JPH0547458U - 船外機ウォータポンプ - Google Patents

船外機ウォータポンプ

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JPH0547458U
JPH0547458U JP10277791U JP10277791U JPH0547458U JP H0547458 U JPH0547458 U JP H0547458U JP 10277791 U JP10277791 U JP 10277791U JP 10277791 U JP10277791 U JP 10277791U JP H0547458 U JPH0547458 U JP H0547458U
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water pump
pump case
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ceramic plate
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誠 三保家
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、ウォータポンプケース内の
摺動部の摩耗を減少させるために設けられるセラミック
スプレートを簡便な手段により低コストでかつ確実に固
定し、セラミックの優れた耐摩耗性を有効に利用して性
能の向上を図ることが可能な船外機のウォータポンプを
提供することにある。 【構成】 本考案に係る船外機のウォータポンプでは、
インペラ14が収納されるウォータポンプケース11の
内部にセラミックスプレート19および筒状部材20を
組み込み、前記ウォータポンプケース11のインペラ摺
動面11aと前記筒状部材20の端部との間に前記セラ
ミックスプレート19を配設して固定している。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、船外機のウォータポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図22および図23に示すような従来の船外機のウォータポンプ51は、金属 製のウォータポンプケース52と、該ウォータポンプケース52の内部に回転自 在に収納されかつドライブシャフト53に嵌め込まれるゴム製のインペラ54と で構成されており、ドライブシャフト53によって駆動されたインペラ54がウ ォータポンプケース52内を強く摺動しながら偏心回転し、冷却水をエンジン等 に圧送するような機構となっている。なお、図において55はウォータポンプケ ース52に設けられた吐出口、56は船外機のギヤケースである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のような船外機のウォータポンプ51にあっては、海 水あるいは湖川水をエンジンの冷却水として利用しており、海水中や湖川水中の 砂および泥を水と一緒に吸い込むため、これら混入した砂や泥がウォータポンプ ケース52とインペラ54の摺動面との間で研摩粒子として作用し、金属製ウォ ータポンプケース52の内壁面が異状に摩耗することになって、極めて短時間で ウォータポンプ51の機能を低下させてしまうという不具合を有していた。
【0004】 本考案はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、ウォー タポンプケース内の摺動部の摩耗を減少させるために設けられるセラミックスプ レートを簡便な手段により低コストでかつ確実に固定し、セラミックスの優れた 耐摩耗性を有効に利用して性能の向上を図ることが可能な船外機のウォータポン プを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 上記従来技術の有する課題を解決するために、本考案においては、インペラが 収納されるウォータポンプケースの内部にセラミックスプレートおよび筒状部材 を組み込み、前記ウォータポンプケースのインペラ摺動面と前記筒状部材の端部 との間に前記セラミックスプレートを配設して固定している。
【0006】
【作 用】
本考案に係る船外機のウォータポンプでは、ウォータポンプケースのインペラ 摺動面と筒状部材の端部との間にセラミックスプレートを配設することによって 固定しているため、優れた耐摩耗性を有するセラミックスプレートをウォータポ ンプケース内の耐摩耗性の要求される内壁面に低コストで、しかも極めて簡単に かつ確実に組付けることが可能になる。
【0007】
【実施例】
以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0008】 図1〜図9は本考案に係る船外機のウォータポンプの第1実施例を示すもので ある。図において1は船外機であり、この船外機1は取付ブラケット2を介して 図外の船体に取付けられるようになっている。また、船外機1のケーシング3の 上部にはエンジン4が搭載されており、該エンジン4によりドライブシャフト5 ,歯車装置6およびプロペラシャフト7を介してプロペラ8が回転駆動されるよ うに構成されている。
【0009】 上記ケーシング3の内部には、エンジン4を冷却するためのウォータポンプ9 が配設されている。このウォータポンプ9は、ギヤケース10にボルト締めされ る金属製の略円筒状ウォータポンプケース11を備えており、該ウォータポンプ 11の下部にはボルト孔12を有するフランジ部13が形成されている。また、 ウォータポンプケース11の内部には、ドライブシャフト5に嵌め込まれるゴム 製のインペラ14を回転可能な状態で収納する収納室15が形成されており、こ れによって当該インペラ14は、収納室15内でドライブシャフト5により偏心 して回転駆動されるようになっている。また、ウォータポンプケース11には、 水取入口16から導入された冷却水を外部に送り出す吐出口17が設けられてい る。しかして、水取入口16は、水没部分のギヤケース10の側面に形成されて おり、図示しない吸水管を介してウォータポンプ9に連通している。なお、吐出 口17は吐出管18を介してエンジン4の水ジャケット(図示せず)に連通して いる。
【0010】 すなわち、上記ウォータポンプ9は、エンジン4の運転に伴うドライブシャフ ト5の回転に連動して駆動され、インペラ14の回転によって水取入口16から ウォータポンプケース11の内部に取り入れられた冷却水を吐出口17より吐水 管18を介してエンジン4の水ジャケットに圧送し、これによって当該エンジン 4を冷却するようになっている。
【0011】 一方、上記収納室15には、優れた耐摩耗性を有する円板状のセラミックスプ レート19および金属製の筒状部材20が組付けられている。しかして、セラミ ックスプレート19は、筒状部材20の上端面部にてウォータポンプケース11 の上部摺動面11a側に押し付けられることにより固定されている。このウォー タポンプケース11の上部摺動面11aは、インペラ14の上面側に位置し、当 該インペラ14が回転しながら摺動するウォータポンプケース11の内壁面であ るために、特に耐摩耗性が要求されている。なお、セラミックスプレート19の 中央寄りの位置には、ドライブシャフト5を挿通する挿通孔21が偏心して穿設 されており、この挿通孔21はウォータポンプケース11の吐出口17側に配置 されている。
【0012】 また、上記筒状部材20は円筒状に形成されており、下端部片側には、周方向 に沿って延びる切欠き22が設けられている。この切欠き22は、筒状部材20 をウォータポンプケース11の収納室14に組込んだときに吐出口17側に臨む ように配置され、これら収納室15と吐出口17とが切欠き22を介して連通す るように構成されている。
【0013】 しかして、上記ウォータポンプケース11、セラミックスプレート19および 筒状部材20の寸法形状は、ウォータポンプケース11の内側の深さ(収納室1 5の高さ)をa、セラミックスプレート19の厚さをb、そして筒状部材20の 高さをcとするとき、次の(1)式が成り立つような関係に加工されている。 c=(1+α)(a−b)…………(1) ただし、α=0.0005〜0. 02
【0014】 例えば、機種DT−30のウォータポンプケース11では、a=18.00m m、b=1.80mmであるから、上記(1)式に従って筒状部材20の高さを c=16.30mmに加工した(α=0.006)。
【0015】 本実施例のウォータポンプ9においては、ウォータポンプケース11の収納室 15にセラミックスプレート19、筒状部材20およびゴム製のインペラ14を 組み込み、ウォータポンプケース11の上部摺動面11aと筒状部材20の上端 面部との間にセラミックスプレート19を配設した状態で、ボルト(図示せず) を用いてウォータポンプケース11を船外機1のギヤケース10に締付け、セラ ミックスプレート19を筒状部材20の上端面部にてウォータポンプケース11 の上部摺動面11aに押し付けて固定する。
【0016】 次いで、上記船外機1を泥水中において2100r.p.m.の回転速度で1 00時間運転し、そののちウォータポンプ9を分解してウォータポンプケース1 1の内部の状態を調べてみると、セラミックスプレート19は船外機1の運転中 も効果的に固定されており、しかもその摩耗による損傷深さは金属製のもので0 .22mmに対してセラミックスプレート19の適用品は0.05mmであり、 ウォータポンプケース11の耐摩耗性を大幅に向上することが確認できた。
【0017】 なお、α=0.0005(上記の例ではc=16.208mm)以下の加工で は、精度的に困難が伴う上、セラミックスプレート19への押し付け力も小さく なり、本実施例の効果が得られない。また、α=0.02(上記の例ではc=1 6.52mm)以上では、ウォータポンプケース11をボルトで締め付けるとき に、金属製ケースに変形が生じてウォータポンプ9の機能を損なう可能性がある 。
【0018】 本実施例によれば、ウォータポンプケース11をギヤケース10にボルト締め すると、内部の収納室15に組み込まれたセラミックスプレート19が筒状部材 20の上端面部にてウォータポンプケース11の上部摺動面11a側に押し付け られて固定されるため、熱膨張係数の大きな違いや信頼性の確保の点で非常に困 難を伴うセラミックスと金属との接合を簡単かつ確実に行うことができる。
【0019】 図10〜図14は本考案の第2実施例を示すもので、筒状部材30の上端面部 の内側には段差が全周にわたって設けられており、この段差によってセラミック スプレート19を嵌め込むための嵌合部31が形成されている。その他の構成お おび作用は上記した第1実施例とほぼ同様である。
【0020】 しかして、上記ウォータポンプケース11、セラミックスプレート19および 筒状部材30の寸法形状は、ウォータポンプケース11の内側の深さ(収納室1 5の高さ)をa、セラミックスプレート19の厚さをb、筒状部材30の高さを c、筒状部材30の嵌合部31の内径をd、筒状部材30の深さをe、そしてセ ラミックスプレート19の外径をfとするとき、次の(2)式、(3)式、(4 )式が成り立つような関係に加工されている。 (c−e)=(1+α)・(a−b)…(2) ただし、α=0〜0.02 e=(1−β)・b …(3) ただし、β=0〜0.02 d=(1−γ)・f …(4) ただし、γ=0.0005〜 0.002
【0021】 例えば、機種DT−30のウォータポンプケース11では、a=18.00m m、b=1.80mm、f=60.00mmであるから、上記(3)式よりe= 1.800mm(β=0)、(2)式よりc=16.20mm(α=0)、そし て(4)式よりd=59.95mm(γ=0.00083)の寸法で加工した。 また、筒状部材30の内径は58.80mm、外径は62.00mmとした。
【0022】 本実施例のウォータポンプ9においては、セラミックスプレート19を筒状部 材30の嵌合部31に位置決めした後圧入して嵌め込み、そしてこれらセラミッ クスプレート19、筒状部材30およびゴム製のインペラ14をウォータポンプ ケース11の収納室15に組み込み、ウォータポンプケース11の上部摺動面1 1aと筒状部材30の嵌合部31上面との間にセラミックスプレート19を配設 して固定する。
【0023】 次いで、上記第1実施例と同一の条件で船外機1を運転し、そののちウォータ ポンプ9を分解してウォータポンプケース11の内部の状態を調べてみると、セ ラミックスプレート19は船外機1の運転中も効果的に固定され、かつウォータ ポンプケース11の耐摩耗性も大幅に向上した。なお、本実施例における各構成 部材の寸法は加工上の難度および固定効果の観点により設定した。
【0024】 図15〜図21は本考案の第3実施例を示すもので、セラミックスプレート1 9は、互いに対向する外周面の一部を平面状に切削加工することによって一対の 半円弧部19aと平面部19bとからなる非円形状の平面ほぼ太鼓形に形成され ている。また、筒状部材40の上端面部には、セラミックスプレート19と対応 する段差形状を付与することにより当該セラミックスプレート19を取付けるた めの取付部41が形成されている。その他の構成および作用は上記した第1実施 例および第2実施例とほぼ同様である。
【0025】 本実施例によれば、セラミックスプレート19の半円弧部19aおよび平面部 19bを対応する形状の筒状部材40の取付部41に取付けるような構造になっ ているため、仮に各構成部材の加工精度を低くしても、セラミックスプレート1 9を確実に固定することができ、部品コストの低減が図れる。しかも、ウォータ ポンプケース11、セラミックスプレート19および筒状部材40の相対的な位 置決め精度が高くなるため、ウォータポンプ9の組付けを容易に行なうことがで きる。
【0026】 以上、本考案の実施例に付き述べたが、本考案は既述の実施例に限定されるも のではなく、本考案の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である 。
【0027】
【考案の効果】
上述の如く、本考案に係る船外機のウォータポンプは、インペラが収納される ウォータポンプケースの内部にセラミックスプレートおよび筒状部材を組み込み 、ウォータポンプケースのインペラ摺動面と筒状部材の端部との間にセラミック スプレートを配設して固定しているので、優れた耐摩耗性を有するセラミックス 材料を利用する上で非常に困難な金属材料との接合を確実にかつ低コストで行う ことができると共に、セラミックスプレートをウォータポンプケースに極めて簡 単に組付けることができ、セラミックスの優れた耐摩耗性の有効利用および組立 作業の能率向上が図れる。しかも、本考案の構成部品は、いずれも単純な形状で あり、特にセラミックスプレートおよびこれを固定する筒状部材を容易に加工す ることができるため、低コストの部品を供給することが可能となり、経済的にも 極めて有利である。
【提出日】平成4年10月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、船外機のウォータポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図22および図23に示すような従来の船外機のウォータポンプ51は、金属 製のウォータポンプケース52と、該ウォータポンプケース52の内部に回転自 在に収納されかつドライブシャフト53に嵌め込まれるゴム製のインペラ54と で構成されており、ドライブシャフト53によって駆動されたインペラ54がウ ォータポンプケース52内を強く摺動しながら偏心回転し、冷却水をエンジン等 に圧送するような機構となっている。なお、図において55はウォータポンプケ ース52に設けられた吐出口、56は船外機のギヤケースである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のような船外機のウォータポンプ51にあっては、海 水あるいは湖川水をエンジンの冷却水として利用しており、海水中や湖川水中の 砂および泥を水と一緒に吸い込むため、これら混入した砂や泥がウォータポンプ ケース52とインペラ54の摺動面との間で研摩粒子として作用し、金属製ウォ ータポンプケース52の内壁面が異状に摩耗することになって、極めて短時間で ウォータポンプ51の機能を低下させてしまうという不具合を有していた。
【0004】 本考案はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、ウォー タポンプケース内の摺動部の摩耗を減少させるために設けられるセラミックスプ レートを簡便な手段により低コストでかつ確実に固定し、セラミックスの優れた 耐摩耗性を有効に利用して性能の向上を図ることが可能な船外機のウォータポン プを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本考案においては、インペラが 収納されるウォータポンプケースの内部にセラミックスプレートおよび筒状部材 を組み込み、前記ウォータポンプケースのインペラ摺動面と前記筒状部材の端部 との間に前記セラミックスプレートを配設して固定している。
【0006】
【作 用】
本考案に係る船外機のウォータポンプでは、ウォータポンプケースのインペラ 摺動面と筒状部材の端部との間にセラミックスプレートを配設することによって 固定しているため、優れた耐摩耗性を有するセラミックスプレートをウォータポ ンプケース内の耐摩耗性の要求される内壁面に低コストで、しかも極めて簡単に かつ確実に組付けることが可能になる。
【0007】
【実施例】
以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0008】 図1〜図9は本考案に係る船外機のウォータポンプの第1実施例を示すもので ある。図において1は船外機であり、この船外機1は取付ブラケット2を介して 図外の船体に取付けられるようになっている。また、船外機1のケーシング3の 上部にはエンジン4が搭載されており、該エンジン4によりドライブシャフト5 ,歯車装置6およびプロペラシャフト7を介してプロペラ8が回転駆動されるよ うに構成されている。
【0009】 上記ケーシング3の内部には、エンジン4を冷却するためのウォータポンプ9 が配設されている。このウォータポンプ9は、ギヤケース10にボルト締めされ る金属製の略円筒状ウォータポンプケース11を備えており、該ウォータポンプ 11の下部にはボルト孔12を有するフランジ部13が形成されている。また、 ウォータポンプケース11の内部には、ドライブシャフト5に嵌め込まれるゴム 製のインペラ14を回転可能な状態で収納する収納室15が形成されており、こ れによって当該インペラ14は、収納室15内でドライブシャフト5により偏心 して回転駆動されるようになっている。また、ウォータポンプケース11には、 水取入口16から導入された冷却水を外部に送り出す吐出口17が設けられてい る。しかして、水取入口16は、水没部分のギヤケース10の側面に形成されて おり、図示しない吸水管を介してウォータポンプ9に連通している。なお、吐出 口17は吐出管18を介してエンジン4の水ジャケット(図示せず)に連通して いる。
【0010】 すなわち、上記ウォータポンプ9は、エンジン4の運転に伴うドライブシャフ ト5の回転に連動して駆動され、インペラ14の回転によって水取入口16から ウォータポンプケース11の内部に取り入れられた冷却水を吐出口17より吐水 管18を介してエンジン4の水ジャケットに圧送し、これによって当該エンジン 4を冷却するようになっている。
【0011】 一方、上記収納室15には、優れた耐摩耗性を有する円板状のセラミックスプ レート19および金属製の筒状部材20が組付けられている。しかして、セラミ ックスプレート19は、筒状部材20の上端面部にてウォータポンプケース11 の上部摺動面11a側に押し付けられることにより固定されている。このウォー タポンプケース11の上部摺動面11aは、インペラ14の上面側に位置し、当 該インペラ14が回転しながら摺動するウォータポンプケース11の内壁面であ るために、特に耐摩耗性が要求されている。なお、セラミックスプレート19の 中央寄りの位置には、ドライブシャフト5を挿通する挿通孔21が偏心して穿設 されており、この挿通孔21はウォータポンプケース11の吐出口17側に配置 されている。
【0012】 また、上記筒状部材20は円筒状に形成されており、下端部片側には、周方向 に沿って延びる切欠き22が設けられている。この切欠き22は、筒状部材20 をウォータポンプケース11の収納室14に組込んだときに吐出口17側に臨む ように配置され、これら収納室15と吐出口17とが切欠き22を介して連通す るように構成されている。
【0013】 しかして、上記ウォータポンプケース11、セラミックスプレート19および 筒状部材20の寸法形状は、ウォータポンプケース11の内側の深さ(収納室1 5の高さ)をa、セラミックスプレート19の厚さをb、そして筒状部材20の 高さをcとするとき、次の(1)式が成り立つような関係に加工されている。 c=(1+α)(a−b)…………(1) ただし、α=0.0005〜0. 02
【0014】 例えば、本実施例のウォータポンプケース11では、a=18.00mm、b =1.80mmとした場合、上記(1)式に従って筒状部材20の高さをc=1 6.30mmに加工した(α=0.006)。
【0015】 本実施例のウォータポンプ9においては、ウォータポンプケース11の収納室 15にセラミックスプレート19、筒状部材20およびゴム製のインペラ14を 組み込み、ウォータポンプケース11の上部摺動面11aと筒状部材20の上端 面部との間にセラミックスプレート19を配設した状態で、ボルト(図示せず) を用いてウォータポンプケース11を船外機1のギヤケース10に締付け、セラ ミックスプレート19を筒状部材20の上端面部にてウォータポンプケース11 の上部摺動面11aに押し付けて固定する。
【0016】 次いで、上記船外機1を泥水中において2100r.p.m.の回転速度で1 00時間運転し、そののちウォータポンプ9を分解してウォータポンプケース1 1の内部の状態を調べてみると、セラミックスプレート19は船外機1の運転中 も効果的に固定されており、しかもその摩耗による損傷深さは金属製のもので0 .22mmに対してセラミックスプレート19の適用品は0.05mmであり、 ウォータポンプケース11の耐摩耗性を大幅に向上することが確認できた。
【0017】 なお、α=0.0005(上記の例ではc=16.208mm)以下の加工で は、精度的に困難が伴う上、セラミックスプレート19への押し付け力も小さく なり、本実施例の効果が得られない。また、α=0.02(上記の例ではc=1 6.52mm)以上では、ウォータポンプケース11をボルトで締め付けるとき に、金属製ケースに変形が生じてウォータポンプ9の機能を損なう可能性がある 。
【0018】 本実施例によれば、ウォータポンプケース11をギヤケース10にボルト締め すると、内部の収納室15に組み込まれたセラミックスプレート19が筒状部材 20の上端面部にてウォータポンプケース11の上部摺動面11a側に押し付け られて固定されるため、熱膨張係数の大きな違いや信頼性の確保の点で非常に困 難を伴うセラミックスと金属との接合を簡単かつ確実に行うことができる。
【0019】 図10〜図14は本考案の第2実施例を示すもので、筒状部材30の上端面部 の内側には段差が全周にわたって設けられており、この段差によってセラミック スプレート19を嵌め込むための嵌合部31が形成されている。その他の構成お おび作用は上記した第1実施例とほぼ同様である。
【0020】 しかして、上記ウォータポンプケース11、セラミックスプレート19および 筒状部材30の寸法形状は、ウォータポンプケース11の内側の深さ(収納室1 5の高さ)をa、セラミックスプレート19の厚さをb、筒状部材30の高さを c、筒状部材30の嵌合部31の内径をd、筒状部材30の段差をe、そしてセ ラミックスプレート19の外径をfとするとき、次の(2)式、(3)式、(4 )式が成り立つような関係に加工されている。 (c−e)=(1+α)・(a−b)…(2) ただし、α=0〜0.02 e=(1−β)・b …(3) ただし、β=0〜0.02 d=(1−γ)・f …(4) ただし、γ=0.0005〜 0.002
【0021】 例えば、本実施例のウォータポンプケース11では、a=18.00mm、b =1.80mm、f=60.00mmとした場合、上記(3)式よりe=1.8 00mm(β=0)、(2)式よりc=18.00mm(α=0)、そして(4 )式よりd=59.95mm(γ=0.00083)の寸法で加工した。また、 筒状部材30の内径は58.80mm、外径は62.00mmとした。
【0022】 本実施例のウォータポンプ9においては、セラミックスプレート19を筒状部 材30の嵌合部31に位置決めした後圧入して嵌め込み、そしてこれらセラミッ クスプレート19、筒状部材30およびゴム製のインペラ14をウォータポンプ ケース11の収納室15に組み込み、ウォータポンプケース11の上部摺動面1 1aと筒状部材30の嵌合部31上面との間にセラミックスプレート19を配設 して固定する。
【0023】 次いで、上記第1実施例と同一の条件で船外機1を運転し、そののちウォータ ポンプ9を分解してウォータポンプケース11の内部の状態を調べてみると、セ ラミックスプレート19は船外機1の運転中も効果的に固定され、かつウォータ ポンプケース11の耐摩耗性も大幅に向上した。なお、本実施例における各構成 部材の寸法は加工上の難度および固定効果の観点により設定した。
【0024】 図15〜図21は本考案の第3実施例を示すもので、セラミックスプレート1 9は、互いに対向する外周面の一部を平面状に切削加工することによって一対の 半円弧部19aと平面部19bとからなる非円形状の平面ほぼ太鼓形に形成され ている。また、筒状部材40の上端面部には、セラミックスプレート19と対応 する段差形状を付与することにより当該セラミックスプレート19を取付けるた めの取付部41が形成されている。その他の構成および作用は上記した第1実施 例および第2実施例とほぼ同様である。
【0025】 本実施例によれば、セラミックスプレート19の半円弧部19aおよび平面部 19bを対応する形状の筒状部材40の取付部41に取付けるような構造になっ ているため、仮に各構成部材の加工精度を低くしても、セラミックスプレート1 9を確実に固定することができ、部品コストの低減が図れる。しかも、ウォータ ポンプケース11、セラミックスプレート19および筒状部材40の相対的な位 置決め精度が高くなるため、ウォータポンプ9の組付けを容易に行なうことがで きる。
【0026】 以上、本考案の実施例に付き述べたが、本考案は既述の実施例に限定されるも のではなく、本考案の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である 。
【0027】
【考案の効果】
上述の如く、本考案に係る船外機のウォータポンプは、インペラが収納される ウォータポンプケースの内部にセラミックスプレートおよび筒状部材を組み込み 、ウォータポンプケースのインペラ摺動面と筒状部材の端部との間にセラミック スプレートを配設して固定しているので、優れた耐摩耗性を有するセラミックス 材料を利用する上で非常に困難な金属材料との接合を確実にかつ低コストで行う ことができると共に、セラミックスプレートをウォータポンプケースに極めて簡 単に組付けることができ、セラミックスの優れた耐摩耗性の有効利用および組立 作業の能率向上が図れる。しかも、本考案の構成部品は、いずれも単純な形状で あり、特にセラミックスプレートおよびこれを固定する筒状部材を容易に加工す ることができるため、低コストの部品を供給することが可能となり、経済的にも 極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係る船外機のウォータポ
ンプを組付けた船外機の構造を示す概念図である。
【図2】上記ウォータポンプを示す断面図である。
【図3】上記ウォータポンプをインペラが組み込まれて
いない状態で下から見た平面図である。
【図4】ウォータポンプケースを示す断面図である。
【図5】上記ウォータポンプケースを下から見た平面図
である。
【図6】セラミックプレートを示す断面図である。
【図7】上記セラミックスプレートを示す平面図であ
る。
【図8】筒状部材を示す断面図である。
【図9】上記筒状部材を下から見た平面図である。
【図10】本考案の第2実施例に係るウォータポンプに
使用されるセラミックスプレートを示す断面図である。
【図11】上記セラミックスプレートを示す平面図であ
る。
【図12】上記セラミックスプレートを嵌め込む筒状部
材を示す断面図である。
【図13】上記筒状部材を下から見た平面図である。
【図14】図12におけるA部を拡大して示す断面図で
ある。
【図15】本考案の第3実施例に係るウォータポンプを
インペラが組み込まれていない状態で下から見た平面図
である。
【図16】図15におけるB−B線断面図である。
【図17】図15におけるC−C線断面図である。
【図18】上記第3実施例のウォータポンプに使用され
るセラミックスプレートを示す平面図である。
【図19】上記セラミックスプレートを示す正面図であ
る。
【図20】上記セラミックスプレートを取付ける筒状部
材を示す平面図である。
【図21】上記筒状部材を示す正面図である。
【図22】従来のウォータポンプを示す断面図である。
【図23】上記ウォータポンプを下から見た平面図であ
る。
【符号の説明】
1 船外機 3 ケーシング 4 エンジン 5 ドライブシャフト 9 ウォータポンプ 10 ギヤケース 11 ウォータポンプケース 14 インペラ 15 収納室 19 セラミックスプレート 20,30,40 筒状部材 21 挿通孔 22 切欠き 31 嵌合部 41 取付部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 船外機ウォータポンプ
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係る船外機のウォータポ
ンプを組付けた船外機の構造を 示す概念図である。
【図2】上記ウォータポンプを示す断面図である。
【図3】上記ウォータポンプをインペラが組み込まれて
いない状態で下から見た平面図 である。
【図4】ウォータポンプケースを示す断面図である。
【図5】上記ウォータポンプケースを下から見た平面図
である。
【図6】セラミックプレートを示す断面図である。
【図7】上記セラミックスプレートを示す平面図であ
る。
【図8】筒状部材を示す断面図である。
【図9】上記筒状部材を下から見た平面図である。
【図10】本考案の第2実施例に係るウォータポンプに
使用されるセラミックスプレート を示す断面図である。
【図11】上記セラミックスプレートを示す平面図であ
る。
【図12】上記セラミックスプレートを嵌め込む筒状部
材を示す断面図である。
【図13】上記筒状部材を下から見た平面図である。
【図14】図12におけるA部を拡大して示す断面図で
ある。
【図15】本考案の第3実施例に係るウォータポンプを
インペラが組み込まれていない状 態で下から見た平面図である。
【図16】図15におけるB−B線断面図である。
【図17】図15におけるC−C線断面図である。
【図18】上記第3実施例のウォータポンプに使用され
るセラミックスプレートを示す平 面図である。
【図19】上記セラミックスプレートを示す正面図であ
る。
【図20】上記セラミックスプレートを取付ける筒状部
材を示す平面図である。
【図21】上記筒状部材を示す正面図である。
【図22】従来のウォータポンプを示す断面図である。
【図23】上記ウォータポンプを下から見た平面図であ
る。
【符号の説明】 1 船外機 3 ケーシング 4 エンジン 5 ドライブシャフト 9 ウォータポンプ 10 ギヤケース 11 ウォータポンプケース 14 インペラ 15 収納室 19 セラミックスプレート 20,30,40 筒状部材 21 挿通孔 22 切欠き 31 嵌合部 41 取付部

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インペラが収納されるウォータポンプケ
    ースの内部にセラミックスプレートおよび筒状部材を組
    み込み、前記ウォータポンプケースのインペラ摺動面と
    前記筒状部材の端部との間に前記セラミックスプレート
    を配設して固定したことを特徴とする船外機のウォータ
    ポンプ。
JP10277791U 1991-11-18 1991-11-18 船外機ウォータポンプ Pending JPH0547458U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6984158B2 (en) 2003-02-25 2006-01-10 Suzuki Motor Corporation Cooling water pump device for outboard motor

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59119079A (ja) * 1982-12-24 1984-07-10 Yamaha Motor Co Ltd 冷却水ポンプ
JPS6028288B2 (ja) * 1977-12-13 1985-07-04 東亞合成株式会社 硬化用組成物

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