JP2004276723A - 洗浄具取付部を持つ車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザ等でもエバポレータを比較的容易に洗浄できる、洗浄具取付部を持つ車両用空調装置を提供することである。
【解決手段】車両用空調装置は、第1壁部15、その下流側の第2壁部17及びその下流側の第3壁部19を備え、空気通路13を区画する送風ダクト10と;第1壁部15に取り付けられたブロワ制御部25と、ブロワ制御部に近接して第2壁部17に取り付けられた洗浄具取付部32と;第3壁部19に裁置されたエバポレータ50と、から成る。取付部32に取り付けた洗浄具45,47から洗浄剤を供給し、エバポレータ50を洗浄する。
【選択図】図2
【解決手段】車両用空調装置は、第1壁部15、その下流側の第2壁部17及びその下流側の第3壁部19を備え、空気通路13を区画する送風ダクト10と;第1壁部15に取り付けられたブロワ制御部25と、ブロワ制御部に近接して第2壁部17に取り付けられた洗浄具取付部32と;第3壁部19に裁置されたエバポレータ50と、から成る。取付部32に取り付けた洗浄具45,47から洗浄剤を供給し、エバポレータ50を洗浄する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は洗浄具取付部を持つ車両用空調装置、特に蒸発器の洗浄が容易な空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用空調装置は一般に、空気通路を区画する送風ダクト内に上流から下流に向かって送風ファン、蒸発器(エバポレータ)及びヒータコア等が配置されている。外気のみ、内気のみ、又は両者の混合空気を送風ファンが下流に送る。エバポレータはその内部を流れる冷媒と周辺を流れる空気との間で熱交換し、冷風を生成する。ヒータコアはその内部を流れるエンジン冷却温水と周辺を流れる空気との間で熱交換し、温風を生成する。
【0003】
送風ダクトに取り込まれる空気にはゴミやほこり(以下「ごみ等」と言う)が混入し易い。ゴミ等が混入した空気が送風ファンによりエバポレータに送られると、ゴミ等がエバポレータの表面に付着したり、送風ダクトのエバポレータ裁置面に堆積する。そして、エバポレータの表面が乾きと湿りとを繰り返すうちに、ゴミ等がかびや雑菌を発生させる。これによりエバポレータの冷却能力が低下するのみならず、悪臭を発生する。
【0004】
これを防止するため、従来より送風ダクトに洗浄具を取り付け、洗浄剤をエバポレータに供給して洗浄している。第1従来例の洗浄装置(特許文献1参照)は、図7に示すように、送風ダクト300の一部に送風路302を形成している。通常(非洗浄時)は送風用ホース301を送風路302に接続し、空気(風)を送る。洗浄時は接続具304を介して洗浄用ホース306を送風路302に接続し、洗浄用ホース306を通して洗浄剤を供給し、送風ファン308によりエバポレータ310に送っている。
【0005】
第2従来例の空調装置(特許文献2参照)は、図8及び図9に示すように、送風ダクト320の一部に形成したボス322及びつば323に、先端に洗浄ノズル324を備えたホース326を挿入している。洗浄ノズル324は多数のノズル孔325を持つ。洗浄剤はノズル孔325から放出されるとともに、送風ファン328によりエバポレータ330に送られる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−306998号
【特許文献2】
特開2001−260643号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
空調装置の送風ダクトは、作業者(専業者)のみならずユーザでも容易にエバポレータの洗浄作業を行えることができ、また洗浄具を取り付けるための洗浄具取付部が簡単に形成できることが望まれる。この点、上記第1従来例は、エバポレータ310の洗浄時は送風用ホース301を送風路302から外し、その代わり洗浄用ホース306を挿入する必要があり、作業者にもユーザにも洗浄作業が面倒である。また、洗浄時に送風を利用することができない。
【0008】
一方、第2従来例は、ホース26の挿入孔を送風ダクト320にドリルであける作業が必要になり、またドリル作業の際内部の部品を損傷するおそれがある。さらに、挿入孔はエバポレータ330に近いので、ドリル作業が容易とは言い難い。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、専業者はもとよりユーザでも容易に洗浄作業を行うことができる、洗浄具取付部を持つ車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の発明者は、ブロワ制御部は送風ダクト上の比較的作業性の良い場所に設置されることに注目し、その近傍に洗浄具取付部を形成することを思い付いて、本発明を完成した。
【0011】
本願の第1発明による車両用空調装置は、請求項1に記載したように、一体的に形成された第1壁部、第2壁部及び第3壁部を備え、空気通路を区画する送風ダクトと;第1壁部の外面に取り付けられブロワの作動を制御するブロワ制御部と;ブロワ制御部に近接して第2壁部の内面に設けられ、筒状で空気通路の横断方向に延び先端が開口した洗浄具取付部と;第3壁部に裁置されたエバポレータと;から成る。この空調装置において、エバポレータの洗浄時は洗浄具取付部に洗浄具を取り付け、洗浄具から洗浄剤を噴出させてエバポレータを洗浄する。
【0012】
請求項2の空調装置は、請求項1において、洗浄具取付部は送風ダクトと一体的に形成されている。請求項3の空調装置は、請求項2において、洗浄具取付部はその軸方向に延びた第1挿入孔を備えている。請求項4の空調装置は、請求項3において、更に、洗浄具取付部に装着され、第1挿入孔に連続しエバポレータに対向する側で開口する第2挿入孔を備えたアダプタを含む。
【0013】
請求項5の空調装置は、請求項4において、アダプタの第2挿入孔はその軸方向に延びた第1孔部と、その軸直角方向に延びエバポレータに対向する側で開口した第2孔部とを含む。請求項6の空調装置は、請求項1において、洗浄具取付部は、その軸方向に延びた第1孔部と、第1孔部と所定角度を成しエバポレータに対向する側で開口した第2孔部とを含む挿入孔を備えている。
【0014】
本願の第2発明による車両用空調装置は請求項7に記載したように、第1壁部及び第2壁部を備え、空気通路を区画する送風ダクトと;第1壁部の外面に取り付けられブロワの作動を制御するブロワ制御部と;第1壁部の内面に設けられ、筒状で空気通路の横断方向に延び先端が開口した洗浄具取付部と;第2壁部に裁置されたエバポレータと;とから成る。この空調装置において、ブロワ制御部を第1壁部から取り外し、洗浄具取付部に取り付けた洗浄具から供給した洗浄剤でエバポレータを洗浄する。
【0015】
請求項8の空調装置は、請求項7において、洗浄具取付部は送風ダクトと一体的に形成されている。請求項9の空調装置は、請求項8において、洗浄具取付部に挿入孔に形成された雌ねじ部に、ブロア制御部を第1壁部に取り付けるねじ部材の雄ねじ部が螺合される。
【0016】
【発明の実施の形態】
<送風ダクト>
送風ダクトは成形型により一体成形され、全体として箱形状を持ち、上壁、下壁及び一対の側壁により空気通路を区画している。洗浄具取付部を設ける壁部分とブロワ制御部を取り付ける壁部分とが異なる第1タイプと、同じ第2タイプとがある。第1タイプは後述する第1実施例、第2実施例及び第3実施例に対応し、第2タイプは第4実施例に対応する。
【0017】
第1タイプの下壁はブロワ制御部を取り付ける第1壁部、洗浄具取付部を設ける第2壁部、及びエバポレータを裁置する第3壁部を備えている。下壁はさらに送風ファン(ブロワ)を取り付ける第4壁部を備えることができる。ブロア制御部を取り付ける第1壁部と、洗浄具取付部を設ける第2壁部とは近接しており、両者間の距離は短い(10cm前後)。
【0018】
第2タイプの下壁はブロア制御部及び洗浄具取付部を配置する第1壁部と、エバポレータを裁置する第2壁部とを備えている。
<ブロワ制御部>
ブロワ制御部は通常補給部品であり、上記第1及び第2タイプにおいて第1壁部の外面に取り付けられる。第1壁部は送風ダクト上の洗浄作業性の良い場所に選定されている。上記第1タイプでも第2タイプでも、ブロア制御部には電気部品が搭載され、送風ファンの作動を制御する。
【0019】
送風ファンは、非洗浄時は混合空気を下流側に送り、洗浄時は混合空気を下流側に送るとともに洗浄剤をエバポレータに供給する。エバポレータを洗浄時と非洗浄時とで要求される風量が異なるので、風量が最適となるようにブロワ制御部で送風ファンの作動を制御する。
<洗浄具取付部>
洗浄具取付部は、エバポレータを洗浄する洗浄具を送風ダクトに取り付ける部分である。洗浄具とは洗浄剤を噴出するノズルや、タンクの洗浄剤をノズルに供給するホース等である。上記第1タイプでは、第2壁部の内面に設ける洗浄具取付部は全体的に筒形状で、ノズルを挿入するための挿入孔を備えている。第2壁部と別体でも良いが、一体であることが望ましい。一体的な洗浄具取付部は、送風ダクトを型製作する際同時に成形することができる。
【0020】
第2タイプでは洗浄具取付部は第1壁部の内面に形成される。何れのタイプでも、洗浄具取付部の横断面形状、高さ等はブロワ制御部、エバポレータ及び洗浄具との関連で適宜選択できる。
【0021】
洗浄具取付部には、2つのタイプがある。aタイプの挿入孔は、空気通路の横断方向に延びる孔部のみからなる。これに対して、bタイプの挿入孔は、軸方向即ち空気通路の横断方向に延びる第1孔部と、半径方向即ち空気通路の長手方向に沿って下流側に延びる第2孔部とから成る。
【0022】
aタイプの場合、洗浄具取付部の先端にアダプタを装着することができる。アダプタは洗浄具取付部の第1挿入孔につながる第1孔部と、エバポレータに対向して開口する第2孔部とを持つ第2挿入孔を備える。第2挿入孔の構成が異なる複数のアダプタを用意し、最適のものを選ぶことができる。bタイプの第2孔部は空気通路の長手方向に対して所定角度をなし、斜め上方に延びる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づき説明する。
<第1実施例>
(構成)
図1及び図2に示すように、第1実施例の空調装置は送風ダクト10と、その内部空間に配置された送風ファン23と、ブロワ制御部25と、洗浄具取付部32と、エバポレータ50とから成る。送風ダクト10は全体的に箱形状で上壁11、下壁12及び一対の側壁(不図示)を含み、空気通路13を区画している。下壁12は第1壁部15と、その下流側(図1及び図2で右側)の第2壁部17と、その下流側の第3壁部19と、第1壁部15の上流側の第4壁部21とを持つ。
【0024】
第4壁部21の内側に送風ファン23が取り付けられ、外側に配置されたブロワモータ24により駆動されている。送風ファン23は外気取入口(不図示)から取り入れた外気、内気取入口(不図示)から取り入れた内気、又は両者の混合した混合空気を下流側に送る。
【0025】
第1壁部15には貫通孔(不図示)が形成されている。第1壁部15の外側に配置されたブロワ制御ユニット25は送風ファン23の作動を制御するための電気部品を含む。貫通孔に挿通されたねじ26を内向きに盛り上がったねじ螺合部28に螺合させることにより第1壁部15に取り付けられている。
【0026】
洗浄具取付部(以下、実施例では「取付部」と呼ぶ)32は全体として円筒形状を持ち、第2壁部17即ち送風ダクト10と一体的に形成され、送風ダクト10の中心に向いている。第2壁部17の外面側にある環状部34と、内面側にある筒状部36とを備え、軸方向に延びる直線上の挿入孔38が形成されている。挿入孔38は一端が環状部34の外端面で開口し、他端が筒状部36の内端面で開口している。
【0027】
挿入孔38内にノズル45が挿入されている。ノズル45の基端は環状部34の開口から突出し、先端は筒状部36の開口から突出している。ノズル45はホース47を介して洗浄剤を貯えたタンク48に接続されている。タンク内の洗浄剤はガス圧によりノズル45に圧送される。ノズル45及びホース47が洗浄具30を構成する。
【0028】
第3壁部19にエバポレータ50が載置されている。なお図示しないが、送風ダクト10には送風ファン23の上流側に外気取入口及び内気取入口が形成されている。また、送風ダクト10内にはエバポレータ50の下流側にはヒータコアが配置されている。
(作用)
この実施例において、空調空気の形成及びエバポレータ50の洗浄は以下の通り行う。例えば、外気と内気との混合空気がブロワモータ24により回転される送風ファン23により空気通路13内を上流側から下流側へ送られる。冷房時、空気はエバポレータ50により冷却されて冷風になり、所定の吹出口から吹き出される。暖房時、空気はヒータコアにより加熱されて温風になり、所定の吹出口から吹き出される。冷風の一部をヒータコアで加熱し、残部をバイパスさせることにより、空調空気の温度が調整される。
【0029】
前述したように、外気に含まれるゴミ等がエバポレータ50の冷却能力を低下させるので、所定時期(例えば数年毎又は数万キロ走行毎)にエバポレータ50を洗浄する。洗浄の際はまず、挿入孔38の環状部34の開口を塞いでいる膜をカッタ等で破り、取付部32の外方の開口からノズル45を差し込む。尚、水滴が落下するおそれがないときは、膜の形成は不要である。
【0030】
ガス圧等により、タンク48の洗浄剤をホース47からノズル45に供給すると、ノズル45が洗浄剤55を上方に噴出する。このとき、ブロワモータ24により送風ファン23を作動させ、ガス圧及び空気流により洗浄剤55の泡、噴霧の流れ方向を変えると、泡等がエバポレータ50を洗浄する。エバポレータ50の洗浄終了後、ノズル45を取付部32から抜き出し、挿入孔38をプラグ(不図示)で閉栓する。
(効果)
この実施例によれば、以下の効果が得られる。第1に、ノズル45から噴射される洗浄剤によるエバポレータ50の洗浄作業が容易である。これは、ブロワ制御部25とエバポレータ50の間において、取付部32をブロワ制御部25に近接して(10cm前後)配置したからである。
【0031】
通常、送風ダクト10は車両のインストルメンタルパネルの前方において車幅方向に延び、エバポレータ50が運転席側に、送風ファン23が助手席側に位置する。運転席側のスペースには種々の機器が配置されあまり余裕がないが、助手席側のスペースは比較的余裕がある。この余裕のあるスペース内でノズル45及びホース47の挿入及び取付を行えるので、作業が容易になる。
【0032】
その結果、専業者でも、また洗浄に不慣れなユーザでもノズル45を挿入孔38に挿入するのみで、洗浄剤によりエバポレータ50を洗浄することができる。
【0033】
第2に、エバポレータ50の洗浄に要する費用が安価である。これは、第2壁部17と一体的に形成した取付部32の挿入孔38が直線状に延びているからである。このような取付部32は、従来の金型に対応するくぼみを設けて、従来と同じ工程を実行することにより簡単に形成でき、製造コストは実質的に上昇しない。エバポレータ50を安価に洗浄することを望むユーザに好都合である。
【0034】
第3に、取付部32を設けるための送風ダクト10の孔あけ作業が不要になり、その分取付部32の形成のためのコストが安くなる。これに関連して、孔あけ時に送風ダクト10の一部を孔あけ工具で傷つけることもなくなる。
【0035】
第4に、エバポレータ50洗浄時に送風ファン23の空気流を利用できる。送風ファン23を作動させ、ガス圧との関係で洗浄剤55がエバポレータ50全体に均等に供給され、かつエバポレータ50以外の機器や空間に飛散しないようにブロワ制御部25を制御する。
<第2実施例>
図3に第2実施例の空調装置を示す。この実施例では上記第1実施例の取付部32にアダプタ60を装着している点が異なる。
【0036】
第2壁部17と一体的に形成された取付部50は円筒形状を持ち、その外径は全長に亘って一定である。中心には一端面から他端面まで軸方向に延びる挿入孔52が形成されている。
【0037】
アダプタ60はブロック形状の本体部62と、下面に形成された突出部66とを持つ。突出部66は取付部60の上端開口に嵌合可能である。突出部66から本体部62の側面63にかけて、供給孔70が形成されている。供給孔70は突出部66から本体部62の中央部にかけて高さ方向(図3で上下方向)に延びる第1孔部71と、該第1孔部71に連続して本体62を斜め上方に延びる第2孔部72とを含む。
【0038】
第2孔部72は本体62の上面64と平行な平面に対して所定角度α(約30度)を成している。また、本体部62の長さ(図3で左右方向寸法)は取付部50の直径よりも大きい。第2孔部72の開口は取付部50の外周面よりも下流側に位置している。
【0039】
洗浄時は挿入孔52にノズル45を挿入し、その先端を供給孔70と連通させる。ホース47から圧送される洗浄剤55は、挿入孔52に挿入されたノズル45及びアダプタ60の供給孔70を通して側面63の開口からエバポレータ50に向かって噴出される
(作用効果)
この実施例の作用は第1実施例の作用と同じである。この実施例によれば、第1実施例と第1,第2及び第4の効果と同様の効果が得られる。加えて、供給孔70から噴出される洗浄剤55がエバポレータ50に確実に供給される。即ち、取付部50に装着したアダプタ60の第2孔部72は水平面に対して少し上方に向き、第2孔部72の開口は取付部50の外周面よりも下流側に位置している。よって、洗浄剤55はよりエバポレータ50に近い位置から、斜め上方に噴出され、エバポレータ50全体に均等に供給されることによる。
【0040】
なお、上記アダプタに代えて、図4に示す変形アダプタ90を使用することができる。この変形アダプタ90では、上記本体部62と同様に、本体部91に第2孔部92が形成されている。上記突出部66よりも長い突出部96に第1孔部97が形成されている。長い突出部96を直接ホースに47に接続することができ、それによりノズル45が不要となる。
<第3実施例>
図5に第3実施例を示す。この実施例では第2壁部17と一体的に形成された円筒形状の取付部は132は、高さの高い大径部134と低い小径部136とを備え、縦断面L字形状の挿入孔138が形成されている。挿入孔138は軸方向孔部139aと半径方向孔部139bとを含む。軸方向孔部139aは小径部136の端面から大径部134の途中まで軸方向に延びている。半径方向孔部139bは軸方向孔部139aの他端から半径方向に延び、大径部134の外周面で開口しエバポレータ50に対向している。ここでは軸方向孔部139aと半径方向孔部139bとはほぼ直角を成していいるが、鈍角を成しても良い。
【0041】
半径方向孔部139bは、下壁13の長手方向(図5で左右方向)に進退するスライド型を使用して形成されたものである。挿入孔138内に挿入されたノズル45は屈曲可能で、一端は軸方向孔部139aの開口から外方に突出し、他端は半径方向孔部39bの開口から内方に突出している。
(作用効果)
この実施例の作用は第1実施例の作用と同じである。この実施例によれば、第1、第2及び第4効果と同様の効果が得られる。加えて、半径方向孔部139bから噴出される洗浄剤55がエバポレータ50に確実に供給される。半径方向孔部139bがエバポレータ50に対向していることに加えて、送風ファン23が発生する空気流により洗浄剤55を下流側に送るからである。
<第4実施例>
図6に示す第4実施例の特徴は、ブロワ制御部220及び取付部225をともに第1壁部15に形成した点にある。詳述すると、第1壁部15の外面にブロア制御部220が取り付けられ、内面に取付部225が一体的に形成されている。
【0042】
取付部225には直線状の第1孔部227aと、これに対して所定角度を成す第2孔部227bとを持つ挿入孔226が形成されている。第1孔部227aの内周面には外側開口から途中まで雌ねじが部が形成されている。雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を持つねじ部材231によりブロア制御部220が第1壁部15に固定されている。
(作用効果)
エバポレータ50の洗浄時はねじ部材231を回転させてブロワ制御部220を第1壁部15から取り外す。この実施例によれば、上記第1実施例の第1、第2及び第3の効果と同様の効果が得られる。加えて、ブロワ制御部220及び取付部225とをともに第1壁部15に形成し、取付部225をブロア制御部220のための固定部として利用できる。
【0043】
【発明の効果】
以上述べてきたように、第1発明の車両用空調装置によれば、洗浄具取付部がブロワ制御部の近傍の洗浄作業がし易い場所に配置されている。よって、ユーザのように洗浄作業に不慣れな者でも洗浄具を挿入するのみで、エバポレータの洗浄が可能となる。
【0044】
請求項2の空調装置によれば、洗浄具取付部が従来の送風ダクトと同様のコストで安価に形成でき、送風ダクトの孔あけ作業が不要となる。請求項3の空調装置によれば、洗浄具取付部の形成費用が極力安くなり、洗浄費用も安くなる。
【0045】
請求項4及び5の空調装置によれば、洗浄具取付部とエバポレータとの距離等に応じて効率的な洗浄に最適のアダプタを選択することができる。請求項6の空調装置によれば、洗浄剤がエバポレータに向かって確実に噴出される。
【0046】
また、第2発明の車両用空調装置によれば、上記第1発明の車両用空調装置における効果に加えて、ブロワ制御部及び洗浄具取付部の部品点数が減少する。
【0047】
請求項8の空調装置によれば、洗浄具取付部が従来の送風ダクトと同様のコストで安価に形成でき、送風ダクトの孔あけ作業が不要となる。請求項9の空調装置によれば、洗浄具取付部の挿入孔の一部をブロア制御部に取り付けるねじ部材のねじ孔として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す要部断面図である。
【図4】第2実施例のアダプタの変形例を示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す要部断面図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す要部断面図である。
【図7】第1従来例を示す全体断面図である。
【図8】第2従来例を示す全体断面図である。
【図9】図8の9−9断面図である。
【符号の説明】
10:送風ダクト 12:下壁
15:第1壁部 17:第2壁部
21:第3壁部 25:ブロワ制御部
30:洗浄具 32:取付部
38:挿入孔 45:ノズル
47:ホース 50:エバポレータ
55:洗浄剤
【発明の属する技術分野】
本発明は洗浄具取付部を持つ車両用空調装置、特に蒸発器の洗浄が容易な空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用空調装置は一般に、空気通路を区画する送風ダクト内に上流から下流に向かって送風ファン、蒸発器(エバポレータ)及びヒータコア等が配置されている。外気のみ、内気のみ、又は両者の混合空気を送風ファンが下流に送る。エバポレータはその内部を流れる冷媒と周辺を流れる空気との間で熱交換し、冷風を生成する。ヒータコアはその内部を流れるエンジン冷却温水と周辺を流れる空気との間で熱交換し、温風を生成する。
【0003】
送風ダクトに取り込まれる空気にはゴミやほこり(以下「ごみ等」と言う)が混入し易い。ゴミ等が混入した空気が送風ファンによりエバポレータに送られると、ゴミ等がエバポレータの表面に付着したり、送風ダクトのエバポレータ裁置面に堆積する。そして、エバポレータの表面が乾きと湿りとを繰り返すうちに、ゴミ等がかびや雑菌を発生させる。これによりエバポレータの冷却能力が低下するのみならず、悪臭を発生する。
【0004】
これを防止するため、従来より送風ダクトに洗浄具を取り付け、洗浄剤をエバポレータに供給して洗浄している。第1従来例の洗浄装置(特許文献1参照)は、図7に示すように、送風ダクト300の一部に送風路302を形成している。通常(非洗浄時)は送風用ホース301を送風路302に接続し、空気(風)を送る。洗浄時は接続具304を介して洗浄用ホース306を送風路302に接続し、洗浄用ホース306を通して洗浄剤を供給し、送風ファン308によりエバポレータ310に送っている。
【0005】
第2従来例の空調装置(特許文献2参照)は、図8及び図9に示すように、送風ダクト320の一部に形成したボス322及びつば323に、先端に洗浄ノズル324を備えたホース326を挿入している。洗浄ノズル324は多数のノズル孔325を持つ。洗浄剤はノズル孔325から放出されるとともに、送風ファン328によりエバポレータ330に送られる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−306998号
【特許文献2】
特開2001−260643号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
空調装置の送風ダクトは、作業者(専業者)のみならずユーザでも容易にエバポレータの洗浄作業を行えることができ、また洗浄具を取り付けるための洗浄具取付部が簡単に形成できることが望まれる。この点、上記第1従来例は、エバポレータ310の洗浄時は送風用ホース301を送風路302から外し、その代わり洗浄用ホース306を挿入する必要があり、作業者にもユーザにも洗浄作業が面倒である。また、洗浄時に送風を利用することができない。
【0008】
一方、第2従来例は、ホース26の挿入孔を送風ダクト320にドリルであける作業が必要になり、またドリル作業の際内部の部品を損傷するおそれがある。さらに、挿入孔はエバポレータ330に近いので、ドリル作業が容易とは言い難い。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、専業者はもとよりユーザでも容易に洗浄作業を行うことができる、洗浄具取付部を持つ車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の発明者は、ブロワ制御部は送風ダクト上の比較的作業性の良い場所に設置されることに注目し、その近傍に洗浄具取付部を形成することを思い付いて、本発明を完成した。
【0011】
本願の第1発明による車両用空調装置は、請求項1に記載したように、一体的に形成された第1壁部、第2壁部及び第3壁部を備え、空気通路を区画する送風ダクトと;第1壁部の外面に取り付けられブロワの作動を制御するブロワ制御部と;ブロワ制御部に近接して第2壁部の内面に設けられ、筒状で空気通路の横断方向に延び先端が開口した洗浄具取付部と;第3壁部に裁置されたエバポレータと;から成る。この空調装置において、エバポレータの洗浄時は洗浄具取付部に洗浄具を取り付け、洗浄具から洗浄剤を噴出させてエバポレータを洗浄する。
【0012】
請求項2の空調装置は、請求項1において、洗浄具取付部は送風ダクトと一体的に形成されている。請求項3の空調装置は、請求項2において、洗浄具取付部はその軸方向に延びた第1挿入孔を備えている。請求項4の空調装置は、請求項3において、更に、洗浄具取付部に装着され、第1挿入孔に連続しエバポレータに対向する側で開口する第2挿入孔を備えたアダプタを含む。
【0013】
請求項5の空調装置は、請求項4において、アダプタの第2挿入孔はその軸方向に延びた第1孔部と、その軸直角方向に延びエバポレータに対向する側で開口した第2孔部とを含む。請求項6の空調装置は、請求項1において、洗浄具取付部は、その軸方向に延びた第1孔部と、第1孔部と所定角度を成しエバポレータに対向する側で開口した第2孔部とを含む挿入孔を備えている。
【0014】
本願の第2発明による車両用空調装置は請求項7に記載したように、第1壁部及び第2壁部を備え、空気通路を区画する送風ダクトと;第1壁部の外面に取り付けられブロワの作動を制御するブロワ制御部と;第1壁部の内面に設けられ、筒状で空気通路の横断方向に延び先端が開口した洗浄具取付部と;第2壁部に裁置されたエバポレータと;とから成る。この空調装置において、ブロワ制御部を第1壁部から取り外し、洗浄具取付部に取り付けた洗浄具から供給した洗浄剤でエバポレータを洗浄する。
【0015】
請求項8の空調装置は、請求項7において、洗浄具取付部は送風ダクトと一体的に形成されている。請求項9の空調装置は、請求項8において、洗浄具取付部に挿入孔に形成された雌ねじ部に、ブロア制御部を第1壁部に取り付けるねじ部材の雄ねじ部が螺合される。
【0016】
【発明の実施の形態】
<送風ダクト>
送風ダクトは成形型により一体成形され、全体として箱形状を持ち、上壁、下壁及び一対の側壁により空気通路を区画している。洗浄具取付部を設ける壁部分とブロワ制御部を取り付ける壁部分とが異なる第1タイプと、同じ第2タイプとがある。第1タイプは後述する第1実施例、第2実施例及び第3実施例に対応し、第2タイプは第4実施例に対応する。
【0017】
第1タイプの下壁はブロワ制御部を取り付ける第1壁部、洗浄具取付部を設ける第2壁部、及びエバポレータを裁置する第3壁部を備えている。下壁はさらに送風ファン(ブロワ)を取り付ける第4壁部を備えることができる。ブロア制御部を取り付ける第1壁部と、洗浄具取付部を設ける第2壁部とは近接しており、両者間の距離は短い(10cm前後)。
【0018】
第2タイプの下壁はブロア制御部及び洗浄具取付部を配置する第1壁部と、エバポレータを裁置する第2壁部とを備えている。
<ブロワ制御部>
ブロワ制御部は通常補給部品であり、上記第1及び第2タイプにおいて第1壁部の外面に取り付けられる。第1壁部は送風ダクト上の洗浄作業性の良い場所に選定されている。上記第1タイプでも第2タイプでも、ブロア制御部には電気部品が搭載され、送風ファンの作動を制御する。
【0019】
送風ファンは、非洗浄時は混合空気を下流側に送り、洗浄時は混合空気を下流側に送るとともに洗浄剤をエバポレータに供給する。エバポレータを洗浄時と非洗浄時とで要求される風量が異なるので、風量が最適となるようにブロワ制御部で送風ファンの作動を制御する。
<洗浄具取付部>
洗浄具取付部は、エバポレータを洗浄する洗浄具を送風ダクトに取り付ける部分である。洗浄具とは洗浄剤を噴出するノズルや、タンクの洗浄剤をノズルに供給するホース等である。上記第1タイプでは、第2壁部の内面に設ける洗浄具取付部は全体的に筒形状で、ノズルを挿入するための挿入孔を備えている。第2壁部と別体でも良いが、一体であることが望ましい。一体的な洗浄具取付部は、送風ダクトを型製作する際同時に成形することができる。
【0020】
第2タイプでは洗浄具取付部は第1壁部の内面に形成される。何れのタイプでも、洗浄具取付部の横断面形状、高さ等はブロワ制御部、エバポレータ及び洗浄具との関連で適宜選択できる。
【0021】
洗浄具取付部には、2つのタイプがある。aタイプの挿入孔は、空気通路の横断方向に延びる孔部のみからなる。これに対して、bタイプの挿入孔は、軸方向即ち空気通路の横断方向に延びる第1孔部と、半径方向即ち空気通路の長手方向に沿って下流側に延びる第2孔部とから成る。
【0022】
aタイプの場合、洗浄具取付部の先端にアダプタを装着することができる。アダプタは洗浄具取付部の第1挿入孔につながる第1孔部と、エバポレータに対向して開口する第2孔部とを持つ第2挿入孔を備える。第2挿入孔の構成が異なる複数のアダプタを用意し、最適のものを選ぶことができる。bタイプの第2孔部は空気通路の長手方向に対して所定角度をなし、斜め上方に延びる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づき説明する。
<第1実施例>
(構成)
図1及び図2に示すように、第1実施例の空調装置は送風ダクト10と、その内部空間に配置された送風ファン23と、ブロワ制御部25と、洗浄具取付部32と、エバポレータ50とから成る。送風ダクト10は全体的に箱形状で上壁11、下壁12及び一対の側壁(不図示)を含み、空気通路13を区画している。下壁12は第1壁部15と、その下流側(図1及び図2で右側)の第2壁部17と、その下流側の第3壁部19と、第1壁部15の上流側の第4壁部21とを持つ。
【0024】
第4壁部21の内側に送風ファン23が取り付けられ、外側に配置されたブロワモータ24により駆動されている。送風ファン23は外気取入口(不図示)から取り入れた外気、内気取入口(不図示)から取り入れた内気、又は両者の混合した混合空気を下流側に送る。
【0025】
第1壁部15には貫通孔(不図示)が形成されている。第1壁部15の外側に配置されたブロワ制御ユニット25は送風ファン23の作動を制御するための電気部品を含む。貫通孔に挿通されたねじ26を内向きに盛り上がったねじ螺合部28に螺合させることにより第1壁部15に取り付けられている。
【0026】
洗浄具取付部(以下、実施例では「取付部」と呼ぶ)32は全体として円筒形状を持ち、第2壁部17即ち送風ダクト10と一体的に形成され、送風ダクト10の中心に向いている。第2壁部17の外面側にある環状部34と、内面側にある筒状部36とを備え、軸方向に延びる直線上の挿入孔38が形成されている。挿入孔38は一端が環状部34の外端面で開口し、他端が筒状部36の内端面で開口している。
【0027】
挿入孔38内にノズル45が挿入されている。ノズル45の基端は環状部34の開口から突出し、先端は筒状部36の開口から突出している。ノズル45はホース47を介して洗浄剤を貯えたタンク48に接続されている。タンク内の洗浄剤はガス圧によりノズル45に圧送される。ノズル45及びホース47が洗浄具30を構成する。
【0028】
第3壁部19にエバポレータ50が載置されている。なお図示しないが、送風ダクト10には送風ファン23の上流側に外気取入口及び内気取入口が形成されている。また、送風ダクト10内にはエバポレータ50の下流側にはヒータコアが配置されている。
(作用)
この実施例において、空調空気の形成及びエバポレータ50の洗浄は以下の通り行う。例えば、外気と内気との混合空気がブロワモータ24により回転される送風ファン23により空気通路13内を上流側から下流側へ送られる。冷房時、空気はエバポレータ50により冷却されて冷風になり、所定の吹出口から吹き出される。暖房時、空気はヒータコアにより加熱されて温風になり、所定の吹出口から吹き出される。冷風の一部をヒータコアで加熱し、残部をバイパスさせることにより、空調空気の温度が調整される。
【0029】
前述したように、外気に含まれるゴミ等がエバポレータ50の冷却能力を低下させるので、所定時期(例えば数年毎又は数万キロ走行毎)にエバポレータ50を洗浄する。洗浄の際はまず、挿入孔38の環状部34の開口を塞いでいる膜をカッタ等で破り、取付部32の外方の開口からノズル45を差し込む。尚、水滴が落下するおそれがないときは、膜の形成は不要である。
【0030】
ガス圧等により、タンク48の洗浄剤をホース47からノズル45に供給すると、ノズル45が洗浄剤55を上方に噴出する。このとき、ブロワモータ24により送風ファン23を作動させ、ガス圧及び空気流により洗浄剤55の泡、噴霧の流れ方向を変えると、泡等がエバポレータ50を洗浄する。エバポレータ50の洗浄終了後、ノズル45を取付部32から抜き出し、挿入孔38をプラグ(不図示)で閉栓する。
(効果)
この実施例によれば、以下の効果が得られる。第1に、ノズル45から噴射される洗浄剤によるエバポレータ50の洗浄作業が容易である。これは、ブロワ制御部25とエバポレータ50の間において、取付部32をブロワ制御部25に近接して(10cm前後)配置したからである。
【0031】
通常、送風ダクト10は車両のインストルメンタルパネルの前方において車幅方向に延び、エバポレータ50が運転席側に、送風ファン23が助手席側に位置する。運転席側のスペースには種々の機器が配置されあまり余裕がないが、助手席側のスペースは比較的余裕がある。この余裕のあるスペース内でノズル45及びホース47の挿入及び取付を行えるので、作業が容易になる。
【0032】
その結果、専業者でも、また洗浄に不慣れなユーザでもノズル45を挿入孔38に挿入するのみで、洗浄剤によりエバポレータ50を洗浄することができる。
【0033】
第2に、エバポレータ50の洗浄に要する費用が安価である。これは、第2壁部17と一体的に形成した取付部32の挿入孔38が直線状に延びているからである。このような取付部32は、従来の金型に対応するくぼみを設けて、従来と同じ工程を実行することにより簡単に形成でき、製造コストは実質的に上昇しない。エバポレータ50を安価に洗浄することを望むユーザに好都合である。
【0034】
第3に、取付部32を設けるための送風ダクト10の孔あけ作業が不要になり、その分取付部32の形成のためのコストが安くなる。これに関連して、孔あけ時に送風ダクト10の一部を孔あけ工具で傷つけることもなくなる。
【0035】
第4に、エバポレータ50洗浄時に送風ファン23の空気流を利用できる。送風ファン23を作動させ、ガス圧との関係で洗浄剤55がエバポレータ50全体に均等に供給され、かつエバポレータ50以外の機器や空間に飛散しないようにブロワ制御部25を制御する。
<第2実施例>
図3に第2実施例の空調装置を示す。この実施例では上記第1実施例の取付部32にアダプタ60を装着している点が異なる。
【0036】
第2壁部17と一体的に形成された取付部50は円筒形状を持ち、その外径は全長に亘って一定である。中心には一端面から他端面まで軸方向に延びる挿入孔52が形成されている。
【0037】
アダプタ60はブロック形状の本体部62と、下面に形成された突出部66とを持つ。突出部66は取付部60の上端開口に嵌合可能である。突出部66から本体部62の側面63にかけて、供給孔70が形成されている。供給孔70は突出部66から本体部62の中央部にかけて高さ方向(図3で上下方向)に延びる第1孔部71と、該第1孔部71に連続して本体62を斜め上方に延びる第2孔部72とを含む。
【0038】
第2孔部72は本体62の上面64と平行な平面に対して所定角度α(約30度)を成している。また、本体部62の長さ(図3で左右方向寸法)は取付部50の直径よりも大きい。第2孔部72の開口は取付部50の外周面よりも下流側に位置している。
【0039】
洗浄時は挿入孔52にノズル45を挿入し、その先端を供給孔70と連通させる。ホース47から圧送される洗浄剤55は、挿入孔52に挿入されたノズル45及びアダプタ60の供給孔70を通して側面63の開口からエバポレータ50に向かって噴出される
(作用効果)
この実施例の作用は第1実施例の作用と同じである。この実施例によれば、第1実施例と第1,第2及び第4の効果と同様の効果が得られる。加えて、供給孔70から噴出される洗浄剤55がエバポレータ50に確実に供給される。即ち、取付部50に装着したアダプタ60の第2孔部72は水平面に対して少し上方に向き、第2孔部72の開口は取付部50の外周面よりも下流側に位置している。よって、洗浄剤55はよりエバポレータ50に近い位置から、斜め上方に噴出され、エバポレータ50全体に均等に供給されることによる。
【0040】
なお、上記アダプタに代えて、図4に示す変形アダプタ90を使用することができる。この変形アダプタ90では、上記本体部62と同様に、本体部91に第2孔部92が形成されている。上記突出部66よりも長い突出部96に第1孔部97が形成されている。長い突出部96を直接ホースに47に接続することができ、それによりノズル45が不要となる。
<第3実施例>
図5に第3実施例を示す。この実施例では第2壁部17と一体的に形成された円筒形状の取付部は132は、高さの高い大径部134と低い小径部136とを備え、縦断面L字形状の挿入孔138が形成されている。挿入孔138は軸方向孔部139aと半径方向孔部139bとを含む。軸方向孔部139aは小径部136の端面から大径部134の途中まで軸方向に延びている。半径方向孔部139bは軸方向孔部139aの他端から半径方向に延び、大径部134の外周面で開口しエバポレータ50に対向している。ここでは軸方向孔部139aと半径方向孔部139bとはほぼ直角を成していいるが、鈍角を成しても良い。
【0041】
半径方向孔部139bは、下壁13の長手方向(図5で左右方向)に進退するスライド型を使用して形成されたものである。挿入孔138内に挿入されたノズル45は屈曲可能で、一端は軸方向孔部139aの開口から外方に突出し、他端は半径方向孔部39bの開口から内方に突出している。
(作用効果)
この実施例の作用は第1実施例の作用と同じである。この実施例によれば、第1、第2及び第4効果と同様の効果が得られる。加えて、半径方向孔部139bから噴出される洗浄剤55がエバポレータ50に確実に供給される。半径方向孔部139bがエバポレータ50に対向していることに加えて、送風ファン23が発生する空気流により洗浄剤55を下流側に送るからである。
<第4実施例>
図6に示す第4実施例の特徴は、ブロワ制御部220及び取付部225をともに第1壁部15に形成した点にある。詳述すると、第1壁部15の外面にブロア制御部220が取り付けられ、内面に取付部225が一体的に形成されている。
【0042】
取付部225には直線状の第1孔部227aと、これに対して所定角度を成す第2孔部227bとを持つ挿入孔226が形成されている。第1孔部227aの内周面には外側開口から途中まで雌ねじが部が形成されている。雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を持つねじ部材231によりブロア制御部220が第1壁部15に固定されている。
(作用効果)
エバポレータ50の洗浄時はねじ部材231を回転させてブロワ制御部220を第1壁部15から取り外す。この実施例によれば、上記第1実施例の第1、第2及び第3の効果と同様の効果が得られる。加えて、ブロワ制御部220及び取付部225とをともに第1壁部15に形成し、取付部225をブロア制御部220のための固定部として利用できる。
【0043】
【発明の効果】
以上述べてきたように、第1発明の車両用空調装置によれば、洗浄具取付部がブロワ制御部の近傍の洗浄作業がし易い場所に配置されている。よって、ユーザのように洗浄作業に不慣れな者でも洗浄具を挿入するのみで、エバポレータの洗浄が可能となる。
【0044】
請求項2の空調装置によれば、洗浄具取付部が従来の送風ダクトと同様のコストで安価に形成でき、送風ダクトの孔あけ作業が不要となる。請求項3の空調装置によれば、洗浄具取付部の形成費用が極力安くなり、洗浄費用も安くなる。
【0045】
請求項4及び5の空調装置によれば、洗浄具取付部とエバポレータとの距離等に応じて効率的な洗浄に最適のアダプタを選択することができる。請求項6の空調装置によれば、洗浄剤がエバポレータに向かって確実に噴出される。
【0046】
また、第2発明の車両用空調装置によれば、上記第1発明の車両用空調装置における効果に加えて、ブロワ制御部及び洗浄具取付部の部品点数が減少する。
【0047】
請求項8の空調装置によれば、洗浄具取付部が従来の送風ダクトと同様のコストで安価に形成でき、送風ダクトの孔あけ作業が不要となる。請求項9の空調装置によれば、洗浄具取付部の挿入孔の一部をブロア制御部に取り付けるねじ部材のねじ孔として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す全体断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す要部断面図である。
【図4】第2実施例のアダプタの変形例を示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す要部断面図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す要部断面図である。
【図7】第1従来例を示す全体断面図である。
【図8】第2従来例を示す全体断面図である。
【図9】図8の9−9断面図である。
【符号の説明】
10:送風ダクト 12:下壁
15:第1壁部 17:第2壁部
21:第3壁部 25:ブロワ制御部
30:洗浄具 32:取付部
38:挿入孔 45:ノズル
47:ホース 50:エバポレータ
55:洗浄剤
Claims (9)
- 一体的に形成された第1壁部、第2壁部及び第3壁部を備え、空気通路を区画する送風ダクトと、
前記第1壁部の外面に取り付けられブロワの作動を制御するブロワ制御部と、
前記ブロワ制御部に近接して前記第2壁部の内面に設けられ、筒状で空気通路の横断方向に延び先端が開口した洗浄具取付部と、
前記第3壁部に裁置されたエバポレータと、
から成り、前記洗浄具取付部に取り付けた洗浄具から供給した洗浄剤で前記エバポレータを洗浄することを特徴とする、洗浄具取付部を持つ車両用空調装置。 - 前記洗浄具取付部は前記送風ダクトと一体的に形成されている請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記洗浄具取付部はその軸方向に延びた第1挿入孔を備えている請求項2に記載の車両用空調装置。
- 更に、前記洗浄具取付部に装着され、前記第1挿入孔に連続し前記エバポレータに対向する側で開口する第2挿入孔を備えたアダプタを含む請求項3に記載の車両用空調装置。
- 前記アダプタの第2挿入孔はその軸方向に延びた第1孔部と、その軸直角方向に延び前記エバポレータに対向する側で開口した第2孔部とを含む請求項4に記載の車両用空調装置。
- 前記洗浄具取付部は、その軸方向に延びた第1孔部と、該第1孔部と所定角度を成し前記エバポレータに対向する側で開口した第2孔部とを含む挿入孔を備えている請求項1に記載の車両用空調装置。
- 第1壁部及び第2壁部を備え空気通路を区画する送風ダクトと、
前記第1壁部の外面に取り付けられブロワの作動を制御するブロワ制御部と、
前記第1壁部の内面に設けられ、筒状で空気通路の横断方向に延び先端が開口した洗浄具取付部と、
前記第2壁部に裁置されたエバポレータと、
から成り、前記ブロワ制御部を前記第1壁部から取り外し、前記洗浄具取付部に取り付けた洗浄具から供給した洗浄剤で前記エバポレータを洗浄することを特徴とする、洗浄具取付部を持つ車両用空調装置。 - 前記洗浄具取付部は前記送風ダクトと一体的に形成されている請求項7に記載の車両用空調装置。
- 前記洗浄具取付部の挿入孔に形成された雌ねじ部に、前記ブロア制御部を前記第1壁部に取り付けるねじ部材の雄ねじ部が螺合されている請求項8に記載の空調装置。
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