JP4355929B2 - 被記録媒体案内装置、両面記録装置 - Google Patents
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ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体と前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
被記録媒体にインク滴が吐出されると、被記録媒体が膨張して主走査方向に波打つ現象(コックリング状態)が発生する。この様なコックリング状態が発生した被記録媒体を湾曲反転させると、コックリングの山の部分が、湾曲部分内側の構成要素に特に強く接触して記録品質が低下し易い。しかし、上記第2の態様によれば、前記反転経路形成用ローラが、前記記録ヘッドによって主走査方向に波打つコックリング状態が形成された被記録媒体の、前記コックリング状態における谷の部分に配置されているので、前記反転経路形成用ローラがコックリングの山の部分に強く接触することによる記録品質の低下を防止することができる。
上記第4の態様によれば、前記湾曲反転部従動ローラが、前記第1面と面接触するローラによって構成されているので、湾曲反転することによって前記第1面が前記湾曲反転部従動ローラに強く圧接した場合でも、前記第1面にダメージを与えることがない。
上記態様によれば、前記湾曲反転部従動ローラが、被記録媒体の幅方向において、被記録媒体の両側端位置近傍に配置されているので、被記録媒体に記録を行ったことで被記録媒体の両側端に反り傾向が発生しても、当該両側端部を前記湾曲反転部駆動ローラとでニップするので、前記反り傾向を低減させて円滑に被記録媒体を搬送させることができる。そしてまた、両側端位置近傍以外に配置される前記湾曲反転部従動ローラの数を必要最低限とすることにより、下流側のローラによる被記録媒体搬送時の搬送負荷を低減させることができ、良好な記録結果を得ることができる。
上記第6の態様によれば、前記湾曲反転経路における湾曲部分の内側が、前記第1面と接して従動回転する反転経路形成用ローラの外周面によって形成されていることから、既に記録の行われた前記第1面が前記反転経路形成用ローラに接しても、該ローラが従動回転することによって前記第1面にダメージを与えることがない。次に、前記湾曲反転部従動ローラが、前記湾曲反転部駆動ローラに対して付勢された状態に設けられるとともに、前記反転経路形成用ローラが、回転軸と直交する方向に変位しない様に設けられているので、前記湾曲反転部駆動ローラと前記湾曲反転部従動ローラとによって被記録媒体をニップしながら下流側に送りつつ、回転軸方向に変位しない前記反転経路形成用ローラによって、湾曲反転経路が常に一定の形状に保たれ、被記録媒体を適切に湾曲反転させることができる。
上記第8の態様によれば、前記送りローラが、被記録媒体のコックリング周期に合わせた位置に配設されているので、被記録媒体に無理な力を加えずに、自然な状態で、下流側へ送ることが可能となる。
上記第9の態様によれば、前記反転経路形成用ローラが、前記記録ヘッドによって主走査方向に波打つコックリング状態が形成された被記録媒体の、前記コックリング状態における谷の部分に配置されているので、既記録面(第1面)を内側にして湾曲反転させる際に、前記反転経路形成用ローラがコックリングの山の部分に強く接触して前記第1面にダメージを与えるといった不具合を招くことが無い。
上記第10の態様によれば、被記録媒体の両面に記録を行う両面記録装置において、上記第1から第9の態様のいずれかに記載された前記被記録媒体案内装置と同様な作用効果を得ることができる。
上記第11の態様によれば、被噴射媒体を斜め上方に搬送しながらインクジェット記録を行う両面記録装置において、上記第1から第9の態様のいずれかに記載された前記被記録媒体案内装置と同様な作用効果を得ることができるとともに、傾斜した被記録媒体搬送経路の下側空間を利用することによって、省スペース化を図ることができる。
1.インクジェットプリンタの概略構成
2.用紙反転部の詳細な構成
の順に図面を参照しながら説明する。
以下では、本発明の一実施形態に係る「両面記録装置」、「液体噴射装置」としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の概略構成について図1乃至図5を参照しながら説明する。ここで、図1はプリンタ1の側断面概略図、図2はプリンタ1の要部平面図である。また、図3乃至図5は図1の部分拡大図であり、プリンタ1における用紙搬送(用紙排出)経路のバリエーションを示すものである。
以下、上記用紙搬送経路の各構成毎に説明する。尚、以下では用紙搬送経路の上流側を単に「上流側」と言い、用紙搬送経路の下流側を単に「下流側」と言うこととする。
給紙部2は、ホッパ203と、手差しトレイ201と、ピックアップローラ25と、給紙ローラ21と、リバースローラ23とを有している。ホッパ203は複数枚の用紙Pを積層状態で支持し、且つ、回動軸203aを中心にして、図示を省略するホッパ駆動手段によって図の時計方向及び反時計方向に揺動可能に構成されている。ピックアップローラ25は外周面が高摩擦材(例えば、ゴム材)によって構成され、ホッパ203が揺動することにより、ホッパ203上に積重された用紙Pの最上位のものと接触する。そして、当該接触状態で回転することにより、最上位の用紙Pを下流側の給紙ローラ21及びリバースローラ23へと送り出す。
給紙部2の下流側に設けられた記録部11は、紙検出器70と、搬送駆動ローラ28及び搬送従動ローラ29と、ガイドローラ30と、「液体噴射ヘッド」の一例としてのインクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)100と、プラテン65と、記録部下流側駆動ローラ32及び記録部下流側従動ローラ33と、記録部補助ローラ35a及び35bとを有している。搬送駆動ローラ28は図示しない駆動モータによって回転駆動され、搬送従動ローラ29は、搬送駆動ローラ28に接して従動回転する。搬送従動ローラ29は、本実施形態では図2に示す様に1つの搬送従動ローラホルダ26の下流側(図2の上側)に2つ軸支され、また、搬送従動ローラホルダ26は、主走査方向(図2の左右方向)に4つ並設されている。
図1に戻って記録部11の下流側に設けられたFd排出部5は、屈曲ローラ37と、Fd排出駆動ローラ41と、Fd排出従動ローラ43と、を備えている。記録部下流側駆動ローラ32の下流側には、記録部下流側駆動ローラ32によって記録部11から排紙された用紙Pを、フェイスダウン(Fd)排出経路またはフェイスアップ(Fu)排出経路のいずれかに切り替えるFd/Fu切替部材503が設けられている。Fd排出経路は用紙Pを符号Fdで示す方向へ排出する為の用紙排出経路、Fu排出経路は用紙Pを符号Fuで示す方向へ排出する為の用紙排出経路である。
図1に戻って、記録部11の下流側であってプリンタ1の後方上部(図1の右側)に設けられたFu排出部6は、Fu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47と、Fu補助ローラ49と、凹凸ローラ48(図4参照)とを備えている。用紙PがFu排出経路を進行して排出される場合には、Fd/Fu切替部材503は、図3に示す状態から時計方向に揺動する。そしてこれにより、図4に示す様に記録部11から下流側に送られる用紙Pが斜め上方(図4の右上方向)に真っ直ぐに進む用紙搬送経路が形成される。記録部11から下流側に送られた用紙Pは、Fu排出駆動ローラ45とFu排出従動ローラ47とによってニップされ、Fu排出駆動ローラ45が回転駆動されることにより、符号Fuで示す方向に記録の行われた用紙Pが排出される。
図1に戻って、プリンタ1の後部に設けられた用紙反転部4は、上述したFu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47等のFu排出部6を構成するローラ群を含み、更にガイド駆動ローラ51と、可動ガイド従動ローラ52と、「送りローラ」を構成する送り駆動ローラ53及び送り従動ローラ54と、湾曲反転部駆動ローラ55と、湾曲反転部従動ローラ57と、反転経路形成用ローラ59と、を備えている。用紙反転部4は、既記録面(第1面)を内側にして用紙Pを湾曲反転させることにより、未記録面(第2面)と記録ヘッド100とが対向する様に、用紙Pを記録部11へ再び案内する。
以上が、プリンタ1の概略である。
次に、図6乃至図9及び適宜その他の図面を参照しながら、用紙反転部4のより詳細な構成について説明する。ここで、図6及び図7は用紙反転部4の拡大側面図(図1の部分拡大図)、図8及び図9は用紙反転部4を構成するローラ群を駆動する為の歯車輪列の正面図である。
ここで、出発点となる歯車124が逆転駆動されると、図9に示す様に、遊星歯車423が歯車424から離れ、遊星歯車422が歯車425に噛合する。しかし、図示する様に正転及び逆転の如何に関わらず歯車426は正転方向に回転するので、送り駆動ローラ53と、湾曲反転部駆動ローラ55とは、常に用紙Pを下流側へ送る方向に回転駆動されることとなる。
Claims (5)
- 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
前記記録ヘッドと対向する面に、被記録媒体の搬送方向に延びるリブを前記搬送方向と直交する方向に所定の間隔を置いて複数備えた、前記記録ヘッドと対向して配置されるプラテンと、
前記記録ヘッドによって記録の行われた第1面を内側にして被記録媒体を湾曲反転させる湾曲反転経路を有し、前記第1面に対して反対側の第2面が前記記録ヘッドと対向する様に前記第1面に記録の行われた被記録媒体を前記記録ヘッドと対向する位置へ再び案内する被記録媒体案内装置と、を備えた両面記録装置における前記被記録媒体案内装置であって、
前記湾曲反転経路における湾曲部分の内側が、前記第1面と接して従動回転する反転経路形成用ローラの外周面によって形成され、
前記反転経路形成用ローラが、前記第1面に記録が行われることによって前記搬送方向と直交する方向に波打つコックリング状態が形成された被記録媒体の、前記第1面における谷の部分に配置されている、
ことを特徴とする被記録媒体案内装置。 - 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
前記記録ヘッドと対向する面に、被記録媒体の搬送方向に延びるリブを前記搬送方向と直交する方向に所定の間隔を置いて複数備えた、前記記録ヘッドと対向して配置されるプラテンと、
前記記録ヘッドによって記録の行われた第1面を内側にして被記録媒体を湾曲反転させる湾曲反転経路を有し、前記第1面に対して反対側の第2面が前記記録ヘッドと対向する様に前記第1面に記録の行われた被記録媒体を前記記録ヘッドと対向する位置へ再び案内する被記録媒体案内装置と、を備えた両面記録装置における前記被記録媒体案内装置であって、
前記湾曲反転経路における湾曲部分の外側に、回転駆動される湾曲反転部駆動ローラが設けられ、
前記湾曲反転経路における湾曲部分の内側に、前記湾曲反転部駆動ローラと接して従動回転する湾曲反転部従動ローラが設けられ、
前記湾曲反転経路における湾曲部分の内側が、前記第1面と接して従動回転する反転経路形成用ローラの外周面によって形成され、
前記湾曲反転部従動ローラが、前記湾曲反転部駆動ローラに対して付勢された状態に設けられるとともに、前記反転経路形成用ローラが、回転軸と直交する方向に変位しない様に設けられ、
前記反転経路形成用ローラが、前記第1面に記録が行われることによって前記搬送方向と直交する方向に波打つコックリング状態が形成された被記録媒体の、前記第1面における谷の部分に配置されている、
ことを特徴とする被記録媒体案内装置。 - 請求項2に記載の被記録媒体案内装置において、前記湾曲反転部従動ローラが、前記第1面と面接触するローラによって構成されている、
ことを特徴とする被記録媒体案内装置。 - 請求項2または3に記載の被記録媒体案内装置において、前記湾曲反転部従動ローラが、被記録媒体の幅方向において、被記録媒体の両側端位置に配置されている、
ことを特徴とする被記録媒体案内装置。 - 被記録媒体の両面に記録を行う両面記録装置であって、請求項1から4のいずれか1項に記載された前記被記録媒体案内装置を備えている、
ことを特徴とする両面記録装置。
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