JP2004132187A - 給水ポンプおよび給水ポンプ用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】給水ポンプ1は、給水ポンプ部20と、スラスト軸受40と、その摺動部に潤滑油を供給する粘性給油ポンプ50bと、これらを収納する軸受ハウジング102aとを備える。スラスト軸受40は、スラストランナ9と、その両側面に当接するスラストパッド8a、8bとを備える。粘性給油ポンプ50bは、スラストランナ9の外周部と、これに若干の間隙を有して配置される給油ケーシング部200と、ランナ外周部および給油ケーシング部200間に形成された給油室210と、給油室210の下部に連通して形成された油吸込口212とを備える。給油室210は油吸込口側が大きく反油吸込口側が小さな空間となるように形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水ポンプおよび給水ポンプ用軸受装置に係り、特に産業プラントや発電プラントなどに用いられる多段のボイラー給水ポンプおよびこれに用いられる軸受装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の火力発電プラントに用いられるボイラー給水ポンプシステムを、図6および図7を参照しながら説明する。
【0003】
このボイラー給水ポンプシステムは、図6に示すように、回転軸3を支持するラジアル軸受7a、7bと、スラストパッド8a、8bおよびスラストランナ9からなるスラスト軸受8とをポンプ端部に配置している。また、このボイラー給水ポンプシステムは、各軸受7a、7b、8の摺動部に潤滑油を供給するオイルポンプ600、オイルタンク700および軸受で昇温した潤滑油を冷却するオイルクーラー800を備えて構成されている。これらは軸受部へ潤滑油を給排出する油配管900で連結されている。
【0004】
この油潤滑軸受では、回転軸3とラジアル軸受7a、7bとの摺動およびスラストランナ9とスラストパッド8a、8bとの摺動による発熱によって、潤滑油の温度が上昇して粘性が低下する。これによって、軸受7a、7b、8の摺動部分に形成された油膜の膜厚が減少し、回転軸3とラジアル軸受7a、7bとが固体接触して或いはスラストランナ9とスラストパッド8a、8bとが固体接触して、軸受損傷を引き起こす危険性がある。
【0005】
そこで、潤滑油を冷却するために、オイルポンプ600、オイルタンク700、オイルクーラー800および油配管900を軸受装置の外部補機として備え、これにより潤滑油を循環させて冷却する循環冷却システムが採用されている。この循環冷却システムは、軸受部から潤滑油を取り出してオイルタンク700に一旦溜め、その後、オイルポンプ600により、オイルクーラー800を通過させて潤滑油を冷却して油温を下げた後、油配管900を通して各軸受7a、7b、8へ潤滑油を供給するものである。
【0006】
係る油循環冷却システムを採用した軸受装置について、図7に示すボイラー給水ポンプの回転軸端部の拡大図を参照しながらさらに具体的に説明する。
【0007】
ラジアル軸受7a、7bは、摺動面にSn―Pb―Cu合金(以下、ホワイトメタルと称す)を回転軸3との摺動面に付加した鋼製の円板で作られ、回転軸3の中央部を境界として上下に2分割されて構成されている。
【0008】
スラスト軸受8を構成するスラストパッド8a、8bは、スラスト力による軸変位を押さえるためのものであり、スラストランナ9の両側面と摺動する。スラストランナ9は、回転軸3に取付けられ、回転軸3と共に回転される。また、スラストパッド8a、8bは、摺動面にホワイトメタルを付加した扇状の鋼板で作られ、回転軸3を取り囲むように円環状に配列されている。スラストパッド8aおよび8bとスラストランナ9とでスラスト軸受8が構成されている。
【0009】
回転軸3は、―般に、13Cr鋼で製作されている。シール11cは、給水ポンプ部から軸受ハウジング102b内へ水が漏れるのを防止するためのものである。
【0010】
回転軸3とラジアル軸受7bもしくはスラストランナ9とスラストパッド8a、8bとが固体接触をして軸受損傷を引き起こすことを防止するため、ハウジング102bの排油ポート110a、110bから潤滑油を取り出して一旦オイルタンク700に溜め、オイルポンプ600によりオイルクーラー800を通過させて潤滑油を冷却して油温を下げた後、軸受ハウジング102bの給油ポート111a、111b、111cから各軸受7a、7b、8に潤滑油を供給するようになっている。
【0011】
上述した従来のボイラー給水ポンプシステムを改善するためになされたものとして、特許文献1に記載された給水ポンプがある。
【0012】
この給水ポンプは、横軸の回転軸に取付けられた給水ポンプ部と、回転軸を支持するラジアル軸受と、回転軸のスラスト力を支承するスラスト軸受と、スラスト軸受の摺動部に潤滑油を供給する第1の粘性給油ポンプと、ラジアル軸受に潤滑油を供給する第2の粘性給油ポンプと、ラジアル軸受、スラスト軸受および粘性給油ポンプを収納する軸受ハウジングとを備えて構成されている。
【0013】
そして、ラジアル軸受とスラスト軸受とは回転軸の一側に軸方向に並置されている。スラスト軸受は、回転軸に設けられたスラストランナと、スラストランナの両側面に当接するスラストパッドとを有して構成されている。ラジアル軸受およびスラストパッドの摺動面を構成する材料として、カーボン繊維あるいはガラス繊維を含むポリエーテルエーテルケトン、四フッ化エチレン等の高分子材料が用いられている。
【0014】
また、第1の粘性給油ポンプは、スラストランナの外周部と、このランナ外周部と若干の間隙を有して配置される軸受ハウジングの内周部と、ランナ外周部およびハウジング内周部間に隙間寸法より大きく形成された給油室と、潤滑油を給油室へ導入するように給油室の下部に連通して形成された油吸込口と、潤滑油を給油室から導出するように給油室の上部に連通して形成された油吐出口とを有して構成されている。給油室はスラストランナの外周部に対して周方向に同一の大きさ(即ち、同一の深さ)で成形されている。
【0015】
さらには、第2の粘性給油ポンプは、回転軸に固定されたディスクと、ディスクの外周円弧面に対向する弧状で浅い給油室を形成したオイルケースと、給油室に潤滑油を導くための油吸込口と、給油室からラジアル軸受に潤滑油を導くための油供給路とを有して構成されている。
【0016】
【特許文献1】
特開2002−188637号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図6、7に示すボイラー給水ポンプシステムでは、軸受部の摺動面にホワイトメタルを用いているため、油中での摩擦係数が低く、優れた摺動特性を示す。しかし、ホワイトメタルは、耐熱性が低いために、一旦かじり付きを起こすと溶融して凝固し、硬い変質相を形成して著しい焼き付きが引き起こされるおそれがある。
【0018】
このため、軸受部から潤滑油を取り出してオイルタンク700に一旦溜め、その後、オイルポンプ600により、オイルクーラー800を通過させて潤滑油を冷却して油温を下げた後、油配管900を通して各軸受7a、7b、8へ潤滑油を供給する循環冷却システムである外部補機が必要である。この外部補機によって、システムが高価になると共に、大きな設置スペースが必要となり、さらには、外部補機の油配管が複雑となると共に、外部補機に多量の潤滑油が必要となっていた。
【0019】
一方、特許文献1に開示されている給水ポンプは、第1の粘性給油ポンプの給油室がスラストランナの外周部に対して周方向に同一の大きさの空間で成形されているため、第1の粘性給油ポンプの給油量を十分に確保することが難しいものであった。即ち、この第1の粘性給油ポンプにおいて、給油室への潤滑油の十分な供給量を確保しようとして給油室の深さを深くすると、給油室から潤滑油を十分に吐出するために必要な給油室内の圧力上昇が十分に得られなくなり、逆に、給油室から潤滑油を十分に吐出するために必要な給油室内の圧力上昇を得ようとして給油室の深さを浅くすると、給油室への潤滑油の十分な供給量を確保することができなくなってしまうものであった。
【0020】
また、係る給水ポンプおいては、第1の粘性給油ポンプがスラストランナの外周部と軸受ハウジング自身の内周部とで形成されているため、給油室の形成が面倒であった。即ち、大きな軸受ハウジングに小さな給油室を精度よく形成しなければならないため、加工機が大型になって加工が面倒となってしまうものであった。
【0021】
さらには、係る給水ポンプおいては、ラジアル軸受とスラスト軸受とに独立した二つの粘性給油ポンプ(第1の粘性給油ポンプおよび第2の粘性給油ポンプ)を用いて給油しているため、給油ポンプ部が複雑になり、高価なものとなっていた。
【0022】
さらには、係る給水ポンプおいては、軸受ハウジング内に収納されたラジアル軸受およびスラストパッドの摺動面を構成する材料としてカーボン繊維あるいはガラス繊維を含むポリエーテルエーテルケトン、四フッ化エチレン等の高分子材料が用いられ、高温に耐えられるようにしているが、このために軸受ハウジングの外周部分も高温となってこの部分を介しての軸受装置の検査ができないという問題があった。
【0023】
本発明の目的は、長寿命で外部補機の必要がなく、省スペースで信頼性が高い給水ポンプおよび給水ポンプ用軸受装置を得ることにある。
【0024】
本発明の別の目的は、潤滑油を循環するための外部補機を必要とすることなく、軸受ハウジングに収納された一つの粘性給油ポンプを用いてスラスト軸受およびラジアル軸受の両方を潤滑できる安価な給水ポンプおよび給水ポンプ用軸受装置を得ることにある。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、潤滑油を循環するための外部補機を必要とすることなく、軸受ハウジングの外周部分の温度上昇を抑制してその部分を介しての軸受装置の検査が可能な給水ポンプおよび給水ポンプ用軸受装置を得ることにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の給水ポンプは、横軸の回転軸に取付けられた給水ポンプ部と、前記回転軸のスラスト力を支承するスラスト軸受と、前記スラスト軸受の摺動部に潤滑油を供給する粘性給油ポンプと、前記スラスト軸受および前記粘性給油ポンプを収納する軸受ハウジングとを備え、前記スラスト軸受は、前記回転軸に設けられたスラストランナと、前記スラストランナの両側面に当接するスラストパッドとを有し、前記粘性給油ポンプは、前記スラストランナの外周部と、このランナ外周部と若干の間隙を有して配置される給油ケーシング部と、前記ランナ外周部および前記給油ケーシング部間に形成された給油室と、前記潤滑油を前記給油室へ導入するように前記給油室の下部に連通して形成された油吸込口とを有し、前記給油室は油吸込口側が大きく反油吸込口側が小さな空間となるように形成されている構成としたものである。
【0027】
前記別の目的を達成するために、本発明の給水ポンプは、横軸の回転軸に取付けられた給水ポンプ部と、前記回転軸を支持するラジアル軸受と、前記回転軸のスラスト力を支承するスラスト軸受と、前記スラスト軸受の摺動部に潤滑油を供給する粘性給油ポンプと、前記ラジアル軸受、前記スラスト軸受および前記粘性給油ポンプを収納する軸受ハウジングとを備え、前記ラジアル軸受と前記スラスト軸受とは前記回転軸の一側に軸方向に並置され、前記スラスト軸受は、前記回転軸に設けられたスラストランナと、前記スラストランナの両側面に当接するスラストパッドとを有し、前記粘性給油ポンプは、前記スラストランナの外周部と、このランナ外周部と若干の間隙を有して配置される給油ケーシング部と、前記ランナ外周部および前記給油ケーシング部間に形成された給油室と、前記潤滑油を前記給油室へ導入するように前記給油室の下部に連通して形成された油吸込口と、前記潤滑油を前記給油室から導出するように前記給油室の上部に連通して形成された油吐出口とを有し、前記油吐出口から吐出される潤滑油を前記ラジアル軸受に導く給油路が設けられている構成としたものである。
【0028】
前記さらなる別の目的を達成するために、本発明の給水ポンプは、横軸の回転軸に取付けられた給水ポンプ部と、前記回転軸のスラスト力を支承するスラスト軸受と、前記スラスト軸受の摺動部に潤滑油を供給する粘性給油ポンプと、前記スラスト軸受および前記粘性給油ポンプを収納する軸受ハウジングとを備え、前記スラスト軸受は、前記回転軸に設けられたスラストランナと、前記スラストランナの側面に当接するスラストパッドとを有し、前記粘性給油ポンプは、前記スラストランナの外周部と、このランナ外周部と若干の間隙を有して配置される給油ケーシング部と、前記ランナ外周部および前記給油ケーシング部間に形成された給油室と、前記潤滑油を前記給油室へ導入するように前記給油室の下部に連通して形成された油吸込口とを有し、前記スラストパッドはポリエーテルエーテルケトンおよび四フッ化エチレンの少なくとも一つを含む材料で前記スラストランナとの摺動面部が形成され、前記スラスト軸受の外方に位置する前記軸受ハウジングの外周部分に冷却水を流すための水冷ジャケットが設けられている構成としたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
【0030】
本実施形態の給水ポンプは、図1に示す産業プラントや火力発電プラント等に用いられる横軸式のボイラー給水ポンプである。
【0031】
図1に示す給水ポンプ1は、横軸の回転軸3に取付けられた給水ポンプ部20と、その両側に設置された軸受装置30、40とを備えて構成されている。
【0032】
給水ポンプ部20は、吸込フランジ2aより吸込まれた水を、複数の昇圧流路に繰り返し流入させることにより、加圧し、吐出フランジ2bから吐出するものである。複数の昇圧流路は、回転軸3に嵌合されて回転する複数個の羽根車4とこの羽根車4の外周に設けた複数個のディフューザ5とこのディフューザ5の外周に設けた複数個のステージ6とを軸方向に組み合わせることによって構成される。
【0033】
給水ポンプ部20の両側にはラジアル軸受7a、7bが設けられ、これによって回転軸3を支持するようになっている。また、複数の昇圧流路で水を昇圧する過程において、流体力等により軸方向のスラスト力が発生する。このスラスト力を支承するために給水ポンプ部20の一側にスラスト軸受8が設けられている。これらの軸受7a、7b、8は油潤滑軸受である。
【0034】
そして、給水ポンプ部20の回転軸貫通部にシール11b、11cが配置され、給水ポンプ部20の両側から水が漏れないようになっている。また、回転軸3の一端は軸受ハウジング102aを貫通して設けられ、これによって外部の駆動系が回転軸3の一端に連結できるようになっている。この回転軸3の貫通部分にはシール11aが配置され、これによって軸受ハウジング102a内の潤滑油が外部に漏れないようになっている。
【0035】
軸受装置30は、回転軸3の一側を支持するラジアル軸受(第1のラジアル軸受)7aと、ラジアル軸受7aに潤滑油を供給する粘性給油ポンプ(第1の粘性給油ポンプ)50aと、ラジアル軸受7bおよび粘性給油ポンプ50aを収納する軸受ハウジング102aと、軸受ハウジング102aを冷却するための水冷ジャケット400aと、潤滑油を冷却するための油溜り部60aとを備えて構成されている。
【0036】
ラジアル軸受7aは耐熱性の熱可塑性樹脂材料、具体的にはカーボン繊維あるいはガラス繊維を含むポリエーテルエーテルケトンおよび四フッ化エチレンの少なくとも一つを含む材料で回転軸3との摺動面部が形成されている。
【0037】
粘性給油ポンプ50aは、ディスク201と、このディスク201に若干の間隙を有して配置される給油ケーシング200と、給油菅201および給油ケーシング200間に形成された給油室と、潤滑油を給油室へ導入するように給油室の下部に連通して形成された油吸込口と、潤滑油を給油室から導出するように給油室の上部に連通して形成された油吐出口とを有して構成されている。
【0038】
給油ケーシング200は、スラストランナ9の外周部全周にわたって若干の隙間を有して形成されると共に、軸受ハウジング102aと別体の円環状部材で形成されている。係る隙間はスラストランナ9の外周面に面して形成した凹溝により形成されている。また、給油室は油吸込口側から反油吸込口側に徐々に小さな空間となるように形成されている。
【0039】
油吐出口から吐出される潤滑油をラジアル軸受7aに導く給油路が設けられている。この給油路は軸受ハウジング102aに一体に形成され、これによって簡単な構造で給油できるようになっている。
【0040】
油溜り部60aは、軸受ハウジングを軸受ハウジング102aと共に構成するものであり、ラジアル軸受7aを潤滑した潤滑油を戻して冷却し、粘性給油ポンプ50aに供給するためのものである。この油溜り部60aは、後述する油溜り部60bと基本的に同一であるため、重複する説明を省略する。なお、油溜り部60aを軸受ハウジング102aに内蔵するように構成してもよい。
【0041】
ラジアル軸受7aの外方に位置する軸受ハウジング102aの外周部分に冷却水を流すための水冷ジャケット400aが設けられ、これによって軸受ハウジング102aの冷却が行なわれるようになっている。この水冷ジャケット400aは軸受ハウジング102aの軸方向のほぼ全幅にわたって且つ円周方向の半周以上にわたって形成され、これによって軸受ハウジング102aが十分に冷却されるようになっている。なお、軸受ハウジング102aの冷却を必要としない使用形態の場合には、水冷ジャケット400aを省略してもよい。
【0042】
潤滑油は、給水ポンプ部20の運転停止時に軸受ハウジング102aの下部に油面が位置するように、油溜りハウジング300を含む軸受ハウジング102a内に収納されている。この状態では、ディスク202の下端部および給油室の吸込部側が潤滑油に浸漬されると共に、油溜り部60a内に潤滑油が充満されている。
【0043】
給水ポンプ部20が運転されてディスク202が回転されると、給油室内でディスク202に接触している潤滑油が粘性によって持ち上げられ、給油室内に充満される。この潤滑油は油吐出口から給油路を通ってラジアル軸受7aに供給され、ラジアル軸受7aの摺動部を潤滑する。この潤滑油は、油溜り部60aに戻って冷却された後、給油菅201を通って給油室に供給される。
【0044】
次に、軸受装置40を図2から図5を参照しながら説明する。
【0045】
軸受装置40は、回転軸3の他側を支持するラジアル軸受(第2のラジアル軸受)7bと、回転軸3のスラスト力を支承するスラスト軸受8と、ラジアル軸受7bおよびスラスト軸受8に潤滑油を供給する粘性給油ポンプ(第2の粘性給油ポンプ)50bと、ラジアル軸受7b、スラスト軸受8および粘性給油ポンプ50bを収納する軸受ハウジング102bと、軸受ハウジング102bを冷却するための水冷ジャケット400bと、潤滑油を冷却するための油溜り部60bとを備えて構成されている。
【0046】
回転軸3を支持するラジアル軸受7bとスラスト力を支承するスラスト軸受8とが回転軸3の一側に軸方向に隣接して並置されている。
【0047】
ラジアル軸受7bは耐熱性の熱可塑性樹脂材料、具体的にはカーボン繊維あるいはガラス繊維を含むポリエーテルエーテルケトンおよび四フッ化エチレンの少なくとも一つを含む材料で回転軸3との摺動面部が形成されている。
【0048】
スラスト軸受8は、回転軸3に嵌合して設けられたスラストランナ9と、このスラストランナ9の両側面に当接する複数のスラストパッド8a、8bを有して構成されている。スラストランナ9は、回転軸3に固定された中央リング部と、その外周に形成された円板部とを備えて構成されている。スラストパッド8a、8bは耐熱性の熱可塑性樹脂材料、具体的にはカーボン繊維あるいはガラス繊維を含むポリエーテルエーテルケトンおよび四フッ化エチレンの少なくとも一つを含む材料で回転軸3との摺動面部が形成された扇状部材が回転軸3を取り囲むように円環状に配列されて構成されている。
【0049】
ラジアル軸受7a、ラジアル軸受7bおよびスラスト軸受8の摺動面部がカーボン繊維もしくはガラス繊維を含む耐熱性を有する熱可塑性樹脂(ポリエーテルエーテルケトン、四フッ化エチレンのいずれか)で形成されているので、ホワイトメタル使用限界と言われる110℃以上の温度で運転することが可能になると共に、面圧を増すことができ、ラジアル軸受7a、ラジアル軸受7bおよびスラスト軸受8の小型化も可能となる。ホワイトメタルの使用限界と言われる110℃以上の高温でも使用可能としている。
【0050】
粘性給油ポンプ50bは、スラストランナ9と、このスラストランナ9に若干の間隙を有して配置される給油ケーシング200と、スラストランナ9および給油ケーシング200間に形成された給油室210と、潤滑油を給油室210へ導入するように給油室210の下部に連通して形成された油吸込口212と、潤滑油を給油室210から導出するように給油室210の上部に連通して形成された油吐出口211とを有して構成されている。
【0051】
給油ケーシング200は、スラストランナ9の外周部全周にわたって若干の隙間を有して形成されると共に、軸受ハウジング102bと別体の円環状部材で形成されている。係る隙間はスラストランナ9の外周面に面して且つ側方に開放して形成されている。
【0052】
また、給油室210はスラストランナ9の外周面に対向する面に形成した凹溝により形成されている。油吐出口211側で十分な圧力が発生するように、隙間の数倍以下の深さを有する矩形断面溝で形成されている。この凹溝(即ち、給油室210)の幅は、スラストランナ9の側面幅より小さくし、凹溝がランナ外周面上にあるようになっている。この凹溝の深さは油吸込口側から反油吸込口側に徐々に浅くなるように形成されている。換言すれば、給油室210は油吸込口側から反油吸込口側に徐々に小さな空間となるように形成されている。
【0053】
油吐出口211から吐出される潤滑油をラジアル軸受7bに導く給油路250が設けられている。この給油路250は軸受ハウジング102bに一体に形成され、これによって簡単な構造で給油できるようになっている。
【0054】
潤滑油は、給水ポンプ部20の運転停止時に軸受ハウジング102bの下部に油面が位置するように、油溜りハウジング300を含む軸受ハウジング102a内に収納されている。この状態では、スラストランナ9の下端部および給油室210の吸込部側が潤滑油に浸漬されると共に、油溜りハウジング300内に潤滑油が充満されている。
【0055】
給水ポンプ部20が運転されてスラストランナ9が回転されると、スラストランナ9内でディスク202に接触している潤滑油が粘性によって持ち上げられ、給油室210内に充満される。この給油室210内の潤滑油は、油吸込口側から油吐出口側に持ち上げられる際に昇圧され、スラストランナ9の外周面とポンプケーシング200の内周面との隙間を通して側方に流出される。この流出された潤滑油はスラストランナ9とスラストパッド8a、8bとの摺動部などに供給され、これによって摺動部が潤滑される。このスラストパッド8a、8bは流出口を有する空間に配置されており、この空間が潤滑油で満たされることにより、スラストパッド8a、8bは油浴状態になるので、摺動部を十分に潤滑することができる。隙間の側方から流出されなかった潤滑油は、油吐出口211から給油路250を通ってラジアル軸受7bに供給され、これによってラジアル軸受7bの摺動部が潤滑される。隙間からの油流出量と油吐出口21からの油流出量との比は、隙間寸法および油吐出口側の流路断面積を適宜に設定することにより調節することができる。
【0056】
ここで、給油室210が油吸込口側から反油吸込口側に徐々に小さな空間となるように形成されているので、図4に示すように(説明を追加)、…の効果を有している。
【0057】
油溜り部60bは、軸受ハウジングを軸受ハウジング102bと共に構成するものであり、ラジアル軸受7bおよびスラスト軸受8を潤滑した潤滑油を戻して冷却し、粘性給油ポンプ50bに供給するためのものである。この油溜り部60bは、油溜りハウジング300、水冷管301、冷却水導入カバー303、冷却水入力ポート302、冷却水排出カバー305、冷却水出力ポート304、および給油菅201を備えて構成されている。
【0058】
油溜りハウジング300は、軸受ハウジング102bの内部と連通する空間を有し、軸受ハウジング102bの下部に位置して形成されている。水冷管301は、油溜りハウジング300を貫通して複数設けられている。冷却水導入カバー303は複数の水冷管301の一側開口を共通の空間を有して覆うように油溜りハウジング300の側面に設けられている。冷却水入力ポート302は冷却水導入カバー303の上部に設けられている。冷却水排出カバー305は複数の水冷管301の他側開口を共通の空間を有して覆うように油溜りハウジング300の側面に設けられている。冷却水出力ポート304は冷却水排出カバー305の下部に設けられている。給油菅201は油溜りハウジング300内の下部と油吸込口212とを連通するように設けられている。なお、油溜り部60aを軸受ハウジング102aに内蔵するように構成してもよい。
【0059】
ラジアル軸受7bおよびスラスト軸受8を潤滑した潤滑油は、軸受ハウジング102aの底部から油溜りハウジング300内に溜められた後、給油菅201を通して粘性給油ポンプ50bに供給される。粘性給油ポンプ50bを冷却するための水は、冷却水入力ポート302から導入され、冷却水導入カバー303を通して各水冷管301に分岐して流れ、冷却水排出カバー305で合流されて冷却水出力ポート304から排出される。これによって油溜りハウジング300内に貯留された潤滑油が冷却される。
【0060】
ラジアル軸受7bおよびスラスト軸受8の外方に位置する軸受ハウジング102bの外周部分に冷却水を流すための水冷ジャケット400bが設けられ、これによって軸受ハウジング102bの冷却が行なわれるようになっている。この水冷ジャケット400bは軸受ハウジング102bの軸方向のほぼ全幅にわたって且つ円周方向の半周以上にわたって形成され、これによって軸受ハウジング102bが十分に冷却されるようになっている。なお、軸受ハウジング102bの冷却を必要としない使用形態の場合には、図5に示すように、水冷ジャケット400bを省略してもよい。
【0061】
本実施形態よれば、粘性給油ポンプ50bは、スラストランナ9の外周部と、このランナ外周部9に若干の間隙を有して配置される給油ケーシング部200と、ランナ外周部および給油ケーシング部200間に形成された給油室210と、潤滑油を給油室210へ導入するように給油室210の下部に連通して形成された油吸込口212とを有して構成されると共に、給油室210は油吸込口側が大きく反油吸込口側が小さな空間となるように形成されているので、粘性給油ポンプ50bの給油量を十分に確保することができる。
【0062】
即ち、この粘性給油ポンプ50bにおいて、給油室210の油吸込口側が大きな空間となるように形成されているため、給油室210の油吸込口側空間の圧力が小さくなり、給油室210への潤滑油の十分な吸込量を確保することができる。また、給油室210の反油吸込口側が小さな空間となるように形成されているため、給油室210の油吐出口側空間の圧力が大きくなり、給油室210の上部の隙間および油吐出口211から潤滑油を十分に吐出することができる。これによって、ラジアル軸受7bおよびスラスト軸受8に多量の潤滑油を供給できることとなり、ラジアル軸受7bおよびスラスト軸受8での潤滑油の停滞時間が小さくなる。この点を、図4を参照しながら説明すると、本実施形態の偏心溝で給油室210を形成した図4右側の場合には、同心溝で給油室を形成した左側の場合と比較して、油量が大幅に増大していることがわかる。特に、潤滑油が吐出口から流出する吐出口量より隙間からスラスト軸受8側に流出するサイドフロー量を格段に増大することが可能である。
【0063】
これによって、潤滑油が高温にさらされにくくなるので、潤滑油の酸化が抑えられ、安定した油粘度で長期間使用することが可能になる。このようにして、本実施形態では、長寿命で外部補機の必要がなく、省スペースで信頼性が高い給水ポンプを提供することが可能になる。
【0064】
また、給油室210は油吸込口側から反油吸込口側に徐々に小さな空間となるように形成されているので、スラストランナ9の外周面に対向する面に形成した凹溝から潤滑油が円滑に流出させることができ、この点からもスラスト軸受8の信頼性をより一層向上することができる。
【0065】
さらには、給油ケーシング部211は、スラストランナ9の外周部全周にわたって形成されると共に、軸受ハウジング102bと別体の円環状部材で形成されているので、給油室210の形成が容易である。即ち、大きな軸受ハウジング102bとは関係なく、小さな円環上部材に小さな給油室210を形成すればよく、小型の加工機で精度よく容易に形成することができる。
【0066】
さらには、スラストパッド8a、8bはポリエーテルエーテルケトンおよび四フッ化エチレンの少なくとも一つを含む材料でスラストランナ9との摺動面部が形成されていると共に、軸受ハウジング102bの外周部分に冷却水を流すための水冷ジャケット400が設けられているので、摺動面部の温度が従来例のホワイトメタルを用いた場合に比較して高温になっても信頼性を確保することができる。そして、このように摺動面部が高温になっても軸受ハウジング102bの外周部分の上昇を測定機器の使用範囲内の抑制することができ、軸受ハウジング102bの外周部分を介しての軸受装置40の検査を容易に行なうことができる。特に、回転軸4を支持するラジアル軸受7bとスラスト軸受8とが回転軸4の一側に軸方向に並置され、スラスト軸受8およびラジアル軸受7bの両方の外方に位置する軸受ハウジング102bの外周部分に冷却水を流すための水冷ジャケット400が設けられているので、スラスト軸受8およびラジアル軸受7bの両方を簡単な構造で効率よく冷却することができる。
【0067】
さらには、ラジアル軸受7bとスラスト軸受8とは回転軸3の一側に軸方向に並置され、粘性給油ポンプ50bは潤滑油を給油室210から導出するように給油室210の上部に連通して形成された油吐出口211を有し、油吐出口211から吐出される潤滑油をラジアル軸受7bに導く給油路250が設けられているので、ラジアル軸受7bとスラスト軸受8とに独立した二つの粘性給油ポンプを用いて給油する従来例と比較して、給油ポンプ部50bの構造が簡単となり、安価にすることができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明した実施形態の説明から明らかなように、本発明によれば、長寿命で外部補機の必要がなく、省スペースで信頼性が高い給水ポンプおよび給水ポンプ用軸受装置が得られる。
【0069】
また、本発明によれば、潤滑油を循環するための外部補機を必要とすることなく、軸受ハウジングに収納された一つの粘性給油ポンプを用いてスラスト軸受およびラジアル軸受の両方を潤滑できる安価な給水ポンプおよび給水ポンプ用軸受装置が得られる。
【0070】
さらに、本発明によれば、潤滑油を循環するための外部補機を必要とすることなく、軸受ハウジングの外周部分の温度上昇を抑制してその部分を介しての軸受装置の検査が可能な給水ポンプおよび給水ポンプ用軸受装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す給水ポンプの縦断面図である。
【図2】図1の給水ポンプにおける軸受装置部Aの拡大断面図である。
【図3】図2の軸受装置における粘性給油ポンプ部の縦断面図であり、給油ケーシングのみ断面で示す。
【図4】図3の粘性給油ポンプの性能を説明する図である。
【図5】図2の軸受装置の変形例を示す縦断面図である。
【図6】従来の給水ポンプシステムの構成図であり、給水ポンプを断面構造で示す。
【図7】図6の給水ポンプシステムに軸受装置部Bの拡大断面図である。
【符号の説明】
1…給水ポンプ、2a…吸込フランジ、2b…吐出フランジ、3…回転軸、4…羽根車、5…ディフューザ、6…ステージ、7a、7b…ラジアル軸受、8…スラスト軸受、8a、8b…スラストパッド、9…スラストランナ、11a、11b、11c…シール、20…給水ポンプ部、30、40…軸受装置、50a、50b…粘性給油ポンプ、60a、60b…油溜まり部、102a、102b…軸受ハウジング、200…ポンプケーシング、201…給油管、202…ディスク、210…給油室、211…油吐出口、212…油吸込口、250…給油路、300…油溜りハウジング、301…水冷管、302…冷却水入力ポート、303…冷却水導入カバー、304…冷却水出力ポート、305…冷却水排出カバー、400a、400b…水冷ジャケット。
Claims (13)
- 横軸の回転軸に取付けられた給水ポンプ部と、
前記回転軸のスラスト力を支承するスラスト軸受と、
前記スラスト軸受の摺動部に潤滑油を供給する粘性給油ポンプと、
前記スラスト軸受および前記粘性給油ポンプを収納する軸受ハウジングとを備え、
前記スラスト軸受は、前記回転軸に設けられたスラストランナと、前記スラストランナの両側面に当接するスラストパッドとを有し、
前記粘性給油ポンプは、前記スラストランナの外周部と、このランナ外周部と若干の間隙を有して配置される給油ケーシング部と、前記ランナ外周部および前記給油ケーシング部間に形成された給油室と、前記潤滑油を前記給油室へ導入するように前記給油室の下部に連通して形成された油吸込口とを有し、
前記給油室は油吸込口側が大きく反油吸込口側が小さな空間となるように形成されている
ことを特徴とする給水ポンプ。 - 請求項1において、前記給油室は油吸込口側から反油吸込口側に徐々に小さな空間となるように形成されていることを特徴とする給水ポンプ。
- 請求項1または2において、前記給油ケーシング部は、前記スラストランナの外周部全周にわたって形成されると共に、前記軸受ハウジングと別体の円環状部材で形成されていることを特徴とする給水ポンプ。
- 請求項3において、前記隙間は前記スラストランナの外周面に面して且つ側方に開放して形成され、前記給油室は前記スラストランナの外周面に対向する面に形成した凹溝により形成されていることを特徴とする給水ポンプ。
- 請求項1から4の何れかにおいて、前記スラストパッドはポリエーテルエーテルケトンおよび四フッ化エチレンの少なくとも一つを含む材料で前記スラストランナとの摺動面部が形成されていると共に、前記軸受ハウジングの外周部分に冷却水を流すための水冷ジャケットが設けられていることを特徴とする給水ポンプ。
- 横軸の回転軸に取付けられた給水ポンプ部と、
前記回転軸を支持するラジアル軸受と、
前記回転軸のスラスト力を支承するスラスト軸受と、
前記スラスト軸受の摺動部に潤滑油を供給する粘性給油ポンプと、
前記ラジアル軸受、前記スラスト軸受および前記粘性給油ポンプを収納する軸受ハウジングとを備え、
前記ラジアル軸受と前記スラスト軸受とは前記回転軸の一側に軸方向に並置され、
前記スラスト軸受は、前記回転軸に設けられたスラストランナと、前記スラストランナの両側面に当接するスラストパッドとを有し、
前記粘性給油ポンプは、前記スラストランナの外周部と、このランナ外周部と若干の間隙を有して配置される給油ケーシング部と、前記ランナ外周部および前記給油ケーシング部間に形成された給油室と、前記潤滑油を前記給油室へ導入するように前記給油室の下部に連通して形成された油吸込口と、前記潤滑油を前記給油室から導出するように前記給油室の上部に連通して形成された油吐出口とを有し、
前記油吐出口から吐出される潤滑油を前記ラジアル軸受に導く給油路が設けられている
ことを特徴とする給水ポンプ。 - 請求項6において、前記給油室は油吸込口側が大きく油吐出口側が小さな空間となるように形成されていることを特徴とする給水ポンプ。
- 請求項6または7において、前記スラストパッドはポリエーテルエーテルケトンおよび四フッ化エチレンの少なくとも一つを含む材料で前記スラストランナとの摺動面部が形成されていると共に、前記スラスト軸受および前記ラジアル軸受の外方に位置する前記軸受ハウジングの外周部分に冷却水を流すための水冷ジャケットが設けられていることを特徴とする給水ポンプ。
- 横軸の回転軸に取付けられた給水ポンプ部と、
前記回転軸のスラスト力を支承するスラスト軸受と、
前記スラスト軸受の摺動部に潤滑油を供給する粘性給油ポンプと、
前記スラスト軸受および前記粘性給油ポンプを収納する軸受ハウジングとを備え、
前記スラスト軸受は、前記回転軸に設けられたスラストランナと、前記スラストランナの側面に当接するスラストパッドとを有し、
前記粘性給油ポンプは、前記スラストランナの外周部と、このランナ外周部と若干の間隙を有して配置される給油ケーシング部と、前記ランナ外周部および前記給油ケーシング部間に形成された給油室と、前記潤滑油を前記給油室へ導入するように前記給油室の下部に連通して形成された油吸込口とを有し、
前記スラストパッドはポリエーテルエーテルケトンおよび四フッ化エチレンの少なくとも一つを含む材料で前記スラストランナとの摺動面部が形成され、
前記スラスト軸受の外方に位置する前記軸受ハウジングの外周部分に冷却水を流すための水冷ジャケットが設けられている
ことを特徴とする給水ポンプ。 - 請求項9において、前記回転軸を支持するラジアル軸受と前記スラスト軸受とが前記回転軸の一側に軸方向に並置され、前記スラスト軸受および前記ラジアル軸受の両方の外方に位置する前記軸受ハウジングの外周部分に冷却水を流すための水冷ジャケットが設けられていることを特徴とする給水ポンプ。
- 前記回転軸のスラスト力を支承するスラスト軸受と、
前記スラスト軸受の摺動部に潤滑油を供給する粘性給油ポンプと、
前記スラスト軸受および前記粘性給油ポンプを収納する軸受ハウジングとを備え、
前記スラスト軸受は、前記回転軸に設けられたスラストランナと、前記スラストランナの両側面に当接するスラストパッドとを有し、
前記粘性給油ポンプは、前記スラストランナの外周部と、このランナ外周部と若干の間隙を有して配置される給油ケーシング部と、前記ランナ外周部および前記給油ケーシング部間に形成された給油室と、前記潤滑油を前記給油室へ導入するように前記給油室の下部に連通して形成された油吸込口とを有し、
前記給油室は油吸込口側が大きく反油吸込口側が小さな空間となるように形成されている
ことを特徴とする給水ポンプ用軸受装置。 - 請求項11において、前記給油ケーシング部は、前記スラストランナの外周部全周にわたって形成されると共に、前記軸受ハウジングと別体の円環状部材で形成されていることを特徴とする給水ポンプ用軸受装置。
- 請求項12において、前記給油室は油吸込口側から反油吸込口側に徐々に小さな空間となるように形成され、前記隙間は前記スラストランナの外周面に面して且つ側方に開放して形成され、前記給油室は前記スラストランナの外周面に対向する面に形成した凹溝により形成されていることを特徴とする給水ポンプ用軸受装置。
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