JP5304027B2 - モータの防水構造 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ本体を収容するケーシングに通気孔等の貫通孔が形成されたモータの防水構造に関し、特にその耐久性を向上させる技術に関する。
雨水や塩水などに曝される過酷な状況下でよく使用されるモータの一つに、密閉型の駆動用モータがある。
このモータは、密閉されたケーシングにロータやステータ等のモータ本体が収容されているため、雨水等からモータ本体を保護できる利点がある一方で、ケーシング内の温度や圧力が上昇し易いという欠点があることから、ケーシングに防水性の通気孔を設けることが提案されている。
例えば、モータのケーシングに開口する開口部(貫通孔)を樹脂多孔質膜シートで閉口し、ブッシュを嵌め込んでその樹脂多孔質膜シートを固定したモータ(特許文献1)や、ケーシングに形成した孔部(貫通孔)に、透湿性の発泡部材やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のフィルタ部材を直接取り付けたモータなどがある(特許文献2,3)。
特開平9−191597号公報 特開平11−332160号公報 特開2007−124798号公報
しかしながら、通気孔を設けるだけでは必ずしも十分とは言えないことから、放熱によって温度上昇が軽減されるように、例えば、アルミ合金等の熱伝導性に優れた金属素材でケーシングを形成することがある。
ところが、フィルタ等、貫通孔に取り付けられる防水性の部材は、金属素材との相性があまりよくない合成樹脂製品であることが多く、ケーシングとの間で密封性が確保し難いという問題がある。
また、ケーシングを金属素材で形成した場合には、雨水や塩水に曝されると、ケーシングの内外に通じる貫通孔の周りで腐食が生じ易く、その腐食部位を伝ってケーシング内部に雨水等が浸入するおそれもある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ケーシングに形成された貫通孔の密封性を高い信頼性でもって維持することができ、防水性を向上させることができるモータの防水構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、密封部材で塞がれた貫通孔の周りに壁体を設けて貫通孔の近傍に雨水等が直接伝わることがないようにした(2重シール構造)。
すなわち、請求項1に記載の本発明に係るモータの防水構造は、モータの防水構造であって、モータ本体と、上記モータ本体を収容し、貫通孔が形成されたケーシングと、上記ケーシングの貫通孔に挿入される挿入部と、この挿入部の基端から外方に張り出して上記ケーシングの外面に対向する対向壁部と、を有する装着部材と、上記挿入部と上記ケーシングとの間の間隙を塞ぐ密封部材と、を備え、上記装着部材の対向壁部と上記ケーシングの外面とに密着する壁体が、上記貫通孔の周りにおいて、その周方向に延びるように全周にわたって設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のモータの防水構造であって、上記装着部材の対向壁部及び上記ケーシングの外面のいずれか腐食し易い方に、上記壁体に対応して溝部が凹設されていることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載のモータの防水構造であって、上記ケーシングは金属部材で構成される一方、上記装着部材及び壁体は合成樹脂部材で構成されていて、上記溝部が上記ケーシングの外面に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載のモータの防水構造であって、上記壁体は、シール材が硬化したものであることを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項3に記載のモータの防水構造であって、上記壁体は、粘稠な油脂系の充填材であることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、請求項2〜請求項5のいずれか一つに記載のモータの防水構造であって、上記溝部が密封部材より外側に設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明は、請求項2〜請求項6のいずれか一つに記載のモータの防水構造であって、上記壁体及び溝部が、上記貫通孔の周りに全周にわたって形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の本発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のモータの防水構造であって、上記装着部材が防水性の通気部を備えることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明は、請求項8に記載のモータの防水構造であって、上記貫通孔が形成されているケーシングの外面の部分が内側に窪んでいて、その窪み内に上記装着部材がはみ出ないように収容されていることを特徴とする。
請求項10に記載の本発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のモータの防水構造であって、上記装着部材がコネクタであることを特徴とする。
請求項11に記載の本発明は、請求項1〜請求項10のいずれか一つに記載のモータの防水構造を備えたモータであって、上記モータが車両の運転操作の補助に利用されるモータであることを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、密封部材で塞がれた貫通孔の周りに、その周方向に延びるように壁体が設けられているので、ケーシングの表面が雨水や塩水に曝されるようなことがあっても、雨水等が貫通孔の近傍に伝わるのを壁体によって阻止することができる。従って、貫通孔の密封性を高い信頼性でもって維持することができ、モータの防水性を向上させることができる。
請求項2、3に記載の本発明によれば、装着部材の対向壁部及びケーシングの外面のいずれか腐食し易い方には壁体に対応して溝部が凹設されているので、その溝部に壁体を嵌め込むことができる。そうすると、雨水等が伝わる距離が長くなるうえ、浸入経路が大きく歪曲されることとなり、雨水等が貫通孔の近傍に伝わるのをより確実に阻止することができ、また、溝部の周辺で腐食の進行を一端食い止めることができる。従って、貫通孔の密封性をより高い信頼性でもって維持することができるとともに、密封性を確保している貫通孔近傍の腐食を効果的に遅らせることができ、長期にわたって精度高く防水性を確保できる。
請求項4、5に記載の本発明によれば、装着部材に予め壁体を形成しておく必要がなく、装着部材を装着する際にシール材や充填材を塗布して組み付けるだけで済むため、取り扱いが容易で生産性に優れる。また、溝部の形状に合わせて自在に壁体を形成することができ、どのような形状であっても溝部に精度高く密着させることができるため、汎用性に富み、確実性をもって雨水等の浸入を阻止できる。
請求項6、7に記載の本発明によれば、より確実性をもって貫通孔の近傍への雨水等の浸入が阻止できる。
請求項8に記載の本発明によれば、防水性に優れた通気孔を形成することができる。
請求項9に記載の本発明によれば、装着部材がケーシングの外面よりも内側に引っ込んでいるので、装着部材を不用意に引っ掛かけて防水構造に余計な負荷を与えずに済み、防水構造の信頼性を向上させることができる。
請求項10に記載の本発明によれば、防水性に優れたコネクタを形成することができる。
請求項11に記載の本発明によれば、車両の運転操作の補助に利用されるモータの防水性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に、本発明に係るモータが組み込まれたポンプ装置を示す。このポンプ装置は、自動車(車両)の運転操作の補助機構の一つであるパワーステアリング用のポンプ装置であり、通常は自動車のエンジンルーム内に配設されている。
このポンプ装置は、オイル循環用のポンプユニット1と、このポンプユニット1を駆動するモータユニット2などで構成されている。
ポンプユニット1には、アルミ合金製のブロック状のポンプベース3と、開放された一端がパッキン4を介してポンプベース3に接合された筒箱状のポンプカバー5と、これらポンプベース3及びポンプカバー5で区画形成される液室6内に配設されるポンプ機構7とが備えられている。
ポンプカバー5には、オイル流入管5aが設けられていて、これに自動車のパワーステアリング装置(図示せず)からオイルを送液する送液配管T1が取り付けられている。一方、ポンプベース3には、ポンプ機構7のオイル吐出口(図示せず)に連通したオイル吐出孔3aが設けられていて、これにパワーステアリング装置へオイルを送液するリターン配管T2が取り付けられている。
ポンプ機構7はポンプベース3上に隙間なく接合されていて、そのポンプベース3の接合面に一端が開口してその厚み方向に貫通した軸連結孔3b内に、ポンプ機構7の駆動シャフト7aが回転可能に突出している。
一方、モータユニット2は、モータベース10(ケーシング)や、モータカバー11(ケーシング)、モータ本体12などで構成されている。
モータベース10は、アルミ合金製の第1ベース10a及び第2ベース10bを接合することによって形成された中空のブロック体からなり、その内部には、モータ本体12の一部をなす基板などで構成されたモータの制御ユニット13が配設されている。第1ベース10aの主面壁には、その厚み方向に第1貫通孔14が貫通形成されており、この第1貫通孔14と軸連結孔3bとが重なって連通するように、その主面壁の外面にポンプベース3が組み付けられている。尚、図中、符号90は制御ユニット13からの配線をモータベース10外の配線と接続するためのコネクタであり、モータベース10に形成された貫通孔91に装着されている。
一方、第2ベース10bの主面壁には、第1貫通孔14に対向して第2貫通孔15が貫通形成されていて、この第2貫通孔15には中間軸受16が嵌着されている。そして、この第2ベース10bの主面壁の外面には、モータベース10を挟んでポンプユニット1と対向するようにモータカバー11が取り付けられている。
モータカバー11は、アルミ合金の加工品であり、円盤状の端壁11aと、その外周に連なる円筒状の周壁11bと、その下端から外方に張り出すフランジ壁11cとを備えている。モータカバー11は、その開口端側を第2ベース10bに向けた状態でそのフランジ壁11cが第2ベース10bに隙間なく接合されていて、塵埃や雨水等が内部に浸入しないように密閉されている。そして、この密閉されたモータカバー11の内部に、モータ本体12の主要部分が収容されている。
すなわち、モータカバー11の内部には、コイルが巻装された環状のステータ17や、永久磁石18が外周に固定されたロータ19、回転軸20などが収容されており、モータカバー11の周壁11bの内面に取り付けられたステータ17の内側にロータ19が近接配置されていて、そのロータ19の中心に回転軸20が固定されている。
ロータ19は回転軸20の一方の端部寄りの部分に固定されていて、回転軸20の他方の端部側の部分がロータ19から相対的に大きく突出したような状態になっている。
回転軸20は、モータベース10の第1貫通孔14及び第2貫通孔15に挿入され、その一方の端部において、モータカバー11の端壁11aの内面に設けられた端部軸受21により回転自在に支持されるとともに、他方の端部側の部分の中間部位において、先の中間軸受16により回転自在に支持されている。その回転軸20の他方の端部は、ポンプベース3の軸連結孔3b内に突出し、連結部材22によってポンプ機構7の駆動シャフト7aと同軸に連結されている。
従って、ステータ17に通電が行われるとロータ19が回転し、それとともに回転軸20を介してポンプ機構7の駆動シャフト7aが回転する。そうしてポンプ機構7が駆動されると、液室6内のオイルがポンプ機構7によって吸引されるとともに吐出孔3aから吐出され、ポンプ装置とパワーステアリング装置との間でオイルが循環するようになる。
このとき、連続的にポンプ機構7が駆動されて長時間ステータ17に通電が行われるような状態になると、制御ユニット13やステータ17、端部軸受21、中間軸受16などで発生する熱によって、密閉されたモータカバー11やモータベース10の内部温度が上昇する。過剰に温度が上昇するとモータ本体12にトラブルを招くおそれがあるし、運転時と停止時の急激な温度や気圧の変化によってモータカバー11等の内部に結露が発生したり、外部から雨水等を吸い込むおそれもあるため、過剰な温度上昇や内外の気圧変化の発生を防止するために、モータカバー11には、防水性の通気孔25が設けられている。
この通気孔25は、図2に詳しく示すように、モータカバー11の端壁11aの厚み方向に貫通形成された貫通孔30と、この貫通孔30に装着される通気部材40(装着部材)と、通気部材40と貫通孔30との間の間隙を塞ぐOリング50(密封部材)などで構成されている。
尚、本実施形態では、通気孔25をモータカバー11に形成した例を示しているが、それに限らずモータベース10に形成してあってもよい。
通気部材40は、合成樹脂の加工品であり、肉厚な円盤形状をした本体部41と、これと一体に形成された挿入部42とを備えている。ちなみに、本実施形態での通気部材40は、本体部41が厚み約6mm、直径約20mm程度の大きさである。
本体部41は、対向壁部41aと、天壁部41bと、これらの外周に連続する外周壁部41cとを有しており、対向壁部41aの中央部には、軸方向に延びる通気穴43が開口し、天壁部41b寄りの外周面41cには、その通気穴43に連通する複数の窓孔44,・・・が開口している。
そして、本体部41の内部には、この通気穴43の開口と各窓孔44との間の経路を遮断するPTFE製の通気フィルタ45(通気部)が一体に埋設されている。この通気フィルタ45及び本体部41は、いずれも合成樹脂であるため比較的相性よく、強固に一体化している。
挿入部42は、対向壁部41aにおける、通気穴43の開口の周りに立設された複数(3つ)の係止部材46,46,46で構成されていて(図4参照)、各係止部材46は、その基端が本体部41に連なる弾性腕部46aと、弾性腕部46aの先端に形成された爪部46bとを有し、各爪部46bには対向壁部41aと対向する係合面47が設けられている。
Oリング50は、一般に多用されているリング状の弾性部材であり、通気部材40の挿入部42の基端部分の外寸法より僅かに小さい内径を有し、その挿入部42の基端部分に装着されている。
一方、貫通孔30の内周面31には、モータカバー11の外側から内側に向かって次第に径が小さくなる先窄まりの傾斜面32が形成されていて、通気部材40は、その挿入部42の先端側から貫通孔30に挿入され、爪部46bの係合面47がモータカバー11の内面に係合することによってモータカバー11に抜け外れ不能に装着されている。
その際、Oリング50は、貫通孔30内に入り込んで押し潰されていて、貫通孔30の内周面31(傾斜面32)と通気部材40とに密着して、通気部材40と貫通孔30との間に形成される間隙を完全に塞いで密封性を確保している。
またこのとき、本体部41の対向壁部41aの、挿入部42の基端から外方に張り出した部分は、モータカバー11の端壁11aの外面と僅かな隙間を隔てて対向している。
その端壁11aの外面には、貫通孔30に入り込んだOリング50の周りを囲むように環状の溝部60が凹設されており、この溝部60に対応して環状の樹脂リング70(壁体)が設けられている。
この樹脂リング70は、貫通孔30の周りを囲むように、ゲル状ガスケット(シール材)を硬化させて形成したものである。すなわち、ゲル状ガスケットの一部が通気部材40の対向壁部41aに一体に固着する一方で、その他の一部が溝部60に入り込んで貫通孔30の周りを囲む円筒形状に固化し、樹脂リング70となっている。この樹脂リング70については別途後述する。
このように、密封性が確保されている貫通孔30の周りを囲むように、防水性の樹脂リング70を設けることで、貫通孔30からの雨水等の浸入を2重に阻止することができ、防水性を向上させることができる(2重シール構造)。
すなわち、モータカバー11が雨水や塩水に曝されると、モータカバー11の端壁11aの外面と通気部材40の対向壁部41aとの間の狭い隙間を伝って雨水等が貫通孔30の近傍に集まり易い。それに対して、樹脂リング70と溝部60とを設けることで、雨水等が貫通孔30に伝わる経路の距離が長くなるうえ、その経路が大きくコ字状に歪曲されるため、雨水等が貫通孔30の近傍に伝わるのを効果的に阻止できる。
更に、塩水にモータカバー11が繰り返し曝されるような場合には、モータカバー11と通気部材40との間で塩水の浸入と乾燥とが繰り返される結果、塩水が濃縮されてアルミ合金製のモータカバー11が腐食され易くなる。そして、腐食が進んで貫通孔30の近傍が腐食されてしまうと、Oリング50と貫通孔30との間に隙間が生じて密封性が損なわれ、通気孔25の防水性を確保できなくなるおそれがある。
それに対し、樹脂リング70と溝部60とを設けることで、貫通孔30の近傍が腐食されるのを効果的に遅らせることができる。
例えば、図3に示すように、塩水がモータカバー11の外面と通気部材40の対向壁部41aとの間に入り込んでも、樹脂リング70及び溝部60の近傍で塩水の浸入が食い止められるため、塩水の濃縮もその近傍で発生することになる。そうすると、腐食は溝部60の周辺、図に矢印線で示すように、特に貫通孔30に向かう方向とは異なる方向に向かって進行し易くなり、貫通孔30の近傍への腐食の進行を効果的に一端食い止めることができる。その結果、Oリング50による密封性を長期にわたって保持することができ、通気孔25の防水性を向上させることができる。
従って、係る構成の通気孔25によれば、貫通孔30からの雨水等の浸入を効果的に阻止することができ、図2の矢印線が示すように通気穴43を介して水を通さずに換気することができ、防水性に優れた通気孔25を実現することができる。
更にこの通気孔25は、不用意に引っ掛かけて通気部材40に余計な負荷を与えずに済むように、これら貫通孔30及び溝部60が形成されているモータカバー11の外面の部分が、図2に示すように、通気部材40よりも一まわり大きい内径で内側に窪んでいて、その窪み80内に通気部材40がはみ出ないように収容されている。
具体的には、窪み80の深さ寸法が通気部材40の本体部41の厚み寸法よりも大きく形成されていて、貫通孔30に装着された通気部材40の天面41bが、モータカバー11の外面よりも一段低く内側に位置している。
この通気部材40をモータカバー11に装着する際には、図4に示すように、対向壁部41aにおける挿入部42の周り全周にわたってゲル状ガスケットG(図中網目線で示す)を満遍なく付着させる。このゲル状ガスケットGは、液状あるいはゲル状をした一般に用いられているシリコン系のガスケットであり、必要に応じて適宜選択して利用することができる。
そして、図5の矢印線が示すように、そのゲル状ガスケットGを付着させた通気部材40の挿入部42を貫通孔30に押し込むと、ゲル状ガスケットGの一部は溝部60に入り込んで密着し、リング形状に成形される。そうして所定時間が経過すると、ゲル状ガスケットGは硬化して、通気部材40及びモータカバー11の外面と一体化した樹脂リング70が形成される。
このように樹脂リング70を形成することで、通気部材40に予め樹脂リング70を形成しておく必要がなくなって取り扱いが容易で生産性に優れるものとなる。
また、溝部60の形状に合わせて自在に樹脂リング70を形成することができるし、いかなる形状でも溝部60に確りと密着させることが可能になるため、汎用性に富み、確実性をもって雨水等の浸入を阻止できる。特に、当初から通気部材40と一体に形成された樹脂リング70では嵌入できないような溝部60に対しても対応可能な点で有利である。
例えば、図6に示すように、横断面が底方に向かうほど幅寸法が大きくなる台形状となるように溝部60を形成すれば、溝部60に入り込んで硬化したゲル状ガスケットG(樹脂リング70)は溝部60から抜け外れ不能になるため、通気部材40をモータカバー11に強固に固定することができ、より密封性を向上させることができる。
また、図7に示すように、底側に向かうほど貫通孔30から遠ざかるように、斜めに凹む溝部60を形成してもよい。そうすれば、雨水等の浸入経路を貫通孔30から遠ざけることができるため、雨水等の浸入をより効果的に防ぐことができる。
以上説明したように、本発明によれば、密封性を確保する必要がある通気孔25等の貫通孔30の近傍に雨水等が浸入するのを効果的に阻止できるので、貫通孔30の近傍の防水性を向上させることができる。また、塩水等の浸入によって発生する腐食が貫通孔30の近傍に進行するのを効果的に抑制することができるので、金属製のモータカバー11であっても長期にわたって防水性を保持できるようになる。
なお、本発明にかかるモータの防水構造は、前記の実施の形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、上記実施形態では装着部材として通気部材40を例示したが、それに限らずコネクタ90であってもよい(図1参照)。
その場合には、モータベース10の貫通孔91の周りに溝部を形成して、コネクタ90における、上記挿入部42に相当する部位の基端部分にOリング50を装着し、上記対向壁部41aに相当する部位にゲル状ガスケットGを付着させて貫通孔91に装着すればよい。
Oリング50は、必ずしも貫通孔30内に入り込んでいる必要はなく、その一部または全部が貫通孔30の近傍に位置していてもよい。
溝部60は貫通孔30の周りを多重に囲むように複数設けることもできる。その場合、それら溝部60,・・・ごとに複数の樹脂リング70を設けてもよいし、一つの樹脂リング70の一部が複数の溝部60に入り込むようにしてもよい。
溝部60は、必ずしもケーシング側に設ける必要はなく、装着部材とケーシングのいずれか腐食し易い方に設ければよい。
上記実施形態では、樹脂リング70(壁体)をゲル状ガスケットGを硬化させて形成したが、それに限らず、例えばグリース等の粘稠な油脂系の充填材を充填することによって形成してもよい。
上記実施形態ではパワーステアリング用のポンプ装置を例示したが、それ以外にも、例えば、トランスミッションに組み込まれるモータなど、エンジンルームに搭載される他のモータにも適用可能である。
本発明に係るモータが組み込まれたポンプ装置の概略を示す縦断面図である。 図1の矢印X方向から見た要部の概略を示す断面図である。 モータカバーの腐食の進行を説明するための図である。 装着前の通気部材(装着部材)の装着側を示す図である。 通気部材(装着部材)のモータカバーへの装着時の状態を説明するための図である。 溝部の別の実施形態の概略を示す縦断面図である。 溝部のまた別の実施形態の概略を示す縦断面図である。
符号の説明
1 ポンプユニット
2 モータユニット
3 ポンプベース
5 ポンプカバー
7 ポンプ機構
10 モータベース(ケーシング)
11 モータカバー(ケーシング)
12 モータ本体
17 ステータ
19 ロータ
20 回転軸
25 通気孔
30 貫通孔
40 通気部材(装着部材)
41a 対向壁部
42 挿入部
45 通気フィルタ(通気部)
50 Oリング(密封部材)
60 溝部
70 樹脂リング(壁体)
80 窪み
90 コネクタ

Claims (11)

  1. モータの防水構造であって、
    モータ本体と、
    上記モータ本体を収容し、貫通孔が形成されたケーシングと、
    上記ケーシングの貫通孔に挿入される挿入部と、この挿入部の基端から外方に張り出して上記ケーシングの外面に対向する対向壁部と、を有する装着部材と、
    上記挿入部と上記ケーシングとの間の間隙を塞ぐ密封部材と、
    を備え、
    上記装着部材の対向壁部と上記ケーシングの外面とに密着する壁体が、上記貫通孔の周りにおいて、その周方向に延びるように全周にわたって設けられていることを特徴とするモータの防水構造。
  2. 請求項1に記載のモータの防水構造であって、
    上記装着部材の対向壁部及び上記ケーシングの外面のいずれか腐食し易い方に、上記壁体に対応して溝部が凹設されていることを特徴とするモータの防水構造。
  3. 請求項2に記載のモータの防水構造であって、
    上記ケーシングは金属部材で構成される一方、上記装着部材及び壁体は合成樹脂部材で構成されていて、 上記溝部が上記ケーシングの外面に設けられていることを特徴とするモータの防水構造。
  4. 請求項3に記載のモータの防水構造であって、
    上記壁体は、シール材が硬化したものであることを特徴とするモータの防水構造。
  5. 請求項3に記載のモータの防水構造であって、
    上記壁体は、粘稠な油脂系の充填材であることを特徴とするモータの防水構造。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれか一つに記載のモータの防水構造であって、
    上記溝部が密封部材より外側に設けられていることを特徴とするモータの防水構造。
  7. 請求項2〜請求項6のいずれか一つに記載のモータの防水構造であって、
    上記壁体及び溝部が、上記貫通孔の周りに全周にわたって形成されていることを特徴とするモータの防水構造。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のモータの防水構造であって、
    上記装着部材が防水性の通気部を備えることを特徴とするモータの防水構造。
  9. 請求項8に記載のモータの防水構造であって、
    上記貫通孔が形成されているケーシングの外面の部分が内側に窪んでいて、その窪み内に上記装着部材がはみ出ないように収容されていることを特徴とするモータの防水構造。
  10. 請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のモータの防水構造であって、
    上記装着部材がコネクタであることを特徴とするモータの防水構造。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか一つに記載のモータの防水構造を備えたモータであって、
    上記モータが車両の運転操作の補助に利用されるモータであることを特徴とするモータ。
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