JP2004278740A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

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Abstract

【課題】トラクションオイルの不測の温度上昇を防止することにより、ローラのスリップロスやスピンロスの発生をより確実に抑制できるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】相対向する凹湾曲状の軌道面3b,12bを有する入力ディスク3及び出力ディスク12と、この両ディスク3,12の軌道面3b,12b間に配置されかつその軌道面3b,12b上を転動しながら当該両ディスク3,12間のトルク伝達を行う複数のローラ14と、軌道面に3b,12bとローラ14の接触部を潤滑するオイルを冷却するための冷却手段26と、を備えているトロイダル型無段変速機において、両ディスク3,12の回転速度ωi,ωoと出力トルクTo又はこれらと等価なパラメータにより定まる発熱量Qに関して、そのパラメータを予め変化させて求めたマップ32が格納されており、車両走行時における当該パラメータの変化に対応して前記マップ32から読み出した予想発熱量Q*を加味してオイルに対する冷却度合いを決定する制御装置26を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の変速装置として用いられるトロイダル型無段変速機に関し、特に、その入出力ディスクとローラの接触部の潤滑オイルの油温制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、乗用車用の変速装置として、従来のオートマティックトランスミッションに代わるトロイダル型無段変速機が注目されている。
このトロイダル型無段変速機の主要部であるバリエータは、凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクを、軌道面同士が互いに対向するように配置し、両ディスク間に複数のローラを配置して成るものである。各ディスクの軸方向には油圧による端末負荷が付与され、これにより、ローラは各ディスクの軌道面に油膜を介して圧接する。入力ディスクはエンジンで駆動される入力軸に連結され、この入力軸の回転によって、入力ディスクからローラを介して出力ディスクにトルクが伝達される。また、変速動作は、必要なトルクに応じてローラの回転軸が傾くことにより無段階で行われる。
【0003】
両ディスクとローラは油膜を介して非常に高い圧力で互いに接しており、そのため、油膜を形成するトラクションオイルの粘度が高くなって大きなトラクションを伝達できるが、このさい油膜に作用するせん断力により油膜部(接触面に介在するオイル)の油温も上昇する。この油温が上昇すると油の粘度が下がる結果、トラクションが低下したり、油膜が薄くなってディスクとローラとが直接接触して損傷する恐れがある。
そこで、従来より、この種のトロイダル型無段変速機では、ディスクの軌道面とローラの転動面の接触面間に油膜を形成するトラクションオイル(作動油)を冷却するためのオイルクーラー等よりなる冷却装置と、トラクションオイルの油温を検出する温度センサが設けられ、この温度センサの検出値が所定値以下となるように前記冷却装置をフィードバック制御する方法が考案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−257217号公報(請求項1及び請求項5)
【特許文献2】
特開2002−195369号公報(請求項1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のトロイダル型無段変速機では、温度センサによってトラクションオイルが所定値に上昇したのを検知してから、冷却装置による冷却を行うようになっているので、油温上昇に対する冷却動作の応答が遅く、トラクションオイルの温度が上昇気味になりやすい欠点がある。このため、特に、変速が頻繁に行われる山道等の走行中においては、各ディスクとローラの接触部分からの発熱量が増大し、油温がますます上昇気味になる。
【0006】
そして、このようにトラクションオイルに不測の温度上昇が発生すると、粘性の低下に伴って各ディスクとローラ間のトラクション係数が低下し、ローラがスリップして発熱量が更に増大するとともに、最悪の場合には、適切な油膜が維持できなくなって各ディスクとローラとの金属同士の直接接触が起こり、急速な摩耗が生じる恐れがある。また、トラクション係数の低下を補償するためにディスクの押し付け力を上げると接触部面圧の上昇によって寿命が低下し、しかも、接触部面積が増大するためにスピンロスが生じて更に発熱量が増大するとともに、トルクの伝達効率が低下する。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、ディスク軌道面とローラ転動面の接触面間のトラクションオイルの不測の温度上昇を防止することにより、ローラのスリップロスやスピンロスの発生をより確実に抑制できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、相対向する凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクと、この両ディスクの軌道面間に配置されかつその軌道面上を転動しながら当該両ディスク間のトルク伝達を行う複数のローラと、前記軌道面と前記ローラの接触部を潤滑するオイルを冷却するための冷却手段と、を備えているトロイダル型無段変速機において、前記両ディスクの回転速度と出力トルク又はこれらと等価なパラメータにより定まる発熱量に関して、その各パラメータを予め変化させて求めたマップが格納されており、車両走行時における当該各パラメータの変化に対応して前記マップから読み出した予想発熱量を加味して前記オイルに対する冷却度合いを決定する制御装置が設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記構成に係るトロイダル型無段変速機では、車両走行時におけるディスクの回転速度と出力トルク(又はこれらと等価なパラメータ)の変化に対応してマップから読み出した予想発熱量を加味して、トラクションオイルに対する冷却度合いを決定するようにしたので、走行中に予想される発熱量を相殺するような冷却動作を前もって冷却装置に行わせることができる。このため、トラクションオイルの不測の温度上昇を防止することができ、例えば変速が頻繁に行われる山道等の走行中においても、トラクションオイルの温度が上昇気味になることはない。なお、本発明において、軌道面とローラの接触部を潤滑するオイルとは、当該接触部に存在するオイル、または、当該接触部に供給されるべきオイル、若しくはそれらの双方のことを意味する。
【0010】
一方、本発明のトロイダル型無段変速機においては、ディスクの回転速度と出力トルク(又はこれらと等価なパラメータ)から定まる発熱量を基準として冷却装置を制御しているので、必ずしもトラクションオイルの温度を検出する温度センサを設ける必要はない。しかし、上記制御装置としては、その温度センサの検出値が所定値以下となるようにフィードバック制御する機能を併有しているものを採用することが好ましい。
かかる機能を併有した制御装置を採用すれば、油温に基づいて冷却動作を行う従来制御と、予想発熱量に基づいて冷却動作を行う本発明に係る予測制御が同時に行われるので、トラクションオイルの不測の温度上昇をより確実に防止できるようになる。
【0011】
また、本発明のトロイダル型無段変速機において、後述するフルトロイダル型無段変速機に代表されるような、ローラを支持する支持部材の駆動力の変化のみに対応して必要な出力トルクが得られるトルク制御方式が採用されている場合には、制御装置に入力する出力トルクとして、前記支持部材の駆動力から算出した推定値を使用することが好ましい。
かかる推定値を使用する場合には、本発明の制御方式を実施するに当たって、出力トルクを検出するトルクセンサを設ける必要がなくなるので、当該無段変速機の製造コストを低減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
図4は、本発明に係るフルトロイダル型無段変速機の主要部を構成するバリエータ1の概略断面図である。
同図に示すように、このバリエータ1は、乗用車等の車両のエンジンEにより回転駆動される入力軸2を備えており、その両端近傍にはそれぞれ入力ディスク3が支持されている。各入力ディスク3の一側面には、凹湾曲状の軌道面3bが形成されており、その内周には複数条の溝を切ったスプライン穴3aが形成されている。
【0013】
各入力ディスク3は、入力軸2に形成されたスプライン軸部2aをスプライン穴3aに挿通することにより、入力軸2と一体回転可能に組み付けられている。右側の入力ディスク3は、入力軸2に一体に設けられた係止つば部2bによって図示の状態から右方への移動が規制されている。また、左側の入力ディスク3の軌道面3bと反対側の背面には、当該背面全体を覆うケーシング4と、ケーシング4の内周に内接したバックアップ板5と、入力軸2に固定されかつ入力ディスク3及びバックアップ板5が軸方向の左方に移動することを規制する係止リング6及び止め輪7と、係止リング6の外周に装着されかつバックアップ板5に予圧を付与するワッシャ8が設けられている。
【0014】
バックアップ板5の外周にはOリング9が装着されており、ケーシング4の内面と、入力ディスク3の背面と、バックアップ板5とによって囲まれた入力軸2の周りの空間に油室9aが形成されている。この油室9aは、入力軸2の軸線方向に延びる第一油路2cと、その右端部から径方向に延びる第二油路2dとに連通しており、第一油路2cには外部から油圧が供給される。このようにして、ケーシング4及びバックアップ板5を押圧シリンダ9とし、入力ディスク3をピストンとする油圧シリンダ装置が構成されている。
【0015】
入力軸2の軸方向中央部には、バリエータ1の出力部10が入力軸2に対して相対回転自在に支持されている。この出力部10は、出力部材11と、この出力部材11にそれぞれ一体回転可能に支持された一対の出力ディスク12とを備えている。各出力ディスク12の、入力ディスク3の軌道面3bに対向する一側面には、凹湾曲状の軌道面12bが形成されている。また、出力部材11の外周には、動力伝達用のチェーン13と噛み合うスプロケットギア11aが形成されている。
【0016】
入力ディスク3の軌道面3bとこれに対向する出力ディスク12の軌道面12bとの間はトロイド状隙間として構成されており、このトロイド状隙間には、各軌道面3b,12bと圧接して回転する円盤状のローラ14が円周等配に3個(図4では、1個のみ図示)設けられている。従って、ローラ14は左右一対のトロイド状隙間に計6個配置されている。各ローラ14は、キャリッジ(支持部材)15によって回転軸14a周りに回転自在に支持されているとともに、当該キャリッジ15によって各軌道面3b,12bに対する相対的な接触位置を調整できるようになっている。
【0017】
本実施形態のバリエータ1において、第一油路2cを介して油室9aに端末負荷としての油圧が付与されると、左側の入力ディスク3が右方に付勢され、ローラ14を介して左側の出力ディスク12が右方に付勢される。これにより、右側の出力ディスク12から出力部材11を介して、左側の出力ディスク12が右方に付勢される。さらに、右側の出力ディスク12からローラ14を介して右側の入力ディスク3が押圧されるが、この入力ディスク3は係止つば部2bにより止められているため、端末負荷がバリエータ1全体に付与され、左右の各ローラ14が両ディスク3,12間に所定の圧力で挟持された状態となる。そして、この状態で入力軸2に動力が付与されると、入力ディスク3から出力ディスク12に対して合計6個のローラ14を介してトルクが伝達されることになる。
【0018】
図1は、上記バリエータ1の油圧制御システムの回路構成図である。
なお、この図1では、説明の簡略化のために一個のローラ14に関する回路構成を示しているが、実際には、各ローラ14ごとに変速シリンダ16が設けられている。
同図に示すように、ローラ14には、所定のキャスター角βをもって傾斜したキャリッジ15が連結されている。このキャリッジ15には変速シリンダ16が接続されていて、このシリンダ16の各油室16a,16bにそれぞれ供給される油圧P1,P2の差圧Pr(=P1−P2)により、前進又は後退方向に駆動力(以下、リアクション力という。)が付与される。
【0019】
すなわち、バリエータ1の油圧回路には、第一ポンプ17、第一圧力制御弁18及び第一リーフ弁19により構成される油圧発生経路と、第二ポンプ20、第二圧力制御弁21及び第二リリーフ弁22により構成される油圧発生経路が設けられており、第一圧力制御弁18によって制御された油圧は変速シリンダ16の第一油室16aと押圧シリンダ9に供給され、第二圧力制御弁21によって制御された油圧は変速シリンダ16の第二油室16bに供給される。
【0020】
しかして、上記各圧力制御弁18,21は、車両の電子制御ユニット(以下、ECUという。)23の指令によって作動し、変速シリンダ16の第一及び第二油室16a,16bの圧力を調整して、キャリッジ15に前進又は後退方向のリアクション力を付与するものである。第一油室16aに付与される油圧と第二油室16bに付与される油圧は、それぞれ第一及び第二圧力計24,25によってリアルタイムに検出され、それらの検出値P1,P2はいずれもECU23に送られている。
【0021】
ECU23によって制御される第一圧力制御弁11の吐出側は、オイルクーラ等よりなる冷却装置(通常はオフ)26及び流量調整弁27を経て、各ディスク3,12の近傍に配置されたノズル28に接続され、このノズル28から、各ディスク3,12の軌道面3b,12bとローラ14の転動面の接触部近傍に対して作動油が潤滑オイルとしてのトラクションオイルとして噴射されるようになっている。両ディスク3,12の間でかつノズル28から噴出される作動油がかかる位置には温度センサ29が配置されている。この温度センサ29は噴出されたトラクションオイルの温度を検出して、その出力信号をECU23に送る。
【0022】
ECU23には、入力ディスク3の回転速度ωiを検出するための速度センサ30と、出力ディスク12の回転速度ωoを検出するための速度センサ31が接続され、これらの速度センサ30,31の出力信号は、所定のサンプリング時間でリアルタイムにECU23に取り込まれる。更に、図示していないが、車速センサ、傾斜角センサ、アクセルペダル、ブレーキペダルに対応して設けられた圧力センサ、エンジン回転数センサから、それぞれ、車速、車体の傾斜角、アクセルペダルの踏み込み量、ブレーキペダルの踏み込み圧力、エンジン回転数等の情報が、ECU23に常時入力されている。
【0023】
上記構成に係るバリエータ1では、キャリッジ15を所定のキャスター角βで傾斜させた状態で各ディスク3,12間にローラ14を介装しているので、車両の運転中において、キャリッジ15のリアクション力と出力ディスク12を駆動するのに必要な出力トルクとの間に力の不均衡が生じると、ローラ14及びキャリッジ15は、キャリッジ15の軸線周りに回転軸14aを傾斜させることによりその不均衡を解消しようとする。
【0024】
これにより、ローラ14の位置が図1の二点鎖線に示すように変化し、両ディスク3,12間の速度比が連続的に変化する。従って、例えば、リアクション力に抗してキャリッジ15が押し返されるような大きな抵抗力が出力ディスク12に発生すると、ローラ14は回転軸14aの傾斜角度を変化させてより大きな出力トルクを発生させ、このようにしてバリエータ1の変速比が結果的に「シフトダウン」されることになる。
【0025】
すなわち、本実施形態のバリエータ1では、ローラ14を支持するキャリッジ15のリアクション力の変化のみに対応して瞬時に必要な出力トルクが得られるトルク制御が行われており、その結果として変速比が変化しているものである。このようなトルク及び変速比の変化は、単純に、リアクション力の増減又は外部抵抗(走行抵抗)の変動に対する応答のみで実行され、極めて迅速で効率的であることが確認されている。なお、図4における左右各3個ずつのローラ14は、左右対称になるように同期して回転軸14aを傾斜させ、それらの傾斜角度は6個のローラすべてについて一致している。
【0026】
次に、図2のフローチャートを参照して、前記ECU23によって行われるバリエータ1の油温制御について説明する。
まず、ECU23は、油温toに基づいて冷却装置26及び流量調整弁27による冷却度合いを決定する従来制御(図3の左側ライン)と、予想発熱量Q*に基づいて冷却装置26による冷却度合いを決定する予測制御(図3の右側ライン)を同時に行っている。
すなわち、ECU23は、トラクションオイルの温度toを所定のサンプリング時間で読み込み(ステップS1)、その温度toを所定の限界温度tmaxと比較し(ステップS2)、測定温度toが限界温度tmaxを超えた場合に、その超えた度合いに応じて冷却装置26を作動させるように(ステップS3)、フィードバック制御を行っている。
【0027】
一方、ECU23は、所定のサンプリング時間で入力ディスク3及び出力ディスク12の回転速度ωi,ωoと変速シリンダ16の差圧Prをリアルタイムに測定し(ステップS4)、その測定値に基づいて変速率Rvと伝達動力(ωo・To)を計算する(ステップS3)。
ここで、前記したトルク制御を行う本実施形態のバリエータ1においては、出力ディスク12に発生する出力トルクToを間接的に求めることができる。すなわち、当該バリエータ1では、ローラ14のリアクション力を発生させる前記変速シリンダ16の差圧Prとは、次の式(1)の関係にある。
【0028】
To={rt×So×cosβ/(1−Rv)}×Pr ・・・・(1)
ただし、
rt:トロイド半径(図4参照)
So:変速シリンダの断面積
β :キャスタ角(図1参照)
Rv:バリエータの変速比(=−ωo/ωi)
ωo:バリエータの出力回転数
ωi:バリエータの入力回転数
【0029】
従って、入力速度センサ30及び出力速度センサ31からの出力をリアルタイムに読み込んで算出した変速比(レシオ)Rvと、同じサンプリング時間でECU23に読み込まれている油圧P1,P2の差圧Prを、それぞれ上記(1)式に代入することにより、出力ディスク12に発生している出力トルクToを間接的に求めることができる。
ところで、図4に示すように、各ディスク3,12の軌道面とローラ14の転動面との接触部分から発生する発熱量Qは、バリエータ1の伝達動力ωo・Toが大きくなるほど増大し、変速比Rvが大きくなるほど小さくなるものと考えられ、従って、それらを変数としたある特定の関数W(ωo・To,Rv)で表すことができる。そこで、ECU23には、その伝達動力ωo・Toと変速比Rv(=−ωo/ωi)を予め種々に変化させた場合の発熱量Q=W(ωo・To,Rv)の変化を表すマップ32が、所与のデータとしてメモリに格納されている。
【0030】
そして、ECU23は、車両走行時に計測された前記測定データ(本実施形態ではωi,ωo,Pr)から算出した伝達動力ωo・Toと変速比Rvに対応する予想発熱量Q* を上記マップ32から読み出し(ステップS6)、その予想発熱量Q* に相当する分だけ冷却能力が増大するように冷却装置26の冷却温度を下げてトラクションオイルの温度を下げたり、流量調整弁27を調節して流量を増大させる(ステップS7)。しかして、ECU23は、油温toから導かれる必要な冷却能力と、予想発熱量Q* から導かれる必要な冷却能力の双方を加味して、オイルの温度と流量を決定して最終的な冷却度合いを決定し(ステップ8)、ディスク軌道面とローラ転動面の接触部分に介在する油膜の温度上昇を防止する。
【0031】
このように、本実施形態のバリエータ1では、車両走行時における各パラメータ(ωi,ωo及びTo)の変化に対応してマップ32から読み出した予想発熱量Q* を加味してトラクションオイルに対する冷却度合いを決定するようにしているので、走行中に予想される発熱量Q*を相殺する冷却動作を前もって冷却装置26や流量調整弁27に行わせることができ、上記接触部に介在する油膜を形成するトラクションオイルの不測の温度上昇を防止することができる。
【0032】
また、本実施形態のバリエータ1では、ローラ14を支持するキャリッジ15の駆動力(本実施形態では、前記変速シリンダ16に対する差圧Pr)の変化のみに対応して必要な出力トルクToが得られるトルク制御方式が採用されていることを利用して、ECU23に入力する出力トルクToとして、キャリッジ15の駆動力から算出した推定値を使用するようにしたので、出力トルクToを検出するトルクセンサを別途設ける必要がなく、この点で製造コストを低減することができる。
【0033】
なお、上記した実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、入出力ディスク3,12の回転数を直接検出する速度センサ30,31の検出値から変速比Rvを求めているが、これに代えて、ローラ14の傾斜角α(図4参照)を検出する角度センサを用いて、変速比Rvを演算により間接的に求めることにしてもよい。
【0034】
具体的には、変速比Rv(=−ωi/ωo)は次の式(2)で求めることができるので、この式(2)を用いてローラ14の傾斜角αから変速比Rvを求めることができる。ただし、式(2)において、rtはトロイド半径(図4参照)であり、ruはローラ14の半径である。
ωi/ωo=(rt+ru・sinα)/(rt−ru・sinα) ・・・・(2)
また、本発明は、フルトロイダル型無段変速機だけでなく、ハーフトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
【0035】
更に、上記実施形態では、ディスク軌道面とローラ転動面の接触面間の油膜を形成するオイルの冷却手段として、この接触面近傍に噴射するオイルの温度と流量を設定する場合を例示したが、ディスク軌道面やローラ転動面の温度、或いは、接触面近傍の雰囲気温度を予測発熱量を加味して設定することで、油膜形成オイルの油温を調整することにしてもよい。
また、上記実施形態では、押圧シリンダ9及び変速シリンダ16に対する油圧作動油と潤滑用のトラクションオイルを同系統の油圧回路で供給する場合を例示しているが、図5に示すように、それらは別系統の油圧回路とすることが好ましい。
【0036】
すなわち、図5に示す変形例では、第一及び第二ポンプ17,20とは別に潤滑オイル専用の第三ポンプ33が設けられており、このポンプ33から圧送された圧油をノズル28から噴出させるようにしている。この場合、押圧シリンダ9及び変速シリンダ16への油圧作動油とバリエータ1の潤滑のためのトラクションオイルとを別種のオイルにすることができるので、それぞれに最適のオイルを選択できるという利点があり、また、専用の油圧系統とすることでより精度の高いトラクションオイルの冷却度合いの調整が可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、トラクションオイルの不測の温度上昇が防止されるので、ローラのスリップロスやスピンロスの発生をより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無段変速機の主要部を構成するバリエータの油圧制御システムの回路構成図である。
【図2】ECUで行われる油温制御のフローチャートである。
【図3】伝達動力及び変速比と発熱量との関係を示すマップである。
【図4】バリエータの概略断面図である。
【図5】本発明に係る無段変速機の主要部を構成するバリエータの油圧制御システムの変形例を示す回路構成図である。
【符号の説明】
1 バリエータ
3 入力ディスク
3b 軌道面
12 出力ディスク
12b 軌道面
14 ローラ
15 キャリッジ(支持部材)
23 制御装置(ECU)
26 冷却装置
29 温度センサ

Claims (3)

  1. 相対向する凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクと、この両ディスクの軌道面間に配置されかつその軌道面上を転動しながら当該両ディスク間のトルク伝達を行う複数のローラと、前記軌道面と前記ローラの接触部を潤滑するオイルを冷却するための冷却手段と、を備えているトロイダル型無段変速機において、
    前記両ディスクの回転速度と出力トルク又はこれらと等価なパラメータにより定まる発熱量に関して、その各パラメータを予め変化させて求めたマップが格納されており、車両走行時における当該各パラメータの変化に対応して前記マップから読み出した予想発熱量を加味して前記オイルに対する冷却度合いを決定する制御装置が設けられていることを特徴とするトロイダル型無断変速機。
  2. 制御装置は、前記オイルの温度を検出する温度センサの検出値が所定値以下となるようにフィードバック制御する機能を併有している請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. ローラを支持する支持部材の駆動力の変化のみに対応して必要な出力トルクが得られるトルク制御方式が採用されており、
    制御装置に入力する出力トルクとして、前記支持部材の駆動力から算出した推定値が使用されている請求項1又は2に記載のトロイダル型無段変速機。
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