JP2006170219A - モータポンプ - Google Patents

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真 小林
Masakazu Yamamoto
雅和 山本
Yoshio Miyake
良男 三宅
Kaoru Yagi
薫 八木
Keita Uei
圭太 上井
Yoshiaki Miyazaki
義晶 宮崎
Katsuji Iijima
克自 飯島
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Abstract

【課題】メカニカルシール、キャンドモータポンプ、マグネットポンプの3つの形態を視野に入れ、各々の機能向上を図りながら、全体の生産性を高めることができる新たなポンプ構造の確立を目指す。
【解決手段】モータ41と、吸込部4Aaをモータ41側に向けて取付けられる羽根車4A,4Bと、モータ41と羽根車4Aの間に設けられるメカニカルシール46と、ポンプ吐出側の取扱液の一部をメカニカルシール46の摺動面に導く機構を設け、同時に取扱液の一部を羽根車4Aの吸込部4Aaに導くようにして自吸機能を付与した。
【選択図】 図7

Description

本発明はモータポンプに係り、特にキャンドモータポンプ、メカニカルシール型ポンプ、マグネット駆動型ポンプを包含するモータポンプに関し、特にこれらのポンプの総合的な機能向上と生産性の向上に関するものである。
ポンプの一般的な軸封構造(装置)としては、グランドパッキンやメカニカルシールが知られている。又、軸封部の無いポンプとしてキャンドモータポンプとマグネット(駆動型)ポンプが知られている。
これらは、各々長所・短所を持ち合わせているため、用途に応じて使い分けされている。
ところが、これらのポンプは同時に製品開発された訳ではないため、各々の形態を合理的に製品化できる共通のポンプ構造の確立には至っていなかった。
即ち、グランドパッキンで確立した旧来の構造を基にして、メカニカルシール型ポンプ、キャンドモータポンプ、マグネットポンプへと展開されてきたため、個々の形態においては無駄・無理が少なからず存在した。この点を以下に詳述する。
(1)キャンドモータポンプ
従来のキャンドモータポンプは、ロータ室に取扱液の一部を取り込み、滑り軸受の潤滑を行うようにしたものが多い。
図10は従来のキャンドモータの一例を示す断面図を示す。図10において、符号101は主軸であり、主軸101の一端には羽根車102が固定されている。羽根車102を収容するポンプケーシング103にはモータ104のモータフレーム105が接続されている。モータフレーム105内にはモータ固定子106が収容され、モータ固定子106の内周側にはキャン107が設けられている。主軸101にはモータ回転子108が固定されている。
図10に示すキャンドモータポンプは、取扱い液中に気体が混入した場合や、キャビテーション等によって気体が発生した場合、モータ回転子108を収容するロータ室110に空気溜まりが生じ易い。空気溜まりは、主軸101を支承する滑り軸受111,112の潤滑を阻害し、軸受の破損や寿命低下の要因となる。特に問題となるのは、モータ104が上側となるように立軸に据え付けた場合である。このとき、空気溜まりは、ロータ室110の上部に形成され易くなる。従って、ロータ室の上部側にある軸受がはじめに潤滑不良を生じることとなる。
図10に示すポンプは主軸101に穴101aを設けて、ロータ室上部に溜まった空気を羽根車102の吸込側へ吸引することでこの問題を解決している。
図11は従来のキャンドモータの他の例を示す断面図である。図11において、符号121は主軸であり、主軸121の一端には羽根車122が固定されている。羽根車122を収容するポンプケーシング123にはモータ124のモータフレーム125が接続されている。モータフレーム125内にはモータ固定子126が収容され、モータ固定子126の内周側にはキャン127が設けられている。主軸121には回転子128が固定されている。主軸121を支承する軸受129は羽根車122とモータ回転子128との間に設けられている。
図11に示すポンプにおいては、主軸121に穴121aを設けると同時に、モータ回転子128を収容するロータ室130の上部側には、軸受を設けない構造となっており、軸受の潤滑にとっては図10に示すポンプよりも優れている。
ところが、図11に示すポンプは羽根車122の背面とモータ回転子128の間に軸受129を収容するため、軸受の軸方向寸法に制約を受けてしまう。即ち、この種の軸受に加わる軸受荷重(半径方向荷重)は、軸受の軸方向長さが長い程(あるいは2ヶの軸受の間隔が大きい程)小さくなるが、図11に示すポンプで軸受の軸方向寸法を大きくすると、羽根車背面部に無駄な空間が出来てしまう。従って、図11に示すポンプ構造は、軸受荷重が本来的に小さな小出力のポンプにのみ採用されており、比較的大きな出力のポンプには採用されなかった。
(2)メカニカルシール付ポンプ
当今の汎用ポンプは取扱液をポンプの錆で汚さないための配慮が要求される。そのため、ケーシングや羽根車には、ステンレス鋼のシートメタルをプレス成形して使用する場合が多い。このうち、メカニカルシールを使用したポンプとしては、図12に示すポンプや図13に示すポンプが知られている。
図12に示すポンプは、インラインポンプである。羽根車141を収容するポンプケーシング142の上部はケーシングカバー143により閉塞されている。羽根車141を支持する主軸144がケーシングカバー143を貫通する部分には、メカニカルシール145が配設されている。ケーシングカバー143の上方には、乾式モータ146が設けられている。
図13に示すポンプは多段ポンプである。ポンプケーシング151内には多段状に羽根車152A,152B,152Cが設けられている。ポンプケーシング151の開口端はケーシングカバー153により閉塞されている。羽根車152A〜Cを支持する主軸154がケーシングカバー153を貫通する部分にはメカニカルシール155が配設されている。ケーシングカバー155の一側には乾式モータ156が設けられている。
図12および図13に示すポンプは、ポンプ吐出圧の加わる部分にメカニカルシール145,155を設けている。そして、メカニカルシール(固定側)145,155はシートメタル製のケーシングカバー143,153に固定されている。
メカニカルシールは圧力によって仕様が決定されるため、この仕様圧からポンプの揚程を差し引いた値までしか、ポンプ吸込圧(押込圧)を許容できない。
また、ケーシングカバーにもポンプ吐出圧が加わるため、これがポンプの許容押込圧の制約条件となっていた。即ち、許容圧の高いメカニカルシールを使用しても、ケーシングカバーが圧力によって許容値以上に変形すると実用に耐えないという問題があった。ケーシングカバーを変形させないためには、補強材を溶接する等の手段があるが、コスト高となってしまうという問題があった。
(3)マグネットポンプ
図14は、従来のマグネットポンプの一例を示す断面図である。ポンプケーシング161内には羽根車162が収容されている。羽根車162は主軸163により支持されており、主軸163には従動マグネット164が固定されている。ポンプケーシング161の開口端はキャン165により閉塞されており、キャン165内に前記従動マグネット164、主軸163および主軸163を支承する軸受166等が収容されている。キャン165を挟んで従動マグネット164に対向して駆動マグネット167が設けられ、駆動マグネット167は乾式モータ168に駆動されるヨーク169により支持されている。
従来のマグネットポンプは、キャンドモータポンプでは取扱いできない高腐食液の移送等に使用される場合には、固定側マグネットと回転側マグネットを樹脂製のキャンで仕切る事例が多かった。
ところが、樹脂製キャンは、ステンレス等の金属製キャンに比べて強度的に不利であるため、押込圧の高い用途への展開に限度があった。
(4)部品共用性
従来のキャンドモータポンプおよびマグネットポンプは、グランドパッキン及びメカニカルシールで構築されたポンプの基本構造を踏襲してはいるものの、実際の部品レベルでは、各々独立した形態を採っていた。従って、プレス成形等による部品の大量生産によるマスメリットを発揮できず、結果として、コスト高になってしまうという問題点があった。
本発明は上述の事情に鑑み為されたもので、メカニカルシール、キャンドモータポンプ、マグネットポンプの3つの形態を視野に入れ、各々の機能向上を図りながら、全体の生産性を高めることができる新たなポンプ構造の確立を目指すことを目的とするものである。
上述の目的を達成するため、本発明は、モータと、吸込部をモータ側に向けて取付けられる羽根車と、モータと羽根車の間に設けられるメカニカルシールと、ポンプ吐出側の取扱液の一部をメカニカルシールの摺動面に導く機構を設け、同時に取扱液の一部を羽根車の吸込部に導くようにして自吸機能を付与したことを特徴としている。
また、羽根車の吸込部(目玉部)をモータ回転子(ロータ)側に向けて取付ければ、図11に示す従来のキャンドモータポンプに比べて無駄なく軸受を設けることができる。つまり、内ケーシングの吸込流路部に軸受を配置することができるため、軸受のための特別な空間を設ける必要がない。従って、大きな出力の範囲まで適用できる。また、結果的にロータとモータ固定子(ステータ)を仕切る薄肉のキャンには、ポンプ吸込圧しか加わらないため、高い押込圧力が加わる用途への展開が期待できる。
また、メカニカルシール付ポンプにおいて、羽根車の吸込部(目玉部)をモータ側に向ければ、メカニカルシール及びケーシングカバー(メカニカルシールハウジング)には、ポンプ吸込圧しか加わらない。従って、高い押込圧の下での使用に対して条件が良い。尚、押込圧が低い場合でも、メカニカルシールの摺動面がドライコンタクトにならないよう、吐出液をフラッシングする。
また、マグネットポンプにおいて、羽根車の吸込部(目玉部)をモータ側に向ければ、キャンには、ポンプ吸込圧しか加わらない。従って、キャンを樹脂で構成する場合にもある程度の押込圧に耐えることができる。
本発明は、羽根車の吸込部(目玉部)をモータ側に向けるという一貫した構造によって、上記キャンドモータポンプ、メカニカルシール付ポンプ及びマグネットポンプの3種類のポンプの部品共用化を計り、各々のポンプの機能向上化と同時に全体の生産性を向上させるものである。
本発明によれば、ポンプ吐出側の取扱液の一部をメカニカルシールの摺動面に導くとともに、取扱液の一部を羽根車の吸込部に導くようにして自吸機能を付与することができる。
以下、本発明に係るモータポンプの実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明のモータポンプの第1実施例を示す断面図である。本実施例のモータポンプはキャンドモータポンプである。図1において、符号1は円筒容器(カップ)形状の外ケーシングであり、外ケーシング1内には内ケーシング2が設けられている。内ケーシング2内には、主軸3によって支持された羽根車4が収容されている。外ケーシング1にはモータブラケット5を介してモータ6が固定されている。内ケーシング2の上端には内ケーシングカバー7が設けられている。
外ケーシング1の吸込穴1aから導かれた取扱液は、羽根車4を通過し、内ケーシング2に設けられた複数ボリュートを通って、さらに外ケーシング1の吐出穴1bから吐出される。
羽根車4から吐出された取扱液の一部は、主軸3に設けられた穴3aを通過してロータ室9側に導かれ、ロータとステータの間のギャップを通ってモータ6を冷却し、内ケーシング2の吸込側に戻される。
パイプ状に成形された主軸3の一端には、モータ回転子(ロータ)11が設けられている。主軸3の他端には吸込部(目玉部)4aをロータ側に向けた羽根車4が設けられている。主軸3が内ケーシングカバー7を貫通する部分には軸受ブラケット16が設けられている。そして、全ての軸受はロータ11と羽根車4の間に存在している。すべり軸受からなる2つのラジアル軸受12,13のうち一方の軸受12は、ポンプ吸込流路内に位置しており、2つのラジアル軸受12,13の距離(スパン)を十分に確保している。
ラジアル軸受12,13の端部には、アキシャルスラスト軸受14,15が設けられ、双方向のアキシャル軸受スラスト荷重に対応する。このうち、片側のアキシャルスラスト軸受15は、ロータキャン側板11aに固定されており、ラジアル軸受12,13のスパンの確保に寄与している。ラジアル軸受12,13は軸スリーブ17,18と摺接している。なお、ラジアル軸受12,13は固定側ラジアル軸受を構成し、軸スリーブ17,18は回転側ラジアル軸受を構成している。またアキシャル軸受14と羽根車4との間には羽根車用ディスタンスピース19が設けられている。
ラジアル軸受12,13と軸スリーブ17,18及びアキシャルスラスト軸受14,15の材質は、耐久性の高いセラミックであるシリコンカーバイド(SiC)を使用している。主軸3には2つのラジアル軸受12,13の間の位置に設けられた半径方向の穴3bが存在し、取扱液を固定側および回転側の両軸受12,13,17,18に導くことで軸受を良好に潤滑する。
アルミ合金製のモータフレーム20は、後述の乾式モータと型が共用になっており、モータ固定子21を焼バメ固定している。カップ形状のモータフレーム20の開放端部には、電源接続用のリード線を取り出すための穴20aが設けられており、該穴20aの外側には、図示しないターミナルボックス又は電源ケーブルが設けられる。
モータフレーム20の開放端には、いんろうを介して鋳鉄製のモータブラケット5が取付けられている。モータブラケット5の内周側には、いんろうを介してステータキャン支持環22が設けられている。ステータキャン支持環22はステンレス鋼鋳物又はステンレス鋼の熱間鍛造によって製作され、同じくステンレス鋼製のキャン23と溶接固定されている。
尚、上述の2ヵ所のいんろうには、モータフレーム20内の気密を確保するため、Oリング24を設けている。
ステータキャン支持環22の内周部には、いんろうを介して軸受ブラケット16が挿入されている。軸受ブラケット16には、2つの固定側ラジアル軸受12,13が焼バメ固定される。尚、軸受ブラケット16は、ステンレス鋼鋳物製である。
ステータキャン支持環22と軸受ブラケット16の係合部には、互いに位置決めされた空気抜き穴22a,16aが設けられており、ポンプに注水した際、ロータ室9のなるべく高い位置まで取扱液が達するように配慮している。軸受ブラケット16は、回転体の自重によって下側に抜け落ちることがないよう、内ケーシング2に当接するように配慮されている。
羽根車4を囲むように設けられる内ケーシング2は樹脂製である。内ケーシング2とモータブラケット5の間には、樹脂製の内ケーシングカバー7が設けられている。内ケーシングカバー7とモータブラケット5の間には、内周側にステータキャン支持環22が挟持され、外周側において、弾性材からなるシール部材26が挟持されている。
内ケーシング2を囲むように設けられる外ケーシング1は、ステンレス鋼のシートメタルをプレス成形して形成されている。外ケーシング1の外周部には吸込穴1aが設けられ、吸込穴1aの軸芯をはさんで180°対称位置又は90°の位置に吐出穴1bが設けられる。吸込穴1aおよび吐出穴1bの外側にはノズルパイプ27,28が溶接され、ノズルパイプ27,28の外側にはノズルリング29,30が溶接固定される。ノズルリング29,30はステンレス鋼鋳物からなり、外周部にネジが設けられている。
ノズルリング29,30の外周には、鋳鉄やアルミ合金からなるフランジ31,32がネジ込まれている。尚、吸込側のノズルパイプ27の内側には、整流作用と機械的補強を兼ねた整流格子34が設けられている。
内ケーシング2と外ケーシング1の吸込穴1aの間には、弾性材製のシール部材35が設けられている。外ケーシング1はボルト36を使用して、モータブラケット5に固定される。
モータ固定子21を収容したモータフレーム20は、モータブラケット5に独立したボルト37によって固定されている。従って、何らかの理由により、モータ巻線が焼損した場合等には、ポンプ部を分解することなくメンテナンスを行うことができる。
外ケーシング1の軸芯部には、ドレン用のプラグ38が設けられている。尚、このプラグ38をはずすと、主軸3の軸端に設けたドライバー溝を利用して羽根車4の手廻し確認が可能である。
取扱液中にスラリー等の異物が混入すると、主軸3の軸穴3aを通過してロータ室9に異物が侵入する懸念があるが、本発明では、羽根車背面(主板)によって、軸端部に遠心分離作用が生じ、異物は軸穴に侵入しないよう配慮されている。
図1に示すように、羽根車4を取付けた場合、主軸3には圧縮荷重が加わる。従って、異種材料を圧接して一体化した主軸を使用しても、引張荷重が加わらないため接合面がはがれる心配がない。
本実施例によれば、羽根車4の吸込部4aはモータ回転子(ロータ)11側に向けて取り付けられている。このため、図11に示す従来のキャンドモータポンプに比べて無駄なく軸受を設けることができる。つまり、内ケーシング2の吸込流路部に軸受を配置することができるため、軸受のための特別な空間を設ける必要がない。従って、大きな出力の範囲まで適用できる。また本発明では、結果的にモータ回転子11とモータ固定子21を仕切る薄肉のキャン23には、ポンプ吸込圧しか加わらないため、高い押込圧力が加わる用途への展開が期待できる。
図2は本発明のモータポンプの第2実施例を示す断面図である。本実施例のモータポンプは、羽根車を2段に配置した2段型キャンドモータポンプである。即ち、本実施例においては、主軸3に2段の羽根車4A,4Bが固定されている。内ケーシングは第1段羽根車4Aを収容する第1内ケーシング2Aと、第2段羽根車4Bを収容する第2内ケーシング2Bとから構成されている。各羽根車4A,4Bの吸込部4Aa,4Baはモータ回転子11の側に向いている。その他の構成は図1に示す実施例と同様であり、図1に示す構成部材と同一の機能を果たす部材は同一の符号を用いて説明は省略する。
本実施例においては、外ケーシング1の吸込穴1aから導かれた取扱液は、第1段羽根車4Aの吸込口4Aaから吸い込まれて昇圧され、戻り羽根40を介して第2段羽根車4Bの吸込口4Baに流入する。そして、取扱液は、第2段羽根車4Bにより昇圧され、第2内ケーシング2Bの複数のボリュートを通って、外ケーシング1の吐出穴1bから吐出される。第2段羽根車4Bから吐出された取扱液の一部は、主軸3に設けられた穴3aを通過してロータ室9側に導かれモータ回転子11とモータ固定子21の間のギャップを通ってモータを冷却し、第1内ケーシング2Aの吸込側に戻される。本実施例の作用および効果は図1に示す実施例と同様である。
図3は本発明のモータポンプの第3実施例を示す断面図である。本実施例のモータポンプは、図1および図2に示すキャンドモータポンプをメカニカルシール付ポンプに展開したものである。モータ部は、冷却ファン50を備えた乾式モータ41となっており、この乾式モータ41は、モータフレーム42と、モータフレーム42内のモータ固定子43と、主軸3に固定されたモータ回転子44とから構成されている。主軸3はモータ41に設けられた軸受51,52により支承されている。モータブラケット5と内ケーシングカバー7の間には、メカニカルシールハウジング45が挟持され、これにメカニカルシール46の固定環47が取付けられている。メカニカルシール46の回転環48は固定環47に摺接している。メカニカルシールの部分及びその周囲には、ポンプ吸込圧しか加わらないため、メカニカルシールハウジング45は、ステンレス鋼鋳物等の他に樹脂で形成することも可能である。又、同様の理由により、高押込圧に対応することも容易である。
メカニカルシール46は吸込圧しか加わらないため、吸上げ運転の場合に摺動部がドライコンタクトになりやすい。そこで内ケーシング2を工夫して開口2aを設け、ポンプ吐出側の取扱液の一部をメカニカルシール摺動部へ導くように構成し、該摺動部のフラッシングを可能としている。
メカニカルシール46を囲むように設けられたメカニカルシールカバー49は、メカニカルシール46を取扱液中の異物から保護すると同時に、前述のフラッシング液の循環量を抑制している。羽根車4、外ケーシング1及び内ケーシング2等を含むポンプ部の構成は、図1に示す実施例と同様であり、図1に示す構成要素と同一の機能を果たす部材は同一の符号を用いて説明は省略する。
図4は本発明のモータポンプの第4実施例を示す断面図である。本実施例のモータポンプは、図1に示すキャンドモータポンプをマグネットポンプに展開したものである。本実施例においては、乾式モータ41の主軸53とポンプ60の主軸3とが分離されている。即ち、乾式モータ41の主軸53の軸端には、駆動用マグネット54を保持したヨーク55が固定されている。ポンプ60の主軸3の一端には羽根車4が固定され他端には従動マグネット56を保持したヨーク57が固定されている。
外ケーシング1、内ケーシング2及びポンプ60の主軸3を支持する軸受構造は、図1に示す実施例と同様である。主軸3には穴3aが形成されており、この穴3aを通過する循環流は、マグネットの渦電流による発熱を抑え、同時に軸受の潤滑を行う。モータブラケット58にはカップリングガード59が設けられている。キャン60には、ポンプ吸込圧しか加わらないため、高い押込圧が作用する場合には有利な構造である。
モータ41は、メカニカルシール型に使用されるものと同一(モータブラケットを除く)であり、そのモータフレーム42は、キャンドモータとも型が共用となっている。その他の構成は図1に示す実施例と同様であり、図1と同一の符号を用いて説明を省略する。
図5は本発明のモータポンプの第5実施例を示す断面図である。本実施例のモータポンプは縦軸多段ポンプである。モータ部は図3に示す乾式モータ41と同様の構成である。ポンプ部は、円筒状の外ケーシング61と、外ケーシング61の下端開口部を閉塞する脚付きカバー62と、外ケーシング61内に収容された第1内ケーシング63A,第2内ケーシング63B,第3内ケーシング63Cとを備えている。そして、第1〜第3内ケーシング63A,63B,63C内には、それぞれ主軸3によって支持された第1段羽根車4A、第2段羽根車4B、第3段羽根車4Cが収容されている。各羽根車4A,4B,4Cの吸込部4Aa,4Ba,4Caはモータ側に向いている。また第1,第2内ケーシング63A,63B内には戻り羽根69,70が配設されている。第1内ケーシング63Aの上端には内ケーシングカバー7が設けられている。
外ケーシング61にはモータブラケット71を介して乾式モータ41が設けられている。外ケーシング61は、ステンレス鋼のシートメタルをプレス成形して形成されている。外ケーシング61の外周部には吸込穴61aが設けられ、吸込穴61aの軸芯をはさんで180°対称位置又は90°の位置に吐出穴61bが設けられている。そして、吸込穴61aおよび吐出穴61bにはそれぞれノズルパイプ27,28が溶接され、ノズルパイプ27,28の外側にはノズルリング29,30が溶接固定されている。ノズルリング29,30はステンレス鋼鋳物からなり、外周部にネジが設けられている。ノズルリング29,30の外周には、鋳鉄やアルミ合金からなるフランジ31,32がネジ込まれている。
主軸3の下端にはバランスブッシュ72が固定されており、このバランスブッシュ72に第1段羽根車4Aの吸込側に連結されたバランスパイプ73を介して取扱液の吸込圧力が加わるようになっている。これによって、多段ポンプの発生する大きなアキシャルスラスト荷重を軽減するようにしている。この場合、主軸3にはわずかに上向きのスラスト荷重が加わるようにしている。その結果、主軸3をソケットカップリングによる継ぎ合わせ軸にすることが可能となる。
図6は本発明のモータポンプの第6実施例を示す断面図である。本実施例のモータポンプは図5に示す実施例と同様に縦軸多段ポンプである。
本実施例においては、主軸3には第1〜第5段羽根車4A,4B,4C,4D,4Eが固定されている。各羽根車4A〜4Eの吸込部4Aa,4Ba,4Ca,4Da,4Eaはモータ側に向いている。円筒状の外ケーシング61内には、第1内ケーシング64A,第2内ケーシング64B,第3内ケーシング64Cが設けられている。そして、隣接する羽根車間には、仕切り部65A,65B,65C,65Dが設置されている。
外ケーシング61は、ステンレスのシートメタルをプレス成形して形成されている。外ケーシング61の外周部には吸込穴61aが設けられ、吸込穴61aの軸芯をはさんで180°対称位置又は90°の位置に吐出穴61bが設けられている。外ケーシング61の外側にはサクションケース66が溶接等によって固定されている。サクションケース66は吸込穴66aを有し、吸込穴66aの外側にはノズルパイプ27が溶接されている。また外ケーシング61の吐出穴61bの外側にはノズルパイプ28が溶接されている。主軸3の下端にはバランスブッシュ72が固定されており、このバランスブッシュ72にサクションケース66内より流入した取扱液の吸込圧力が加わるようになっている。その他の構成は、図5に示す実施例と同様であり、図5と同一の符号を用いて説明を省略する。本実施例の作用効果は図5に示す実施例と同様である。
図7および図8は本発明のモータポンプの第7実施例を示す図であり、図7は断面図、図8は側面図である。本実施例は、メカニカルシール型ポンプを自吸ポンプに応用したものである。図7に示すように、モータ部は図3に示す乾式モータ41と同様の構成である。ポンプ部は、円筒容器状の外ケーシング81と、外ケーシング81内に収容された第1内ケーシング82A,第2内ケーシング82Bとを備えている。第1,第2内ケーシング82A,82B内には、それぞれ主軸3によって支持された第1段羽根車4A,第2段羽根車4Bが収容されている。各羽根車4A,4Bの吸込部4Aa,4Baはモータ側に向いている。
図8に示すように、外ケーシング81には吸込ノズル83と、吐出ノズル84が固定されている。また、第1内ケーシング82Aを工夫して開口82Aaを設け、ポンプ取扱液の一部をメカニカルシール摺動部へ導くように構成し、該摺動部のフラッシングを可能としている。この場合、メカニカルシールカバー49を工夫して、メカニカルシール46のフラッシング液を積極的に円筒状の流れにして、第1段羽根車4Aの吸込部4Aaに噴射させることで、自吸特性の向上を計っている。また図8に示すように、インバータ85を実装させて、自吸中の回転数を定格よりも上げることで、自吸特性を向上させている。その他の構成は図3に示す実施例と同様であり、図3と同一の符号を用いて説明を省略する。
図9は本発明のモータポンプ群の基本概念を示す説明図である。図9に示すように、本実施例においては、吸込部をモータ側に向けた羽根車を備える複数のポンプPA,PB…からなるポンプグループGPを用意する。図に示す例では、ポンプグループGPは2組のポンプPA,PBを有した例を示し、ポンプPAは1段羽根車4を有し、ポンプPBは2段羽根車4A,4Bを有している。同時にキャンドモータMA,メカニカルシール付モータMB,マグネット駆動モータMCのうち、少なくとも2種類からなるモータグループGMを用意しておき、ポンプグループGP中のポンプPA,PBとモータグループGM中のモータMA,MB,MCを適宜に組合せることで、用途に応じたポンプを部品を共用化して生産性高く市場に供給するものである。
本実施例においては、キャンドモータMA、メカニカルシール付の乾式モータMB及びマグネット駆動型の乾式モータMCに使用される固定子巻線が共通である。また上記3種類のモータMA,MB,MCに使用されるモータ固定子巻線を収容するカップ形状のモータフレーム20の成形型を少なくとも部分的に共通化している。
以上説明したように、上述の例によれば、従来のキャンドモータポンプに比べて無駄なく軸受を設けることができる。すなわち、内ケーシングの吸込流路部に軸受を配置することができるため、軸受のための特別な空間を設ける必要がない。従って、大きな出力の範囲まで適用できる。また、結果的にモータ回転子とモータ固定子を仕切る薄肉のキャンには、ポンプ吸込圧しか加わらないため、高い押込圧力が加わる用途への展開が期待できる。
また、メカニカルシール付モータポンプにおいて、メカニカルシール及びケーシングカバー(メカニカルシールハウジング)には、ポンプ吸込圧しか加わらない。従って、高い押込圧の下での使用に対して条件が良い。そして、押込圧が低い場合でも、メカニカルシールの摺動面がドライコンタクトにならないよう、吐出液をフラッシングする。
さらに、マグネットポンプにおいて、キャンには、ポンプ吸込圧しか加わらない。従って、キャンを樹脂で構成する場合にもある程度の押込圧に耐えることができる。
さらに、羽根車の吸込部(目玉部)をモータ側に向けるという一貫した構造によって、上記キャンドモータポンプ、メカニカルシール付ポンプ及びマグネットポンプの3種類のポンプの部品共用化を計り、各々のポンプの機能向上化と同時に全体の生産性を向上させることができる。
本発明のモータポンプの第1実施例を示す図であり、キャンドモータポンプの断面図である。 本発明に係るモータポンプの第2実施例を示す図であり、2段型キャンドモータポンプを示す断面図である。 本発明のモータポンプの第3実施例を示す図であり、メカニカルシール付ポンプを示す断面図である。 本発明に係るモータポンプの第4実施例を示す図であり、マグネットポンプを示す断面図である。 本発明に係るモータポンプの第5実施例を示す図であり、縦軸多段ポンプを示す断面図である。 本発明に係るモータポンプの第6実施例を示す図であり、縦軸多段ポンプを示す断面図である。 本発明に係るモータポンプの第7実施例を示す図であり、メカニカルシール型ポンプを示す断面図である。 図7に示すポンプの側面図である。 本発明のモータポンプ群の基本概念を示す説明図である。 従来のキャンドモータポンプの一例を示す断面図である。 従来のキャンドモータポンプの他の例を示す断面図である。 従来のインラインポンプを示す断面図である。 従来の多段ポンプを示す断面図である。 従来のマグネットポンプを示す断面図である。
符号の説明
1 外ケーシング
2,2A,2B,63A,63B,63C,64A,64B,64C 内ケーシング
3 主軸
4,4A,4B,4C,4D,4E 羽根車
5 モータブラケット
6,41 モータ
7 内ケーシングカバー
11 モータ回転子
12,13 ラジアル軸受
14,15 アキシャルスラスト軸受
16 軸受ブラケット
17,18 軸スリーブ
20 モータフレーム
21 モータ固定子
27,28 ノズルパイプ
29,30 ノズルリング
46 メカニカルシール
49 メカニカルシールカバー
54 駆動用マグネット
56 従動マグネット
66 サクションケース
72 バランスブッシュ

Claims (1)

  1. モータと、吸込部をモータ側に向けて取付けられる羽根車と、モータと羽根車の間に設けられるメカニカルシールと、ポンプ吐出側の取扱液の一部をメカニカルシールの摺動面に導く機構を設け、同時に取扱液の一部を羽根車の吸込部に導くようにして自吸機能を付与したことを特徴とするモータポンプ。
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KR100968384B1 (ko) 2008-09-29 2010-07-09 (유)한성산기 수중모터펌프
KR101200420B1 (ko) 2009-04-28 2012-11-12 아쏘마 아이엔씨. 영구자석을 갖춘 캔드펌프
CN107939743A (zh) * 2017-12-06 2018-04-20 广州市昕恒泵业制造有限公司 一种自冷却离心泵

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