JP4012427B2 - 汎用コンバインのスクリュー型扱胴を有する脱穀装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、普通型(汎用)コンバインの脱穀部に備える扱胴の構造に関し、より詳しくは、扱胴の周面に付設されるスクリュー型のインペラの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の汎用コンバインの構成において、クローラ式走行装置の上部に機体フレームを載置し、該機体フレームより前方に刈取装置を配し、機体フレームに脱穀載置を載置し、両装置をフィーダハウスにより連通し、刈取装置にて刈り取った穀稈をフィーダハウス内の搬送装置により後方へ搬送して脱穀装置の取込口へ投入し、脱穀装置内の扱胴にて脱穀処理を行う構成としたものがある。
【0003】
前記扱胴の構造においては、筒状の胴体にスクリュー状のインペラを付設し、前記取込口に投入された穀稈を後方へ移送しつつ脱穀する構造としたものがある。そして、前記取込口の近傍に位置する取込部6aのインペラにおいては、フィーダハウスから供給される多量の穀稈が取込口において滞留しないように、インペラの隣接する立設面間の距離、即ち、ピッチを大きくしたり、複数巻のインペラを付設することで、後方への搬送速度を大とする構成としていた。例えば、図14に示す構成では、フィーダハウス12からの取込口57の近傍に位置する取込部6aには、二巻きのインペラ90・91の位相を180度ずらせて配置し、両インペラ90・91によるピッチ92aを、後部に配されるインペラ93のピッチ92bと等しくするなどして(インペラ90・91を所謂「二条ピッチ」、インペラ93を「一条ピッチ」とする)、図12に示す特性曲線98のごとく、取込部6aにおける穀稈の移送速度を脱穀部6bよりも大として、取込口57における穀稈の滞留を防いでいた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、フィーダハウスより取込口に投入される穀稈の量は、作物の種類・成長度合いによって異なるものであり、脱穀装置における脱穀処理能力からみて、常に多い状態(過剰供給状態)にあるわけではない。一方、取込口に位置する取込部6aの穀稈の移送速度を、脱穀部6bよりも大としていると、図12に示すごとく、両部の境界点96において穀稈の移送速度が急激に減少し、穀稈の流れが滞留することから、扱胴の円滑な回転が妨げられ、穀稈の量が多量でないにもかかわらずエンジンに無駄な高負荷運転をさせてしまうことになる。本発明は、以上の点に鑑み、通常は、フィーダハウスからの取込口近傍に位置する取込部6aと、その後方の脱穀部6bにおける穀稈の移送速度の速度差を小となるようにしつつ、必要に応じて取込部6aにおける穀稈の移送速度を大とする構成を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
【0006】
請求項1においては、汎用コンバインのスクリュー型扱胴を有する脱穀装置であって、脱穀装置に前後方向に配される扱胴(6)の周面に一連のインペラ(30)を形成し、前記扱胴(6)前部の円錐台部分が構成する取込部(6a)において、インペラ(30)を構成する前インペラ(31)とは別体の、スパイラル状の帯状板体インペラ(33)を、該前インペラ(31)の立設面の間に配設し、該帯状板体インペラ(33)は、該扱胴(6)の取込部(6a)の周面前部より、扱胴(6)の円周の接線方向に立ち上げて前インペラ(31)と同一のピッチで後方へ向かって渦巻き状に形成し、後端部を取込部(6a)の周面後部に固設し、該帯状板体インペラ(33)と取込部(6a)の周縁との間は離間しているものである。
【0007】
請求項2においては、汎用コンバインのスクリュー型扱胴を有する脱穀装置であって、脱穀装置に前後方向に配される扱胴(6)の周面に一連のインペラ(30)を形成し、前記扱胴(6)前部の円錐台部分が構成する取込部(6a)において、インペラ(30)を構成する前インペラ(31)とは別体の、断続的帯状インペラ(38)を、該前インペラ(31)の立設面の間に配設し、該断続的帯状インペラ(38))は、扱胴(6)の取込部(6a)の周面前部より、略90度間隔に、取込部(6a)の周面に断続的に付設配置し、該断続的帯状インペラ(38)と取込部(6a)の周縁との間は離間しているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は本発明を適用するコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は脱穀装置及び選別装置の構成を示す側面一部断面図、図4は扱胴の構成の第一参考例を示す一部側面図、図5は同参考例の取込部と脱穀部の境界部の構成を示す側面一部拡大図、図6は同参考例の取込部に扱ぎ歯を取付けた構成を示す一部側面図、図7は扱胴の構成の第二参考例を示す一部側面図、図8は第二参考例を応用した他の構成例を示す一部側面図、図9は扱胴の構成の第一実施例を示す一部側面図、図10は第二実施例をを示す一部側面図、図11は扱胴の構成の第三参考例を示す一部側面図、図12は扱胴の前後位置に対する穀稈の移送速度の関係を示す図、図13は第四参考例における自動制御のための装置構成を示すブロック図、図14は従来の扱胴の構成を示す一部側面図である。
【0010】
まず、本発明を適用する汎用コンバインの全体構成を説明する。図1、図2に示すように、汎用コンバインは、クローラ式走行装置1上に機体フレーム2を配置し、この機体フレーム2前部上にキャビン3を配設している。機体フレーム2の右後上にはエンジン8(図2)を載置し、その前方にグレンタンク4を配置し、このグレンタンク4より穀粒を排出するための排出オーガ5を、機体後部から前方にかけて備えている。
【0011】
また、前記機体フレーム2の前方には、刈取装置24が配置され、機体フレーム2左側上に脱穀装置26が配設され、該刈取装置24の後端と脱穀装置26の前部入口を、フィーダハウス12によって連通している。
【0012】
このフィーダハウス12の前部にプラットホーム14を設けており、該プラットホーム14には進行方向と直角に、横送りオーガ16が左右方向に配置され、該横送りオーガ16の前下部に刈刃17が横設されている。
【0013】
前記プラットホーム14の左右両側の前端に分草板18・18を設け、プラットホーム14の後部の左右両端にはリール19を横架した支持アーム20の後部が枢支され、この支持アーム20の左右一側には、リール回転駆動用のベルトやプーリー等からなる動力伝達機構が設けられている。このリール19は、支持アーム20とプラットホーム14との間に介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ21によって昇降される。
【0014】
前記フィーダハウス12内には搬送装置としてフィーダコンベア15を設け、刈り取った穀稈を脱穀装置26へ搬送するようにしている。
【0015】
そして、脱穀装置26内には、前後方向にスクリュー型のインペラを周面に付設した扱胴6が配され、穀稈の脱穀を行うようにしており、また、扱胴6の下方に受網(またはコンケーブ)7を介して選別装置29を配し、選別を行うようにしている。
【0016】
この選別装置29は、チャフシーブ10を有する揺動本体25や、該揺動本体の下方で前側から順に配される唐箕9、一番コンベア40、二番コンベア42等からなり、前記受網7から漏下する穀粒の選別を行うようにしている。
【0017】
また、前記扱胴6の後部下方には、回転軸に複数の切断刃を植設してなるチョッパー22を配し、扱胴6により扱ぎ室後部へ移送される排稈を細かく切断した後に、機体外部へ排出するようにしている。
【0018】
以上の構成による刈取作業では、分草板18によって分草し、リール19の回転によって穀稈を掻き込み、刈刃17によって穀稈の株元側を刈取り、刈り取られた穀稈を横送りオーガ16の回転によって中央側へ横送りし、中央のフィーダハウス12前端からフィーダコンベア15によって後方へ搬送して脱穀装置26へ供給する。そして、脱穀装置26内の扱胴6によって穀稈を脱穀し、受網7より漏下した籾等は選別装置29によって選別され、そのうちの一番物は前記グレンタンク4内に貯溜され、また、二番物は脱穀装置26の前部途中位置に投入され再選別にかけられる。また、脱穀された残りの排稈は、チョッパー22により細かく切断された後、機体外部へ排出される。
【0019】
次に、脱穀装置26に配される扱胴6の構成について説明する。図3に示すように、該扱胴6の軸心位置に内駆動軸55が配置され、該内駆動軸55前部が、脱穀装置26前部の支持壁68に枢支されている。そして、該扱胴6の胴部は、フィーダハウス12から脱穀装置26への取込口57の上方に配される取込部6aと、該取込部6aの後部と連続的に形成される脱穀部6bから構成され、それぞれが別の回転軸である内駆動軸55、外駆動軸56で駆動されるようにしている。取込部6aは、エンジンからの駆動伝達により回転駆動されるプーリー55aにより回転駆動されるものであり、脱穀部6bは、同様にプーリー56aにより回転駆動される。また、両プーリー55a・56aへの駆動伝達は、図示せぬCVT等の無段変速機構または有段変速機構を介して伝達されるものであり、前記キャビン3(図1)に備えるレバー操作によって無段変速機構を操作することにより、プーリー55a・56aの回転速度を任意に設定可能(変速可能)としている。但し、一方のみ無段変速する構成とすることもできる。このように、フィーダハウス12からの脱穀装置26への穀稈の取込口57に配される取込部6aと、脱穀を行う脱穀部6bの回転速度は、個別に設定可能としているものである。
【0020】
また、これら取込部6a・脱穀部6bの円錐台部または円筒部外周には、それぞれ前インペラ31・後インペラ32が配設されるものであり、取込口57に送り込まれた穀稈は、取込部6aの前インペラ31から脱穀部6bの後インペラ32へ受継がれ、前記受網7との間で脱穀されながら移送されるものである。この脱穀時において、両インペラ31・32の半径方向外側に扱ぎ歯41・41・・・を突設して更に脱穀効率を向上できるようにしている。また、この扱ぎ歯41・41・・・は、前インペラ31・後インペラ32に着脱可能として、摩耗した際には交換可能としているものである。
【0021】
以上が扱胴6の全体構成であり、以下では、扱胴6の周面に付設されるインペラの構成の構成例について説明する。まず、第一参考例として、図4及び図5に示すごとく、脱穀装置26に前後方向に配される扱胴6を、前部の取込部6aと後部の脱穀部6bから構成し、前記取込部6aの外周面に一条の前インペラ31を付設し、該前インペラ31の(図5)の後端31bを、脱穀部6bの外周面に付設した後インペラ32の前端32bと連続するように配設する。図4は、取込部6aに付設された前インペラ31と、脱穀部6bに付設された後インペラ32について、連続的に付設した構成を示しており、取込部6aにおける穀稈の流れを滞留させないまま、脱穀部6bに受継ぐようにしている。また、図5は、両インペラ31・32の境界点の構成であって、前記取込部6aの周面に付設された前インペラ31の後端31bを、脱穀部6bの周面に付設された後インペラ32の前端32bに対向させた構成を示しており、両インペラ31・32を連続的に形成させるようにして、前インペラ31と後インペラ32との境界における穀稈の流れを妨げることなく、穀稈をスムーズに移送する(受継ぐ)ようにしている。尚、この場合、取込部6aと脱穀部6bは一体的に構成し、同一の駆動軸で扱胴6を回転駆動するものとしてもよい。また、本参考例では、前インペラ31の最外周径を、後インペラ32の最外周径と略同一としているが、本参考例に限るものではなく、また、前インペラ31において、扱ぎ歯41・41・・・を取り付けた構成(図6)としてもよい。
【0022】
以上の構成により、取込部6aと脱穀部6bの境界にて大きな速度差が生じず、また、穀稈の流れが妨げられずにスムーズに移送されることから、扱胴の回転が円滑に行え、エンジンに無駄な高負荷運転をさせることがない。尚、この穀稈の移送速度であるが、図4の下部に示すごとく、フィーダハウス12、取込部6a、脱穀部6bにおいての実測値が、それぞれ、2.7m/s、3.5m/s、1.6m/sとなる実験結果を得ている。従来では、それぞれ、2.7m/s、7.6m/s、3.1m/sであったことから、本参考例の構成により、取込部6aと脱穀部6bにおける速度差を大幅に減少させる実験結果が得られることとなった。
【0023】
次に、第二参考例として、図7に示すごとく、前記該インペラ30(31・32)の機体進行方向側面視における前後方向のピッチ70を、同一間隔とするものである。図7は、取込部6aに付設された前インペラ31と、脱穀部6bに付設された後インペラ32について、それぞれのピッチ70・70を全て等しくした構成を示しており、扱胴6の回転よる各前インペラ31・後インペラ32での穀稈の移送速度が等しくなるようにして、両インペラ31・32の境界での穀稈の移送速度に大きな差を生じさせないようして、滞留や詰まり等を防止している。また、図8に示すごとく、前記インペラ30に加え、該インペラ30と同一のインペラ30’を、扱胴6の回転軸直交断面視において、180度の位相をずらして扱胴6の周面に付設し、二条のインペラを形成してもよい。図8は、同構成における扱胴6の右側面図を示しており、図7に示した第二参考例の扱胴6の構成において付設されたインペラ30(一条目)と同一のインペラ30’(二条目)を付設することにより、二条のインペラを形成した構成を示している。また、各インペラ30・30’において、ピッチ70・70’を全て等しくしており、扱胴6の回転よる各前インペラ31・後インペラ32(インペラ30)、及び前インペラ31’・後インペラ32’(インペラ30’)での穀稈の移送速度を等しくするようにして、前インペラ31・後インペラ32、前インペラ31’・後インペラ32’の境界での穀稈の移送速度に大きな差を生じさせないようしている。また、図7及び図8に示す構成においては、図5において示したものと同様に、取込部6aと脱穀部6bの境界における前インペラ31・後インペラ32(インペラ30)、及び、前インペラ31’・後インペラ32’(インペラ30’)は、連続的な立設面を形成するようにして、インペラ31・32、インペラ31’・32’の境界における穀稈の流れを妨げず、それぞれのインペラ30・30’における取込部6aと脱穀部6bの境界にて、穀稈がスムーズに移送される(受継がれる)ようになっている。
【0024】
以上の構成により、取込部6aと脱穀部6bの境界にて大きな速度差が生じず、また、穀稈の流れが妨げられずにスムーズに移送されることから、扱胴の回転が円滑に行え、エンジンに無駄な高負荷運転をさせることがない。
【0025】
次に、第一実施例として、図9に示すごとく、上述の第一参考例又は第二参考例の扱胴6において、インペラ30とは別体のスパイラル状の板体(帯状インペラ33)を、前記インペラ30の立設面の間に配設するものである。図9は、第一参考例における取込部6aの前インペラ31の立設面間に帯状インペラ33を付設したものを示すものであり、脱穀部6bの後インペラ32の立設面間に付設してもよく、また、第二参考例においても同様である。この帯状インペラ33は、扱胴6の取込部6aの周面前部より接線方向に立ち上げて前インペラ31と同一のピッチで後方へ向かって渦巻き状に形成するものであり、その後端部を取込部6aの周面後部に固設させている。
【0026】
以上の構成により、取込部6aにおいては、帯状インペラ33が取込口57に投入された穀稈の向きを整えるようにして、板状の前インペラ31による穀稈の扱胴回転方向の移送を補助し、穀稈を後方へ円滑に移送することができる。尚、帯状としていることから、板状の前インペラ31と同等に穀稈を移送させることもなく、取込部6aのみに帯状インペラ33を形成し、脱穀部6bに形成しない構成としたとしても、両部の境界に大きな速度差が生じる不具合がない。つまりは、前述の図14に示した従来構成における、脱穀部6aにおけるインペラ90・91の二条の構成とは異なり、そのうちの一枚を帯状とすることにより、穀稈の移送速度は一条のインペラの構成と同等のものとし、帯状インペラ33によっては、穀稈の向きを整える作用のみを呈させるものである。また、上記帯状インペラ33については、図9に示すようなスパイラ状に限るものではなく、図10の第二実施例に示すように、略90度間隔に、取込部6aに周面に付設するようにして、断続的に配設するようにしてもよい(帯状インペラ38・38)。このように断続的に配設する構成においては、帯状インペラ38・38において十分な強度を確保することができるものである。このように、帯状インペラの形状の配設については、特に限定されるものではなく、また、図9・図10の構成に限定されるものでもない。
【0027】
次に、第三参考例として、図11に示すごとく、前記取込部6aの前端部に位置する前インペラ31の前端部31aを扱胴6前端から円周面接線方向へ立ち上げて、その立設面31aを徐々に高くして、所定の高さとなると一定高さで後方へ渦巻き状に延設し、その後端部において、脱穀部6bの前端部における後インペラ32の立設面の高さと同一として連結するものである。
【0028】
以上の構成により、図12に示す特性曲線99のごとく、前インペラ31の回転によって生じる穀稈の移送速度を、取込部6a前端側から後端側となるにつれて徐々に加速させ、取込部6aから脱穀部6bへの受継ぎの際に、移送速度に変化を生じさせないようにしている。つまりは、取込部6a前端側の移送速度を後端側よりも大としてしまうと、多量の穀稈が移動するため、脱穀部6bへの受継ぎにおいて過剰供給の状態となり、取込部6aと脱穀部6bの境界において、穀稈の停滞が生じることから、この過剰供給の状態を防止しようとするものである。このように、本参考例の構成では、取込部6aにおける穀稈の移送速度を徐々に加速させ、脱穀部6bにおける移送速度に達するようにすることで、取込部6aと脱穀部6bの境界における穀稈の流れ(受継ぎ)を円滑とするものである。
【0029】
次に、第四参考例として、図3に示すごとく、扱胴6は、前部の取込部6aと後部の脱穀部6bの二体の胴体で構成し、両胴体の少なくとも一方の回転速度を任意に設定可能とするものである。本参考例は、取込口57に投入された穀稈量が多量である場合に対応するための構成である。つまり、穀稈量が通常の量、即ち、脱穀装置の脱穀処理能力からみて過剰な状態でない場合には、前記構成例において、扱胴6における穀稈の移送を円滑に行い、エンジンに無駄な高負荷運転をさせないようにするものであるが、穀稈量が多量の場合、即ち、脱穀装置の脱穀処理能力からみて過剰に掻き込まれるような状況である場合には、取込口57に位置する取込部6aの回転速度を増加させ、取込部6aにおける穀稈の移送速度を大として多量の穀稈を処理しようとするものである。
【0030】
図13は、本参考例を自動制御により実行する際の装置構成をブロック図に示したものであり、前記取込口57に配される穀稈センサー80で検知した穀稈量をコントローラ81で演算処理し、該穀稈量に応じて、取込部6aの内駆動軸55(図3)のプーリー55aに駆動伝達を行う無段変速機構(CVT)82のプーリー幅を変更するアクチュエータ(モータ)83、同じく脱穀部6bの外駆動軸56のプーリー56bに駆動伝達を行うCVT84のプーリー幅を変更させるアクチュエータ(モータ)85を作動させることにより、穀稈量の多少に応じて、取込部6a・脱穀部6bの回転速度を自動的に変更可能に構成しているものである。但し、無段変速装置はベルト式に限定するものではなく、HSTや遊星コーン式や摩擦円板式等限定するものではない。また、取込部6aと脱穀部6bのいずれか一方に無段変速装置を取り付ける構成としてもよい。
【0031】
この構成において、取込口57における穀稈量が多量となった場合には、取込部6aにおける回転速度を増加させて、取込口57の多量な穀稈を後方へ移送することで、取込口57における穀稈の滞留を防止するものである。また、この取込部6aに回転速度の増加に合わせるようにして、脱穀部6bの回転速度も増加させ、脱穀部6bにおける脱穀処理能力を向上させるものである。また、取込部6aと脱穀部6bの回転速度の速度比は、コントローラ81に予め記憶されたプログラムの演算処理に基づいて決定されるが、特に、取込口57の穀稈量が過剰な場合には、取込部6aにおける回転速度を速くして、取込口57における穀稈の滞留を防ぐようにしている。また、以上の構成により、穀稈の移送速度の速度特性は、図12に示すところの特性曲線97のごとくとなり、上記構成例におけるインペラの構成と相まって、境界点96における穀稈の移送速度の減少量が従来構成の特性曲線98よりも少なくなり、境界点96における穀稈の流れの滞留が防がれる。
尚、以上は自動制御による例であるが、前記コントローラ81に変速スイッチ86等の入力手段を接続することにより、オペレーターが任意に速度設定を行えるようにしてもよい。
【0032】
以上のように、扱胴6の脱穀処理能力を穀稈量に対応して変更させるようにしたので、穀稈量が多い場合、即ち、必要が生じた場合にのみエンジンに高負荷運転をさせ、多量の穀稈の脱穀処理を行うことができる。また、この場合においても、上記構成例から、境界点96における穀稈の流れの滞留が防がれ、扱胴6を円滑に回転させることができるようになって、エンジンにかかる負荷を最小限に抑えることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。
【0034】
請求項1に記載の如く、汎用コンバインのスクリュー型扱胴を有する脱穀装置であって、脱穀装置に前後方向に配される扱胴(6)の周面に一連のインペラ(30)を形成し、前記扱胴(6)前部の円錐台部分が構成する取込部(6a)において、インペラ(30)を構成する前インペラ(31)とは別体の、スパイラル状の帯状板体インペラ(33)を、該前インペラ(31)の立設面の間に配設し、該帯状板体インペラ(33)は、該扱胴(6)の取込部(6a)の周面前部より、扱胴(6)の円周の接線方向に立ち上げて前インペラ(31)と同一のピッチで後方へ向かって渦巻き状に形成し、後端部を取込部(6a)の周面後部に固設し、該帯状板体インペラ(33)と取込部(6a)の周縁との間は離間しているので、取込部6aにおいては、帯状板体インペラ33が取込口57に投入された穀稈の向きを整えるようにして、板状の前インペラ31による穀稈の扱胴回転方向の移送を補助し、穀稈を後方へ円滑に移送することができる。
尚、帯状としていることから、板状の前インペラ31と同等に穀稈を移送させることもなく、取込部6aのみに帯状板体インペラ33を形成し、脱穀部6bに形成しない構成としたとしても、両部の境界に大きな速度差が生じる不具合がない。
つまりは、前述の図14に示した従来構成における、脱穀部6aにおけるインペラ90・91の二条の構成とは異なり、そのうちの一枚を帯状とすることにより、穀稈の移送速度は一条のインペラの構成と同等のものとし、帯状板体インペラによっては、穀稈の向きを整える作用のみを呈させるものである。
また、帯状板体インペラが穀稈の向きを整えるようにして、板状のインペラによる穀稈の扱胴回転方向の移送を補助し、穀稈を後方へ円滑に移送することができる。
【0035】
請求項2に記載の如く、汎用コンバインのスクリュー型扱胴を有する脱穀装置であって、脱穀装置に前後方向に配される扱胴(6)の周面に一連のインペラ(30)を形成し、前記扱胴(6)前部の円錐台部分が構成する取込部(6a)において、インペラ(30)を構成する前インペラ(31)とは別体の、断続的帯状インペラ(38)を、該前インペラ(31)の立設面の間に配設し、該断続的帯状インペラ(38))は、扱胴(6)の取込部(6a)の周面前部より、略90度間隔に、取込部(6a)の周面に断続的に付設配置し、該断続的帯状インペラ(38)と取込部(6a)の周縁との間は離間しているので、断続的帯状インペラ(38)において十分な強度を確保することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用するコンバインの全体側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 脱穀装置及び選別装置の構成を示す側面一部断面図である。
【図4】 扱胴の構成の第一参考例を示す一部側面図である。
【図5】 同参考例の取込部と脱穀部の境界部の構成を示す側面一部拡大図である。
【図6】 同参考例の取込部に扱ぎ歯を取付けた構成を示す一部側面図である。
【図7】 扱胴の構成の第二参考例を示す一部側面図である。
【図8】 第二参考例を応用した他の構成例を示す一部側面図である。
【図9】 扱胴の構成の第一実施例を示す一部側面図である。
【図10】 第二実施例を示す一部側面図である。
【図11】 扱胴の構成の第三参考例を示す一部側面図である。
【図12】 扱胴の前後位置に対する穀稈の移送速度の関係を示す図である。
【図13】 第四参考例における自動制御のための装置構成を示すブロック図である。
【図14】 従来の扱胴の構成を示す一部側面図である。
【符号の説明】
6 扱胴
6a 取込部
6b 脱穀部
30 インペラ
70 ピッチ

Claims (2)

  1. 汎用コンバインのスクリュー型扱胴を有する脱穀装置であって、脱穀装置に前後方向に配される扱胴(6)の周面に一連のインペラ(30)を形成し、前記扱胴(6)前部の円錐台部分が構成する取込部(6a)において、インペラ(30)を構成する前インペラ(31)とは別体の、スパイラル状の帯状板体インペラ(33)を、該前インペラ(31)の立設面の間に配設し、該帯状板体インペラ(33)は、該扱胴(6)の取込部(6a)の周面前部より、扱胴(6)の円周の接線方向に立ち上げて前インペラ(31)と同一のピッチで後方へ向かって渦巻き状に形成し、後端部を取込部(6a)の周面後部に固設し、該帯状板体インペラ(33)と取込部(6a)の周縁との間は離間していることを特徴とする汎用コンバインのスクリュー型扱胴を有する脱穀装置。
  2. 汎用コンバインのスクリュー型扱胴を有する脱穀装置であって、脱穀装置に前後方向に配される扱胴(6)の周面に一連のインペラ(30)を形成し、前記扱胴(6)前部の円錐台部分が構成する取込部(6a)において、インペラ(30)を構成する前インペラ(31)とは別体の、断続的帯状インペラ(38)を、該前インペラ(31)の立設面の間に配設し、該断続的帯状インペラ(38))は、扱胴(6)の取込部(6a)の周面前部より、略90度間隔に、取込部(6a)の周面に断続的に付設配置し、該断続的帯状インペラ(38)と取込部(6a)の周縁との間は離間していることを特徴とする汎用コンバインのスクリュー型扱胴を有する脱穀装置。
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