JP2004269134A - 記録装置及び液体噴射装置 - Google Patents

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一夫 斉藤
Eiji Kumai
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Abstract

【課題】被記録材を湾曲反転させる湾曲反転経路を複数備える記録装置の小型化を図るとともに、ユーザ操作性に優れた記録装置を提供する。
【解決手段】プリンタ1は用紙を斜め上方に搬送する傾斜した用紙搬送経路を備え、該傾斜した用紙搬送経路上で用紙に記録を実行する。記録の実行された用紙は、フェイスダウン(Fd)排出経路、フェイスアップ(Fu)排出経路、両面記録の為の反転経路のいずれかに送られる。傾斜した用紙搬送経路によって上下に区画された空間の上側に、Fd排出経路を構成する湾曲反転経路が、前記空間の下側に、両面記録の為の反転経路を構成する湾曲反転経路が配置され、これによって無駄なスペースを省き、プリンタ1の省スペース化を図ることが可能となる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材に記録を行う記録装置及び、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体と前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0002】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0003】
【従来の技術】
Fax、プリンタ等に代表される記録装置は、被記録材の記録面を上にした状態で記録を行う記録部の下流側(被記録材搬送経路の下流側)に、記録の行われた被記録材を装置外部に排出する被記録材排出部を備えている。また、被記録材排出部には、記録の行われた被記録材の記録面を上にした状態のまま排出するフェイスアップ排出経路と、記録の行われた被記録材の記録面を内側にして湾曲反転させることにより、記録面を下にした状態で排出するフェイスダウン排出経路と、の2種類の被記録材排出経路を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−199155号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様に2種類の被記録材排出経路を備えるとともに、これらの被記録材排出経路が被記録材を湾曲反転させる湾曲反転経路を有する場合には、装置が大型化し易く、プリンタ設置スペースを広く確保する必要が生じる。また、装置が複雑化し易い為、ユーザ側にとって記録実行時に必要な各種作業が行いづらいといった問題も生じる。
【0006】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その課題は、被記録材を湾曲反転させる湾曲反転経路を複数備える記録装置の小型化を図るとともに、ユーザ操作性に優れた記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、被記録材に記録を行う記録装置であって、被記録材を斜め上方に搬送する傾斜した被記録材搬送経路と、該傾斜した被記録材搬送経路において被記録材に記録を行う記録手段と、前記記録手段の下流側に設けられ、被記録材を記録面を内側にして湾曲反転させることにより排出するフェイスダウン排出手段と、前記記録手段の下流側に設けられ、記録の行われた被記録材を湾曲反転させることにより、被記録材の未記録面を上にした状態で、前記傾斜した被記録材搬送経路における前記記録手段の上流側に被記録材を合流させる被記録材反転手段と、を備え、前記傾斜した被記録材搬送経路によって上下に区画された空間の上側に、前記フェイスダウン排出手段を構成する被記録材の湾曲反転経路が配置され、前記傾斜した被記録材搬送経路によって上下に区画された空間の下側に、前記被記録材反転手段を構成する被記録材の湾曲反転経路が配置されていることを特徴とする。
【0008】
上記第1の態様によれば、被記録材に記録を行う記録装置は、フェイスダウン排出手段と被記録材反転手段とにおいて被記録材を湾曲反転させる湾曲反転経路を有し、フェイスダウン排出手段を構成する湾曲反転経路が、被記録材を斜め上方に搬送する傾斜した被記録材搬送経路によって上下に区画された空間の上側に設けられ、被記録材反転手段を構成する湾曲反転経路が、前記傾斜した被記録材搬送経路によって上下に区画された空間の下側に設けられているので、記録装置における被記録材の搬送経路が、搬送経路を側視して1つの四角形の空間にちょうど収納される様な状態となる。つまり、傾斜した被記録材搬送経路によって、上下に被記録材の湾曲反転経路を配置するに適した空間を設け、当該空間に、フェイスダウン排出の為の湾曲反転経路と、被記録材への両面記録の実行の為の湾曲反転経路とを配したので、これにより、無駄なスペースを省き、記録装置の小型化を図ることが可能となる。加えて、略箱形の形状をなす記録装置を構成することができるので、記録装置の設置性を向上させることができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記記録手段の上流側に設けられ、前記記録手段へ被記録材を給送する、複数枚の被記録材を積層状態で収納可能な被記録材給送手段と、該被記録材給送手段の上方に設けられ、前記フェイスダウン排出手段から排出された被記録材をスタックする排出用トレイとが、前記記録装置の前方側を構成し、前記傾斜した被記録材搬送経路と、前記傾斜した被記録材搬送経路の上側に設けられた前記フェイスダウン排出手段を構成する被記録材の湾曲反転経路と、前記傾斜した被記録材搬送経路の下側に設けられた前記被記録材反転手段を構成する被記録材の湾曲反転経路とが、前記記録装置の後方側を構成していることを特徴とする。
【0010】
上記第2の態様によれば、複数枚の被記録材を積層状態で収納可能な被記録材給送手段と、前記フェイスダウン排出手段から排出された被記録材をスタックする排出用トレイとが記録装置の前方側を構成し、上記傾斜した被記録材搬送経路及びこれの上下に配置された2つの被記録材湾曲反転経路が記録装置の後方側を構成しているので、ユーザ操作側が記録装置の前方側を構成することによってユーザ操作性を向上させることができる。
【0011】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、前記記録手段へインクを供給する複数のインク・カートリッジを、前記記録装置の前方側に着脱自在に備え、前記インク・カートリッジが、主走査方向に往復動可能に設けられる、前記記録手段を構成するキャリッジと対向する位置に配設されていることを特徴とする。
上記第3の態様によれば、複数の着脱自在なインク・カートリッジが、前記被記録材給送手段及び前記排出用トレイとともに記録装置の前方側を構成するので、ユーザ操作性に更に優れるとともに、記録手段を構成するキャリッジと対向する位置に配設されているので、前記キャリッジ側にアンテナ基板を搭載し、インク・カートリッジ側にインク残量等の情報を保持可能なICチップを搭載すれば、非接触式のインク残量監視手段を構成することが可能となる。
【0012】
本発明の第4の態様は、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記記録手段によって記録の行われた被記録材を、記録面を上にした状態のまま斜め上方に排出するフェイスアップ排出手段を前記記録手段の下流側に備えていることを特徴とする。
上記第4の態様によれば、記録装置は、記録面を上にした状態のまま記録の行われた被記録材を斜め上方に排出するフェイスアップ排出手段を備えているので、湾曲反転経路を経由して排出することが困難な腰の強い被記録材を無理なく排出させることができる。
【0013】
本発明の第5の態様は、上記第2から第4の態様のいずれかにおいて、前記記録装置の装置本体下部前方側に、前記記録手段へ被記録材を給送する、複数枚の被記録材を積層状態で収納可能なオプション給送手段を着脱自在に備えていることを特徴とする。
上記第5の態様によれば、記録装置は、装置本体下部前方側に、前記記録手段へ被記録材を給送するオプション給送手段を着脱自在に備えているので、記録装置の前方側から操作性容易にしてより多くの被記録材をセットすることができる。
【0014】
本発明の第6の態様は、上記第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記被記録材反転手段が、被記録材の湾曲反転経路と、該湾曲反転経路の上流側または下流側の直線経路とのそれぞれに、被記録材の既記録面と接して従動回転する従動ローラを備え、前記湾曲反転経路に設けられた前記従動ローラが、被記録材の記録面と面接触するローラによって成され、前記直線経路に設けられた前記従動ローラが、被記録材の記録面と点接触する歯付きローラによって成されていることを特徴とする。
【0015】
上記第6の態様によれば、被記録材反転手段において既記録面に強く圧接することのない直線経路部分に設けられる従動ローラには歯付きローラを用い、既記録面に強く圧接する場合の生じる湾曲反転経路部分には既記録面と面接触するローラを用いているので、被記録材の既記録面を傷めることなく、良好な両面記録結果を得ることができる。
【0016】
本発明の第7の態様は、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射装置であって、被噴射媒体を斜め上方に搬送する傾斜した被噴射媒体搬送経路と、該傾斜した被噴射媒体搬送経路において被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射手段と、前記液体噴射手段の下流側に設けられ、被噴射媒体を液体噴射面を内側にして湾曲反転させることにより排出するフェイスダウン排出手段と、前記液体噴射手段の下流側に設けられ、液体噴射の行われた被噴射媒体を湾曲反転させることにより、被噴射媒体の未液体噴射面を上にした状態で、前記傾斜した被噴射媒体搬送経路における前記液体噴射手段の上流側に被噴射媒体を合流させる被噴射媒体反転手段と、を備え、前記傾斜した被噴射媒体搬送経路によって上下に区画された空間の上側に、前記フェイスダウン排出手段を構成する被噴射媒体の湾曲反転経路が配置され、且つ、前記傾斜した被噴射媒体搬送経路によって上下に区画された空間の下側に、前記被噴射媒体反転手段を構成する被噴射媒体の湾曲反転経路が配置されていることを特徴とする。
【0017】
上記第7の態様によれば、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射装置は、フェイスダウン排出手段と被噴射媒体反転手段とにおいて被噴射媒体を湾曲反転させる湾曲反転経路を有し、フェイスダウン排出手段を構成する湾曲反転経路が、被噴射媒体を斜め上方に搬送する傾斜した被噴射媒体搬送経路によって上下に区画された空間の上側に設けられ、被噴射媒体反転手段を構成する湾曲反転経路が、前記傾斜した被噴射媒体搬送経路によって上下に区画された空間の下側に設けられているので、液体噴射装置における被噴射媒体の搬送経路が、搬送経路を側視して1つの四角形の空間にちょうど収納される様な状態となる。つまり、傾斜した被噴射媒体搬送経路によって、上下に被噴射媒体の湾曲反転経路を配置するに適した空間を設け、当該空間に、フェイスダウン排出の為の湾曲反転経路と、被噴射媒体への両面液体噴射の実行の為の湾曲反転経路とを配したので、これにより、無駄なスペースを省き、液体噴射装置の小型化を図ることが可能となる。加えて、略箱形の形状をなす液体噴射装置を構成することができるので、液体噴射装置の設置性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。以下では、本発明の一実施形態に係る「記録装置」、「液体噴射装置」としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の構成について、図1乃至図10を参照しながら説明する。ここで、図1及び図2はプリンタ1の外観斜視図、図3はプリンタ1の外観を構成するカバー体を取り外した状態における外観斜視図、図4はプリンタ1前方側の要部斜視図である。また、図5はプリンタ1の側断面概略図、図6はプリンタ1の要部平面図である。また、図7乃至図9は図5の部分拡大図であり、プリンタ1における用紙搬送(用紙排出)経路のバリエーションを示すものである。更に、図10は紙検出器70の側面図である。
【0019】
図1において、「被記録材」、「被噴射媒体」の一例としての印刷用紙(主として単票紙:以下「用紙P」と言う。)に、「液体」の一例としてのインク滴を吐出して記録を行うプリンタ1は、装置本体1aと、該装置本体1aの下に、オプション給紙ユニット(オプション給送手段:以下「OPTユニット」と言う)3とを連結可能な様に構成されている。装置本体1aは給紙部、記録部、排紙部等(詳細は後述)を有し、一方でOPTユニット3は、上部の装置本体1aに向けて、セットされた用紙Pを1枚ずつ給紙する給紙部(図示せず)を備えている。
【0020】
このプリンタ1は、装置本体1a前方側に給紙トレイ200を、OPTユニット3に給紙トレイ300を有し、双方の給紙トレイに、多数枚(本実施形態では、それぞれ500枚)の用紙Pを積層状態でセット可能となっている。そして、装置本体1aの側においては、給紙トレイ200の上部に、任意のサイズの用紙Pを手差し給紙可能な手差し給紙口202を備えている。更に、OPTユニット3の側においては、給紙トレイ300がOPTユニット3に対して着脱可能に設けられ、OPTユニット3から取り外した状態で用紙Pのセットが可能となっている。
【0021】
次に、プリンタ1は、装置本体1aの上部に、記録の行われた用紙Pを装置前方側に向けて排出するフェイスダウン(以下「Fd」と略称する)用紙排出口500と、これとは逆に装置後方側に向けて排出するフェイスアップ(以下「Fu」と略称する)用紙排出口600と、を有している。Fd用紙排出口500の側においては、図2に示す様に装置手前側に設けられた回動軸150a、150aを中心にして回動することにより、装置手前側に向けて開くことのできるカバー150が設けられている。図1は、当該カバー150を開いた状態を示すものであり、図2は閉じた状態を示すものである。
【0022】
図1に示す様なカバー150を開いた状態においては、当該カバー150は、Fd用紙排出口500から排出される用紙Pをスタックする排出用トレイとしての機能を果たす。また、図2に示す様なカバー150を閉じた状態においては、装置上部の外観を構成するとともに装置内部への塵埃等の進入を防止する機能を果たす。一方、図1において、Fu用紙排出口600の側においては、排紙スタッカ601が傾斜姿勢で設けられていて、Fu用紙排出口600から排出された用紙Pは、排紙スタッカ601上に傾斜姿勢で順次積層される。
【0023】
続いて、図3は、プリンタ1の外観を構成するカバー体を取り外した状態を示すものである。図3において、装置本体1aの上部前方側には、インク・カートリッジ105をプリンタ1の幅方向(後述するインクジェット記録ヘッド100の主走査方向)に複数個(本実施形態では4個)セットする為のカートリッジ取付フレーム110が設けられている。本実施形態に係るプリンタ1においては、ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー用の、計4個のインク・カートリッジ105が、プリンタ1の幅方向に並んで配設される。このインク・カートリッジ105は、プリンタ1の外観を構成するカートリッジカバー151を図2に示す様に開放することで露呈する様になっている。そして、カートリッジカバー151を開放した状態において装置前方側から後方側に向けて差し込む様にして装着可能となり、装置前方側に引き出すことで取り外すことができる様になっている。
【0024】
続いて、プリンタ1の装置本体1aは、図4に示す様にフレーム下113によってその基体の下部が構成され、装置本体1aにおいてプリンタ1前方側は、フレーム左206とフレーム右207とによって構成されている。フレーム左206とフレーム右207とは、フレーム下113上において互いに対向する様に立設され、フレーム左206とフレーム右207とによって、手差し給紙口202や、ホッパ203(給紙トレイ200:図1)に用紙Pをセットする為の開口部が形成される。
【0025】
より詳しくは、フレーム下113は樹脂材料によって形成され、装置本体1aの下部全体に拡がる様な、平面視において略方形の形状をなす様に形成されている。フレーム左206及びフレーム右207は、正面視において略L字形の形状をなし、側面視においては、図3に示す様にプリンタ1前方側から後方側に向かって上縁が斜め下に傾斜する形状をなす様に、樹脂材料によってそれぞれが一体的に形成されている。そして、フレーム左206とフレーム右207とが、それぞれ略L字形の形状が互いに対向する様に、フレーム下113上に立設されることによって正面視略コの字形の形状をなす枠体が形成され、該枠体の開口部が、手差し給紙口202やホッパ203に用紙Pをセットする為の開口部となっている。換言すれば、フレーム左206とフレーム右207とによってやぐら構造が形成され、該やぐら構造の開口部が、手差し給紙口202やホッパ203に用紙Pをセットする為の開口部となっている。
【0026】
正面視略L字形の形状をなすフレーム左206及びフレーム右207が左右に互いに対向する様に立設されることによって形成された、正面視略コの字形の形状をなす枠体(やぐら構造)は、前記枠体の開口部によって用紙Pの給送口を形成するとともに、上部にカートリッジ取付フレーム110が取り付けられることにより、前記枠体によって、カートリッジ取付フレーム110を担持する様な形となっている。即ち、カートリッジ取付フレーム110は、上述の様に複数(本実施形態では、4個)のインク・カートリッジ105を備え、該インク・カートリッジ105には、液体(インク)が充填されていることから、カートリッジ取付フレーム110は重量の重い重量物となっている。
【0027】
そして、フレーム左206とフレーム右207とは、枠体即ちやぐら構造という構造体を形成することによってその強度を確保し、この様な前記枠体(やぐら構造)によって重量物としてのカートリッジ取付フレーム110を担持することから、フレーム左206及びフレーム右207とをそれぞれ単体で強固に形成する必要が無く、フレーム左206及びフレーム右207とを樹脂材料等を用いて低コストに形成しながら、重量物を確実に担持することが可能となる。そして、この様な前記枠体(やぐら構造)の内部を用紙給送口とすることで、つまり、重量物としてのカートリッジ取付フレーム105を担持するフレーム材によって用紙給送口を形成することで、更なる低コスト化を図ることができる。
【0028】
また、本実施形態では、フレーム左206の内壁面206bが、用紙Pの給送開始位置(桁方向位置)を規定する固定ガイドとしての機能を果たしている。つまり、図6において符号Eで示す線は、全てのサイズの用紙Pの一方側(0桁側)の側端位置を示していて、当該側端位置が、内壁面206bによって規定される様になっている。尚、用紙Pの他方の側端は、用紙Pの幅方向にスライド可能な可動エッジガイド201a(手差しトレイ201側)及び可動エッジガイド204(ホッパ203側)によって規制されることになる。以上により、前記枠体(やぐら構造)の内壁面206bが用紙Pの桁方向位置を規定する固定ガイドとしての機能を有することから、専用の固定ガイドを設ける必要がなく、これによってもプリンタ1のより一層の低コスト化を図っている。
【0029】
特に、本実施形態においては、内壁面206bは手差しトレイ201から給送される用紙Pと、ホッパ203から給送される用紙Pとの双方の給送手段の共通の固定ガイドとなっていることから、双方の給送手段の間で給送の際の桁方向位置がずれることがなく、均質な記録品質を得ることが可能となる。
【0030】
次に、図5を参照しながらプリンタ1の用紙搬送経路について詳説する。プリンタ1は、装置下部前方側から装置上部後方側に向けて斜めに用紙Pを搬送し、傾斜した搬送経路上において用紙Pにインクジェット記録を行い、記録の行われた用紙Pを斜め上方(前方側(Fd用紙排出口500)又は後方側(Fu用紙排出口600))に向けて排出する構成を有している。また、プリンタ1は、用紙Pの表面と裏面の両面にインクジェット記録を行うべく、表面にインクジェット記録の行われた用紙Pを反転させ、そして裏面を上にした状態で記録部へと搬送する為の両面記録用反転経路を有している。
【0031】
より詳しくは、プリンタ1の用紙搬送経路は、給紙部(被記録材給送手段)2と、「記録手段」「液体噴射手段」を構成する記録部11と、「フェイスダウン排出手段」を構成するフェイスダウン(Fd)排出部5と、「フェイスアップ排出手段」を構成するフェイスアップ(Fu)排出部6と、「被記録材反転手段」「被噴射媒体反転手段」を構成する用紙反転部4と、から大略構成される。尚、図3では図示を省略するが、給紙部2の下には上述したOPTユニット3が装着されることにより、記録部11へと用紙を給紙する給紙部が更に追加される。図3におけるローラ61及びローラ62は、OPTユニット3から装置本体1aへ用紙Pを給送する為のものである。
以下、上記用紙搬送経路の各構成毎に説明する。尚、以下では用紙搬送経路の上流側を単に「上流側」と言い、用紙搬送経路の下流側を単に「下流側」と言うこととする。
【0032】
[給紙部2]
給紙部2は、ホッパ203と、手差しトレイ201と、ピックアップローラ25と、給紙ローラ21と、リバースローラ23とを有している。ホッパ203は給紙トレイ200(図1)にセットされる複数枚の用紙Pを積層状態で支持し、且つ、回動軸203aを中心にして、図示を省略するホッパ駆動手段によって図の時計方向及び反時計方向に揺動可能に構成されている。ホッパ203には用紙幅方向にスライド可能な可動エッジガイド204(図3)が設けられ、給紙カセット200(図1)にセットされた用紙Pは、フレーム206(図3)と可動エッジガイド204とによって側端をガイドされる。ホッパ203の上方に設けられた手差しトレイ201にも同様に用紙幅方向にスライド可能な可動エッジガイド201aが設けられ、手差し給紙口202(図1)から給送される用紙Pは、フレーム206と可動エッジガイド201aとによって側端をガイドされる。
【0033】
ピックアップローラ25は外周面が高摩擦材(例えば、ゴム材)によって構成され、ホッパ203が揺動することにより、ホッパ203上に積重された用紙Pの最上位のものと接触する。そして、当該接触状態で回転することにより、最上位の用紙Pを下流側の給紙ローラ21及びリバースローラ23へと送り出す。
【0034】
給紙ローラ21及びリバースローラ23は、ピックアップローラ25と同様に外周面が高摩擦材によって構成されている。給紙ローラ21及びリバースローラ23は、図6に示す様に主走査方向において0桁側(図6の左側)に偏倚した位置に設けられている。尚、上述したピックアップローラ25も同様に、図6に示す様に0桁側に偏倚した位置に設けられている。図5に戻って、給紙ローラ21は用紙Pを下流側に給送する回転方向(図5の反時計方向)に回転駆動され、リバースローラ23は、用紙Pを上流側に戻す様な回転方向(図5の反時計方向)に回転駆動される。ピックアップローラ25によってホッパ203上から送出された最上位の用紙Pは、給紙ローラ21とリバースローラ23とにニップされた状態で、給紙ローラ21が回転することにより、下流側の搬送駆動ローラ28へと給送される。
【0035】
ここで、リバースローラ23は、図5では図示を省略する駆動機構により、給紙ローラ21に圧接する状態(図5の状態)と給紙ローラ21から離間する状態とを切り換え可能に設けられている。リバースローラ23は、給紙ローラ21に圧接した状態において、給送されるべきホッパ203上の最上位の用紙Pと、これにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pとを分離する機能を果たす。即ち、給紙ローラ21と用紙Pとの間の摩擦係数をμ1、用紙P間の摩擦係数をμ2、用紙Pとリバースローラ23との間の摩擦係数をμ3とすると、μ1>μ3>μ2の関係が成立する様に、給紙ローラ21及びリバースローラ23の外周面を形成する高摩擦材が選定されている。
【0036】
そして、リバースローラ23は、用紙Pを上流側に戻す方向に回転することにより、重送されようとする次位以降の用紙Pを、給紙ローラ21とリバースローラ23とのニップ点で確実に止める。一方で、リバースローラ23は、用紙P先端が搬送駆動ローラ28と搬送従動ローラ29とにニップされた後は、搬送駆動ローラ28による用紙Pの搬送動作を阻害しない様に、つまり、搬送負荷(バックテンション)を与えない様に、給紙ローラ21から離間する。
尚、以下では、用紙Pに搬送力を与えるローラ対に対し、当該ローラ対の上流側で用紙Pに与えられる搬送負荷(主に、用紙Pを引っ張ろうとする様な力)を「バックテンション」と言い、逆に下流側で用紙Pに与えられる搬送負荷(主に、用紙Pを下流側から上流側へ押し戻そうとする様な力)を「フロントテンション」と言うこととする。
【0037】
[記録部11]
給紙部2の下流側に設けられた記録部11は、搬送駆動ローラ28及び搬送従動ローラ29と、ガイドローラ30と、インクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)100、プラテン65、記録部下流側駆動ローラ32、記録部下流側従動ローラ33、記録部補助ローラ35a及び35b、を有している。
【0038】
搬送駆動ローラ28は図示しない駆動モータによって回転駆動され、搬送従動ローラ29は、搬送駆動ローラ28に接して従動回転する。搬送従動ローラ29は、本実施形態では図6に示す様に1つの搬送従動ローラホルダ26の下流側(図6の上側)に2つ軸支され、また、搬送従動ローラホルダ26は、主走査方向(図6の左右方向)に4つ並設されている。
【0039】
更に、1つの搬送従動ローラホルダ26において搬送従動ローラ29の下流側近傍には、ガイドローラ30が1つ、自由回転可能に軸支されている。このガイドローラ30は、用紙Pのプラテン65からの浮き上がりを防止する機能を果たすものであり、これにより、用紙Pと記録ヘッド100との距離が安定し、適切な記録品質を得ることが可能となる。
【0040】
尚、搬送駆動ローラ28の上流側には、用紙Pの通過を検出する紙検出器70が設けられている。紙検出器70は、図10に詳細に図示する様にセンサ72とレバー71とを備えている。
レバー71は、揺動軸71aを中心にして用紙Pの搬送経路を側視して時計方向及び反時計方向に揺動可能に設けられている。揺動軸71aから延びる接触端71cは、図10(B)に示す様に用紙Pの搬送経路上に突出可能な様に形成されていて、用紙P先端が通過することにより、図10(A)に示す様に用紙Pに押し退けられ、これによってレバー71が揺動軸71aを中心に揺動する。尚、レバー71は、図示を省略するコイルばねによって接触端71cが用紙Pの搬送経路上に突出する方向に付勢されている。
【0041】
接触端71cとは反対側に延びる検出端71bは、図10(B)に示す様にその先端がセンサ72に設けられた空隙(図示せず)に入り込むことができる様に形成されている。ここで、センサ72は、発光部(図示せず)と受光部(図示せず)を有し、前記発光部から前記受光部への放射光が、検出端71bの先端によって遮断可能な様に構成されている。つまり、図10(B)に示す様に検出端71bがセンサ72に入り込むと、前記発光部から前記受光部への放射光が遮断される。一方でレバー71が図10(B)に示す状態から図10(A)に示す状態に揺動すると、前記受光部は前記発光部からの放射光を受光する。この様な前記発光部から前記受光部への放射光の遮断と透過によって、センサ72はプリンタ1の制御部(図示せず)へ放射光の検出状態または非検出状態を示す電気信号を送信し、従ってこれにより、用紙P先端及び後端の通過を、プリンタ1の制御部(図示せず)側で検出することができる様になっている。
【0042】
尚、レバー71の接触端71cは、図示する様に側面視略「く」の字形の形状をなす様に形成されていて、上流側から搬送されてくる用紙P先端が当接する側(上流側:符号71dで示す)が、用紙搬送経路を側視してほぼ直線に、且つ、図10(B)に示す様に接触端71cが用紙搬送経路を遮る状態において用紙搬送経路と略直交する様に形成されている。また、上流側面71dの反対側(下流側:符号71eで示す)は、凹曲線をなす様に形成されている。これは、以下の様な理由による。
【0043】
先ず、上流側面71dには、ガイド部材68の上側と下側との2種類の搬送経路を経由して搬送されてくる用紙Pの先端が当接する。このため、図10(B)に示す様な接触端71cが搬送経路を遮断する状態において、上流側面71dが例えば極端に傾いていると、一方の搬送経路を経由して搬送されてくる用紙Pと、他方の搬送経路を経由して搬送されてくる用紙Pとで、レバー71の揺動タイミングがずれ、これによって検出誤差が生じることになる。従って、上流側面71dをほぼ直線状に、且つ、用紙搬送経路と略直交する様に形成することにより、上述した様なレバー71の揺動タイミングのずれを防止し、双方の搬送経路を経由して搬送されてくる用紙P先端の通過の検出誤差を防止する様にしている。
【0044】
次に、用紙P後端が接触端71cを通過する際には、用紙Pが用紙搬送経路の上側を通過する場合と、下側を通過する場合とでレバー71の揺動タイミング(復帰タイミング)が異なると、用紙P後端の通過の検出誤差が生じることになる。この様な問題は、揺動軸71aを中心とした先端部71fの揺動半径を大きくとることで、その誤差を低減することが可能となる。従ってこの様な理由により、先端部71fの揺動半径を大きくとるべく、接触端71cを「く」の字形の形状に形成している。
【0045】
次に、用紙Pへの記録動作の際の制御上の理由により、用紙P後端が接触端71cを通過した後に、用紙Pを上流側に僅かに後退させる場合がある。この様な場合、用紙P後端が接触端71cの上流側面71eに衝突すると、用紙P後端に折れ曲がり等の不具合を生じさせる虞がある。そこで、上流側面71eを、図10に示す様に凹曲面とすることにより、用紙Pを上流側に僅かに後退させた際に用紙P後端が上流側に進むことのできる”空間”を形成し、以て極力上述の様な問題の発生を防止している。
【0046】
ところで、上述の様に用紙P後端が接触端71cを通過し、レバー71が図10(B)に示す様に復帰状態となった後に、用紙Pを上流側に戻す制御を行うと、用紙P後端に折れ曲がりを生じさせるばかりでなく、接触端71cを破損させる虞もある。そこで、本実施形態においては、接触端71cを上側と下側の2箇所で支持することにより、用紙P後端が後退した際の、接触端71cの破損を防止する様になっている。即ち、搬送従動ローラホルダ26には、図10及び図6にも示す様に窓穴26aが形成されていて、接触端71cは、図10(B)に示すレバー71の復帰状態においては窓穴26の下から上に僅かに突出する様な状態となる。一方、搬送従動ローラホルダ26の下側にはガイド部材69が形成されていて、接触端71cは、更に該ガイド部材69の下から上に突出する様に設けられている。従って、接触端71cは、窓穴26の縁26bと、ガイド部材69の縁69aとによって支持されることになり、これにより、用紙P後端が接触端71cに下流側から上流側に向けて衝突しても、これを確実に受け止め、接触端71cの破損が防止される様になっている。
【0047】
続いて、搬送駆動ローラ28の下流側には、用紙搬送経路の上側に記録ヘッド100が、用紙搬送経路の下側に、記録ヘッド100と対向する様にプラテン65が、それぞれ設けられている。ここで、記録部11における用紙搬送経路は図示する様に傾斜角を有し、本実施形態においては、水平面に対して約60°の傾斜角を有する様に、用紙搬送経路が構成されている。従って、プラテン65と記録ヘッド100とは、図示する様に傾斜姿勢で設けられている。記録ヘッド100はキャリッジ101の下部に設けられ、キャリッジ101は、主走査方向(図5の紙面表裏方向)に延びるキャリッジガイド軸103を挿通する様に設けられ、キャリッジガイド軸103によってガイドされながら、図示しない駆動手段の動力を受けて主走査方向に往復動する。
【0048】
プラテン65には、図6に示す様に副走査方向(図6の上下方向)に延びるリブ65aが、主走査方向に所定の間隔を置いて形成されていて、用紙Pは、該リブ65aによって記録ヘッド100との距離を規制される。また、プラテン65には、隣接するリブ65aの間に主走査方向に延びる長穴65bが形成されている。この長穴65bは、用紙Pのサイズ(幅寸法)をより適切に検出する為に設けられている。即ち、キャリッジ101においてプラテン65と対向する面には、プラテン65へ向けて放射する光の反射成分を検出する光学センサ(図示せず)が設けられていて、用紙Pとプラテン65との反射率差を利用して、用紙Pの幅寸法を検出することができる様に構成されている。しかし、用紙Pとプラテン65とが同色である場合には、用紙Pの幅寸法を適切に検出することができない。そこで、本実施形態においては、前記放射光を、長穴65bに向けて放射する様に構成し、これによって用紙Pの幅寸法をより一層正確に検出可能としている。
【0049】
次に、図5に戻ってキャリッジ101は、本実施形態においてはインク・カートリッジを搭載せず、前述した様に、インク・カートリッジ取付フレーム110に装着されたインク・カートリッジ105から、図5では図示を省略するインクチューブを介して記録ヘッド100へとインクが供給される様に構成されている。また、各色のインク・カートリッジ105には、各インク・カートリッジに関する情報を保持したICチップ107がそれぞれ装着されている。このICチップ107には、インクの色などの固定情報の他、インク残量などの変動情報を記憶する記憶装置が内蔵されている。各ICチップ107には、受信アンテナ(図示せず)がそれぞれ接続されており、一方で主走査方向に往復動するキャリッジ101には、前記受信アンテナへ無線信号を送信する送信アンテナ(図示せず)を備えたアンテナ基板109が略垂直に立設されている。
【0050】
そして、アンテナ基板109は、キャリッジ101が主走査方向に移動することにより、主走査方向に並んで複数配設されたインク・カートリッジ105のうちの、1つのインク・カートリッジ105のICチップ107と対向する。そして、ICチップ107と通信することにより、ICチップ107に記憶された各種情報を、図示しないプリンタ1の制御部へと送信することができる様になっている。
【0051】
次に、記録ヘッド100の下流側には、回転駆動される記録部下流側駆動ローラ32と、該記録部下流側駆動ローラ32に接して従動回転する記録部下流側従動ローラ33とが設けられ、記録ヘッド100によって記録の行われた用紙Pは、記録部下流側駆動ローラ32の回転によって下流側へ排紙される。また、記録部下流側従動ローラ33の上流側には、記録部補助ローラ35a、35bが設けられていて、これにより、用紙Pのプラテン65からの浮き上がりがより一層防止されている。尚、記録部下流側従動ローラ33と、記録部補助ローラ35a、35bとは、インク滴が吐出された用紙Pの記録面と接触する為、記録面と点接触する歯付きローラによって構成されている。
【0052】
ここで、記録部下流側駆動ローラ32及び記録部下流側従動ローラ33は、図6に示す様に主走査方向の配置位置が、リブ65aの形成位置と一致する様に成されている。加えて、記録部補助ローラ35bの主走査方向の配置位置は、隣り合う2つのリブ65aのほぼ中間となる様に成され、且つ、用紙Pの記録面と接触する接触点が、リブ65aの上面よりもやや下に位置する様に成されている。従ってこれにより、用紙Pがインク滴を吸収することにより膨潤しても、その伸び分が隣接するリブ65aの間に逃げ、結果として用紙Pには規則的な波打ち状態(コックリング状態)が形成される。即ち、リブ65aの位置で山となり、記録部補助ローラ35bの位置で谷となるコックリングが形成され、これによって用紙Pと記録ヘッド100との距離が著しく不均一となるといった不具合を防止している。加えて、コックリングが形成されることによって搬送方向の見かけ上の剛性が増し、フロントテンションが発生しても、記録ヘッド100において用紙Pが浮き上がり難い(撓み難い)という作用効果も奏することができる。
【0053】
[フェイスダウン(Fd)排出部5]
図5に戻って記録部11の下流側に設けられたFd排出部5は、屈曲ローラ37と、Fd排出駆動ローラ41と、Fd排出従動ローラ43と、を備えている。記録部下流側駆動ローラ32の下流側には、記録部下流側駆動ローラ32によって記録部11から排紙された用紙Pを、フェイスダウン(Fd)経路またはフェイスアップ(Fu)経路のいずれかに切り替えるFd/Fu切替部材503が設けられている。Fd経路は用紙PをFd用紙排出口500(図1)から排出する為の用紙搬送経路、Fu経路はFu用紙排出口600(図1)から排出する為の用紙搬送経路である。
【0054】
Fd/Fu切替部材503は、揺動軸503aを中心にして、用紙搬送経路を側視して揺動(図5の時計方向及び反時計方向)可能に設けられ、揺動することにより、記録部11から下流側に送られる用紙Pの進行方向を切り替える。このFd/Fu切替部材503は、図1乃至図3に示す、プリンタ1上部に設けられた操作つまみ509をスライドさせることによって揺動させることができ、操作つまみ509をプリンタ1前方側(ユーザ側からみて手前側)にスライドさせるとFd用紙排出口500から用紙Pが排出され、逆にプリンタ1後方側(ユーザ側からみて奥側)にスライドさせるとFu用紙排出口600から用紙Pが排出される様になっている。つまり、操作つまみ509の操作方向と用紙Pの排出方向が一致しているので、操作つまみ509の操作方向が判り易く、ユーザフレンドリとなっている。
【0055】
続いて、Fd/Fu切替部材503は、Fd排出経路における湾曲反転経路の外側に設けられ、湾曲面503bによって用紙Pを湾曲反転させる。尚、湾曲面503bは、用紙Pとの間の摩擦抵抗を軽減してフロントテンションの増大を防止すべく、滑らかに形成されている。また、湾曲面503bは、用紙Pの紙幅方向(図5の紙面表裏方向)に複数のリブ(図示せず)が所定の間隔を置いて設けられることによって形成されていて、つまり、一様な面でないので、これによっても、用紙Pとの間の摩擦抵抗を軽減している。
【0056】
次に、図7は、Fd/Fu切替部材503が、記録部11から下流側に送られた用紙Pの進行方向をFd排出経路に切り替える状態を示している。記録部11から下流側に送られた用紙P先端は、Fd/Fu切替部材503に形成された滑らかな湾曲面503bに当接する。用紙P先端は、湾曲面503bと、湾曲面503bの下流側に設けられたガイド部材505に接しながら進み、やがてFd排出駆動ローラ41とFd排出従動ローラ43とによってニップされる。Fd排出駆動ローラ41はゴムローラからなり、回転駆動される。Fd排出従動ローラ43は歯付きローラから成り、ゴムローラから成るFd排出駆動ローラ41に接して従動回転する。そして、Fd排出駆動ローラ41が回転駆動されることにより、Fd排出口500(図1)から装置前方(矢印「Fd」で示す方向)に向けて記録の行われた用紙Pが排出される。
【0057】
ところで、歯付きローラからなる屈曲ローラ37は、用紙Pを湾曲反転経路(湾曲面503b)の開始位置近傍で屈曲させることにより、用紙Pの進行方向を規制してフロントテンションを軽減する機能を果たす。即ち、記録部11から記録部下流側駆動ローラ32によって下流側へ送られる用紙Pには、前述の様に波打ち状態(コックリング)が形成されていることから、用紙Pは長さ方向(搬送方向)の剛性が増している。従って、記録部11から下流側に送られた用紙Pは、Fd/Fu切替部材503の湾曲面503bにぴったりと沿っては進まず、記録部下流側駆動ローラ32から下流側の部分がほぼ真っ直ぐな状態のまま、用紙P先端のみが湾曲面503bに当接した状態で、下流側へと進む。
【0058】
ここで、屈曲ローラ37が設けられていない場合、用紙P先端が湾曲面503bに当接する角度(以下「先端当接角」と言う)は、当初は緩やかであるが、用紙P先端が下流に進むに従って、急となる。すると、これによってフロントテンションが増加し、ひいては記録部上流側駆動ローラ28と記録部下流側駆動ローラ32との間で撓みを生じさせて記録品質を低下させる虞がある。或いは、記録部下流側駆動ローラ32とFd排出駆動ローラ41との間で用紙Pに撓みが生じ、用紙Pの記録面が、プリンタ1の構成要素と接触して記録面を痛める虞もある。そこで、屈曲ローラ37を湾曲経路(湾曲面503b)の開始位置近傍に設け、当該屈曲ローラ37によって用紙Pを屈曲させることによって前記先端当接角を一定値以下に維持し、フロントテンションの増大を防止している。
【0059】
用紙Pが上記Fd排出経路を進行して排出される場合には、用紙Pは記録面を内側にして略U字形の形状に湾曲させられて排出される。従って、Fd排出経路を進行して排出される場合には、排紙スタッカ150(図1)に積重される用紙Pは、ページ順に順序良く積重されることになり、ユーザの利便性が向上する。
【0060】
[フェイスアップ(Fu)排出部6]
図5に戻って、記録部11の下流側であって装置本体1aの後部(図5の右側)に設けられたFu排出部6は、Fu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47と、Fu補助ローラ49と、凹凸ローラ48(図8参照)とを備えている。用紙PがFu排出経路を進行して排出される場合には、Fd/Fu切替部材503は、図7に示す状態から時計方向に揺動する。そしてこれにより、図8に示す様に記録部11から下流側に送られる用紙Pが斜め上方(図8の右上方向)に真っ直ぐに進む用紙搬送経路が形成される。記録部11から下流側に送られた用紙Pは、Fu排出駆動ローラ45とFu排出従動ローラ47とによってニップされ、Fu排出駆動ローラ45が回転駆動されることにより、Fu用紙排出口600(図1参照)から装置後方(矢印「Fu」で示す方向)に向けて排出される。
【0061】
尚、Fu排出従動ローラ47は歯付きローラからなり、ゴムローラによって成されたFu排出駆動ローラ45に接して従動回動する様構成されている。また、Fu排出駆動ローラ45は、用紙Pの排出方向(図8の右側:プリンタ1の後方側)に設けられている。更に、Fu排出従動ローラ47の下流側近傍には歯付きローラからなるFu補助ローラ49が設けられ、凹凸ローラ48とともに用紙Pの排出動作を補助する。
【0062】
用紙Pが上記Fu排出経路を進行して排出される場合には、用紙Pには湾曲状態は形成されず、記録面を上にして記録部11から下流側がほぼ真っ直ぐに排出される。従って、上記Fu排出経路を利用することにより、厚手の用紙や腰の強い用紙でも、無理なく記録を行い、且つ適切に排出することが可能となる。
【0063】
[用紙反転部4]
図5に戻って、プリンタ1の後部(図5の右側)に設けられた用紙反転部4は、上述したFu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47等のFu排出部6を構成するローラ群を含み、更にガイド駆動ローラ51と、可動ガイド従動ローラ52と、ガイド駆動ローラ53と、ガイド従動ローラ54と、反転駆動ローラ55と、反転従動ローラ57と、ガイドローラ59と、を備えている。
【0064】
記録部11の下流側に設けられた用紙反転部4は、図9に示す様に、上記Fu排出経路を進んできた用紙Pの後端部分を略垂直方向に沿う様に押さえ付け、且つ、Fu排出駆動ローラ45及びガイド駆動ローラ51を図の反時計方向に回転駆動することにより、用紙PをFu用紙排出口600(図1)から排出せずに、用紙反転部4内へと引き入れる。そして、記録の行われた用紙Pを湾曲反転させることにより、用紙Pの未記録面を上にした状態で、傾斜した用紙搬送経路における記録部11の上流側に用紙Pを合流させる。
【0065】
より詳しくは、図9において屈曲ローラ37の下流側には、歯付きローラからなる可動ガイド従動ローラ52を自由回転可能に軸支するFu/R第1切替部材401が設けられ、該Fu/R第1切替部材401と対向する位置に、Fu/R第2切替部材405が設けられている。Fu/R第1切替部材401は、図示しない回動中心を中心に揺動可能に設けられるとともに、可動ガイド従動ローラ52がガイド駆動ローラ51から離間する状態(図8に示す状態)と、ガイド駆動ローラ51に接する状態(図9に示す状態)とを、図示しない駆動機構によって変化可能に設けられている。Fu/R第2切替部材405は、Fu排出駆動ローラ45の回動中心を中心にして揺動可能に設けられるとともに、傾斜姿勢(図8に示す状態)と略垂直な姿勢(図9に示す状態)とを、図示しない駆動機構によって変化可能に設けられている。
【0066】
以上の構成により、用紙Pが図8に示した様にFu排出経路を進み、そして用紙Pの後端がガイド部材501を通過した後に、Fu/R第1切替部材401と、Fu/R第2切替部材405とを、図8に示す状態から図9に示す状態に切り替える。これによって、用紙P後端部分がガイド駆動ローラ51と可動ガイド従動ローラ52とにニップされるとともに、この状態で逆転(図の反時計方向)駆動されるFu排出駆動ローラ45と、ガイド駆動ローラ51との搬送力を受けて、用紙P後端を先頭にして鉛直下方向へと進んでいく。
【0067】
尚、用紙反転部4を進む用紙Pは、最初の記録面(表面)の記録時とは進行方向が逆になる。即ち、最初の記録時には先端であった側が後端側となり、後端であった側が先端側となるので、以下では用紙反転部4を進む際に先端となる側を「用紙P先端(R)」、後端となる側を「用紙P後端(R)」と表記することとする。
【0068】
続いて、図5に戻ってガイド駆動ローラ51の下流側には、回転駆動されるガイド駆動ローラ53と、これに接して従動回転する、歯付きローラからなる「直線経路部従動ローラ」としてのガイド従動ローラ54とが設けられていて、用紙P先端(R)が当該ローラ対にニップされることにより、更に下流側に搬送される。
【0069】
ガイド駆動ローラ53の下流側には、大径のガイドローラ59が設けられるとともに、該ガイドローラ59を中心にした略U字形の形状をなす湾曲反転経路が形成されている。つまり、ガイドローラ59が、湾曲反転経路の内側を構成する。ガイドローラ59と対向する側には、回転駆動される「湾曲反転部駆動ローラ」としての反転駆動ローラ55が設けられ、該反転駆動ローラ55と、該反転駆動ローラ55に接して従動回転する「湾曲反転部従動ローラ」としての反転従動ローラ57とによって用紙P先端(R)がニップされることにより、用紙Pは前記湾曲反転経路を更に進む。
【0070】
ここで、ガイドローラ59は、表面が滑らかであり、且つ、自由回転可能な様に構成されている。これは、ガイドローラ59と対向する用紙Pの面が、既にインク滴の吐出された記録面(表面)であることから、この様な既記録面に対して例えば回転駆動されるゴムローラ等を配すると、既記録面と擦れることによって記録品質を低下させるからである。また、ガイドローラ59は、図6に示す様に、プラテン65に形成された複数のリブ65aのほぼ中間に位置する様に配設されている。これは、上述した様に用紙Pにリブ65aの部分を山とし、2つのリブ65aの中間部分を谷としたコックリングが形成されるが、前記山の部分が、ガイドローラ59の位置にあると、既記録面(表面)がガイドローラ59に強く接し、これによって既記録面(表面)の記録品質を低下させるからである。即ち、ガイドローラ59は、用紙Pに形成されたコックリングの谷の部分に位置する様に配設された状態となっている。
【0071】
反転従動ローラ57は、図示しない付勢手段によって反転駆動ローラ55に軽く接する様に設けられている。一方、用紙P先端(R)はやがて搬送駆動ローラ28と搬送従動ローラ29とにニップされて、記録ヘッド100へと搬送されるが、搬送駆動ローラ28と搬送従動ローラ29とによる用紙Pの搬送力は、他のローラ対に比して強力である。従って、用紙P先端(R)が搬送駆動ローラ28と搬送従動ローラ29とにニップされると、用紙Pが引っ張られることにより、反転従動ローラ57が前記付勢手段の付勢力に抗して反転駆動ローラ55から離間する場合がある。すると、前記湾曲反転経路の形状が変化し、安定した用紙Pの搬送動作を実現できないといった不具合が生じる。しかし、ガイドローラ59は、回転軸方向と直交する方向には変位しない様に設けられているので、これにより、既記録面を適切に保護しながら、前記湾曲反転経路を一定に維持して安定した用紙Pの搬送動作を実現可能となっている。
【0072】
尚、反転従動ローラ57は歯付きローラではなく、用紙Pと面接触する、表面が滑らかなローラによって構成されている。これは、反転従動ローラ57は用紙Pを湾曲反転させる部分に設けられている為、用紙Pが反転湾曲ローラ57に強く接する場合があるとともに、反転従動ローラ57と接触する用紙Pの面が、既にインク滴の吐出された既記録面(表面)であるので、既記録面を保護する必要がある為である。即ち、用紙Pの既記録面に強く圧接することのない直線経路部分に設けられるガイド従動ローラ54には歯付きローラを用い、既記録面に強く圧接する場合の生じる湾曲反転経路部分に設けられた反転従動ローラ57には既記録面と面接触するローラを用いているので、用紙Pの既記録面を傷めることなく、良好な両面記録結果を得ることができる様になっている。
【0073】
ガイドローラ59によって形成された湾曲反転経路を通過し、用紙P先端(R)が搬送駆動ローラ28と搬送従動ローラ29とにニップされると、用紙Pは記録ヘッド100へ搬送され、用紙Pの裏面への記録が実行される。そして、用紙反転部4を経由した用紙Pは、本実施形態においては上述のFu排出経路(Fu排出部6)を通り、Fu用紙排出口600(図1)から斜め上方に排出される。 以上がプリンタ1の用紙搬送経路の構成であり、以下、この様に構成されたプリンタ1の用紙搬送経路の作用効果について図5を参照しながら説明する。先ず、プリンタ1は、用紙Pを斜め上方に搬送する傾斜した用紙搬送経路を備え、該傾斜した用紙搬送経路上において記録ヘッド100によって用紙Pにインクジェット記録を行う。そして、Fd排出部5は、用紙Pの記録面を内側にして湾曲反転させ、用紙反転部4は、記録の行われた用紙Pを湾曲反転させることにより、未記録面を上にした状態で、傾斜した用紙搬送経路における記録ヘッド100の上流側に用紙Pを合流させる。ここで、図5から明らかな様に、傾斜した用紙搬送経路によって上下に空間が区画され、当該上下に区画された空間の上側に、Fd排出部5を構成する用紙Pの湾曲反転経路が配置され、前記上下に区画された空間の下側に、用紙反転部4を構成する用紙Pの湾曲反転経路が配置されている。
【0074】
従って、プリンタ1における用紙搬送経路が、用紙搬送経路を側視して1つの四角形の空間(符号1cで示す)にちょうど収納される様な状態となる。つまり、傾斜した用紙搬送経路によって、上下に用紙Pの湾曲反転経路を配置するに適した空間(用紙搬送経路を側視して三角形の形状をなす空間)を設け、当該空間に、フェイスダウン排出の為の湾曲反転経路と、用紙Pへの両面記録実行の為の湾曲反転経路とを配したので、これにより、無駄なスペースを省き、プリンタ1の小型化が図られている。加えて、符号1cで示す様に、或いは、図1から明かな様に、略箱形の形状をなす装置を構成することができるので、プリンタ1の設置性を向上させることができる。
【0075】
また、プリンタ1の前方側に、Fd用紙排出口500から排出された用紙Pをスタックする「排出用トレイ」としてのカバー150と、「被記録材給送手段」を構成する手差しトレイ201及びホッパ203と、インク・カートリッジ105とが、符号1bで示す空間に配置されている。そして、該空間1bに隣接する様に、用紙搬送経路を収納した様な状態となっている上記空間1cが設けられている。従って、ユーザ操作側(空間1b)がプリンタ1の前方側を構成することによってユーザ操作性が向上している。
【0076】
加えて、複数の着脱自在なインク・カートリッジ105が、キャリッジ101と対向する高さ位置に配設されているので、キャリッジ101側に上述したアンテナ基板109を搭載し、インク・カートリッジ105側にICチップ107を搭載してこれらの間で無線通信を行うことが可能となり、信頼性のあるインク残量監視を行うことが可能となっている。
尚、上述した本実施形態に係る構成は一例であり、種々の変形が可能であることは言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの外観斜視図である。
【図2】本発明に係るプリンタの外観斜視図である。
【図3】本発明に係るプリンタの装置本体の斜視図である。
【図4】本発明に係るプリンタの要部外観斜視図である。
【図5】本発明に係るプリンタの側断面概略図である。
【図6】本発明に係るプリンタの要部平面図である。
【図7】本発明に係るプリンタの側断面概略図(拡大図)である。
【図8】本発明に係るプリンタの側断面概略図(拡大図)である。
【図9】本発明に係るプリンタの側断面概略図(拡大図)である。
【図10】本発明に係るプリンタの紙検出器の側面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、1a 装置本体、2 給紙部、3 オプション給紙ユニット、4 用紙反転部、5 フェイスダウン(Fd)排出部、6 フェイスアップ(Fu)排出部、11 記録部、21 給紙ローラ、23 リバースローラ、25 ピックアップローラ、26 搬送従動ローラホルダ、27 搬送ローラ、28 搬送駆動ローラ、29 搬送従動ローラ、30 ガイドローラ、32 記録部下流側駆動ローラ、33 記録部下流側従動ローラ、35a、35b記録部補助ローラ、37 屈曲ローラ、41 Fd排出駆動ローラ、43 Fd排出従動ローラ、45 Fu排出駆動ローラ、46 Fu排出駆動ローラ軸、47 Fu排出従動ローラ、48 凹凸ローラ、49 Fu補助ローラ、51 ガイド駆動ローラ、52 可動ガイド従動ローラ、53 ガイド駆動ローラ、54 ガイド従動ローラ、55 反転駆動ローラ、57 反転従動ローラ、59 ガイドローラ、65 プラテン、66 フレーム部材、70 紙検出器、100インクジェット記録ヘッド、101 キャリッジ、103 キャリッジガイド軸、105 インクカートリッジ、107 カートリッジIC、110 カートリッジ取付フレーム、150 上部カバー、151 カートリッジカバー、200 給紙トレイ、201 手差しトレイ、202 手差し給紙口、203 ホッパ、204 給紙口、204 可動エッジガイド、206 フレーム、300 オプション給紙トレイ、401 Fu/R第1切替部材、403 ローラ支持部材、405 Fu/R第2切替部材、407 ガイド部材、409 ガイド部材、500 Fd用紙排出口、501 ガイド部材、503 Fd/Fu切替部材、505 ガイド部材、507 ガイド部材、509 用紙排出経路切替つまみ、600 Fu用紙排出口、601 排紙スタッカ、P 印刷用紙

Claims (7)

  1. 被記録材に記録を行う記録装置であって、
    被記録材を斜め上方に搬送する傾斜した被記録材搬送経路と、
    該傾斜した被記録材搬送経路において被記録材に記録を行う記録手段と、
    前記記録手段の下流側に設けられ、被記録材を記録面を内側にして湾曲反転させることにより排出するフェイスダウン排出手段と、
    前記記録手段の下流側に設けられ、記録の行われた被記録材を湾曲反転させることにより、被記録材の未記録面を上にした状態で、前記傾斜した被記録材搬送経路における前記記録手段の上流側に被記録材を合流させる被記録材反転手段と、を備え、
    前記傾斜した被記録材搬送経路によって上下に区画された空間の上側に、前記フェイスダウン排出手段を構成する被記録材の湾曲反転経路が配置され、前記傾斜した被記録材搬送経路によって上下に区画された空間の下側に、前記被記録材反転手段を構成する被記録材の湾曲反転経路が配置されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1において、前記記録手段の上流側に設けられ、前記記録手段へ被記録材を給送する、複数枚の被記録材を積層状態で収納可能な被記録材給送手段と、該被記録材給送手段の上方に設けられ、前記フェイスダウン排出手段から排出された被記録材をスタックする排出用トレイとが、前記記録装置の前方側を構成し、
    前記傾斜した被記録材搬送経路と、前記傾斜した被記録材搬送経路の上側に設けられた前記フェイスダウン排出手段を構成する被記録材の湾曲反転経路と、前記傾斜した被記録材搬送経路の下側に設けられた前記被記録材反転手段を構成する被記録材の湾曲反転経路とが、前記記録装置の後方側を構成している、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項2において、前記記録手段へインクを供給する複数のインク・カートリッジを、前記記録装置の前方側に着脱自在に備え、
    前記インク・カートリッジが、主走査方向に往復動可能に設けられる、前記記録手段を構成するキャリッジと対向する位置に配設されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、前記記録手段によって記録の行われた被記録材を、記録面を上にした状態のまま斜め上方に排出するフェイスアップ排出手段を前記記録手段の下流側に備えている、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項2から4のいずれか1項において、前記記録装置の装置本体下部前方側に、前記記録手段へ被記録材を給送する、複数枚の被記録材を積層状態で収納可能なオプション給送手段を着脱自在に備えている、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項において、前記被記録材反転手段が、被記録材の湾曲反転経路と、該湾曲反転経路の上流側または下流側の直線経路とのそれぞれに、被記録材の既記録面と接して従動回転する従動ローラを備え、
    前記湾曲反転経路に設けられた前記従動ローラが、被記録材の記録面と面接触するローラによって成され、
    前記直線経路に設けられた前記従動ローラが、被記録材の記録面と点接触する歯付きローラによって成されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射装置であって、
    被噴射媒体を斜め上方に搬送する傾斜した被噴射媒体搬送経路と、
    該傾斜した被噴射媒体搬送経路において被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射手段と、
    前記液体噴射手段の下流側に設けられ、被噴射媒体を液体噴射面を内側にして湾曲反転させることにより排出するフェイスダウン排出手段と、
    前記液体噴射手段の下流側に設けられ、液体噴射の行われた被噴射媒体を湾曲反転させることにより、被噴射媒体の未液体噴射面を上にした状態で、前記傾斜した被噴射媒体搬送経路における前記液体噴射手段の上流側に被噴射媒体を合流させる被噴射媒体反転手段と、を備え、
    前記傾斜した被噴射媒体搬送経路によって上下に区画された空間の上側に、前記フェイスダウン排出手段を構成する被噴射媒体の湾曲反転経路が配置され、且つ、前記傾斜した被噴射媒体搬送経路によって上下に区画された空間の下側に、前記被噴射媒体反転手段を構成する被噴射媒体の湾曲反転経路が配置されている、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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