JP2010530039A - 遠心ポンプ用の2ピースの軸受ハウジング - Google Patents

遠心ポンプ用の2ピースの軸受ハウジング Download PDF

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Abstract

【課題】
【解決手段】軸受又はシールを取り囲み又は封込め且つ/又はポンプの軸受及びシールに対して潤滑剤又は冷却剤を提供する多数の室を必要とし又は有する遠心ポンプにて使用される2ピースの軸受ハウジングが提供され、該2ピースのハウジングは、2ピースを異なる材料にて製造することができること、鋳造過程にて実現される不精密に起因するスクラップ鋳造物の減少、及びハウジング内の潤滑剤室を監視するためのハウジング内の改良された構造体を含む、幾つかの改良を提供する。
【選択図】図4

Description

関連出願の相互参照
本出願は2007年5月4日付けにて出願された、仮特許出願第60/927,594号に対する優先権を主張する非仮特許出願である。
本発明は、全体として、遠心ポンプに関し、特に、遠心ポンプにて使用される2ピースの軸受ハウジングに関する。
遠心ポンプは、全体として、流体材料を処理するため回転するよう内部にインペラが配置されたポンプケーシングを備えている。駆動軸と接続されたインペラは、駆動軸、玉軸受、シール、メカニカル軸シール及び色々な関係した部品を更に備える回転組立体の一部である。回転組立体は、修理又は交換のため回転組立体を除去し易くする態様にてポンプケーシングにボルト止めされている。更に、駆動軸と、少なくとも一組みの軸受と、駆動軸を支持し且つ隔離する関係したシールとを収容するため軸受ハウジングが提供される。
軸受ハウジングは、軸受油室と、メカニカルシール油室とを含む2つの室から成るものとすることができる。軸受油室は、駆動軸に対する軸受を収容し且つ、軸受に対する潤滑流体が別個に設けられている。メカニカルシール油室は、典型的に、軸受油室から隔離され且つ、インペラの回りにてリップシール及びメカニカル軸シールを潤滑するため別個の潤滑剤源が設けられている。
仮特許出願第60/927,594号明細書
従来の遠心ポンプの軸受ハウジングは、1ピースの鋳造物にて出来ている。特定型式の軸受ハウジングにおいて、1ピースの軸受ハウジングの鋳造は、別個の軸受油室及びメカニカルシールの油室が存在することで複雑化する。すなわち、2つの別個の油室に相当する2つの砂中子が形成される。次に、2つの砂中子は外側ハウジングに相応する大きい鋳型内に配置される。次に、溶融金属を鋳型内に及び2つの砂中子の回りに注入し、軸受ハウジングの鋳造物を製造する。
1ピースの軸受ハウジングの製造は、別個の油室を提供するよう2つの砂中子を正確に配置することにより困難となる。更に、溶融金属が鋳型の内壁内に流れて2つの室を分離する壁を形成するようにすることは困難である。
更に、鋳造過程の間、中子材料が溶融金属と接触したとき、砂中子材料によってガスが発生される。ガスが鋳型から逃げることができない場合、ガスは、鋳造物の壁に望ましくない孔を形成する。
孔は、必然的に、鋳造物の壁からの漏洩箇所となり且つ、孔が鋳造物の壁内に又は壁を通って伸びる程度は軽微な程度から顕著な程度となる。孔が存在する結果、特定数の鋳造物は使用不能となり、このことは、鋳造過程のスクラップ量を増すことになる。全体の鋳造コストは、不良な鋳造物を通して発生するスクラップの量に比例して増大する。
現在の軸受ハウジングの1ピースの鋳造物に関して遭遇する更なる問題点は、中子砂を鋳造物から引き出すことが困難なことである。更に、鋳造物の切削に起因する金属切片は、鋳造物から除去することが難しい。その結果、残留砂及び金属切片がない鋳造物を製造しようとして極めて長時間及びコストが費やされ、また、金属切片及び砂を鋳造物から除去しようとする試みは完全には成功しないであろう。
従来の1ピースの軸受ハウジングに関する追加的なコスト上の問題点は、ポンプをより腐食性のスラリーの処理のため使用しようとするとき、軸受ハウジングは、例えば、ステンレススチールにて製造されることである。従って、軸受ハウジングは、鋳造過程のため、完全にステンレススチールにて出来たものでなければならない。単一物、すなわち1ピースの鋳造物であるため、軸受ハウジングの部品を別のより低コストの金属材料から製造することによるコスト上の利点は、得られない。
このように、より容易に且つより精密に製造される軸受ハウジングを提供し、これによりスクラップ鋳造物の量を少なくすることができることは、遠心ポンプの業界にて有益なことであろう。また、異なる金属にて形成し、鋳造過程の全体的なコストを減少させ、これによりポンプ及びその他の作動コストを少なくすることのできる軸受ハウジングを提供することも有益であろう。
本発明に従って、遠心ポンプ用の軸受ハウジングは2ピースにて形成され、このことは、軸受ハウジングの製造を容易にし、軸受ハウジングを別型式の材料にて製造することを可能にし、スクラップ鋳造物の量を顕著に減少させることになる。本発明の軸受ハウジングは、自給水ポンプを使用することについて説明するが、本発明の2ピースの軸受ハウジングは多数の軸受ハウジング及び(又は)多数の潤滑剤室の配置を有するその他の型式の遠心ポンプにて使用し得るようにすることも可能である。
本発明の2ピースの軸受ハウジングは、これらの型式の軸受ハウジングを特に対象とするものであり、この場合、ハウジングの1つの部分は、ポンプの駆動軸の軸受を保持し、また、その部分は、軸受ハウジングの別の部分内に配置され、収容され又は入れ子式に収納されている。
本発明の2ピースの軸受ハウジングは、2室ハウジングを有する既知の軸受ハウジングに優る、多数の且つ顕著な有利な効果を提供する。主として、本発明は、2つのハウジングを別個に成形することを可能にし、これにより1ピースの軸受ハウジングの鋳造物を形成するときに必要とされる正確な精密さを不要にすることができる。2ピースの構造は、鋳造過程中、鋳造物の望ましくない孔となる、ガスが形成するハウジングの小さい開口部を更に解消する。その結果、スクラップ鋳造物の量は減少する。
2ピースの構造は、2ピースを異なる材料にて形成し、これにより軸受ハウジング及びポンプの全体コストを減少させることを更に可能にする。2ピースの構造は、また、修理及び交換も容易にし、これに伴い、軸受ハウジングの全体を交換することを必要とせずに、ハウジングの1ピースのみを修理し又は交換すればよいから、修理コストの節減となる。
本発明の2ピースの軸受ハウジングの形態は、従来の1ピースの軸受ハウジングに優る改良された特徴を提供する。具体的には、潤滑剤室を視るため軸受ハウジングに設けられた窓は、ポンプの中心線から離れた位置に配置され、これによりポンプの作動中、室内の潤滑剤の液位を視認し易くする。雰囲気室ポートは、また、軸受ハウジングからの漏洩の臨界的な監視を容易にするようポンプの中心線から離れた位置に設けられることも有益である。
本発明の軸受ハウジングの上記及びその他の有利な点は、更に以下に記載した一例としての説明及び図面から明らかになるであろう。
本発明を実施する現在の最良のモードを示す図面において、
1ピースの構造をした先行技術の軸受ハウジングを示し且つ、そのポンプ内の位置を示す従来の自給水ポンプの断面図である。 図1に示したポンプの回転組立体の断面図である。 回転要素無しにて図2に示し且つ、図2に示した図から向きを180°回転させた状態にて示した従来の1ピースの軸受ハウジングの断面図である。 ポンプの回転組立体の一部として本発明による2ピースの軸受ハウジングを示す断面図である。 回転要素無しにて図4に示し且つ、図4に示した図から向きを180°回転させた状態にて示した2ピースの軸受ハウジングの断面図である。 1ピースの軸受ハウジングを有し且つ、軸受室内への視認窓の従来の配置状態を示す、図1に示したポンプの外端の図である。 2ピースの軸受ハウジングを有し且つ、本発明における軸受室内への視認窓の配置状態を示す、ポンプの外端の図である。 線8−8に沿った、図3に示した1ピースの軸受ハウジングの部分断面図である。 雰囲気室排液ポートの配置状態を示す、従来の1ピースの軸受ハウジングの断面斜視図である。 線A−Aに沿った、図9Bに示した本発明における2ピースの軸受ハウジングの部分断面図である。 雰囲気室排液ポートの配置及び配置位置を示す、本発明の軸受ハウジングの断面斜視図である。 外側ハウジングと、軸受ハウジングの断面図との双方を示す、図8Bに示した1ピースの軸受ハウジングの斜視図である。 本発明による2ピースの軸受ハウジングの分解図である。
図1には、軸受ハウジング12の1ピースの構造を有する先行技術の自給水式の遠心ポンプ10が示されている。自給水型式のポンプは、当該技術にて周知であり、このため、本発明を理解するため、ポンプの全体構造の説明は不要である。軸受ハウジング12は、インペラ16と、インペラ16がインペラボルト20により装着される駆動軸18と、メカニカル軸シール24と、リップシール26と、前側軸受28と、後側軸受30と、軸受キャップ32とを更に備える回転組立体14の一部分である。
インペラ16は、ポンプ鋳造物38に対して固定され且つ、メカニカル軸シール24のハウジングを提供するシール板36によって軸受ハウジング12から隔てられている。メカニカル軸シール24は、駆動軸18を取り囲み、ポンプ室39から流体が漏洩しないよう密封する。リップシール26は、駆動軸18を取り囲み且つ、軸受ハウジング12内に収容された軸受28、30を密封する。軸受キャップ32及びリップシール34は、また、外端にて駆動軸18を取り囲み軸受ハウジング12を密封する。
従来の1ピースの軸受ハウジング12の回転組立体14及びシール板36のみを示す図2にてより具体的に見ることができるように、軸受ハウジング12は、メカニカルシール油室40と、該メカニカルシール油室40内に収容され又は入れ子式に収納された軸受油室42を備える構造とされている。メカニカルシール油室40は、メカニカルシール24を冷却し且つ潤滑する流体潤滑剤を保持している。潤滑剤は、入口44を通ってメカニカルシール油室40内に導入される。
軸受油室42は、また、前側軸受28及び後側軸受30を冷却し且つ潤滑する流体潤滑剤も保持している。軸受油室42は、入口46から充填される。
図3には、先行技術の1ピースの軸受ハウジング12の構造が更に示されている。認識し得るように、図3に示した先行技術の軸受ハウジング12は、図1、図2に示したものと同一の軸受ハウジング12に対して参照したとき、駆動軸18に相応する回転組立体14の中心軸線に対して垂直な軸線の回りにて180°回転する。図3には、従来の軸受ハウジング12自体の構造が一層良く示され、また、1ピースの軸受ハウジング12を形成する複雑さが一層良く示されている。形態及び製造の複雑さを示すよう、1ピースの軸受ハウジング12の斜視図である図8A、図8B及び図10を参照することもできる。
1ピースの軸受ハウジング12を形成するとき、メカニカルシール油室及び軸受油室に相応する中実な砂中子が使用される。該中実な砂中子は、既知の鋳造技術に従って、軸受ハウジング12の外形状に相応する形態を有する鋳型内に配置される。中実な砂中子は、鋳造物を形成する鋳型内に正確に配置しなければならない。次に、溶融金属が鋳型内に且つ中実な砂中子の回りに注入されて、図3及び図8Bに示すように、軸受ハウジング12の鋳造物を製造する。
金属が冷却し、鋳造物が凝固し又は硬化したとき、砂中子は除去され、鋳造物は、更に切削されてメカニカルシール油室40及び軸受油室42内への入口44、46をそれぞれ提供する。また、雰囲気障壁排液ポート48及び排液ボア50も切削されてリップシール26(図1)及びメカニカルシール油室40に対する排液導管をそれぞれ形成する。
上述したように、従来の1ピースの軸受ハウジングを鋳造する鋳型内に砂中子を配置することは、極めて複雑であり且つ、精密さを要求し、その精密さが実現されなかったならば、鋳造過程に誤差を生じさせる可能性がある。更に、溶融金属が砂中子と接触するとき、ガスが発生することが多く、その結果、鋳造物に孔が形成されることになる。孔は軸受ハウジングの鋳造物の壁に破損部を形成し、そのため、軸受ハウジングは破断する可能性がある。このため、過度に多くの又は極めて重大な孔を有する鋳造物は、削り取らなければならず、このため、鋳造物の製造コストは著しく増大することになる。
このため、本発明は、従来の1ピースの軸受ハウジングを製造するときに遭遇し、これまで解決し得なかった多数の問題点を解決することを目的とする。本発明に従って、これらの問題点を解決し且つ、ポンプの鋳造技術にて顕著な改良をもたらす2ピースの軸受ハウジング60が提供される。本発明の2ピースの軸受ハウジングは、図4、図5、図9A、図9B及び図11に示されている。先行技術の1ピースの軸受ハウジング12にて既知の構造体に共通する本発明の構造体は、比較及び説明の明確化のため、同一の参照番号にて表示されている。
図4及び図5に示したように(図5の図は、図4の図を180°回転させてあることが分かる)、本発明の軸受ハウジング60は、既知の砂中子の鋳造過程を介して別個に形成された、2つのピース、すなわち外側ハウジング62と、内側ハウジング64とを備えている。外側ハウジング62は、ポンプ10のシール板36と接触するよう配置された第一の端部68と、内側ハウジング64が確実に配置される第二の端部70とを有している。
外側ハウジング62は、任意の適正な手段により内側ハウジング64に固定される。図5に示したように、外側ハウジング62は、外側ハウジング62の第二の端部70を通して配置されたボルトにより内側ハウジング64に固定することができる。Oリング72は、外側ハウジング62と内側ハウジング64との間に配置されて2つのハウジングを密封する。内側ハウジング64は、シール板36に隣接して配置し得るよう向き決めされた第一の端部74と、軸受キャップ32が装着される第二の端部76とを有している。
内側ハウジング64は、2つのピースが接続されたとき、外側ハウジング62内に入れ子式に収納される。外側ハウジング62及び内側ハウジング64は、同心状に配置され、また、軸受ハウジング60を通してポンプの駆動軸の配置に相応する共通の中心線を有している。本発明の外側ハウジング62は、外側ハウジング62と内側ハウジング64との間に空間を形成することにより、軸受ハウジング60のメカニカルシール油室80を提供する。内側ハウジング64は、軸受ハウジング60の軸受油室82を規定する内部空間を提供する。
本発明の軸受ハウジング60の外側ハウジング62及び内側ハウジング64を別個に形成することは、従来の1ピースの軸受ハウジングの構造にとってこれまで知られず又は利用できなかった幾つかの有利な効果を提供する。本発明の2ピースの鋳造物は、依然として砂中子の鋳造過程を含むが、外側ハウジング62及び内側ハウジング64に相応する2つの砂中子は、鋳造のため鋳型内に配置することが容易であり、また、より精密な鋳造物を実現することができる。
更に、本発明の別個の中子は、すべての内壁(すなわち、1ピースの鋳造物内の軸受油室の壁)を解消し、これにより望ましくない孔を生じる、1ピースの構造体にて生じた捕集したガスを解放するとき遭遇する困難性を解消する。その結果、スクラップ鋳造物の数は著しく少なくなる。この有利な効果は、顕著なコストの節減のみならず、廃棄した鋳造物を処分しなくてよい点にて環境的に有利な効果も提供する。
2ピースのハウジング60のそれぞれの油室80、82は、従来の1ピースのハウジングと比較して油容量を15から25%までも増大させる設計とされている。その結果、軸受に対してより大きい冷却能力が提供され、また、メカニカル軸シールに対してより大きい潤滑能力が提供される。増大した潤滑能力は、有効な潤滑が増大するため、シールが破損し始める場合、ポンプが作動可能な期間を延ばすことができる。
本発明の鋳造過程にて開口部がより大きく且つ中子を簡略化することは、砂をより容易に且つ完全に除去することを可能にし、また、切削後、金属切片はより容易に除去される。その結果、切削及び製造コストは減少する。
本発明にて更に大きい有利な効果は、外側ハウジング62の鋳造物及び内側ハウジング64の鋳造物を異なる材料にて製造する能力の点にて実現される。すなわち、特に腐食性で且つ(又は)減摩性の流体がポンプにより処理されるとき、腐食性で且つ(又は)減摩性の流体と接触するポンプの部分は、腐食又は摩耗に抵抗するよう特に選んだ材料で出来たものでなければならない。かかる材料は、典型的に、ステンレススチール及び高クロム合金を含むであろう。かかる材料は、それらの改良された性質のため、著しく高価である。
メカニカルシール油室80は、圧送される流体と接触する可能性があり、このため、外側ハウジング62を腐食性で且つ(又は)減摩性の流体との接触に耐えることのできる適正な材料にて鋳造することが必要であり又は望まれる。しかし、軸受油室82は、圧送される流体と接触せず、このため、内側ハウジング64は、より安価な材料にて出来たものでよい。このため外側ハウジング62を内側ハウジング64と別個に鋳造することができることは、ポンプの製造コストを減少させる鋳造上の選択を可能にする。
本発明の更なる有利な効果は、外側ハウジング62をより耐食性の材料にて形成することの可能性を考えるとき、本発明の外側ハウジング62は実質的に、非摩耗性の構成要素とされる点にて実現される。本発明にて軸受が破損したとき、従来の1ピースの構造体にて既知であるように、軸受ハウジング12の全体を交換するのではなく、より安価な内側ハウジング64のみを交換すればよい。この有利な効果は、コスト節減のみならず、環境上の利点をも提供する。
更に別の顕著な有利な効果は、例えば、通常の作動の過程中、減摩及び(又は)腐食のため、外側ハウジング62が損傷した場合、外側ハウジングのみを交換できる点にて実現される。外側ハウジング62は、内側軸受ハウジング64を交換することを必要とせずに、交換することができ、また、より重要なことは、外側ハウジングは、軸受の完全性に影響を与えることなく交換することができる。
また、外側ハウジング62を硬い材料にて形成することが可能であることは、軸受ハウジング60に対する厳しい切削許容公差(+/−0.0003)が硬い材料の外側ハウジング62ではなくて、内側ハウジング64又は軸受油室82にて要求される点にて、顕著に有利な効果を有する。厳しい許容公差にてボアを切削することは、内側ハウジング64を典型的に製造する鋳鉄のような柔らかい材料よりも硬い材料にて遥かにより困難である。
本発明の2ピースの軸受ハウジング60は、図6及び図7に最も良く示したように、従来の1ピースの軸受ハウジング12に対する更なる改良である有益な設計上の要素を含む。図6から、従来の軸受ハウジング12には、ポンプが作動している間、メカニカルシール油室40内の潤滑剤の液位を視認する窓86と、軸受油室42内の潤滑剤の液位を視認する窓88とが設けられている。従来の軸受ハウジングの窓86、88の双方は、ポンプの軸線に沿って向き決めされ且つ、駆動軸の継手に面しており、このことは、駆動軸が回転し且つポンプが作動しているとき、それぞれの室40、42を視認することを極めて困難にする。
図7に示したように、2ピースの軸受ハウジング60は、内側ハウジング64を通して配置された窓を備える構造とされ、外側ハウジング62のメカニカルシール油室80を視認することを可能にする。窓92は、また、内側ハウジング64を通して形成され、内側ハウジング64内の軸受油室82を視認することを可能にする。窓90、92の双方は、軸受ハウジング60の中心線に対して角度を成して、このため、ポンプの軸線に対して角度を成して配置されており、このことは、ポンプが作動しているとき、それぞれの油室を容易に視認することを可能にする。
図8A及び図8Bには、既知の1ピースの軸受ハウジングの更なる不利益な点が示されている。具体的には、図8Aには、従来の1ピースの軸受ハウジング12にて、雰囲気障壁排液ポート48は、ポンプの中心線に対して平行に且つ駆動軸の位置の下方に配置されており、このことはポンプを組み立て且つ作動させたとき、図8Bに示した排液ポート48の外側開口部49を視認することを極めて困難にする。雰囲気障壁排液ポート48からの流体の漏洩は、軸受の破損を示するものであり、ポンプの適正な監視及び保守にとって極めて重要である。
図9A及び図9Bには、本発明において、雰囲気障壁排液ポート94は、軸受ハウジング60の中心線に対してある角度にて配置され且つ、駆動軸から離れるように向けられ、このため、外側開口部96は、駆動軸の側方向に又は駆動軸の側部に配置されて、組み立て且つ作動させたとき、排液ポートがポンプの側部から容易に視認できるようにする。雰囲気障壁排液ポート94からの漏洩を容易に観察し得ることは、内部ハウジング64又は軸受ハウジングを適時に交換することを可能にする。また、排液ポートを角度を付けて配置することは、ポンプ内の潤滑剤を交換するとき、容易にアクセスすることを促進する。
本発明の2ピースの軸受ハウジングは、軸受及び(又は)シールに対して提供されるハウジングは、潤滑剤を保持する室として作用することもできる多数の室を採用することができ、また、ハウジングは、従来通り単一の形態にて出来ている、シール及び(又は)軸受の必要条件を有する遠心ポンプにて使用するのに特に適している。2ピースの軸受ハウジングは、任意の数のポンプの用途に対して適応可能である。従って、ハウジングの形態の具体的な詳細に本明細書にて言及したことは、単に一例であり、何らの限定を付すものではない。

Claims (17)

  1. 遠心ポンプ用の軸受ハウジングにおいて、
    遠心ポンプの回転要素を潤滑し又は冷却する流体を保持する構造とされた室を形成する外側ハウジングと、
    前記外側ハウジング内に配置する寸法とされた別個に形成した内側ハウジングであって、遠心ポンプの回転組立体の要素を潤滑し又は冷却する流体を保持する室を形成する前記内側ハウジングと、を備え、前記内側ハウジングは、前記外側ハウジングに脱着可能に固着する手段を有する、遠心ポンプ用の軸受ハウジング。
  2. 請求項1に記載の軸受ハウジングにおいて、前記外側ハウジング内の前記室を観察し得るように前記内側ハウジングに形成された窓であって、軸受ハウジングの規定された中心線に対して角度を成して向き決めされた前記窓を更に備える、軸受ハウジング。
  3. 請求項2に記載の軸受ハウジングにおいて、内側ハウジング内の室を観察し得るように前記内側ハウジングに形成された窓であって、前記軸受ハウジングの規定された中心線に対して角度を成して向き決めされた前記窓を更に備える、軸受ハウジング。
  4. 請求項1に記載の軸受ハウジングにおいて、内側ハウジング内の室を観察し得るように前記内側ハウジングに形成された窓であって、前記軸受ハウジングの規定された中心線に対して角度を成して向き決めされた前記窓を更に備える、軸受ハウジング。
  5. 請求項1に記載の軸受ハウジングにおいて、前記内側ハウジングの内側から前記軸受ハウジングの外側まで伸びる雰囲気障壁排液ポートであって、前記軸受ハウジングの規定された中心線に対してある角度にて配置され且つ、前記規定された中心線に対して側方に配置された前記雰囲気障壁排液ポートを更に備える、軸受ハウジング。
  6. 請求項1に記載の軸受ハウジングにおいて、前記外側ハウジングは、前記内側ハウジングが形成される材料と異なる材料にて出来ている、軸受ハウジング。
  7. 請求項6に記載の軸受ハウジングにおいて、前記外側ハウジングは、前記内側ハウジングが形成される材料よりも高硬度を有する材料にて出来ている、軸受ハウジング。
  8. ポンプケーシングと、ポンプケーシング内に配置されたインペラを支持し得るように前記ポンプケーシングを通して配置された駆動軸とを有する遠心ポンプにおいて、遠心ポンプの回転要素を潤滑し又は冷却する流体を保持する構造とされた室を形成する外側ハウジングと、前記外側ハウジング内に配置する寸法とされた別個に形成した内側ハウジングであって、遠心ポンプの回転組立体の要素を潤滑し又は冷却する流体を保持する室を形成する前記内側ハウジングと、を有する軸受ハウジングを更に備え、前記内側ハウジングは、前記外側ハウジングに脱着可能に固着する手段を有する、遠心ポンプ。
  9. 請求項8に記載の遠心ポンプにおいて、前記軸受ハウジング内に配置された室を観察し得るように該軸受ハウジングを通して配置された少なくとも1つの窓であって、前記駆動軸の軸線により規定された前記遠心ポンプの中心線に対して角度を成して向き決めされた前記少なくとも1つの窓を更に備える、遠心ポンプ。
  10. 請求項8に記載の遠心ポンプにおいて、前記内側ハウジングの内側から前記軸受ハウジングの外側まで伸びる雰囲気障壁排液ポートであって、前記駆動軸の軸線により規定された前記遠心ポンプの中心線に対してある角度にて配置された前記雰囲気障壁排液ポートを更に備える、遠心ポンプ。
  11. 請求項8に記載の遠心ポンプにおいて、前記外側ハウジング内の前記室は、メカニカルシール油室である、遠心ポンプ。
  12. 請求項8に記載の遠心ポンプにおいて、前記内側ハウジング内の前記室は、軸受油室である、遠心ポンプ。
  13. 請求項8に記載の遠心ポンプにおいて、前記軸受ハウジングの前記外側ハウジングは、前記内側ハウジングが形成される材料と異なる材料にて出来ている、遠心ポンプ。
  14. 請求項13に記載の遠心ポンプにおいて、前記外側ハウジングは、前記内側ハウジングが形成される材料よりも高硬度を有する材料にて出来ている、遠心ポンプ。
  15. ポンプケーシングと、ポンプケーシング内に配置されたインペラを支持し得るように前記ポンプケーシングを通して配置された駆動軸とを有する遠心ポンプにおいて、外側ハウジングと内側ハウジングとを有する軸受ハウジングを更に備え、前記外側ハウジング及び前記内側ハウジングは、鋳造過程により別個に形成され且つ、固着手段により互いに脱着可能に接続される、遠心ポンプ。
  16. 請求項15に記載の遠心ポンプにおいて、前記外側ハウジングは、前記内側ハウジングを鋳造するため使用される材料と異なる材料を使用した鋳造される、遠心ポンプ。
  17. 請求項16に記載の遠心ポンプにおいて、前記外側ハウジングは、前記内側ハウジングを鋳造する材料よりも高硬度を有する材料にて鋳造される、遠心ポンプ。
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