JPH07238896A - マグネットポンプ - Google Patents

マグネットポンプ

Info

Publication number
JPH07238896A
JPH07238896A JP2986094A JP2986094A JPH07238896A JP H07238896 A JPH07238896 A JP H07238896A JP 2986094 A JP2986094 A JP 2986094A JP 2986094 A JP2986094 A JP 2986094A JP H07238896 A JPH07238896 A JP H07238896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
magnet
yoke
sleeve
driven magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2986094A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutomo Hayashimoto
和智 林元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2986094A priority Critical patent/JPH07238896A/ja
Publication of JPH07238896A publication Critical patent/JPH07238896A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】移送流体が高温液であってもヨークや従動マグ
ネットが位置ずれを生じることがなく、また、筒状体が
ズリーブよりはずれないようにして高温液の移送が可能
なマグネットポンプとする。また、ロータの組み立てを
容易にし、シール部材のみの交換が簡単に行えるように
する。 【構成】マグネットポンプに備えるロータをインペラと
スリーブにより構成し、該スリーブの外周に強磁性体か
らなる略円筒状をしたヨークを固定し、該ヨークに刻設
した幅広の溝に従動マグネットを挿嵌して固定するか、
あるいはヨークの外周に非磁性体からなる仕切り板を等
間隔に配置し、これらの仕切り板の間に従動マグネット
を挿嵌して固定するとともに、スリーブの外周に筒状体
を被嵌してねじ止めにより固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬液、スラリー液、腐
食性液、引火性のある液などあらゆる流体の移送に用い
られるマグネットポンプに関し、特に高温の腐食性液の
移送に最適なマグネットポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の腐食性液を取り扱う化
学工業、或いは漏液の引火の危険性のある石油化学工業
においては、漏液がないマグネットポンプが多く使用さ
れている。
【0003】その一例として、例えば図5に示すよう
に、吸入口8と吐出口9を備えたケーシング7と有底筒
状体をしたキャン5とで形成されるポンプ室40内に主
軸4が水平に配置され、該主軸4に従動マグネット2を
備えたロータ20を水中軸受24a,24bを介して回
転自在に支承してあり、前記キャン5の外周には、内孔
に駆動マグネット3を備えた筒体6が外嵌め状に配置さ
れ、上記筒体6は電動機(不図示)の回転軸44に連結
された構造となっており、上記電動機を始動させて駆動
マグネット3を回転させることにより、従動マグネット
2との磁力結合作用でもってロータ20を回転させ、流
体を吸入口8から吐出口9へ移送するようになってい
た。
【0004】また、ロータ20に備える水中軸受24
a,24bは高速回転するため、移送流体の一部を別に
設けられた供給手段43によって水中軸受24a,24
bに供給し、ロータ20とキャン5とで形成される還流
通路42を通って吸入口8に排出できるようになってい
た。
【0005】一方、上記マグネットポンプ30に備える
ロータ20は図6(a),(b)及び図7(a),
(b)に示すように、インペラ21とスリーブ22から
成り、その中心部に主軸4を挿通させるための貫通孔A
を備えており、上記スリーブ22の外周には強磁性体か
らなる略円筒状のヨーク24が接着剤により回転不能に
固着され、さらに、該ヨーク24の外周にN極とS極を
持った従動マグネット2が等間隔でN極、S極、N極、
S極、・・・となるようにそれぞれ交互に接着剤により
固着してあった。
【0006】また、上記従動マグネット2は腐食性液な
どと接すると特性劣化を生じることから、従動マグネッ
ト2を覆うように筒状体23をスリーブ22の外周に被
嵌してあり、その固定方法として、例えば図6(a),
(b)に示すように、従動マグネット2の前後にシール
部材として樹脂やゴムなどからなるOリング25を介在
させ、接着剤でもって筒状体23をスリーブ22に固定
したものや、図7(a),(b)に示すように、従動マ
グネット2の前後に熱収縮性のスリーブ26をスリーブ
22の外周に介在させ、筒状体23を焼き嵌めにより被
嵌したものであった(実公昭63−46716号公報参
照)。
【0007】また、マグネットポンプ30により移送す
る流体の中には腐食性液が多いため、上記ロータ20を
構成するインペラ21、スリーブ22、及び筒状体23
は、それぞれ耐磨耗性及び耐腐食性に優れたセラミック
スにより形成されていた。
【0008】なお、マグネットポンプには、図5に示し
たポンプ30だけでなく、主軸4を鉛直方向に配置した
縦型構造のものもあり、このようなポンプにも上述のよ
うなロータ20を備えてあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、移送流体が
150℃以上の高温液であると、次のような問題点があ
った。
【0010】まず、図6(a),(b)に示すロータ2
0では、筒状体23がスリーブ22に接着剤で固着され
ているため、熱による接着剤の軟化と、ロータ20の高
回転に伴う遠心力により、筒状体23がスリーブ22よ
りずれてしまい、従動マグネット2を液密に封止するこ
とができず、場合によっては筒状体23がスリーブ22
から外れて、ポンプ30自体を破損してしまう恐れがあ
った。
【0011】また、図7(a),(b)に示すロータ2
0にあっては、熱によりスリーブ26が収縮し、スリー
ブ26と筒状体23との間に間隙ができてしまうことか
ら、結局従動マグネット2を液密に封止することができ
なかった。
【0012】しかも、これらのロータ20は、従動マグ
ネット2とヨーク24、及びヨーク24とスリーブ22
も接着剤で固着した構造であるため、移送流体が高温液
であると熱による接着剤の軟化と、遠心力によりそれぞ
れの部材が位置すれを生じたり、さらに酷い時には剥が
れてしまう恐れがあり、これらのロータ20を備えたマ
グネットポンプ30を高温液の移送に用いることができ
なかった。
【0013】また、ロータ20に備える従動マグネット
2は、図6(b)、図7(b)に示すように、ヨーク2
4上に等間隔に配置しなければならないために位置合わ
せが大変であり、組み立て効率が悪かった。
【0014】さらに、移送流体が腐食性液であると、図
6に示すロータ20では、長期使用中にOリング25が
腐食することから、Oリング25の交換が必要となるの
であるが、筒状体23とスリーブ22は接着剤により強
固に固着されているためにOリング25だけを交換する
ことができず、結果として、ロータ20全体を交換しな
ければならなかった。
【0015】本発明の目的は、ロータに備える従動マグ
ネットの位置合わせを容易にし、且つ、高温状態でも位
置ずれを生じないロータ構造とするとともに、腐食した
シール部材のみを簡単に交換することができるロータ構
造とし、ロータの組み立て効率を向上させるとともに、
移送流体が高温の腐食性液であっても使用できるマグネ
ットポンプを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では上記
問題に鑑み、マグネットポンプのロータをインペラとス
リーブにより構成し、該スリーブの外周に強磁性体から
なる略円筒状をしたヨークをキーや平面同士の係合、あ
るいは凹凸部による係合などの係合手段により固定し、
さらに、上記ヨークの外周に形成する幅広の凹部に従動
マグネットを挿嵌して固定するとともに、上記ヨーク及
び従動マグネットを覆うように筒状体をスリーブ外周に
被嵌したものである。
【0017】また、本発明は、強磁性体からなる略円筒
状をしたヨークの外周に非磁性体からなる仕切り部を等
間隔に配置し、これら仕切り部の間に従動マグネットを
挿嵌して固定したものであってもよい。
【0018】さらに、本発明は、ヨーク及び従動マグネ
ットを覆うようにスリーブ外周に被嵌する筒状体をねじ
止め固定することで従動マグネットを液密に封止したも
のである。
【0019】
【作用】本発明によれば、ヨークを係合手段によりスリ
ーブの外周に固定するとともに、従動マグネットはヨー
クに備える幅広の凹部に、あるいはヨークの外周に配置
した仕切り部の間に、嵌め合いでもって固定してあるた
め、移送流体が高温液であっても従動マグネットの位置
すれを生じることがない。
【0020】しかも、従動マグネットの位置合わせが必
要ないので、組み立て作業が簡単になる。
【0021】又、本発明によれば、従動マグネットを液
密に封止する筒状体をねじ止めによりスリーブに被嵌し
てあるため、移送流体が高温液であっても筒状体が外れ
るようなことがなく、しかも、筒状体の取り外しが可能
であるためにシール部材が腐食を受けても、シール部材
のみを簡単に交換することができる。
【0022】
【実施例】以下、本願発明実施例を説明する。
【0023】図1は本発明実施例に係るマグネットポン
プ1の縦断面図である。ただし、従来例と同一部分につ
いては同一符号で示す。
【0024】図1に示すように、吸入口8と吐出口9を
備えたケーシング7上に、有底筒状体をしたキャン5を
載置してポンプ室40を形成し、該ポンプ室40の中央
に主軸4を立設するとともに、この主軸4の外周に従動
マグネット2を備えたロータ10を水中軸受45を介し
て回転自在に外嵌めしてあるとともに、ケーシング7に
備える固定軸受7aにより支持する構造としてある。ま
た、上記キャン5の外周には、内孔に駆動マグネット3
を備えた筒体6を外嵌めし、該筒体6の駆動マグネット
3と前記ロータ10の従動マグネット2とを対向させて
配置するとともに、筒体6を電動機(不図示)の回転軸
44に取着してある。
【0025】ここで、電動機を始動させて筒体6の内孔
に備える駆動マグネット3を回転させると、ロータ10
に備える従動マグネット2が磁力結合作用を受けて回転
し、インペラ11に備える羽根部11aが旋回するた
め、吸込口8から移送流体を吸入し、インペラ11の羽
根部11aで圧縮したあと、吐出口9へ移送するように
なっている。
【0026】また、吸入された移送流体の一部は、ロー
タ10の回転によりインペラ11の背面とキャン5との
間隙43に発生した負圧によって、ロータ10とキャン
5とで形成される還流通路42からロータ10と主軸4
とで形成される還流通路41を通って軸受部45、7a
に供給し、吸入口8に排出するようになっている。
【0027】一方、上記ロータ10の構造は、図2にそ
の分解図を示すように、インペラ11とスリーブ12を
セラミックスにより一体的に形成し、その中心部に主軸
4を挿通するための貫通孔Aを形成するとともに、上記
スリーブ12の外周にSS41などのSS鋼やS45C
などの炭素鋼、あるいはフェライトなどの強磁性体から
なる略円筒状をしたヨーク14をキー19などの係合手
段により固定する。
【0028】即ち、スリーブ12の外周面に設けたキー
溝12bにキー19を挿嵌したあと、スリーブ12の後
端からヨーク14を挿入し、該ヨーク14の内周面に設
けたキー溝(不図示)を上記キー19と係合させること
により固定する。
【0029】なお、ヨーク14をスリーブ12に固定す
る他の方法として、ヨーク14の内周面あるいはスリー
ブ12の外周面に凸部を設け、この凸部と係合する凹部
を他方の部材の面に形成し、互いの凹凸部を合致させて
固定したり、スリーブ12の外周面の一部を切り欠いて
平面部を形成し、上記平面部と係合する平面部をヨーク
14の内周面に形成して、互いの平面部を合致させて固
定してもよい。
【0030】このようにヨーク14を係合手段によって
スリーブ12に固定すれば、接着剤を用いることなく強
固に固定することができ、また、移送流体が高温液であ
ってもヨーク14の位置ずれを生じることがない。
【0031】また、本発明のロータ10は、ヨーク14
のインペラ11側端部に、全周にわたって段付部14a
を設けてあり、この段付部14aからスリーブ12の後
端に向かって等間隔に複数の溝14bを刻設してある。
そして、これらの溝14bにアルミニウムやステンレ
ス、あるいはセラミックスや樹脂などの非磁性体により
形成した板状の仕切り板15を挿嵌し、これらの仕切り
板15の間にN極及びS極を持った従動マグネット2を
N極、S極、N極、S極、・・・となるようにそれぞれ
交互に挿嵌したあと、従動マグネット2及び仕切り板1
5の後端に、リング体16を配置して互いの端面を揃え
るように押し当てることで、従動マグネット2のスラス
ト方向への位置ずれを防止するようにしてある。
【0032】なお、ヨーク14に形成する溝14bは、
該ヨーク14上に配置する従動マグネット2の個数だけ
設ければよい。
【0033】ここで、仕切り板15をヨーク14の外周
面から突出させる高さHは、1mm以上で、従動マグネ
ット5の厚み幅W以下の範囲で設けることが重要であ
る。
【0034】即ち、仕切り板15の突出高さHが1mm
未満であると、低すぎるためにロータ10の高速回転に
伴い従動マグネット2が円周方向へ位置ずれを生じてし
まう恐れがあるためであり、逆に突出高さHが従動マグ
ネット2の厚み幅Wより大きいと、従動マグネット2と
磁力結合作用を受ける駆動マグネット3との間隙が大き
くなるために磁力結合力が弱まり、電動機からの駆動力
をロータ10に伝達することができず、所定の圧送力が
得られなくなるためである。
【0035】また、ヨーク14を構成するSS鋼、炭素
鋼、及びフェライトなどや仕切り板15を構成するセラ
ミックスは欠け易く、これらの材質により各部材を構成
するときには、ヨーク14の溝14bの全てのエッジ部
及び仕切り板15の全てのエッジ部を0.5R以上のR
面あるいはC面加工を施した方が好ましい。
【0036】このように、従動マグネット2の両側面に
仕切り板15を配置し、嵌め合いでもってスリーブ12
上に固定した構造としたことにより、従動マグネット2
をヨーク14上に強固に固定することができ、また、移
送流体が高温液であっても、従動マグネット2が円周方
向へ位置ずれを生じることがない。しかも、仕切り板1
5はアルミニウムやステンレス、あるいはセラミックス
や樹脂などの非磁性体でもって形成してあるため、従動
マグネット2と駆動マクネット3との間で作用する磁力
結合力に悪影響を与えることもない。
【0037】また、ロータ10の組み立て時に面倒とな
る従動マグネット2の位置合わせが仕切り板15を設け
たことにより不要となるため、組み立て効率を向上させ
ることができる。
【0038】さらに、本発明のろーた10は、従動マグ
ネット2の前後にOリングあるいはスリーブなどのシー
ル部材17をスリーブ12外周に配置してあり、上記ヨ
ーク14及び従動マグネット2を覆うようにセラミック
製の筒状体13をスリーブ12の外周に被嵌すること
で、従動マグネット2のラジアル方向への位置ずれを防
止するとともに、筒状体13の底面部13cでリング体
16を押さえ付けることにより、従動マグネット2のス
ラスト方向の位置ずれを防止するようにしてある。ま
た、従動マグネット2の前後にはシール部材17を配置
してあるため、従動マグネット2を液密に封止すること
ができる。
【0039】また、スリーブ12の後端部には雌ねじ1
2aを設けてあり、この雌ねじ12aに固定ナット18
を螺着することで筒状体13をスリーブ12に固定して
ある。なお、スリーブ12に形成する雌ねじ12aは、
ロータ10の回転により固定ナット18が締まる方向に
設けてあることは言うまでもない。
【0040】このように本発明のロータ10は、筒状体
13をスリーブ12にねじ止め固定としてあることから
筒状体13の取り外しが可能となり、長期使用中にシー
ル部材17が腐食を受けてもシール部材17のみを簡単
に交換することができる。しかも、接着剤を使用する必
要がないため、移送流体が高温液であっても筒状体13
が外れることはない。
【0041】次に、従動マグネット2を固定する他の実
施例を図3(a)〜図3(e)に示す。ただし、図3は
図2に示す従動マグネット2の取り付け主要部のみを示
す。図3(a)は、ヨーク14の両端部に段付部14
a、14cを設け、これらの段付部14a、14cの間
に等間隔に複数の溝14bを刻設してあり、これらの溝
14bに仕切り板15を挿嵌し、仕切り板15の間にN
極及びS極を持った従動マグネット2をN極、S極、N
極、S極、・・・となるようにそれぞれ交互に挿嵌して
ある。ただし、仕切り板15をヨーク14の外周面から
突出させる高さHは、1mm以上で、従動マグネット2
の厚み幅W以下の範囲とする。
【0042】このように、インペラ11側端部と反対側
のヨーク14端面にも段付部14cを設けたことによ
り、従動マグネット2の位置ずれを円周方向だけでな
く、スラスト方向への位置ずれもヨーク14によって防
止することができる。
【0043】図3(b)は、ヨーク14を円筒状に形成
し、両端部の一側面に凹部14gを設けてあり、該凹部
14gと係合する凸部16aを内周面に有し、一方の側
面に複数の仕切り部15を等間隔で植立した2つのリン
グ体16を、両リング体16の仕切り部15が対向する
ように上記ヨーク14の両端から挿嵌し、これらリング
体16の仕切り部15で形成される幅広の凹部14eに
N極及びS極を持った従動マグネット2をN極、S極、
N極、S極、・・・となるようにそれぞれ交互に挿嵌す
る。ただし、リング体16の厚み幅Xは、1mm以上
で、従動マグネット2の厚み幅W以下の範囲とする。
【0044】このように、ヨーク14とリング体16を
凹凸部14g、16aを設けて係合固定すれば、ローラ
10が高速で回転してもリング体16が位置ずれを生じ
ることはなく、その結果、従動マグネット2をヨーク1
4上に強固に固定することができる。なお、図3(b)
のロータ10においては、ヨーク14とリング体16を
固定する凹凸部14g、16aを両端部のそれぞれ一か
所だけ設けた構造としてあるが、両端部にそれぞれ2か
所以上凹凸部14g、16aを設けてあってもかまわな
い。
【0045】図3(c)は、ヨーク14のインペラ11
側端面にのみ段付部14aを設け、反対側のヨーク14
端面に、複数の仕切り部15を側面に等間隔で植立した
リング体16を挿嵌し、これらの仕切り板15の間にN
極及びS極を持った従動マグネット2をN極、S極、N
極、S極、・・・となるようにそれぞれ交互に挿嵌して
もよい。ただし、リング体16の厚み幅Xは、1mm以
上で、従動マグネット2の厚み幅W以下の範囲とする。
【0046】なお、リング体16とヨーク14の固定
は、ヨーク14の端面の一部を切り欠いて平面部14h
を設けるとともに、リング体16の内周面に上記ヨーク
14の平面部14hと合致する平面部16bを形成し、
互いの平面部14h、16b同士を係合させて固定して
ある。
【0047】また、図3(d)は、円筒状をしたヨーク
14のインペラ11側端部が段付部14dとなるよう
に、この段付部14dからスリーブ12の後端に向かっ
て等間隔に幅広の凹部14eを刻設してあり、これら幅
広の凹部14eにN極及びS極を持った従動マグネット
2をN極、S極、N極、S極、・・・となるようにそれ
ぞれ交互に挿嵌したあと、従動マグネット2の後端にリ
ング体16を配置し、各従動マグネット2の端面を押圧
することで、スラスト方向の位置ずれを防止するように
してある。ここで、ヨーク14に刻設する幅広の凹部1
4eの深さLは、1mm以上で、ヨーク14の厚み幅R
に対して1/2を超えない範囲で形成することが重要で
ある。これは、幅広の凹部14eの深さLがヨーク14
の厚み幅Rに対して1/2を超えると、従動マグネット
2を載置する部分のヨーク14の厚み幅Sが薄くなりす
ぎるために、駆動マグネット3と磁力結合するだけの磁
力が得られないからであり、逆に幅広の凹部14eの深
さLが1mm未満であると、ロータ10の高速回転に伴
い従動マグネット2が幅広の凹部14eから外れ、円周
方向へ位置ずれを生じてしまう恐れがあるためである。
【0048】このように、従動マグネット2をヨーク1
4に刻設した幅広の凹部14eへ挿嵌すれば、仕切り板
15を用いなくても固定することができ、部品点数を少
なくすることができることから経済的である。
【0049】さらに、図3(e)は、円筒状をしたヨー
ク14の両端部が段付部14d、14fとなるように、
これらの段付部14d、14fの間に等間隔で幅広の凹
部14eを刻設してあり、これらの幅広の凹部14eに
N極及びS極を持った従動マグネット2をN極、S極、
N極、S極、・・・となるようにそれぞれ交互に挿嵌す
る。なお、ヨーク14に刻設する幅広の凹部14eの深
さLは、1mm以上で、ヨーク14の厚み幅Rに対して
1/2を超えない範囲で形成する。
【0050】以上のようにして従動マグネット2をヨー
ク14上に固定しても、図2の固定方法と同様の効果が
得られる。
【0051】さらに、筒状体13をスリーブ12に固定
する他の実施例を図4に示す。
【0052】図4のロータ10は、筒状体13の底面部
13cを延長し、該底面部13cの内周面にスリーブ1
2の雌ねじ12aと螺合する雄ねじ13aを形成し、筒
状体13をスリーブ12にねじ止め固定してもよい。こ
のような構造とすれば、固定ナット18が不用となるた
め、ロータをさらに小型化することができ、マグネット
ポンプの小型化が要求されるような時には最適である。
【0053】また、他のシール構造としては、筒状体1
3の先端開孔部にフランジ部13bを設け、インペラ1
1の背面と上記フランジ部13bとの間にシール部材1
7を介在させた構造としてもよい。
【0054】ところで、上記ロータ10のインペラ1
1、スリーブ12、筒状体13、固定ナット18を構成
するセラミックスとしては、耐摩耗性及び耐腐食性に優
れたアルミナ、ジルコニア、窒化珪素などがよく、これ
らのセラミックスにより形成したロータ10は、移送流
体が腐食性液であっても腐食を受け難く、また、スラリ
ー液などとの衝突に対しても摩耗しにくく、長期間にわ
たって使用することがきる。特に、上記セラミックスの
中でも高純度アルミナは耐腐食性に優れているため、ロ
ータ10を構成するのに最適である。
【0055】さらに、上記ロータ10のインペラ11、
スリーブ12、筒状体13、固定ナット18を構成する
部材として他に耐蝕性合金材料や金属表面に耐蝕性樹脂
で被覆したものを用いることもでき、これらの材質と上
記セラミックスとの組み合わせにより形成したものであ
ってもよい。ただし、固定ナット18はエポキシ樹脂や
フッ素樹脂等の耐蝕性樹脂を用いて形成したものであっ
てもかまわない。
【0056】以上のように、上述のロータ10を備えた
本発明のマグネットポンプ1を用いれば、薬液、スラリ
ー液、腐食性液、引火性のある液などの流体だけでな
く、高温液においても移送可能で、また、常に安定した
ロータ10の回転が得られるため、定量性に優れたもの
となる。
【0057】なお、本発明実施例では縦型構造のマグネ
ットポンプ1について示したが、横型構造のマグネット
ポンプにも、本発明のロータ2を用いることができるこ
とは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明のマグネットポン
プは、ロータをインペラとスリーブにより構成し、該ス
リーブの外周に強磁性体からなる略円筒状のヨークを係
合させて固定し、該ヨークに備えた幅広の凹部に従動マ
グネットを挿嵌して固定するか、あるいはヨークの外周
に非磁性体からなる仕切り部を等間隔に配置し、これら
の仕切り板の間に従動マグネットを挿嵌して固定すると
ともに、これらヨークと従動マグネットを覆うように筒
状体をスリーブ外周に被嵌し、該筒状体をねじ止めでも
って固定したことにより、移送流体が高温液であっても
ヨーク及び従動マグネットの位置ずれや筒状体がズリー
ブよりはずれることがない。しかも、従動マグネットの
位置合わせが非常に簡単になり、組み立て効率を向上さ
せることができ、また、筒状体はスリーブから簡単に脱
着ができるためにシール部材が腐食を受けても、簡単に
シール部材のみを交換することができる。
【0059】従って、上述のようなロータを備える本発
明のマグネットポンプを用いれば、従来では難しかった
高温液の移送が可能となり、また、ロータ全体を交換す
る必要もないため、非常に経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネットポンプを示す縦断面図
である。
【図2】本発明に係るマグネットポンプに備えるロータ
を分解した斜視図である。
【図3】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は図
2に示すロータ主要部の他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図4】図2のロータを構成する筒状体とスリーブを固
定する他の実施例を示すロータの縦断面図である。
【図5】従来のマグネットポンプを示す縦断面図であ
る。
【図6】図5のマグネットポンプに備えてあるロータの
一例を示す図であり、(a)はその縦断面図を、(b)
は(a)のX−X線断面図をそれぞれ示す。
【図7】図5のマグネットポンプに備えてあるロータの
一例を示す図であり、(a)はその縦断面図を、(b)
は(a)のX−X線断面図をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 マグネットポンプ 2 従動マグネット 10ロータ 11インペラ 12スリーブ 12a雌ねじ 12bキー溝 13筒状体 14ヨーク 14a段付部 14b溝 15仕切り部 16リング体 17シール部材 18固定ナット 19キー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸入口と吐出口を有するケーシングと有底
    筒状体をしたキャンとで形成されるポンプ室内に、従動
    マグネットを備えたロータを配置するとともに、前記キ
    ャンの外周に上記ロータの従動マグネットと対向して駆
    動マグネットを配置し、該駆動マグネットを回転させる
    ことによりロータを磁力回転させ、流体を吸入圧送する
    マグネットポンプにおいて、上記ロータはインペラとス
    リーブにより構成し、該スリーブの外周に強磁性体から
    なる略円筒状のヨークを係合させて固定し、さらに上記
    ヨークの外周に非磁性体から成る仕切り部を等間隔に配
    置して、これら仕切り部の間に従動マグネットを挿嵌し
    て固定するとともに、上記ヨーク及び従動マグネットを
    覆うように筒状体を被嵌して構成したことを特徴とする
    マグネットポンプ。
  2. 【請求項2】吸入口と吐出口を有するケーシングと有底
    筒状体をしたキャンとで形成されるポンプ室内に、従動
    マグネットを備えたロータを配置するとともに、前記キ
    ャンの外周に上記ロータの従動マグネットと対向して駆
    動マグネットを配置し、該駆動マグネットを回転させる
    ことによりロータを磁力回転させ、流体を吸入圧送する
    マグネットポンプにおいて、上記ロータはインペラとス
    リーブにより構成し、該スリーブの外周に強磁性体から
    なる略円筒状のヨークを係合させて固定し、このヨーク
    の外周に備えた幅広の凹部に従動マグネットを挿嵌して
    固定するとともに、上記ヨーク及び従動マグネットを覆
    うように筒状体を被嵌して構成したことを特徴とするマ
    グネットポンプ。
  3. 【請求項3】吸入口と吐出口を有するケーシングと有底
    筒状体をしたキャンとで形成されるポンプ室内に、従動
    マグネットを備えたロータを配置するとともに、前記キ
    ャンの外周に上記ロータの従動マグネットと対向して駆
    動マグネットを配置し、該駆動マグネットを回転させる
    ことによりロータを磁力回転させ、流体を吸入圧送する
    マグネットポンプにおいて、上記ロータはインペラとス
    リーブにより構成し、該スリーブの外周に強磁性体から
    なる略円筒状のヨークを固定し、さらに該ヨークの外周
    に従動マグネットを配置するとともに、上記ヨーク及び
    従動マグネットを覆うように筒状体をスリーブに被嵌
    し、該筒状体をねじ止め固定したことを特徴とするマグ
    ネットポンプ。
JP2986094A 1994-02-28 1994-02-28 マグネットポンプ Pending JPH07238896A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2986094A JPH07238896A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 マグネットポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2986094A JPH07238896A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 マグネットポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07238896A true JPH07238896A (ja) 1995-09-12

Family

ID=12287727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2986094A Pending JPH07238896A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 マグネットポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07238896A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100943726B1 (ko) * 2008-09-08 2010-02-23 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 조립성이 향상된 임펠러 어셈블리를 구비한 온수 보일러
KR100944543B1 (ko) * 2008-07-31 2010-03-03 주식회사 중원 에스엠이티 마그네트 펌프용 커플러
WO2010002117A3 (ko) * 2008-07-01 2010-03-04 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 조립성이 향상된 임펠러 어셈블리 및 이를 구비한 온수 보일러
KR100970903B1 (ko) * 2009-05-27 2010-07-16 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 기포로 인한 성능 저하 문제를 해결하고 상품성을 높인 온수 보일러
KR100970905B1 (ko) * 2009-05-27 2010-07-20 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 기포해소를 통한 소음저감형 온수매트용 소형 온수 보일러
KR100970904B1 (ko) * 2009-05-27 2010-07-20 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 성능이 향상된 온수 보일러
CN102251979A (zh) * 2011-07-05 2011-11-23 北京中科科仪技术发展有限责任公司 一种磁悬浮分子泵失稳恢复控制方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010002117A3 (ko) * 2008-07-01 2010-03-04 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 조립성이 향상된 임펠러 어셈블리 및 이를 구비한 온수 보일러
KR100944543B1 (ko) * 2008-07-31 2010-03-03 주식회사 중원 에스엠이티 마그네트 펌프용 커플러
KR100943726B1 (ko) * 2008-09-08 2010-02-23 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 조립성이 향상된 임펠러 어셈블리를 구비한 온수 보일러
KR100970903B1 (ko) * 2009-05-27 2010-07-16 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 기포로 인한 성능 저하 문제를 해결하고 상품성을 높인 온수 보일러
KR100970905B1 (ko) * 2009-05-27 2010-07-20 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 기포해소를 통한 소음저감형 온수매트용 소형 온수 보일러
KR100970904B1 (ko) * 2009-05-27 2010-07-20 텐진 대화 일렉트릭 머신너리 컴퍼니 리미티드 성능이 향상된 온수 보일러
CN102251979A (zh) * 2011-07-05 2011-11-23 北京中科科仪技术发展有限责任公司 一种磁悬浮分子泵失稳恢复控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4722661A (en) Magnetic-drive centrifugal pump
US5580216A (en) Magnetic pump
US7183683B2 (en) Inner magnet of a magnetic coupling
US4678409A (en) Multiple magnetic pump system
US4806080A (en) Pump with shaftless impeller
EP0240674B1 (en) Pump
US6198189B1 (en) Motor-driven device having improved water-proofness
US10415566B2 (en) Gear pump
EP0042402A1 (en) Pump having magnetic drive
US6335581B1 (en) Electric motor intended for use in an aggressive medium
KR930021955A (ko) 전주류형 펌프
US20120177511A1 (en) Modular Pump Rotor Assemblies
JPH07238896A (ja) マグネットポンプ
US9920764B2 (en) Pump devices
JP2544825B2 (ja) マグネツトポンプ
US5957677A (en) Rotary lobe pump with magnetic rotor retention system
JP3105181B2 (ja) マグネットカップリングの耐食性インナーマグネット
JPS62284995A (ja) マグネツトポンプ
JPS6346716Y2 (ja)
JPH07279884A (ja) 電磁駆動式ポンプ
JP2001522434A (ja) 燃料のための搬送装置
JP2630773B2 (ja) スクリュー遠心ポンプ
JP2654910B2 (ja) マグネット駆動ポンプ
KR102570042B1 (ko) 마그네틱 펌프
CN211930431U (zh) 一种防腐蚀传动电机