JP4853700B2 - フルトロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両の変速装置として用いられるフルトロイダル型無段変速機に関するものである。
フルトロイダル型無段変速機の主要部であるバリエータは、凹湾曲状の軌道面を有する入力ディスク及び出力ディスクを、軌道面同士が互いに対向するように配置し、両ディスク間に複数個のローラを配置している。
各ディスクの軸方向にはトラクションオイルの油圧による端末負荷が付与され、これにより、ローラは、各ディスクの軌道面に油膜を介して圧接する。入力ディスクは、エンジン等の車両の駆動源により回転駆動される入力軸に取り付けられており、この入力軸の回転により、入力ディスクからローラを介して出力ディスクにトルクが伝達される。変速は、必要なトルクに応じてローラの回転軸が傾くことにより無段階で行われる。ローラの回転軸は、支持部材であるキャリッジによって支持されており、このキャリッジの進退方向に駆動力を付与し、これによりローラに両ディスクに対する付勢力を調整する油圧シリンダが設けられている。
その油圧シリンダは一対の油室を有し、油圧ポンプからの油が一方の油室に導かれ、他方の油室の油はタンクに排出される。一対の油室間の差圧に基づいて上記進退方向の駆動力が発生する。
上記フルトロイダル型無段変速機において、入力ディスクから出力ディスクにトルクの伝達が行われるとき、ローラと各ディスクとの間ではトラクション力が生じており、これと、キャリッジの駆動力とを一定のトラクション係数の下で均衡させるように端末負荷及びキャリッジの駆動力が設定されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−278740公報
上記の油圧シリンダの一対の油室の圧力をそれぞれ制御するリアクション油圧回路において、精度の良い圧力制御弁を用い、フィードバック制御を外すことを想定する。その場合、何れか一方の油室への油圧供給ラインの圧力制御弁その他の油圧要素が故障によって、そのラインに異常圧力が生じたとしても、これをすぐには感知することができない。
このため、一方の油圧供給ラインの異常圧力の影響で、一対の油室間の差圧によってキャリッジを介してローラに与えられているディスクへの押し付け力が異常となり、その結果、ドライバが予期しない急な加減速やエンジン回転数の変動を生ずるおそれがある。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構造でフェールセーフを達成することができるフルトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、相対向する軌道面をそれぞれ有し、互いに近づく方向に付勢される入力ディスクおよび出力ディスクと、両ディスクの軌道面間に形成されたトロイド状間隙に配置され、両軌道面に転がり接触しながら両ディスク間にトルクを伝達するローラと、このローラを回転自在に支持するキャリッジと、このキャリッジを介してローラに両ディスクに対する押引力を付与するための差圧を発生させる第1および第2の油室を有する油圧シリンダと、第1および第2の油室間の差圧を検出する差圧検出手段と、油圧源と第1の油室との間に介在した第1の圧力制御弁と、油圧源と第2の油室との間に介在した第2の圧力制御弁と、上記第1および第2の圧力制御弁の動作を制御する制御部とを備え、上記差圧検出手段は、上記第1および第2の油室の圧力を、それぞれ、検出する第1および第2の圧力検出手段を含み、上記制御部は、何れか一方の油室の圧力の異常が、当該一方の油室に対応する圧力検出手段によって検出されたときに、第1および第2の圧力検出手段による検出値の差分が目標値に近づくように、他方の油室に対応する圧力制御弁への圧力指令値を設定することを特徴とするものである。
本発明によれば、第1および第2の油室間の差圧が監視されており、差圧の異常が検出された場合、両油室の差圧に基づいて、何れか一方の油室に対応する圧力制御弁への圧力指令値が設定される。これにより、両油室間の差圧をコントロールすることができ、その結果、フェールセーフを達成することができる。
また、本発明において、上記差圧検出手段は、上記第1および第2の油室の圧力を、それぞれ、検出する第1および第2の圧力検出手段を含み、上記制御部は、何れか一方の油室の圧力の異常が、当該一方の油室に対応する圧力検出手段によって検出されたときに、第1および第2の圧力検出手段による検出値の差分が目標値に近づくように、他方の油室に対応する圧力制御弁への圧力指令値を設定する場合がある。
この場合、上記制御部は、第1および第2の圧力検出手段による検出値の差分が目標値に近づくように、上記他方の油室に対応する圧力制御弁への圧力指令値を設定するので、たとえ何れか一方の油室への油圧供給ラインに異常が発生していたとしても、両油室間の差圧をコントロールすることにより、系全体としては、正常な働きをさせることができる。
また、本発明は、相対向する軌道面をそれぞれ有し、互いに近づく方向に付勢される入力ディスクおよび出力ディスクと、両ディスクの軌道面間に形成されたトロイド状間隙に配置され、両軌道面に転がり接触しながら両ディスク間にトルクを伝達するローラと、このローラを回転自在に支持するキャリッジと、このキャリッジを介してローラに両ディスクに対する押引力を付与するための差圧を発生させる第1および第2の油室を有する油圧シリンダと、第1および第2の油室間の差圧を検出する差圧検出手段と、油圧源と第1の油室との間に介在した第1の圧力制御弁と、油圧源と第2の油室との間に介在した第2の圧力制御弁と、上記第1および第2の圧力制御弁の動作を制御する制御部とを備え、上記差圧検出手段は、上記第1および第2の油室の圧力を、それぞれ、検出する第1および第2の圧力検出手段を含み、上記制御部は、何れか一方の油室の圧力の異常が、当該一方の油室に対応する圧力検出手段によって検出されたときに、第1および第2の圧力検出手段による検出値の差分が最小値になるように、他方の油室に対応する圧力制御部への圧力指令値を決定する場合がある。この場合、両油室間の差圧を最小限とすることにより、確実なフェールセーフを達成することができる。
また、上記制御部は、差圧検出手段によって差圧の異常が検出されたときに、車両の駆動源の回転数を一定の回転数に制限するための信号を出力する場合がある。この場合、車両の駆動源の回転数の変動を抑えることができる。上記一定の回転数はアイドル回転数を含んでいればより好ましい。
発明を実施する最良の形態
本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態によるフルトロイダル型無段変速機のバリエータを示す概略図である。このフルトロイダル型無段変速機において、上記バリエータ1には、車両の動力源により回転駆動される入力軸3が設けられており、その両端近傍にはそれぞれ入力ディスク5が支持されている。
各入力ディスク5の一側面には、凹湾曲状の軌道面5bが形成されており、その内周には複数条の溝を切ったスプライン穴5aが形成されている。入力ディスク5は、そのスプライン穴5aを、入力軸3に設けられたスプライン軸3aに結合させることによって、入力軸3と一体回転可能に組み付けられている。右側の入力ディスク5は、入力軸3に一体に設けられた係止部3bによって図示の状態から右方への移動が規制されている。
また、左側の入力ディスク5の軌道面5bと反対側の背面には、当該背面全体を覆うケーシング6と、ケーシング6の内周に内接したバックアップ板7と、入力軸3に固定され、出力ディスク5及びバックアップ板7が軸方向の左方に移動することを規制する係止リング8及び止め輪9と、係止リング8の外周に装着され、バックアップ板7に予圧を付与するワッシャ10とが設けられている。
上記バックアップ板7の外周にはOリング11が装着されており、ケーシング6の内面と、入力ディスク5の背面と、バックアップ板7とによって囲まれた入力軸3の周りの空間に油室2が形成されている。油室2は、入力軸3の中心軸方向に設けられた油路3c及びその右端部近傍から径方向に設けられた油路3dと連通している。
また、油路3cは、入力軸3の端部に挿入された固定部材2の内部に設けられた油路2aと連通している。この油路2aは、油圧制御装置12と接続されている。このようにして、ケーシング6及びバックアップ板7をシリンダとし、入力ディスク5をピストンとする油圧シリンダ装置が構成されている。
上記入力軸3の軸方向中央部には、バリエータ1の出力部13が入力軸3に対して相対回転自在に支持されている。この出力部13は、出力部材14と、この出力部材14にそれぞれ一体回転可能に支持された一対の出力ディスク15とを備えている。各出力ディスク15の、入力ディスク5の軌道面5bに対向する一側面には、凹湾曲状の軌道面15bが形成されている。また、上記出力部材14の外周には、動力伝達用のチェーン16と噛み合うスプロケットギヤ14aが形成されている。
上記各入力ディスク5の軌道面5bと、これに対向する出力ディスク15の軌道面15bとの間は、トロイド状間隙S1として構成されており、このトロイド状間隙S1には、各軌道面5b,15bと圧接して回転する円盤状のローラ17が円周等配に3個(1個のみ図示)設けられている。従って、ローラ17は左右一対のトロイド状間隙S1に計6個配置されている。各ローラ17はキャリッジ18によって回転軸線17a周りに回転自在に支持されているとともに、当該キャリッジ18によって各軌道面5b,15bとの相対位置を調整できるようになっている。
上記バリエータ1において、油圧制御装置12から油室2に、端末負荷としての油圧が付与されると、左側の入力ディスク5が右方に付勢され、ローラ17を介して左側の出力ディスク15が右方に付勢される。これにより、左側の出力ディスク15から出力部材14を介して、右側の出力ディスク15が右方に付勢される。さらに、右側の出力ディスク15からローラ17を介して右側の入力ディスク5が押圧されるが、この入力ディスク5は係止部3bにより止められているため、上記端末負荷がバリエータ1全体に付与され、左右の各ローラ17が両ディスク5,15間に所定の圧力で挟持された状態となる。
この状態において、入力軸3に動力が付与されると、入力ディスク5から出力ディスク15に対して、上記6個のローラ17を介してトルクが伝達される。キャリッジ18に支持されたローラ17は、トルクを伝達することによりキャリッジ18に生じるリアクション力と、出力ディスク15を駆動するのに必要なトルクとのアンバランスを解消すべく、キャリッジ18の軸線周りにローラ17の回転軸線17aを揺動角度A1を生ずるように傾斜させる。これにより、ローラ17の位置が図の二点鎖線に示すように変化し、両ディスク5,15間の速度比が連続的に変化する。なお、左右各3個のローラ17は、左右対称になるように同期して回転軸線17aを傾斜させ、それらの傾斜角度は6個のローラすべてについて一致している。
図2は油圧制御装置12においてローラの付勢に関わる構成を示す模式図である。説明の簡略化のため、1個のローラ17に関しての油圧回路構成を示しているが、実際には、各ローラ17ごとにキャリッジ18、継手19および油圧回路が設けられている。
図2を参照して、油圧シリンダ20は、キャリッジ18をその軸線回りに揺動可能に支持し且つキャリッジ18を介してローラ17に両ディスク5,15に対する押引力を付与するように機能する。
具体的には、油圧シリンダ20は、固定部としての円筒状のシリンダ本体21と、このシリンダ本体21内に摺動自在に収容された可動部としてのピストン22とを備える。ピストン22は、シリンダ本体21内に上記押引力を発生するための第1および第2の油室23,24を区画し、これらを互いに仕切っている。
継手19はキャリッジ18の端部とピストン22とを連結する球面継手からなる。油圧シリンダ20の発生する押引力が継手19およびキャリッジ18を介してローラ17に伝達されるようになっている。すなわち、油圧シリンダ20の第1の油室23および第2の油室24にそれぞれ供給される油圧の差圧により、キャリッジ18には、前進又は後退方向に駆動力が付与され、この駆動力がローラ17を両ディスク5,15に向けて押したり引いたりする力(押引力)として働く。
油圧シリンダ20の第1の油室23には、油路25の一端25aが接続されている。この油路25の他端25bは、方向制御弁を兼用する電磁比例式減圧弁からなる第1の圧力制御弁26に接続されている。この第1の圧力制御弁26には、油圧ポンプ27に通ずる油路28の一端28aが接続され、また、油タンク29に通ずる油路30の一端30aが接続されている。
第1の圧力制御弁26は、第1の油室23に通ずる上記油路25を、油圧ポンプ27および油タンク29に択一的に接続するとともに、制御部としてのECU31(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)からの制御信号に応じて圧力を制御する。
具体的には、第1の圧力制御弁26は、第1の油室23に通ずる油路25の他端25bが、油圧ポンプ27に通ずる油路28の一端28aに接続される第1の状態と、油路25の他端25bが、油タンク29に通ずる油路30の一端30aに接続される第2の状態とに、その内部油路を切り換える。
第1の圧力制御弁26と油圧シリンダ20の第1の油室23とを接続する上記油路25には、第1の油圧23内の圧力を検出するための第1の圧力検出手段としての第1の圧力センサ32が設けられている。第1の圧力センサ32はECU31に接続されており、第1の圧力センサ32からの出力信号は、ECU31に与えられるようになっいる。
同様に、油圧シリンダ20の第2の油室23には、油路33の一端33aが接続されている。この油路33の他端33bは、方向制御弁を兼用する電磁比例式減圧弁からなる第2の圧力制御弁34に接続されている。この第2の圧力制御弁34には、油圧ポンプ27に通ずる油路35の一端35aが接続され、また、油タンク29に通ずる油路36の一端36aが接続されている。
第2の圧力制御弁36は、第2の油室24に通ずる上記油路33を、油圧ポンプ27および油タンク29に択一的に接続するとともに、制御部としてのECU31からの制御信号に応じて圧力を制御する。
具体的には、第2の圧力制御弁34は、第2の油室24に通ずる油路33の他端33bが、油圧ポンプ27に通ずる油路35の一端35aに接続される第1の状態と、油路33の他端33bが、油タンク29に通ずる油路36の一端36aに接続される第2の状態とに、その内部油路を切り換える。
油圧ポンプ27からの吐出路40は、分岐点41を介して、第1の圧力制御弁26への油路28と、第2の圧力制御弁34への油路35とに分岐している。吐出路40には、過大な圧力が負荷されたときに、この圧力を逃がすためのリリーフ弁42が設けられている。
第2の圧力制御弁34と油圧シリンダ20の第2の油室24とを接続する上記油路33には、第2の油圧24内の圧力を検出するための第2の圧力検出手段としての第2の圧力センサ37が設けられている。第2の圧力センサ37はECU31に接続されており、第2の圧力センサ37からの出力信号は、ECU31に与えられるようになっいる。
ECU31は、第1および第2の圧力制御弁26,34のそれぞれに対して、圧力指令値を出力する。ECU31は、第1および第2の圧力制御弁26,34を制御することにより、第1および第2の油室23,24の圧力を制御する。これにより、両油室23,24間の差圧が調整され、キャリッジ18に前進又は後退方向の駆動力を付与されるようになっている。
ECU31では、上記第1および第2の圧力センサ32,37による検出圧力、車両の駆動源の負荷、駆動源の回転数、最終出力速度の他、トラクションオイルの検出温度や、ローラ17の揺動角度A1(図1参照。傾斜角に相当)に基づいて、各油室23,24間に最適となる差圧を与え、ローラ17のトラクション力とキャリッジ18の駆動力(押引力)とを常に釣り合わせる。従って、力のバランスを最適な状態に保って、ローラ17におけるスピンロスやスリップロスの発生を抑制することができる。
また、ECU31では、図3にフローチャートに示すように、油圧シリンダ20の何れか一方の油室23,24に異常な圧力が発生した場合に、フェールセーフ動作をするようになっている。
ECU31による制御が開始されると、第1の圧力センサ32からの検出値P1および第2の圧力センサ37からの検出値P2が読み込まれ(ステップS1)、読み込まれた各圧力センサ32,37の検出値P1,P2が、それぞれ正常か否かが監視される(ステップS2、ステップS3)。
具体的には、ステップS2において、第1の圧力センサ32の検出値P1が、第1の圧力制御弁26に対する圧力指令値P1dに対して、所定の誤差eの範囲内から逸脱する場合、すなわち、P1>P1d+eの関係またはP1<P1d−eの関係が満たされる場合には、検出値P1は異常と判断される。
同様に、ステップS3において、第2の圧力センサ37の検出値P2が、第2の圧力制御弁34に対する圧力指令値P2dに対して、所定の誤差eの範囲内から逸脱する場合、すなわち、P2>P2d+eの関係またはP2<P2d−eの関係が満たされる場合には、検出値P2は異常と判断される。
検出値P1が正常であり(すなわち、P1≦P1d+eの関係およびP1≧P1d−eの関係が満たされており)、且つ検出値P2が正常である(すなわち、P2≦P2d+eの関係およびP2≧P2d−eの関係が満たされている)場合には、ステップS1〜ステップS3の処理が繰り返されることになる。
上記のステップS1〜ステップS3による検出値P1,P2の監視中に、ステップS2において、第1の圧力センサ32の検出値P1が異常であると判断されると、ステップS4のフェールセーフ動作に移行する。
そのステップS4では、異常な圧力を検出していない第2の圧力センサ37に対応する第2の圧力制御弁34に対する圧力指令値P2dが、第1の圧力センサ32の検出値P1および第2の圧力センサ37の検出値P2の差分ΔP(第1および第2の油室23,24間の検出差圧に相当)に基づいて、決定される。具体的には、上記の差分ΔPが第1および第2の油室23,24間の差圧の目標値に近づくように、圧力指令値P2dが決定される場合がある。決定された圧力指令値P2dに基づいて、第2の圧力制御弁34が制御される(ステップS5)。
次いで、ステップS6で、第2の圧力センサ37の検出値P2が異常であるか否かが判断される。具体的には、ステップS5において、第2の圧力センサ37の検出値P2が、第2の圧力制御弁24に対する圧力指令値P2dに対して、所定の誤差fの範囲内から逸脱する場合、すなわち、P1>P1d+fの関係またはP1<P1d−fの関係が満たされる場合には、検出値P2は異常と判断される。ステップS5での判定の基準とする誤差fは、ステップS2で判定の基準とした誤差eよりも大きく設定されている(すなわち、f>e)。このように設定するのは、各検出値P1,P2の精度が±eであるので、差圧の精度が、±2eとなることによる。
ステップS6の判断で、第2の圧力センサ37の検出値P2が正常である場合は、ステップS1に戻り、ステップS1,S2,S4〜S6の処理を繰り返す。
このステップS1,S2,S4〜S6の処理を繰り返している間に、ステップS6にて、第2の圧力センサ37の検出値P2が異常であると判断されると、両検出値P1,P2とも異常となるので、緊急停止動作が実行される(ステップS7)。具体的には、第1および第2の油室23,24間の差圧の目標値が最小値(例えば零)に設定され、車両の駆動源(エンジン等)の回転数を一定回転数(例えばアイドル回転数)に制限するための信号G1が、車両のメインのECU(図示せず)に対して出力される。
一方、上記のステップS1〜ステップS3による検出値P1,P2の監視中に、ステップS3において、第2の圧力センサ37の検出値P2が異常であると判断されると、ステップS8のフェールセーフ動作に移行する。
そのステップS8では、異常な圧力を検出していない第1の圧力センサ32に対応する第1の圧力制御弁26に対する圧力指令値P1dが、第1の圧力センサ32の検出値P1および第2の圧力センサ37の検出値P2の差分ΔPに基づいて、決定される。具体的には、上記の差分ΔPが第1および第2の油室23,24間の差圧の目標値に近づくように、圧力指令値P1dが決定される。決定された圧力指令値P1dに基づいて、第1の圧力制御弁26が制御される(ステップS9)。
次いで、ステップS10で、第1の圧力センサ32の検出値P1が異常であるか否かが判断される。具体的には、ステップS10において、第1の圧力センサ32の検出値P1が、第1の圧力制御弁26に対する圧力指令値P1dに対して、所定の誤差fの範囲内から逸脱する場合、すなわち、P1>P1d+fの関係またはP1<P1d−fの関係が満たされる場合には、検出値P1は異常と判断される。ステップS8での判定の基準とする誤差fは、ステップS3で判定の基準とした誤差eよりも大きく設定されている(すなわち、f>e)。このように設定するのは、このように設定するのは、各検出値P1,P2の精度が±eであるので、差圧の精度が、±2eとなることによる。
ステップS10の判断で、第1の圧力センサ32の検出値P1が正常である場合は、ステップS1に戻り、ステップS1〜S3,S8〜S10の処理を繰り返す。
このステップS1〜S3,S8〜S10の処理を繰り返している間に、ステップS10にて、第1の圧力センサ32の検出値P1が異常であると判断されると、両検出値P1,P2とも異常となるので、緊急停止動作が実行される(ステップS7)。
以上説明した本実施の形態によれば、下記の作用効果を奏することができる。すなわち、ローラ17に押引力を与えている油圧シリンダ20の各油室23,24の圧力異常が常に、監視されている。何れか一方の油室23,24、例えば第1の油室23の圧力異常が検出された場合、両油室23,24の検出圧力の差分ΔPに基づいて、他方の油室である第2の油室24に対応する第2の圧力制御弁34への圧力指令値P2dが補正される。すなわち、正常に働いている、第2の油室24への油圧供給ラインの第2の圧力制御弁34を制御することにより、両油室23,24間の差圧自体が異常となることを防止することができ、その結果、フェールセーフを達成することができる。
また、第1および第2の圧力センサ32,37による検出値P1,P2の差分ΔPが第1および第2の油室23,24間の差圧の目標値に近づくように、正常に作動している圧力制御弁26又は34への圧力指令値P1d又はP2dを補正することにより、両油室23,24間の差圧をコントロールすることができ、系全体としては、正常な働きをさせることができる。
また、両油室23,24とも圧力の異常が検出された場合に、車両の駆動源の回転数を一定の回転数に制限するための信号G1が、車両の駆動源の動作を制御するメインのECU(図示せず)に出力される場合がある。この場合、車両の駆動源の回転数の変動を抑えることができる。上記一定の回転数はアイドル回転数であってよいし、また、アイドル回転数に対して所定の回転数差を持つ回転数であってもよい。
なお、上記実施の形態では、フェールセーフのときに、第1および第2の油室23,24間の差圧が目標値に近づくように、正常な圧力制御弁26又は34に対する圧力指令値P1dまたはP2dを設定したが、これに限らない。例えば、フェールセーフのときに、正常な圧力制御弁26又は34に対する圧力指令値P1d又はP2dを、両油室23,24間の差圧の目標値を最小値とするように設定してもよい。この場合にも、確実なフェールセーフを達成することができる。
上記各実施の形態では、2つの圧力センサ32,37を設けて、差圧を演算するようにしていたが、これに代えて、油路25と油路33との間の差圧を検出する単一の差圧センサ(図示せず)を配置することも考えられる。この場合、圧力に関するセンサの個数を減らすことができ、構造を簡素化することができる。また、下記の図4に示すように、演算処理の流れが簡単になり、制御の応答性が良くなるという利点もある。
すなわち、まず、差圧センサからの検出値ΔPが読み込まれ(ステップS1)、読み込まれた検出値ΔPが、正常か否かが監視される(ステップS2)。
具体的には、ステップS2において、検出値ΔPが、予め定める差圧指令値ΔPdに対して、所定の誤差fの範囲内から逸脱する場合、すなわち、ΔP>ΔPd+fの関係またはΔP<ΔPd−fの関係が満たされる場合には、検出値ΔPは異常と判断される。
検出値ΔPが正常であり(すなわち、ΔP≦ΔPd+fの関係およびΔP≧ΔPd−fの関係が満たされている)場合には、ステップS1,ステップS2の処理が繰り返されることになる。
ステップS1,S2による検出値ΔPの監視中に、ステップS2において、検出値ΔPが異常であると判断されると、ステップS3のフェールセーフ動作に移行する。
そのステップS3では、検出値ΔPと差圧指令値ΔPdとの差分(ΔP−ΔPd)に基づいて、第1の圧力制御弁26の圧力指令値P1d、または、第2の圧力制御弁34の圧力指令値P2dの何れか一方が決定される。この決定された圧力指令値P1dまたはP2dの何れか一方に基づいて、対応する何れか一方の圧力制御弁26または34が制御される(ステップS4)。
この場合、検出値ΔPに基づいて、相対的に低圧である油室23または24に通ずる側の圧力制御弁26または34を求め、その相対的に低圧である圧力制御弁26または34を制御することが、端末負荷につながっている高圧側の圧力制御弁を制御する場合と比較して、応答性を良くするうえで好ましい。
次いで、ステップS5では、検出値ΔPが監視される。すなわち、ステップS5において、検出値ΔPが正常である(すなわち、ΔP≦ΔPd+gの関係およびΔP≧ΔPd−gの関係が満たされている)と判断された場合には、ステップS1〜S4の処理が繰り返されることになる。
一方、ステップS5において、検出値ΔPが、予め定める差圧指令値ΔPdに対して、所定の誤差g(g>f)の範囲内から逸脱すると判断された場合、すなわち、ΔP>ΔPd+gの関係またはΔP<ΔPd−gの関係が満たされる場合には、検出値ΔPは異常と判断される。検出値ΔPが異常であると判断されると、緊急停止動作が実行される(ステップS6)。
本実施形態においても、異常が発生したときに、両油室23,24間の差圧をコントロールすることができる。その結果、系全体としては、正常な働きをさせることができ、フェールセーフを達成することができる。また、本実施の形態においても、フェールセーフのときに、差圧が最小値をとるように、何れか一方の圧力制御弁(例えば低圧側の圧力制御弁)を制御してもよい。
なお、本発明は、上記請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
本発明の一実施の形態のフルトロイダル型無段変速機の概略構成を示す模式的断面図である。 ローラの付勢に関わる油圧回路の概略構成を示す模式図である。 ECUによる制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の別の実施の形態のECUによる制御の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1…バリエータ、5…入力ディスク、5b…軌道面、12…油圧制御装置、15…出力ディスク、15b…軌道面、S1…トロイド状間隙、17…ローラ、18…キャリッジ、19…継手、20…油圧シリンダ、23…第1の油室、24…第2の油室、25,28,30,33,35,36…油路、26…第1の圧力制御弁(第1の圧力制御手段)、27…油圧ポンプ(油圧源)、29…油タンク、31…ECU、32…第1の圧力センサ(第1の圧力検出手段。差圧検出手段)、33…油路、34…第2の圧力制御弁(第2の圧力制御手段)、37…第2の圧力センサ(第2の圧力検出手段。差圧検出手段)、P1,P2…検出値、ΔP…差分(検出値の差分。検出された差圧)、P1d,P2d…圧力指令値、ΔPd…差圧指令値、G1…信号(車両の駆動源の回転数を一定の回転数に制限するための信号)。

Claims (4)

  1. 相対向する軌道面をそれぞれ有し、互いに近づく方向に付勢される入力ディスクおよび出力ディスクと、
    両ディスクの軌道面間に形成されたトロイド状間隙に配置され、両軌道面に転がり接触しながら両ディスク間にトルクを伝達するローラと、
    このローラを回転自在に支持するキャリッジと、
    このキャリッジを介してローラに両ディスクに対する押引力を付与するための差圧を発生させる第1および第2の油室を有する油圧シリンダと、
    第1および第2の油室間の差圧を検出する差圧検出手段と、
    油圧源と第1の油室との間に介在した第1の圧力制御弁と、
    油圧源と第2の油室との間に介在した第2の圧力制御弁と、
    上記第1および第2の圧力制御弁の動作を制御する制御部とを備え、
    上記差圧検出手段は、上記第1および第2の油室の圧力を、それぞれ、検出する第1および第2の圧力検出手段を含み、
    上記制御部は、何れか一方の油室の圧力の異常が、当該一方の油室に対応する圧力検出手段によって検出されたときに、第1および第2の圧力検出手段による検出値の差分が目標値に近づくように、他方の油室に対応する圧力制御弁への圧力指令値を設定するフルトロイダル型無段変速機。
  2. 相対向する軌道面をそれぞれ有し、互いに近づく方向に付勢される入力ディスクおよび出力ディスクと、
    両ディスクの軌道面間に形成されたトロイド状間隙に配置され、両軌道面に転がり接触しながら両ディスク間にトルクを伝達するローラと、
    このローラを回転自在に支持するキャリッジと、
    このキャリッジを介してローラに両ディスクに対する押引力を付与するための差圧を発生させる第1および第2の油室を有する油圧シリンダと、
    第1および第2の油室間の差圧を検出する差圧検出手段と、
    油圧源と第1の油室との間に介在した第1の圧力制御弁と、
    油圧源と第2の油室との間に介在した第2の圧力制御弁と、
    上記第1および第2の圧力制御弁の動作を制御する制御部とを備え、
    上記差圧検出手段は、上記第1および第2の油室の圧力を、それぞれ、検出する第1および第2の圧力検出手段を含み、
    上記制御部は、何れか一方の油室の圧力の異常が、当該一方の油室に対応する圧力検出手段によって検出されたときに、第1および第2の圧力検出手段による検出値の差分が最小値になるように、他方の油室に対応する圧力制御弁への圧力指令値を決定するフルトロイダル型無段変速機。
  3. 請求項1または2において、上記制御部は、差圧検出手段によって差圧の異常が検出されたときに、車両の駆動源の回転数を一定の回転数に制限するための信号を出力するフルトロイダル型無段変速機。
  4. 請求項3において、上記一定の回転数はアイドル回転数を含むフルトロイダル型無段変速機。
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