JP2004274476A - 色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】モノクロ画像について色調の設定を変更する場合RGB色成分を変更することにより行っている。RGB色成分はディスプレイの色再現領域に依存する色空間に存在しCMYKインク量はカラープリンタの色再現領域に依存する色空間に存在する。従って、RGB色成分を所望の色調に設定変更したとしてもその所望の設定変更に対応したCMYKインク量が得られるとは限らない。
【解決手段】RGB色空間をCMYKlclm色空間に変換するにあたり色調を変更する場合にLab色空間を介在させることにより色調の変更作業の操作性を向上させることを可能にするとともに、Lab色空間にてCMYKlclm色空間におけるカラープリンタ40での色再現領域を設定することによって、色調の変更作業をこの色再現領域内に制限し、色調の変更によって色圧縮が発生してしまうことを防止することが可能になる。
【選択図】 図8
【解決手段】RGB色空間をCMYKlclm色空間に変換するにあたり色調を変更する場合にLab色空間を介在させることにより色調の変更作業の操作性を向上させることを可能にするとともに、Lab色空間にてCMYKlclm色空間におけるカラープリンタ40での色再現領域を設定することによって、色調の変更作業をこの色再現領域内に制限し、色調の変更によって色圧縮が発生してしまうことを防止することが可能になる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムに関し、特に、第1機器依存色空間の色成分を異なる表色系の第2機器依存色空間の色成分に色変換する色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、この種の色変換テーブル作成装置は、色変換テーブルとしてRGB色成分と、CMYKインク量との対応関係を複数の参照点にて規定した3次元ルックアップテーブルのみならず、モノクロ画像(各RGB色成分が等値の画像)専用のRGB色成分とCMYKインク量との対応関係をRGB色成分の0〜255階調に応じて256個の参照点によって規定した1次元の色変換テーブルを備えている。そして、色変換工程において1次元の色変換テーブルに基づいてモノクロ画像に対するCMYKインク量を決定する。このとき、色変換工程では、モノクロ画像の色調を変更可能になっている。この色調の変更に従って1次元の色変換テーブルを修正し、新たな色変換テーブルを作成する。そして、この作成した色変換テーブルをモノクロ画像の色変換に使用する(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許願2002−25100号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した色変換テーブルにおいては、モノクロ画像について色調の設定を変更する場合、RGB色成分を変更することにより行っている。このとき、RGB色成分はディスプレイの色再現領域に依存する色空間に存在し、CMYKインク量はカラープリンタの色再現領域に依存する色空間に存在する。従って、RGB色成分を所望の色調に設定変更したとしても、その所望の設定変更に対応したCMYKインク量が得られるとは限らないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、モノクロ画像に対して行った所望の色調の変更を正確に反映させることができる色変換テーブルを作成することが可能な色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記目的を達成するため、第1機器依存色空間の色成分を対応する機器独立色空間の色成分に変換する第1色空間変換手段と、上記機器独立色空間にて上記変換した機器独立色空間の色成分の色調を変更する色調変更手段と、上記色調が変更された機器独立色空間の色成分を上記第1機器依存色空間と表色系が異なる第2機器依存色空間の色成分に変換する第2色空間変換手段と、上記第1機器依存色の色成分と上記変換された第2機器依存色の色成分との対応関係を規定した色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成手段とを具備することを要旨とする。
【0007】
かかる構成において、第1色空間変換手段にて第1機器依存色空間の色成分を対応する機器独立色空間の色成分に変換し、この機器独立色空間において色調変更手段によって第1機器依存色空間から変換された機器独立色空間の色成分の色調を変更する。ここで、第二色空間変換手段は、色調が変更された機器独立色空間の色成分を第1機器依存色空間と表色系が異なる第2機器依存色空間の色成分に変換する。そして、色変換テーブル作成手段は、第1機器依存色空間の色成分と変換された第2機器依存色空間の色成分との対応関係を規定した色変換テーブルを作成する。すなわち、第1機器依存色空間と第2機器依存色空間との対応関係を規定するにあたり、第1機器依存色空間における色成分の色調を変更するに際して、先ず第1機器依存色空間を機器独立色空間に変換する。そして、この機器独立色空間にて色調を変更し、この機器独立色空間を第2機器依存色空間に変換し、第1機器依存色空間と第2機器依存色空間との対応関係を規定した色変換テーブルを作成する。
【0008】
このように機器独立色空間を介在させ、この機器独立色空間にて色調を変更可能にすることにより、機器に依存しない色空間にて所望の色調の変更を行うことが可能となり、その変更を色変換テーブルに反映させることが可能になる。ここで、第1機器依存色空間と第2機器依存色空間は、相互に表色系が異なるものであり、機器(ディスプレイ等)固有の色空間であれば良く、例えば、一方がディスプレイ等の機器に依存するRGB色空間であれば、他方がプリンタ等の機器に依存するCMY色空間であることが勘案できる。むろん、上述したように機器に依存する色空間であって相互に表色系が異なるものであれば良くこれらに限定されるものではない。また、機器独立色空間は測色学に基づいて示された色空間であり、固有の機器の色再現に影響を受けない色空間である。例えば、Lab色空間やLch色空間などが勘案できる。
【0009】
機器依存色空間の色再現領域は機器独立色空間にて規定することができる。このとき、機器独立色空間での色調の変更を機器依存色空間の色再現領域に限定すると、色圧縮が発生しないので好ましい。そこで、本発明にかかる色調変更手段にて色調を変更するにあたり、機器独立色空間にて予め規定された第2機器依存色の色再現領域内に色調の変更を制限する。ここで、第1機器依存色空間の一例として、当該第1機器依存色空間の色成分をモノクロにて形成する。また、モノクロと言っても厳密な無彩色から構成される色に限られず、人間の目にはモノクロのように見えるもののある程度彩度を有するような色成分もモノクロに含まれるようにしても良い。このように色成分をモノクロもしくは低彩度に限定することにより、色変換テーブルの精度を高精度に構成することが可能になる。ここで、上述した第2機器依存色空間の色成分の一例として、本発明においては同色成分を複数インクの使用量にて形成する。もしくは、複数ドットの形成密度にて形成する。これにより、変更した所望の色調にて形成された印刷物を得ることが可能になる。
【0010】
色調の変更は特定の数値にて指定するようにしても良い一方、感覚的(視覚的)に色調の変化態様を確認しつつ、色調の変更を行うことができると操作性の面で好ましい。そこで、色調変更手段に機器独立色空間を視認可能に表示する色空間表示手段と、この表示された機器独立色空間に対して色調の変更を指示する色調変更指示手段とを備えさせる。このとき、上述した色再現領域外の指示を不可能にすると好ましい。そこで、色調変更指示手段では第2機器依存色の色再現領域外の機器独立色空間における色調の変更を指示不能にすることによって同色調の変更を制限する。このとき、指示不能な機器独立色空間の領域を他の領域(指示可能な領域)とは識別可能に表示すると、視覚的にどの領域において色調を変更することができるかを把握することができる。
【0011】
機器独立色空間から第2機器依存色空間に色変換する際に高速に色再現領域内の色調の変更を行うことが可能な構成の一例として、色調変更手段に機器独立色空間における第2機器依存色空間の色再現領域の色成分と、第2機器依存色空間の色成分との対応関係を複数の参照点にて予め規定した色再現可能領域対応テーブルを備えさせる。このとき色再現領域内での色調の変更に際して、この色再現可能領域テーブルを参照する。これにより色調の変更後に、変更後の色成分が色再現領域内に含まれるか否かを計算する必要がないので高速に色再現領域内での色調の変更を行うことが可能になる。
【0012】
ここで、具体的な色変換テーブルの作成手法の一例として、先ず第1色空間変換手段にて第1機器依存色空間の色成分と、変換した機器独立色空間の色成分との対応関係を複数の参照点にて規定した入力用色変換テーブルを作成する。次に、第2色空間変換手段にて機器独立色空間の色成分と、第2機器依存色空間の色成分との対応関係を複数の参照点にて規定した出力用色変換テーブルを作成する。そして、色変換テーブル作成手段にて色変換対象の画像データについて各画素を形成する第1機器依存色空間の色成分を入力用色変換テーブルおよび出力用色変換テーブルに基づいて所定の補間演算を実行し、第1機器依存色空間の色成分と第2機器依存色空間の色成分との対応関係を求め、記色変換テーブルを作成する。ここで、モノクロや低彩度の第1機器依存色空間の色成分について色調を変更する場合、特定の色相に対する変更が行われることが多い。従って、第1色空間変換手段および第2色空間変換手段にて色成分を変換するに際し、所定の色相領域の色成分の変換密度を多くするとこの特定の色相において高密度に色変換をを行うことが可能となり好ましい。
【0013】
ここで、上述してきた色変換テーブル作成装置は、色変換テーブルを作成する方法としても成立することは言うまでもないし、当該色変換テーブル作成装置と同等の機能をコンピュータにて実現可能にする色変換テーブル作成プログラムとしても発明が成立することは言うまでもない。このとき、この色変換テーブル作成プログラムの記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)印刷処理の処理内容:
(3)色変換テーブル作成処理の処理内容:
(4)印刷データ生成処理の処理内容:
(5)まとめ:
【0015】
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明にかかる色変換テーブル作成プログラムを実行して色変換テーブル作成装置として機能するコンピュータの概略ハードウェア構成を示しており、図2は、同コンピュータにて動作する基本ソフトウェアのオペレーティングシステムに組み込まれたプリンタドライバを含めた各プログラム類の概略構成図を示している。図において、コンピュータ10は、演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス12を介してBIOSなどの記載されたROM13やRAM14にアクセス可能になっている。また、システムバス12には外部記憶装置としてのハードディスクドライブ15と、フレキシブルディスクドライブ16と、CD−ROMドライブ17とが接続されており、ハードディスクドライブ15に記憶されたオペレーティングシステム20やアプリケーションプログラム(APL)25等がRAM14に転送され、CPU11はROM13とRAM14に適宜アクセスしてソフトウェアを実行する。すなわち、RAM14を一時的なワークエリアとして種々のプログラムを実行する。
【0016】
コンピュータ10にはシリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、カラープリンタ40とはパラレル通信用I/O19bを介しても接続が可能である。なお、本コンピュータ10の構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものを採用することができる。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパーソナルコンピュータに限定されるものではない。この実施形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータを採用しているが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。また、コンピュータ10とカラープリンタ40との接続インターフェースも上述のものに限る必要はなく、シリアルインターフェースやSCSI、USB接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
【0017】
この実施形態では各プログラムの類は、ハードディスクドライブ15に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるものではない。例えば、フレキシブルディスク16aであるとか、CD−ROM17aであっても良い。これらの記録媒体に記録されたプログラムはフレキシブルディスクドライブ16やCR−ROMドライブ17を介してコンピュータ10にて読み込まれ、ハードディスクドライブ15にインストールされる。そして、ハードディスクドライブ15を介してRAM14上に読み込まれてコンピュータ10を制御することになる。また、記録媒体はこれに限られず、光磁気ディスクなどであっても良い。また、半導体デバイスとしてフラッシュカードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能であるし、モデム等により通信回線を介して外部のファイルサーバにアクセスしてダウンロードする場合には通信回線が伝送媒体となって本発明が適用される。
【0018】
一方、図2に示すように、本実施形態にかかるコンピュータ10では、プリンタドライバ21と、入力機器ドライバ22と、ディスプレイドライバ23とがオペレーティングシステム20に組み込まれている。ディスプレイドライバ23はディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器ドライバ22はシリアル通信用I/O19aを介して入力されるキーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。APL25は、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者の指示によりハードディスクドライブ15に記録された画像データ15aをRAM14に読み出して、ディスプレイドライバ23を介して当該画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。
【0019】
利用者が上述した入力機器を操作するとその操作内容が入力機器ドライバ22を介して取得され、内容が解釈されるようになっており、APL25はその操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行う。本実施形態におけるプリンタドライバ21は、印刷データ生成モジュール21aと、色変換テーブル作成モジュール21bとから構成されており、印刷データ生成モジュール21aは後述する印刷データ生成処理を実行して所定の画像データに基づいた印刷データを生成し、カラープリンタ40に出力して印刷を実行させる。一方、色変換テーブル作成モジュール21bは後述する色変換テーブル作成処理を実行して色変換テーブルを作成し、ハードディスクドライブ15に格納する。そして、この作成した色変換テーブルを印刷データ生成処理における色変換処理にて適宜利用可能にする。
【0020】
ここで、ハードディスクドライブ15に予め作成されて格納されている色変換テーブル(LUT)について説明する。この色変換テーブルは、カラー画像印刷用の色変換テーブル15bと、モノクロ画像印刷用の色変換テーブル15cとにより構成されている。そして、印刷対象の画像の態様(カラー画像もしくはモノクロ画像)に応じて適宜使用する色変換テーブルを選択して印刷を実行する。むろん、カラープリンタ40にて使用可能な印刷用紙やインクセット毎に異なる色変換テーブルを作成し、選択可能に構成することもできる。なお、本実施形態において画像データ15aは、RGBの各色成分を階調表現したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に準拠した色データである。そして、色変換テーブル15b,15cは、当該sRGBの色成分を示す階調値データと、カラープリンタ40にて使用するCMYKlclmの6色のインクのインク量を規定する階調値データとを対応づけるテーブルである。
【0021】
上述したモノクロ画像は、低彩度の色を含むモノクロ画像であり、無彩色からなるいわゆるニュートラルグレーの他、セピア調やウォーム調やクール調のようにある程度彩度のある色を含んでいるものもある。従って、モノクロ画像印刷用の色変換テーブル15cにおいては、R=G=Bの階調値データおよびその近辺の色を含む階調値データと、CMYKlclmの階調値データとを対応づけている。一方、カラー画像印刷用の色変換テーブル15bは、RGBの全階調値に渡って均等に分布された階調値データとCMYKlclmの階調値データとを対応づけている。
【0022】
図3は、カラー画像印刷用の色変換テーブル15bの構成の一例を示している。同図において、色変換テーブル15bではRGBの階調値データとCMYKlclmの階調値データのそれぞれが0〜255の値を有し、各色256階調(8ビット)である。また、RGBの階調値データについては、RGBの各色成分について階調値を16等分して参照点を形成しており、RGBの各色を軸とする直交空間に形成されるsRGB空間の色立体について、図4に示すように各軸の参照点は17**3個(**は乗数を示す)であり、色変換テーブル15bにおいては17**3色について、RGBの階調値データとCMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定している。なお、図4において、原点OはブラックポイントKであり、原点Oに対向する頂点はホワイトポイントWであり、両者を結んだ直線(グレー軸)上の色は無彩色となる。
【0023】
図5は、モノクロ画像印刷用の色変換テーブル15cの構成の一例を示している。同図において、色変換テーブル15cではRGBの階調値データが等値の0〜255の値を有している。すなわち、このRGBの階調値データに対応して256個の参照点によってRGBの階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定している。ここで、このCMYKlclmの階調値データについては、階調値域を増加させるようにしても良い。すなわち、CMYKlclmの各インク色については、より細かい色の指定が可能になっている。
また、色変換テーブル15cのRGB空間における参照点は、R=G=Bの格子点に限られず、その周りの数点〜十数点に分布する格子点とから構成されるようにしても良い。かかる場合、具体的には、色変換テーブル15cの参照点として、図4のグレー軸を含み周囲数点〜十数点の格子点が参照点として採用すれば良い。
【0024】
(2)印刷処理の処理内容:
ここで、APL25にて印刷指示がなされた場合に実行される印刷処理について説明する。図6は、印刷処理の処理内容を示した概略フローチャートである。同図において、APL25にて印刷指示がなされると、プリンタドライバ21が駆動され、プリンタドライバ21は、ディスプレイドライバ23にデータを送出して印刷に必要な情報を入力させるためのユーザーインターフェース画面である印刷プロパティー画面を表示し、ユーザーに印刷条件を設定させる(ステップS105)。次に、この印刷条件においてモノクロ画像の印刷が設定された場合は、上述した色変換テーブル作成モジュール21bの動作に基づいてモノクロ画像印刷用の色変換テーブル15cを作成する色変換テーブル作成処理を実行する(ステップS110)。この色変換テーブル作成処理については後に詳述する。そして、上述した印刷データ生成モジュール21aの動作に基づいて印刷データを生成し、カラープリンタ40に印刷を行わせる(ステップS115)。この印刷データ生成処理については後に詳述する。
【0025】
図7は、このステップS105にて表示されるユーザーインターフェース画面の一例である印刷プロパティー画面を示している。なお、プリンタドライバ21は、入力機器ドライバ22を介してこの印刷プロパティー画面M1に対する種々の情報入力を受け付けることになる。同図において、印刷プロパティー画面M1では、印刷時に指定すべき種々のパラメータ入力が可能であり、部数やページ数を入力する各種入力ボックスや、印刷実行指示やキャンセル指示等を行う各種ボタンM16,M17が備えられている。さらに当該印刷プロパティー画面M1には、印刷用紙のサイズを指定する印刷用紙サイズM11と、印刷モード(例えば、「きれい」印刷モードや、「はやい」印刷モード)を指定する印刷モードM12と、印刷用紙の種類を指定する印刷用紙種類M13と、印刷対象の画像がカラー画像であるかモノクロ画像であるかの画像種類の選択を行う画像選択ボックスM14と、モノクロ画像が選択された場合にモノクロ画像の色調をセピア調やウォーム調などのように色調を変更可能な色変換テーブル15cを作成するためのインターフェースである色調設定画面に移行させるモノクロ色調設定M15とから構成されている。かかる構成において、ユーザーは適宜M11〜M15の項目を選択することにより所定の設定を行い、印刷ボタンM16を押し下げることにより印刷を実施する。次に、ステップS110にて実行する色変換テーブル作成処理について説明する。
【0026】
(3)色変換テーブル作成処理の処理内容:
最初に本実施形態におけるRGBの階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定する色変換テーブル15cを作成する手法を図8に基づいて説明する。同図において、画像データ15aがモノクロ画像の場合、もしくはカラー画像であっても印刷画像M14にて「モノクロ」が選択された場合、上述したとおり画像データ15aはRGBの階調値データとCMYKlclmのインク量を規定可能な階調値データとの対応関係を規定した1次元の色変換テーブル15cによって色変換される。このとき、モノクロ色調設定M15を選択すると、後述するとおりモノクロ画像の色調を変更することによりセピア調等に修正することができる。
【0027】
かかる色調の変更を色変換テーブル15cに反映させる場合、本実施形態においては、機器独立色空間であるLab色空間を介在させる。すなわち、RGB色空間をLab色空間に変換するとともに、このLab色空間において色調の変更を行い、色調の変更を行ったLab色空間をCMYKlclm色空間に変換することによって、RGB色成分とCMYKlclmの色空間との対応関係を規定する。すなわち、RGBの階調値データとCMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定する。このようにLab色空間を介在させることにより、Lab色空間において色調の変更を行うことを可能にし、当該色調の変更作業の操作性を向上させることが可能になる。また、Lab色空間ではCMYKlclm色空間における色再現領域を設定することができるため、色調の変更作業をこの色再現領域内に制限することが可能になる。これによって、色調の変更によって色圧縮が発生してしまうことを防止することが可能になる。
【0028】
図9は、上述に従った手法に基づいて色変換テーブル作成モジュール21bにて実行される色変換テーブル作成処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、印刷プロパティー画面M1にてモノクロ色調設定M15が選択されたか否かを判別する(ステップS205)。モノクロ色調設定M15が選択されていない場合は、色変換テーブル15cの作成は行わない。一方、モノクロ色調設定M15が選択された場合は、図10に示すように、Lab色空間の階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係が規定された色変換テーブル15eを取得する(ステップS210)。この色変換テーブル15eに規定される対応関係は、印刷モードや用紙種類毎に異なるため、ハードディスクドライブ15には予めこの印刷モードや用紙種類毎に異ならせて形成した複数の色変換テーブル15e1〜15enを格納しておく。ここで、この色変換テーブル15e1〜15enは、印刷モードや用紙種類に依存する色再現領域に対応して予め作成されている。
【0029】
そして、ステップS210では、印刷プロパティー画面M1にて設定した印刷モードM12や印刷用紙種類M13の設定内容に基づいて、この印刷モードおよび印刷用紙種類に該当する色変換テーブル15eを色変換テーブル15e1〜15enの中から選択して取得する。ここで、後述する色調設定画面にて設定されたデフォルト値、すなわち前回の設定にてハードディスクドライブ15に記憶された設定内容や、ハードディスクドライブ15に保存された初期設定値等を取得する(ステップS215)。次に、この取得したデフォルト値に基づいて、図11に示すRGBの階調値データ(R=G=B)と、Lab色空間の階調値データとの対応関係を規定した1次元の色変換テーブル15dを作成する(ステップS220)。本実施形態において、色変換テーブル15dを作成する場合、モノクロ画像印刷を前提としているため、図11に示す色変換テーブル15dのRGB色成分は等値(R=G=B)になっている。
【0030】
従って、色変換テーブル15dは、RGBの階調値が0〜255へ変化するのに対応してLab色空間の階調値データが規定される1次元の色変換テーブルとなる。次に、印刷対象となっている画像データ15aをハードディスクドライブ15から取得する(ステップS225)。そして、図12に示した色調設定画面M2をディスプレイ18に表示する(ステップS230)。この色調設定画面M2は、ガンマカーブ設定M21と、色相・彩度付与設定M30と、色相・彩度設定M22と、彩度カーブ設定M23と、プレビュー表示M24と、見本出力設定M25と、決定ボタンM26およびキャンセルボタンM27とから構成されている。
【0031】
ユーザは色調の変更等を行うに際して、適宜設定M21〜M23,M30にて設定変更作業を行う。この色調設定画面M2が表示されると、ステップS225にて取得した画像データ15aに基づいた画像をステップS220にて作成した色変換テーブル15dを用いて変換した結果(予想される色調をもった出力画像)をプレビュー表示M24に表示する(ステップS235)。以降、ユーザはこのプレビュー表示M24に表示された画像を見ながら適宜設定M21〜M23,M30にて色調設定変更を行う(ステップS240)。この色調設定変更処理については後述する。そして、色調設定変更処理での設定が終了すると(ステップS245)、設定内容に基づいて、RGBの階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定した色変換テーブル15cを作成し(ステップS250)、ハードディスクドライブ15に格納する(ステップS255)。ここで、見本出力M25の色相を選択した場合は、設定した色相と、その色相を前後に振った色相とに基づいた複数の画像を1枚の印刷用紙に印刷した印刷物を印刷することが可能になっている。これによって、各色相を比較して適切な色相を判別することを可能にしている。また、見本出力M25の彩度を選択した場合は、設定した彩度に基づいた印刷物を印刷することが可能になっている。そして、見本出力M25のカーブを選択した場合は、設定した彩度カーブに基づいた印刷物を印刷することが可能になっている。
【0032】
次に、ガンマカーブ設定M21について色調設定を行った場合の色調設定変更処理の処理内容を図13のフローチャートに示す。
同図において、ガンマカーブ設定M21に表示されたガンマカーブはRGB階調値に対する明度(L値)の対応関係を規定するカーブであり、プレビュー表示M24を参照しながら適宜マウス32によりガンマカーブの形状を変更する(ステップS305)。すなわち、本実施形態においては、ガンマカーブの形状の変更に伴い画像データ15aが画像処理されプレビュー表示M24に表示されている画像の明度が修正されるようになっている。また、以降説明する各種色調設定においても、その設定した内容に基づいてプレビュー表示M24に表示されている画像が変更されることは言うまでもない。そして、ガンマカーブの形状が変更されると、変更されたガンマカーブを再表示する(ステップS310)。ここで、本実施形態においては、ガンマカーブ設定M21に表示されたガンマカーブの形状を変更する態様を採用したが、むろん、ガンマカーブを変更するのではなく、直接値を入力して変更することも可能であることは言うまでもない。
【0033】
図14は、色彩・彩度付与M30について設定を行った場合の色調設定変更処理の処理内容を示したフローチャートである。
同図において、色相・彩度付与M30はONおよびOFFを選択設定可能なラジオボタンにて構成されており、ユーザは画像に対して色相・彩度を付与したい場合(色調を変更したい場合)にONのラジオボタンをマウス32にて選択設定し、色相・彩度を付与しない場合にOFFのラジオボタンをマウス32にて選択設定する。従って、色調設定変更処理では先ず最初にONのラジオボタンが選択設定されているか否かを判別する(ステップS355)。ここで、色相・彩度付与がONであると判別された場合は、色相・彩度設定M22と、彩度カーブ設定M23を表示する(ステップS360)。そして、ユーザによる設定変更を受け付ける(ステップS365)。この設定変更処理については後述する。一方、色相・彩度付与がOFFであると判別された場合は、色相・彩度設定M22や彩度カーブ設定M23を非表示やグレイアウトにすることにより、設定不能にする(ステップS370)。この場合、ニュートラルグレイとなるため、色成分は持たずa=b=0となる(ステップS375)。
【0034】
図15は、上述したステップS365にて色相・彩度設定M22について設定変更を行った場合の設定変更処理の処理内容を示したフローチャートである。
同図において、色相・彩度設定M22は、Lab色空間についてab平面が表示され、このab平面上で色相方向もしくは彩度方向への色調変更を行う。この色調変更は、矢印表示の長さおよび回転位置をマウス32にて変更することによって行う。すなわち、矢印表示を回転させることによって色相方向への変更を行い、矢印表示の長さを変更することによって彩度方向への変更を行う。そこで、先ず矢印表示の変更度合いを取得して、この変更度合いに基づいて色相方向への変更が行われたか否かを判別する(ステップS405)。色相方向への変更があったと判別された場合は、新しい色相におけるLC平面での色再現領域外を再計算し(ステップS415)、彩度カーブ設定M23の色再現領域外表示を更新する(ステップS420)。
【0035】
ここで、CはC=(a**2+b**2)**(1/2)(**はべき乗を示している。)で定義される値である。次に、矢印表示が彩度方向に変更されたか否かを判別し(ステップS425)、彩度方向への変更があったと判別された場合は、彩度カーブ設定M23について計算した新しいC値を頂点にして表示を更新する(ステップS430)。なお、特に図示はしていないが、本実施形態においては、上述した色再現領域外表示を他の色再現領域内の表示と異ならせている。かかる場合、例えば、色再現領域外の表示を斜線にて示し、この斜線領域は色調の設定が不能であることを識別可能にすれば良い。また、この領域に対してはマウス32の操作を受け付けなくするようにしても良い。これによって色再現領域外に対する色調の変更を不能とすることが可能になる。
【0036】
図16は、上述したステップS365にて彩度カーブ設定M23について設定変更を行った場合の設定変更処理の処理内容を示したフローチャートである。
同図において、彩度カーブ設定M23は、横軸に明度Lを規定するとともに、縦軸にC値を規定した平面上に凸形状の曲線を描いた彩度カーブにて構成されている。そして、ユーザはマウス32の操作によってこの彩度カーブのカーブ形状を変更することによって設定変更を行う。例えば、暗い方向に彩度を持たせたい場合は、カーブ形状の頂点が横軸の中央より左側方向に来るようにカーブ形状を変更し、明るい方向に彩度を持たせたい場合は、カーブ形状の頂点が横軸の中央より右側方向に来るようにカーブ形状を変更することになる。ここで、まず最初に彩度カーブの形状を示すデータを取得して、当該彩度カーブの頂点が移動する変更が行われたか否かを判別する(ステップS455)。
【0037】
頂点の移動が行われたと判別された場合は(ステップS460)、新しいC値を頂点にして彩度カーブの表示を更新し(ステップS465)、この新しいC値に基づいて色相・彩度設定M22の矢印表示の長さを更新する(ステップS470)。そして、新しく頂点となったL値のab平面での色再現領域外を再計算し(ステップS475)、色相・彩度設定M22における設定不可能領域の表示を更新する(ステップS480)。一方、ステップS455にて頂点の移動する変更が行われていないと判別された場合は、彩度カーブの形状が変更されたか否かを判別する(ステップS485)。ここで、彩度カーブの形状が変更されたと判別された場合は、新しい彩度カーブへ表示を更新する(ステップS490)。本実施形態においては、いずれの場合であって、色再現領域外を再計算することによって、色再現領域外となる領域まで彩度を上げることはできないようにする構成を採用する。
【0038】
ここで、色調を変更した結果のLab値がLab色空間と、CMYKlclm色空間との対応関係を規定する色変換テーブル15e上に存在しない場合は、図17に示す手法に基づいて補間演算を行い当該Lab値に対応するCMYKlclm値を算出する。すなわちLab値が含まれる周囲の4つの格子点X1,X2,X3,X4を検索し、この検索した格子点のCMYKlclm値を色変換テーブル15eから抽出し、Lab値と各4つの格子点X1,X2,X3,X4との距離を重み付けし、同Lab値を示す点におけるCMYKlclm値を算出する。そして、このように算出したCMYKlclm値に基づいて図18に示すようなRGB色成分値とCMYKlclm値とを対応付けた色変換テーブル15cを作成する。このように色変換テーブル15cが作成されると、ハードディスクドライブ15に格納されて印刷データの生成時に使用されることになる。上記の方法に限らず、周囲の8つの格子点を用いても良いし、三角錐状の4点を用いるなど、その他の補間方法を用いても良い。
【0039】
上述した実施形態では、RGBの階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定した色変換テーブル15cを作成する態様を説明した。ここで、カラープリンタ40が大中小ドットのように複数ドットを吐出可能である場合は、CMYKlclmの階調値データを各インクの大中小ドットの吐出量に分版することによって、当該色変換テーブル15cをRGBデータと、CMYKlclmの大中小ドットの吐出量、すなわちドットの形成密度との対応関係を規定するようにしても良い。
【0040】
(4)印刷データ生成処理の処理内容:
本実施形態において、プリンタドライバ21の印刷データ生成モジュール21aは、色変換テーブル15bもしくは作成された色変換テーブル15cを適宜使用して色変換を行いつつ印刷データを生成して、カラープリンタ40に印刷を実行させる。すなわち、印刷データ生成モジュール21aは印刷を実行するために、図示内しない画像データ取得モジュールと、色変換モジュールと、ハーフトーン処理モジュールと、印刷データ生成モジュールとを備えている。利用者が各種設定を行った後に、印刷プロパティー画面M1上の印刷ボタンM16をマウス32にてクリックして印刷実行を指示すると、図19に示すフローチャートに従って印刷データ生成処理を実行する。印刷データ生成処理が開始されると先ず最初に、画像データ取得モジュールはハードディスクドライブ15に格納された画像データ15aを取得する(ステップS505)。
【0041】
すると、画像データ取得モジュールは色変換モジュールを起動する。色変換モジュールは、RGB階調値をCMYKlclm階調値に変換するモジュールであり、画像データ15aの各ドットデータをCMYKlclmのドットデータに変換する(ステップS510)。ここで、この色変換モジュールにて実行される色変換処理の概略を図20のフローチャートに示す。同図において、先ず印刷プロパティー画面M1の印刷画像M14にてモノクロ画像の印刷が選択されているか否かを判別する(ステップS555)。そして、モノクロ印刷が選択されていると判別した場合は、RGB色成分とCMYKlclmインク量との対応関係を規定した1次元色変換テーブル、すなわち色変換テーブル15cをハードディスクドライブ15から読み出して取得する(ステップS560)。一方、ステップS555にてカラー画像の印刷が選択されていると判別された場合は、RGB色成分とCMYKlclmインク量との対応関係を規定した3次元色変換テーブル、すなわち色変換テーブル15bをハードディスクドライブ15から読み出して取得する(ステップS565)。そして、取得した色変換テーブル15b,15cのいずれかに基づいて色変換を行う(ステップS570)。色変換モジュールが色変換を行ってCMYKlclmの階調データを生成すると、ハーフトーン処理モジュールが起動され、当該CMYKlclmの階調データが当該ハーフトーン処理モジュールに受け渡される。
【0042】
ハーフトーン処理モジュールは、各ドットのCMYKlclm階調値を変換してインク滴の記録密度で表現するためのハーフトーン処理を行うモジュールであり、ステップS220にて変換後の記録密度でインクを付着させるためのヘッド駆動データを生成する(ステップS515)。そして、印刷データ生成モジュールはかかるヘッド駆動データを受け取って、カラープリンタ40で使用される順番に並べ替える。すなわち、カラープリンタ40においてはインク吐出デバイスとして図示しない吐出ノズルアレイが搭載されており、当該ノズルアレイでは副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。
【0043】
そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがカラープリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替えるラスタライズを行う(ステップS520)。このラスタライズの後、画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、パラレル通信用I/O19bを介してカラープリンタ40に出力する(ステップS530)。以上の処理を画像データ15aの全ラスタについて実行する(ステップS535)。カラープリンタ40においては、当該印刷データに基づいてディスプレイ18に表示された画像を印刷する。そして、このカラープリンタ40は上述のようにCMYKlclm階調値データに基づいてCMYKlclmの各色インクを印刷媒体に付着させて印刷物を形成する。
【0044】
(5)まとめ:
このように、RGB色空間をCMYKlclm色空間に変換するにあたり、色調を変更する場合にLab色空間を介在させることにより、色調の変更作業の操作性を向上させることを可能にするとともに、Lab色空間にてCMYKlclm色空間におけるカラープリンタ40での色再現領域を設定することによって、色調の変更作業をこの色再現領域内に制限し、色調の変更によって色圧縮が発生してしまうことを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷システムの構成を示した構成図。
【図2】コンピュータの内部構成を示した構成図。
【図3】RGB色空間とCMYKlclm色空間との対応関係を示したLUTのテーブル構成図。
【図4】RGB色空間の構成を示した構成図。
【図5】モノクロ画像印刷用の1次元LUTのテーブル構成図。
【図6】印刷処理の処理内容を示したフローチャート。
【図7】印刷プロパティー画面の画面構成を示した画面構成図。
【図8】色変換テーブルを作成する手法を示した図。
【図9】色変換テーブル作成処理の処理内容を示したフローチャート。
【図10】Lab色空間とCMYKlclm色空間との対応関係を示したLUTのテーブル構成図。
【図11】RGB色空間とLab色空間との対応関係を示したLUTのテーブル構成図。
【図12】色調設定画面の画面構成を示した画面構成図。
【図13】色調設定変更処理の処理内容を示したフローチャート。
【図14】色調設定変更処理の処理内容を示したフローチャート。
【図15】設定変更処理の処理内容を示したフローチャート。
【図16】設定変更処理の処理内容を示したフローチャート。
【図17】補間の手法を模式的に示した模式図。
【図18】モノクロ画像印刷用の1次元LUTのテーブル構成図。
【図19】印刷データ生成処理の処理内容を示したフローチャート。
【図20】色変換処理の処理内容を示したフローチャート。
【符号の説明】
10…コンピュータ
11…CPU
12…システムバス
13…ROM
14…RAM
15…ハードディスクドライブ
15a…画像データ
15b,15c…LUT
16…フレキシブルディスクドライブ
17…CD−ROMドライブ
18…ディスプレイ
18a…LUT選択ボックス
18b…画像選択ボックス
20…オペレーティングシステム
21…プリンタドライバ
21a…印刷データ生成モジュール
21b…色変換テーブル作成モジュール
22…入力機器DRV
23…ディスプレイDRV
25…アプリケーションプログラム(APL)
31…キーボード
32…マウス
40…カラープリンタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムに関し、特に、第1機器依存色空間の色成分を異なる表色系の第2機器依存色空間の色成分に色変換する色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、この種の色変換テーブル作成装置は、色変換テーブルとしてRGB色成分と、CMYKインク量との対応関係を複数の参照点にて規定した3次元ルックアップテーブルのみならず、モノクロ画像(各RGB色成分が等値の画像)専用のRGB色成分とCMYKインク量との対応関係をRGB色成分の0〜255階調に応じて256個の参照点によって規定した1次元の色変換テーブルを備えている。そして、色変換工程において1次元の色変換テーブルに基づいてモノクロ画像に対するCMYKインク量を決定する。このとき、色変換工程では、モノクロ画像の色調を変更可能になっている。この色調の変更に従って1次元の色変換テーブルを修正し、新たな色変換テーブルを作成する。そして、この作成した色変換テーブルをモノクロ画像の色変換に使用する(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許願2002−25100号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した色変換テーブルにおいては、モノクロ画像について色調の設定を変更する場合、RGB色成分を変更することにより行っている。このとき、RGB色成分はディスプレイの色再現領域に依存する色空間に存在し、CMYKインク量はカラープリンタの色再現領域に依存する色空間に存在する。従って、RGB色成分を所望の色調に設定変更したとしても、その所望の設定変更に対応したCMYKインク量が得られるとは限らないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、モノクロ画像に対して行った所望の色調の変更を正確に反映させることができる色変換テーブルを作成することが可能な色変換テーブル作成装置、色変換テーブル作成方法および色変換テーブル作成プログラムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記目的を達成するため、第1機器依存色空間の色成分を対応する機器独立色空間の色成分に変換する第1色空間変換手段と、上記機器独立色空間にて上記変換した機器独立色空間の色成分の色調を変更する色調変更手段と、上記色調が変更された機器独立色空間の色成分を上記第1機器依存色空間と表色系が異なる第2機器依存色空間の色成分に変換する第2色空間変換手段と、上記第1機器依存色の色成分と上記変換された第2機器依存色の色成分との対応関係を規定した色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成手段とを具備することを要旨とする。
【0007】
かかる構成において、第1色空間変換手段にて第1機器依存色空間の色成分を対応する機器独立色空間の色成分に変換し、この機器独立色空間において色調変更手段によって第1機器依存色空間から変換された機器独立色空間の色成分の色調を変更する。ここで、第二色空間変換手段は、色調が変更された機器独立色空間の色成分を第1機器依存色空間と表色系が異なる第2機器依存色空間の色成分に変換する。そして、色変換テーブル作成手段は、第1機器依存色空間の色成分と変換された第2機器依存色空間の色成分との対応関係を規定した色変換テーブルを作成する。すなわち、第1機器依存色空間と第2機器依存色空間との対応関係を規定するにあたり、第1機器依存色空間における色成分の色調を変更するに際して、先ず第1機器依存色空間を機器独立色空間に変換する。そして、この機器独立色空間にて色調を変更し、この機器独立色空間を第2機器依存色空間に変換し、第1機器依存色空間と第2機器依存色空間との対応関係を規定した色変換テーブルを作成する。
【0008】
このように機器独立色空間を介在させ、この機器独立色空間にて色調を変更可能にすることにより、機器に依存しない色空間にて所望の色調の変更を行うことが可能となり、その変更を色変換テーブルに反映させることが可能になる。ここで、第1機器依存色空間と第2機器依存色空間は、相互に表色系が異なるものであり、機器(ディスプレイ等)固有の色空間であれば良く、例えば、一方がディスプレイ等の機器に依存するRGB色空間であれば、他方がプリンタ等の機器に依存するCMY色空間であることが勘案できる。むろん、上述したように機器に依存する色空間であって相互に表色系が異なるものであれば良くこれらに限定されるものではない。また、機器独立色空間は測色学に基づいて示された色空間であり、固有の機器の色再現に影響を受けない色空間である。例えば、Lab色空間やLch色空間などが勘案できる。
【0009】
機器依存色空間の色再現領域は機器独立色空間にて規定することができる。このとき、機器独立色空間での色調の変更を機器依存色空間の色再現領域に限定すると、色圧縮が発生しないので好ましい。そこで、本発明にかかる色調変更手段にて色調を変更するにあたり、機器独立色空間にて予め規定された第2機器依存色の色再現領域内に色調の変更を制限する。ここで、第1機器依存色空間の一例として、当該第1機器依存色空間の色成分をモノクロにて形成する。また、モノクロと言っても厳密な無彩色から構成される色に限られず、人間の目にはモノクロのように見えるもののある程度彩度を有するような色成分もモノクロに含まれるようにしても良い。このように色成分をモノクロもしくは低彩度に限定することにより、色変換テーブルの精度を高精度に構成することが可能になる。ここで、上述した第2機器依存色空間の色成分の一例として、本発明においては同色成分を複数インクの使用量にて形成する。もしくは、複数ドットの形成密度にて形成する。これにより、変更した所望の色調にて形成された印刷物を得ることが可能になる。
【0010】
色調の変更は特定の数値にて指定するようにしても良い一方、感覚的(視覚的)に色調の変化態様を確認しつつ、色調の変更を行うことができると操作性の面で好ましい。そこで、色調変更手段に機器独立色空間を視認可能に表示する色空間表示手段と、この表示された機器独立色空間に対して色調の変更を指示する色調変更指示手段とを備えさせる。このとき、上述した色再現領域外の指示を不可能にすると好ましい。そこで、色調変更指示手段では第2機器依存色の色再現領域外の機器独立色空間における色調の変更を指示不能にすることによって同色調の変更を制限する。このとき、指示不能な機器独立色空間の領域を他の領域(指示可能な領域)とは識別可能に表示すると、視覚的にどの領域において色調を変更することができるかを把握することができる。
【0011】
機器独立色空間から第2機器依存色空間に色変換する際に高速に色再現領域内の色調の変更を行うことが可能な構成の一例として、色調変更手段に機器独立色空間における第2機器依存色空間の色再現領域の色成分と、第2機器依存色空間の色成分との対応関係を複数の参照点にて予め規定した色再現可能領域対応テーブルを備えさせる。このとき色再現領域内での色調の変更に際して、この色再現可能領域テーブルを参照する。これにより色調の変更後に、変更後の色成分が色再現領域内に含まれるか否かを計算する必要がないので高速に色再現領域内での色調の変更を行うことが可能になる。
【0012】
ここで、具体的な色変換テーブルの作成手法の一例として、先ず第1色空間変換手段にて第1機器依存色空間の色成分と、変換した機器独立色空間の色成分との対応関係を複数の参照点にて規定した入力用色変換テーブルを作成する。次に、第2色空間変換手段にて機器独立色空間の色成分と、第2機器依存色空間の色成分との対応関係を複数の参照点にて規定した出力用色変換テーブルを作成する。そして、色変換テーブル作成手段にて色変換対象の画像データについて各画素を形成する第1機器依存色空間の色成分を入力用色変換テーブルおよび出力用色変換テーブルに基づいて所定の補間演算を実行し、第1機器依存色空間の色成分と第2機器依存色空間の色成分との対応関係を求め、記色変換テーブルを作成する。ここで、モノクロや低彩度の第1機器依存色空間の色成分について色調を変更する場合、特定の色相に対する変更が行われることが多い。従って、第1色空間変換手段および第2色空間変換手段にて色成分を変換するに際し、所定の色相領域の色成分の変換密度を多くするとこの特定の色相において高密度に色変換をを行うことが可能となり好ましい。
【0013】
ここで、上述してきた色変換テーブル作成装置は、色変換テーブルを作成する方法としても成立することは言うまでもないし、当該色変換テーブル作成装置と同等の機能をコンピュータにて実現可能にする色変換テーブル作成プログラムとしても発明が成立することは言うまでもない。このとき、この色変換テーブル作成プログラムの記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)印刷処理の処理内容:
(3)色変換テーブル作成処理の処理内容:
(4)印刷データ生成処理の処理内容:
(5)まとめ:
【0015】
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明にかかる色変換テーブル作成プログラムを実行して色変換テーブル作成装置として機能するコンピュータの概略ハードウェア構成を示しており、図2は、同コンピュータにて動作する基本ソフトウェアのオペレーティングシステムに組み込まれたプリンタドライバを含めた各プログラム類の概略構成図を示している。図において、コンピュータ10は、演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス12を介してBIOSなどの記載されたROM13やRAM14にアクセス可能になっている。また、システムバス12には外部記憶装置としてのハードディスクドライブ15と、フレキシブルディスクドライブ16と、CD−ROMドライブ17とが接続されており、ハードディスクドライブ15に記憶されたオペレーティングシステム20やアプリケーションプログラム(APL)25等がRAM14に転送され、CPU11はROM13とRAM14に適宜アクセスしてソフトウェアを実行する。すなわち、RAM14を一時的なワークエリアとして種々のプログラムを実行する。
【0016】
コンピュータ10にはシリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、カラープリンタ40とはパラレル通信用I/O19bを介しても接続が可能である。なお、本コンピュータ10の構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものを採用することができる。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパーソナルコンピュータに限定されるものではない。この実施形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータを採用しているが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。また、コンピュータ10とカラープリンタ40との接続インターフェースも上述のものに限る必要はなく、シリアルインターフェースやSCSI、USB接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
【0017】
この実施形態では各プログラムの類は、ハードディスクドライブ15に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるものではない。例えば、フレキシブルディスク16aであるとか、CD−ROM17aであっても良い。これらの記録媒体に記録されたプログラムはフレキシブルディスクドライブ16やCR−ROMドライブ17を介してコンピュータ10にて読み込まれ、ハードディスクドライブ15にインストールされる。そして、ハードディスクドライブ15を介してRAM14上に読み込まれてコンピュータ10を制御することになる。また、記録媒体はこれに限られず、光磁気ディスクなどであっても良い。また、半導体デバイスとしてフラッシュカードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能であるし、モデム等により通信回線を介して外部のファイルサーバにアクセスしてダウンロードする場合には通信回線が伝送媒体となって本発明が適用される。
【0018】
一方、図2に示すように、本実施形態にかかるコンピュータ10では、プリンタドライバ21と、入力機器ドライバ22と、ディスプレイドライバ23とがオペレーティングシステム20に組み込まれている。ディスプレイドライバ23はディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器ドライバ22はシリアル通信用I/O19aを介して入力されるキーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。APL25は、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者の指示によりハードディスクドライブ15に記録された画像データ15aをRAM14に読み出して、ディスプレイドライバ23を介して当該画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。
【0019】
利用者が上述した入力機器を操作するとその操作内容が入力機器ドライバ22を介して取得され、内容が解釈されるようになっており、APL25はその操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行う。本実施形態におけるプリンタドライバ21は、印刷データ生成モジュール21aと、色変換テーブル作成モジュール21bとから構成されており、印刷データ生成モジュール21aは後述する印刷データ生成処理を実行して所定の画像データに基づいた印刷データを生成し、カラープリンタ40に出力して印刷を実行させる。一方、色変換テーブル作成モジュール21bは後述する色変換テーブル作成処理を実行して色変換テーブルを作成し、ハードディスクドライブ15に格納する。そして、この作成した色変換テーブルを印刷データ生成処理における色変換処理にて適宜利用可能にする。
【0020】
ここで、ハードディスクドライブ15に予め作成されて格納されている色変換テーブル(LUT)について説明する。この色変換テーブルは、カラー画像印刷用の色変換テーブル15bと、モノクロ画像印刷用の色変換テーブル15cとにより構成されている。そして、印刷対象の画像の態様(カラー画像もしくはモノクロ画像)に応じて適宜使用する色変換テーブルを選択して印刷を実行する。むろん、カラープリンタ40にて使用可能な印刷用紙やインクセット毎に異なる色変換テーブルを作成し、選択可能に構成することもできる。なお、本実施形態において画像データ15aは、RGBの各色成分を階調表現したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に準拠した色データである。そして、色変換テーブル15b,15cは、当該sRGBの色成分を示す階調値データと、カラープリンタ40にて使用するCMYKlclmの6色のインクのインク量を規定する階調値データとを対応づけるテーブルである。
【0021】
上述したモノクロ画像は、低彩度の色を含むモノクロ画像であり、無彩色からなるいわゆるニュートラルグレーの他、セピア調やウォーム調やクール調のようにある程度彩度のある色を含んでいるものもある。従って、モノクロ画像印刷用の色変換テーブル15cにおいては、R=G=Bの階調値データおよびその近辺の色を含む階調値データと、CMYKlclmの階調値データとを対応づけている。一方、カラー画像印刷用の色変換テーブル15bは、RGBの全階調値に渡って均等に分布された階調値データとCMYKlclmの階調値データとを対応づけている。
【0022】
図3は、カラー画像印刷用の色変換テーブル15bの構成の一例を示している。同図において、色変換テーブル15bではRGBの階調値データとCMYKlclmの階調値データのそれぞれが0〜255の値を有し、各色256階調(8ビット)である。また、RGBの階調値データについては、RGBの各色成分について階調値を16等分して参照点を形成しており、RGBの各色を軸とする直交空間に形成されるsRGB空間の色立体について、図4に示すように各軸の参照点は17**3個(**は乗数を示す)であり、色変換テーブル15bにおいては17**3色について、RGBの階調値データとCMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定している。なお、図4において、原点OはブラックポイントKであり、原点Oに対向する頂点はホワイトポイントWであり、両者を結んだ直線(グレー軸)上の色は無彩色となる。
【0023】
図5は、モノクロ画像印刷用の色変換テーブル15cの構成の一例を示している。同図において、色変換テーブル15cではRGBの階調値データが等値の0〜255の値を有している。すなわち、このRGBの階調値データに対応して256個の参照点によってRGBの階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定している。ここで、このCMYKlclmの階調値データについては、階調値域を増加させるようにしても良い。すなわち、CMYKlclmの各インク色については、より細かい色の指定が可能になっている。
また、色変換テーブル15cのRGB空間における参照点は、R=G=Bの格子点に限られず、その周りの数点〜十数点に分布する格子点とから構成されるようにしても良い。かかる場合、具体的には、色変換テーブル15cの参照点として、図4のグレー軸を含み周囲数点〜十数点の格子点が参照点として採用すれば良い。
【0024】
(2)印刷処理の処理内容:
ここで、APL25にて印刷指示がなされた場合に実行される印刷処理について説明する。図6は、印刷処理の処理内容を示した概略フローチャートである。同図において、APL25にて印刷指示がなされると、プリンタドライバ21が駆動され、プリンタドライバ21は、ディスプレイドライバ23にデータを送出して印刷に必要な情報を入力させるためのユーザーインターフェース画面である印刷プロパティー画面を表示し、ユーザーに印刷条件を設定させる(ステップS105)。次に、この印刷条件においてモノクロ画像の印刷が設定された場合は、上述した色変換テーブル作成モジュール21bの動作に基づいてモノクロ画像印刷用の色変換テーブル15cを作成する色変換テーブル作成処理を実行する(ステップS110)。この色変換テーブル作成処理については後に詳述する。そして、上述した印刷データ生成モジュール21aの動作に基づいて印刷データを生成し、カラープリンタ40に印刷を行わせる(ステップS115)。この印刷データ生成処理については後に詳述する。
【0025】
図7は、このステップS105にて表示されるユーザーインターフェース画面の一例である印刷プロパティー画面を示している。なお、プリンタドライバ21は、入力機器ドライバ22を介してこの印刷プロパティー画面M1に対する種々の情報入力を受け付けることになる。同図において、印刷プロパティー画面M1では、印刷時に指定すべき種々のパラメータ入力が可能であり、部数やページ数を入力する各種入力ボックスや、印刷実行指示やキャンセル指示等を行う各種ボタンM16,M17が備えられている。さらに当該印刷プロパティー画面M1には、印刷用紙のサイズを指定する印刷用紙サイズM11と、印刷モード(例えば、「きれい」印刷モードや、「はやい」印刷モード)を指定する印刷モードM12と、印刷用紙の種類を指定する印刷用紙種類M13と、印刷対象の画像がカラー画像であるかモノクロ画像であるかの画像種類の選択を行う画像選択ボックスM14と、モノクロ画像が選択された場合にモノクロ画像の色調をセピア調やウォーム調などのように色調を変更可能な色変換テーブル15cを作成するためのインターフェースである色調設定画面に移行させるモノクロ色調設定M15とから構成されている。かかる構成において、ユーザーは適宜M11〜M15の項目を選択することにより所定の設定を行い、印刷ボタンM16を押し下げることにより印刷を実施する。次に、ステップS110にて実行する色変換テーブル作成処理について説明する。
【0026】
(3)色変換テーブル作成処理の処理内容:
最初に本実施形態におけるRGBの階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定する色変換テーブル15cを作成する手法を図8に基づいて説明する。同図において、画像データ15aがモノクロ画像の場合、もしくはカラー画像であっても印刷画像M14にて「モノクロ」が選択された場合、上述したとおり画像データ15aはRGBの階調値データとCMYKlclmのインク量を規定可能な階調値データとの対応関係を規定した1次元の色変換テーブル15cによって色変換される。このとき、モノクロ色調設定M15を選択すると、後述するとおりモノクロ画像の色調を変更することによりセピア調等に修正することができる。
【0027】
かかる色調の変更を色変換テーブル15cに反映させる場合、本実施形態においては、機器独立色空間であるLab色空間を介在させる。すなわち、RGB色空間をLab色空間に変換するとともに、このLab色空間において色調の変更を行い、色調の変更を行ったLab色空間をCMYKlclm色空間に変換することによって、RGB色成分とCMYKlclmの色空間との対応関係を規定する。すなわち、RGBの階調値データとCMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定する。このようにLab色空間を介在させることにより、Lab色空間において色調の変更を行うことを可能にし、当該色調の変更作業の操作性を向上させることが可能になる。また、Lab色空間ではCMYKlclm色空間における色再現領域を設定することができるため、色調の変更作業をこの色再現領域内に制限することが可能になる。これによって、色調の変更によって色圧縮が発生してしまうことを防止することが可能になる。
【0028】
図9は、上述に従った手法に基づいて色変換テーブル作成モジュール21bにて実行される色変換テーブル作成処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、印刷プロパティー画面M1にてモノクロ色調設定M15が選択されたか否かを判別する(ステップS205)。モノクロ色調設定M15が選択されていない場合は、色変換テーブル15cの作成は行わない。一方、モノクロ色調設定M15が選択された場合は、図10に示すように、Lab色空間の階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係が規定された色変換テーブル15eを取得する(ステップS210)。この色変換テーブル15eに規定される対応関係は、印刷モードや用紙種類毎に異なるため、ハードディスクドライブ15には予めこの印刷モードや用紙種類毎に異ならせて形成した複数の色変換テーブル15e1〜15enを格納しておく。ここで、この色変換テーブル15e1〜15enは、印刷モードや用紙種類に依存する色再現領域に対応して予め作成されている。
【0029】
そして、ステップS210では、印刷プロパティー画面M1にて設定した印刷モードM12や印刷用紙種類M13の設定内容に基づいて、この印刷モードおよび印刷用紙種類に該当する色変換テーブル15eを色変換テーブル15e1〜15enの中から選択して取得する。ここで、後述する色調設定画面にて設定されたデフォルト値、すなわち前回の設定にてハードディスクドライブ15に記憶された設定内容や、ハードディスクドライブ15に保存された初期設定値等を取得する(ステップS215)。次に、この取得したデフォルト値に基づいて、図11に示すRGBの階調値データ(R=G=B)と、Lab色空間の階調値データとの対応関係を規定した1次元の色変換テーブル15dを作成する(ステップS220)。本実施形態において、色変換テーブル15dを作成する場合、モノクロ画像印刷を前提としているため、図11に示す色変換テーブル15dのRGB色成分は等値(R=G=B)になっている。
【0030】
従って、色変換テーブル15dは、RGBの階調値が0〜255へ変化するのに対応してLab色空間の階調値データが規定される1次元の色変換テーブルとなる。次に、印刷対象となっている画像データ15aをハードディスクドライブ15から取得する(ステップS225)。そして、図12に示した色調設定画面M2をディスプレイ18に表示する(ステップS230)。この色調設定画面M2は、ガンマカーブ設定M21と、色相・彩度付与設定M30と、色相・彩度設定M22と、彩度カーブ設定M23と、プレビュー表示M24と、見本出力設定M25と、決定ボタンM26およびキャンセルボタンM27とから構成されている。
【0031】
ユーザは色調の変更等を行うに際して、適宜設定M21〜M23,M30にて設定変更作業を行う。この色調設定画面M2が表示されると、ステップS225にて取得した画像データ15aに基づいた画像をステップS220にて作成した色変換テーブル15dを用いて変換した結果(予想される色調をもった出力画像)をプレビュー表示M24に表示する(ステップS235)。以降、ユーザはこのプレビュー表示M24に表示された画像を見ながら適宜設定M21〜M23,M30にて色調設定変更を行う(ステップS240)。この色調設定変更処理については後述する。そして、色調設定変更処理での設定が終了すると(ステップS245)、設定内容に基づいて、RGBの階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定した色変換テーブル15cを作成し(ステップS250)、ハードディスクドライブ15に格納する(ステップS255)。ここで、見本出力M25の色相を選択した場合は、設定した色相と、その色相を前後に振った色相とに基づいた複数の画像を1枚の印刷用紙に印刷した印刷物を印刷することが可能になっている。これによって、各色相を比較して適切な色相を判別することを可能にしている。また、見本出力M25の彩度を選択した場合は、設定した彩度に基づいた印刷物を印刷することが可能になっている。そして、見本出力M25のカーブを選択した場合は、設定した彩度カーブに基づいた印刷物を印刷することが可能になっている。
【0032】
次に、ガンマカーブ設定M21について色調設定を行った場合の色調設定変更処理の処理内容を図13のフローチャートに示す。
同図において、ガンマカーブ設定M21に表示されたガンマカーブはRGB階調値に対する明度(L値)の対応関係を規定するカーブであり、プレビュー表示M24を参照しながら適宜マウス32によりガンマカーブの形状を変更する(ステップS305)。すなわち、本実施形態においては、ガンマカーブの形状の変更に伴い画像データ15aが画像処理されプレビュー表示M24に表示されている画像の明度が修正されるようになっている。また、以降説明する各種色調設定においても、その設定した内容に基づいてプレビュー表示M24に表示されている画像が変更されることは言うまでもない。そして、ガンマカーブの形状が変更されると、変更されたガンマカーブを再表示する(ステップS310)。ここで、本実施形態においては、ガンマカーブ設定M21に表示されたガンマカーブの形状を変更する態様を採用したが、むろん、ガンマカーブを変更するのではなく、直接値を入力して変更することも可能であることは言うまでもない。
【0033】
図14は、色彩・彩度付与M30について設定を行った場合の色調設定変更処理の処理内容を示したフローチャートである。
同図において、色相・彩度付与M30はONおよびOFFを選択設定可能なラジオボタンにて構成されており、ユーザは画像に対して色相・彩度を付与したい場合(色調を変更したい場合)にONのラジオボタンをマウス32にて選択設定し、色相・彩度を付与しない場合にOFFのラジオボタンをマウス32にて選択設定する。従って、色調設定変更処理では先ず最初にONのラジオボタンが選択設定されているか否かを判別する(ステップS355)。ここで、色相・彩度付与がONであると判別された場合は、色相・彩度設定M22と、彩度カーブ設定M23を表示する(ステップS360)。そして、ユーザによる設定変更を受け付ける(ステップS365)。この設定変更処理については後述する。一方、色相・彩度付与がOFFであると判別された場合は、色相・彩度設定M22や彩度カーブ設定M23を非表示やグレイアウトにすることにより、設定不能にする(ステップS370)。この場合、ニュートラルグレイとなるため、色成分は持たずa=b=0となる(ステップS375)。
【0034】
図15は、上述したステップS365にて色相・彩度設定M22について設定変更を行った場合の設定変更処理の処理内容を示したフローチャートである。
同図において、色相・彩度設定M22は、Lab色空間についてab平面が表示され、このab平面上で色相方向もしくは彩度方向への色調変更を行う。この色調変更は、矢印表示の長さおよび回転位置をマウス32にて変更することによって行う。すなわち、矢印表示を回転させることによって色相方向への変更を行い、矢印表示の長さを変更することによって彩度方向への変更を行う。そこで、先ず矢印表示の変更度合いを取得して、この変更度合いに基づいて色相方向への変更が行われたか否かを判別する(ステップS405)。色相方向への変更があったと判別された場合は、新しい色相におけるLC平面での色再現領域外を再計算し(ステップS415)、彩度カーブ設定M23の色再現領域外表示を更新する(ステップS420)。
【0035】
ここで、CはC=(a**2+b**2)**(1/2)(**はべき乗を示している。)で定義される値である。次に、矢印表示が彩度方向に変更されたか否かを判別し(ステップS425)、彩度方向への変更があったと判別された場合は、彩度カーブ設定M23について計算した新しいC値を頂点にして表示を更新する(ステップS430)。なお、特に図示はしていないが、本実施形態においては、上述した色再現領域外表示を他の色再現領域内の表示と異ならせている。かかる場合、例えば、色再現領域外の表示を斜線にて示し、この斜線領域は色調の設定が不能であることを識別可能にすれば良い。また、この領域に対してはマウス32の操作を受け付けなくするようにしても良い。これによって色再現領域外に対する色調の変更を不能とすることが可能になる。
【0036】
図16は、上述したステップS365にて彩度カーブ設定M23について設定変更を行った場合の設定変更処理の処理内容を示したフローチャートである。
同図において、彩度カーブ設定M23は、横軸に明度Lを規定するとともに、縦軸にC値を規定した平面上に凸形状の曲線を描いた彩度カーブにて構成されている。そして、ユーザはマウス32の操作によってこの彩度カーブのカーブ形状を変更することによって設定変更を行う。例えば、暗い方向に彩度を持たせたい場合は、カーブ形状の頂点が横軸の中央より左側方向に来るようにカーブ形状を変更し、明るい方向に彩度を持たせたい場合は、カーブ形状の頂点が横軸の中央より右側方向に来るようにカーブ形状を変更することになる。ここで、まず最初に彩度カーブの形状を示すデータを取得して、当該彩度カーブの頂点が移動する変更が行われたか否かを判別する(ステップS455)。
【0037】
頂点の移動が行われたと判別された場合は(ステップS460)、新しいC値を頂点にして彩度カーブの表示を更新し(ステップS465)、この新しいC値に基づいて色相・彩度設定M22の矢印表示の長さを更新する(ステップS470)。そして、新しく頂点となったL値のab平面での色再現領域外を再計算し(ステップS475)、色相・彩度設定M22における設定不可能領域の表示を更新する(ステップS480)。一方、ステップS455にて頂点の移動する変更が行われていないと判別された場合は、彩度カーブの形状が変更されたか否かを判別する(ステップS485)。ここで、彩度カーブの形状が変更されたと判別された場合は、新しい彩度カーブへ表示を更新する(ステップS490)。本実施形態においては、いずれの場合であって、色再現領域外を再計算することによって、色再現領域外となる領域まで彩度を上げることはできないようにする構成を採用する。
【0038】
ここで、色調を変更した結果のLab値がLab色空間と、CMYKlclm色空間との対応関係を規定する色変換テーブル15e上に存在しない場合は、図17に示す手法に基づいて補間演算を行い当該Lab値に対応するCMYKlclm値を算出する。すなわちLab値が含まれる周囲の4つの格子点X1,X2,X3,X4を検索し、この検索した格子点のCMYKlclm値を色変換テーブル15eから抽出し、Lab値と各4つの格子点X1,X2,X3,X4との距離を重み付けし、同Lab値を示す点におけるCMYKlclm値を算出する。そして、このように算出したCMYKlclm値に基づいて図18に示すようなRGB色成分値とCMYKlclm値とを対応付けた色変換テーブル15cを作成する。このように色変換テーブル15cが作成されると、ハードディスクドライブ15に格納されて印刷データの生成時に使用されることになる。上記の方法に限らず、周囲の8つの格子点を用いても良いし、三角錐状の4点を用いるなど、その他の補間方法を用いても良い。
【0039】
上述した実施形態では、RGBの階調値データと、CMYKlclmの階調値データとの対応関係を規定した色変換テーブル15cを作成する態様を説明した。ここで、カラープリンタ40が大中小ドットのように複数ドットを吐出可能である場合は、CMYKlclmの階調値データを各インクの大中小ドットの吐出量に分版することによって、当該色変換テーブル15cをRGBデータと、CMYKlclmの大中小ドットの吐出量、すなわちドットの形成密度との対応関係を規定するようにしても良い。
【0040】
(4)印刷データ生成処理の処理内容:
本実施形態において、プリンタドライバ21の印刷データ生成モジュール21aは、色変換テーブル15bもしくは作成された色変換テーブル15cを適宜使用して色変換を行いつつ印刷データを生成して、カラープリンタ40に印刷を実行させる。すなわち、印刷データ生成モジュール21aは印刷を実行するために、図示内しない画像データ取得モジュールと、色変換モジュールと、ハーフトーン処理モジュールと、印刷データ生成モジュールとを備えている。利用者が各種設定を行った後に、印刷プロパティー画面M1上の印刷ボタンM16をマウス32にてクリックして印刷実行を指示すると、図19に示すフローチャートに従って印刷データ生成処理を実行する。印刷データ生成処理が開始されると先ず最初に、画像データ取得モジュールはハードディスクドライブ15に格納された画像データ15aを取得する(ステップS505)。
【0041】
すると、画像データ取得モジュールは色変換モジュールを起動する。色変換モジュールは、RGB階調値をCMYKlclm階調値に変換するモジュールであり、画像データ15aの各ドットデータをCMYKlclmのドットデータに変換する(ステップS510)。ここで、この色変換モジュールにて実行される色変換処理の概略を図20のフローチャートに示す。同図において、先ず印刷プロパティー画面M1の印刷画像M14にてモノクロ画像の印刷が選択されているか否かを判別する(ステップS555)。そして、モノクロ印刷が選択されていると判別した場合は、RGB色成分とCMYKlclmインク量との対応関係を規定した1次元色変換テーブル、すなわち色変換テーブル15cをハードディスクドライブ15から読み出して取得する(ステップS560)。一方、ステップS555にてカラー画像の印刷が選択されていると判別された場合は、RGB色成分とCMYKlclmインク量との対応関係を規定した3次元色変換テーブル、すなわち色変換テーブル15bをハードディスクドライブ15から読み出して取得する(ステップS565)。そして、取得した色変換テーブル15b,15cのいずれかに基づいて色変換を行う(ステップS570)。色変換モジュールが色変換を行ってCMYKlclmの階調データを生成すると、ハーフトーン処理モジュールが起動され、当該CMYKlclmの階調データが当該ハーフトーン処理モジュールに受け渡される。
【0042】
ハーフトーン処理モジュールは、各ドットのCMYKlclm階調値を変換してインク滴の記録密度で表現するためのハーフトーン処理を行うモジュールであり、ステップS220にて変換後の記録密度でインクを付着させるためのヘッド駆動データを生成する(ステップS515)。そして、印刷データ生成モジュールはかかるヘッド駆動データを受け取って、カラープリンタ40で使用される順番に並べ替える。すなわち、カラープリンタ40においてはインク吐出デバイスとして図示しない吐出ノズルアレイが搭載されており、当該ノズルアレイでは副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。
【0043】
そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがカラープリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替えるラスタライズを行う(ステップS520)。このラスタライズの後、画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、パラレル通信用I/O19bを介してカラープリンタ40に出力する(ステップS530)。以上の処理を画像データ15aの全ラスタについて実行する(ステップS535)。カラープリンタ40においては、当該印刷データに基づいてディスプレイ18に表示された画像を印刷する。そして、このカラープリンタ40は上述のようにCMYKlclm階調値データに基づいてCMYKlclmの各色インクを印刷媒体に付着させて印刷物を形成する。
【0044】
(5)まとめ:
このように、RGB色空間をCMYKlclm色空間に変換するにあたり、色調を変更する場合にLab色空間を介在させることにより、色調の変更作業の操作性を向上させることを可能にするとともに、Lab色空間にてCMYKlclm色空間におけるカラープリンタ40での色再現領域を設定することによって、色調の変更作業をこの色再現領域内に制限し、色調の変更によって色圧縮が発生してしまうことを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷システムの構成を示した構成図。
【図2】コンピュータの内部構成を示した構成図。
【図3】RGB色空間とCMYKlclm色空間との対応関係を示したLUTのテーブル構成図。
【図4】RGB色空間の構成を示した構成図。
【図5】モノクロ画像印刷用の1次元LUTのテーブル構成図。
【図6】印刷処理の処理内容を示したフローチャート。
【図7】印刷プロパティー画面の画面構成を示した画面構成図。
【図8】色変換テーブルを作成する手法を示した図。
【図9】色変換テーブル作成処理の処理内容を示したフローチャート。
【図10】Lab色空間とCMYKlclm色空間との対応関係を示したLUTのテーブル構成図。
【図11】RGB色空間とLab色空間との対応関係を示したLUTのテーブル構成図。
【図12】色調設定画面の画面構成を示した画面構成図。
【図13】色調設定変更処理の処理内容を示したフローチャート。
【図14】色調設定変更処理の処理内容を示したフローチャート。
【図15】設定変更処理の処理内容を示したフローチャート。
【図16】設定変更処理の処理内容を示したフローチャート。
【図17】補間の手法を模式的に示した模式図。
【図18】モノクロ画像印刷用の1次元LUTのテーブル構成図。
【図19】印刷データ生成処理の処理内容を示したフローチャート。
【図20】色変換処理の処理内容を示したフローチャート。
【符号の説明】
10…コンピュータ
11…CPU
12…システムバス
13…ROM
14…RAM
15…ハードディスクドライブ
15a…画像データ
15b,15c…LUT
16…フレキシブルディスクドライブ
17…CD−ROMドライブ
18…ディスプレイ
18a…LUT選択ボックス
18b…画像選択ボックス
20…オペレーティングシステム
21…プリンタドライバ
21a…印刷データ生成モジュール
21b…色変換テーブル作成モジュール
22…入力機器DRV
23…ディスプレイDRV
25…アプリケーションプログラム(APL)
31…キーボード
32…マウス
40…カラープリンタ
Claims (14)
- 第1機器依存色空間の色成分を対応する機器独立色空間の色成分に変換する第1色空間変換手段と、
上記機器独立色空間にて上記変換した機器独立色空間の色成分の色調を変更する色調変更手段と、
上記色調が変更された機器独立色空間の色成分を上記第1機器依存色空間と表色系が異なる第2機器依存色空間の色成分に変換する第2色空間変換手段と、
上記第1機器依存色の色成分と上記変換された第2機器依存色の色成分との対応関係を規定した色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成手段とを具備することを特徴とする色変換テーブル作成装置。 - 上記色調変更手段は、上記機器独立色空間にて予め規定された上記第2機器依存色の色再現領域内に上記色調の変更を制限することを特徴とする上記請求項1に記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記第1機器依存色空間は、上記色成分がモノクロにて形成されることを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記モノクロの色成分は、低彩度色成分を含むことを特徴とする上記請求項3に記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記第2機器依存色空間は、上記色成分が複数インクの使用量にて形成されることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記第2機器依存色空間は、上記色成分が複数ドットの形成密度にて形成されることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記色調変更手段は、上記機器独立色空間を視認可能に表示する色空間表示手段と、同表示された機器独立色空間に対して上記色調の変更を指示する色調変更指示手段とを有することを特徴とする上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記色調変更指示手段は、上記第2機器依存色の色再現領域外の機器独立色空間における色調の変更を指示不能にすることによって、同色調の変更を制限することを特徴とする上記請求項7に記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記色空間表示手段は、上記指示不能な上記機器独立色空間の領域を他の領域とは識別可能に表示することを特徴とする上記請求項7または請求項8のいずれかに記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記色調変更手段は、上記機器独立色空間における第2機器依存色空間の色再現領域の色成分と、上記第2機器依存色空間の色成分との対応関係を複数の参照点にて予め規定した色再現可能領域対応テーブルを有し、同色再現可能領域テーブルを参照しつつ上記色調を変更することを特徴とする上記請求項2〜請求項9のいずれかに記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記第1色空間変換手段は、上記第1機器依存色空間の色成分と、上記変換した機器独立色空間の色成分との対応関係を複数の参照点にて規定した入力用色変換テーブルを作成するとともに、上記第2色空間変換手段は、上記機器独立色空間の色成分と、上記第2機器依存色空間の色成分との対応関係を複数の参照点にて規定した出力用色変換テーブルを作成し、上記色変換テーブル作成手段は、色変換対象の画像データについて各画素を形成する第1機器依存色空間の色成分を上記入力用色変換テーブルおよび出力用色変換テーブルに基づいて所定の補間演算を実行して上記第1機器依存色空間の色成分と第2機器依存色空間の色成分との対応関係を求めて上記色変換テーブルを作成することを特徴とする上記請求項1〜請求項11のいずれかに記載の色変換テーブル作成装置。
- 上記第1色空間変換手段および第2色空間変換手段は、上記色成分を変換するに際して、所定の色相領域の色成分の変換密度を多くすることを特徴とする上記請求項1〜請求項11のいずれかに記載の色変換テーブル作成装置。
- 第1機器依存色空間の色成分と第2機器依存色空間の色成分との対応関係を規定する色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成方法であって、
上記第1機器依存色空間の色成分を対応する機器独立色空間の色成分に変換する第1色空間変換工程と、
上記機器独立色空間にて予め規定された第2機器依存色空間の色再現領域内で上記変換した機器独立色空間の色成分の色調を変更する色調変更工程と、
上記色調が変更された機器独立色空間の色成分を上記第1機器依存色空間と異なる表色系の第2機器依存色空間の色成分に変換する第2色空間変換工程と、
上記第1機器依存色の色成分と上記変換された第2機器依存色の色成分との対応関係を規定した色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成工程とを具備することを特徴とする色変換テーブル作成方法。 - 第1機器依存色空間の色成分と第2機器依存色空間の色成分との対応関係を規定する色変換テーブルを作成する機能をコンピュータにて実現可能にする色変換テーブル作成プログラムであって、
上記第1機器依存色空間の色成分を対応する機器独立色空間の色成分に変換する第1色空間変換機能と、
上記機器独立色空間にて予め規定された第2機器依存色空間の色再現領域内で上記変換した機器独立色空間の色成分の色調を変更する色調変更機能と、
上記色調が変更された機器独立色空間の色成分を上記第1機器依存色空間と表色系が異なる第2機器依存色空間の色成分に変換する第2色空間変換機能と、
上記第1機器依存色の色成分と上記変換された第2機器依存色の色成分との対応関係を規定した色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成機能とを具備することを特徴とする色変換テーブル作成プログラム。
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