JP2004270547A - 内燃機関出力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2は運転領域毎に別々に計算されている(S206,S208,S210)が発進アシスト補正自体は全燃料噴射補正量のトータル量にて行っている。このため発進時や発進直後において運転領域が切り替わっても常にすべての燃料噴射補正量が発進アシスト補正に反映される。しかも各燃料噴射補正量の計算上のゲインは各運転領域に対応して切り替えているため、エンジン運転状態が運転領域毎に適切な応答性で燃料噴射補正量に反映される。このことにより発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わった際におけるエンジン回転数や車速の変動を防止しドライバーに違和感を与えないようにすることができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両駆動用内燃機関に対して、車両発進時に発進アシスト補正による出力増加補正処理を実行する内燃機関出力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関を駆動源に備えた車両において、車両発進をアシストするために出力増加量をアクセル開度と内燃機関の回転数とから求め、この出力増加量により内燃機関出力に対して発進アシスト補正する内燃機関制御装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この装置により発進時における内燃機関に対する急激な負荷の増加に対応して出力を高めてエンジンストールを防止し、円滑な発進を可能としている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−73842号公報(第5−6頁、図2−5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記従来技術では、発進時とこれ以外での内燃機関運転領域では全く異なる要求トルク値を用いている。特に発進アシスト補正については発進時とこれ以外での内燃機関運転領域ではそれぞれ無関係に設定されている。
【0005】
このため特に発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わった際には、直前の運転領域での内燃機関のフリクションなどを反映せずに新たに要求トルク値の計算が開始されることから、内燃機関回転数や車速が低下したり上昇したりしてドライバーに違和感を生じさせることがある。
【0006】
本発明は、このように発進アシスト補正を実行する内燃機関出力制御装置において、発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わった際における違和感をドライバーに与えないようにすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関出力制御装置は、車両駆動用内燃機関に対して、車両発進時に発進アシスト補正による出力増加補正処理を実行する内燃機関出力制御装置であって、内燃機関運転領域を複数に分割して、計算対象とする領域付属出力補正量を各内燃機関運転領域毎に備えて、前記領域付属出力補正量のトータル量に基づいて前記発進アシスト補正を実行すると共に、前記領域付属出力補正量を計算する際のゲインを各内燃機関運転領域に対応して切り替える出力補正手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
出力補正手段は、内燃機関運転領域毎に別々に出力補正量を計算して用いるのではなく、計算対象については内燃機関運転領域毎に別々の領域付属出力補正量としているが、発進アシスト補正自体は、すべての領域付属出力補正量のトータル量に基づいて行っている。
【0009】
このため発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わっても、それぞれの領域付属出力補正量がトータルされることにより、常に相互に関連して発進アシスト補正に反映される。
【0010】
しかも出力補正手段は、領域付属出力補正量を計算する際のゲインを各内燃機関運転領域に対応して切り替えていることから、内燃機関の運転状態が、各内燃機関運転領域毎に適切な応答性で領域付属出力補正量に反映される。このことから、内燃機関運転領域が切り替わっても直ちに新たな内燃機関運転領域に対して適切な応答性で発進アシスト補正を実行できる。
【0011】
このことにより発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わった際における内燃機関回転数や車速の変動を防止し、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。
【0012】
請求項2に記載の内燃機関出力制御装置では、請求項1において、前記ゲインは、前記領域付属出力補正量を計算式にて求める場合のゲイン、及びマップから求める場合のゲインの一方又は両方であることを特徴とする。
【0013】
このようにゲインとしては、計算式でもマップでもいずれのゲインでも良く、両者を組み合わせて用いている場合のゲインでも良い。
請求項3に記載の内燃機関出力制御装置では、請求項1又は2において、前記出力補正手段は、前記内燃機関運転領域を、アイドル停車時である第1領域、発進時である第2領域、及びこれら以外である第3領域に分割し、前記第1領域の領域付属出力補正量及び前記第3領域の領域付属出力補正量をそれぞれ計算する際の各ゲインに比較して、前記第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを大きく設定していることを特徴とする。
【0014】
内燃機関運転領域を、上述した3つの領域に分割して、個々に計算するための領域付属出力補正量を備えることができる。この場合には、出力補正手段は、第1領域の領域付属出力補正量及び第3領域の領域付属出力補正量をそれぞれ計算する際の各ゲインに比較して、第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを大きく設定する。発進時である第2領域では内燃機関に対して急激な負荷の上昇が生じることから、この第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを他より大きく設定することにより内燃機関運転領域が発進時に切り替わった場合に負荷の上昇に対応して第2領域の領域付属出力補正量を高応答に上昇させることができる。この結果、全ての領域付属出力補正量のトータル量も高応答に変化し、このトータル量に基づいて適切な発進アシスト補正を実行できる。
【0015】
更に内燃機関運転領域が第2領域から他の領域に変化した場合には領域付属出力補正量を計算する際のゲインは小さくなるので、出力のハンチングなどの問題を生じにくくなる。
【0016】
このことにより発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わった際における内燃機関回転数や車速の変動を防止し、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。
【0017】
請求項4に記載の内燃機関出力制御装置では、請求項1又は2において、前記出力補正手段は、前記内燃機関運転領域を、クラッチが係合して停車している第1領域、クラッチが開放している第2領域、及びクラッチが係合して車両が走行している第3領域に分割し、前記第1領域の領域付属出力補正量及び前記第3領域の領域付属出力補正量をそれぞれ計算する際の各ゲインに比較して、前記第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを大きく設定していることを特徴とする。
【0018】
内燃機関運転領域を3つの領域に分割する場合として、より具体的には、クラッチが係合して停車している第1領域、クラッチが開放している第2領域、及びクラッチが係合して車両が走行している第3領域に分割する。
【0019】
このことにより、クラッチが開放している第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを、クラッチが係合している2つの領域より大きく設定することにより、発進時が含まれる第2領域に切り替わった場合に負荷の上昇に対応して、第2領域の領域付属出力補正量を高応答に上昇させることができる。この結果、全ての領域付属出力補正量のトータル量も高応答に変化し、このトータル量に基づいて適切な発進アシスト補正を実行できる。
【0020】
更に第2領域から他の領域に変化した場合には、領域付属出力補正量を計算する際のゲインは小さくなるので、出力のハンチングなどの問題を生じにくくなる。
【0021】
このことにより発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わった際における内燃機関回転数や車速の変動を防止し、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。
【0022】
請求項5に記載の内燃機関出力制御装置では、請求項3又は4において、前記第1領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインに比較して、前記第3領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを小さく設定していることを特徴とする。
【0023】
更に、第1領域と第3領域とでは、第3領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを小さく設定しても良い。第3領域は通常走行時であり、内燃機関回転が落ち込みにくく、加速操作していない場合には安定して走行させる必要があるため、ゲインは特に小さくすることが好ましい。
【0024】
このことにより、更に内燃機関回転数や車速の変動を防止できて、ドライバーに違和感を与えないようにする効果が高まる。
請求項6に記載の内燃機関出力制御装置では、請求項1又は2において、前記出力補正手段は、前記内燃機関運転領域を、クラッチが係合して停車している第1領域、クラッチが開放して停車している第2領域、クラッチが開放して走行している第3領域及びクラッチが係合して走行している第4領域に分割し、前記第1領域の領域付属出力補正量、前記第3領域の領域付属出力補正量及び前記第4領域の領域付属出力補正量をそれぞれ計算する際の各ゲインに比較して、前記第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを大きく設定していることを特徴とする。
【0025】
内燃機関運転領域を、クラッチが係合して停車している第1領域、クラッチが開放して停車している第2領域、クラッチが開放して走行している第3領域及びクラッチが係合して走行している第4領域に分割しても良い。
【0026】
この場合にはクラッチが開放して停車している第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを、他の3つの領域より大きく設定することにより、発進が行われる第2領域に切り替わった場合に負荷の上昇に対応して、第2領域の領域付属出力補正量を高応答に上昇させることができる。この結果、全ての領域付属出力補正量のトータル量も高応答に変化し、このトータル量に基づいて適切な発進アシスト補正を実行できる。
【0027】
更に第2領域から他の領域に変化した場合には、領域付属出力補正量を計算する際のゲインは小さくなるので、出力のハンチングなどの問題を生じにくくなる。
【0028】
このことにより発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わった際における内燃機関回転数や車速の変動を防止し、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。
【0029】
請求項7に記載の内燃機関出力制御装置では、請求項6において、前記第1領域の領域付属出力補正量、前記第3領域の領域付属出力補正量及び前記第4領域の領域付属出力補正量の順、又は前記第3領域の領域付属出力補正量、前記第1領域の領域付属出力補正量及び前記第4領域の領域付属出力補正量の順で、各領域付属出力補正量を計算する際のゲインを小さく設定していることを特徴とする。
【0030】
更に、残りの3つの領域については第1領域、第3領域及び第4領域の順、又は第3領域、第1領域及び第4領域の順でゲインを小さく設定するようにしても良い。第1領域と第3領域とのいずれか一方又は両方には、発進直後の状態が含まれて発進時の内燃機関に対する負荷がまだ残存している可能性があるので、3つの領域の内でも比較的大きい方に属する。第4領域はクラッチを係合して走行しているので急加速防止のために第1領域及び第3領域よりもゲインを小さくする。このことにより適切な応答性で各領域付属出力補正量の計算を実行して、より適切な発進アシスト補正を実行できる。
【0031】
請求項8に記載の内燃機関出力制御装置では、請求項1〜7のいずれかにおいて、加速要求が無い運転状態あるいは発進アシスト補正が実行されない内燃機関運転領域では発進アシストとして不要となった出力補正量を減衰させる出力補正量減衰手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
領域付属出力補正量の値に大きな値が設定されたときには、再度、発進アシスト補正がなされると内燃機関回転数が急増する場合がある。したがってこのように、発進アシストとして不要となった出力補正量は、前もって減衰させておいた方がドライバーに対する違和感を防止できる。ただし加速要求が存在する時に出力補正量を減少させると加速操作時の加速性に違和感を生じるおそれがある。更に発進アシスト補正が実行されている内燃機関運転領域においては出力補正量を減少させると内燃機関回転を不安定化するおそれがある。
【0033】
このため出力補正量減衰手段は、加速要求が無い運転状態あるいは発進アシスト補正が実行されない内燃機関運転領域において、発進アシストとして不要となった出力補正量を減衰させることにより、ドライバーに対する違和感を、より効果的に防止できる。
【0034】
請求項9に記載の内燃機関出力制御装置では、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記内燃機関はディーゼルエンジンであり、前記出力増加補正処理は燃料噴射量の増加補正であることを特徴とする。
【0035】
尚、内燃機関がディーゼルエンジンの場合は発進アシスト補正による出力増加補正処理は燃料噴射量の増加補正とすることにより、発進アシスト補正を燃料増量処理として適切に実行することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1としての蓄圧式ディーゼルエンジン(コモンレール型ディーゼルエンジン)2とその燃料噴射系及び制御系を示す概略構成図である。本蓄圧式ディーゼルエンジン2は自動車用エンジンとして車両に搭載されているものである。
【0037】
ディーゼルエンジン2には、複数の気筒(本実施の形態では4気筒であるが、1気筒のみ図示している)♯1,#2,#3,♯4が設けられており、各気筒♯1〜♯4の燃焼室に対してインジェクタ4がそれぞれ設けられている。インジェクタ4からディーゼルエンジン2の各気筒♯1〜♯4への燃料噴射は、噴射制御用の電磁弁4aのオン・オフにより制御される。
【0038】
インジェクタ4は、各気筒共通の蓄圧配管としてのコモンレール6に接続されており、前記噴射制御用の電磁弁4aが開いている間、コモンレール6内の燃料がインジェクタ4より各気筒♯1〜♯4内に噴射される。前記コモンレール6には、燃料噴射圧に相当する比較的高い圧力が蓄積されている。この蓄圧を実現するために、コモンレール6は供給配管8を介してサプライポンプ10の吐出ポート10aに接続されている。又、供給配管8の途中には、逆止弁8aが設けられている。この逆止弁8aの存在により、サプライポンプ10からコモンレール6への燃料の供給が許容され、かつコモンレール6からサプライポンプ10への燃料の逆流が阻止されている。
【0039】
サプライポンプ10は、吸入ポート10bを介して燃料タンク12に接続されており、その途中にはフィルタ14が設けられている。サプライポンプ10は、燃料タンク12からフィルタ14を介して燃料を吸入する。又、これと共に、サプライポンプ10は、ディーゼルエンジン2の回転に同期するカムによってプランジャを往復運動させて、燃料圧力を要求される圧力にまで高めて、高圧燃料をコモンレール6に供給している。
【0040】
更にサプライポンプ10の吐出ポート10a近傍には、圧力制御弁10cが設けられている。この圧力制御弁10cは、吐出ポート10aからコモンレール6の方へ吐出される燃料圧力を制御するためのものである。この圧力制御弁10cが開かれることにより、吐出ポート10aから吐出されない分の余剰燃料が、サプライポンプ10に設けられたリターンポート10dからリターン配管16を経て燃料タンク12へと戻されるようになっている。
【0041】
ディーゼルエンジン2の各気筒♯1〜♯4の燃焼室には、吸気通路18および排気通路20がそれぞれ接続されている。吸気通路18にはスロットルバルブが設けられており、このスロットルバルブをディーゼルエンジン2の運転状態により開度調整することにより、燃焼室内に導入される吸入空気の流量が調整される。
【0042】
又、ディーゼルエンジン2の各気筒♯1〜♯4の燃焼室内には、グロープラグ22が配設されている。このグロープラグ22は、ディーゼルエンジン2の始動直前にグローリレー22aを介して電流が流されることにより赤熱し、これに噴霧された燃料の一部が吹き付けられることで着火・燃焼を促進する始動補助装置である。
【0043】
ディーゼルエンジン2には、以下の各種センサやスイッチ等が設けられており、ディーゼルエンジン2の運転状態を検出している。すなわち、図1に示すように、アクセルペダル24に対してはアクセル開度ACCPを検出するためのアクセル開度センサ26が設けられている。又、ディーゼルエンジン2には、ディーゼルエンジン2を始動させるためのスタータ30が設けられている。このスタータ30には、その作動状態を検知するスタータ状態検出スイッチ30aが設けられている。ディーゼルエンジン2のシリンダブロックには冷却水の温度(冷却水温THW)を検出するための水温センサ32が設けられている。また前記リターン配管16には、燃料温度THFを検出するための燃温センサ36が設けられている。又、前記コモンレール6にはコモンレール6内の燃料の圧力を検出するために燃圧センサ38が設けられている。
【0044】
ディーゼルエンジン2のクランクシャフトには、このクランクシャフトの回転に基づいてクランク角とエンジン回転数とを検出するためのエンジン回転センサ40が設けられている。更にクランクシャフトの回転は、吸気弁18a及び排気弁20aを開閉駆動するための各カムシャフトにタイミングベルト等を介して伝達される。これらのカムシャフトは、クランクシャフトの1/2の回転数比で回転するよう設定されている。この内で吸気弁18aを開閉駆動させる吸気カムシャフトには1歯を有するパルサとこのパルサの近傍にはピックアップが設けられて気筒判別センサ42として構成されている。本実施の形態1ではこれら両センサ40,42から出力されるパルス信号により、エンジン回転数NE及びクランク角CAが算出されている。又、クラッチペダルの踏み込み有無を検出するクラッチスイッチ44が、トランスミッションの出力軸側には出力軸の回転数から車速SPDを検出する車速センサ46が設けられている。
【0045】
本実施の形態1においては、ディーゼルエンジン2の各種制御を実行するための電子制御装置(ECU)52が設けられており、このECU52により、燃料噴射量制御やグロー通電制御等のディーゼルエンジン2を制御するための各処理が行われる。ECU52は、CPU、各種プログラムやマップ等を記憶したROM、CPUの演算結果等を一時記憶するRAM、演算結果や予め記憶されたデータ等を保存するバックアップRAM、タイマカウンタ、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。ECU52は、アクセル開度センサ26、スタータ状態検出スイッチ30a、水温センサ32、燃温センサ36、燃圧センサ38、エンジン回転センサ40、気筒判別センサ42、クラッチスイッチ44、車速センサ46等の各信号を読み込んでいる。又、電磁弁4a、圧力制御弁10c、グローリレー22a等は、それぞれ駆動回路を介してECU52に接続されている。このことによりECU52は上述したごとくに読み込んだ信号データに基づき制御演算を行い、電磁弁4a、圧力制御弁10c、グローリレー22a等を駆動制御する。
【0046】
次にECU52により実行される燃料噴射量制御処理について説明する。本処理は図2,3,4,5のフローチャートに示すごとくであり、クランク角周期、ここではディーゼルエンジン2は4気筒であるので、180°CA回転毎に割り込み実行される処理である。
【0047】
本処理が開始されると、まず前述したごとく各センサやスイッチ類からの信号に基づいて求められているアクセル開度ACCP、エンジン回転数NE、クラッチスイッチ状態CLSW、車速SPD等がECU52のRAM上の作業領域に読み込まれる(S102)。
【0048】
次に図6に示すごとくのガバナパターンに基づいて、低回転側燃料噴射量Qbase1と、中高回転側燃料噴射量Qbase2とが算出される(S104)。これら燃料噴射量Qbase1,Qbase2は、エンジン回転数NEとアクセル開度ACCPとをパラメータとする計算式にて算出される。
【0049】
図示するごとくアクセル開度ACCP毎の低回転側燃料噴射量Qbase1はエンジン回転数NEに対して右下がりに傾き、この角度が急であるように計算式の係数が設定してある。このためエンジン回転数NEが低回転となるほど急速に低回転側燃料噴射量Qbase1の値は上昇する。一方、中高回転側燃料噴射量Qbase2についてはエンジン回転数NEに対して右下がりに傾くが、この角度は低回転側燃料噴射量Qbase1に比較して緩やかとなるように計算式の係数が設定してある。このためエンジン回転数NEが低回転となるほど低回転側燃料噴射量Qbase1よりは緩やかに中高回転側燃料噴射量Qbase2の値が上昇する。後述するごとく実際の燃料噴射量は「Qbase1+QiscON+QiscOFF」と「Qbase2」との内で値の大きい方を用いる。このことにより、低回転側では「Qbase1+QiscON+QiscOFF」が用いられ、中高回転側にては「Qbase2」が用いられる。
【0050】
これら燃料噴射量Qbase1,Qbase2が算出されると、次に目標回転数NEiscが設定される(S106)。目標回転数NEiscはディーゼルエンジン2のフリクション、車両走行抵抗、電気負荷等あるいはこれらの発生の予測に基づいて設定されるものである。
【0051】
例えば、ディーゼルエンジン2とトランスミッション側とを接続するクラッチが開放(半クラッチも含む)されている場合(CLSW=「ON」)で停車している(車速SPD≦SPDstop)場合には、半クラッチにて車両が発進されることを予測してNEisc=「850rpm」に設定される。そしてクラッチが係合されている場合(CLSW=「OFF」)で走行中(車速SPD>SPDstop)の場合には、走行抵抗を考慮してNEisc=「850rpm」に設定される。又、クラッチが係合されている場合(CLSW=「OFF」)で停車している(車速SPD≦SPDstop)場合には、NEisc=「800rpm」に設定される。尚、停車判定値SPDstopとしては、「0km/h」〜「3km/h」の値が設定される。ここでは停車判定値SPDstop=「0km/h」が設定されるが、「0km/h」では車速センサ46の精度上、「3km/h」未満の走行状態も含まれているものとする。
【0052】
次に3つの燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2が状況に応じて算出されて更新される(S108)。これらの燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2の算出処理を図3のフローチャートに示す。
【0053】
本処理では、まずクラッチスイッチ状態CLSW=「OFF(係合)」か否かが判定される(S202)。ここでCLSW=「OFF(係合)」であれば(S202で「YES」)、次に走行中か否か、すなわち車速SPD>SPDstopか否かが判定される(S204)。ここでは車速センサ46の検出値として、SPDstop=0km/hとしている。
【0054】
停車あるいはわずかに走行している状態、すなわちSPD=SPDstopであれば(S204で「NO」)、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2の算出処理が実行される(S206)。クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2の算出処理では、まずΔNE(=NEisc−NE)に基づいて図7のマップa2から比例補正量Qa2を求める。尚、ΔNE<「0」ではQa2=「0」に固定されている。すなわち比例補正量Qa2は目標回転数NEiscに対するエンジン回転数NEの低下の程度によって設定されていることになる。
【0055】
更にΔNEに基づいて図7のマップb2から積分値Sqb2を求める。そして、次式1のごとく、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2を算出する。
【0056】
【数1】
QiscOFF2 ← Qa2 + ΣSqb2 … [式1]
ここで積分補正量ΣSqb2は積分値Sqb2を式1の計算毎に積算(ΣSqb2←ΣSqb2+Sqb2)した値である。
【0057】
こうして燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2の算出処理(S108)を抜け出る。したがってステップS206にてクラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2を算出すれば他の2つの燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1については算出処理はなされない。このため2つの燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1については更新されず、これ以前に算出された時の値が維持されることになる。
【0058】
SPD>SPDstopと判定された場合(S204で「YES」)には、クラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1の算出処理が実行される(S208)。クラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1の算出処理では、まずΔNE(=NEisc−NE)に基づいて図8のマップa1から比例補正量Qa1を求める。尚、ΔNE<「0」ではQa1=「0」に固定されている。すなわち比例補正量Qa1は目標回転数NEiscに対するエンジン回転数NEの低下の程度によって設定されていることになる。
【0059】
更にΔNEに基づいて図8のマップb1から積分値Sqb1を求める。
尚、図8のマップa1,b1におけるΔNEに対する比例補正量Qa1及び積分値Sqb1のゲインは、図7のマップa2,b2におけるΔNEに対する比例補正量Qa2及び積分値Sqb2のゲインよりも低く設定してある。
【0060】
そして次式2のごとくクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1を算出する。
【0061】
【数2】
QiscOFF1 ← Qa1 + ΣSqb1 … [式2]
ここで積分補正量ΣSqb1は積分値Sqb1を式2の計算毎に積算(ΣSqb1←ΣSqb1+Sqb1)した値である。
【0062】
こうして燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2の算出処理(S108)を抜け出る。したがってステップS208にてクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1を算出すれば他の2つの燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF2については算出処理はなされない。このため2つの燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF2については更新されず、これ以前にて算出された時の値が維持されることになる。
【0063】
ステップS202にてCLSW=「ON(開放)」と判定された場合には(S202で「NO」)、次にクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの算出処理が実行される(S210)。クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの算出処理では、まずΔNE(=NEisc−NE)に基づいて図9のマップasから比例補正量Qasを求める。尚、ΔNE<「0」ではQas=「0」に固定されている。すなわち比例補正量Qasは目標回転数NEiscに対するエンジン回転数NEの低下の程度によって設定されていることになる。
【0064】
更にΔNEに基づいて図9のマップbsから積分値Sqbsを求める。
更にΔNEの時間変化ΔNE/dtに応じて図9のマップcsから微分補正量Qcsを求める。尚、ΔNE/dt<「0」ではQcs=「0」に固定されている。すなわち微分補正量Qcsは目標回転数NEiscに対するエンジン回転数NEの低下の程度によって設定されていることになる。
【0065】
図9のマップas,bsにおけるΔNEに対する比例補正量Qas及び積分値Sqbsのゲインは、図7のマップa2,b2におけるΔNEに対する比例補正量Qa2及び積分値Sqb2のゲインに比較して大きく設定してある。このことにより目標回転数NEiscに対するエンジン回転数NEの低下の程度が比例補正量Qas及び積分値Sqbsに、大きく反映されるようにされている。
【0066】
そして、次式3のごとく、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONを算出する。
【0067】
【数3】
QiscON ← Qas + ΣSqbs + Qcs … [式3]
ここで積分補正量ΣSqbsは積分値Sqbsを式3の計算毎に積算(ΣSqbs←ΣSqbs+Sqbs)した値である。前述したごとく他の2つの燃料噴射補正量QiscOFF1,QiscOFF2における計算に対して、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの計算では、ΔNEが比例補正量Qas及び積分値Sqbsに大きく反映されるようにしてある。したがってクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONにもΔNEの変化が大きく反映される。
【0068】
こうして燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2の算出処理(S108)を抜け出る。したがってステップS210にてクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONを算出すれば他の2つの燃料噴射補正量QiscOFF1,QiscOFF2については算出処理はなされない。このため2つの燃料噴射補正量QiscOFF1,QiscOFF2については更新されずに、これ以前に算出された時の値が維持されることになる。
【0069】
このようにして燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2のいずれかがステップS108では算出されて更新される。すなわちクラッチが係合状態で車両が停止あるいは極めて低速ではクラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2が更新される。クラッチが係合状態で車両が或る程度以上の速度で走行していればクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1が更新される。クラッチが開放状態ではクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONが更新される。
【0070】
尚、各燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2及び各積分補正量ΣSqb1,ΣSqb2,ΣSqbsは、イグニッション・オン時の初期設定にて「0」に設定されている。
【0071】
このようにして燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2の算出処理(S108)が終了すると、発進アシスト補正量減衰処理が実行される(S110)。この発進アシスト補正量減衰処理を図4,5のフローチャートに示す。本処理が開始されると、まずCLSW=「OFF(係合)」か否かが判定される(S302)。例えば、交差点の信号待ちのため、トランスミッションをニュートラルにしてクラッチを係合した状態で車両を停止しているとする。この場合には、CLSW=「OFF(係合)」であるので(S302で「YES」)、次にACCP=0(%)か否か、すなわちドライバーがアクセルペダル24を踏み込んでいない状態か否かが判定される(S304)。ACCP=0であれば(S304で「YES」)、エンジン回転数NEが現在、CLSW=「OFF」の状態で設定されている目標回転数NEisc以上か否かが判定される(S306)。ここでNE≧NEiscであれば(S306で「YES」)、次にクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFF>「0」(mm3)であるか否か、すなわちクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFによる増量補正がなされているか否かが判定される(S308)。
【0072】
ここでクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFF=「0」とすると(S308で「NO」)、次にクラッチオン時燃料噴射補正量QiscON>「0」(mm3)であるか否か、すなわちクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONによる増量補正がなされているか否かが判定される(S312)。尚、NE<NEiscの場合(S306で「NO」)も、このステップS312の判定が実行される。
【0073】
ここでクラッチオン時燃料噴射補正量QiscON=「0」とすると(S312で「NO」)、発進アシスト補正量減衰処理を抜け出て、図2に戻り、次式4によりクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFが2つの燃料噴射補正量QiscOFF1,QiscOFF2から算出される(S112)。
【0074】
【数4】
QiscOFF ← QiscOFF1 + QiscOFF2 …[式4]
次にクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFとクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONとを用いて、次式5に示すごとく最終燃料噴射量Qfinを算出する(S114)。
【0075】
【数5】
Qfin ←
MAX(Qbase1+QiscON+QiscOFF,Qbase2)
…[式5]
ここでMAX()は、()内の数値の大きい方を抽出する演算子である。尚、「Qbase1+QiscON+QiscOFF」は図6にては一点鎖線にて示すごとくとなる。
【0076】
こうして一旦本処理を終了する。このような信号待ち等のアイドル状態(CLSW=「OFF(係合)」、ACCP=「0」、SPD=「0」)では、目標回転数NEiscよりエンジン回転数NEが低下した場合の燃料噴射量調節はクラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2の算出(図3:S206)にてなされることになる。このクラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2は前述したごとくΔNEに対して、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONに比較して小さいゲインにて設定されるので、アイドル回転数制御上のハンチングが生じにくい。ただしクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1よりも大きいゲインにて設定されるので、アイドル状態で停車した際のエンジン回転数NE低下を、走行時よりも高応答性で対応でき、エンジンストールに効果的に対処できる。
【0077】
上述した状態から、ドライバーが車両をアイドル発進させようとして、まずクラッチペダルを踏み込むことにより、CLSW=「ON(開放)」となったとする(S302で「NO」)。この場合には、ACCP=0であり(S318で「YES」)、発進時の負荷がディーゼルエンジン2に加わっていなくてNE≧NEiscであれば(S320で「NO」)、ステップS312で「NO」と判定される。したがって前述した式4によるクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの計算(S112)と式5による最終燃料噴射量Qfinの計算(S114)が実行される。又、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの算出処理(図3:S210)がなされるが、エンジン回転数NEはNEiscより低下していないので実際には値は増加しない。
【0078】
その後、CLSW=「ON(開放)」のままでトランスミッションが第1速にされて半クラッチとなり、この発進時の負荷がディーゼルエンジン2に加わる。このためNE<NEiscとなる(S320で「YES」)。このため直ちに前述した式4によるクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの計算(S112)と式5による最終燃料噴射量Qfinの計算(S114)が実行される。
【0079】
そして、このようなCLSW=「ON(開放)」である発進状態では、目標回転数NEiscにエンジン回転数NEを収束させる燃料噴射量調節は、ステップS210(図3)の実行によりクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの値にて調節されることになる。このクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONは前述したごとくΔNEに対して、クラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1及びクラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2に比較して大きいゲインにて設定されている。しかも微分補正量Qcsも加えられているので、急速に値が増加して、発進時の負荷に対抗して十分な出力をディーゼルエンジン2から発生させることができる。尚、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONを算出させるゲインが大きくても、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONは発進時の負荷に対抗するものなので出力制御上のハンチングが生じにくい。
【0080】
ドライバーのクラッチペダル操作により、クラッチが半クラッチ状態を経過して完全に係合すると、CLSW=「OFF(係合)」に変化する(S302で「YES」)。そしてACCP=「0」であるか否か、すなわちドライバーが加速操作を実行しているか否かが判定される(S304)。
【0081】
ここではドライバーが加速操作をしていないアイドル発進(ACCP=「0」)であるので(S304で「YES」)、次にステップS306の判定に移る。そして、NE≧NEisc(S306で「YES」)及びQiscOFF=「0」(S308で「NO」)、あるいはNE<NEisc(S306で「NO」)であれば、次にQiscON>「0」か否かが判定される(S312)。ここで直前の発進時においてクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONは急速に増加している。したがってQiscON>「0」であるので(S312で「YES」)、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰処理が実行される(S314)。
【0082】
このクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰処理は、QiscON>0の状態から徐々に減少してQiscON=「0」の値にする処理である。具体的には、本燃料噴射量制御処理の制御周期毎に、QiscON=0になるまでクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONから一定量を減算する処理を実行する。あるいは別途、時間周期でQiscON=0になるまでクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONから一定量を減算する処理を実行しても良い。又、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONから一定量を減算するのではなく、減衰係数(<1)をクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONに掛け算して、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONが或る程度「0」に近づいたら、QiscON=0として減衰処理を終了しても良い。
【0083】
そして前述した式4によるクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの計算(S112)と式5による最終燃料噴射量Qfinの計算(S114)が実行されて、本処理を一旦終了する。以後、ACCP=0が継続していれば(S304で「YES」)、QiscON>0である間は(S312で「YES」)、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰処理(S314)が継続する。
【0084】
尚、この発進後のクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰時には、前記図3ではステップS202で「YES」、SPD=0である間は(S204で「NO」)、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2が更新されることになる(S206)。そしてSPD>0となれば(S204で「YES」)、クラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1が更新されることになる(S208)。したがってNE<NEiscの場合は、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONに代わって、クラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFが増加することになり、エンジンストールを防止する。
【0085】
一方、ドライバーがクラッチペダルを踏み込んでCLSW=「ON」(S302で「NO」)とし、発進のためにアクセルペダル24を踏み込んだ場合を考える。この場合には(S318で「NO」)、次に「Qbase1+QiscON+QiscOFF1+QiscOFF2」の値がQbase2より大きいか否かが判定される(S322)。すなわち現状の燃料噴射量Qbase1,Qbase2及び燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2を用いた場合に、ステップS114において「Qbase1+QiscON+QiscOFF」の方が抽出されるか否かが判定される。
【0086】
ここで「Qbase1+QiscON+QiscOFF1+QiscOFF2>Qbase2」であれば(S322で「YES」)、「Qbase1+QiscON+QiscOFF」を最終燃料噴射量Qfinとして用いるべき状態である。この場合には前述した式4によるクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの計算(S112)と式5による最終燃料噴射量Qfinの計算(S114)が実行されて、本処理を一旦終了する。このことにより「Qbase1+QiscON+QiscOFF」の値が最終燃料噴射量Qfinとして用いられる。
【0087】
この時、CLSW=「ON」であるので(図3:S202で「NO」)、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONが、大きいゲインにより、特に半クラッチ時に増加することになる(S210)。
【0088】
そしてクラッチが完全に係合してCLSW=「OFF」となると(S302で「YES」)、この時にはACCP>「0」であるので(S304で「NO」)、「Qbase1+QiscON+QiscOFF1+QiscOFF2>Qbase2」か否かが判定される(S316)。この判定は前述したステップS322(図5)と同じ処理である。ここで「Qbase1+QiscON+QiscOFF1+QiscOFF2>Qbase2」であれば(S316で「YES」)、前述した式4の計算(S112)と式5の計算(S114)が実行されて、本処理を一旦終了する。このことにより「Qbase1+QiscON+QiscOFF」の値が最終燃料噴射量Qfinとして用いられる。
【0089】
この時、CLSW=「OFF」であるが(図3:S202で「YES」)、まだわずかな速度であり、車速センサ46の検出では車速SPD=0であれば(S204で「NO」)、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2が算出される(S206)。しかしクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONが十分に大きいので、実際にはクラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2は増加しない。その後、車速SPD>0となれば(S204で「YES」)、最もゲインが小さいクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1が算出される(S208)。しかし、この場合もクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONが十分に大きいので、実際にはクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1は増加しない。
【0090】
ドライバーがアクセルペダル24を踏み込んだことにより、その後にエンジン回転数NEが高くなり、「Qbase1+QiscON+QiscOFF1+QiscOFF2≦Qbase2」となる(S316で「NO」)。この時、エンジン回転数NEは目標回転数NEiscよりも高いので(S306で「YES」)、QiscOFF>「0」であれば(S308)、クラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの減衰処理が実行される(S310)。この減衰処理は、前述したクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰処理(S314)と同様な処理がなされる。
【0091】
そしてQiscON>「0」であるので(S312で「YES」)、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰処理が実行される(S314)。そして前述した式4の計算(S112)と式5の計算(S114)が実行されて、本処理を一旦終了する。
【0092】
その後、クラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFF=「0」となれば(S308で「NO」)、クラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの減衰処理(S310)は停止する。同様にクラッチオン時燃料噴射補正量QiscON=「0」となれば(S312で「NO」)、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰処理(S314)は停止する。
【0093】
尚、ACCP>「0」からACCP=「0」に変化した場合には(S304で「YES」)、NE≧NEisc(S306で「YES」)でQiscOFF>「0」である(S308で「YES」)限り、クラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの減衰処理(S310)は継続される。又、QiscON>「0」である(S312で「YES」)限り、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰処理(S314)は継続される。
【0094】
上述した燃料噴射量制御処理(図2〜5)による処理の一例を図10,11のタイミングチャートに示す。図10はアイドル発進による場合を示している。図11はドライバーがアクセルペダル24を踏み込んだ状態での発進の場合を示している。
【0095】
図10の場合には、時刻t1までは、トランスミッションをニュートラルにし、クラッチを係合した状態で信号待ちで停車している。したがって時刻t1まではクラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2の計算(S206)が実行され、他の燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1の計算処理は停止されている。そして発車するために時刻t1にてクラッチを開放し、トランスミッションを第1速にギヤチェンジする。この時刻t1からはゲインの大きいクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの計算(S210)が実行され、他の燃料噴射補正量QiscOFF1,QiscOFF2の計算処理は停止される。したがって目標回転数NEiscの増加に伴ってクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの増加がなされて、実際のエンジン回転数NEは高応答で目標回転数NEiscに収束する。
【0096】
そして、時刻t2よりクラッチの係合操作を始めることにより、時刻t2からはディーゼルエンジン2に対する回転負荷が増加してエンジン回転数NEが目標回転数NEiscから降下しようとする。しかしクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONが高応答に増加することで、発進アシスト補正量(QiscON+QiscOFF)の急速な増加がなされ、エンジン回転数NEは回復して目標回転数NEiscに近づけられる。このような発進アシスト補正量の増加により発進時のエンジンストールが防止され、円滑な発進が可能となる。
【0097】
その後、車両が走行を開始して、時刻t3にてクラッチが完全に係合してCLSW=「OFF」となる。この時、車速センサ46から検出される車速SPDはまだ「0」である。したがってクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの計算(図3:S210)は停止し、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2の計算に移行する(S206)。更に、時刻t3ではアクセルペダル24が踏み込まれていない(ACCP=「0」)ので、直ちにクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰(図4:S314)が開始される。その後、時刻t4にてSPD>「0」となるので、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2の計算(S206)は停止してクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1の計算(S208)が開始される。
【0098】
そして時刻5にてQiscON=「0」となるので(図4:S312で「NO」)、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰(S314)はなされなくなる。
【0099】
そして時刻t6にてアクセルペダル24が踏み込まれて(S304で「NO」)、更にエンジン回転数NEが上昇し、これに伴い車速SPDも上昇する。しかし低回転域(S316で「YES」)と判定されている限り、クラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの減衰処理(S310)はなされない(t6〜t7)。その後、エンジン回転数NEの上昇により中高回転域となると(S316で「NO」)、NE≧NEisc(S306で「YES」)でQiscOFF>「0」(S308で「YES」)であるので、クラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの減衰(S310)が実行される(t7〜t8)。
【0100】
図11の場合には、クラッチの係合を開始するまで(時刻t12)は図10における時刻t2までの推移と同じである。図11の場合にはCLSW=「OFF」となる前に(時刻13)、アクセルペダル24が踏み込まれている。このため時刻t14にてCLSW=「OFF」(図4:S302で「YES」)となっても、ACCP>「0」(S304で「NO」)であり、まだ低回転域(S316で「YES」)であるので、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰(S314)は開始されない。したがってクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの値が維持され、同時にクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFについても維持される。
【0101】
この後、中高回転域になった時(S316で「NO」)、あるいはアクセルペダル24が完全に戻された時に(S304で「YES」)、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONとクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFとの減衰が実行される(t15〜t16)。したがって、破線で示したごとく発進後に直ちにクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰を開始した場合に比較して、高い加速性が得られる。
【0102】
上述した構成においては内燃機関運転領域が3つに分割されている場合に該当する。すなわちCLSW=「OFF」でSPD=「0」である運転領域がアイドル停車時である第1領域に相当し、CLSW=「ON」である運転領域が発進時である第2領域に相当し、CLSW=「OFF」でSPD>「0」である運転領域がこれら以外の領域である第3領域に相当する。そしてクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2及びクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONがそれぞれ領域付属出力補正量に相当する。「QiscON+QiscOFF」が領域付属出力補正量のトータル量に相当する。燃料噴射量制御処理(図2〜5)の内のステップS108,S112,S114が出力補正手段としての処理に相当し、ステップS110が出力補正量減衰手段としての処理に相当する。
【0103】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).各燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2は、内燃機関運転領域毎に別々に計算対象とされて更新されているが、発進アシスト補正自体は、全領域にて、すべての燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2のトータル量にて行っている。
【0104】
このため発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わっても、それぞれの燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2がトータルされることにより、常に相互に関連して発進アシスト補正に反映される。
【0105】
しかも各燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2が計算される際のゲインは、各内燃機関運転領域に対応した大きさに切り替えている。このことからディーゼルエンジン2の運転状態が各内燃機関運転領域毎に適切な応答性で燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2に反映される。したがって内燃機関運転領域が切り替わっても、直ちに新たな内燃機関運転領域に対して適切な応答性で発進アシスト補正を実行できる。
【0106】
このことにより、発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わった際におけるエンジン回転数NEや車速SPDの変動を防止し、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。
【0107】
(ロ).クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONを計算する際のゲインを最も大きくしている。発進時では、ディーゼルエンジン2に対して急激な負荷の上昇が生じる。したがって、このようにゲインを他の燃料噴射補正量QiscOFF1,QiscOFF2よりも大きく設定することにより、発進時となった場合に負荷の上昇に対応してクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONを高応答に上昇させることができる。この結果、燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2のトータル量も高応答に変化し、このトータル量に基づいて適切な発進アシスト補正を実行できる。
【0108】
更に発進時から他の領域に変化した場合には、クラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFF1,QiscOFF2を計算する際のゲインは小さくなるので、出力のハンチングなどの問題を生じることがなく、エンジン回転数NEや車速SPDが安定化する。
【0109】
このことにより発進時や発進直後において内燃機関運転領域が切り替わった際におけるエンジン回転数NEや車速SPDの変動を防止し、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。
【0110】
(ハ).更に、CLSW=「OFF」でSPD>「0」である運転領域と、CLSW=「OFF」でSPD=「0」である運転領域とで、CLSW=「OFF」でSPD>「0」である運転領域の方のゲインを小さくしている。この領域は通常走行時であり、エンジン回転数NEが落ち込みにくく、加速操作していない場合には安定して走行させる必要がある。このため、ゲインをCLSW=「OFF」でSPD=「0」である運転領域より小さくすることにより、エンジン回転数NEや車速SPDの変動を防止でき、ドライバーに違和感を与えないようにする効果が高まる。
【0111】
(ニ).燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2の値に大きな値が設定されたときには、再度、発進アシスト補正がなされた場合には、エンジン回転数NEが急増する場合がある。したがってこのように、発進アシストとして不要となった燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2は、前もって減衰させておいた方がドライバーに対する違和感を防止できる。ただし加速要求が存在する時に燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2を減少させると加速操作時の加速性に違和感を生じるおそれがある。更に発進アシスト補正が実行されている内燃機関運転領域においては燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2を減少させるとエンジン回転数NEや車速SPDを不安定化するおそれがある。
【0112】
このため加速要求が無い状態(S304で「YES」、S318で「YES」)あるいは発進アシスト補正が実行されない内燃機関運転領域(S316で「NO」、S322で「NO」)において、発進アシストとして不要となった燃料噴射補正量QiscON,QiscOFFを減衰させる処理を可能とする。このことによりドライバーに対する違和感を効果的に防止できる。
【0113】
[実施の形態2]
本実施の形態では、前記実施の形態1の燃料噴射量制御処理(図2〜5)の代わりに、図12〜15の処理を実行する。図12〜15において、前記図2〜5の処理と異なる点は、クラッチオン状態の運転領域が車速SPD>「0」とSPD=「0」とで2つに分割されている点である。このことによりクラッチオン時燃料噴射補正量は、CLSW=「ON」及びSPD>「0」である時に算出されるクラッチオン時第1燃料噴射補正量QiscON1と、CLSW=「ON」及びSPD=「0」である時に算出されるクラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2との2つに分かれている。
【0114】
尚、図12ではステップS402〜S406、S412,S414は、前記図2のステップS102〜S106、S112,S114と同じ処理であり、ステップS408,S410,S411が異なる。
【0115】
燃料噴射補正量QiscON1,QiscON2,QiscOFF1,QiscOFF2の算出処理(S408)について説明する。本処理の詳細は図13のフローチャートに示すごとくである。ここではステップS502〜S508は前記図3のステップS202〜S208と同じ処理である。図13ではCLSW=「ON」(S502で「NO」)の場合に、走行中(S510で「YES」)であればクラッチオン時第1燃料噴射補正量QiscON1が算出される(S514)。停車中(S510で「NO」)であればクラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2が算出される(S512)。
【0116】
発進アシスト補正量減衰処理(S410)について説明する。本処理の詳細は図14,15のフローチャートに示すごとくである。ここではステップS602〜S614,S618,S620は前記図4,5のステップS302〜S314,S318,S320と同じ処理である。図14,15ではステップS616,S622において、「Qbase1+QiscON1+QiscON1+QiscOFF1+QiscOFF2>Qbase2」の判定により低回転領域か否かを判定している。
【0117】
又、図12のステップS411では次式6により、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONが2つの燃料噴射補正量QiscON1,QiscON2から算出される。
【0118】
【数6】
QiscON ← QiscON1 + QiscON2 …[式6]
そしてクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1は前記実施の形態1の図8に示したマップと同一のマップにて算出され、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2は前記実施の形態1の図7に示したマップと同一のマップにて算出される。そして、クラッチオン時第1燃料噴射補正量QiscON1を算出するためのマップは前記実施の形態1の図9に示したマップと同一のマップにて算出される。尚、クラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2を算出するためのマップは前記図9に示したごとくに3つのマップを用いるが、マップas,bsに相当するマップは図9よりも更に大きいゲインに設定されている。
【0119】
すなわちΔNEに対するゲインは、クラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2が最大であり、クラッチオン時第1燃料噴射補正量QiscON1、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2、クラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1の順で小さくなるように設定されている。
【0120】
上述した燃料噴射量制御処理(図12〜15)による処理の一例を図16,17のタイミングチャートに示す。図16はアイドル発進による場合を示している。図17はドライバーがアクセルペダル24を踏み込んだ状態での発進の場合を示している。
【0121】
図16の場合には、時刻t31までは、CLSW=「OFF」(図13:S502で「YES」)で、SPD=「0」(S504で「NO」)であるので、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2の計算(S506)が実行される。他の燃料噴射補正量QiscON1,QiscON2,QiscOFF1の計算処理は停止されている。そして変速のために時刻t31にてクラッチを開放する。この時刻t31からは、ゲインが最大のクラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2の計算が実行され、他の燃料噴射補正量QiscON1,QiscOFF1,QiscOFF2の計算処理は停止される。
【0122】
そして時刻t32からは、アイドル発進のためにクラッチの係合操作を始めることにより、ディーゼルエンジン2に対する負荷が急速に増加してエンジン回転数NEが目標回転数NEiscから降下する。しかしクラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2が高応答に増加することで、発進アシスト補正量(QiscON+QiscOFF)の急速な増加がなされ、エンジン回転数NEは目標回転数NEiscに近づけられる。このような発進アシスト補正量(QiscON+QiscOFF)の急速な増加により、エンジンストールが防止され、円滑な発進が可能となる。
【0123】
その後、時刻t33にて車速センサ46の検出にてSPD>SPDstopとなると(図13:S510で「YES」)、クラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2に代わって、クラッチオン時第1燃料噴射補正量QiscON1が算出されるようになる。クラッチオン時第1燃料噴射補正量QiscON1の計算も比較的高応答なゲインであるが、クラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2に比較すればゲインは小さい。このため発進アシスト補正量の増加は或る程度、鈍化される。
【0124】
そして時刻t34にてクラッチが完全に係合してCLSW=「OFF」となると、クラッチオン時第1燃料噴射補正量QiscON1の計算は停止し、クラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1の計算(図13:S508)に移行する。時刻t34ではアクセルペダル24が踏み込まれていない(ACCP=「0」)ので、直ちにクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰(図14:S614)が開始される。その後、時刻t36にてQiscON=「0」となるが、途中の時刻t35にてクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1の増加によりエンジン回転数NEの落ち込みが防止される。
【0125】
そして時刻t37にてアクセルペダル24が踏み込まれて更にエンジン回転数NEが上昇し、これに伴い車速SPDも上昇する。その後、中高速回転域となると(S616で「NO」:t38)、この時、NE≧NEisc(S606で「YES」)であるので、QiscOFF>「0」(S608で「YES」)である限りはクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFの減衰(S610)が実行される(t38〜t39)。
【0126】
図17の場合には、クラッチの係合を開始するまで(時刻t42)は図16における時刻t32までの推移と同じである。図17の場合にはCLSW=「OFF」となる前に(時刻t43)、アクセルペダル24が踏み込まれている。このため時刻t45にてCLSW=「OFF」(図14:S602で「YES」)となっても、ACCP>「0」(S604で「NO」)である。そして、まだ低回転域(S616で「YES」)であるので、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの減衰(S614)は開始されない。したがってクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONの値が維持され、同時にクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFについても維持される。
【0127】
この後、中高回転域になった時(S616で「NO」)、あるいはアクセルペダル24が完全に戻された時に(S604で「YES」)、クラッチオン時燃料噴射補正量QiscONとクラッチオフ時燃料噴射補正量QiscOFFとの減衰が実行される(t47〜t48)。したがって、破線で示したごとくクラッチ係合後に直ちにQiscONの減衰を開始した場合に比較して加速性が良好となる。
【0128】
上述した構成では内燃機関運転領域が4つに分割されている場合に該当する。すなわちCLSW=「OFF」でSPD=「0」である運転領域が第1領域に相当し、CLSW=「ON」でSPD=「0」である運転領域が第2領域に相当し、CLSW=「ON」でSPD>「0」である運転領域が第3領域に相当し、CLSW=「OFF」でSPD>「0」である運転領域が第4領域に相当する。
【0129】
そしてクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1、クラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2、クラッチオン時第1燃料噴射補正量QiscON1及びクラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2が領域付属出力補正量に相当する。「QiscON+QiscOFF」が領域付属出力補正量のトータル量に相当する。
【0130】
燃料噴射量制御処理(図12〜15)の内のステップS408,S411,S412,S414が出力補正手段としての処理に相当する。ステップS410が出力補正量減衰手段としての処理に相当する。
【0131】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)〜(ニ)の効果を生じる。
(ロ).発進時の初期にはクラッチオン時第2燃料噴射補正量QiscON2による最大のゲインにて車両の走行開始時の急激な負荷の増加に対処するようにエンジン出力を急激に増大させている。その後、ゲインを低下させて急激なエンジン出力増加を緩和しているため、発進後における車速の必要以上の加速を防止できるので、発進後もドライバーに違和感を与えないようにできる。
【0132】
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態1の燃料噴射補正量QiscOFF1,QiscOFF2,QiscON、及び前記実施の形態2の燃料噴射補正量QiscOFF1,QiscOFF2,QiscON1,QiscON2についてはマップにて求めていた。この代わりに、それぞれ内燃機関運転領域に対応した大きさのゲインにより構成した計算式にて求めても良い。あるいはマップと計算式との両方を用いて燃料噴射補正量を計算しても良い。
【0133】
(b).前記各実施の形態では、クラッチはドライバーが操作するものとして説明したが、自動クラッチにて発進時や変速時に自動的に開放・係合が実行される場合についても、同様に本発明を適用できる。
【0134】
(c).前記各実施の形態では、内燃機関としてディーゼルエンジンにて説明したが、ガソリンエンジンにも適用できる。ガソリンエンジンの場合には、理論空燃比にて均一燃焼をさせている場合には電子式スロットルバルブの開度調節にてエンジンの出力調節がなされ、成層燃焼をさせている筒内噴射型ガソリンエンジンの場合にはディーゼルエンジンと同じく燃料噴射量にてエンジンの出力調節がなされる。
【0135】
(d).前記各実施の形態では、発進アシスト以外に加速アシストのための燃料噴射量の増量処理を加えても良い。
(e).前記実施の形態2では、計算上のゲインの大きさは、QiscON2,QiscON1,QiscOFF2,QiscOFF1の順で次第に小さくしたが、例えばエンジンによってはQiscON2,QiscOFF2,QiscON1,QiscOFF1の順に次第に小さくしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としての蓄圧式ディーゼルエンジンとその燃料噴射系及び制御系を示す概略構成図。
【図2】実施の形態1のECUが実行する燃料噴射量制御処理のフローチャート。
【図3】同じく燃料噴射補正量QiscON,QiscOFF1,QiscOFF2の算出処理のフローチャート。
【図4】同じく発進アシスト補正量減衰処理のフローチャート。
【図5】同じく発進アシスト補正量減衰処理のフローチャート。
【図6】上記燃料噴射量制御処理にて用いられるガバナパターンの説明図。
【図7】同じくクラッチオフ時第2燃料噴射補正量QiscOFF2を求めるためのマップの構成説明図。
【図8】同じくクラッチオフ時第1燃料噴射補正量QiscOFF1を求めるためのマップの構成説明図。
【図9】同じくクラッチオン時燃料噴射補正量QiscONを求めるためのマップの構成説明図。
【図10】実施の形態1による処理の一例を示すタイミングチャート。
【図11】実施の形態1による処理の一例を示すタイミングチャート。
【図12】実施の形態2の燃料噴射量制御処理のフローチャート。
【図13】同じく燃料噴射補正量QiscON1,QiscON2,QiscOFF1,QiscOFF2の算出処理のフローチャート。
【図14】同じく発進アシスト補正量減衰処理のフローチャート。
【図15】同じく発進アシスト補正量減衰処理のフローチャート。
【図16】実施の形態2による処理の一例を示すタイミングチャート。
【図17】実施の形態2による処理の一例を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
2…ディーゼルエンジン、4…インジェクタ、4a…電磁弁、6…コモンレール、8…供給配管、8a…逆止弁、10…サプライポンプ、10a…吐出ポート、10b…吸入ポート、10c…圧力制御弁、10d…リターンポート、12…燃料タンク、14…フィルタ、16…リターン配管、18…吸気通路、18a…吸気弁、20…排気通路、20a…排気弁、22…グロープラグ、22a…グローリレー、24…アクセルペダル、26…アクセル開度センサ、30…スタータ、30a…スタータ状態検出スイッチ、32…水温センサ、36…燃温センサ、38…燃圧センサ、40…エンジン回転センサ、42…気筒判別センサ、44…クラッチスイッチ、46…車速センサ、52…ECU。
Claims (9)
- 車両駆動用内燃機関に対して、車両発進時に発進アシスト補正による出力増加補正処理を実行する内燃機関出力制御装置であって、
内燃機関運転領域を複数に分割して、計算対象とする領域付属出力補正量を各内燃機関運転領域毎に備えて、前記領域付属出力補正量のトータル量に基づいて前記発進アシスト補正を実行すると共に、前記領域付属出力補正量を計算する際のゲインを各内燃機関運転領域に対応して切り替える出力補正手段を備えたことを特徴とする内燃機関出力制御装置。 - 請求項1において、前記ゲインは、前記領域付属出力補正量を計算式にて求める場合のゲイン、及びマップから求める場合のゲインの一方又は両方であることを特徴とする内燃機関出力制御装置。
- 請求項1又は2において、前記出力補正手段は、前記内燃機関運転領域を、アイドル停車時である第1領域、発進時である第2領域、及びこれら以外である第3領域に分割し、前記第1領域の領域付属出力補正量及び前記第3領域の領域付属出力補正量をそれぞれ計算する際の各ゲインに比較して、前記第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを大きく設定していることを特徴とする内燃機関出力制御装置。
- 請求項1又は2において、前記出力補正手段は、前記内燃機関運転領域を、クラッチが係合して停車している第1領域、クラッチが開放している第2領域、及びクラッチが係合して車両が走行している第3領域に分割し、前記第1領域の領域付属出力補正量及び前記第3領域の領域付属出力補正量をそれぞれ計算する際の各ゲインに比較して、前記第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを大きく設定していることを特徴とする内燃機関出力制御装置。
- 請求項3又は4において、前記第1領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインに比較して、前記第3領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを小さく設定していることを特徴とする内燃機関出力制御装置。
- 請求項1又は2において、前記出力補正手段は、前記内燃機関運転領域を、クラッチが係合して停車している第1領域、クラッチが開放して停車している第2領域、クラッチが開放して走行している第3領域及びクラッチが係合して走行している第4領域に分割し、前記第1領域の領域付属出力補正量、前記第3領域の領域付属出力補正量及び前記第4領域の領域付属出力補正量をそれぞれ計算する際の各ゲインに比較して、前記第2領域の領域付属出力補正量を計算する際のゲインを大きく設定していることを特徴とする内燃機関出力制御装置。
- 請求項6において、前記第1領域の領域付属出力補正量、前記第3領域の領域付属出力補正量及び前記第4領域の領域付属出力補正量の順、又は前記第3領域の領域付属出力補正量、前記第1領域の領域付属出力補正量及び前記第4領域の領域付属出力補正量の順で、各領域付属出力補正量を計算する際のゲインを小さく設定していることを特徴とする内燃機関出力制御装置。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、加速要求が無い運転状態あるいは発進アシスト補正が実行されない内燃機関運転領域では発進アシストとして不要となった出力補正量を減衰させる出力補正量減衰手段を備えたことを特徴とする内燃機関出力制御装置。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記内燃機関はディーゼルエンジンであり、前記出力増加補正処理は燃料噴射量の増加補正であることを特徴とする内燃機関出力制御装置。
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JP2004360534A (ja) | 内燃機関の燃料供給量制御装置 |
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