JP2003184782A - キャンドモータポンプ - Google Patents

キャンドモータポンプ

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JP2003184782A
JP2003184782A JP2001385148A JP2001385148A JP2003184782A JP 2003184782 A JP2003184782 A JP 2003184782A JP 2001385148 A JP2001385148 A JP 2001385148A JP 2001385148 A JP2001385148 A JP 2001385148A JP 2003184782 A JP2003184782 A JP 2003184782A
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pump
rotor
flow
bearing
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JP2001385148A
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Yukio Toyama
幸雄 外山
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心ポンプのポンプケーシング及び羽根車を
流用し、その流用するポンプのポンプケーシング及び羽
根車を追加工不要にし、改造されたキャンドモータポン
プを提供する。 【解決手段】 モータ回転子10と羽根車2を固着した
ロータ5を備え、ロータ5の両端に軸受9a,9bを配
置し、羽根車で昇圧したポンプ取扱液で、モータ回転子
10と固定子13を冷却するとともに各軸受9a,9b
の潤滑および冷却を行うキャンドモータポンプであり、
羽根車側に位置する軸受9aに隣接し、羽根車で昇圧さ
れた液の一部を内部に導く圧力液体室Aを設け、該圧力
液体室の液体を二方向に分流して、一方を、羽根車側の
軸受9a及びモータ回転子10と固定子13の空隙、更
に、羽根車5の反対側の軸受9bを経由して、ポンプ吸
込側に戻し、他方を、相互に接触可能な絞り機構4aを
介して、ポンプ吸込側へ戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単段のメカニカル
シール付き遠心ポンプのポンプケーシング及び羽根車を
流用して、キャンドモータポンプに改造することに係
り、その流用するポンプのポンプケーシング及び羽根車
を追加工不要にし、キャンドモータの冷却及び軸受の潤
滑・冷却を確実に行うことができ、更に、ポンプ効率及
び吸込性能を向上させることができる、ポンプ取扱液の
循環方式を有するキャンドモータポンプに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】既存のメカニカルシール付き遠心ポンプ
と比較して、キャンドモータポンプは、ポンプ取扱液が
無漏洩、据付時の心出し不要、保守部品数が少ないなど
の特長がある。そのため、環境保護、省エネルギー、省
資源および省力化(省人化)を達成できるポンプの一つ
である。環境保護および省力化のために、使用中である
既設のメカニカルシール付き遠心ポンプを、そのポンプ
の吸込・吐出し配管をそのまま使用して、キャンドモー
タポンプへ改造する需要が出てきた。この場合、既設ポ
ンプの吐出し量や全揚程などの能力を同一に維持する必
要があり、また、省資源化のために、そのポンプのポン
プケーシングと羽根車を再使用するのがよい。また、新
規にキャンドモータポンプを製作する場合でも、低コス
ト化およびリードタイム縮減のために、在庫している既
存ポンプのポンプケーシングと羽根車を流用している。
【0003】図4は、既設や既存の単段のメカニカルシ
ール付き遠心ポンプの一般的な構造を示す図である。図
4に示すように、ポンプ部のポンプケーシング1の内部
には、羽根車2が配置されているとともに、ポンプケー
シング1の高圧側の開口部には、ケーシングカバー3が
固着されている。ケーシングカバー3の内部には、ロー
タ5の一端が挿通され、このロータ5の一端に、羽根車
2及び軸スリーブ8aがボルトを介して固定されてい
る。ロータ5の中央付近には、ロータ5に作用する軸方
向推力及び半径方向推力の自重を含めた荷重を支持する
ための軸受9a,9bが、軸受ケーシング15内に配置
されている。軸受ケーシング15は、軸受9a,9bを
介して、ロータ5を回転自在に支承している。また、ケ
ーシングカバー3の内周には、ポンプ取扱液が、ポンプ
ケーシング1の高圧側から大気側へ漏洩する量を最小限
にするために、メカニカルシール17が装着されてい
る。このような既設や既存のメカニカルシール付き遠心
ポンプを、キャンドモータポンプに改造する場合には、
キャンドモータの冷却及び軸受の潤滑・冷却のためのポ
ンプ取扱液の循環方式が必要である。
【0004】キャンドモータの冷却及び軸受の潤滑・冷
却を確実に行うために、図5に示すポンプ取扱液の循環
方式がある。その方式について、以下に詳述する。図5
に示すように、ポンプ部のポンプケーシング1の内部に
は、羽根車2が配置されているとともに、ポンプケーシ
ング1の高圧側の開口部には、ケーシングカバー3が固
着されている。ケーシングカバー3の内部には、ロータ
5の一端が挿通され、このロータ5の一端に、ロータ5
に嵌合されたディスタンスピース6、スラスト板7a、
軸スリーブ8a及び羽根車2が、ボルト19を介して固
定されている。一方、ロータ5の他端には、スラスト板
7b及び軸スリーブ8bが、ボルト20を介して固定さ
れている。
【0005】ケーシングカバー3の内周面に、内方に突
出する凸状部3aを設けることにより、羽根車側の軸受
9a、ケーシングカバー3、ディスタンスピース6及び
軸スリーブ8aとの間に、圧力液体室としての空間Aを
構成しているとともに、凸状部3aの内周面とディスタ
ンスピース6との間に、非接触の絞り機構4aを形成し
ている。すなわち、凸状部3aは、その内周部がディス
タンスピース6の外周面に、わずかの隙間をもって近接
して、ここに流路aを形成している。そして、ケーシン
グカバー3の内部には、羽根車2によって昇圧したポン
プ取扱液の一部を、空間(圧力液体室)A内に導く流通
穴3bを設けている。
【0006】更に、ケーシングカバー3の羽根車側端面
に、スリーブ状に膨出する膨出部3cを形成することに
より、この膨出部3cの内周面と羽根車2のボス部2a
との間に、非接触の第2の絞り機構4bを構成してい
る。すなわち、膨出部3cは、その内周面が羽根車2の
ボス部2aの外周面に、わずかの隙間をもって近接し
て、ここに流路bを形成している。同時に、この膨出部
3cによって、第2の絞り機構4bをはさんで、ケーシ
ングカバー3と羽根車2との間に、二つの空間B,Cを
区画形成し、この空間Cが羽根車2のバランスホール2
bを介して、ポンプの吸込側に連通するようになってい
る。
【0007】ロータ5は、その両側で、一対の軸受9
a,9bを介して、回転自在に支承されている。そし
て、ロータ5のほぼ中央部に、モータ部の回転子10が
固着していて、回転子10と羽根車側の軸受9aとの間
に空間D、回転子10と羽根車と反対側の軸受9bとの
間に空間E、エンドカバー11と羽根車と反対側の軸受
9bとの間に空間Fを、それぞれ形成している。
【0008】そして、羽根車側の軸受9aと軸スリーブ
8aとの間に流路c、羽根車側の軸受9aの端面とスラ
スト板7aとの間に流路d、回転子10のキャン12a
と固定子13のキャン12bとの間に流路e、羽根車と
反対側の軸受9bの端面とスラスト板7bとの間に流路
f、羽根車と反対側の軸受9bと軸スリーブ8bとの間
に流路gを、それぞれ構成している。
【0009】ロータ5の内部には、軸方向に貫通する貫
通穴14を形成していて、この貫通穴14は、両端のボ
ルト19,20を含んで両側に開口している。そして、
この貫通穴14によって、エンドカバー11と羽根車と
反対側の軸受9bとの間の空間Fとポンプの吸込側と
が、互いに連通している。軸受9a,9bにはともに、
内周面に、ら旋状の溝と軸方向に沿って延びる溝とを設
けている。また、軸受9a,9bのスラスト板7a,7
bとの摺動面には、半径方向に延びる溝を設けている。
【0010】上記構造のキャンドモータポンプにおい
て、ケーシングカバー3に設けた流通穴3bから、羽根
車通過後の昇圧したポンプ取扱液を、圧力液体室を構成
する空間A内に導き、ここから二つの方向に流れる。第
1の流れは、第1の絞り機構4a、空間B、第2の絞り
機構4b、空間C及び羽根車2のバランスホール2bを
順に通過して、ポンプの吸込側へ戻る流れである。第2
の流れは、空間Aから、流路c、流路d、空間D、流路
e、空間E、流路f、流路g、空間F及び貫通穴14を
順に通過して、ポンプの吸込側へ戻る流れである。
【0011】第1の流れも第2の流れも、それぞれ最後
は、ポンプの吸込側へ通じているために、羽根車通過後
の昇圧したポンプ取扱液は、空間Aから、より低圧部で
あるポンプの吸込側へと流れ、第2の流れが、モータ部
の冷却及び軸受9a,9bの潤滑・冷却を行う。ここ
に、第1の流れ及び第2の流れに沿って流れるポンプ取
扱液の循環量は、空間Aの圧力と各流路a〜gの面積及
び貫通穴14の面積に大きく影響する。第1の流れも第
2の流れも、それぞれ最後は、ポンプの吸込側へ通じて
いるので、空間A内の圧力は、流路a〜g及び貫通穴1
4のそれぞれの圧力損失に、吸込圧力を加算した大きさ
になる。
【0012】ここで、第1の流れ内に位置する空間C内
の圧力は、羽根車2のバランスホール2bの面積を十分
大きくすることにより、圧力損失をほとんどなくして、
ほぼ吸込圧力とみなすことができる。第1の流れのポン
プ取扱液の循環量は、主に流路a及び流路bの面積によ
って決まり、第2の流れのポンプ取扱液の循環量は、流
路c〜gの面積及び貫通穴14の面積によって決まる。
ここに、流路c、流路d、流路f及び流路gについて
は、軸受9a,9bの内周面に設けたら旋状の溝や軸方
向に延びる溝に加え、スラスト板7a,7bとの摺動面
に設けた半径方向の溝による面積も含む。これらの流路
を構成するための各部の寸法は、モータ部の冷却及び軸
受9a,9bの潤滑・冷却を確実に行うのに必要な循環
量が得られるように決定されている。
【0013】次に、キャンドモータポンプの実際の運転
中の状況について述べる。摩耗に関しては、流路aを構
成する第1の絞り機構4aの内周面、流路bを構成する
第2の絞り機構4bの内周面、及び流路eを構成する回
転子10のキャン12aと固定子のキャン12bとの間
は、それぞれ非接触のため、循環液の流速による摩耗だ
けである。これに対して、流路c、流路d、流路f及び
流路gを構成するそれぞれの面は、接触して相対的に回
転しているために、主に、軸受9a,9bの内周面の摩
耗が徐々に増えていく。
【0014】しかしながら、羽根車側の軸受9aにも羽
根車と反対側の軸受9bにも、内周面にら旋状の溝と軸
方向に沿って延びる溝とを設け、更には、スラスト板7
a,7bとの摺動面には、半径方向に沿って延びる溝を
設けているので、軸受9a,9bの内周面や端面が摩耗
しても、これらの溝は摩耗することなく、したがって、
空間A内の圧力の大きさに影響を与える流路c、流路
d、流路f及び流路gのそれぞれの面積は、ほとんど増
加しない。つまり、空間A内の圧力は、軸受9a,9b
の内周面や端面が摩耗しても、低下しない。また、流路
aを構成する第1の絞り機構4aの内周面、及び流路b
を構成する第2の絞り機構4bの内周面は、非接触のた
め、摩耗がなく、このために、空間A内の圧力も空間B
内の圧力も、変化しない。
【0015】したがって、運転時間の経過とともに、第
1の流れの循環量は、変わらないことに加え、第2の流
れの循環量は、わずかではあるが増えていくために、モ
ータ部の冷却及び軸受の潤滑・冷却を、運転時間の経過
とともに、確実に行うことができる。また、空間A内の
圧力も空間B内の圧力も、変化しないために、羽根車2
に作用する軸推力が増加することがなく、これによっ
て、軸受9a,9bの寿命の短命化を防止できる。これ
らに加えて、第1の流れの循環量が、変化しないから、
羽根車2のバランスホール2bを通過するポンプ取扱液
の量も、また変わらず、羽根車2のバランスホール2b
を通過するポンプ取扱液の流速にも、変化がないため
に、ポンプの吸込性能の低下を防止できる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図5に示した
ポンプ取扱液の循環方式では、第2の絞り機構4bを構
成するために、羽根車2のボス部2aの外周面を追加工
する必要がある。この加工費は、数千円であるが、使用
中である既設ポンプの場合には、羽根車を加工工場まで
運搬するための物流費などが加算されるので、コスト高
になる。単段のメカニカルシール付き遠心ポンプのポン
プケーシング及び羽根車を追加工不要にするには、図5
に示した第2の絞り機構4bを不要にする必要がある。
その方法として、第1の絞り機構4aの半径隙間をさら
に小さくすればよいが、羽根車ライナ部の半径隙間以下
にした場合には、相互に接触やかじりつきの危険があ
る。
【0017】本発明は、上述の問題を解決するためのも
ので、単段のメカニカルシール付き遠心ポンプのポンプ
ケーシング及び羽根車を流用して、キャンドモータポン
プに改造する場合に、その流用するポンプのポンプケー
シング及び羽根車を追加工不要にし、キャンドモータの
冷却及び軸受の潤滑・冷却を確実に行うことができ、更
に、ポンプ効率及び吸込性能を向上させることができ
る、ポンプ取扱液の循環方式を有するキャンドモータポ
ンプを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明は、単段のメカニカルシール付き遠心ポン
プのポンプケーシング及び羽根車を流用して、該ポンプ
を改造することによって製作され、キャン封止したモー
タ回転子と羽根車を固着したロータを備え、このロータ
の両端に軸受を配置するとともに、羽根車通過後の昇圧
したポンプ取扱液で、前記モータ回転子とキャン封止し
たモータ固定子を冷却するとともに前記各軸受の潤滑お
よび冷却を行うように構成したキャンドモータポンプで
あって、前記羽根車側に位置する軸受に隣接して、羽根
車通過後の昇圧された液の一部を内部に導く圧力液体室
を設け、該圧力液体室の液体を二方向に分流して、一方
を、羽根車側の軸受及びモータ回転子と固定子の空隙、
更に、羽根車の反対側の軸受を経由して、ポンプ吸込側
に戻し、他方を、相互に接触可能な絞り機構を介して、
ポンプ吸込側へ戻すように構成したことを特徴とするも
のである。
【0019】本発明によれば、単段のメカニカルシール
付き遠心ポンプを改造してキャンドモータポンプを製作
する場合において、羽根車側に位置する軸受に隣接し
て、羽根車通過後の昇圧された液の一部を内部に導く圧
力液体室を設けるとともに、圧力液体室に隣接して相互
に接触可能な絞り機構を設けている。これにより、羽根
車通過後の昇圧された液の一部は圧力液体室から絞り機
構を介して羽根車背面へ戻るため、羽根車背面へ戻る環
流流量を低減できる。前記絞り機構は、例えば、ケーシ
ングカバーの内周部に固定された固定環の内周面と、軸
スリーブと羽根車間に設けられたディスタンスピースの
外周面とで形成されている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の第1実
施形態のキャンドモータポンプを示す図であり、図1は
キャンドモータポンプ全体の断面図、図2は図1の絞り
機構部の拡大図である。従来例と同一または相当部分に
は、同一の符号を付して、その重複した説明を省略す
る。図1に示すように、ポンプ部のポンプケーシング1
の内部には、羽根車2が配置されているとともに、ポン
プケーシング1の高圧側の開口部には、ケーシングカバ
ー3が固着されている。ケーシングカバー3の内部に
は、ロータ5の一端が挿通され、このロータ5の一端
に、ロータ5に嵌合されたディスタンスピース6、スラ
スト板7a、軸スリーブ8a及び羽根車2が、ボルト1
9を介して固定されている。一方、ロータ5の他端に
は、スラスト板7b及び軸スリーブ8bが、ボルト20
を介して固定されている。
【0021】図1に示すように、ケーシングカバー3の
内周部には、固定環18を固着し、ディスタンスピース
6とともに、相互に接触可能な絞り機構4aを形成して
いる。固定環18の材料は、例えば、セラミックスのよ
うな硬質材料であるが、ディスタンスピース6の材料
は、例えば、硬質であり多孔質組織のセラミックスにし
ている。固定環18の内周面が、ディスタンスピース6
の外周面に接触した場合に、ディスタンスピース6の外
周面が摩耗して削れるようにするためである。
【0022】固定環18とディスタンスピース6の摺動
部の半径隙間は、組み込み可能な程度(直径30mm未
満では、約0.02mm、直径30〜100mmでは、
0.02〜0.05mm、それを超えたら、約0.1m
m)に製作して、キャンドモータポンプに組み込み、こ
のポンプの運転直後は、振動などによって、ロータ5が
振れ回るために、固定環18とディスタンスピース6は
相互に接触する。そして、ディスタンスピース6の外周
面が摩耗して削れ、運転経過時間とともに、非接触にな
り、微小隙間を保持できる。
【0023】上記構造のキャンドモータポンプにおい
て、ケーシングカバー3に設けた流通穴3bから、羽根
車通過後の昇圧したポンプ取扱液を、圧力液体室を構成
する空間A内に導き、ここから二つの方向に流れる。第
1の流れは、絞り機構4a、空間C及び羽根車2のバラ
ンスホール2bを順に通過して、ポンプの吸込側へ戻る
流れである。第2の流れは、空間Aから、流路c、流路
d、空間D、流路e、空間E、流路f、流路g、空間F
及び貫通穴14を順に通過して、ポンプの吸込側へ戻る
流れである。
【0024】上述したように構成することによって、従
来のポンプ取扱液の循環方式を有するキャンドモータポ
ンプと比較して、ポンプ効率及び吸込性能が向上でき
る。以下に、その理由を詳述する。図1に示した絞り機
構4a、図5に示した第1の絞り機構4aと第2の絞り
機構4bのような、溝がない円筒形の隙間を流れる流量
Qは、日本機械学会編による機械工学便覧に記載の下記
の式1を用いて、計算できる。 Q=C×A×(2×g×ΔH)1/2 ………… 式1 ここに、 C :流量係数 A :隙間の面積 g :重力加速度 ΔH:差圧 である。
【0025】また、同便覧から、流量係数Cは、 C=1/{λ×L/(2×b)+1.5}1/2 ……… 式2 ここに、 λ :摩擦係数 L :隙間の長さ b :半径隙間 である。
【0026】摩擦係数λは、隙間内を流れる液体のレイ
ノルズ数Reの関数になり、次式で計算できる。 Re=u×d/ν …………… 式3 ここに、 u :隙間内流速 d :隙間部の直径 ν :動粘度 である。
【0027】式1乃至式3の変数のうち、重力加速度g
は定数であり、隙間の長さL、半径隙間b及び隙間部の
直径dは、ポンプを特定すれば定数であり、隙間の面積
Aは、隙間部の直径d及び半径隙間bから計算でき、動
粘度νは、ポンプの取扱液を特定すれば定数である。し
かし、残りの変数、隙間内流速u、摩擦係数λ、差圧Δ
Hは、特定できない。隙間内流速uが判れば、レイノル
ズ数Reを計算し、ムーディ線図から、摩擦係数λを得
て、流量係数Cを計算できる。そして、差圧ΔHがわか
れば、流量Qを計算できる。
【0028】そこで、流量Qを計算するために、図5に
示したキャンドモータポンプを使用して、常温清水でポ
ンプを運転しながら、各部の圧力を測定した。図6は図
5に示すキャンドモータポンプにおける絞り機構の流量
を計測するための変数名を示す図である。図6に示すよ
うに、このポンプの諸元は、羽根車外径D2=198m
m、第1の絞り機構4aの直径d1=30mm、隙間の
長さL1=12mm、半径隙間b1=0.25mm、第
2の絞り機構4bの直径d2=35mm、隙間の長さL
2=12mm、半径隙間b2=0.25mmである。圧
力測定の結果から、最高効率点における各部の差圧は、
第1の絞り機構4a部では、ΔH1=11m、第2の絞
り機構4bでは、ΔH2=11mであった。
【0029】ここで、流量Q0を仮定して、隙間内流速
uを計算し、レイノルズ数Reを求める。求めたレイノ
ルズ数Reから、ムーディ線図上で、摩擦係数λを読み
取り、流量係数Cを計算して、圧力測定の結果から得た
差圧を流用して、流量Qを計算する。そして、この流量
Qを仮定した流量Q0と比較して、異なっていれば、流
量Q0を流量Qに置換して、再計算し、両方が一致する
まで、繰り返し計算する。両方が一致した時に、正確な
流量係数Cが決定される。
【0030】上述した計算式で計算すると、最高効率点
における羽根車背面へ戻る還流流量は、従来例では、約
15L(リットル)/min(分)である。図3(a)
は、本発明における絞り機構の流量を計算するための変
数名を示す図である。上述した計算式で計算すると、最
高効率点における羽根車背面へ戻る還流流量は、本発明
では、約2L(リットル)/min(分)である。した
がって、本発明によって、羽根車背面へ戻る還流流量を
低減できる。また、計算結果は省略するが、図3(b)
に示すように、固定環18における絞り部の突起18a
の数を2個以上にすれば、更に、還流流量を低減でき
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
相互に接触可能な絞り機構を設けたことによって、羽根
車背面へ戻る還流流量を低減できるので、還流流量用の
循環用動力が低減し、ポンプ効率を向上できる。また、
バランスホール室内への還流流量を低減できるので、バ
ランスホールを通過して、羽根車入口部へ戻る流体の流
速が低下し、羽根車入口へ吸込口から流入する流速に対
して、逆流成分を低減するために、吸込性能を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のキャンドモータポンプ
を示す断面図である。
【図2】図1の絞り機構を拡大して示す拡大図である。
【図3】図3(a)は本発明における絞り機構の流量を
計算するための変数名を示す図であり、図3(b)は本
発明の絞り機構の他の例を示す図である。
【図4】既設や既存のメカニカルシール付きポンプを示
す断面図である。
【図5】従来のキャンドモータポンプを示す断面図であ
る。
【図6】従来における絞り機構の流量を計算するための
変数名を示す図である。
【符号の説明】
1 ポンプケーシング 2 羽根車 3 ケーシングカバー 5 ロータ 6 ディスタンスピース 7a,7b スラスト板 8a,8b 軸スリーブ 9a,9b 軸受 10 回転子 11 エンドカバー 12a,12b キャン 13 固定子 14 貫通穴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単段のメカニカルシール付き遠心ポンプ
    のポンプケーシング及び羽根車を流用して、該ポンプを
    改造することによって製作され、キャン封止したモータ
    回転子と羽根車を固着したロータを備え、このロータの
    両端に軸受を配置するとともに、羽根車通過後の昇圧し
    たポンプ取扱液で、前記モータ回転子とキャン封止した
    モータ固定子を冷却するとともに前記各軸受の潤滑およ
    び冷却を行うように構成したキャンドモータポンプであ
    って、 前記羽根車側に位置する軸受に隣接して、羽根車通過後
    の昇圧された液の一部を内部に導く圧力液体室を設け、
    該圧力液体室の液体を二方向に分流して、一方を、羽根
    車側の軸受及びモータ回転子と固定子の空隙、更に、羽
    根車の反対側の軸受を経由して、ポンプ吸込側に戻し、
    他方を、相互に接触可能な絞り機構を介して、ポンプ吸
    込側へ戻すように構成したことを特徴とするキャンドモ
    ータポンプ。
  2. 【請求項2】 前記絞り機構は、ケーシングカバーの内
    周部に固定された固定環の内周面と、軸スリーブと羽根
    車間に設けられたディスタンスピースの外周面とで形成
    されることを特徴とする請求項1記載のキャンドモータ
    ポンプ。
JP2001385148A 2001-12-18 2001-12-18 キャンドモータポンプ Pending JP2003184782A (ja)

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