層より上の層であるハロゲン化銀乳剤層、及び保護層に含有することが好ましい。本発明の硬膜剤としては無機または有機の硬膜剤を用いることが出来る。例えばこれらに限定されるわけではないが、クロル酸(クロム明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒドなど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノールなど)、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒロキシ−S−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸など)、カルボキシル基活性型硬膜剤(ピリジニウム塩など)、エポキシ系硬膜剤、アジリジン系硬膜剤などを単独または組み合わせて用いることが出来る。
本発明に用いられる硬膜剤の使用量は溶出ゼラチン量が全ゼラチン量に対して20質量%以下にするために必要な量であり、使用されるゼラチンの分子量によっても異なるが平均分子量10万のゼラチンを100g用いた時に対して硬膜剤を3ミリモル〜10ミリモル添加することが好ましい。ここでいう溶出ゼラチンの測定方法としては前記条件によって抽出されたゼラチン溶液を日本分光社製の比旋光度計(DIP−1000)によって測定され、予めゼラチン量変化した検量線から溶出したゼラチン量を求めることができる。
上記したような硬膜剤を用いることは、通常ハロゲン化銀乳剤層の水洗除去において不利になるが、本発明の中間層にコハク化ゼラチンを用いることと、前記した条件を満足するように硬膜剤を用いて平版印刷版の硬膜度を調整することの組み合わせによって、水洗除去されやすくなり、インキ受理性、インキ脱離性が更に向上させることができる。
本発明に用いられる現像液は、平版印刷版のタイプによって異なる。即ち、前述したようにアクチベータタイプの平版印刷版の場合は、現像液には実質的に現像主薬は含まない、いわゆるアルカリ性活性化液が用いられ、一方現像主薬を含まない平版印刷版の場合は、現像主薬を含む通常の現像液が用いられる。上記2つのタイプの現像液におけるその他の組成は、ほぼ同じである。
本発明に用いられる現像液のpHは11〜14の範囲が好ましく、12〜14の範囲がより好ましい。このpHにするためにアルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物が用いられる。更に、現像液には、チオ硫酸ナトリウム、アルカノールアミン、メソイオン性化合物、チオエーテル等にハロゲン化銀溶剤、亜硫酸ナトリウム等の保恒剤、カルボキシメチルセルロース等の粘稠剤、エチレンジアミン4酢酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)等のキレート剤、ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体等のアニオン性ゼラチン凝集剤を含有させることができる。
本発明の現像液には、ハロゲン化銀の溶剤としてアルカノールアミンを用いることが好ましく、例えば2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。使用量は現像液1リットル当り0.005モル〜1.5モル、好ましくは0.01モル〜1.0モルである。
本発明の現像液には、画像部を親油性にする化合物(親油化剤)を含有させることが好ましい。親油化剤としては、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、105、106ページに記載されている化合物が挙げられる。例えばメルカプト基またはチオン基を有する化合物、4級アンモニウム化合物等があり、特に好ましくは、メルカプト基またはチオン基を有する含窒素複素環化合物であり、特公昭48−29723号、特開昭58−127928号に記載されている。以下にその具体例を挙げるが、これらに限定されることはない。
2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベンゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2,2´−ジメルカプト−1,1´−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−S−トリアゾリノ〔1,2−a〕−S−トリアゾリン等が挙げられる。
本発明において、現像処理後にハロゲン化銀乳剤層及びその他の親水性コロイド層を除去する方法としては、25〜35℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方法、水洗液を吹き付けながらスクラブロールで剥離除去する方法、水洗液を吹き付けながらブレードによって剥離除去する方法、及び剥離シートを密着させて剥離した後水洗される方法が実施される。これらの水洗液にはpHを4〜8、好ましくは4.5〜7の範囲に緩衝させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤またはそれらの混合物を含有することができる。また、防腐剤を含有させてもよい。水洗液中には更にタンパク質分解酵素(例えば、ペプシン、レンニン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、フィシン、トロンビン、レニン、コラゲナーゼ、ブロメライン、細菌プロティナーゼ)や、前記した親油化剤を含有させることができる。
現像処理と水洗処理の間に、現像の進行を停止させる中和安定化処理を施してもよく、中和液に前記親油化剤を含有させてもよい。
アルミニウム平版印刷版において、ハロゲン化銀乳剤層の除去は、銀画像部及びアルミニウム表面自身で構成する非画像部を完全に露出させるために極めて重要な工程である。とりわけ、インキを受容する銀画像部は強い親油性が必要であり、ゼラチン等の親油性を阻害する物質は完全に排除する必要がある。
水洗処理によって露出した銀画像部及び非画像部は、各々の親油性及び親水性を高めるため、及び版面の保護のために、仕上げ液による処理が施される。本発明において、仕上げ液には、非画像部の陽極酸化層の保護及び親水性向上のために、アラビヤガム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸のプロピレングリコールエステル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアルコール等の保護コロイドを含有することが好ましい。また、画像部の親油性を更に向上させるために、上記親油化剤を含有することが好ましい。更に上記酵素を含有することができる。
以下に本発明を実施例により説明するが勿論本発明はこれだけに限定されるものではない。
アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従って、平均直径約5μmのプラト−上に直径0.03〜0.30μmのピットを100μm2当たり約5,600個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。このアルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、中心線平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
上記アルミニウム支持体上に、少量の親水性バインダーを含む硫化パラジウムからなる物理現像核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれるPdS核量は3mg/m2であった。
コハク化ゼラチンと少量の界面活性剤を含む、pHが4.5になるように調整した塗布液を作成した。この塗布液をゼラチン量が0.5g/m2になるように、下記のハロゲン化銀乳剤層及び保護層と同時重層塗布して、中間層を有する平版印刷版を作製した。
<中間層>
コハク化ゼラチン 0.5g/m2
界面活性剤 0.001g/m2
pH=4.5
(比較例1)
また、上記中間層の比較例としてコハク化ゼラチンの代わりにアルカリ処理ゼラチンを用いたものを作成し、下記のハロゲン化銀乳剤層及び保護層と同時重層塗布して、平版印刷版を作成した。
(比較例2)
また、上記中間層の比較例としてコハク化ゼラチンの代わりに酸処理処理ゼラチンを用いたものを作成し、下記のハロゲン化銀乳剤層及び保護層と同時重層塗布して、平版印刷版を作成した。
(比較例3)
また、上記中間層の比較例としてコハク化ゼラチンの代わりに平均分子量3万の低分子ゼラチンを用いたものを作成し、下記のハロゲン化銀乳剤層及び保護層と同時重層塗布して、平版印刷版を作成した。
(比較例4)
また、上記中間層の比較例として中間層なしの、下記のハロゲン化銀乳剤層及び保護層だけを同時重層塗布して、平版印刷版を作成した。
ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドとして、アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブルジェット法で平均粒径0.25μmの、ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウムをハロゲン化銀1モル当り6×10-6モルドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr15モル%、AgI0.4モル%)を作成した。その後フロキュレーションさせ、洗浄した。更にこの乳剤に硫黄金増感を施した後、赤色感光性の増感色素をハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モル加えて分光増感した。
このようにして作成したハロゲン化銀乳剤に、アルカリ処理ゼラチン、界面活性剤、ハイドロキノンを500mg/m2、1−フェニル−3−ピラゾリジノンを70mg/m2加えて、pHが4.3になるように調整した。このハロゲン化銀乳剤層を、銀量が2.5g/m2、ゼラチン量が2.5g/m2になるように塗布した。
<ハロゲン化銀乳剤層>
ハロゲン化銀乳剤 銀量2.5g/m2
アルカリ処理ゼラチン追加 1.5g/m2
界面活性剤 0.003g/m2
ハイドロキノン 0.5g/m2
1−フェニル−3−ピラゾリジノン 0.07g/m2
pH=4.3
保護層としてはアルカリ処理ゼラチンに界面活性剤、マット剤および染料を添加しpHが5になるように調整し、ゼラチン量で0.5g/m2になるように塗布した。
<保護層>
アルカリ処理ゼラチン 0.5g/m2
界面活性剤 0.005g/m2
マット剤 0.02g/m2
染料 0.02g/m2
pH=5.0
上記のようにして作製した平版印刷版の保存性を確認するために温度40℃で相対湿度80%の条件下に10日間放置した。
上記試料を633nmの赤色LDレーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用プロセッサー(三菱製紙社製SDP−α880自動現像機)で処理して平版印刷版を作成した。現像処理(現像温度23℃処理時間12秒)、水洗処理(35℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層をウオッシュオフする)、仕上げ処理(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程を経て製版された。
現像液、水洗液、及び仕上げ液は以下の組成のものを用いた。
<現像液>
水酸化ナトリウム 25g
ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体
(平均分子量50万) 10g
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 2g
無水亜硫酸ナトリウム 100g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
チオ硫酸ナトリウム(5水塩) 8g
水酸化ナトリウム 5g
モノメチルエタノールアミン 50g
脱イオン水で1000mlとする。
pH(25℃)=13.3
<水洗液>
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
モノエタノールアミン 13g
重亜硫酸ナトリウム 10g
タンパク質分解酵素 1g
水を加えて全量を1000mlに調整する。pHは6.0に調整した。タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。
<仕上げ液>
燐酸 0.5g
モノエタノールアミン 5.0g
2−メルカプト−5−nヘプチル−オキサジアゾール 0.5g
ポリグリセロール(6量体) 50g
脱イオン水で1000mlとする。
pHは7.2に調整した。
得られた平版印刷版をオフセット輪転印刷機にて印刷し、インキ受理性、インキ脱離性、及び細線画像の再現性を評価した。インキ受理性は、印刷開始後の画像の濃度の変化が起きなくなる枚数で評価した。インキ脱離性は、版面にインキを乗せた後、湿し水を送り、非画像部のインキ汚れが取れるまでの枚数で評価した。
また、細線画像の再現性は、100μmの細線銀画像が印刷中に欠落する印刷枚数で以下の基準で評価した。評価結果をまとめて表1に示す。
◎・・・ 8万枚以上
○・・・ 6万以上〜8万枚未満
△・・・ 4万以上〜6万枚未満
×・・・ 4万枚未満
また、画像部の白点故障を評価するために、670mm×560mmサイズを全面未露光で現像処理し、白点の数を調べた。評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2004280073
表1の結果より、中間層にコハク化ゼラチンを用いることで、保存経時におけるインキ受理性、インキ脱離性、白点故障が、及び細線画像再現性が大幅に改良されることが分かる。
実施例1と同じように作成したハロゲン化銀乳剤層にポリマーラテックスとしてHYDRAN AP40(以上大日本インキ化学工業(株)製)を0.2g/m2添加した平版印刷版を作成した。
実施例1、2及び比較例4を実施例1と同様にして現像処理時間を9sec、12sec、15secと変化させて評価した。評価結果から実施例2のインキ受理性、インキ脱離性、白点については実施例1と同様の結果であり、細線再現性の評価結果を表2に示す。
Figure 2004280073
表2の結果より、実施例2であるハロゲン化銀乳剤層にポリマーラテックスを添加することで更に現像ラチチュードが広くなっていることがわかる。
実施例1と同じように作成した保護層に、硬膜剤としてグリオキザールを添加しないもの、3mg/m2、あるいは6mg/m2添加したものを作成し、実施例1同様の中間層、ハロゲン化銀乳剤層と同時塗布して平版印刷版を作成し、実施例1と同じ条件にて評価した。また、前記条件にて溶出ゼラチン量を評価した。
(比較例5〜8)
上記実施例3と同様の硬膜剤を添加した保護層を用いて上記比較例1〜4の中間層にて同様に塗布し、比較例5〜8を作成し評価した。
評価結果として、低分子量ゼラチン以外のゼラチンと中間層なしで硬膜剤を添加したものにおいてはハロゲン化銀乳剤層の水洗除去不良により印刷評価までに至らなかった。評価結果および溶出ゼラチン量について表3に示す。
Figure 2004280073
実施例3の結果より、本発明のコハク化ゼラチンを用いた中間層と硬膜剤によって溶出ゼラチン量を20質量%以下の条件になるようにしたものとの組み合わせにより、更にインキ受理性、インキ脱離性が向上していることがわかる。

Claims (5)

  1. 粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核層を有する平版印刷版において、該ハロゲン化銀乳剤層と該物理現像核層の間に、コハク化ゼラチンを主体とする中間層を有することを特徴とする平版印刷版。
  2. 前記中間層のpHが5以下である請求項1記載の平版印刷版。
  3. 該平版印刷版中に現像に必要な量の現像主薬を含有する請求項1又は2に記載の平版印刷版。
  4. 前記平版印刷版において該ハロゲン化銀乳剤層中にポリマーラテックスを含有する請求項1、2又は3記載の平版印刷版。
  5. 前記平版印刷版の硬膜度が下記の条件を満足する請求項1、2、3又は4に記載の平版印刷版。
    (条件)50cm2の平版印刷版を35℃の温水20ml中に10分間浸積したときに温水中に溶出するゼラチンが該平版印刷版の全ゼラチン量の20質量%以下である。
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