JP2004275137A - 汎用コンバイン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脱穀装置18内にスクリュー型のロータ21を備え、ロータ21の下方にコンケーブ23を周設する汎用コンバインにおいて、コンケーブ外枠71の周方向の一端または両端を軸47で支持し、該軸47を外方に突出し、該軸47をロータ21に対して遠近方向に調節可能に構成し、コンケーブ23とロータ21との間隔を調節可能とする。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汎用コンバインの脱穀装置に配される略同径の二本のロータの下方に設けられるコンケーブの技術に関し、特に、ロータとコンケーブとの隙間を調節するための機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、汎用コンバインでは、走行する機体の前部に刈取装置が備えられ、機体上部に脱穀装置が備えられ、刈取装置と脱穀装置との間に、刈取装置で刈り取った穀稈を脱穀装置まで搬送するための搬送装置が備えられている。
そして、脱穀装置には、同径の2本のロータを左右方向に配置して、各ロータ下方には、ロータ下側面形状に沿って側面視半円状に構成したコンケーブ(受網)が配置され、ロータの回転によって脱穀を行うようにしている。
【0003】
従来の汎用コンバインに装備されるコンケーブには、稲や大豆等の脱穀対象作物の種類に応じて、コンケーブの目合いを変更可能に構成したものが知られており(例えば、特許文献1参照)、この技術によれば、単一のコンケーブを各種の脱穀対象作物に対して使用できるようにしている。
【0004】
また、コンケーブの網枠を支持する枠ガイドレールを筐体側板に設けると共に、この枠ガイドレールをロータ中心軸から半径方向に移動調節可能に設けることによって、ロータとコンケーブ間の隙間間隔を調節する必要がある場合においても、ガイドレールの移動調節によって隙間を容易に適正に保って、脱穀精度を安定維持できるようにした技術が公開されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−210852号公報
【特許文献2】
特開2000−37130号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロータとコンケーブとの隙間間隔を調節する機構において、従来構成では、筐体側板にガイドレールを固定するためのボルトと、コンケーブの網枠をガイドレールに固定するためのボルトとが別になっており、ボルト本数等の調節機構を構成する部材が多く、コスト的に不利なものであった。
そこで、本発明においては、ロータとコンケーブとの隙間調節を容易に変更可能にすると共に、隙間間隔を変更するための機構を少ない部品で構成し、コストの削減を図るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、脱穀装置内にスクリュー型のロータを備え、ロータの下方にコンケーブを周設する汎用コンバインにおいて、コンケーブ外枠の周方向の一端または両端を軸で支持し、該軸を外方に突出し、該軸をロータに対して遠近方向に調節可能に構成し、コンケーブとロータとの間隔を調節可能としたものである。
【0009】
請求項2においては、前記軸に調節プレートを固設し、該調節プレートよりボルトを移動方向に突設し、該ボルトに調節ナットを螺装して上下移動可能に構成したものである。
【0010】
請求項3においては、前記調節プレートを切換レバーを固設したカムにて上下移動可能に構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく脱穀・選別部を示す側面図、図4はコンケーブの構成を示す脱穀装置の側面図、図5は第一実施例の隙間間隔調節機構の構成を示す側面図、図6は同じく正面図、図7はカムの構成を示す正面図、図8は第二実施例の隙間間隔調節機構の構成を示す側面図、図9は同じく正面図、図10は第三実施例の隙間間隔調節機構の構成を示す側面図、図11は同じく正面図、図12は別実施例のコンケーブの構成を示す概略側面図、図13はコンケーブ外枠の別構成を示す概略側面図、図14は第一ロータ側のコンケーブと外枠との高さ関係を示す正面図、図15は第二ロータ側のコンケーブと外枠との高さ関係を示す正面図である。
【0012】
まず、本発明の実施例に係るコンバインの全体構成について図1乃至図3を用いて説明する。
コンバインでは、クローラ式走行装置1上に機体フレーム13が配設され、該機体フレーム13上に脱穀装置18や選別装置19から成る脱穀・選別部を内装する筐体33が配置され、該筐体33の後部にエンジン48等を収納するエンジンルーム49等が配設されている。
筐体33の上には、グレンタンク30が配設され、該グレンタンク30よりその内部に貯留された穀粒を排出するための排出オーガ40が機体後部から前方にかけて備えられている。
【0013】
前記筐体33の前方には刈取装置8が配置され、該刈取装置8の後端と筐体33前上部に設けられた脱穀装置18の前部入口が搬送装置9によって連通されている。搬送装置9は機体左右略中央に配設されている。
さらに、前記搬送装置9の上方には運転席15や操向ハンドル16等を収納したキャビン17が配設され、該キャビン17は機体左右中央前方の上方位置に配置して視界を良好として、刈取作業を確認し易くし、左右両側より乗降可能とされている。
【0014】
前記刈取装置8は、搬送装置9の構成部材であるフィーダハウジング10の前部に連結されたプラットホーム2内部に横架され支承された横送りオーガ3と、該横送りオーガ3の前下部に備えられた刈刃4と、プラットホーム2上方に設けられた掻き込み用のリール5等で構成されている。
前記横送りオーガ3は、進行方向と直交する方向に回転軸を有し、その回転によってプラットホーム2の左右略中央後部に連結されたフィーダハウジング10へ刈り取った穀稈が送られるように螺旋が形成されている。また、プラットホーム2の左右両側の前端には、分草板7・7が設けられ、プラットホーム2の後部の左右両端にはリール5を横架した支持アーム6の後部が枢支され、該支持アーム6の左右一側にはリール5回転駆動用のベルトやプーリ等からなる動力伝達機構が設けられている。リール5は、支持アーム6とプラットホーム2との間に介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ29によって昇降される。
【0015】
前記搬送装置9は、フィーダハウジング10と、該フィーダハウジング10内に配設された無端状のコンベア11で構成されている。
前記フィーダハウジング10の前端は、前記プラットホーム2の後部に、横送りオーガ3のスクリューの送り終端位置に合わせて連通されている。また、フィーダハウジング10の後端は、脱穀装置18への投入口12に連通されており、該投入口12の後方には進行方向に対し略直角方向に回転軸心を有する第一ロータ21が配設されており、コンベア11により、穀稈は強制的に脱穀装置18の第一ロータ21へ搬送される。
【0016】
前記フィーダハウジング10の後部は、脱穀・選別部を内装する筐体33の前部に挿入され、該筐体33に昇降回動自在に支持されており、フィーダハウジング10の下面と機体フレーム13との間に油圧シリンダ32を介装して、刈取装置8が昇降可能とされている。
【0017】
前記脱穀・選別部は筐体33内部に配設され、刈取装置8により刈り取られ、搬送装置9により搬送されてきた穀稈を脱穀する脱穀装置18と、該脱穀装置18により脱穀された穀粒を選別する選別装置19とで構成されている。
【0018】
前記脱穀装置18は、第一ロータ21と第二ロータ22とコンケーブ23・24等からなり、前記筐体33上部に収納されている。前記第一ロータ21と第二ロータ22は略同じ形状に構成されており、筒の外周には、周囲に図示せぬ複数の扱歯を有するスクリュー21a・22aが設けられ、軸心は左右水平方向に向けられて、前後平行に配置されている。
【0019】
前記第一ロータ21と第二ロータ22の下方には、それぞれコンケーブ23・24が配置され、第一ロータ21と第二ロータ22の上方はそれぞれ上部カバー35・36が配置され、前ロータ室と後ロータ室が構成されている。
また、第一ロータ21下方のコンケーブ23右側の後部は、前低後高に緩やかな円弧状の傾斜が形成され、第二ロータ22の上外周の接線方向に向かって延出されて連通部26が形成され、該連通部26後端は第二ロータ22の回転軌跡の前端部近傍まで延出されている。さらに、前記コンケーブ24の左後部に排出口41が開口されている。
【0020】
さらに、前記上部カバー35・36の水平状に成形した上部の内周面には送塵弁59・59・・・が左右幅方向に適宜間隔を開けて設けられ、上部カバー35・36上部に上下方向の回動支点を中心に回動自在に枢支されており、該送塵弁59・59・・・を回動操作することによって、穀稈が第一ロータ21及び第二ロータ22内を移動する時間を穀稈の品種や穀稈の状態に合わせて調整可能とされ、脱穀装置18の汎用性が高められている。
【0021】
また、第一ロータ21のスクリュー21aは、第一ロータ21の左端より連通部26の直左側までの間に形成され、連通部26前方の第一ロータ21外周面には第一ロータ21の半径方向に突出する板状の送り羽根21b・21b・・が形成されている。同様に、第二ロータ22のスクリュー22aは、第二ロータ22の右端部より排出口41の直右側までの間に形成され、スクリュー22a終端部より左側の排出口41前方の第二ロータ22外周面に送り羽根22b・22b・・が形成され、脱穀後の排藁(排稈)が送り羽根22b・22b・・により送られて排出口41より排出される。
【0022】
このような構成において、フィーダハウジング10から投入口12へ穀稈が搬送されると、第一ロータ21の回転によって、穀稈は右方へ搬送されながら脱粒される。そして、第一ロータ21の右端に至ると緩傾斜状に形成した連通部26から第二ロータ22の脱穀空間に送られ、第二ロータ22の回転によって左方へ搬送されながら脱粒され、第二ロータ22の左端に送られると、排出口41より落下する。
【0023】
該排出口41下部から後下方にはガイドプレート64が延出され、該ガイドプレート64後部の上方とエンジンルーム49底面との間位置には、強制的に排稈を後方に送り出す排稈ビータ61が設けられている。
前記排稈ビータ61は、左端部が排出口41の左端部と一致し、排稈ビータ61の右端部は排出口41右端部よりさらに右側に延出され、排出口41より排出された排稈は後方に左右幅広く搬送される。排稈ビータ61後方には、機体後端部に左右に全幅に渡ってチョッパー式のスプレッダー62が横架され、排出口41より排出され排稈ビータ61にスプレッダー62まで搬送された排藁は、該スプレッダー62の複数の鉈状の刃によって切断され、機体後端部より圃場に排出される。
【0024】
一方、前記脱穀・選別部において、脱穀装置18の下方には選別装置19が配設されている。
選別装置19は、流穀板25、揺動本体50、プレファン34、選別風を発生させる唐箕27、選別された一番物を左右方向に搬送する一番コンベア28、二番物を搬送する二番コンベア31等より構成され、脱穀装置18から落下した脱穀物を選別できるようにしている。
【0025】
次に、本発明に係るコンケーブ23・24の構成について説明する。
図4に示すように、脱穀装置18内には略同径の第一ロータ21と第二ロータ22が前後に並設され、第一ロータ21と第二ロータ22の下方には、それぞれコンケーブ23・24を配置しており、該コンケーブ23・24を通して扱処理物を選別部に漏下させ選別処理を行うようにしている。
【0026】
前記コンケーブ23・24は、それぞれ第一ロータ21と第二ロータ22の外周方向で複数(本実施例では三分割)に分割されて、3枚の分割コンケーブ23a・23b・23c(24a・24b・24c)で構成されている。分割コンケーブは、網枠75(図7)に第一ロータ21の軸芯方向に沿った丸棒を並設したものであり、該網枠75をコンケーブ外枠71にて支持してロータ下方周囲に保持している。前記コンケーブ外枠71はロータの円周面に沿って左右に配置されている。そして、前記丸棒の隙間から脱穀された穀粒を落下するようにしている。
【0027】
また、側面視において弓形に成形される分割コンケーブ外枠71の周方向(前後)両端側にはロータ21・22とコンケーブ23・24との間隔を調節するための調節機構37を設けており、分割コンケーブをロータ21・22側へ近づけたり、ロータ21・22側から遠ざけたりできるようにしている。そして、前記調節機構37によりロータ21・22とコンケーブ23・24との間隔を狭めた場合には、ロータのスクリューよる搬送作用を高めることができ、また、穀稈が詰った際には隙間間隔を広くして詰りを防止できるようにしている。そして、ロータ21・22とコンケーブ23・24との間隔を広くすると、スクリュー21a・22a外周に適宜間隔を開けて外方に突設した扱歯21c・22cにより引っ掛けて上方持ち上げる作用と混練作用を高めることができる。
【0028】
図4に示すように、第一ロータ21下方に周設されるコンケーブ23の前部側の分割コンケーブ23aと、第二ロータ22下方に周設されるコンケーブ24の後部側の分割コンケーブ24cとは、筐体33に固定されている。即ち、分割コンケーブ23a・24cは、コンケーブ外枠71両端部側から垂直方向外側に突設したピン(軸)47・47を前記筐体33に穿孔した孔(不図示)へ挿嵌して固定しており、両分割コンケーブ23a・24cは移動調整できない構成としているものである。
【0029】
また、第一ロータ21下方の中間位置と後部側に配される分割コンケーブ23b・23cと、第二ロータ22下方の前部側と中間位置に配される分割コンケーブ24a・24bと、の外枠71にも前後方向両端側から垂直方向外側にピン(軸)47・47を突設しており、該ピン38・38を調節機構37に連結させて第一ロータ21側(又は、第二ロータ22側)とコンケーブとの隙間間隔を調節可能に構成している。
【0030】
ここで、第一ロータ21(又は、第二ロータ22)とコンケーブ23(24)との間隔を変更するための調節機構37の具体構成について説明する。なお、前記コンケーブ23・24は略同じ構造(前後対称)に構成されており、以下では一方のコンケーブ23について説明するものとする。
まず、前記調節機構37の第一実施例について図5、図6により説明する。
図5に示すように、本実施例おいては、分割コンケーブ23a・23b・23cの外枠の各連結部、つまり、両側に板状の調節プレートとなるレール側板43を配置して、該レール側板43をロータに対して遠近方向に移動することで各分割コンケーブ23a・23b・23cを移動調整可能に構成している。
【0031】
前記レール側板43には分割コンケーブ23a・23b・23cの外枠71前後両端側からロータの軸芯方向外側へ突設されたボルト(ネジ体)44・44を挿嵌するための孔43a・43aが穿孔されており(図6)、該孔43a・43aに連結する二つの分割コンケーブ23a・23bのボルト44・44を挿入して、先端部をレール側板43外側からナット72・72で締結して、外枠71を支持するようにしている。
また、レール側板43が配される各分割コンケーブ23a・23b・23cの外枠の連結部には側面視T字状のレール45を設け、該レール45は第一ロータ21の軸芯方向に沿って延設されて、分割コンケーブの前後枠を支持している。
【0032】
さらに、前部側に配される分割コンケーブ23aのコンケーブ外枠71前端部側は回動自在に筐体33に支持し、同様に後部の分割コンケーブ23cの外枠71後端部側も回動自在に筐体33に支持して、レール側板43の移動の際に回動できるようにしている。
【0033】
また、図6に示すように、前記レール側板43は筐体33外側に配置され、コンケーブ外枠71から外側へ突設したボルト44は筐体33に穿孔された長孔33aとレール側板43に設けた孔43aとを挿通してナット72にて締結されている。該長孔33aは第一ロータ21中心と略同心の円弧状に構成されている。
前記ボルト44の逆側であってコンケーブ外枠71の内側からは第一ロータ21軸芯方向に沿ってピン47を突設しており、該ピン47はコンケーブ23の網枠75に挿入され、コンケーブ外枠71とコンケーブ23とが一体的に移動するようにしている。なお、前記ピン47はコンケーブ外枠71に固定されているため、前後両側のピン47・47のピッチは常に一定であり、コンケーブ網枠75をコンケーブ外枠71に対して容易に抜き差しできるものである。
【0034】
前記レール側板43は正面視においてL字状に屈曲された板体で形成されており、該レール側板43の底面部に固定ナット80を固設して、該固定ナット80にはボルト77を螺装固定している。前記レール側板43の下方には筐体33の外面に固設したステー76を設けており、該ステー76に前記ボルト77を貫通させると共に、該ステー76を挟むように配置した二つの調節ナット78・79を前記ボルト77に螺装している。これより、調節ナット78・79を回転させることでボルト77を上下移動させることが可能となり、レール側板43を上下移動可能に構成することができるのである。
【0035】
そして、調節ナット78・79の操作によりレール側板43を上下すると、レール側板43に固定されたボルト44を介してコンケーブ23の外枠71を移動することができ、前記コンケーブ外枠71のピン47に挿嵌された網枠75が一体的に移動し、コンケーブ23を移動して固定することが可能となるのである。
【0036】
なお、レール側板43を上下する機構はカム等で上下できるように構成してもよい。
即ち、図7に示すように、前記レール側板43の底面部にはカム52を当接させており、該カム52には切換レバー54を固設している。また、前記カム52は筐体33の外面に固設したカム軸53に偏心して回転自在に枢支されており、切換レバー54を回動するとカム軸53を回動支点としてカム52が回転するようにしている。
そして、前記切換レバー54を回動すると、カム52上端位置が変化して、該カム52の外周形状に沿ってレール側板43が上下に移動して、コンケーブの位置を変更することができるのである。
【0037】
また、レール側板43を上下に移動するとボルト44を突設したコンケーブ外枠71にコンケーブの重量負荷が偏ってかかるため、コンケーブ外枠71の強度を高める必要があるが、前記コンケーブ外枠71に前述したレール45を固設して一体的に移動するようにしており、コンケーブ外枠71の移動と共に、レール45も上下に移動し、コンケーブ23の重量負荷を外枠71とレール45で支持でき安定して隙間間隔の調節作業を行うことができるようにしている。
また、コンケーブ23の移動範囲は筐体33に穿孔した長孔33aによって規制されているため、第一ロータ21とコンケーブ23との間隔が狭まりすぎたり、広くなりすぎたりすることはない。
【0038】
このように、コンケーブ外枠71から内側に突出したピン47によりコンケーブ網枠75を保持すると共に、前記コンケーブ外枠71から外側に突出したボルト44を筐体33に穿孔した長孔33aを挿通させて、該ボルト44の外側端部に上下移動可能なレール側板43を固設したので、レール側板43を上下に移動させてコンケーブを上下に移動することが可能となり、ロータとコンケーブとの隙間間隔を変更することが可能となる。そして、従来構造に比して簡単に構成することができ、ボルト本数等の部品点数を減少することができるのである。
【0039】
次に、前記調節機構37の第二実施例について図8、図9により説明する。
本実施例においては、コンケーブ外枠71の前後両端側であってロータの軸芯方向外側に突設したピン47を、調節ブラケット46に固定して、該調節ブラケット46を上下に移動することによりコンケーブ23を上下に移動可能に構成したものである。
【0040】
図8に示すように、調節ブラケット46には三つの孔が穿孔され、中心部の孔46aにコンケーブ外枠71から外側へ突設されたピン47(またはボルト44)を挿通して、コンケーブ23と調節ブラケット46とが一体的に移動するようにしている。前記中心部の孔46aを挟む左右両側の孔46b・46bには、調節ブラケット46外側からボルト86・86を挿通し、該ボルト86・86は筐体33に固設された高ナット85・85に締結して調節ブラケット46を固定可能に構成している。また、前記左右の孔46b・46bは縦長の長孔としており、前記ボルト86・86の締結を緩めることで、前記左右の孔46b・46bをボルト86・86が摺動できるようになり、調節ブラケット46を摺動可能にしている。
【0041】
図9に示すように、前記ピン47はコンケーブ外枠71から内側と外側とに突出して、筐体33に穿孔した長孔33aを挿通して調節ブラケット46の中心部の孔46aに挿嵌されると共に、コンケーブ外枠71の内側に配される網枠75に固設しており、調節ブラケット46を移動することでコンケーブを移動できるようにしている。
【0042】
また、前記調節ブラケット46には前述した第一実施例同様に固定ナット80を固設して、該固定ナット80にボルト77を螺装固定し、筐体33の外面に固設されたステー76を挟んで配置される二つの調節ナット78・79に前記ボルト77を挿通して締結している。そして、調節ナット78・79を回転させることでボルト77を上下に移動させて調節ブラケット46を移動できるように構成しているのである。
そして、調節ブラケット46の位置が決定し、コンケーブ23の位置が決定すると、ピン47を挟んだ二つのボルトを締めつけてコンケーブ位置を固定できるようにしているのである。
【0043】
このような構成から、コンケーブ23を上下に移動させる際には、調節ブラケット46の下部に備える調節ナット78・79を操作して調節ブラケット46を上下に移動させて、該調節ブラケット46の中心部の孔46aに挿嵌したピン47を上下に移動して、該ピン47に連動して、ロータとコンケーブの隙間間隔を調節できるようにしているのである。
【0044】
次に、前記調節機構37の第三実施例について図10、図11により説明する。
本実施例においては、コンケーブ外枠71から外側にボルト44を突出し、該ボルト44にカラー100を外嵌し、該ボルト44の外側端にナット95を締結してカラー100の抜け止めとし、該カラー100の外周面にカム91を当接させて上下できる構成としている。
【0045】
図10に示すように、前記カム91は一端が回動支点93に固設され、該カム91の他端側の外周には、所定間隔を開けて回動支点93からの距離が異なる凹部91a・91b・91cを連続的に備えており、該凹部91a・91b・91cに前記カラー100を嵌合できるようにしている。該カム91に固設した切換レバー92を回動してカラー100を嵌合させる凹部91a・91b・91cの位置を変更することで、カラー100を上下移動させて位置固定できる構成としている。
【0046】
また、図11に示すように、コンケーブ外枠71から外側に突出したボルト44は筐体33に穿孔された長孔33aを挿通して、筐体33外側で前記カラー100の内部を挿通して、該ボルト44外側の先端部側をナット95で締結している。そして、前記カラー100には切換レバー92を固設したカム91が当接しており、該カム91は筐体33に固設されたカム軸93を回動支点として回動可能に構成されている。
【0047】
また、前述の実施例の如くコンケーブ外枠71の内側にはピン47が突設されており、該ピン47は網枠75に嵌挿されて、コンケーブ23とカラー100とが一体的に移動するように構成している。
このような構成から、切換レバー92の回動操作によりカム91を回動させると、カラー100がカム91の形状に合わせて上下し、コンケーブ23を上下に移動することが可能となるのである。
【0048】
以上のように、筐体33の外面にカラー100を挟んでナット95で締結するように構成したので、コンケーブ23を強固に固定することができる。また、前記ナット95の締結を緩めることで、切換レバー92回動時にカラー100が回転するため容易にコンケーブ23の位置変更を行うことができる。
【0049】
また、カム91において、凹部91aにカラーを嵌合した時に、カラー100の位置が最も下方に位置するため、コンケーブ23と第一ローラ21との間隔が最大となり、凹部91cにカラー100を嵌合した時に、カラー100の位置が最も上方に位置するため、前記間隔が最小となるのである。
即ち、回動支点93から凹部91aまでの距離A、凹部91bまでの距離B、凹部91cまでの距離C(A<B<C)として、回動支点93から凹部までの距離が小さい程コンケーブ23と第一ロータ21との隙間間隔が大きくなり、距離が大きい程隙間間隔が小さくなるようにしている。
なお、本実施例においては、前記カム91には三箇所の凹部91a・91b・91cを形成しており、カラー100の位置を三段階に変更可能としているが、凹部の数を増加することで、さらに多段階に変更可能にすることもできる。
【0050】
以上に説明した三実施例の調節機構のように、弓形状に成形されて前記ロータの円周方向に沿って配置されるコンケーブ外枠71の前後両端側から、ロータの軸芯方向内側にピン47・47を突設し、該ピン47・47をコンケーブ網枠75に固定して支持すると共に、前記ピン47・47の逆側であって前記コンケーブ外枠71の前後両端側から外側にボルト44・44を突設し、該ボルト44・44を筐体33に穿孔した長孔33aを通して、該ボルト44・44の外端部側を筐体外側から上下移動可能なレール側板43に固定することで、ロータとコンケーブとの間隔を容易に調節することが可能となり、さらに、従来構成に比して低コストに構成することが可能となるのである。
【0051】
次に、コンケーブの別実施例について図12により説明する。
本実施例においては、分割コンケーブの外枠71の前後一方側を支点側71a、他方側を作用点側71bとして回動可能に構成し、該分割コンケーブをロータ21の全周に周設している。
【0052】
より具体的には、コンケーブ外枠71の前後両端側であって、該外枠71に対して垂直にピン144・145を突設して、該ピン144・145の一方側は筐体に固設したステー101に枢支し、他方側には調節用シリンダ102を連結して、前記ステー101側を支点側71a、調節用シリンダ102側を作用点側71bとして回動可能に構成している。
【0053】
前記ステー101には複数の凹部101aを設けており、支点側71aのピン144を異なる凹部に嵌め込むことで、分割コンケーブの回動支点の位置を変更できるようにしている。また、前記支点側71aのピン144はロータ軸21cを中心に半径方向のみに切換可能とするため、ステー101の凹部101aはロータ半径方向に一直線上に並ぶように配置している。このようなステー101の構成から、作物の品種に応じて支点位置を変更して、ロータ21とコンケーブ23との隙間間隔の基準隙間を調節できるようにしている。
【0054】
また、作用点側71bのピン145には調節用シリンダ102が連結されており、該調節用シリンダ102を伸縮することで支点側71aのピン144を支点として分割コンケーブを回動できるようにしている。そして、前記調節用シリンダ102を伸ばすとロータ21とコンケーブ23との隙間間隔が小さくなり、調節用シリンダ102を縮めると隙間間隔が大きくなるのである。
【0055】
また、前記調節用シリンダ102には演算装置110が接続されており、該演算装置110では脱穀作業時の穀稈供給量やコンケーブ23にかかる負荷に応じて調節用シリンダ102の伸縮量を決定して、出力信号を送信する。そして、該演算装置110の出力信号に応じて調節用シリンダ102を伸縮して、ロータ21とコンケーブ23との間隔を調節するようにしているのである。つまり、脱穀装置内の負荷に応じて適宜間隔を変更できるので、作業効率の向上を図ることができる。
【0056】
そして、以上のように構成される分割コンケーブの外枠71を複数用いて、ロータ21の全周を被覆するようにコンケーブ23を周設している。
つまり、コンケーブ23を複数の分割コンケーブ23d・23d・・・で構成し、各分割コンケーブ23d・23d・・・を回動可能に構成したので、ロータ21の全周にコンケーブ23を配した場合であってもロータ21とコンケーブ23との隙間間隔を調節することが可能となるのである。なお、コンケーブ23の分割数は限定されるものではないが、分割数が多い程、ロータ周囲における隙間間隔の斑を少なくすることができる。
【0057】
さらに、分割コンケーブ23dの外枠71に支持される網体を着脱自在に構成することで、作物の種類に応じて異なる種類の網体を組み付けて、適応可能な作物を拡化してもよい。
なお、以上に説明した分割コンケーブ23dにおいては、全ての分割コンケーブ外枠に調節用シリンダ102を設けたものであるが、一つの分割コンケーブ外枠のみに調節用シリンダ102を設け、該分割コンケーブに連動してすべての分割コンケーブを同様に回動する構成としてもよい。
【0058】
次に、コンケーブ外枠の別構成について図13により説明する。
前述の如く、コンケーブ23は外枠71に設けたピン47・47及び、レール45のみで位置固定しているため、コンケーブ23にロータ回転方向の負荷がかかり、レール45にかかる負担が大きく破損する虞があった。このため、コンケーブ外枠を位置固定する係止体を設けてレール45にかかる負担を軽減する。
【0059】
即ち、図13(a)に示すように、コンケーブ外枠171の下面側に受け面171aを凹設して、該受け面171aに嵌合する係止体105を筐体33に固設している。そして、ロータ21の回転によってレール45にかかっていた圧力を前記係止体105で受けるようにしている。これより、ロータ21の回転による負荷は係止体105で受けて、レール45にかかる負担が軽減し、レール45の破損を防止することができる。
【0060】
また、図13(b)に示すように、コンケーブ外枠172の下面側に複数の凹凸からなる受け面172aを形成して、該受け面172aに嵌合するように、複数の凹凸115aを有する係止体115を筐体33に固設してレール45にかかる負荷を軽減するように構成してもよい。
つまり、このように複数の凹凸でコンケーブ外枠172の位置固定を行うことでロータの回転に対して高い滑り止め効果を得ることができ、レール45にかかる負荷を軽減できるのである。
【0061】
さらに、図13(c)に示すように、コンケーブ外枠173の下面側に角部173aを形成して、該角部173aの形状に合わせた係止体125を筐体33に固設することで、ロータの回転による負荷を受け止めるようにしてもよい。
つまり、通常円弧状に湾曲されるコンケーブ外枠の下面側を係止することは難しいため、角部を設けて、該角部を係止体で支持するようにしている。これより、上記と同様にレール45にかかる負荷を低減することができるのである。
【0062】
以上のように、コンケーブ外枠の下面側に係止用受け面を設けると共に、筐体に前記受け面と嵌合する係止体を固設したので、ロータの回転力を前記係止体で受けとめ、レールにかかる負荷を低減することができるのである。また、前記係止体を設けていることで、コンケーブの位置決めが容易になり、コンケーブを簡単に組みつけできるようになる。
【0063】
次に、コンケーブ外枠71固設され、コンケーブのロータ軸芯方向略延長線上に配されるR枠の構成について説明する。
図14に示すように、第一ロータ21側のコンケーブ23はコンケーブ外枠71にて支持され、第一ロータ21穀稈出口側のコンケーブ外枠71の上端部にロータの円周方向に沿ったR枠123を固設している。前記R枠123は丸棒等で構成されるコンケーブの網部127の略延長線上に配置しており、該網部127よりもやや下側に位置するように配置している。
【0064】
また、図15に示すように、第二ロータ22側のコンケーブ24も同様にコンケーブ外枠71に支持され、第二ロータ22穀稈入口側のコンケーブ外枠71の上端部にロータの円周方向に沿ったR枠112を配置している。該R枠112は第二ロータ22側のコンケーブ24の網部128延長線上と略一致させて配置しているものである。
このように、第一ロータ21の穀稈搬送終端側と第二ロータ22の穀稈搬送始端側にR枠を設け、該R枠をコンケーブ網部とロータの円周方向に沿って同じ高さ、もしくはコンケーブ網部より低い位置に配置することで穀稈の流れをスムーズにすることができる。
【0065】
また、第二ロータ22側のR枠112上にはリード板113を配置しており、該リード板113は円周状のR枠112に沿って配置され、R枠112に対して段差を形成するようにしている。該リード板113が配置される第二ロータ22の穀稈入口側において、第二ロータ22に巻回されるスクリュー22aは径を小さくして、前記リード板113と接触しないようにしている。また、リード板113が配されるR枠124の幅よりも広い幅でスクリュー22aを小径にしており、穀稈を取り込み易くしている。さらに、小径のスクリューにも通常サイズのスクリュー同様に扱歯22cを備え、穀稈入口側から第二ロータ内側へ引っ掻きながら取り込めるようにしている。
【0066】
このような構成から、穀稈の流れをスムーズにすることができ、ロータでの脱穀作用を効率的なものとすることができる。また、リード板を設けたことで、穀稈を確実にコンケーブ側へ導くことができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0068】
即ち、請求項1に示す如く、脱穀装置内にスクリュー型のロータを備え、ロータの下方にコンケーブを周設する汎用コンバインにおいて、コンケーブ外枠の周方向の一端または両端を軸で支持し、該軸を外方に突出し、該軸をロータに対して遠近方向に調節可能に構成し、コンケーブとロータとの間隔を調節可能としたので、
ロータとコンケーブとの隙間間隔を調節可能にすることができ、従来構成の調節機構に比してボルト本数等、部品点数を減少することができる。
【0069】
請求項2に示す如く、前記軸に調節プレートを固設し、該調節プレートよりボルトを移動方向に突設し、該ボルトに調節ナットを螺装して上下移動可能に構成したので、
ロータとコンケーブとの隙間間隔を調節可能にすることができ、従来構成の調節機構に比してボルト本数等、部品点数を減少することができる。また、調節ナットを調節だけで隙間間隔を調節することが可能であり、簡単に隙間間隔を調節することができる。
【0070】
請求項3に示す如く、前記調節プレートを切換レバーを固設したカムにて上下移動可能に構成したので、
ロータとコンケーブとの隙間間隔を調節可能にすることができ、従来構成の調節機構に比してボルト本数等、部品点数を減少することができる。また、切換レバーの回動により簡単に隙間間隔を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく脱穀・選別部を示す側面図。
【図4】コンケーブの構成を示す脱穀装置の側面図。
【図5】第一実施例の隙間間隔調節機構の構成を示す側面図。
【図6】同じく正面図。
【図7】カムの構成を示す正面図。
【図8】第二実施例の隙間間隔調節機構の構成を示す側面図。
【図9】同じく正面図。
【図10】第三実施例の隙間間隔調節機構の構成を示す側面図。
【図11】同じく正面図。
【図12】別実施例のコンケーブの構成を示す概略側面図。
【図13】コンケーブ外枠の別構成を示す概略側面図。
【図14】第一ロータ側のコンケーブと外枠との高さ関係を示す正面図。
【図15】第二ロータ側のコンケーブと外枠との高さ関係を示す正面図。
【符号の説明】
18 脱穀装置
21 第一ロータ
22 第二ロータ
23・24 コンケーブ
33 筐体
33a 長孔
43 レール側板
44 ボルト
47 ピン(軸)
71 コンケーブ外枠
75 コンケーブ網枠
Claims (3)
- 脱穀装置内にスクリュー型のロータを備え、ロータの下方にコンケーブを周設する汎用コンバインにおいて、コンケーブ外枠の周方向の一端または両端を軸で支持し、該軸を外方に突出し、該軸をロータに対して遠近方向に調節可能に構成し、コンケーブとロータとの間隔を調節可能としたことを特徴とする汎用コンバイン。
- 前記軸に調節プレートを固設し、該調節プレートよりボルトを移動方向に突設し、該ボルトに調節ナットを螺装して上下移動可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバイン。
- 前記調節プレートを切換レバーを固設したカムにて上下移動可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバイン。
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Cited By (2)
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-
2003
- 2003-03-18 JP JP2003074176A patent/JP2004275137A/ja active Pending
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US8636568B1 (en) | 2012-07-11 | 2014-01-28 | Cnh America Llc | Combine stepped threshing chamber |
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