JP2004269577A - 研磨速度選択比向上剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】砥粒を含有するpH2〜5.8の研磨液組成物の配合成分として用いられる研磨速度選択比向上剤であって、該研磨速度選択比向上剤が有機カチオン系化合物であり酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させるものである研磨速度選択比向上剤、該研磨速度選択比向上剤と砥粒を含有してなるpH2〜5.8の研磨液組成物、該研磨液組成物を用いて酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させる方法並びに前記研磨液組成物を用いる研磨基板の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化珪素膜と酸化珪素膜の研磨速度選択比向上剤に関する。さらに、該研磨速度選択比向上剤を含有する研磨液組成物、該研磨液組成物を用いた酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比を向上させる方法、並びに前記研磨液組成物を用いる研磨基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体の素子分離工程においては、化学機械研磨法(CMP)によって窒化珪素膜上に形成された余分な酸化珪素膜を完全に除去し、かつ窒化珪素膜を所定の膜厚まで研磨し、残りの窒化珪素膜を熱リン酸によりエッチング処理し除去する。一般に、エッチング処理は時間管理されるため、酸化珪素膜を研磨した後の窒化珪素膜厚が一定でないと、例えば、研磨後の窒化珪素膜が厚いと所定時間エッチングしても窒化珪素膜残りが発生し、逆に窒化珪素膜が薄いとエッチング過剰により下地のシリコン基板へのダメージを引き起こすという問題が生じる。
【0003】
窒化珪素膜を所定の膜厚まで研磨する場合の問題は、トレンチ部の酸化珪素膜のディッシングが進行しやすくなる点である。
【0004】
ディッシングは窒化珪素膜と酸化珪素膜の研磨速度比に関係があり、一般に研磨速度比が大きいほどディッシング量が大きくなる。例えば、遊離砥粒としてセリアを用いた場合の研磨速度比は、窒化珪素膜/酸化珪素膜<1/2.5であり、酸化珪素膜のほうが研磨されやすいためにディッシングが進みやすい。従って、ディッシング量を抑制しつつ窒化珪素膜を所定厚みまで研磨するには、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させる、すなわち窒化珪素膜と酸化珪素膜の研磨速度比を1:1に近づける必要がある。
【0005】
また、トランジスタ形成工程の一部であるゲート電極形成工程においても、窒化珪素膜と酸化珪素膜を同時に研磨し、窒化珪素膜の上面部分を完全に除去する工程があり、同様に窒化珪素膜と酸化珪素膜の研磨速度比を1:1に近づけることが求められる。
【0006】
そこで、酸化珪素膜の研磨速度に対して窒化珪素膜の研磨速度を向上する方法としては、粒径10nm以下のシリカとリン酸又はリン酸誘導体を含有する研磨液組成物を用いる方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、この研磨液組成物を用いる方法では、研磨速度が遅く、また、研磨速度比の向上も不十分である。
【0007】
また、砥粒、特にセリアと有機カチオン系化合物を含有する研磨液組成物が開示されている(特許文献2〜4)。
しかしながら、特許文献2に記載されている研磨液組成物は、pHが8.1 であり、研磨荷重に対する研磨速度を制御し、窒化珪素膜の研磨速度に対する酸化珪素膜の研磨速度の比を向上させることにより窒化珪素膜をストッパー膜として酸化珪素膜の段差を平坦化することを目的としている。また、特許文献3に記載されている研磨液組成物はpHが6.0 〜6.9 であり、同様に酸化珪素膜の段差を平坦化することを目的とするものである。また、特許文献4に記載されている研磨液組成物はpHが7.3 〜7.5 であり、窒化珪素膜の研磨速度に対する酸化珪素膜の研磨速度の比を向上させることを目的とするものである。従って、いずれの研磨液組成物も酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させるものではない。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−176773号公報
【特許文献2】
特開2001−7061号公報
【特許文献3】
特開2001−35820号公報
【特許文献4】
特開2002−190458号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を安定にかつ低コストに向上させることにあり、それを達成する研磨速度選択比向上剤を提供する。更に、該研磨速度選択比向上剤を含有する研磨液組成物、該研磨液組成物を用いた酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比を向上させる方法、並びに前記研磨液組成物を用いる被研磨基板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 砥粒を含有するpH2〜5.8の研磨液組成物の配合成分として用いられる研磨速度選択比向上剤であって、該研磨速度選択比向上剤が有機カチオン系化合物であり酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させるものである研磨速度選択比向上剤、
〔2〕 前記〔1〕記載の研磨速度選択比向上剤と砥粒を含有してなるpH2〜5.8の研磨液組成物、
〔3〕 前記〔2〕記載の研磨液組成物を用いて酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させる方法、及び
〔4〕 前記〔2〕記載の研磨液組成物を用いる研磨基板の製造方法
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、研磨速度選択比向上とは、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比(以下、選択比ともいう)を向上させることを意味する(以下、選択比向上ともいう)。従って、本発明の研磨速度選択比向上剤(以下、選択比向上剤と略す)とは、研磨液組成物に含有させることにより、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比を向上させる作用、具体的には、窒化珪素膜の研磨速度を著しく低下させずに、酸化珪素膜の研磨速度を低減させる作用を有する剤をいう。従って、本発明の選択比向上剤を含有しない研磨液組成物を用いて研磨した場合の酸化珪素膜の研磨速度を基準(相対研磨速度)として、本発明の選択比向上剤を添加した研磨液組成物の酸化珪素膜の研磨速度は、0.9 以下、好ましくは0.85以下、より好ましくは0.8 以下、さらに好ましくは0.7 以下、最も好ましくは0.6 以下である。また、窒化珪素膜の研磨速度は、本発明の選択比向上剤を含有しない研磨液組成物を用いて研磨した場合の窒化珪素膜の研磨速度(相対研磨速度)を基準として、0.5 以上、好ましくは0.7 以上、より好ましくは0.8 以上、さらに好ましくは0.9 以上、最も好ましくは1.0 以上である。また、選択比向上剤が向上させる研磨速度の比[(窒化珪素膜の研磨速度)/(酸化珪素膜の研磨速度)]としては、研磨後の被研磨基板の平坦化達成の観点から、選択比は本発明の選択比向上剤を含有しない研磨液組成物を用いて研磨した場合の選択比を基準(相対選択比)にして、1.35以上が好ましく、より好ましくは1.4 以上、さらに好ましくは1.6 以上、最も好ましくは1.8 以上である。なお、各膜の研磨速度は、後述の実施例に記載の方法で測定したものである。
【0012】
本発明の選択比向上剤は、有機カチオン系化合物である。
前記有機カチオン系化合物は、本発明の研磨液組成物に含有させることによって、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比を向上させる選択比向上剤として働くものである。
【0013】
前記有機カチオン系化合物としては、窒素原子を含有するものが好ましく、さらにアミノ基を有する化合物又は第4級アンモニウム基を有する化合物が好ましい。有機カチオン系化合物の分子量は、水溶性の観点から30〜10000 が好ましく、より好ましくは30〜1000、さらに好ましくは30〜200 、最も好ましくは40〜120 である。
【0014】
アミノ基を有する化合物は1分子中に1個以上のアミノ基を含有していればよく、その数は水溶性の観点から1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5、最も好ましくは1〜3である。アミノ基を有する化合物の1分子に含まれる炭素原子数と窒素原子数の比(C/N比)は、水溶性の観点から1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜4である。また、アミノ基を有する化合物は、1級アミン、2級アミン、3級アミン等のモノアミンと、多価アミンが挙げられる。また、アミノ基以外の官能基、例えば、OH基やエーテル基等を含有しても良い。
【0015】
モノアミンとしては、水溶性の観点から炭素数1〜20のものが好ましく、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert− ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の1級アミン、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、エチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、エチルヘキシルアミン等の2級アミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の3級アミンが挙げられる。
【0016】
多価アミンとしては、水溶性の観点から炭素数1〜30のものが好ましく、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜15、特に好ましくは2〜10である。具体的には、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3− プロパンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3− プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3− プロパンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2− プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3− プロパンジアミン、N,N,2,2−テトラメチル−1,3− プロパンジアミン、オクタメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3− ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4− ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6− ヘキサンジアミン等のジアミン、ジエチレントリアミン、N−(3−アミノプロピル)−1,3− プロパンジアミン、3,3’− ジアミノ−N− メチルジプロピルアミン、スペルミジン、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、3,3’− イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、ビス(ヘキサンメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、N,N’− ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等の分子内にアミノ基を3個以上有する多価アミンが挙げられる。
【0017】
また、OH基を含有するアミン、エーテル基を含有するアミンとしては、水溶性の観点から炭素数1〜30のものが好ましく、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜15、特に好ましくは2〜10である。具体的には、モノエタノールアミン、1−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−1− ブタノール、2−アミノ−2− メチル−1− プロパノール、N,N−ジエチルヒドロキシアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−エチルアミノエタノール、1−(ジメチルアミノ)−2− プロパノール、3−ジメチルアミノ−1− プロパノール、2−(イソプロピルアミノ)エタノール、2−(ブチルアミノ)エタノール、2−(tert− ブチルアミノ)エタノール、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2− メチル−1− プロパノール、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、2−(ジブチルアミノ)エタノール、6−ジメチルアミノ−1− ヘキサノール、ジエタノールアミン、2−アミノ−2− メチルプロパンジオール、N−メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール等のOH基含有アミン、2−メトキシエチルアミン、2−アミノ−1− メトキシプロパン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2,2’− (エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、4,7,10− トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン等のエーテル基含有アミンが挙げられる。
【0018】
他のアミンとしては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の高分子アミンが挙げられる。
【0019】
また、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ピリジン、ピラジン、ピロール、トリエチレンジアミン、モルホリン、2−アミノピリジン、3−アミノ−1,2,4− トリアゾール等の窒素原子を含有する複素環化合物等も挙げられる。
【0020】
4級アンモニウム基を有する化合物は1分子中に1個以上の4級アンモニウム基を含有してもよく、その数は水溶性の観点から1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5、最も好ましくは1〜3である。4級アンモニウム基を有する化合物の炭素数は、水溶性の観点から4〜20のものが好ましく、より好ましくは4〜15、更に好ましくは4〜10、特に好ましくは4〜7である。4級アンモニウム基を有する化合物の1分子に含まれる炭素原子数と窒素原子数の比(C/N比)は、水溶性の観点から1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜4である。
【0021】
具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、プロピルトリメチルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、メチルトリブチルアンモニウム、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N− トリメチルアンモニウム、N−ヒドロキシエチル−N− ヒドロキシプロピル−N,N− ジメチルアンモニウム、N−(ヒドロキシエチル)−N,N,N− トリメチルアンモニウムの各水酸化物、メトキシ化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、メチル硫酸塩、硝酸塩、ジメチルリン酸塩、蟻酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
【0022】
これらの中で、更に好ましくは、水溶性の観点、選択比向上の観点からメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3− プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、モノエタノールアミン、6−ジメチルアミノ−1− ヘキサノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びテトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、プロピルトリメチルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N− トリメチルアンモニウム、N−ヒドロキシエチル−N− ヒドロキシプロピル−N,N− ジメチルアンモニウム、N−(ヒドロキシエチル)−N,N,N− トリメチルアンモニウムの各水酸化物、メトキシ化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、メチル硫酸塩、硝酸塩、ジメチルリン酸塩、蟻酸塩、酢酸塩であり、特に好ましくはエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、及びテトラメチルアンモニウム、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N− トリメチルアンモニウム、N−ヒドロキシエチル−N− ヒドロキシプロピル−N,N− ジメチルアンモニウム、N−(ヒドロキシエチル)−N,N,N− トリメチルアンモニウムの各水酸化物、メトキシ化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、メチル硫酸塩、硝酸塩、ジメチルリン酸塩、蟻酸塩、酢酸塩である。
【0023】
また、本発明の選択比向上剤としては、以下の条件で有機カチオン系化合物を含有する研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨した時の、酸化珪素膜に対する研磨速度に対する窒化珪素膜に対する研磨速度の比が0.5以上であるものが好ましく、より好ましくは0.55以上、さらに好ましくは0.6以上である。
【0024】
〔研磨条件〕
・研磨液組成物:
セリアスラリー(平均粒径0.14μm 、セリア濃度10重量%、pH8.3 )を10g 、有機カチオン系化合物の5%水溶液を1.0g(濃度0.05%)、残部を0.1N塩酸水溶液とイオン交換水を加え、pH4に調製した研磨液組成物100g
・被研磨基板:
プラズマTEOSで酸化珪素膜を表面上に10000 Å(1000nm) 蒸着したシリコン基板( 縦4cm ×横4cm の基板) 、及び低圧CVD で窒化珪素膜を表面上に3000Å(300nm) 蒸着したシリコン基板(4cm×4cm の基板) を使用
・研磨パッドはIC1400(P)(外径30cmφ、ロデール・ニッタ(株)製)
・研磨荷重は2.5 ×104Pa 、研磨液流量は50mL/min、定盤回転数は90r/min 、研磨ワーク(ヘッド)の回転数は90r/min 、定盤と研磨ワーク(ヘッド)は同一方向に回転、研磨時間は1min。
なお、他の研磨条件については、特に限定はないが、例えば、後述の実施例に記載の条件と同じであればよい。
【0025】
本発明の研磨液組成物は、前記選択比向上剤と砥粒を含有するpH2〜5.8のものである。研磨液組成物中の選択比向上剤の含有量は、酸化珪素膜の研磨速度を選択的に抑制する観点から、0.001 重量%以上が好ましく、より好ましくは0.005 重量%以上、更に好ましくは0.01重量%以上、最も好ましくは0.03重量%以上である。また、窒化珪素膜の研磨速度を著しく低下させない観点から、20重量%以下が好ましく、より好ましくは5 重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5 重量%以下である。両者の観点から、0.001 〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.005 〜5 重量%、更に好ましくは0.01〜1重量%、最も好ましくは0.03〜0.5 重量%以下である。
【0026】
本発明で用いられる砥粒としては、セリア砥粒、アルミナ砥粒及びジルコニア砥粒が好ましく、特に好ましくはセリア砥粒である。
【0027】
砥粒の平均粒径は、研磨速度向上の観点から、好ましくは20nm以上、より好ましくは50nm以上、さらに好ましくは70nm以上、最も好ましくは100nm 以上であり、スクラッチ等の表面欠陥を抑制する観点から、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm 以下、さらに好ましくは300nm 以下、最も好ましくは200nm 以下である。
【0028】
研磨液組成物中の砥粒の含有量は、研磨速度向上の観点から、0.1 重量%以上であり、好ましくは0.3 重量%以上、より好ましくは0.5 重量%以上、最も好ましくは1 重量%以上であり、スクラッチ等の表面欠陥を抑制する観点から、20重量%以下であり、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5 重量%以下である。両者の観点から、0.1 〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.3 〜15重量%、更に好ましくは0.5 〜10重量%、最も好ましくは1〜5重量%である。
【0029】
本発明の研磨液組成物は、さらにpH調整剤を含有していることが好ましい。
pH調整剤としては、アンモニア、水酸化カリウム等の塩基性化合物や、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸や有機酸として、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、トリメット酸等の多価カルボン酸、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸、メチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1− ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のポリアミノカルボン酸等の酸性化合物を使用することができる。これらのpH調整剤は水溶性が高いことが好ましい。この観点から、塩基性化合物としては、好ましくは水酸化カリウムやアンモニアであり、酸性化合物としては、好ましくは無機酸や酢酸、グリコール酸である。また、研磨液組成物中のpH調整剤の含有量は、選択比向上の観点から、0.001 〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜20重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%である。
【0030】
研磨液組成物中の水の含有量は、選択比向上の観点から、60〜99.899重量%が好ましく、より好ましくは75〜99.7重量%、更に好ましくは85〜99.5重量%である。
【0031】
また、本発明の研磨液組成物は必要に応じて、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド等の殺菌剤、抗菌剤等の他の成分を配合することができる。
【0032】
尚、前記研磨液組成物中の各成分の含有量は、研磨する際の好ましい含有量であるが、該組成物製造時の含有量であってもよい。なお、濃縮液として研磨液組成物は製造され、これを使用時に希釈して用いる場合もある。
【0033】
また、研磨液組成物のpHは、窒化珪素膜の速度を向上する観点、及び、選択比向上剤が酸化珪素膜の研磨速度を選択的に抑制する観点から2〜5.8であり、好ましくは3〜6、より好ましくは3〜5.5、さらに好ましくは3〜5、最も好ましくは3.5〜4.5である。
【0034】
かかる構成を有する本発明の研磨液組成物を用いることによって、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比を安定にかつ低コストで向上させることができるという優れた効果が発現される。このような効果が発現する理由として、pHが2〜5.8の領域において、酸化珪素膜の表面はマイナスに、窒化珪素膜の表面はプラスに帯電し、前記有機カチオン系化合物である選択比向上剤が酸化珪素膜表面に選択的に吸着し、酸化珪素膜の研磨速度を抑制するためと推定している。従って、本発明は、本発明の研磨液組成物を用いて酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させる方法を提供するものである。
【0035】
また、本発明の研磨方法は、研磨定盤上の研磨パッドに被研磨基板を押圧し、本発明の研磨液組成物を前記研磨パッドの表面に供給しながら、研磨定盤や基板を動かすことにより研磨する方法等があげられる。本発明の研磨方法により、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させることができ、これにより、窒化珪素膜を除去した後の表面の段差が極めて少ない研磨基板を安定してかつ低コストで得ることができるという優れた効果が発現される。従って、本発明は、前記研磨液組成物を用いる研磨基板の製造方法に関する。
【0036】
このような研磨方法の半導体装置の製造工程への適用例としては、素子分離工程において窒化珪素膜上に形成された余分な酸化珪素膜を既存の化学機械研磨法によって除去した後、引き続き化学機械研磨法により窒化珪素膜を所定の膜厚まで研磨する工程が挙げられる。また、トランジスタ形成工程の一部であるゲート電極形成工程において、窒化珪素膜と酸化珪素膜を同時に研磨し、窒化珪素膜の上面部分を完全に除去する工程等が挙げられる。
【0037】
また、本発明に使用される被研磨基板としては、窒化珪素膜及び酸化珪素膜を有するものであれば、特に限定はない。窒化珪素膜としては、低圧CVD 膜、常圧CVD 膜等を使用することができる。また、酸化珪素膜としては、プラズマTEOS膜、常圧CVD 膜、熱酸化膜等を使用することができる。なお、窒化珪素膜、酸化珪素膜の厚み等の物性について、 特に限定はない。また、研磨を行う際に用いる研磨装置、研磨定盤、研磨パッド等についても特に限定はない。
【0038】
【実施例】
以下の実施例中の「重量%」は研磨液組成物全量に対するものである。尚、研磨装置には片面研磨機(品番:MA−300、エンギス(株)製) を使用した。また、研磨条件等は以下に記載した。
【0039】
▲1▼被研磨基板
本実施例において、被研磨基板として、プラズマTEOSで酸化珪素膜を表面上に10000 Å(1000nm) 蒸着したシリコン基板( 縦4cm ×横4cm の基板) 、及び低圧CVD で窒化珪素膜を表面上に3000Å(300nm) 蒸着したシリコン基板(4cm×4cm の基板) を使用した。
【0040】
研磨パッドはIC1400(P)(外径30cmφ、ロデール・ニッタ(株)製) を使用した。また、研磨荷重は2.5 ×104Pa 、研磨液流量は50mL/minであった。定盤回転数は90r/min 、研磨ワーク(ヘッド)の回転数は90r/min であり、定盤と研磨ワーク(ヘッド)は同一方向に回転させた。研磨時間は1minであった。更に、研磨ワーク(ヘッド)に使用するセラミック製の保持台には水貼り用のバッキングフィルムを貼付し、その上にガラスエポキシ樹脂製のキャリアを貼付した。そこに被研磨基板を密着させて使用した。
【0041】
▲2▼研磨速度の算出
研磨速度は、上記の条件下で2回研磨を行い、研磨前後の各被研磨基板の研磨膜厚変化の平均値を測定し、それを研磨時間で除することにより求めた。膜厚変化量は、光干渉式膜厚計[大日本スクリーン製造(株)、商品名:VM−1000 ]から膜厚を求め、算出した。
【0042】
▲3▼研磨速度選択比の算出
研磨速度選択比は、窒化珪素膜の研磨速度を酸化珪素膜の研磨速度で除することで算出した。
【0043】
実施例1
▲1▼カチオン系化合物の調製
プロピルアミン25g に2N塩酸水溶液を220g、イオン交換水255gを加え、pH約8のプロピルアミン5%水溶液を調製した。
【0044】
▲2▼研磨液組成物の調製
セリアスラリー(平均粒径0.14μm 、セリア濃度10重量%、pH8.3 )を10g 、プロピルアミン5%水溶液を1.0g(プロピルアミン濃度0.05%)、残部を0.1N塩酸水溶液とイオン交換水を加え、pH2、3、4、5、6、7、8に調整した研磨液組成物各100gを調製した。また、比較として、セリアスラリー10g 、残部を0.1N塩酸水溶液とイオン交換水を加え、pH2、3、4、5、6、7、8に調整した研磨液組成物各100gを調製した。(pH6、7、8は本発明外)
【0045】
▲3▼研磨実験結果
上記研磨液組成物を用いて、上記の研磨条件下で窒化珪素膜と酸化珪素膜の研磨を行った。結果を図1(酸化珪素膜の研磨速度)、図2(窒化珪素膜の研磨速度)、図3(研磨速度選択比)に示す。
【0046】
図1〜3に示すように、選択比向上剤を添加することにより、酸化珪素膜の研磨速度は抑制され(図1)、窒化珪素膜の研磨速度はほぼ維持されている(図2)。その結果、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比は向上している(図3)。また、図3において、pH6の(窒化珪素膜に対する研磨速度)/(酸化珪素膜に対する研磨速度)は1.3であった。
【0047】
実施例2
▲1▼研磨液組成物の調製
実施例1と同様に、セリアスラリーを10g 、プロピルアミン5%水溶液を各0.1g、1g 、5g、10g (プロピルアミン濃度0.005 %、0.05%、0.25%、0.5 %)、残部を0.1N塩酸水溶液とイオン交換水を加え、pH4又は5の研磨液組成物各100gを調製した。また、比較として、セリアスラリー10g 、残部を0.1N塩酸水溶液とイオン交換水を加え、pH4又は5の研磨液組成物各100gを調製した。
【0048】
▲2▼研磨実験結果
上記研磨液組成物を用いて、実施例1と同じ研磨条件下で窒化珪素膜と酸化珪素膜の研磨を行った。酸化珪素膜、 窒化珪素膜の研磨速度の結果を図4(pH5)、図6(pH4)に、研磨速度選択比の結果を図5(pH5)、図7(pH4)に示す。
【0049】
図4、図6に示すように、選択比向上剤の添加量が多くなるに従い、酸化珪素膜の研磨速度が抑制される。それによって、図5、図7に示すように、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比も向上する。
【0050】
実施例3〜5、比較例1〜3
▲1▼カチオン系化合物、アニオン系化合物、ノニオン系化合物の調製
オクチルアミン25g に2N塩酸水溶液を98g 、イオン交換水377gを加え、pH約7. 5のオクチルアミン5%水溶液を調製した。
【0051】
N−ヒドロキシエチル−N− ヒドロキシプロピル−N,N− ジメチルアンモニウム酢酸塩25g にイオン交換水475gを加え、pH約8. 1のN−ヒドロキシエチル−N− ヒドロキシプロピル−N,N− ジメチルアンモニウム酢酸塩5%水溶液を調製した。
【0052】
ポリアクリル酸アンモニウム塩40%水溶液(商品名:ポイズ532A、花王(株)製)62.5g にイオン交換水437.5gを加え、pH約6.5 のポリアクリル酸アンモニウム塩5%水溶液を調製した。
【0053】
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(商品名:プルロニックP84、旭電化(株)製)25g にイオン交換水475gを加え、pH約4.1 のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール5%水溶液を調製した。
【0054】
▲2▼研磨液組成物の調製
実施例1と同様に、セリアスラリーを10g 、プロピルアミン(実施例3)、オクチルアミン(実施例4)、N−ヒドロキシエチル−N− ヒドロキシプロピル−N,N− ジメチルアンモニウム酢酸塩(実施例5)の各5%水溶液を1.0g(濃度0.05%)、残部を0.1N塩酸水溶液とイオン交換水を加え、pH4の研磨液組成物各100gを調製した。また、比較例として、セリアスラリーを10g 、残部を0.1N塩酸水溶液とイオン交換水を加えたpH4の研磨液組成物(比較例1)、及びセリアスラリー10g 、ポリアクリル酸アンモニウム塩(比較例2)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(比較例3)の各5%水溶液を1.0g(濃度0.05%)、残部を0.1N塩酸水溶液とイオン交換水を加えたpH4の研磨液組成物を各100g調製した。
【0055】
▲3▼研磨実験結果
上記研磨液組成物を用いて、実施例1と同じ研磨条件下で窒化珪素膜と酸化珪素膜の研磨を行った。結果を表1に示す。有機カチオン系化合物を添加した研磨液組成物(実施例3〜5)は、添加しない研磨液組成物(比較例1)と比較して、いずれも窒化珪素膜の研磨速度は抑制せずに、酸化珪素膜の研磨速度を選択的に抑制し、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比を向上できることがわかる。一方、アニオン系化合物(比較例2)やノニオン系化合物(比較例3)は、酸化珪素膜の研磨速度だけでなく、窒化珪素膜の研磨速度も抑制し、選択比を高めることができないことがわかる。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】
本発明の研磨速度選択比向上剤を含有する研磨液組成物を用いることで、酸化珪素膜の研磨速度に対して窒化珪素膜の研磨速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1においてプロピルアミンを含有する研磨液組成物及びプロピルアミン無添加の研磨液組成物を用い、そのpHを変化させて研磨を行った際の酸化珪素膜の研磨速度の結果を示す。
【図2】図2は、実施例1においてプロピルアミンを含有する研磨液組成物及びプロピルアミン無添加の研磨液組成物を用い、そのpHを変化させて研磨を行った際の窒化珪素膜の研磨速度の結果を示す。
【図3】図3は、実施例1においてプロピルアミンを含有する研磨液組成物及びプロピルアミン無添加の研磨液組成物を用い、そのpHを変化させて研磨を行った際の窒化珪素膜と酸化珪素膜との研磨速度選択比の結果を示す。
【図4】図4は、実施例2において、プロピルアミンの含有量を変化させた研磨液組成物(pH5)を用いて窒化珪素膜と酸化珪素膜とを研磨した際の酸化珪素膜と窒化珪素膜の研磨速度の結果を示す。
【図5】図5は、実施例2において、プロピルアミンの含有量を変化させた研磨液組成物(pH5)を用いて窒化珪素膜と酸化珪素膜とを研磨した際の研磨速度選択比の結果を示す。
【図6】図6は、実施例2において、プロピルアミンの含有量を変化させた研磨液組成物(pH4)を用いて窒化珪素膜と酸化珪素膜とを研磨した際の酸化珪素膜と窒化珪素膜の研磨速度の結果を示す。
【図7】図7は、実施例2において、プロピルアミンの含有量を変化させた研磨液組成物(pH4)を用いて窒化珪素膜と酸化珪素膜とを研磨した際の研磨速度選択比の結果を示す。
Claims (8)
- 砥粒を含有するpH2〜5.8の研磨液組成物の配合成分として用いられる研磨速度選択比向上剤であって、該研磨速度選択比向上剤が有機カチオン系化合物であり酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させるものである研磨速度選択比向上剤。
- 以下の条件で有機カチオン系化合物を含有する研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨した時の、酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度の比が0.5以上である、請求項1記載の研磨速度選択比向上剤。
・研磨液組成物:
セリアスラリー(平均粒径0.14μm 、セリア濃度10重量%、pH8.3 )を10g 、有機カチオン系化合物の5%水溶液を1.0g(濃度0.05%)、残部を0.1N塩酸水溶液とイオン交換水を加え、pH4に調製した研磨液組成物100g
・被研磨基板:
プラズマTEOSで酸化珪素膜を表面上に10000 Å(1000nm) 蒸着したシリコン基板( 縦4cm ×横4cm の基板) 、及び低圧CVD で窒化珪素膜を表面上に3000Å(300nm) 蒸着したシリコン基板(4cm×4cm の基板) を使用
・研磨パッドはIC1400(P)(外径30cmφ、ロデール・ニッタ(株)製)
・研磨荷重は2.5 ×104Pa 、研磨液流量は50mL/min、定盤回転数は90r/min 、研磨ワーク(ヘッド)の回転数は90r/min 、定盤と研磨ワーク(ヘッド)は同一方向に回転、研磨時間は1min。 - 有機カチオン系化合物が窒素原子を有するものである請求項1又は2記載の研磨速度選択比向上剤。
- 有機カチオン系化合物がアミノ基を有する化合物又は第四級アンモニウム基を有する化合物である請求項1〜3いずれか記載の研磨速度選択比向上剤。
- 請求項1〜4いずれか記載の研磨速度選択比向上剤と砥粒を含有してなるpH2〜5.8の研磨液組成物。
- 砥粒がセリア砥粒である請求項5記載の研磨液組成物。
- 請求項5又は6記載の研磨液組成物を用いて酸化珪素膜の研磨速度に対する窒化珪素膜の研磨速度比を向上させる方法。
- 請求項5又は6記載の研磨液組成物を用いる研磨基板の製造方法。
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