JP5492866B2 - 軸封装置及びポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軸封を行う軸封装置、及び、この軸封装置を用いた流体を増圧するポンプ装置に関する。
現在、工作機械の加工部位や、製造装置の発熱部等の冷却部を冷却する冷却装置が知られている。このような冷却装置は、クーラント液を貯留させる貯留タンクと、貯留タンクのクーラント液を増圧するポンプ装置と、冷却部にクーラント液を供給するとともに、供給されたクーラント液を貯留タンクに戻す配管と、を備え、クーラント液を循環させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
冷却装置に用いられるポンプ装置は、回転軸を有し、貯留タンクの外部に固定されたモータ部と、回転軸に固定されたインペラがポンプケーシング内に収納され、ポンプケーシングが貯留タンクの内部に配置されたポンプ部と、を備えている。
例えば、工作機械の加工部位を冷却する冷却装置においては、加工部位に供給したクーラント液によって、加工部位を冷却する。当該冷却に用いたクーラント液は、貯留タンクに配管を介して再度供給される。
再度貯留タンクに戻ったクーラント液には、切り粉等の異物が混入する。ポンプ装置には、例えばストレーナが設けられるが、当該ストレーナではクーラント液中の異物の全てを遮断することができない。このため、当該ストレーナを通過した異物がメカニカルシール等の軸封装置のシール面に侵入することで、軸封装置の機能低下の原因となる虞がある。また、当該異物が、回転軸及びポンプケーシング間の隙間に介在すると、回転軸及びポンプケーシング間の噛付きの原因となる虞もある。
そこで、ポンプ装置は、軸封装置の機能低下を防止するために、軸封装置として、メカニカルシールを用いず、回転軸、及び、回転軸が挿通するポンプケーシングの挿通孔の間に所定の隙間を設ける構成である、所謂メカニカルシールレス構造を用いる技術も知られている。このメカニカルシールレス構造の軸封装置は、回転軸とポンプケーシングとの隙間の流路面積を小さくすることで、所謂隙間流れ(縮流)とし、当該隙間からの漏れ量を少量とする構造である。例えば、このような軸封装置を用いたポンプ装置は、ポンプケーシングを貯留タンク内に配置することで、当該隙間から漏れたクーラント液を貯留タンク内に戻し、隙間の漏れを許容する構成である。
特開2009−299596号公報
上述した冷却装置に用いられるポンプ装置では、以下の問題があった。即ち、上述したポンプ装置は、メカニカルシールを用いず、回転軸及びポンプケーシング間の隙間を軸封装置として軸封を行う構成である。しかし、上述したように、当該隙間に異物が侵入すると、噛付きの原因となる。
また、増圧されたクーラント液が当該隙間を通過する際に、回転軸及びポンプケーシングとクーラント液中の異物とが衝突し、回転軸及びポンプケーシングが摩耗する虞がある。
回転軸及びポンプケーシングが摩耗すると、隙間による流路面積が増加することから、当該隙間の漏れ量が増加し、漏れたクーラント液が貯留タンク内ではなく、回転軸の延設方向、即ち上方へと飛散することとなり、結果、ポンプ部を貯留タンクに固定するフランジ部や、回転軸の隙間から、貯留タンク外へと漏洩する虞もある。また、隙間からの漏れ量が増加すると、ポンプ装置のポンプ効率が低下する、という問題がある。
また、冷却装置の運転に伴ってクーラント液の量が減少し、クーラント液が供給されない状態でポンプ装置の運転が継続すると、回転軸及びポンプケーシング間が無潤滑状態となり、回転軸とポンプケーシングとの焼きつきが発生する虞がある。
これらの噛付き、摩耗又は焼きつき等の異常が発生した場合には、ポンプの機能を維持するために、異常が発生した回転軸又はポンプ部を交換する必要がある。しかし、回転軸及びポンプ部の交換コストが高く、ポンプ装置の維持コストが高い、という問題がある。これらのことから、維持コストの低減可能な軸封装置及びポンプ装置が求められている。
そこで本発明は、維持コストを低減可能な軸封装置及びポンプ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の軸封装置、及び、ポンプ装置は、次のように構成されている。
本発明の一態様として、ポンプ装置のインペラを収納するケーシング及び前記インペラを回転させる回転軸間の軸封を行う軸封装置は、前記ケーシングに固定される円筒状の固定体と、前記回転軸に固定され、前記固定体の内周面と所定の隙間を形成する円筒状の回転体と、前記回転軸に固定され、前記回転体の端面と当接するとともに、その内面が前記固定体の端面及び外面と、前記固定体及び前記回転体により形成される前記所定の隙間よりも流路面積が広い隙間を形成する鍔部と、を備える。
本発明の一態様として、ポンプ装置は、インペラ、及び、前記インペラを収納するポンプ室を形成するケーシングを有するポンプ部と、前記ケーシング内に挿通され、前記インペラを回転させる回転軸と、前記ケーシングに固定されるとともに、その端部が前記ケーシングから突出する円筒状の固定体、及び、前記回転軸に固定され、前記固定体の内周面と所定の隙間を形成する円筒状の回転体を具備する軸封装置と、前記回転軸に固定され、前記回転体の端面と当接するとともに、その内面が前記ケーシングから突出した前記固定体の端面及び外面と、前記固定体及び前記回転体により形成される前記所定の隙間よりも流路面積が広い隙間を形成する鍔部と、を備える。
本発明によれば、維持コストを低減可能な軸封装置及びポンプ装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係るポンプ装置を用いた冷却装置の構成を模式的に示す断面図。 同ポンプ装置の要部構成を拡大して示す断面図。 同ポンプ装置の要部構成を示す断面図。
以下、本発明の一実施の形態に係る冷却装置100に用いられるポンプ装置1の構成を、図1乃至図3を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係るポンプ装置1を用いた冷却装置100の構成を示す断面図、図2はポンプ装置1の要部構成、特にポンプ部12、軸封装置13及び回転軸16の構成を拡大して示す断面図、図3はポンプ装置1の要部構成、特に、図2中III−III断面で、ポンプ部12、軸封装置13及び回転軸16の構成を示す断面図である。なお、図1乃至図3中、矢印Fは、流体の流れを示す。
冷却装置100は、流体、例えば、NC旋盤やフライス盤等の工作機械に用いられる切削液等のクーラント液を、切削材料及び切削工具等の加工部位に供給する、所謂クーラントシステムである。図1に示すように、冷却装置100は、クーラント液Wを貯留する貯留タンク101と、貯留タンク101から工作機械への流路、及び、工作機械から貯留タンク101への流路を形成する配管102と、貯留タンク101内のクーラント液Wを増圧するポンプ装置1と、を備えている。
貯留タンク101は、工作機械の近傍に配置される。貯留タンク101は、その内部にクーラント液Wを貯留可能、且つ、ポンプ装置1の一部を配置可能な貯留槽110と、貯留槽110の上部開口を閉塞する天板111と、を備えている。天板111は、後述するポンプケーシング21を挿通可能な開口部112が形成されている。
配管102は、ポンプ装置1に接続された吐出配管114と、貯留槽110に接続された吸込配管115と、を備えている。吐出配管114は、その端部が、工作機械の供給先(冷却部)である加工部位に向かって開口する。吸込配管115は、例えば、その端部が、供給先に吐出された工作機械のクーラント液Wの受け部に接続され、吐出配管114から加工部位に吐出されたクーラント液Wを貯留タンク101内に、引き戻し可能に形成されている。
ポンプ装置1は、モータ部11と、ポンプ部12と、軸封装置13と、を備えている。ポンプ装置1は、貯留タンク101に固定されるとともに、モータ部11が貯留タンク101の外部に、ポンプ部12の一部が貯留タンク101の内部に配置される。
モータ部11は、モータケーシング15と、モータケーシング15内部に設けられた固定子及び回転子と、回転子に固定された回転軸16と、を備えている。モータ部11は、外部電源等に電源ケーブルを介して接続され、回転軸16を回転可能に形成されている。
回転軸16は、モータ部11から延出して設けられる。回転軸16は、ポンプ部12内に挿通される。回転軸16は、軸封装置13の一部、及び、ポンプ部12の一部を固定可能なキー17を有する。回転軸16は、その端部が、ボルト等の締結部材Bを螺合可能に形成されている。
回転軸16は、その中途部、具体的には、軸封装置13の一部が固定される部位からポンプ部12内に挿入される部位が、他部よりも小径に形成されている。回転軸16は、モータ部11から突出し、その中途部から小径となるとともに、当該中途部に、軸心方向と交差する端面が形成された段差部18を有している。
回転軸16は、例えば、ベアリンク等の軸受19を介して、モータケーシング15又はポンプ部12に軸支される。なお、本実施形態においては、図1に示すように、回転軸16がポンプ部12の後述するポンプケーシング21に、軸受19を介して軸支される構成を用いて説明する。また、回転軸16は、キー17よりもモータ部11側であって、且つ、軸受19よりもポンプ側の一部に、その外周面よりも径方向に突出する円盤状の水切り20を備えている。
ポンプ部12は、単段又は複数段に形成されており、本実施形態においては、2段のポンプを用いて説明する。ポンプ部12は、ポンプケーシング21と、複数のインペラ22と、ストレーナ23と、カバー24と、を備えている。ポンプ部12は、ポンプケーシング21の一部、インペラ22、ストレーナ23及びカバー24が貯留タンク101内に配置される。また、ポンプ部12は、少なくとも一段目のインペラ22が貯留タンク101内のクーラント液W内に配置される。
ポンプケーシング21は、その内部に複数のインペラ22を収納する渦巻ケーシングである。具体的には、ポンプケーシング21は、複数のインペラ22を収納するケーシング部(ケーシング)26と、貯留タンク101の開口部112に固定されるフランジ部27と、ケーシング部26及びフランジ部27を連結するとともに、モータケーシング15と接続する連結部28と、を備えている。
ケーシング部26は、その内部に、複数のインペラ22を収納する複数のポンプ室31が形成される。これらポンプ室31は、複数のベーン32により形成された流路により連続する。ケーシング部26は、その下面に形成された吸込口33と、その上面から上方に延出して形成された吐出流路部34と、その上面に形成された軸封装置13及び回転軸16を挿通する挿通孔35と、を備えている。ケーシング部26は、挿通孔35の周囲に軸封装置13の一部を、締結部材Bにより固定可能に形成されている。
吸込口33は、一段目のポンプ室31と連続する。吐出流路部34は、二段目(最下流)のポンプ室31に接続される。吐出流路部34は、ケーシング部26の外周側の上面に配置されるとともに、フランジ部27よりも上方、換言すると貯留タンク101の外部へと延設される。吐出流路部34は、その端部に配管102と接続可能な吐出口36が形成されている。
フランジ部27は、その中心に回転軸16を挿通可能な円盤状であって、天板111の開口部112の周囲の面と当接可能、且つ、天板111に締結部材Bにより固定可能に形成されている。
連結部28は、ケーシング部26とフランジ部27とを連結する第1連結部41と、フランジ部27の上方に設けられ、モータケーシング15が固定される第2連結部42と、を備えている。第1連結部41は、回転軸16の軸心方向に沿って延設され、ケーシング部26とフランジ部27とを接続可能、且つ、その外部に、カバー24を固定可能に形成されている。
具体的には、第1連結部41は、ケーシング部26の上面及びフランジ部27の下面に一体に成形された方形状の板状部材41a及び吐出流路部34により形成される。第1連結部41は、板状部材41a及び吐出流路部34が、挿通孔35の周囲であって、且つ、当該挿通孔35を中心に略対称位置に配置される。第1連結部41は、挿通孔35から貯留タンク101の内部空間を連続可能に形成されている。
第2連結部42は、フランジ部27の上部に設けられ、その一部に吐出流路部34が配置された円筒状に形成されている。第2連結部42は、モータケーシング15を接続、且つ、支持可能に形成されている。第2連結部42は、その内部に回転軸16を挿通可能、且つ、軸受19を固定可能に形成されている。また、第2連結部42は、軸受19のポンプ部12側に設けられたオイルシール44を備えている。
このような、ケーシング部26、フランジ部27及び連結部28からなるポンプケーシング21は、例えば、複数に分割可能に形成されている。
インペラ22は、回転軸16に複数固定される。インペラ22は、一対のシュラウドと、シュラウド間に配置された複数の羽根と、を備え、下方に位置するシュラウドの中心に吸込孔部が形成されている。このようなインペラ22は、回転することで、吸込孔部から吸込んだクーラント液Wを、一対のシュラウド間からポンプ室31へと移動させる。
ストレーナ23は、ポンプケーシング21に固定され、吸込口33を覆う。ストレーナ23は、貯留タンク101内のクーラント液W中の所定の大きさの異物の通過を防止可能に形成されている。例えば、ストレーナ23は、粒径が5mmの異物を通過可能に、直径が5mmの孔部が複数形成されている。
カバー24は、フランジ部27の下面から下方に向かって延出するとともに、その内周面がケーシング部26と離間する円筒状に形成されている。カバー24は、吐出流路部34及び板状部材41aに、ビス等の締結部材Bを介して固定されている。カバー24は、少なくともケーシング部26の上面から突出する軸封装置13の周囲を覆う。例えば、カバー24は、フランジ部27の下面からケーシング部26の上面と同一まで延出して形成されている。なお、カバー24は、ケーシング部26の上面よりも下方に延出することが好ましい。
軸封装置13は、ケーシング部26の挿通孔35に固定される固定体61と、回転軸16に固定される回転体62と、回転軸16に固定される鍔部63と、を備えている。軸封装置13は、回転軸16及びケーシング部26間の軸封が可能に形成されている。
固定体61は、その内径が、回転体62の外径と所定の隙間を形成する円筒状に形成されている。固定体61は、その一端部に締結部材Bを挿通する孔部が形成されたフランジ65が形成されている。固定体61は、その外径が挿通孔35の内径と略同一径に形成されるとともに、フランジ65がケーシング部26の挿通孔35周囲の内面と当接可能に形成されている。
固定体61は、最上段のポンプ室31側から挿通孔35に挿入、例えば圧入されるとともに、締結部材Bによりフランジ65を介してケーシング部26に固定される。また、固定体61は、その他端部がケーシング部26の上面から突出する。固定体61は、鉄材等の金属材料、例えば炭素鋼又は炭素鋼に焼入れ等の熱処理を施した焼結金属により形成されている。
回転体62は、円筒状に形成されている。回転体62は、その内部にキー溝を有し、キー17により回転軸16の周方向に固定される。また、回転体62は、回転軸16の段差部18に設けられる鍔部63と最上段のインペラ22との間に挟持されることで、回転軸16の軸心方向に固定される。
回転体62は、その外面と固定体61の内面とに所定の隙間を形成可能に、その外径が形成されている。なお、当該所定の隙間は、最下流のポンプ室31からのクーラント液Wの漏れの流路となる。この所定の隙間は、所謂縮流効果が得られる流路面積であればよい。
この所定の隙間は、例えば、直径において0.5mm以下、好ましくは0.05〜0.3mmである。即ち、回転体62の外径は、固定体61の内径と、寸法差が0.5mm以下に形成されている。
回転体62は、ステンレス材により形成されている。また、回転体62は、回転軸16に固定された際に、そのモータ部11側の端面が、固定体61のモータ部11側の端面よりも若干突出して配置される。
鍔部63は、回転軸16の段差部18及び回転体62間に配置され、固定体61及び回転体62の一部を覆う有底円筒状に形成されている。具体的には、鍔部63は、回転軸16を挿通可能、且つ、回転軸16の段差部18及び回転体62間に挟持される底壁67と、底壁67の外周側に設けられ、固定体61の外周面と所定の隙間を有して配置される周壁68と、を備えている。
底壁67は、回転軸16を挿通可能な挿通孔を有するとともに、その外面が段差部18と当接可能に形成されている。底壁67は、その内面が、回転体62の端面と当接するとともに、固定体61の端面と離間して配置され、所定の隙間を形成する。周壁68は、その内面が固定体61のモータ部11側の外周面を覆うとともに、固定体61の外周面と所定の隙間を形成する。ここで、底壁67の内面及び固定体61の端面、並びに、周壁68の内周面及び固定体61の外周面に形成される所定の隙間は、回転体62及び固定体61間の隙間よりも大に形成される。即ち、鍔部63は、その内面が固定体61の外面と、固定体61及び回転体62の隙間により形成される流路面積よりも広い流路面積を形成する。
このような軸封装置13は、固定体61及び回転体62の隙間を移動した流体を、固定体61及び鍔部63で形成される隙間を通過させることで、所謂ラビリンス効果を得ることが可能なラビリンスシールである。
このように構成された冷却装置100は、ポンプ装置1のモータ部11に電力が供給されることで回転軸16が回転し、回転軸16に固定されたインペラ22が回転する。当該インペラ22が回転することで、図1の矢印Fに示すように、貯留タンク101内に貯留されたクーラント液Wが、ストレーナ23を介して最上流のポンプ室31内に吸込まれて増圧され、二次側へと圧送される。クーラント液Wは、二次側のポンプ室31内で、さらに増圧され、吐出流路部34を介して吐出口36から吐出配管114へと移動し、工作機械へと供給される。
工作機械へ供給されたクーラント液Wは、加工部位を冷却後、工作機械のクーラント液Wの受け部から、吸込配管115を介して貯留タンク101内に戻される。また、貯留タンク101内に戻されたクーラント液Wは、ポンプ部12により増圧給水されて、工作機械へと供給される。図1に示すクーラント液Wの流れFのように、冷却装置100において、クーラント液Wが循環して用いられる。
次に、軸封装置13による軸封について、図2及び図3を用いて説明する。
上述したように、ポンプ装置1が駆動されると、ポンプ部12において、クーラント液Wが増圧される。このとき、大半のクーラント液Wは、吐出流路部34を通過して、ポンプ部12の二次側の吐出配管114に移動するが、その一部は、固定体61及び回転体62の隙間を移動する。固定体61及び回転体62の隙間を移動したクーラント液Wは、次に、固定体61及び鍔部63の隙間に移動し、鍔部63の周壁68の端部から外部へ移動する。
ここで、固定体61及び回転体62の隙間が固定体61及び鍔部63の隙間よりも小さく形成されていることから、固定体61及び回転体62の隙間において、所謂絞り口における縮流効果が得られる。また、固定体61及び回転体62の隙間から固定体61及び鍔部63の隙間へと移動すると、固定体61及び鍔部63の隙間が膨張室を代替することとなり、結果、ラビリンス通路の流れとなり、クーラント液Wの軸封装置13内の流れが抑制される。
次に、鍔部63の周壁68の端部から外部へ移動したクーラント液Wは、図2及び図3の流れFに示すように、鍔部63の回転により発生する遠心力により、外方へと放射状に飛散する。当該飛散したクーラント液Wの一部は、カバー24の内周面に衝突し、カバー24の内周面に沿って重力方向に移動し、貯留タンク101に貯留するクーラント液Wに戻る。また、当該飛散したクーラント液Wの他部は、第1連結部41である吐出流路部34の外面及び板状部材41aに衝突し、第1連結部41の外面に沿って重力方向に移動し、ケーシング部26の上面に移動し、ケーシング部26の上面からケーシング部26の外面を沿って貯留タンク101内に貯留するクーラント液Wに戻る。
なお、鍔部63は、回転体62及び回転軸16の段差部18に挟持される構成であることから、鍔部63と回転軸16の段差部18との当接面間にクーラント液Wが移動することが殆どない。なお、クーラント液Wが、鍔部63と段差部18との間に移動しても、回転軸16及び鍔部63の遠心力により、カバー24又は第1連結部41に衝突し、結果、貯留タンク101内に貯留するクーラント液Wに戻る。
また、仮に、鍔部63及び回転軸16の段差部18間から漏れたクーラント液Wが、回転軸16に沿って上昇しても、回転軸16の水切り20によって、さらに上方に移動することが防止される。また、水切り20上にクーラント液Wが上昇又は飛散しても、オイルシール44により軸封され、軸受19及びモータ部11内にクーラント液Wが浸入することが防止される。
このように構成された冷却装置100によれば、ポンプ装置1の軸封装置13は、固定体61をポンプケーシング21のケーシング部26に固定し、回転体62を回転軸16に固定する構成とすることで、固定体61及び回転体62が着脱可能となる。このため、クーラント液W中に含有される異物、例えば、比較的小さい切り粉や金属粉等のコンタミネーションにより、固定体61及び回転体62が摩耗したとしても、回転軸16及びポンプケーシング21から、固定体61及び回転体62をそれぞれ取り外して交換することができる。また、クーラント液W中のコンタミネーションによる摩耗は、主として軸封装置13の固定体61及び回転体62であることから、固定体61及び回転体62を交換すればよく、維持コストも低減できる。
また、回転体62を鉄材とし、固定体61をステンレス材とすることで、固定体61及び回転体62の焼き付きや噛付き等の軸ロックが防止可能となる。具体的に説明すると、クーラント液Wが固定体61及び回転体62間に存在しない、所謂無潤滑状態での回転(空運転)や、固定体61及び回転体62が接触した状態で回転体62が回転すると、金属の焼き付きが発生する虞がある。
また、使用流体中には、コンタミネーションが含有されるため、当該コンタミネーションが固定体61及び回転体62間の隙間に侵入すると、噛付きが発生する虞がある。しかし、軸封装置13は、固定体61及び回転体62を、溶融温度や硬度等の異なる異種材料とすることで、固定体61及び回転体62の焼き付きや噛付き等の軸ロックを極力防止することが可能となる。また軸ロックが発生しても、軸封装置13は、ポンプケーシング21に固定した固定体61及び回転軸16に固定した回転体62を交換するだけでよく、維持コストを低減することが可能となる。
また、固定体61及び回転体62は、ポンプケーシング21のケーシング部26の二段目のポンプ室31側から、回転軸16及びフランジ65の締結部材Bの着脱を行うことで、取付け及び取外しが可能である。また、仮に固定体61及び回転体62が軸ロックしたとしても、同作業により、軸ロックした状態で固定体61及び回転体62を取り外し可能であり、作業性がよい。
また、軸封装置13は、固定体61及び回転体62の隙間と固定体61及び鍔部63の隙間を異なる流路面積とすることで、単純な構成でクーラント液Wの漏洩を極力防止することが可能となる。
また、軸封装置13は、漏洩したクーラント液Wを遠心力により放射状に飛散させ、ポンプケーシング21及びカバー24により受けて、再度貯留タンク101内に貯留させることが可能となる。
さらに、軸封装置13は、鍔部63の周壁68によって、クーラント液Wの軸封装置13内の漏れの流れ方向をモータ部11側からポンプ部12側とすることで、クーラント液Wを、径方向及びポンプ部12側への飛散とすることが可能となる。即ち、軸封装置13から漏洩するクーラント液Wが、上方への移動を防止可能となり、クーラント液Wが貯留タンク101の外部に漏洩することを極力防止することが可能となる。これらのことから、クーラント液Wの減少を極力防止し、維持コストを低減することが可能となる。
上述したように本発明のポンプ装置1を用いた冷却装置100によれば、ポンプケーシング21に固定体61を、回転軸16に回転体62及び鍔部63を、それぞれ着脱自在に設けた軸封装置13を用いることで、回転軸16及びポンプケーシング21間の軸封及び維持コストの低減が可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。上述した例では、固定体61の端面及び外周面と鍔部63の内面との隙間(流路面積)を、固定体61及び回転体62の隙間(流路面積)よりも大きい構成を説明したが、これに限定されない。例えば、固定体61の端面及び鍔部63の底壁67の隙間を、固定体61及び回転体62の隙間並びに固定体61の外周面及び鍔部63の周壁68の隙間よりも大きくする構成であってもよい。このような構成とすることで、縮流から膨張室を通過して、再度縮流となる構成であり、更なるシール性を得ることができる。また、固定体61及び回転体62の隙間に、複数の溝部を形成して膨張室を形成してもよい。
また、上述した例では、冷却装置100は、NC旋盤やフライス盤等の工作機械に用いられる切削液等のクーラント液を切削材料及び切削工具等の加工部位に供給する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、クーラント液を熱交換器に循環する冷却装置であってもよく、他の流体を循環する装置であっても良い。また、ポンプ装置1は、冷却装置100に設ける構成を説明したがこれに限定されない。例えば、給水装置等に用いられる構成であってもよい。このような場合、給水装置で用いられる水に、砂塵や異物等が含有される構成であると、上述した冷却装置100と同様の効果を得ることができる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ポンプ装置のインペラを収納するケーシング及び前記インペラを回転させる回転軸間の軸封を行う軸封装置において、
前記ケーシングに固定される円筒状の固定体と、
前記回転軸に固定され、前記固定体の内周面と所定の隙間を形成する円筒状の回転体と、
を備えることを特徴とする軸封装置。
[2] 前記回転軸に固定され、前記回転体の端面と当接するとともに、その内面が前記固定体の端面及び外面と、前記固定体及び前記回転体により形成される前記所定の隙間よりも流路面積が広い隙間を形成する鍔部をさらに備えることを特徴とする[1]に記載の軸封装置。
[3] 前記固定体及び前記回転体は、異なる材料で形成されることを特徴とする[1]又は[2]に記載の軸封装置。
[4] インペラ、及び、前記インペラを収納するポンプ室を形成するケーシングを有するポンプ部と、
前記ケーシング内に挿通され、前記インペラを回転させる回転軸と、
前記ケーシングに固定されるとともに、その端部が前記ケーシングから突出する円筒状の固定体、及び、前記回転軸に固定され、前記固定体の内周面と所定の隙間を形成する円筒状の回転体を具備する軸封装置と、
を備えることを特徴とするポンプ装置。
[5] 前記回転軸に固定され、前記回転体の端面と当接するとともに、その内面が前記ケーシングから突出した前記固定体の端面及び外面と、前記固定体及び前記回転体により形成される前記所定の隙間よりも流路面積が広い隙間を形成する鍔部をさらに備えることを特徴とする[4]に記載のポンプ装置。
[6] 少なくとも前記ケーシングから突出する前記固定体の周囲を覆うとともに、その内面が前記ケーシングと離間して配置されるカバーをさらに備えることを特長とする[5]に記載のポンプ装置。
[7] 前記回転軸を回転させるモータ部と、
前記ケーシング、前記インペラ、前記軸封装置、及び、前記カバーをその内部に配置するとともに、前記ポンプ部で増圧する流体を貯留する貯留タンクと、
をさらに具備することを特徴とする[4]に記載のポンプ装置。
[8] 前記固定体及び前記回転体は、異なる材料で形成されることを特徴とする[1]又は[4]乃至[7]のいずれかに記載のポンプ装置。
1…ポンプ装置、11…モータ部、12…ポンプ部、13…軸封装置、15…モータケーシング、16…回転軸、17…キー、18…段差部、19…軸受、21…ポンプケーシング、22…インペラ、23…ストレーナ、24…カバー、26…ケーシング部、27…フランジ部、28…連結部、31…ポンプ室、32…ベーン、33…吸込口、34…吐出流路部、35…挿通孔、36…吐出口、41…第1連結部、41a…板状部材、42…第2連結部、44…オイルシール、61…固定体、62…回転体、63…鍔部、65…フランジ、67…底壁、68…周壁、100…冷却装置、101…貯留タンク、102…配管、110…貯留槽、111…天板、112…開口部、114…吐出配管、115…吸込配管、B…締結部材、F…流体の流れ、W…クーラント液。

Claims (6)

  1. ポンプ装置のインペラを収納するケーシング及び前記インペラを回転させる回転軸間の軸封を行う軸封装置において、
    前記ケーシングに固定される円筒状の固定体と、
    前記回転軸に固定され、前記固定体の内周面と所定の隙間を形成する円筒状の回転体と、
    前記回転軸に固定され、前記回転体の端面と当接するとともに、その内面が前記固定体の端面及び外面と、前記固定体及び前記回転体により形成される前記所定の隙間よりも流路面積が広い隙間を形成する鍔部と、
    を備えることを特徴とする軸封装置。
  2. 前記固定体及び前記回転体は、異なる材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載の軸封装置。
  3. インペラ、及び、前記インペラを収納するポンプ室を形成するケーシングを有するポンプ部と、
    前記ケーシング内に挿通され、前記インペラを回転させる回転軸と、
    前記ケーシングに固定されるとともに、その端部が前記ケーシングから突出する円筒状の固定体、及び、前記回転軸に固定され、前記固定体の内周面と所定の隙間を形成する円筒状の回転体を具備する軸封装置と、
    前記回転軸に固定され、前記回転体の端面と当接するとともに、その内面が前記ケーシングから突出した前記固定体の端面及び外面と、前記固定体及び前記回転体により形成される前記所定の隙間よりも流路面積が広い隙間を形成する鍔部と、
    を備えることを特徴とするポンプ装置。
  4. 少なくとも前記ケーシングから突出する前記固定体の周囲を覆うとともに、その内面が前記ケーシングと離間して配置されるカバーをさらに備えることを特長とする請求項3に記載のポンプ装置。
  5. 前記回転軸を回転させるモータ部と、
    前記ケーシング、前記インペラ、前記軸封装置、及び、前記カバーをその内部に配置するとともに、前記ポンプ部で増圧する流体を貯留する貯留タンクと、
    をさらに具備することを特徴とする請求項3に記載のポンプ装置。
  6. 前記固定体及び前記回転体は、異なる材料で形成されることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のポンプ装置。
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