JP4531780B2 - キャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法 - Google Patents

キャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4531780B2
JP4531780B2 JP2007041238A JP2007041238A JP4531780B2 JP 4531780 B2 JP4531780 B2 JP 4531780B2 JP 2007041238 A JP2007041238 A JP 2007041238A JP 2007041238 A JP2007041238 A JP 2007041238A JP 4531780 B2 JP4531780 B2 JP 4531780B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
impeller
peripheral surface
rotor
canned motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007041238A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007127135A (ja
Inventor
幸雄 外山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2007041238A priority Critical patent/JP4531780B2/ja
Publication of JP2007127135A publication Critical patent/JP2007127135A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4531780B2 publication Critical patent/JP4531780B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

本発明は、単段のメカニカルシール付き遠心ポンプのポンプケーシング及び羽根車を流用して、キャンドモータポンプに改造することに係り、その流用するポンプのポンプケーシング及び羽根車を追加工不要にし、キャンドモータの冷却及び軸受の潤滑・冷却を確実に行うことができ、更に、ポンプ効率及び吸込性能を向上させることができる、ポンプ取扱液の循環方式を有するキャンドモータポンプに関するものである。より詳しくは、本発明は、キャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法に関するものである。
既存のメカニカルシール付き遠心ポンプと比較して、キャンドモータポンプは、ポンプ取扱液が無漏洩、据付時の心出し不要、保守部品数が少ないなどの特長がある。そのため、環境保護、省エネルギー、省資源および省力化(省人化)を達成できるポンプの一つである。
環境保護および省力化のために、使用中である既設のメカニカルシール付き遠心ポンプを、そのポンプの吸込・吐出し配管をそのまま使用して、キャンドモータポンプへ改造する需要が出てきた。この場合、既設ポンプの吐出し量や全揚程などの能力を同一に維持する必要があり、また、省資源化のために、そのポンプのポンプケーシングと羽根車を再使用するのがよい。
また、新規にキャンドモータポンプを製作する場合でも、低コスト化およびリードタイム縮減のために、在庫している既存ポンプのポンプケーシングと羽根車を流用している。
図4は、既設や既存の単段のメカニカルシール付き遠心ポンプの一般的な構造を示す図である。図4に示すように、ポンプ部のポンプケーシング1の内部には、羽根車2が配置されているとともに、ポンプケーシング1の高圧側の開口部には、ケーシングカバー3が固着されている。
ケーシングカバー3の内部には、ロータ5の一端が挿通され、このロータ5の一端に、羽根車2及び軸スリーブ8aがボルトを介して固定されている。ロータ5の中央付近には、ロータ5に作用する軸方向推力及び半径方向推力の自重を含めた荷重を支持するための軸受9a,9bが、軸受ケーシング15内に配置されている。軸受ケーシング15は、軸受9a,9bを介して、ロータ5を回転自在に支承している。また、ケーシングカバー3の内周には、ポンプ取扱液が、ポンプケーシング1の高圧側から大気側へ漏洩する量を最小限にするために、メカニカルシール17が装着されている。
このような既設や既存のメカニカルシール付き遠心ポンプを、キャンドモータポンプに改造する場合には、キャンドモータの冷却及び軸受の潤滑・冷却のためのポンプ取扱液の循環方式が必要である。
キャンドモータの冷却及び軸受の潤滑・冷却を確実に行うために、図5に示すポンプ取扱液の循環方式がある。その方式について、以下に詳述する。
図5に示すように、ポンプ部のポンプケーシング1の内部には、羽根車2が配置されているとともに、ポンプケーシング1の高圧側の開口部には、ケーシングカバー3が固着されている。
ケーシングカバー3の内部には、ロータ5の一端が挿通され、このロータ5の一端に、ロータ5に嵌合されたディスタンスピース6、スラスト板7a、軸スリーブ8a及び羽根車2が、ボルト19を介して固定されている。一方、ロータ5の他端には、スラスト板7b及び軸スリーブ8bが、ボルト20を介して固定されている。
ケーシングカバー3の内周面に、内方に突出する凸状部3aを設けることにより、羽根車側の軸受9a、ケーシングカバー3、ディスタンスピース6及び軸スリーブ8aとの間に、圧力液体室としての空間Aを構成しているとともに、凸状部3aの内周面とディスタンスピース6との間に、非接触の絞り機構4aを形成している。すなわち、凸状部3aは、その内周部がディスタンスピース6の外周面に、わずかの隙間をもって近接して、ここに流路aを形成している。
そして、ケーシングカバー3の内部には、羽根車2によって昇圧したポンプ取扱液の一部を、空間(圧力液体室)A内に導く流通穴3bを設けている。
更に、ケーシングカバー3の羽根車側端面に、スリーブ状に膨出する膨出部3cを形成することにより、この膨出部3cの内周面と羽根車2のボス部2aとの間に、非接触の第2の絞り機構4bを構成している。すなわち、膨出部3cは、その内周面が羽根車2のボス部2aの外周面に、わずかの隙間をもって近接して、ここに流路bを形成している。
同時に、この膨出部3cによって、第2の絞り機構4bをはさんで、ケーシングカバー3と羽根車2との間に、二つの空間B,Cを区画形成し、この空間Cが羽根車2のバランスホール2bを介して、ポンプの吸込側に連通するようになっている。
ロータ5は、その両側で、一対の軸受9a,9bを介して、回転自在に支承されている。そして、ロータ5のほぼ中央部に、モータ部の回転子10が固着していて、回転子10と羽根車側の軸受9aとの間に空間D、回転子10と羽根車と反対側の軸受9bとの間に空間E、エンドカバー11と羽根車と反対側の軸受9bとの間に空間Fを、それぞれ形成している。
そして、羽根車側の軸受9aと軸スリーブ8aとの間に流路c、羽根車側の軸受9aの端面とスラスト板7aとの間に流路d、回転子10のキャン12aと固定子13のキャン12bとの間に流路e、羽根車と反対側の軸受9bの端面とスラスト板7bとの間に流路f、羽根車と反対側の軸受9bと軸スリーブ8bとの間に流路gを、それぞれ構成している。
ロータ5の内部には、軸方向に貫通する貫通穴14を形成していて、この貫通穴14は、両端のボルト19,20を含んで両側に開口している。そして、この貫通穴14によって、エンドカバー11と羽根車と反対側の軸受9bとの間の空間Fとポンプの吸込側とが、互いに連通している。
軸受9a,9bにはともに、内周面に、ら旋状の溝と軸方向に沿って延びる溝とを設けている。また、軸受9a,9bのスラスト板7a,7bとの摺動面には、半径方向に延びる溝を設けている。
上記構造のキャンドモータポンプにおいて、ケーシングカバー3に設けた流通穴3bから、羽根車通過後の昇圧したポンプ取扱液を、圧力液体室を構成する空間A内に導き、ここから二つの方向に流れる。
第1の流れは、第1の絞り機構4a、空間B、第2の絞り機構4b、空間C及び羽根車2のバランスホール2bを順に通過して、ポンプの吸込側へ戻る流れである。第2の流れは、空間Aから、流路c、流路d、空間D、流路e、空間E、流路f、流路g、空間F及び貫通穴14を順に通過して、ポンプの吸込側へ戻る流れである。
第1の流れも第2の流れも、それぞれ最後は、ポンプの吸込側へ通じているために、羽根車通過後の昇圧したポンプ取扱液は、空間Aから、より低圧部であるポンプの吸込側へと流れ、第2の流れが、モータ部の冷却及び軸受9a,9bの潤滑・冷却を行う。
ここに、第1の流れ及び第2の流れに沿って流れるポンプ取扱液の循環量は、空間Aの圧力と各流路a〜gの面積及び貫通穴14の面積に大きく影響する。第1の流れも第2の流れも、それぞれ最後は、ポンプの吸込側へ通じているので、空間A内の圧力は、流路a〜g及び貫通穴14のそれぞれの圧力損失に、吸込圧力を加算した大きさになる。
ここで、第1の流れ内に位置する空間C内の圧力は、羽根車2のバランスホール2bの面積を十分大きくすることにより、圧力損失をほとんどなくして、ほぼ吸込圧力とみなすことができる。第1の流れのポンプ取扱液の循環量は、主に流路a及び流路bの面積によって決まり、第2の流れのポンプ取扱液の循環量は、流路c〜gの面積及び貫通穴14の面積によって決まる。ここに、流路c、流路d、流路f及び流路gについては、軸受9a,9bの内周面に設けたら旋状の溝や軸方向に延びる溝に加え、スラスト板7a,7bとの摺動面に設けた半径方向の溝による面積も含む。
これらの流路を構成するための各部の寸法は、モータ部の冷却及び軸受9a,9bの潤滑・冷却を確実に行うのに必要な循環量が得られるように決定されている。
次に、キャンドモータポンプの実際の運転中の状況について述べる。
摩耗に関しては、流路aを構成する第1の絞り機構4aの内周面、流路bを構成する第2の絞り機構4bの内周面、及び流路eを構成する回転子10のキャン12aと固定子のキャン12bとの間は、それぞれ非接触のため、循環液の流速による摩耗だけである。これに対して、流路c、流路d、流路f及び流路gを構成するそれぞれの面は、接触して相対的に回転しているために、主に、軸受9a,9bの内周面の摩耗が徐々に増えていく。
しかしながら、羽根車側の軸受9aにも羽根車と反対側の軸受9bにも、内周面にら旋状の溝と軸方向に沿って延びる溝とを設け、更には、スラスト板7a,7bとの摺動面には、半径方向に沿って延びる溝を設けているので、軸受9a,9bの内周面や端面が摩耗しても、これらの溝は摩耗することなく、したがって、空間A内の圧力の大きさに影響を与える流路c、流路d、流路f及び流路gのそれぞれの面積は、ほとんど増加しない。つまり、空間A内の圧力は、軸受9a,9bの内周面や端面が摩耗しても、低下しない。
また、流路aを構成する第1の絞り機構4aの内周面、及び流路bを構成する第2の絞り機構4bの内周面は、非接触のため、摩耗がなく、このために、空間A内の圧力も空間B内の圧力も、変化しない。
したがって、運転時間の経過とともに、第1の流れの循環量は、変わらないことに加え、第2の流れの循環量は、わずかではあるが増えていくために、モータ部の冷却及び軸受の潤滑・冷却を、運転時間の経過とともに、確実に行うことができる。
また、空間A内の圧力も空間B内の圧力も、変化しないために、羽根車2に作用する軸推力が増加することがなく、これによって、軸受9a,9bの寿命の短命化を防止できる。
これらに加えて、第1の流れの循環量が、変化しないから、羽根車2のバランスホール2bを通過するポンプ取扱液の量も、また変わらず、羽根車2のバランスホール2bを通過するポンプ取扱液の流速にも、変化がないために、ポンプの吸込性能の低下を防止できる。
しかし、図5に示したポンプ取扱液の循環方式では、第2の絞り機構4bを構成するために、羽根車2のボス部2aの外周面を追加工する必要がある。この加工費は、数千円であるが、使用中である既設ポンプの場合には、羽根車を加工工場まで運搬するための物流費などが加算されるので、コスト高になる。
単段のメカニカルシール付き遠心ポンプのポンプケーシング及び羽根車を追加工不要にするには、図5に示した第2の絞り機構4bを不要にする必要がある。その方法として、第1の絞り機構4aの半径隙間をさらに小さくすればよいが、羽根車ライナ部の半径隙間以下にした場合には、相互に接触やかじりつきの危険がある。
本発明は、上述の問題を解決するためのもので、単段のメカニカルシール付き遠心ポンプのポンプケーシング及び羽根車を流用して、キャンドモータポンプに改造する場合に、その流用するポンプのポンプケーシング及び羽根車を追加工不要にし、キャンドモータの冷却及び軸受の潤滑・冷却を確実に行うことができ、更に、ポンプ効率及び吸込性能を向上させることができる、キャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明は、単段のメカニカルシール付き遠心ポンプのポンプケーシング及び羽根車を流用して、該ポンプを改造することによって製作され、キャン封止したモータ回転子と羽根車を固着したロータ及び該ロータの両端に配置された軸受を備え、羽根車通過後の昇圧したポンプ取扱液で前記モータ回転子とキャン封止したモータ固定子を冷却するとともに前記各軸受の潤滑および冷却を行うように構成したキャンドモータポンプにおいて、該キャンドモータポンプに、前記羽根車側に位置する軸受に隣接して、羽根車通過後の昇圧された液の一部を内部に導く圧力液体室を設け、ケーシングカバーの内周部に固定された固定環の内周面と、軸スリーブと羽根車間に設けられたディスタンスピースの外周面とで形成された絞り機構を設け、前記キャンドモータポンプの運転直後に前記固定環の内周面と前記ディスタンスピースの外周面とを相互に接触させ、該ディスタンスピースの外周面を摩耗させて運転時間の経過とともに前記絞り機構に微小隙間を生じさせ、羽根車通過後の昇圧された液の一部を前記圧力液体室に導き、該圧力液体室の液体を二方向に分流して、一方を、羽根車側の軸受及びモータ回転子と固定子の空隙、更に、羽根車の反対側の軸受を経由して、ポンプ吸込側に戻し、他方を、前記絞り機構の微小隙間を介して、ポンプ吸込側へ戻すようにしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、単段のメカニカルシール付き遠心ポンプを改造してキャンドモータポンプを製作する場合において、羽根車側に位置する軸受に隣接して、羽根車通過後の昇圧された液の一部を内部に導く圧力液体室を設けるとともに、圧力液体室に隣接して、ケーシングカバーの内周部に固定された固定環の内周面と、軸スリーブと羽根車間に設けられたディスタンスピースの外周面とで形成され、相互に接触可能な絞り機構を設けている。これにより、羽根車通過後の昇圧された液の一部は圧力液体室から絞り機構を介して羽根車背面へ戻るため、羽根車背面へ戻る環流流量を低減できる。
また、前記固定環はセラミックスからなる硬質材料であり、前記ディスタンスピースは硬質であり多孔質組織のセラミックスからなることを特徴とする。
本発明によれば、相互に接触可能な絞り機構を設けたことによって、羽根車背面へ戻る還流流量を低減できるので、還流流量用の循環用動力が低減し、ポンプ効率を向上できる。また、バランスホール室内への還流流量を低減できるので、バランスホールを通過して、羽根車入口部へ戻る流体の流速が低下し、羽根車入口へ吸込口から流入する流速に対して、逆流成分を低減するために、吸込性能を向上できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の第1実施形態のキャンドモータポンプを示す図であり、図1はキャンドモータポンプ全体の断面図、図2は図1の絞り機構部の拡大図である。従来例と同一または相当部分には、同一の符号を付して、その重複した説明を省略する。
図1に示すように、ポンプ部のポンプケーシング1の内部には、羽根車2が配置されているとともに、ポンプケーシング1の高圧側の開口部には、ケーシングカバー3が固着されている。
ケーシングカバー3の内部には、ロータ5の一端が挿通され、このロータ5の一端に、ロータ5に嵌合されたディスタンスピース6、スラスト板7a、軸スリーブ8a及び羽根車2が、ボルト19を介して固定されている。一方、ロータ5の他端には、スラスト板7b及び軸スリーブ8bが、ボルト20を介して固定されている。
図1に示すように、ケーシングカバー3の内周部には、固定環18を固着し、ディスタンスピース6とともに、相互に接触可能な絞り機構4aを形成している。固定環18の材料は、例えば、セラミックスのような硬質材料であるが、ディスタンスピース6の材料は、例えば、硬質であり多孔質組織のセラミックスにしている。固定環18の内周面が、ディスタンスピース6の外周面に接触した場合に、ディスタンスピース6の外周面が摩耗して削れるようにするためである。
固定環18とディスタンスピース6の摺動部の半径隙間は、組み込み可能な程度(直径30mm未満では、約0.02mm、直径30〜100mmでは、0.02〜0.05mm、それを超えたら、約0.1mm)に製作して、キャンドモータポンプに組み込み、このポンプの運転直後は、振動などによって、ロータ5が振れ回るために、固定環18とディスタンスピース6は相互に接触する。そして、ディスタンスピース6の外周面が摩耗して削れ、運転経過時間とともに、非接触になり、微小隙間を保持できる。
上記構造のキャンドモータポンプにおいて、ケーシングカバー3に設けた流通穴3bから、羽根車通過後の昇圧したポンプ取扱液を、圧力液体室を構成する空間A内に導き、ここから二つの方向に流れる。
第1の流れは、絞り機構4a、空間C及び羽根車2のバランスホール2bを順に通過して、ポンプの吸込側へ戻る流れである。第2の流れは、空間Aから、流路c、流路d、空間D、流路e、空間E、流路f、流路g、空間F及び貫通穴14を順に通過して、ポンプの吸込側へ戻る流れである。
上述したように構成することによって、従来のポンプ取扱液の循環方式を有するキャンドモータポンプと比較して、ポンプ効率及び吸込性能が向上できる。以下に、その理由を詳述する。
図1に示した絞り機構4a、図5に示した第1の絞り機構4aと第2の絞り機構4bのような、溝がない円筒形の隙間を流れる流量Qは、日本機械学会編による機械工学便覧に記載の下記の式1を用いて、計算できる。
Q=C×A×(2×g×ΔH)1/2 ………… 式1
ここに、
C :流量係数
A :隙間の面積
g :重力加速度
ΔH:差圧
である。
また、同便覧から、流量係数Cは、
C=1/{λ×L/(2×b)+1.5}1/2 ……… 式2
ここに、
λ :摩擦係数
L :隙間の長さ
b :半径隙間
である。
摩擦係数λは、隙間内を流れる液体のレイノルズ数Reの関数になり、次式で計算できる。
Re=u×d/ν …………… 式3
ここに、
u :隙間内流速
d :隙間部の直径
ν :動粘度
である。
式1乃至式3の変数のうち、重力加速度gは定数であり、隙間の長さL、半径隙間b及び隙間部の直径dは、ポンプを特定すれば定数であり、隙間の面積Aは、隙間部の直径d及び半径隙間bから計算でき、動粘度νは、ポンプの取扱液を特定すれば定数である。しかし、残りの変数、隙間内流速u、摩擦係数λ、差圧ΔHは、特定できない。隙間内流速uが判れば、レイノルズ数Reを計算し、ムーディ線図から、摩擦係数λを得て、流量係数Cを計算できる。そして、差圧ΔHがわかれば、流量Qを計算できる。
そこで、流量Qを計算するために、図5に示したキャンドモータポンプを使用して、常温清水でポンプを運転しながら、各部の圧力を測定した。図6は図5に示すキャンドモータポンプにおける絞り機構の流量を計測するための変数名を示す図である。図6に示すように、このポンプの諸元は、羽根車外径D2=198mm、第1の絞り機構4aの直径d1=30mm、隙間の長さL1=12mm、半径隙間b1=0.25mm、第2の絞り機構4bの直径d2=35mm、隙間の長さL2=12mm、半径隙間b2=0.25mmである。
圧力測定の結果から、最高効率点における各部の差圧は、第1の絞り機構4a部では、ΔH1=11m、第2の絞り機構4bでは、ΔH2=11mであった。
ここで、流量Q0を仮定して、隙間内流速uを計算し、レイノルズ数Reを求める。求めたレイノルズ数Reから、ムーディ線図上で、摩擦係数λを読み取り、流量係数Cを計算して、圧力測定の結果から得た差圧を流用して、流量Qを計算する。そして、この流量Qを仮定した流量Q0と比較して、異なっていれば、流量Q0を流量Qに置換して、再計算し、両方が一致するまで、繰り返し計算する。両方が一致した時に、正確な流量係数Cが決定される。
上述した計算式で計算すると、最高効率点における羽根車背面へ戻る還流流量は、従来例では、約15L(リットル)/min(分)である。図3(a)は、本発明における絞り機構の流量を計算するための変数名を示す図である。上述した計算式で計算すると、最高効率点における羽根車背面へ戻る還流流量は、本発明では、約2L(リットル)/min(分)である。したがって、本発明によって、羽根車背面へ戻る還流流量を低減できる。
また、計算結果は省略するが、図3(b)に示すように、固定環18における絞り部の突起18aの数を2個以上にすれば、更に、還流流量を低減できる。
本発明の第1実施形態のキャンドモータポンプを示す断面図である。 図1の絞り機構を拡大して示す拡大図である。 図3(a)は本発明における絞り機構の流量を計算するための変数名を示す図であり、図3(b)は本発明の絞り機構の他の例を示す図である。 既設や既存のメカニカルシール付きポンプを示す断面図である。 従来のキャンドモータポンプを示す断面図である。 従来における絞り機構の流量を計算するための変数名を示す図である。
符号の説明
1 ポンプケーシング
2 羽根車
3 ケーシングカバー
5 ロータ
6 ディスタンスピース
7a,7b スラスト板
8a,8b 軸スリーブ
9a,9b 軸受
10 回転子
11 エンドカバー
12a,12b キャン
13 固定子
14 貫通穴

Claims (2)

  1. 単段のメカニカルシール付き遠心ポンプのポンプケーシング及び羽根車を流用して、該ポンプを改造することによって製作され、キャン封止したモータ回転子と羽根車を固着したロータ及び該ロータの両端に配置された軸受を備え、羽根車通過後の昇圧したポンプ取扱液で前記モータ回転子とキャン封止したモータ固定子を冷却するとともに前記各軸受の潤滑および冷却を行うように構成したキャンドモータポンプにおいて、
    該キャンドモータポンプに、前記羽根車側に位置する軸受に隣接して、羽根車通過後の昇圧された液の一部を内部に導く圧力液体室を設け、ケーシングカバーの内周部に固定された固定環の内周面と、軸スリーブと羽根車間に設けられたディスタンスピースの外周面とで形成された絞り機構を設け、
    前記キャンドモータポンプの運転直後に前記固定環の内周面と前記ディスタンスピースの外周面とを相互に接触させ、該ディスタンスピースの外周面を摩耗させて運転時間の経過とともに前記絞り機構に微小隙間を生じさせ、羽根車通過後の昇圧された液の一部を前記圧力液体室に導き、該圧力液体室の液体を二方向に分流して、一方を、羽根車側の軸受及びモータ回転子と固定子の空隙、更に、羽根車の反対側の軸受を経由して、ポンプ吸込側に戻し、他方を、前記絞り機構の微小隙間を介して、ポンプ吸込側へ戻すようにしたことを特徴とするキャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法。
  2. 前記固定環はセラミックスからなる硬質材料であり、前記ディスタンスピースは硬質であり多孔質組織のセラミックスからなることを特徴とする請求項1記載のキャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法。
JP2007041238A 2007-02-21 2007-02-21 キャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法 Expired - Fee Related JP4531780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007041238A JP4531780B2 (ja) 2007-02-21 2007-02-21 キャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007041238A JP4531780B2 (ja) 2007-02-21 2007-02-21 キャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001385148A Division JP2003184782A (ja) 2001-12-18 2001-12-18 キャンドモータポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007127135A JP2007127135A (ja) 2007-05-24
JP4531780B2 true JP4531780B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=38149956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007041238A Expired - Fee Related JP4531780B2 (ja) 2007-02-21 2007-02-21 キャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4531780B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102777378A (zh) * 2011-05-10 2012-11-14 通用汽车环球科技运作有限责任公司 泵-电动机组件

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101415785B1 (ko) 2013-03-04 2014-07-10 주식회사 청석 이물질 침투 방지 기능을 갖는 bldc 펌프
KR101519206B1 (ko) * 2013-07-18 2015-05-12 현대자동차주식회사 캔드 모터 펌프
FR3057626A1 (fr) 2016-10-19 2018-04-20 Saint Jean Industries Motopompe a rotor noye, et procede de fabrication d'une telle motopompe
FR3065496B1 (fr) 2017-04-25 2021-05-21 Saint Jean Ind Motopompe a rotor noye
CN107906053A (zh) * 2017-11-14 2018-04-13 如皋千骏工具有限公司 一种微型抽水泵专用泵体
US10634152B2 (en) * 2018-08-17 2020-04-28 Itt Manufacturing Enterprises Llc Multi-bearing design for shaft stabilization
CN109973197B (zh) * 2019-03-27 2023-11-28 盐城海纳汽车零部件有限公司 一种自冷却式发动机用冷却水泵
CN111648974B (zh) * 2020-06-16 2024-05-03 杨华标 一种永磁变频屏蔽泵
CN112398281A (zh) * 2020-10-30 2021-02-23 中国航发西安动力控制科技有限公司 一种微型长寿命电机及电动离心泵
CN114483598B (zh) * 2020-11-13 2023-05-16 汉宇集团股份有限公司 一种具有冷却液内循环的离心式屏蔽电机型屏蔽电泵
CN113217402A (zh) * 2021-05-13 2021-08-06 上海熊猫机械(集团)有限公司 一种水冷智能泵
CN113404701A (zh) * 2021-06-17 2021-09-17 安徽新沪屏蔽泵有限责任公司 一种屏蔽泵

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05332291A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水中軸受
JPH07119678A (ja) * 1993-10-18 1995-05-09 Hitachi Ltd キャンドモータ型ポンプ装置
JPH08166000A (ja) * 1994-12-12 1996-06-25 Iwaki:Kk マグネットポンプ
JPH08219075A (ja) * 1995-02-10 1996-08-27 Ebara Corp キャンドモータポンプ
JPH0968194A (ja) * 1995-08-31 1997-03-11 Ebara Corp キャンドモータポンプ
JPH11324971A (ja) * 1998-05-18 1999-11-26 Ebara Corp キャンドモータポンプ
JP2000002190A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Kubota Corp 立軸ポンプのすべり軸受装置
JP2000192900A (ja) * 1998-12-25 2000-07-11 Miura Co Ltd ポンプ
JP2001241400A (ja) * 2000-02-29 2001-09-07 Ebara Corp ポンプ装置
JP2001248584A (ja) * 2000-03-07 2001-09-14 Ebara Corp キャンドモータポンプ

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05332291A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水中軸受
JPH07119678A (ja) * 1993-10-18 1995-05-09 Hitachi Ltd キャンドモータ型ポンプ装置
JPH08166000A (ja) * 1994-12-12 1996-06-25 Iwaki:Kk マグネットポンプ
JPH08219075A (ja) * 1995-02-10 1996-08-27 Ebara Corp キャンドモータポンプ
JPH0968194A (ja) * 1995-08-31 1997-03-11 Ebara Corp キャンドモータポンプ
JPH11324971A (ja) * 1998-05-18 1999-11-26 Ebara Corp キャンドモータポンプ
JP2000002190A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Kubota Corp 立軸ポンプのすべり軸受装置
JP2000192900A (ja) * 1998-12-25 2000-07-11 Miura Co Ltd ポンプ
JP2001241400A (ja) * 2000-02-29 2001-09-07 Ebara Corp ポンプ装置
JP2001248584A (ja) * 2000-03-07 2001-09-14 Ebara Corp キャンドモータポンプ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102777378A (zh) * 2011-05-10 2012-11-14 通用汽车环球科技运作有限责任公司 泵-电动机组件

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007127135A (ja) 2007-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4531780B2 (ja) キャンドモータポンプにおけるポンプ取扱液の循環方法
Lobanoff et al. Centrifugal pumps: design and application
US5873697A (en) Method of improving centrifugal pump efficiency
JPS6345517B2 (ja)
JP2014238009A (ja) 過給機
JP4965916B2 (ja) キャンドモータポンプ
CN202381406U (zh) 屏蔽泵轴向力平衡装置
CN209838754U (zh) 一种具有气体轴承的压缩机
CN203822655U (zh) 连续重整装置用泵
RU2307263C1 (ru) Насос центробежный (варианты)
JP4089209B2 (ja) 両吸込み渦巻きポンプ
CN211398276U (zh) 转子组件、压缩机及空调设备
US20170298755A1 (en) Compressor system
JP3363085B2 (ja) キャンドモータポンプ
JP2003184782A (ja) キャンドモータポンプ
EP3436703B1 (en) Impeller-type liquid ring compressor
JPS61190191A (ja) 車両用電動式燃料ポンプ
Yurko et al. Influence of changing the end floating seal dynamic characteristics on the centrifugal compressor vibration state
JP2006009740A (ja) 水中モータポンプ
US10634152B2 (en) Multi-bearing design for shaft stabilization
JP3179716B2 (ja) キャンドモータポンプ
ITMI981112A1 (it) Pompa centrifuga a tenuta radiale
EP1452740A2 (en) Hydrodynamic sealing system for centrifugal systems
JPH0615873B2 (ja) 軸流ポンプの軸推力軽減装置
CN105402130B (zh) 压缩机滑片背压结构及压缩机、空调器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100518

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4531780

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees