JP2004278523A - 船外機の冷却水ポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂製のポンプケースと金属製のスリーブとの間に海水等の水の浸入を、シーラントを塗布する必要なく確実に防止でき、塩固着によるポンプケースの割れを防止しかつ、シーラント塗布の工数を削減して作業負荷およびコスト低下を図ることができ、又、陸上運転時における熱による変形の問題を確実に防止できる船外機の冷却水ポンプ装置を提供する。
【解決手段】 ポンプケース15下部から冷却水を吸い込み、上方のエンジンに向けてその冷却水を圧送する冷却水ポンプ装置であって、前記樹脂製のポンプケース15内周面と金属製のスリーブ25との間で、前記ドライブシャフトを取り囲みかつドライブシャフトの軸方向に沿う上下に離隔した複数箇所に、樹脂製のポンプケース内周面と金属製のスリーブとの間の水密を保持するための環状シール部材40[a],40[b],40[d]を配設した。
【選択図】 図8

Description

本発明は、エンジンの下方に中空のドライブシャフトハウジングが設けられ、該ドライブシャフトハウジング内に、エンジンのクランク軸の駆動力をスクリューに伝達するドライブシャフトを縦置きに備える船外機において、エンジンに冷却水を圧送する船外機の冷却水ポンプ装置に関するものである。
船外機のエンジンは、船外機の例えばロアケース(あるいはギヤケース)のウォータフィルターから海水もしくは河川水を取り入れ、その取り入れた海水もしくは河川水を冷却水としてエンジンのウォータジャケット側まで流すことによって冷却される。
一般的に船外機は、エンジン冷却用の冷却水を送出する(揚水する)ために冷却水ポンプ装置を設けている。
すなわち、船外機ではエンジンの下方に、エンジンのクランク軸の駆動力をスクリューに伝達するドライブシャフトを縦置きに内部に備えたドライブシャフトハウジングが配設されている。そして、船外機では、このドライブシャフトの軸方向途中部に、弾性材料からなるインペラをポンプケース内で偏心させて収容して、そのポンプケース内で該ドライブシャフトの駆動によってインペラを回転させることにより、冷却水をエンジンに向けて圧送する冷却水ポンプ装置(ウォータポンプ)を備えている(特許文献1、特許文献2参照)。
上記のように、船外機の冷却水ポンプ装置は、吸入した冷却水をエンジン側に圧送し、圧送した冷却水によりエンジンを冷却する、いわゆる水冷式エンジンとするものである。一般に、船外機は、2馬力(2hp)程度の小型機種(小馬力機種)から、250馬力程度の大型機種(大馬力機種)まで、ほぼ全機種が冷却水ポンプ装置を使用した水冷式とされている。
冷却水ポンプ装置に使用するポンプケースの材質は、主にステンレスと樹脂に分けることができる。具体的な構成例として、図15は、ポンプケースbがステンレス製の冷却水ポンプ装置を示し、図16は、ポンプケースbが樹脂製の冷却水ポンプ装置を示している。
これら図15、図16に示す冷却水ポンプ装置では、船外機のドライブシャフトa周囲に組み込まれており、そのポンプケースb内に、弾性材料からなるインペラcを偏心して収容し、そのインペラcは、キーdによりドライブシャフトaに回転方向に固定される。
そして、該インペラcをドライブシャフトaにより回転駆動させることにより、ドライブシャフトa下部のロアケース(あるいはギヤケースともいう:ギヤおよびスクリュー軸を収容する)eの吸水口(図示省略)から船外機外の水を冷却水として吸入し、エンジンに向けて圧送する。なお、各ポンプケースbでは、ロアケースeとの接合面の水密性を確保するため、アンダパネルfと、ガスケットgをポンプケースb下面部とロアケースeの上面部との間に挟み込んでポンプケースbを設置している。
前記図15に示す種類のステンレス製のポンプケースbを備える冷却水ポンプ装置では、インペラcの摺動に対して強度が十分であるが、図16に示す種類の樹脂製のポンプケースbを備える冷却水ポンプ装置では、インペラcの摺動部に、ステンレス等金属製のスリーブhをポンプケースb側に装着し、インペラcの回転によるポンプケースbの摩耗を防ぐようにしている。また、樹脂製のポンプケースbとアンダパネルfとの合わせ面には、Oリングiを挟み、ボルトで固定するようにしている。
これに対して、図15に示す種類のステンレス製のポンプケースでは、アンダパネルfとの合わせ面に平面加工が施されているため、通常は合わせ面にOリング(オーリング)の使用はしない。
特開平5−306687号公報 実開平2−126992号公報
船外機の冷却水ポンプ装置において、ポンプケースをステンレス製とするメリット(利点)としては、船外機の整備時にエンジン始動を陸上で行う場合に、冷却水を吸い込まないのでインペラcの回転により、ポンプケースとの摺動面に熱が発生しても、ケースが溶融するなどの不具合が生じないことである。よって、エンジン始動による確認後に、平常通りの使用が可能である。また、後述するが、樹脂製のポンプケースのように金属製のスリーブを使用しないため、ポンプケースと金属製のスリーブとの間に塩の固着が発生してケース側へ押し出すような割れが生じることがない。
このようなメリットから従来のポンプケースはステンレス製が一般的であった。
しかしながら、ステンレス製のポンプケースでは、ポンプケースの重量が樹脂製のものに比較して重くエンジンの軽量化の障害になり、また、製造方法にロストワックス製法を採用する場合が多いため量産性が悪く、しかも材料費が高く加工費も要するためコストが高くなる等種々のデメリットがあった。
そのため、近年、樹脂製のポンプケースを採用するようになってきている。樹脂製のポンプケースのメリットとしては、各部を可能な範囲で一体成形できるため構造上部品点数が少なく、量産に向いており、かつポンプケースの重量がステンレス製等の金属製のものに比較して軽く、ポンプさらには船外機を軽量化しやすく、材料費が安く加工費も低廉であるため、コストが安いなどの種々の点がある。
しかしながら、樹脂製のポンプケースのデメリットとしては、陸上運転時に熱による変形が問題となる点がある。また、海水中で使用する船外機は、ポンプケースと金属製のスリーブ間に海水が入り、塩分が固着し、ケースが割れたり、金属製のスリーブの形状が変形したりする可能性がある。
樹脂製のポンプケースにおいて、前記のポンプケースと金属製のスリーブとの間への海水の浸入を防止する対策として、金属製のスリーブとポンプケースとの間にシーラントを塗布して防水する場合がある。
しかしながら、作業者によってシーラントの塗布量にばらつきがあり、これに対応するべく自動シーラント塗布装置を導入しようとすると導入コストが高く、しかも、熱や経年劣化によるシーラント効果の低下が生じる。また、金属製のスリーブを交換するときにシーラントの接着が取りにくく、作業負荷になる。さらには、再度新品を組み付ける場合は、市場でシーラントを塗る必要があり工数になり、かつ、確実性に欠ける場合があるという種々の問題点を有していた。
本発明は、前記問題点を解消するためなされたものであって、船外機の冷却水ポンプ装置のポンプケースを樹脂製とし金属製のスリーブを装着したものとしても、これらのポンプケースとスリーブとの間に海水などの水の浸入を、シーラント塗布する必要なく確実に防止でき、塩固着によるポンプケースの割れを防止しかつ、シーラント塗布の工数を削減して作業負荷およびコスト低下を図ることができ、又、陸上運転時における熱による変形の問題を確実に防止できる船外機の冷却水ポンプ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の船外機の冷却水ポンプ装置は、エンジンの下方に中空のドライブシャフトハウジングが設けられ、該ドライブシャフトハウジング内に、エンジンのクランク軸の駆動力をスクリューに伝達するドライブシャフトを縦置きに備える船外機において、前記ドライブシャフトハウジング内の前記ドライブシャフトの軸方向途中部に備えられた樹脂製のポンプケース内に金属製のスリーブを介在させた状態で弾性材料からなるインペラを偏心させて収容し、該ドライブシャフト駆動で該インペラを回転させることによりポンプケース下部から冷却水を吸い込み、上方のエンジンに向けてその冷却水を圧送する冷却水ポンプ装置であって、前記樹脂製のポンプケース内周面と金属製のスリーブとの間で、前記ドライブシャフトを取り囲みかつドライブシャフトの軸方向に沿う上下に離隔した複数箇所に、前記樹脂製のポンプケース内周面と金属製のスリーブとの間の水密を保持するための環状シール部材を配設したことを特徴としている。
請求項2に記載の船外機の冷却水ポンプ装置は、請求項1に記載のポンプケースが、下部開口部を有する概略椀状を呈し、この下部開口部をアンダパネルで塞いだポンプケース内にインペラを収容するポンプ室が形成されており、少なくとも前記環状シール部材を、前記ポンプ室の吐出口の上端部と、前記ポンプケースの上部のドライブシャフト挿通孔を囲む箇所に配設したことを特徴としている。
請求項3に記載の船外機の冷却水ポンプ装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記ドライブシャフトの軸方向または半径方向に延びて前記環状シール部材同士を繋ぐ連結シール部材を複数箇所に設け、前記樹脂製のポンプケース内周面と金属製スリーブとの間の水密を保持するための前記環状シール部材を弾性樹脂材からなる連結体としたことを特徴としている。
請求項4に記載の船外機の冷却水ポンプ装置は、請求項3に記載の発明において、前記ポンプケースの下部開口部周縁とアンダパネルとの間に配設される下方の環状シール部材と、前記ポンプケース上部のドライブシャフト挿通孔を囲む箇所に配設される上方の環状シール部材とを前記連結シール部材で繋ぐとともに、少なくとも前記連結シール部材をポンプ室の吐出口の両側部に配設したことを特徴としている。
請求項5に記載の船外機の冷却水ポンプ装置は、請求項1から4のうちの1項に記載の発明において、前記ポンプケース内周面にシール部材配設用の溝を形成したことを特徴としている。
請求項6に記載の船外機の冷却水ポンプ装置は、請求項1から5のうちの1項に記載の発明において、前記ポンプケースの内周面にリブを設け、このリブによりポンプ内周面と金属製のスリーブとの間で空気層を形成したことを特徴としている。
上記の請求項1から請求項6に記載の発明によれば、船外機の冷却水ポンプ装置であって、樹脂製のポンプケース内周面と金属製のスリーブとの間で、前記ドライブシャフトを取り囲みかつドライブシャフトの軸方向に沿う上下に離隔した複数箇所に、前記樹脂製のポンプケース内周面と金属製のスリーブとの間の水密を保持するための環状シール部材を配設したので、船外機を海上等の水上で使用しても環状シール部材の水密機能によりこれらのポンプケースとスリーブとの間に海水等の水が浸入することを確実に防止できる。
したがって、従来の冷却水ポンプ装置のように樹脂製のポンプケースと金属製のスリーブとの間に浸入した水特に海水が原因する塩分の固着およびそれによる金属製のスリーブの割れなどの不具合を確実に防止できる。
また、各請求項記載の発明では、上記効果に加えて次の効果を奏する。
請求項2に記載の発明は、ポンプケースが、下部開口部を有する概略椀状を呈し、この下部開口部をアンダパネルで塞いだポンプケース内にインペラを収容するポンプ室が形成されており、少なくとも前記環状シール部材を、前記ポンプ室の吐出口の上端部と、前記ポンプケースの上部のドライブシャフト挿通孔を囲む箇所に配設したので、スリーブやインペラの容易な組み付けに適した下方開口部を有するポンプケースの構成にできると共に、前記ポンプ室の吐出口の上端部と、前記ポンプケースの上部のドライブシャフト挿通孔を囲む箇所に配設した環状シール部材によって水密性能を十分に果たすことができる。また、従来のポンプケースで冷却水のない陸上試運転を行った場合に問題となる部分がポンプケースの上面側部であるため、前記環状シール部材をポンプケースの上部のドライブシャフト挿通孔を取り囲む箇所とポンプ室の吐出口とをシールしたので、水密性と陸上運転時の問題が解決できる。また、ポンプケースとスリーブとの間の塩溜まり問題に関しても、スリーブのドライブシャフトに沿って延びる立壁部分は水がたまりにくいので吐出口とドライブシャフト挿通孔を取り囲む箇所のみをシールしても水密の効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、ドライブシャフトの軸方向または半径方向に延びて前記環状シール部材同士を繋ぐ連結シール部材を複数箇所に設け、前記樹脂製のポンプケース内周面と金属製スリーブとの間の水密を保持するための前記環状シール部材を弾性樹脂材からなる連結体としたので、各部材の連結によってポンプケースとスリーブとの間に海水などの水が浸入しようとしても各部が一体に防止でき、水密性がより一層高くなる。また、シール部材の各部がバラバラであるのと比較して(対して)、製造時及び組み付け時の取り扱いが容易である。さらには、同一組成の樹脂材で容易に成形でき、かつ、繋いでいる部分の強度を設計上出しやすい。
請求項4に記載の発明によれば、前記ポンプケースの下部開口部周縁とアンダパネルとの間に配設される下方の環状シール部材と、前記ポンプケース上部のドライブシャフト挿通孔を囲む箇所に配設される上方の環状シール部材とを前記連結シール部材で繋ぐとともに、少なくとも前記連結シール部材をポンプ室の吐出口の両側部に配設したので、前記連結シール部材によりポンプ室吐出口周囲からポンプケース内とスリーブとの間に海水等の水が浸入するのをより一層確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、前記ポンプケース内周面にシール部材配設用の溝を形成したので、シール部材のポンプケースへの組み付けに際し、この溝にシール部材を嵌め込むだけでシール部材を簡単かつ確実に装着することができる。
請求項6に記載の発明によれば、前記ポンプケースの内周面にリブを設け、このリブによりポンプ内周面と金属製のスリーブとの間で空気層を形成したので、インペラがスリーブ内で摺接しながら駆動して生じる摩擦熱がポンプケースに熱伝導するのを、前記形成された空気層で断熱して、その熱伝導を緩和する。したがって、樹脂製のポンプケースが前記の摩擦熱で加熱されることを確実に防止できため、樹脂製のポンプケースの溶融を確実に防止できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る船外機の側面視外観説明図、図2は該船外機のエンジン下方の駆動構造および冷却水ポンプ装置などの構造の説明図である。
図3は一実施形態に係る船外機の冷却水ポンプ装置とその下方部の詳細断面視説明図、図4はその冷却水ポンプ装置の構成説明図、図5(a)および(b)は前記冷却水ポンプ装置のポンプケースの構成を説明する下面図および縦断面図、図6(a)、(b)は前記冷却水ポンプ装置に装着される一体成形のシール部材の構成説明図である。
図1、図2に示すように、前記船外機1は、船体2の後端部のトランザム(船尾梁)3上部に、クランプブラケット4によって当該トランザム3上部を挟みつけることにより固定・装着される。該クランプブラケット4には、上下揺動可能にスイベルブラケット5が軸支される。
このスイベルブラケット5(のドライブシャフトハウジング8側の軸筒部5bの)上端、下端は、船外機1のドライブシャフトハウジング8の前部における上部1a、下部1bに軸設されており、ハンドル1cを操舵することによって、クランプブラケット4に対して船外機1の向きが左右にある一定の角度範囲内で旋回動可能に構成される。
スイベルブラケット5は、油圧などのアクチュエータ5aによる駆動でクランプブラケット4に対して上下方向に揺動するようになっている(パワー チルト アンド トリム:Power Tilt and Trim,「PTT」と略記される)(図2参照)。
船外機1では、図1、図2に示すように、上下方向に延在する中空体であって水平方向断面が概略紡錘形形状に形成されたドライブシャフトハウジング8が前記スイベルブラケット5に連結されており、ドライブシャフトハウジング8上部にエンジン6(図2では外形を略記する)をボルト締着して搭載するエンジンホルダ7が設けられている。
該ドライブシャフトハウジング8内に、エンジンのクランク軸6a(図2では中心軸を示している)の駆動力をスクリュー9に伝達するドライブシャフト10を縦置きに備える。また、ドライブシャフトハウジング8は、エンジンホルダ7と、そのエンジンホルダ7下部に連結される上下分割可能な上部のアッパーケース8aと下部のロアケース8bとからなる。
船外機上部に位置してエンジンホルダ7上にボルト締着で固定されたエンジン6は、ヘルメット状のアッパーカバー6bで覆われている。また、ドライブシャフトハウジング8のエンジンホルダ7からアッパーケース8aの上縁までロアカバー8dで覆われていて、船外機の外観に統一感が出るようにしている。
前記エンジンホルダ7の下部には、エンジン6から流れてきた潤滑油を受け止めて一時的に貯留するオイルパン7aが箱状に形成されている。
前記ドライブシャフトハウジング8には、エンジンホルダ7、アッパーケース8aおよびロアケース8bに渡って上下方向に連通する中空部11内にドライブシャフト10が回動可能に収容される。
前記ドライブシャフト10の上端部は、前記エンジンホルダ7より上方に突出してエンジン6のクランク軸6a下端部に装入・連結されている。一方、前記ドライブシャフト10の下端部は、ロアケース8b内のベベルギヤセット13のドライブギヤ13aが回転方向に固定されている。
ロアケース8bには、ドライブシャフト10の回転中心軸と直交する回転中心軸になっているスクリュー軸12と、ドライブシャフト10からスクリュー軸12(スクリュー9)へ駆動力を伝達するベベルギヤセット13とが内装されている。
このベベルギヤセット13の歯数の設定により(好ましくはドライブギヤ歯数<ドリブンギヤ歯数)、エンジン回転数を変速(好ましくは減速)してスクリュー軸12に伝達する。
また、ベベルギヤセット13のドリブンギヤ13bは、前後一対でドライブギヤ13aに噛合っている。後述するシフトレバー14の操作が、シフト軸14aを介してスクリュー軸12と一対のドリブンギヤ13bとの間のクラッチ機構に伝達されて、それらドリブンギヤ13bのいずれか一方とスクリュー軸12との係合・離脱を切り替え(シフト操作)によって、スクリュー軸12を正回転、逆回転、あるいはニュートラルにする切り替えができるようになっている。
すなわち、シフトレバー14は、操舵用のハンドル1cに設けられて、使用者(操縦者)がハンドル1cを握って、操縦しながらシフト操作できるようになっている。また、前記シフト軸14aは、前記ドライブシャフト10の前方に位置するドライブシャフトハウジング8の前部の上部1a、下部1bに軸設されたスイベルブラケット5の軸筒部5b内を上部から下部に渡って通り、下端部がスクリュー軸12の前端部に位置して前記ベベルギヤセット13のドリブンギヤ13bとスクリュー軸12との間のクラッチ機構の係合・離脱の切り替えが可能に構成されている。
実施形態では、図3に示すように、前記ドライブシャフトハウジング8内の前記ドライブシャフト10の軸方向途中部には、このドライブシャフト10を駆動軸とする冷却水ポンプ装置17が設けられる。
この冷却水ポンプ装置17では、ABS樹脂などの樹脂製のポンプケース15内に、ステンレスなどの金属製のスリーブ25を介在させてゴムなどの弾性材料からなるインペラ16を偏心させて収容し、該ドライブシャフト10の駆動で該インペラ16を回転させることにより後述するインレット17bから冷却水を吸い込み、上方のエンジン6に向けてその冷却水を圧送する。
前記ドライブシャフトハウジング8のロアケース8bの中空部11には、ドライブシャフト10周囲を取り囲んでドライブシャフト10下部と冷却水ポンプ装置17の吸い込み側との間の水密シール10bが上端部に挿着された壁状部8cが立設している。この壁状部8c内には、冷却水ポンプ装置17の下部に向かう冷却水通路8eが上方に延びて形成されており、冷却水通路8eによって壁状部8c上部が外側と内側の筒形状を呈し、この内側の筒形状がドライブシャフト10を取り囲む筒体を呈している。
前記ロアケース8bの側面部には、船外機外部の水(海水、河川水)を取り入れるための吸水口8fがフィルタを設けて開口しており、吸水口8f内部は前記冷却水通路8eに連通している。
前記冷却水ポンプ装置17において、図3、図4に示すように、ポンプケース15は、その下部・上部の大径・小径の概略筒体(大径筒体(大径筒部)15a、小径筒体(小径筒部)15b)が連続した形状を呈し、大径筒体15aと小径筒体15bとの間を区画する壁にはドライブシャフト10を通す挿通孔15cが開口する。また、該大径筒体15aの下方開きの下部開口部15dを平板状のアンダパネル19(図4に破線で示すように、冷却水吸い込み口のインレット17bが開口している)により塞ぐことにより、ポンプケース15内にポンプ室17cを形成している。このアンダパネル19はその下面にガスケット19aを設けてロアケース8bとの密着部に対する水密を確保している。
前記ポンプ装置17において、図3、図4に示すように、インペラ16は、放射状に延びる複数の翼部20と概略筒状のボス部21とがゴム等の弾性材料によって一体成形される。このボス部21には、弾性材料よりも剛性の高い材料(例:硬質樹脂あるいは金属)からなる管状心材22が埋設された構成となっている。この管状心材22はボス部21内周部に固着されており、その管状心材22の軸方向両端面部はボス部21に形成された内フランジ23にて覆われている。
管状心材22の内周面には、キー溝22aが軸方向に沿って形成されている。このキー溝22aと、ドライブシャフト10に形成されたキー溝10aとの間に側面視半円形のキー16aが挿着されることにより、インペラ16がドライブシャフト10に回転方向に一体的に固定される。冷却水ポンプ装置17組み付け時に、まず、ドライブシャフト10のキー溝10aにキー16aを組みつけて、キー16aをインペラ16の管状心材22のキー溝22aに挿嵌できるようにしている。
また、前記冷却水ポンプ装置17のドライブシャフトハウジング8への設置は、前記のアッパーケース8aのロアケース8bとの合わせ部18に前記アンダパネル19を一致させて、概略円筒蓋形状のポンプケース15がアッパーケース8a側に入り込むように上方に突出させて収容されている。また、ポンプケース15の上部には小径筒体15bのほかに側端部に上方に開口する冷却水送出口のアウトレット17dが形成され、このアウトレット17dに上方に向かう冷却水パイプ17eの下端部が連結される。そしてこの冷却水パイプ17eの上端がエンジン6のウォータジャケット(図示省略)に連結される。
上記の給水口8f、冷却水通路8e、インレット17b、ポンプケース15(ポンプ室17c)、アウトレット17d、冷却水パイプ17e等からなる冷却水経路構成をなすので、図3〜図5等に示すように、冷却水ポンプ装置17が作動することによって負圧が生じ、その負圧により前記吸水口8fから船外機1外部の水が吸い込まれて冷却水通路8eを通り、さらに、冷却水ポンプ装置17下部のアンダパネル19に開けられたインレット17bを通ってポンプ室17c内に入り込むようになっている。
そして、前記冷却水ポンプ装置17のポンプ室17cで正圧を加えられた冷却水がアウトレット17dから冷却水パイプ17eを通ってエンジン6のウォータジャケットに冷却水を供給し、エンジン6の冷却を行う。
なお、17aはポンプ室17c内の冷却水をアウトレット17dに導く誘導壁部である。この誘導壁部17aは、ポンプ室17c周囲を形成する壁部の一部であって正圧側に位置して吐出口17fが形成される。この吐出口17fは、ポンプ室17cとアウトレット17dを連通するものであって、前記誘導壁部17aの下部に窓状の切り欠きが形成されて構成されたものである。
ここで、前記冷却水ポンプ装置17は、材料費加工費などの製造コストが安い樹脂製のポンプケース15内に金属製のスリーブ25を設けて、インペラ16の回転摺動に生じる摩擦熱による溶融変形防止を図ったものである。図4〜図6に示すように、冷却水ポンプ装置17においては、ポンプケース15と金属製のスリーブ25との間には、その間の水密性を確保・向上させるための環状シール部材26(上方の環状シール部材26a、下方の環状シール部材26b)を上下に離隔して配設し、それらを連結する連結シール部材27によって連続体として一体成形されたシール体28を設けている。
すなわち、図4に冷却水ポンプ装置17の縦断面図に示すように、前記シール体28は、前記樹脂製のポンプケース15内周面と金属製のスリーブ25との間に前記ドライブシャフト10を取り囲みかつドライブシャフト10の軸方向に沿う上下に離隔した複数箇所(実施形態では上下2箇所)で環状シール部材26(26a、26b)を設けており、更に、前記軸方向に沿って延びた、各環状シール部材26(26a、26b)同士を繋ぐ複数の連結シール部材27を設けて、前記環状シール部材26(26a、26b)によりポンプケース15内周面と金属製の金属製のスリーブ25との間の水密を保持したものである。
前記ポンプケース15は、上述のように大径筒体15aの下部開口部15dを有する概略椀状を呈し、この下部開口部15dをアンダパネル19で塞いだポンプケース15内にスリーブ25を介在させてインペラ16を収容するポンプ室17cが形成されたものである。なお、図4、図5に示すように、ポンプケース15には、ドライブシャフト10が上下方向に挿通しているが、上側に位置する小径筒体15bの上端部はドライブシャフト10の外周面近傍に回りこんでポンプ室17cからの漏水を極力防止している。また、この小径筒体15bの内周部には、ドライブシャフト10近傍位置まで突設する補強用のリブ15e(実施形態では周方向に同一角度間隔で4箇所)が、ドライブシャフト10の軸に沿って小径筒体15bの上端部からドライブシャフト挿通孔15cに渡って形成されている。
前記スリーブ25は、底部25aと側壁部25bとからなり底部25aを上側にした概略筒蓋を伏せた形状を呈しており、ポンプケース15の大径筒体15a内部にほぼ密着して収容したものである。このスリーブ25内部がインペラ16の摺接するポンプ室17cを実質的に形成している。また、スリーブ25の上部の底部25aであってドライブシャフト挿通孔15cに対応した箇所には、その挿通孔15cと同様にドライブシャフト10を挿通させる挿通孔25cが穿設されると共に、スリーブの側壁部25bには、ポンプケース15の誘導壁部17a下部の窓状の切り欠きからなる吐出口17fに対応してポンプ室17cとアウトレット17dを連通する切り欠き25dが形成されている。
なお、スリーブ25は、金属製、好適にはステンレス製であり、プレス成形、鋳造、鍛造など種々の方法で形成でき、ほぼ同一厚さあるいは異なる厚さに加工することができる。
前記下方の環状シール部材26bは、ポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間に下方の環状シール部材26(26b)を介装したものであり、実施形態では図5、図6に示すようにポンプ室17c周囲からアウトレット17d周囲を囲んだ概略円形で一部が三角形状に突出した異形形状に形成される。
また、上方の環状シール部材26aは、前記樹脂製のポンプケース15内周面における、上方部のドライブシャフト挿通孔15cを囲む箇所に設けられる概略円形形状を呈すると部分と共に、小径筒体15bに連通する前記挿通孔15cから延びた水抜き口(水抜き孔)15fを囲む箇所に設けられる平行な二辺を有する矩形形状を呈する部分とを有している。したがって、上方の環状シール部材26aは、全体が概略円形であって、水抜き口15fを囲む箇所が突出した異形形状に形成される。
そして、前記下方の環状シール部材26bと、前記上方の環状シール部材26aとの間を繋ぐ連結シール部材27とが形成されており、該連結シール部材27は、ポンプ室17cの吐出口17fである切り欠きの形成された誘導壁部17aを囲む位置と誘導壁部17aの反対側の壁部に形成されている。
なお、前記環状シール部材26a,26b、連結シール部材27は断面円形のいわゆるOリング形状に形成しているが、その他、必要な箇所を断面矩形にする等、適切なシール性能が得られるように、種々の断面形状に形成できる。
また、前記樹脂製のポンプケース15内周面には、環状シール部材26(26a、26b)および連結シール部材27を装着するために各所に溝部29が形成されている。すなわち、下部開口部15dには、ポンプ室17cを囲んだ内部側(誘導壁部17aを除いた部分)にアンダーカットにより、下方の環状シール部材26bを装着する前記溝部29aが形成され、また、該溝部29aに連続して、アウトレット17dを囲んで(誘導壁部17aを除いた部分)、下方の環状シール部材26b装着用の溝部29bが凹状に形成されている。
また、ドライブシャフト挿通孔15cの周囲から誘導壁部17aの上側基部近傍にも、水抜き口15fを挟んで上方の環状シール部材26aを装着するための溝部29cが凹状に形成されている。
さらに、ポンプケース15の内壁面には、上方の環状シール部材26aと下方の環状シール部材26bとを繋ぐ連結シール部材27の収容装着用の溝部29dが、誘導壁部17aを囲んだ両脇とその反対側面部とにドライブシャフト10挿通方向に沿って縦方向に形成されている。
また、図5に示すように、ポンプケース15の内周面の大径筒体15aの上面側部(スリーブ25の底部25aに面する側部)には、上方の環状シール部材26aを装着するための溝部29cの周囲を残して肉抜きする等して、溝部29cも囲む位置に下方(ドライブシャフト10軸方向の沿って下方)に突出するリブ30を山脈状に設けている。このリブ30下方端部、即ち、ドライブシャフト10軸方向に沿う下端部でスリーブ25の底部25aを支えることにより、ポンプケース15内周面と金属製のスリーブ25との間に空隙を設けてその空隙によって空気層31が形成できるようになっている。
すなわち、前記リブ30とリブ30との間に空間を設けて、ポンプケース15内にスリーブ25を装着した時にポンプケース15の上面側部とスリーブ25の底部25aとの間に空気層31が形成できるようにしている。
以上のように、前記環状シール部材26a、26bにより樹脂製のポンプケース15内周面と金属製のスリーブ25との間の水密を保持したので、船外機を海上で使用しても前記環状シール部材26a,26bの水密機能により、これらのポンプケース15とスリーブ25との間に、海水が浸入することを確実に防止できる。
また、樹脂製のポンプケース15における下部開口部15dの周縁とアンダパネル19との間に下方の環状シール部材26bを介装したので、スリーブ25やインペラ16の容易な組み付けに適した下部開口部15dを有するポンプケース15の構成にできると共に、その下部開口部15dを塞ぐアンダパネル19と下部開口部15d周縁との水密性能(水密機能)を下方の環状シール部材26bで十分に発揮してポンプ室17c内の冷却水がポンプケース15とスリーブ25内に浸入することを防止することができる。
また、前記シール部材のうちの連結シール部材27がポンプ室17cの吐出口を囲む位置に形成したので、この連結シール部材27によりポンプ室17cの吐出口17f周囲からポンプケース15内とスリーブ25との間に海水等の水が浸入するのをより一層確実に防止することができる。また、前記樹脂製のポンプケース15内周面も、シール部材26,27を装着するための溝部29(29a〜29d)が形成したので、シール部材26、27のポンプケース15への組み付けに際してこの溝部29にシール部材26,27を嵌め込むだけでシール部材を簡単かつ確実に装着することができる。
また、前記シール部材を、上方の環状シール部材26aと下方の環状シール部材26bと連結シール部材27とが弾性樹脂材からなる連続体のシール体28に構成したので、各部材の連結でよりポンプケース15とスリーブ25との間に海水などの水が浸入しようとしても各部が一体に防止でき、水密性がより一層高くなる。また、シール部材26、27の各部がバラバラであるのと比較して(に対して)、製造時及び組み付け時の取り扱いが容易である。さらには、同一組成の樹脂材で容易に成形でき、かつ、繋いでいる部分の強度を設計上出しやすい。
また、ポンプケース15の内周面にはリブ30を設けて、該リブ30によりポンプケース15内周面とスリーブ25との間で空気層31が形成できるので、インペラ16がスリーブ25内で摺接しながら駆動して生じる摩擦熱がポンプケース15に熱伝導するのを、前記形成された空気層31で断熱および熱伝導の緩和をすることでき、樹脂製のポンプケース15が前記の摩擦熱で加熱されることを確実に防止できる。
したがって、樹脂製のポンプケース15の溶融を確実に防止できる。
本発明は、上記の一実施形態に限定されず、種々の変形実施が可能である。
図7は、本発明の他の実施形態に係る船外機の冷却水ポンプ装置17Aの縦断面図である。図7は前記一実施形態の図4に相当する図であるが、この他の実施形態は、シール部材40、42等の構造およびその配設が前記の図1〜図6に示した一実施形態と異なる以外は同様の構成であるので同様の部分に同一の符号を付している。
この他の実施形態に係る船外機の冷却水ポンプ装置17Aでは、図1〜図3に示した一実施形態と同様に、エンジン6の下方に中空のドライブシャフトハウジング8が設けられ、該ドライブシャフトハウジング8内に、エンジン6のクランク軸6aの駆動力をスクリュー9に伝達するドライブシャフト10を縦置きに備える船外機において、前記ドライブシャフトハウジング8内の前記ドライブシャフト10の軸方向途中部に備えられた樹脂製のポンプケース15内に金属製のスリーブ25を介在させた状態で弾性材料からなるインペラ16を偏心させて収容し、該ドライブシャフト10駆動で該インペラ16を回転させることによりポンプケース15下部のインレット17bから冷却水を吸い込み、上方のエンジン6に向けてその冷却水を圧送する冷却水ポンプ装置である。
そして、この他の実施形態に係るポンプ装置17Aでは、前記樹脂製のポンプケース15内周面と金属製のスリーブ25との間で、前記ドライブシャフト10を取り囲みかつドライブシャフト10の軸方向に沿う上下に離隔した複数の箇所に、前記樹脂製のポンプケース15内周面と金属製のスリーブ25との間の水密を保持するための複数の環状シール部材40を配設し、また、環状シール部材40同士を連結する連結シール部材42を設けたものである。
また、ポンプケース15は、下部開口部15dを有する概略椀状(例えば椀を伏せた形状)を呈し、この下部開口部15dをアンダパネル19で塞いだポンプケース15内にインペラ16を収容するポンプ室17cが形成されている。
この他の実施形態に係る冷却水ポンプ装置17Aには、図8〜図14に示すように、環状シール部材40または連結シール部材42を組み合わせて構成したシール体の第1例〜第7例を設けているものである。
図8〜図14においては、第1例〜第7例のシール体の環状シール部材40、連結シール部材42の配設位置に関して符号を付して示しているものである。
なお、図8〜図14の各(a)では、各シール部材からなるシール体の第1例〜第7例を、上から押しつぶして展開した状態を模式的に示している。また、図8〜図14では各(b)では、各シール部材からなるシール体の斜視構造を模式的に示している。
環状シール部材40[a]〜40[d]は、いずれも、ドライブシャフト10を取り巻いて、切れ目の無い環状を呈している所謂オーリング(Oリング)から構成される。
これらの環状シール部材40[a]〜40[b]は、図7に示す、ポンプケース15の大径筒体15a内周面の上面部であって、ドライブシャフト10に最も近い箇所に形成された溝部44[a]と、その溝部44[a]と離隔した箇所に形成された溝部44[b]とに嵌め込まれている。また、環状シール部材40[c]〜40[d]は、大径筒体15a側壁内部であって吐出口17f上端部より上方部に設けた溝部44[c]と、大径筒体15a下面に設けた溝部44[d]とに嵌め込まれている。
これらの溝部44[a]〜44[d]は、シール部材の配設に対応して形成されるものであって、環状シール部材の配設位置に応じて適宜に形成可能なものである。
また、連結シール部材42[e]〜42[g]は、ほぼドライブシャフト10の半径方向または軸方向に沿って延び、かつ以下で説明するように、吐出口17fを取り巻く2カ所(42[e],42[f])と吐出口17fの反対側位置の1カ所(42[g])に主に設けられており、これにより、水密性能を発揮してポンプケース15内とスリーブ25との間に海水などの水が浸入するのを防止する機能を発揮すると共に、環状シール部材同士を繋いで一体化したシール体構造をなす機能を有している。なお、この他の実施形態では、連結シール部には、また、環状シール部材40に沿って延びる符号42[h]〜42[o]で示すものが設けられる。
これらの連結シール部材42[e]〜42[g]は上記の環状シール部材と同様に断面がO(オー)形状を呈しており、取り付け箇所には、位置ずれを防止するため溝部(図示省略)がドライブシャフト10の径方向または軸方向に沿って形成されている。
図8に示すように、符号40[a]で示す環状シール部材は、ポンプケース15の大径筒体15a内部であってスリーブ25の底部25aに対向する箇所に、ドライブシャフト10近傍であってそれを取り巻きつまり挿通孔15cに隣接して囲み、かつ、環状シール部材のうちでその最も近傍位置に設けたものである。
また、符号40[b]で示す環状シール部材は、ポンプケース15の大径筒体15a内部であってスリーブ25の底部25aの側壁部25b近傍位置に対向する箇所、ドライブシャフト10が挿通する挿通孔15cを取り巻きかつそれとは離隔した周縁に近い位置に設けたものである。
また、符号40[c]で示す環状シール部材は、ドライブシャフト10を取り巻きかつ大径筒体15aの側壁部の内部側であってスリーブ25の側壁部25bに対向し、かつスリーブ25のその切欠き25d上部と吐出口17f上方の近傍位置を通るように環状を呈したものである。この環状シール部材40[c]はポンプ室17cの吐出口17fの上端部を符号40[d]の環状シール部材と共に囲んでいる。
また、符号40[d]で示す環状シール部材は、ポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間の位置に介装されるものである。ポンプケース15の下部開口部15dに対応して概略円形の一部が三角形状に突出する異形形状を呈している。この点は、前記した位置実施形態における下方の環状シール部材26bと同様の構造を呈している。
まず、第1例と第2例のシール体を図8と図9によって説明する。
第1例と第2例のシール体は、前記環状シール部材のみで、前記ポンプ室の吐出口17fの上端部と、前記ポンプケース15の上部のドライブシャフト挿通孔15cを囲む箇所とに配設して、ポンプケース15とスリーブ25との間の水密機能を発揮するものである。
〔第1例〕
第1例のシール体では、図8(a),(b)に示すように、符号40[a],40[b],40[d]で示す環状シール部材を組み合わせたものである。すなわち、大径筒体15aにおけるドライブシャフト10の挿通孔15cに近い環状シール部材40[a]と、これによりも離隔した大径筒体15aにおける周縁に近い位置の環状シール部材40[b]と、ポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間の位置に介装される環状シール部材40[d]とを設けたものである。
図8では、環状シール部材によるシール領域(水密部分)を斜線46で示している。また、図8には、破線で環状シール部材40[c]の配設位置を示している。
上記の第1例のシール体の構造では、シール領域46は、図8に示すように、大径筒体15aの上面部分とスリーブ25の底部25aとの間としている。従来のポンプケース15で冷却水の無い陸上運転を行った場合に最も問題となるのが、大径筒体15aにおけるこの上面部分であるため、この部分のシールをするだけでも、この問題を防止できる。また、ポンプケース15とスリーブ25との間に浸入した海水等の水は、ポンプケース15とスリーブ25の側壁部では流れ去り溜まりにくいので、塩によるスリーブ25の割れなどの問題も生じ無い。
〔第2例〕
第2例のシール体では、図9(a),(b)に示すように、符号40[a],40[c],40[d]で示す環状シール部材を組み合わせたものである。すなわち、大径筒体15aにおけるドライブシャフト10の挿通孔15cに近い前記環状シール部材40[a]と、スリーブ25の側壁部25bに対向し、かつスリーブ25のその切欠き25d上部と吐出口17f上方の近傍位置を通る環状シール部材40[c]と、前記ポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間の位置に介装される環状シール部材40[d]とを設けたものである。
この第2例のシール体の構造では、図9に示すシール領域46は、上記第1例のシール体が大径筒体15a上面部をシールするのみであったのを大径筒体15aの側壁部までシール領域を広げることができるようにしたものであり、シール領域が広がっている。
次に第3例〜第7例のシール体を、図10〜図14を参照して説明する。
これらの第3例〜第7例のシール体は、図10〜図14に示すように、前記ドライブシャフト10の軸方向または半径方向に延びて前記環状シール部材40[a]〜40[d]のいずれか同士を繋ぐ連結シール部材42[e]〜42[m]、または、環状シール部材40[a]〜40[d]に沿う連結シール部材42[n],42[o]を複数箇所に設け、前記樹脂製のポンプケース15内周面と金属製スリーブ25との間の水密を保持するための前記環状シール部材を弾性樹脂材からなる連結体としたものである。
〔第3例〕
まず、第3例のシール体は、図10(a),(b)に示すように、前記環状シール部材を、前記ポンプケース15の上部のドライブシャフト挿通孔15cを囲む箇所であってその挿通孔15cに隣接する箇所(40[a])と離れた箇所(40[b])とに配設し、ドライブシャフト10の半径方向に延びて前記環状シール部材同士を繋ぐ連結シール部材を3箇所(42[e]〜42[g])設けたものである。また、環状シール部材40[d]をポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間の位置に介装したものである。
すなわち、シール体は、大径筒体15aにおけるドライブシャフト10の挿通孔15cに近い環状シール部材40[a]と、これよりも挿通孔15cから離隔した大径筒体15aにおける周縁に近い位置に設ける環状シール部材40[b]と、それらの間に放射状に配設して、それら環状シール部材40[a],40[b]同士を連結する連結シール部材42[e]〜42[g]と、ポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間の位置に介装される環状シール部材40[d]とを設けたものである。
この第3例のシール体では、図10に示すようにシール領域46が、図8に示した第1例のシール体のシール領域と同様に、大径筒体15aの上面部分とスリーブ25の底部25aとの間としている。そして、環状シール部材40[a],40[b]を連結シール部材42[e]〜42[g]で連結しているため、第1例のシール体と比較して環状シール部材40[a],40[b]同士が離れにくく水密性が高いと共に、組付け性が向上する。
〔第4例〕
第4例のシール体は、図11(a),(b)に示すように、前記環状シール部材を、前記ポンプ室17cの吐出口17fの上端部(40[c])と、前記ポンプケースの上部のドライブシャフト挿通孔を囲む箇所(40[a])とに配設し、ドライブシャフト10の半径方向に延びて前記環状シール部材同士を繋ぐ連結シール部材を3箇所(42[h]〜42[j])に設けたものである。また、環状シール部材40[d]をポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間の位置に介装したものである。
すなわち、第4例のシール体は、大径筒体15aにおけるドライブシャフト10の挿通孔15cに近い環状シール部材40[a]と、スリーブ25の側壁部25bに対向し、かつスリーブ25のその切欠き25d上部と吐出口17f上方の近傍位置を通る環状シール部材40[c]と、それらの間に放射状に配設して、それら環状シール部材40[a],40[c]同士を連結するドライブシャフト10周方向に沿って見て逆L字形状または鉤形状を呈する連結シール部材42[h]〜42[j]と、ポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間の位置に介装される環状シール部材40[d]とを設けたものである。
この第4例のシール体では、図11に示すようにシール領域46が、図9に示した第2例のシール体のシール領域と同様に、大径筒体15aの上面部分とスリーブ25の側壁部25bの切欠き25dすなわち吐出口17f上端部まで及ぶものとしている。そして、環状シール部材40[a],40[c]を連結シール部材42[h]〜42[j]で連結しているため、第2例のシール体と比較して環状シール部材40[a],40[c]同士が離れにくく水密性が高いと共に、組付け性が向上する。
〔第5例〕
第5例のシール体は、図12(a),(b)に示すように、前記環状シール部材を、前記ポンプケース15の上部のドライブシャフト挿通孔15cを囲む箇所(40[a])と、環状シール部材をポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間の箇所(40[d])に介装したものである。そして、これら環状シール部材同士をドライブシャフト10の半径方向から軸方向に延びて前記環状シール部材同士を繋ぐ連結シール部材を3箇所(42[k]〜42[m])設けたものである。
すなわち、第5例のシール体は、大径筒体15aにおけるドライブシャフト10の挿通孔15cに近い環状シール部材40[a]と、ポンプケース15の下部開口部15d周縁とアンダパネル19との間の位置に介装される環状シール部材40[d]と、それらの間にドライブシャフト10の軸から放射状に配設して、それら環状シール部材40[a],40[d]同士を連結する軸垂直視でL字形状またはかぎ形状を呈する連結シール部材42[k]〜42[m]とを設けたものである。
この第5例のシール体では、図12に示すようにシール領域46が、大径筒体15aの上面部分とスリーブ25の側壁部25bの切欠き25dの周囲すなわち吐出口の周方向でシールでき、上面部分と側壁部分の2/3をシールできる。そして、環状シール部材40[a],40[d]を連結シール部材42[k]〜42[m]で連結しているため、組付け性が向上する。
〔第6例〕
第6例のシール体は、図13(a),(b)に示すように、第5例のシール体(環状シール部材40[a],40[d]、連結シール部材42[k]〜42[m])に、大径筒体15aの上面部分であって、吐出口17fの上方位置に連結シール部材42[k]と42[l]同士を繋ぐ連結シール部材42[n]を加えて設けたものである。この連結シール部材42[n]の配設位置は、前記環状シール部材の40[b]とドライブシャフト10の軸方向で同じ位置であって、吐出口17fの上方位置のみの部分としている。その他は、前記第5例のシール体と同様であるため同一部分に同一の符号を付している。
この第6例のシール体は、第5例のシール体よりも吐出口17fからポンプケース15とスリーブ25との間に浸入してくる海水などの水をより一層防止することができる。
なお、前記連結シール部材42[n]は前記環状シール部材40[b]と同じく、ポンプケース15とスリーブ25との間であって全周を取り巻く構造(環状シール部材40[b]と同様構造)としても良い。これにより、より水密生が向上する。
また、この第6例のシール体は、前記図6に示した一実施形態に係るシール体に類似しているが、一実施形態では環状シール部材26に水抜き孔15fを設けているためその部分を避けて突出形状を設けている点が異なる。
〔第7例〕
第7例のシール体は、図14(a),(b)に示すように、第5例のシール体(環状シール部材40[a],40[d]、連結シール部材42[k]〜42[m])に吐出口17fの上端部分に隣接する位置に連結シール部材42[k],42[l]同士を繋ぐ連結シール部材42[o]を加えて設けたものである。この連結シール部材42[o]の配設位置は、前記環状シール部材の40[c]とドライブシャフト10の軸方向で同じ位置であって、吐出口17fに隣接するのみの部分としている。その他は、前記第5例のシール体と同様であるため同一部分に同一の符号を付している。
この第7例のシール体は、第5例のシール体よりも吐出口17fからポンプケース15とスリーブ25との間に浸入してくる海水などの水をより一層防止することができる。なお、前記連結シール部材42[o]は、ポンプケース15とスリーブ25との間であって全周を取り巻く構造(環状シール部材40[c]と同様構造)としても良い。これにより、より水密生が向上する。
前記実施形態によれば船外機の冷却水ポンプ装置17Aであって、前記第1例から第7例のシール体のように、樹脂製のポンプケース15内周面と金属製のスリーブ25との間で、前記ドライブシャフト10を取り囲みかつドライブシャフト10の軸方向に沿う上下に離隔した複数箇所に、前記樹脂製のポンプケース15内周面と金属製のスリーブ25との間の水密を保持するための環状シール部材40[a]〜40[d]を配設したので、船外機を海上等の水上で使用しても環状シール部材の水密機能によりこれらのポンプケース15とスリーブ25との間に海水等の水が浸入することを確実に防止できる。
したがって、従来の冷却水ポンプ装置のように樹脂製のポンプケースと金属製のスリーブとの間に浸入した水特に海水が原因する塩分の固着およびそれによる金属製のスリーブの割れなどの不具合を確実に防止できる。
ポンプケース15が、下部開口部を有する概略椀状を呈し、この下部開口部をアンダパネル19で塞いだポンプケース15内にインペラ16を収容するポンプ室17cが形成されており、図9の第2例や図11の第4例のシール体のように、少なくとも前記環状シール部材40を、前記ポンプ室17cの吐出口17fの上端部と、前記ポンプケース15の上部のドライブシャフト挿通孔15cを囲む箇所に配設したので、スリーブ25やインペラ16の容易な組み付けに適した下方開口部を有するポンプケース15の構成にできると共に、前記ポンプ室17cの吐出口17fの上端部と、前記ポンプケース15の上部のドライブシャフト挿通孔15cを囲む箇所に配設した環状シール部材によって水密性能を十分に果たすことができる。また、従来のポンプケースで冷却水のない陸上試運転を行った場合に問題となる部分がポンプケースの上面側部であるため、前記環状シール部材によってポンプケース15の上部のドライブシャフト挿通孔15cを取り囲む箇所とポンプ室17cの吐出口17fとをシールしたので、水密性と陸上運転時の問題が解決できる。また、ポンプケース15とスリーブ25との間の塩溜まり問題に関しても、スリーブ25のドライブシャフトに沿って延びる立壁部分は水がたまりにくいので吐出口17fとドライブシャフト挿通孔15cを取り囲む箇所のみをシールしても水密の効果を奏する。
また、図10の第3例から図14の第7例のシール体のように、ドライブシャフト10の軸方向または半径方向に延びて前記環状シール部材40同士を繋ぐ連結シール部材42を複数箇所に設け、前記樹脂製のポンプケース内周面と金属製スリーブとの間の水密を保持するための前記環状シール部材を弾性樹脂材からなる連結体としたので、各部材の連結によってポンプケースとスリーブとの間に海水などの水が浸入しようとしても各部が一体に防止でき、水密性がより一層高くなる。また、シール部材の各部がバラバラであるのと比較して(対して)、製造時及び組み付け時の取り扱いが容易である。さらには、同一組成の樹脂材で容易に成形でき、かつ、繋いでいる部分の強度を設計上出しやすい。
また、図14の第7例の前記ポンプケース15の下部開口部周縁とアンダパネル19との間に配設される下方の環状シール部材40[d]と、前記ポンプケース15上部のドライブシャフト挿通孔15cを囲む箇所に配設される上方の環状シール部材40[a]とを前記連結シール部材42[k]〜42[m]で繋ぐとともに、少なくとも前記連結シール部材42[k],42[l]をポンプ室の吐出口の両側部に配設したので、前記連結シール部材によりポンプ室吐出口周囲からポンプケース15内とスリーブ25との間に海水等の水が浸入するのをより一層確実に防止することができる。
本発明の一実施形態に係る船外機の側面視外観説明図である。 図1に示す船外機のエンジン下方の駆動構造および冷却水ポンプ装置などの構造の縦断面説明図である。 一実施形態に係る船外機の冷却水ポンプ装置とその下方部の詳細縦断面視説明図である。 冷却水ポンプ装置の構成を説明する縦断面図である。 (a)は前記冷却水ポンプ装置のポンプケースの構成を説明する下面図、(b)は(a)のB−B線に沿う縦断面図である。 前記冷却水ポンプ装置に装着される一体成形のシール部材の構成説明図である。 本発明の他の実施形態に係る冷却水ポンプ装置の構成を説明する縦断面図である。 図7に示す他の実施形態に係る冷却水ポンプ装置に設ける、環状シール部材と連結シール部材を組み合わせて構成したシール体の第1例の説明図であって、(a)は平面視説明図、(b)は斜視説明図を示している。 環状シール部材と連結シール部材を組み合わせて構成したシール体の第2例の説明図であって、(a)は平面視説明図、(b)は斜視説明図を示している。 環状シール部材と連結シール部材を組み合わせて構成したシール体の第3例の説明図であって、(a)は平面視説明図、(b)は斜視説明図を示している。 環状シール部材と連結シール部材を組み合わせて構成したシール体の第4例の説明図であって、(a)は平面視説明図、(b)は斜視説明図を示している。 環状シール部材と連結シール部材を組み合わせて構成したシール体の第5例の説明図であって、(a)は平面視説明図、(b)は斜視説明図を示している。 環状シール部材と連結シール部材を組み合わせて構成したシール体の第6例の説明図であって、(a)は平面視説明図、(b)は斜視説明図を示している。 環状シール部材と連結シール部材を組み合わせて構成したシール体の第7例の説明図であって、(a)は平面視説明図、(b)は斜視説明図を示している。 従来のステンレス製のポンプケースの冷却水ポンプ装置の構成説明図である。 従来の樹脂製ポンプケースにステンレス製スリーブの装着された冷却水ポンプ装置の構成説明図である。
符号の説明
1 船外機
2 船体
3 トランザム
4 クランプブラケット
5 スイベルブラケット
5a アクチュエータ
6 エンジン
6a エンジンのクランク軸
7 エンジンホルダ
8 ドライブシャフトハウジング
8a アッパーケース
8b ロアケース
8c 壁状部
8d ロアカバー
8e 冷却水通路
8f 吸水口
9 スクリュー
10 ドライブシャフト
10a キー溝
10b 水密シール
11 ドライブシャフトの中空部
12 スクリュー軸
13 ベベルギヤセット
13a ドライブギヤ
13b ドリブンギヤ
14 シフトレバー
14a シフト軸
15 ポンプケース
15a 大径筒体
15b 小径筒体
15c ドライブシャフト挿通孔
15d 下部開口部
15e リブ
15f 水抜孔
16 インペラ
16a キー
17 冷却水ポンプ装置
17A 冷却水ポンプ装置
17a 誘導壁部
17b インレット
17c ポンプ室
17d アウトレット
17e 冷却水パイプ
17f 吐出口
18 合わせ部
19 アンダパネル
19a ガスケット
20 インペラの翼部
21 インペラのボス部
22 インペラの管状心材
22a キー溝
23 内フランジ部
25 スリーブ
25a 底部
25b 側壁部
25c 挿通孔
25d 切り欠き
26 環状シール部材
26a、26b 上方の環状シール部材、下方の環状シール部材
27 連結シール部材
28 連続体のシール体
29(29a〜29d) 溝部
30 リブ
31 空気層
40[a]〜40[d] 環状シール部材
42[a]〜42[m] 連結シール部材
42[n],42[o] 連結シール部材
44[a]〜44[c] 溝部
46 シール領域

Claims (6)

  1. エンジンの下方に中空のドライブシャフトハウジングが設けられ、該ドライブシャフトハウジング内に、エンジンのクランク軸の駆動力をスクリューに伝達するドライブシャフトを縦置きに備える船外機において、前記ドライブシャフトハウジング内の前記ドライブシャフトの軸方向途中部に備えられた樹脂製のポンプケース内に金属製のスリーブを介在させた状態で弾性材料からなるインペラを偏心させて収容し、該ドライブシャフト駆動で該インペラを回転させることによりポンプケース下部から冷却水を吸い込み、上方のエンジンに向けてその冷却水を圧送する冷却水ポンプ装置であって、
    前記樹脂製のポンプケース内周面と金属製のスリーブとの間で、前記ドライブシャフトを取り囲みかつドライブシャフトの軸方向に沿う上下に離隔した複数箇所に、前記樹脂製のポンプケース内周面と金属製のスリーブとの間の水密を保持するための環状シール部材を配設したことを特徴とする船外機の冷却水ポンプ装置。
  2. ポンプケースは、下部開口部を有する概略椀状を呈し、この下部開口部をアンダパネルで塞いだポンプケース内にインペラを収容するポンプ室が形成されており、少なくとも前記環状シール部材を、前記ポンプ室の吐出口の上端部と、前記ポンプケースの上部のドライブシャフト挿通孔を囲む箇所に配設したことを特徴とする請求項1に記載の船外機の冷却水ポンプ装置。
  3. 前記ドライブシャフトの軸方向または半径方向に延びて前記環状シール部材同士を繋ぐ連結シール部材を複数箇所に設け、前記樹脂製のポンプケース内周面と金属製スリーブとの間の水密を保持するための前記環状シール部材を弾性樹脂材からなる連結体としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の船外機の冷却水ポンプ装置。
  4. 前記ポンプケースの下部開口部周縁とアンダパネルとの間に配設される下方の環状シール部材と、前記ポンプケース上部のドライブシャフト挿通孔を囲む箇所に配設される上方の環状シール部材とを前記連結シール部材で繋ぐとともに、少なくとも前記連結シール部材をポンプ室の吐出口の両側部に配設したことを特徴とする請求項3に記載の船外機の冷却水ポンプ装置。
  5. 前記ポンプケース内周面にシール部材配設用の溝を形成したことを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載の船外機の冷却水ポンプ装置。
  6. 前記ポンプケースの内周面にリブを設け、このリブによりポンプ内周面と金属製のスリーブとの間で空気層を形成したことを特徴とする請求項1から5のうちの1項に記載の船外機の冷却水ポンプ装置。
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