JP2005280953A - 従動ローラの保持体、記録装置、液体噴射装置 - Google Patents

従動ローラの保持体、記録装置、液体噴射装置 Download PDF

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悦郎 辻
Seiji Kawabata
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Abstract

【課題】 ローラ保持体の本体に変形が生じても、従動ローラの回動軸端を保持する保持部から、回動軸が外れない様にすること。
【解決手段】 回動駆動される第1駆動ローラ28に接して従動回動する第1従動ローラ29を保持する従動ローラホルダ26は、第1従動ローラ29の回動軸30の軸線方向中心近傍を第1駆動ローラ28に向けて押圧することで、第1従動ローラ29を第1駆動ローラ28に圧接させる。回動軸30の両軸端に配置されて前記両軸端を保持する保持部26fは、第1駆動ローラ28と回動軸30との間に底部26cを備え、これにより、回動軸30の、保持部28fから第1駆動ローラ28側への外れが防止される。
【選択図】図8

Description

本発明は、回動駆動される駆動ローラに接して従動回動する従動ローラの回動軸を保持する従動ローラの保持体およびこれを備えた記録装置並びに液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
記録装置或いは液体噴射装置の1つとしてインクジェットプリンタがある。以下、インクジェットプリンタの構成を一例として説明する。インクジェットプリンタは、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドの上流側に、被記録媒体の一例としての印刷用紙を搬送する搬送ローラを備えている。搬送ローラは、回動駆動される駆動ローラと、該駆動ローラに接して従動回動する従動ローラのローラ対によって構成されている。前記従動ローラは、ローラ保持体(ホルダ)によって自由回転可能に保持されるとともに、前記ローラ保持体に付勢力を作用させるねじりコイルばねによって、前記駆動ローラに向けて付勢された状態に設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−265089号公報
ここで、図9及び図10を参照しながら、従来技術に係るローラ保持体について説明する。図9は従来技術に係るローラ保持体500の断面図であり、図10は回動軸501を保持する保持部502の斜視図である。
図9(A)において、符号507は回動駆動される駆動ローラを、符号506、506は駆動ローラ507に接して従動回動する従動ローラを示しており、図示する様に2つの従動ローラ506は、1つの回動軸504に設けられている。回動軸504は樹脂材料で形成された本体501において、回動軸504の両側に配置された保持部502、502によってローラ保持体500から外れない様に保持される。回動軸504は、その軸線方向中心部を駆動ローラ507に向けて押圧する押圧部503によって押圧され、これにより、従動ローラ506、506が駆動ローラ507に圧接する。
押圧部503は、捻りばね505の一端505bによって駆動ローラ507に向けて付勢され、捻りばね505の他端505aは、図示しないフレームに係止して、これによって押圧部503に付勢力が作用する。
保持部502は、図10に示す様に回動軸504の軸端が下側(駆動ローラ507の側)からスナップ式に入り込む様な間口502aを有する長溝形状を成していて、回動軸504の軸端が保持部502に入り込むことにより、回動軸504が用紙搬送方向(図9の紙面表裏方向)に移動しない様に保持される。
しかし、この様な従来の構成にあっては、ローラ保持体500の本体部501に外力が作用することで、保持部502が駆動ローラ507から離間する様な本体部501の変形が発生すると、図9(B)に示す様に保持部502から回動軸504が外れてしまう虞がある。この様な本体部501の変形は、本体部501の幅方向中央部が捻りばね505によって駆動ローラ507に向けて押圧されている為、例えば本体部501の片側を厚手の用紙が通過するとき等(用紙の偏在時)に発生し易い。或いは、ローラ保持体500における用紙搬送方向の下流側端部(図10において符号501aで示す部分)に、用紙の浮き上がりを防止する為の手段を設けた場合には、下流側端部501aが用紙から上向きの力を受けることで、同様な変形が発生する。そして回動軸504が保持部502から外れてしまうと、正常な用紙の搬送動作が実行できなくなる。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その課題は、ローラ保持体の本体に変形が生じても、従動ローラの回動軸端を保持する保持部から、回動軸が外れない様にすることにある。
上記課題を解決する為に、本発明の第1の態様は、回動駆動される駆動ローラに接して従動回動する従動ローラの回動軸を、当該回動軸の軸線方向中心近傍を前記駆動ローラに向けて押圧することで前記従動ローラを前記駆動ローラに圧接させる押圧部と、前記回動軸の軸端に配置されるとともに当該軸端を保持する保持部と、を備え、前記保持部が、前記回動軸の軸線方向と直交する方向に延びるとともに前記駆動ローラの側に底部を備えた案内溝によって構成されていることを特徴とする。
上記態様によれば、従動ローラの回動軸の軸端を保持する保持部が、前記駆動ローラの側に底部を備えた案内溝によって構成されているので、前記保持部が前記駆動ローラから浮き上がる様な前記ローラ保持体の変形が発生した場合でも、前記底部によって前記回動軸の前記保持部からの外れを防止でき、前記駆動ローラと前記従動ローラとの圧接状態を正常に維持して長期に渡って適切に被記録媒体の搬送を行うことができる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記案内溝が、前記駆動ローラから離間する方向に開口部を備えたことにより、前記回動軸の軸線方向視において略U字形の形状を成す様に形成されていることを特徴とする。
上記態様によれば、前記案内溝が、前記駆動ローラから離間する方向に開口部を備えたことにより、前記回動軸の軸線方向視において略U字形の形状を成す様に形成されていることから、前記回動軸の両軸端を前記案内部に嵌め入れる際には前記開口部から前記回動軸の両軸端を容易に嵌め入れることができ、組立作業性が向上する。
本発明の第3の態様は、回動駆動される駆動ローラに接して従動回動する従動ローラの回動軸を、当該回動軸の軸線方向中心近傍を前記駆動ローラに向けて押圧することで前記従動ローラを前記駆動ローラに圧接させる押圧部と、前記回動軸の軸端に配置されるとともに当該軸端を保持する保持部と、を備え、前記保持部が、前記回動軸の前記保持部から前記駆動ローラ側への相対的な外れを防止する外れ防止手段を備えていることを特徴とする。
上記態様によれば、前記従動ローラの回動軸の軸端を保持する保持部は、前記回動軸の前記駆動ローラ側への相対的な外れを防止する外れ防止手段を備えているので、上述した第1の態様と同様に、前記ローラ保持体が変形した場合でも、前記回動軸の前記保持部からの外れが防止され、前記駆動ローラと前記従動ローラとの圧接状態を正常に維持して長期に渡って適切に被記録媒体の搬送を行うことができる。尚、「前記回動軸の前記保持部から前記駆動ローラ側への相対的な外れ」とは、前記駆動ローラと前記回動軸との相対的な位置関係は変化しないまま、前記保持部が前記駆動ローラから離間する様に前記従動ローラの保持体が変形することで、結果として前記回動軸が前記保持部から前記駆動ローラの側に外れた様な状態となることを意味する。
本発明の第4の態様は、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記従動ローラの保持部近傍に、前記従動ローラの回動軸とは異なる第2の回動軸を軸支する軸支部が設けられていることを特徴とする。
上記態様によれば、前記従動ローラの保持部近傍に、前記従動ローラの回動軸とは異なる第2の回動軸を軸支する軸支部を備えているので、当該第2の回動軸を軸支したことによって外力を受ける要因が増え、前記従動ローラの保持体はより一層変形を来しやすいが、前記従動ローラの回動軸は、上述した第1の態様における底部或いは第3の態様における外れ防止手段によって、前記保持部から外れることなく保持され、前記駆動ローラと前記従動ローラとの圧接状態を正常に維持して長期に渡って適切に被記録媒体の搬送を行うことができる。
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、前記回動軸の軸線方向視において、前記第2の回動軸を中心に揺動可能に設けられるとともに、前記駆動ローラと前記従動ローラとでニップされ且つ前記駆動ローラの回動によって搬送されるシート材を前記駆動ローラの側に押圧する押圧部材を備えていることを特徴とする。
上記態様によれば、前記駆動ローラと前記従動ローラとでニップされ且つ前記駆動ローラの回動によって搬送されるシート材を前記駆動ローラの側に押圧する押圧部材を備えているので、当該押圧部材により、前記従動ローラの保持体はより一層変形を来し易いが、前記従動ローラの回動軸は、上述した壁部或いは外れ防止手段によって、前記保持部から外れることなく保持される。
本発明の第6の態様は、上記第5の態様において、前記第2の回動軸を回動軸とするとともに、前記シート材と接して従動回動する接触ローラが設けられていることを特徴とする。
上記態様によれば、前記第2の回動軸を回動軸とするとともに、前記シート材と接して従動回動する接触ローラが設けられているので、前記シート材との摩擦力によって前記押圧部材にシート材押圧効果を弱める方向の回転モーメントが発生せず、前記押圧部材によるシート材押圧効果を一定に維持することができる。
本発明の第7の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドと対向して設けられるとともに、前記記録ヘッドと対向する面に、副走査方向に延びるリブを主走査方向に所定の間隔を置いて備えた、前記記録ヘッドと被記録媒体との距離を規定するプラテンと、前記記録ヘッドの上流側に設けられ、回転駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラに接して従動回転する従動ローラと、前記従動ローラを保持する上記第1から第6の態様のいずれかに記載された前記従動ローラの保持体とを備えていることを特徴とする。
上記態様によれば、被記録媒体に記録を行う記録装置は、上述した第1から第6の態様のいずれかに記載した前記従動ローラの保持体を備えているので、記録装置において上述した第1から第6の態様と同様な作用効果を得ることが出来る。
本発明の第8の態様は、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドと対向して設けられるとともに、前記液体噴射ヘッドと対向する面に、副走査方向に延びるリブを主走査方向に所定の間隔を置いて備えた、前記液体噴射ヘッドと被噴射媒体との距離を規定するプラテンと、前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられ、回転駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラに接して従動回転する従動ローラと、前記従動ローラを保持する上記第1から第6の態様のいずれかに記載された前記従動ローラの保持体とを備えていることを特徴とする。
以下、本発明の一実施形態について、
1.インクジェットプリンタの概略構成
2.記録部及び従動ローラホルダの詳細な構成
の順に図面を参照しながら説明する。
<1.インクジェットプリンタの概略構成>
以下では、本発明に係る「記録装置」、「液体噴射装置」の一実施形態としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の概略構成について図1乃至図3を参照しながら説明する。ここで、図1はプリンタ1の外観斜視図、図2はプリンタ1の側断面概略図、図3はプリンタ1の要部平面図である。
図1において、「シート材」「被記録媒体」「被噴射媒体」の一例としての印刷用紙(主として単票紙:以下「用紙P」と言う。)に、「液体」の一例としてのインク滴を吐出して記録を行うプリンタ1は、装置本体1aと、該装置本体1aの下に、オプション給紙ユニット(以下「OPTユニット」と言う)3とを連結可能な様に構成されている。装置本体1aは給紙部、記録部、排紙部等(詳細は後述)を有し、一方でOPTユニット3は、上部の装置本体1aに向けて、セットされた用紙Pを1枚ずつ給紙する給紙部(図示せず)を備えている。
このプリンタ1は、装置本体1aに給紙トレイ200を、OPTユニット3に給紙トレイ300を有し、双方の給紙トレイに、多数枚(本実施形態では、それぞれ500枚)の用紙Pを積層状態でセット可能となっている。そして、装置本体1aの側においては、給紙トレイ200の上部に、任意のサイズの用紙Pを手差し給紙可能な手差し給紙口202を備えている。更に、OPTユニット3の側においては、給紙トレイ300がOPTユニット3に対して着脱可能に設けられ、OPTユニット3から取り外した状態で用紙Pのセットが可能となっている。
次に、プリンタ1は、装置本体1aの上部に、記録の行われた用紙Pを装置前方側に向けて排出するフェイスダウン(以下「Fd」と略称する)用紙排出口500と、これとは逆に装置後方側に向けて排出するフェイスアップ(以下「Fu」と略称する)用紙排出口600と、を有している。Fd用紙排出口500の側においては、装置手前側に設けられた回動軸を中心にして回動することにより、装置手前側に向けて開くことのできるカバー150が設けられている。
図1は、カバー150を開いた状態を示すものであり、当該開いた状態においては、カバー150は、Fd用紙排出口500から排出される用紙Pをスタックする排紙スタッカとしての機能を果たす。また、閉じた状態においては、装置上部の外観を構成するとともに装置内部への塵埃等の進入を防止する機能を果たす。更に、Fu用紙排出口600の側においては、排紙スタッカ601が傾斜姿勢で設けられていて、Fu用紙排出口600から排出された用紙Pは、排紙スタッカ601上に傾斜姿勢で順次積層される。
次に、図2を参照しながらプリンタ1の用紙搬送経路について概説する。プリンタ1は、装置下部前方側から装置上部後方側に向けて斜めに用紙Pを搬送し、傾斜した搬送経路上において用紙Pにインクジェット記録を行い、記録の行われた用紙Pを斜め上方(前方側(Fd用紙排出口500))又は後方側(Fu用紙排出口600))に向けて排出する構成を有している。また、プリンタ1は、用紙Pの表面と裏面の両面にインクジェット記録を行うべく、表面にインクジェット記録の行われた用紙Pを反転させ、そして裏面を上にした状態で記録部へと搬送する為の反転経路を有している。
より詳しくは、プリンタ1の用紙搬送経路は、給紙部2と、記録部11と、フェイスダウン(Fd)排出部5と、フェイスアップ(Fu)排出部6と、用紙反転部4と、から大略構成される。尚、図2では図示を省略するが、給紙部2の下には上述したOPTユニット3が装着されることにより、記録部11へと用紙を給紙する給紙部が更に追加される。図2におけるローラ61及びローラ62は、OPTユニット3から装置本体1aへ用紙Pを給送する為のものである。
以下、上記用紙搬送経路の各構成毎に説明する。尚、以下では用紙搬送経路の上流側を単に「上流側」と言い、用紙搬送経路の下流側を単に「下流側」と言うこととする。
[給紙部2]
給紙部2は、ホッパ203と、手差しトレイ201と、ピックアップローラ25と、給紙ローラ21と、リバースローラ23とを有している。ホッパ203は給紙トレイ200(図1)にセットされる複数枚の用紙Pを積層状態で支持し、且つ、回動軸203aを中心にして揺動することにより、用紙Pをピックアップローラ25に圧接させる。ピックアップローラ25は外周面が高摩擦材(例えば、ゴム材)によって構成され、用紙Pと圧接し且つ回転することにより最上位の用紙Pを下流側の給紙ローラ21及びリバースローラ23へと送り出す。尚、ホッパ203の上方はエッジガイド201aを備えた手差しトレイ201が設けられ、手差しトレイ201にセットされた用紙Pも同様にピックアップローラ25によって下流側に送られる。
給紙ローラ21及びリバースローラ23は外周面が高摩擦材によって構成されるとともに、給紙ローラ21は用紙Pを下流側に給送する回転方向(図2の反時計方向)に回転駆動され、一方でリバースローラ23は、用紙Pを上流側に戻す様な回転方向(図2の反時計方向)に回転駆動される。ピックアップローラ25によってホッパ203上から送出された最上位の用紙Pは、給紙ローラ21とリバースローラ23とにニップされた状態で、給紙ローラ21が回転することにより、下流側の第1駆動ローラ28へと給送される。尚、リバースローラ23は、給紙ローラ21に圧接する状態(図2の状態)と離間する状態(図示せず)とを切り換え可能に設けられ、給紙ローラ21に圧接した状態において、給送されるべきホッパ203上の最上位の用紙Pと、これにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pとを分離する機能を果たす。このとき、リバースローラ23は、用紙Pを上流側に戻す方向に回転することにより、重送されようとする次位以降の用紙Pを給紙ローラ21とリバースローラ23とのニップ点で確実に止める。一方で、用紙P先端が第1駆動ローラ28と第1従動ローラ29とにニップされた後は、第1駆動ローラ28による用紙Pの搬送動作を阻害しない様に、つまり、搬送負荷(バックテンション)を与えない様に、給紙ローラ21から離間する。
尚、以下では、用紙Pに搬送力を与えるローラ対に対し、当該ローラ対の上流側で用紙Pに与えられる搬送負荷(主に、用紙Pを引っ張ろうとする様な力)を「バックテンション」と言い、逆に下流側で用紙Pに与えられる搬送負荷(主に、用紙Pを下流側から上流側へ押し戻そうとする様な力)を「フロントテンション」と言うこととする。
[記録部11]
給紙部2の下流側に設けられた記録部11は、第1駆動ローラ28及び第1従動ローラ29(以下必要に応じてこのローラ対を「第1ローラ対」と言う)と、「液体噴射ヘッド」の一例としてのインクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と言う)100と、プラテン65と、第2駆動ローラ32及び第2従動ローラ33(以下必要に応じてこのローラ対を「第2ローラ対」と言う)と、補助ローラ35と、第3駆動ローラ36及び第3従動ローラ37(以下必要に応じてこのローラ対を「第3ローラ対」と言う)と、を有している。
第1駆動ローラ28は図示しない駆動モータによって回転駆動され、第1従動ローラ29は、第1駆動ローラ28に接して従動回転する。第1従動ローラ29は、本実施形態では図3に示す様に「従動ローラの保持体」としての従動ローラホルダ26の下流側(図3の上側)に2つ軸支され、また、従動ローラホルダ26は、主走査方向(図3の左右方向)に4つ並設されている。ここで、第1従動ローラ29の回転中心は、第1駆動ローラ28の回転中心に対して搬送方向下流側に配置されることにより、両ローラのニップ点における接線がプラテン65に向かう様に構成されている。従ってこれにより、第1ローラ対を通過した用紙Pはプラテン65に押し付けられ、プラテン65からの浮き上がりが防止される様になっている。また、1つの従動ローラホルダ26において第1従動ローラ29の下流側近傍には、用紙Pをプラテン65に向けて押圧する押圧部材82が設けられている。この押圧部材82は、用紙Pのプラテン65からの浮き上がりを防止する機能を果たすものであるが、これについては後に説明する。
次に、第1ローラ対の下流側には、用紙搬送経路の上側に記録ヘッド100が、用紙搬送経路の下側に、記録ヘッド100と対向する様にプラテン65が、それぞれ設けられている。ここで、記録部11における用紙搬送経路は図示する様に傾斜角を有し、本実施形態においては、水平面に対して約60°の傾斜角を有する様に、用紙搬送経路が構成されている。従って、プラテン65と記録ヘッド100とは、図示する様に傾斜姿勢で設けられている。記録ヘッド100はキャリッジ101の下部に設けられ、キャリッジ101は、主走査方向(図2の紙面表裏方向)に延びるキャリッジガイド軸103を挿通する様に設けられ、キャリッジガイド軸103によってガイドされながら、図示しない駆動手段の動力を受けて主走査方向に往復動する。
プラテン65においてプラテン面(プラテン65において記録ヘッド100と対向する面)65cには、記録ヘッド100に向けて突出するとともに図3に示す様に副走査方向(図3の上下方向)に延びる第1リブ65a及び第2リブ65b(以下適宜これらをまとめて「リブ」と言う)が、主走査方向に所定の間隔を置いて形成されていて、用紙Pは、リブによって記録ヘッド100との距離を規制される。また、プラテン65には、主走査方向に延びる長穴65eが形成されている。この長穴65eは、用紙Pのサイズ(幅寸法)をより適切に検出する為に設けられている。即ち、キャリッジ101においてプラテン65と対向する面には、プラテン65へ向けて放射する光の反射成分を検出する光学センサ(図示せず)が設けられていて、用紙Pとプラテン65との反射率差を利用して、用紙Pの幅寸法を検出することができる様に構成されている。しかし、用紙Pとプラテン65とが同色である場合には、用紙Pの幅寸法を適切に検出することができない。そこで、本実施形態においては、前記放射光を、長穴65eに向けて放射する様に構成し、これによって用紙Pの幅寸法をより一層正確に検出可能としている。
尚、長穴65eによってリブが上流側と下流側とに分断されたことにより、第1駆動ローラ28の下流側近傍に位置する第1リブ65aと、当該第1リブ65aの下流側に位置する第2リブ65bとによって用紙Pを支持するリブが構成されている。
また、隣り合う二つのリブ65b、65bの間には、プラテン面65cからの突出高さがリブ65bよりも低い、副走査方向に延びる補助リブ65dが設けられている。従ってこれにより、隣り合う2つのリブ65b、65bの間において、用紙Pに形成された波打ち状態(コックリング)の谷部が補助リブ65dによって支持されることとなり、谷部の落ち込みの程度が小さくなってPGが均一化され、記録品質の低下を防止することができるとともに、インクミストの飛散によって汚損されたプラテン面65cに前記谷部が接触せず、従って記録面とは反対側の面の汚損を防止することができる。
次に、キャリッジ101は、本実施形態においてはインク・カートリッジを搭載せず、インク・カートリッジ取付フレーム110に装着されたインク・カートリッジ105から、図2では図示を省略するインクチューブを介して記録ヘッド100へとインクが供給される様に構成されている。また、各色のインク・カートリッジ105には、各インク・カートリッジに関する情報を保持したICチップ107がそれぞれ装着されている。このICチップ107には、インクの色などの固定情報の他、インク残量などの変動情報を記憶する記憶装置が内蔵されている。各ICチップ107には、受信アンテナ(図示せず)がそれぞれ接続されており、一方で主走査方向に往復動するキャリッジ101には、前記受信アンテナへ無線信号を送信する送信アンテナ(図示せず)を備えたアンテナ基板109が略垂直に立設されている。
そして、アンテナ基板109は、キャリッジ101が主走査方向に移動することにより、主走査方向に並んで複数配設されたインク・カートリッジ105のうちの、1つのインク・カートリッジ105のICチップ107と対向する。そして、ICチップ107と通信することにより、ICチップ107に記憶された各種情報を、図示しないプリンタ1の制御部へと送信することができる様になっている。
次に、記録ヘッド100の下流側には第2ローラ対が設けられ、記録ヘッド100によって記録の行われた用紙Pは、第2ローラ対の回転によって下流側へ搬送される。また、第2ローラ対の上流側には、補助ローラ35が設けられていて、これにより、用紙Pのプラテン65からの浮き上がりがより一層防止されている。尚、第2従動ローラ33と、補助ローラ35は、インク滴が吐出された用紙Pの記録面と接することから、インクの転着や白ヌケを防止する為に記録面と点接触する歯付きローラによって構成されている。
ここで、第2ローラ対は、図3に示す様に主走査方向の配置位置が、リブの形成位置と一致する様に成されている。加えて、複数配置された補助ローラ35の中で、符号35cで示す補助ローラの配置位置は、隣り合う2つのリブのほぼ中間となる様に成され、且つ、用紙Pの記録面と接触する接触点が、リブの頂部よりもやや下に位置する(即ち用紙搬送経路を側視してリブとオーバーラップする)様に設けられている。従ってこれにより、用紙Pがインク滴を吸収することにより膨潤した際に、その伸び分が隣り合う2つのリブの間に逃げ、結果として用紙Pには規則的な波打ち状態(コックリング)が形成される。即ち、リブの位置で山となり、補助ローラ35cの位置で谷となるコックリングが形成され、これによって用紙Pと記録ヘッド100との距離が著しく不均一となったり、或いはリブとリブとの間で用紙Pが浮き上がって記録ヘッド100と擦れたりするといった不具合を防止している。加えて、コックリングが形成されることによって搬送方向の見かけ上の剛性が増し、フロントテンションが発生しても、記録ヘッド100において用紙Pが浮き上がり難い(撓み難い)という作用効果も奏することができる。
次に、第2ローラ対の下流には、第3駆動ローラ36及び第3従動ローラ37を備えて構成された第3ローラ対が設けられている。この第3ローラ対は、上流側の第2ローラ対が発揮する用紙搬送力を補助して記録済みの用紙Pを確実に下流側に搬送する機能を果たす他、第2ローラ対との間で用紙Pに湾曲姿勢を形成することで、用紙Pを円滑に湾曲反転させる機能を果たす。
[フェイスダウン(Fd)排出部5]
次に、記録部11の下流側に設けられたFd排出部5は、屈曲ローラ37と、Fd排出駆動ローラ41と、Fd排出従動ローラ43と、を備え、記録の行われた用紙Pの記録面を内側にして湾曲反転させることにより、用紙Pを記録面を下にした状態で排出する。
より詳しくは、第3ローラ対の下流側には、第3ローラ対によって記録部11から搬送された用紙Pを、フェイスダウン(Fd)排出経路またはフェイスアップ(Fu)排出経路のいずれかに切り替えるFd/Fu切替部材503が設けられている。Fd排出経路は用紙PをFd用紙排出口500(図1)から排出する為の用紙排出経路、Fu排出経路はFu用紙排出口600(図1)から排出する為の用紙排出経路である。
Fd/Fu切替部材503は、揺動軸503aを中心にして、揺動することにより、記録部11から下流側に送られる用紙Pの進行方向を切り替える。また、Fd/Fu切替部材503は、Fd排出経路における湾曲反転経路の外側に設けられ、湾曲面503bによって用紙Pを湾曲反転させる。
図2は、Fd/Fu切替部材503が、記録部11から下流側に送られた用紙Pの進行方向をFd排出経路に切り替える状態を示している。記録部11から下流側に送られた用紙P先端は、Fd/Fu切替部材503に形成された滑らかな湾曲面503bに当接する。用紙P先端は、湾曲面503bと、湾曲面503bの下流側に設けられたガイド部材505に接しながら進み、やがてFd排出駆動ローラ41とFd排出従動ローラ43とによってニップされて、これらローラ対の回転によって、Fd用紙排出口500(図1)から装置前方(矢印「Fd」で示す方向)に向けて排出される。
尚、図8に示す様に用紙排出口500にはスタックレバー509が用紙Pの側端位置近傍(本実施形態では、A4サイズ及びB5サイズの側端位置)に配置されている。スタックレバー509は、Fd排出駆動ローラ41の回転軸41aを中心にして揺動可能に取り付けられ、Fd用紙排出口500から排出される用紙Pを上方から押さえる機能を果たす。
用紙Pが上記Fd排出経路を進行して排出される場合には、用紙Pは記録面を内側にして略U字形の形状に湾曲させられて排出される。従って、Fd排出経路を進行して排出される場合には、排紙スタッカ150(図1)に積重される用紙Pは、ページ順に順序良く積重されることになり、ユーザの利便性が向上する。
[フェイスアップ(Fu)排出部6]
記録部11の下流側であって装置本体1aの後部(図2の右側)に設けられたFu排出部6は、Fu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47と、Fu補助ローラ49とを備えている。用紙PがFu排出経路を進行して排出される場合には、Fd/Fu切替部材503は、図2に示す状態から時計方向に揺動する(図示せず)。そしてこれにより、記録部11から下流側に送られる用紙Pが斜め上方に真っ直ぐに進む用紙搬送経路が形成され、記録部11から下流側に送られた用紙Pは、Fu排出駆動ローラ45とFu排出従動ローラ47とによってニップされ且つFu排出駆動ローラ45の回転により、Fu用紙排出口600(図1参照)から装置後方(矢印「Fu」で示す方向)に向けて排出される。
用紙Pが上記Fu排出経路を進行して排出される場合には、用紙Pには湾曲状態は形成されず、記録面を上にして記録部11から下流側がほぼ真っ直ぐに排出される。従って、上記Fu排出経路を利用することにより、厚手の用紙や腰の強い用紙でも、無理なく記録を行い、且つ適切に排出することが可能となる。
[用紙反転部4]
プリンタ1の後部(図2の右側)に設けられた用紙反転部4は、上述したFu排出駆動ローラ45と、Fu排出従動ローラ47等のFu排出部6を構成するローラ群を含み、更にガイド駆動ローラ51と、可動ガイド従動ローラ52と、ガイド駆動ローラ53と、ガイド従動ローラ54と、反転駆動ローラ55と、反転従動ローラ57と、ガイドローラ59と、を備えている。
用紙反転部4は、上記Fu排出経路を進んできた用紙Pの後端部分を略垂直方向に沿う様に押さえ付け、且つ、Fu排出駆動ローラ45及びガイド駆動ローラ51を図の反時計方向に回転駆動することにより、用紙PをFu用紙排出口600(図1)から排出せずに、用紙反転部4内へと引き込む。そして、当該用紙後端部分をガイド駆動ローラ51と可動ガイド従動ローラ52とでニップし、Fu排出駆動ローラ45を逆転駆動(図2の反時計回り方向)するとともにガイド駆動ローラ51を正転駆動(図2の反時計回り方向)して、用紙P後端を先頭にして鉛直下方向(符号Rで示す方向)へ搬送する。尚、用紙反転部4を進む用紙Pは、最初の記録面(第1面:おもて面)の記録時とは進行方向が逆になる。即ち、最初の記録時には先端であった側が後端側となり、後端であった側が先端側となるので、以下では用紙反転部4を進む際に先端となる側を「用紙P先端(R)」、後端となる側を「用紙P後端(R)」と表記することとする。
ガイド駆動ローラ51の下流側には、回転駆動されるガイド駆動ローラ53と、これに接して従動回転する、歯付きローラからなるガイド従動ローラ54とが設けられていて、用紙P先端(R)が当該ローラ対にニップされることにより、更に下流側に搬送される。ガイド駆動ローラ53の下流側には、大径のガイドローラ59が設けられるとともに、該ガイドローラ59を中心にした略U字形の形状をなす湾曲反転経路が形成されている。ガイドローラ59と対向する側には、回転駆動される反転駆動ローラ55が設けられ、該反転駆動ローラ55と、該反転駆動ローラ55に接して従動回転する反転従動ローラ57とよって用紙P先端(R)がニップされることにより、用紙Pは前記湾曲反転経路を更に進む。
ガイドローラ59によって形成された湾曲反転経路を通過し、用紙P先端(R)が第1駆動ローラ28と第1従動ローラ29とにニップされると、用紙Pは第2面(うら面)を上にした状態で記録ヘッド100へと再び搬送され、当該第2面への記録が実行される。
以上が、プリンタ1の全体構成についての概略である。
<2.記録部及び従動ローラホルダの詳細な構成>
続いて、図4乃至図8を参照しながら、記録部11、特に従動ローラホルダ26の詳細な構成について説明する。ここで、図4は記録部11の要部斜視図であり、図5は記録部11の要部平面図、図6は記録部11の要部側断面図、図7は従動ローラホルダ26の部分斜視図、図8は従動ローラホルダ26の断面図である。
図4において、複数(本実施形態では、4個)の従動ローラホルダ26は、主走査方向に延びるとともに略垂直に立設されたフレーム84に、捻りばね31を介して取り付けられ、捻りばね31の付勢力によって第1従動ローラ29を第1駆動ローラ28に圧接させている。
以下、第1従動ローラ29の保持構造について説明する。図8に示す様に、1つの従動ローラホルダ26に2つ設けられる第1従動ローラ29は、1つの回動軸30に、中央部に所定の間隔を置いて設けられている。この回動軸30の両軸端に望む位置には、当該両軸端を保持する保持部26f、26fが形成されていて、当該保持部26f、26fにより、回動軸30が、用紙Pの搬送方向(図8の紙面表裏方向)に変位しない様に保持される。
この保持部26fは、図7に示す様に回動軸30の軸線方向と直交する方向に延びるとともに第1駆動ローラ28の側に底部26cを備えた案内溝によって構成されている。より詳しくは、第1駆動ローラ28と回動軸30との間に位置する底部26cを備えるとともに、回動軸30の軸線方向と交差する面を成して回動軸30の軸端に望む側壁26bを備えたことで、図8に示す様に断面視(回動軸30の軸線方向と平行な面で切断した断面)において略L字形の形状を成す案内溝であり、回動軸30の軸線方向視においては、上方(第1駆動ローラ28から離間する方向)に開口を有する略U字形の形状を成す案内溝である。
一方、回動軸30は、図8に示すようにその軸線方向中央部近傍で、従動ローラホルダ26に形成された押圧部26eによって、第1駆動ローラ28に向けて付勢されている。この押圧部26eは、捻りばね31の一端31bによって駆動ローラ28に向けて押圧されていて、これにより、2つの第1従動ローラ29が、回動軸30を介して第1駆動ローラ28に押圧される。即ち、回動軸30の中心部分を押圧することで、2つの第1従動ローラ29を、バランスを取りながら1つの捻りばね31によって第1駆動ローラ28に圧接させる構成となっている。
次に、従動ローラホルダ26には、用紙Pのプラテン65からの浮き上がりを防止する押圧部材82が設けられている。即ち、記録部11において、用紙Pのプラテン65からの浮き上がりが発生すると、用紙Pが記録ヘッド100と擦れたり、記録ヘッド100との距離(ペーパーギャップ:PG)が変化することによって記録品質が低下する。特に、本実施形態では用紙反転部4によって第1面に記録の行われた用紙Pを湾曲反転させて、第2面に記録を可能に構成されているが、用紙の種類によっては、第1面に記録の行われた用紙Pが第1面を上にして凸となる様に椀状に反り返る傾向が発生する場合がある。この場合、第2面と記録ヘッド100とが対向すると、第2面の側端がプラテン65から浮き上がってしまい、ヘッド擦れやPG変化を招来する可能性がある。
そこで、押圧部材82によって、用紙Pをプラテン65に向けて押圧する。より詳しくは、押圧部材82は図6に詳しく示す様に側面視においてプラテン面65cと対向する面がフラットな面であるとともに下流側に突出する様な押圧部82aを有するとともに、揺動軸82bを中心にして図の時計方向及び反時計方向に揺動可能に設けられている。
この押圧部材82は、図5に示すように従動ローラホルダ26の平面視において、搬送従動ローラホルダ26とほぼ同じ幅寸法によって形成され、プラテン65に形成された第1リブ65aを避ける様な切り欠き部が設けられている。従ってこれにより、押圧部材82の回動軸82bを中心にした回動によって、先端の押圧部82aが、隣合う2つの第1リブ65aの間に入り込んでプラテン面65c側に近接したり、逆に符号82a’で示す様にプラテン面65cから離間したりすることが可能となっているとともに、図示しない付勢手段によって、プラテン面65cに向けて付勢された状態に設けられている。
以上により、押圧部材82は、用紙Pのリブからの浮き上がりを、第1リブ65aとの協働作用によって防止する機能を果たす。即ち、用紙Pが第1ローラによるニップ状態から解放されても、用紙Pが第1リブ65aと押圧部82aとによって主走査方向に波打つ形状が形成されるとともに、特に側端部分ではプラテン面65cに向けて湾曲(カール)した様な状態となるので、これによって用紙Pの見かけ上の剛性が向上し、ヘッド擦れやPG変化を防止でき、記録品質の低下を防止することができる。また、上記波打つ形状及び側端に形成されたカールは、押圧部82aの下流側にも波及することから、従って押圧部82aから下流側に離れた場所においても、確実に上記用紙浮き防止効果を得ることができる。
尚、押圧部材82の回動軸82b近傍に用紙Pが接し、そして下流側に進む際には、押圧部材82には用紙Pとの摩擦力によって押圧部82aがプラテン面65cから離間する方向の回転モーメントが付与されてしまい、上記押圧効果が低減してしまう虞がある。そこで、押圧部材82の回動軸82b近傍において用紙Pと接する部分を自由回転可能な接触ローラ83によって構成し、これによって上記回転モーメントの発生を防止することで、用紙Pをプラテン面65cに向けて確実に押圧している。
ところで、接触ローラ83の回動軸82bは、図7に示す様に従動ローラホルダ26において保持部26fの近傍に設けられた軸支部26dに軸支される為、従動ローラホルダ26は保持部26f近傍において用紙Pから上向きの力(第1駆動ローラ28から離間する方向の力)を受けることになり、場合によって従動ローラホルダ26の本体26aは、図9(B)を参照しながら説明した様に保持部26f(図9では保持部502)が第1駆動ローラ28(図9では駆動ローラ507)から浮き上がる様に変形する虞がある。また、例えば回動軸30の両軸端に設けられた保持部26fの、片側を厚手の用紙Pが通過した際(従動ローラホルダ26における用紙Pの偏在時)にも、同様な変形が生じる虞がある。これは特に、回動軸30を押圧する押圧部26eが、捻りばね31によって常に第1駆動ローラ28に向けて押圧されていることから、第1駆動ローラ28に対する押圧部26eの位置が変化せず、従って保持部26fに第1駆動ローラ28から離間する方向の力が加わると、搬送方向から視て湾曲する様な(図9(B)に示す様な)変形が発生し易い構成となっている為である。以上により、本体26aが変形すると、回動軸30の軸端が保持部26fから第1駆動ローラ28の側に相対的に外れた状態となり、正常な搬送動作を実行できなくなる。
そこで本実施形態においては、回動軸30の保持部26fからの外れを防止する外れ防止手段を設けている。外れ防止手段は、図7及び図8に示すように保持部26fに設けられた底部26cによって構成され、底部26cにより、回動軸30の保持部26fからの外れが防止され、常に正常な搬送動作が実行できる様になっている。
尚、上記外れ防止手段は、回動軸30の保持部26fからの外れを防止できる手段であればどの様な手段であっても構わない。例えば、本実施形態の様に開口部を有する略U字形の形状を成す溝によって保持部26fを形成し、これによって回動軸30の保持部26fからの外れを防止するのではなく、開口部を有さない穴形状によって保持部26fを形成しても良い。しかし、本実施形態の様に開口部を形成することで、回動軸30の両軸端を嵌め入れる際の作業性に優れ、容易に第1従動ローラ29を従動ローラホルダ26に取り付けることが可能となる。
本発明に係るプリンタの外観斜視図。 本発明に係るプリンタの側断面概略図。 本発明に係るプリンタの要部平面図。 本発明に係るプリンタの、記録部の要部斜視図。 本発明に係るプリンタの、記録部の要部平面図。 本発明に係るプリンタの、記録部の要部側断面図。 本発明に係る従動ローラホルダの部分斜視図。 本発明に係る従動ローラホルダの断面図。 従来技術に係るローラ保持体の断面図である。 従来技術に係る保持部の斜視図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、1a 装置本体、2 給紙部、3 オプション給紙ユニット、4 反転部、5 フェイスダウン(Fd)排出部、6 フェイスアップ(Fu)排出部、11 記録部、26 従動ローラホルダ、26a 本体、26b 側壁、26c 底部、26d 軸支部、26e 押圧部、26f 保持部、28 第1駆動ローラ、29 第1従動ローラ、30 回動軸、31 捻りばね、32 第2駆動ローラ、33 第2従動ローラ、35 補助ローラ、36 第3駆動ローラ、37 第3従動ローラ、65 プラテン、65a 第1リブ、65b 第2リブ、65c プラテン面、65d 補助リブ、82 押圧部材、82a 押圧部、82b 回動軸、83 接触ローラ、100 インクジェット記録ヘッド、500 Fd排出口、600 Fu排出口、P 印刷用紙

Claims (8)

  1. 回動駆動される駆動ローラに接して従動回動する従動ローラの回動軸を、当該回動軸の軸線方向中心近傍を前記駆動ローラに向けて押圧することで前記従動ローラを前記駆動ローラに圧接させる押圧部と、
    前記回動軸の軸端に配置されるとともに当該軸端を保持する保持部と、を備え、
    前記保持部が、前記回動軸の軸線方向と直交する方向に延びるとともに前記駆動ローラの側に底部を備えた案内溝によって構成されている、
    ことを特徴とする前記従動ローラの保持体。
  2. 請求項1において、前記案内溝が、前記駆動ローラから離間する方向に開口部を備えたことにより、前記回動軸の軸線方向視において略U字形の形状を成す様に形成されている、
    ことを特徴とする前記従動ローラの保持体。
  3. 回動駆動される駆動ローラに接して従動回動する従動ローラの回動軸を、当該回動軸の軸線方向中心近傍を前記駆動ローラに向けて押圧することで前記従動ローラを前記駆動ローラに圧接させる押圧部と、
    前記回動軸の軸端に配置されるとともに当該軸端を保持する保持部と、を備え、
    前記保持部が、前記回動軸の前記保持部から前記駆動ローラ側への相対的な外れを防止する外れ防止手段を備えている、
    ことを特徴とする前記従動ローラの保持体。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、前記従動ローラの保持部近傍に、前記従動ローラの回動軸とは異なる第2の回動軸を軸支する軸支部が設けられている、
    ことを特徴とする前記従動ローラの保持体。
  5. 請求項4において、前記回動軸の軸線方向視において、前記第2の回動軸を中心に揺動可能に設けられるとともに、前記駆動ローラと前記従動ローラとでニップされ且つ前記駆動ローラの回動によって搬送されるシート材を前記駆動ローラの側に押圧する押圧部材を備えている、
    ことを特徴とする前記従動ローラの保持体。
  6. 請求項5において、前記第2の回動軸を回動軸とするとともに前記シート材と接して従動回動する接触ローラが設けられている、
    ことを特徴とする前記従動ローラの保持体。
  7. 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドと対向して設けられるとともに、前記記録ヘッドと対向する面に、副走査方向に延びるリブを主走査方向に所定の間隔を置いて備えた、前記記録ヘッドと被記録媒体との距離を規定するプラテンと、
    前記記録ヘッドの上流側に設けられ、回転駆動される駆動ローラと、
    前記駆動ローラに接して従動回転する従動ローラと、
    前記従動ローラを保持する請求項1から6のいずれか1項に記載された前記従動ローラの保持体と、
    を備えていることを特徴とする記録装置。
  8. 被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドと対向して設けられるとともに、前記液体噴射ヘッドと対向する面に、副走査方向に延びるリブを主走査方向に所定の間隔を置いて備えた、前記液体噴射ヘッドと被噴射媒体との距離を規定するプラテンと、
    前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられ、回転駆動される駆動ローラと、
    前記駆動ローラに接して従動回転する従動ローラと、
    前記従動ローラを保持する請求項1から6のいずれか1項に記載された前記従動ローラの保持体と、
    を備えていることを特徴とする液体噴射装置。
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