JP2004263952A - 排ガスからの熱回収方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボイラによる熱回収に先だって行う除塵処理では、小さな圧力損失で高い除塵効率が得られ、ボイラによる熱回収では、伝熱管の腐食が促進されることなく、温度、圧力の高いの蒸気を発生させることができ、熱エネルギーを効率よく回収することができる排ガスからの熱回収方法およびその装置を提供すること。
【解決手段】熱回収方法は、廃棄物の焼却設備もしくはガス化設備から排出されるガスを高温で除塵した後、ボイラで熱回収する方法において、ボイラ30による熱回収に先だって排ガスを高温除塵装置20へ導入して除塵処理する際に、ガス中で融解する除塵用助剤および/またはガス中の成分と反応してガス中で融解する化合物を生成する除塵用助剤を用いる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス化炉、焼却炉、燃焼炉などの炉から発生するダストを含む高温の排ガスから熱回収する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来から、都市ごみ、廃プラスチック、廃木材、廃油などの廃棄物類は、主に焼却によって処分されてきたが、近年、廃棄物の燃焼排ガスから熱を回収したり、あるいは廃棄物を熱分解させ、その熱分解ガスを精製してガスエンジンの燃料や化学合成原料として使用する方式によるエネルギー回収技術が開発されている。
【0003】
しかし、廃棄物の燃焼や熱分解に伴って発生するガスをボイラへ導入して蒸気を発生させる熱回収においては、多量のダストが含まれているガスからの熱回収が行われるので、次に述べるように、そのダストにより熱エネルギーの効率的な回収が妨げられている。
【0004】
ボイラで発生した蒸気を発電装置へ送って発電する場合、発電効率を高めるためには、温度、圧力が高い蒸気を発生させる必要があるが、廃棄物の燃焼や熱分解に伴って発生するガスから熱回収するボイラにおいては、従来から、温度300℃、圧力30kg/cm 程度の蒸気しか発生させることができず、一般の重油焚き等の産業用燃焼ボイラに比べ発電効率が悪くなっている。
【0005】
その理由は、温度の高い蒸気を発生させようとすると、伝熱管の表面温度が高くなり、廃棄物の燃焼や熱分解に伴って発生した塩化ナトリウムなどの塩類がボイラの伝熱管に融着し、その溶融塩が伝熱管の腐食を促進させるためである。また、伝熱管の腐食は、ガス中に塩類と共に塩化水素などの腐食性ガスが含まれている場合に、著しく促進される。そして、その腐食速度は、温度による影響が大きく、高温であるほど大きくなる。
【0006】
このような事情により、従来から、廃棄物の燃焼や熱分解に伴って発生するガスから熱回収するボイラにおいては、蒸気の温度、および圧力をあまり高くすることが出来ず十分な電力回収量を得ることが出来なかった。
【0007】
上記のような問題に対処し、ダストを含む高温ガスから温度、圧力が高い蒸気を発生させる熱回収技術がある(例えば、特許文献1)。特許文献1には、燃焼反応を伴なう部分酸化炉で、不完全燃焼もしくは部分酸化させることにより発生する可燃性ガスの温度を450〜650℃に調整し、この温度範囲に調整されたガスをセラミックフィルタなどの除塵装置へ導入して除塵処理した後、燃焼炉で燃焼させ、その高温燃焼ガスをボイラへ導入して熱回収する方法が記載されている。
【0008】
しかし、特許文献1の技術においては、除塵装置へ導入するガスの温度を450〜650℃の範囲に調整しなければならないと言う問題がある。この温度範囲は、廃棄物燃焼炉などから発生する燃焼ガスなどの温度と比べると、かなり低い温度領域である。そして、この温度範囲の上限を650℃にする限定は、650℃以上になると、ダスト中の塩類が溶融して除塵装置などに付着し、目詰まりなどのトラブルが発生するためであるとされている。
【0009】
このように、特許文献1の技術は、除塵装置の目詰まりなどのトラブルを防止するための考慮がなされた技術であるが、除塵装置へ導入するガス温度が上記範囲に限定される特定の熱分解炉などから発生するガスなどの熱回収にのみ適用されるものであって、燃焼炉など他の一般の炉から発生する高温ガスの熱回収技術としては採用することができない。
【0010】
ところで、目詰まりなどのトラブルが起こりにくい除塵技術として、ダスト類を含むガスを固体粒子の充填層を通過させてダスト類を捕集する方式(粒子充填層方式)による除塵方法がある。粒子充填層方式による除塵は移動層除塵あるいはグラニュラーフィルター式除塵とも呼ばれ、ダスト類を含むガスが粒子充填層を通過する際に、ダスト類の運動が充填粒子によって妨げられたり、ダスト類が充填粒子に衝突したりすることにより捕捉される除塵方式である。このため、粒子充填層方式による装置は、ダストの付着による目詰まりトラブルが起こりにくく、導入するガス温度の上限についても、装置材質が許容する範囲内であれば、特許文献1に記載されているような温度範囲には限定されない。
【0011】
このように、廃棄物を焼却したり、熱分解してガス化したりした際に発生するガスを除塵処理する場合、粒子充填層方式の除塵装置を使用すれば、ダストの付着による目詰まりトラブルが起こりにくく、導入するガス温度についても、限定されないが、粒子充填層方式の除塵装置には次のような問題点がある。
【0012】
粒子充填層方式による除塵においては、粒子の隙間をすり抜けて飛散するダストがある程度発生することが本質的に避けられず、除塵効率が比較的低いと言うことが問題として挙げられている。また、除塵効率を高めるためには、ガスが通過する充填層の厚さを厚くしなければならないが、充填層を厚くすると、圧力損失が増大することが問題になる。
【0013】
上記の問題を考慮し、かつ除塵効率を高める方法としては、充填層を設ける槽の構造を変えたり、あるいは間隔を置いて複数の充填層を設け、排ガスを何度も充填層を通過させるものがある。
【0014】
充填層を設ける槽の構造に関わる技術としては、例えば、特許文献2には、その構造を変えることにより、従来技術より充填層の厚さを薄くすることができる粒子充填層方式の除塵装置が開示されているが、それでも充填層の厚さは1m、充填層の圧力損失は1400mm−aqであることが実施例に記載されている。しかし、1400mm−aqという圧力損失は、常圧付近で運転する一般の焼却炉、燃焼炉、ガス化炉においては、非常に大きい値である。このため、特許文献2の粒子充填層方式の除塵装置を設置する場合には、能力が高い誘引送風機を備えなければならず、設備全体がコスト高になる。
【0015】
また、例えば、特許文献3には、排ガスを複数の充填層を通過させる装置が開示されているが、この場合には、圧力損失が大きくなったり、あるいは装置が複雑になりすぎて設備全体がコスト高になったりすると言う問題がある。
【0016】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ボイラによる熱回収に先だって行う除塵処理では、小さな圧力損失で高い除塵効率が得られ、ボイラによる熱回収では、伝熱管の腐食が促進されることなく、温度、圧力の高いの蒸気を発生させることができ、熱エネルギーを効率よく回収することができる排ガスからの熱回収方法およびその装置を提供することを課題とする。
【0017】
【特許文献1】
特開2000−161622号公報
【0018】
【特許文献2】
特開2001−129338号公報
【0019】
【特許文献3】
特開平9−220434号公報
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するに当って、高温ガスの除塵方式についての検討を行い、除塵処理温度が限定されない粒子充填層方式が好ましい除塵方式の一つであるとの結論を得たが、除塵処理を粒子充填層方式で行って、効率的な熱回収を行うためには、小さな圧力損失で高い除塵効率が得られる除塵装置を開発しなければならない。
【0021】
粒子充填層方式による除塵の原理は、ダストが充填粒子に衝突したり、充填粒子により運動が妨げられたりして、充填粒子に捕捉されることによるものである。しかし、粒子充填層方式の除塵においては、ダストが充填粒子に捕捉されても、ガス流により再び離脱してしまうものが多いため、除塵効率が低くなるものと考えられる。このため、充填粒子に捕捉されたダストの離脱、すなわち再飛散を抑えることができれば、高い除塵効率が達成される。
【0022】
本発明者らは、再飛散を抑えることにより除塵効率を向上させる研究を行った。そして、その研究過程において、排ガス中に含まれるダストの種類によって除塵効率が変化することを見出した。次いで、ダストの種類と除塵効率の関係を調べたところ、除塵装置の粒子充填層へ導入される排ガスの温度において溶融状態あるいは粘着性の高い状態になる成分がダスト中に多く含まれる場合に、除塵効率が高くなることが分かった。
【0023】
そこで、除塵装置へ導入するガス中に、融点が導入される排ガスの温度よりも低い物質を添加し、その低融点物質を排ガスと共に除塵装置へ導入したところ、除塵効率が大幅に向上した。この結果から、除塵装置の粒子充填層に、融点が導入される排ガスの温度よりも低い物質を存在させれば、その低融点の物質が充填粒子の表面で融解して、飛散してきたダストがその融解物に付着して捕捉され、除塵効率が向上するものと考えられる。このため、上記のような低融点の物質は除塵効率を高める助剤の役割をなすものであることが分かった。
【0024】
本発明は上記の実験結果および考察に基づいてなされたものであり、次のような特徴を有する。
【0025】
請求項1に記載の発明に係る排ガスからの熱回収方法は、廃棄物の焼却設備もしくはガス化設備から排出されるガスを高温で除塵した後、ボイラで熱回収する方法において、前記除塵を行う際に、前記ガス中で融解する除塵用助剤、および/または、前記ガス中の成分と反応して前記ガス中で融解する化合物を生成する除塵用助剤を用いることを特徴としている。
【0026】
請求項2に記載の発明に係る排ガスからの熱回収方法は、請求項1に記載の発明において、前記ガスを高温で除塵する際に、粒子充填移動層型の除塵装置を使用することを特徴としている。
【0027】
請求項3に記載の発明に係る排ガスからの熱回収方法は、請求項2に記載の発明において、前記除塵装置から排出された粒子からダストを分離し、ダストを分離した粒子を前記除塵装置に返送することを特徴としている。
【0028】
請求項4に記載の発明に係る排ガスからの熱回収方法は、請求項3に記載の発明において、粒子から分離したダストから塩類を分離し、残余のダストを前記廃棄物の焼却設備もしくはガス化設備に返送することを特徴としている。
【0029】
請求項5に記載の発明に係る排ガスからの熱回収装置は、高温除塵装置とボイラを備えた廃棄物の焼却設備もしくはガス化設備から排出される排ガスからの熱回収装置において、前記高温除塵装置が、前記排ガス中で融解する除塵用助剤、および/または、前記排ガス中の成分と反応して前記排ガス中で融解する化合物を生成する除塵用助剤を使用する装置であることを特徴としている。
【0030】
請求項6に記載の発明に係る排ガスからの熱回収装置は、請求項5に記載の発明において、前記高温除塵装置が、粒子充填移動層型の除塵装置であることを特徴としている。
【0031】
請求項7に記載の発明に係る排ガスからの熱回収装置は、請求項6に記載の発明において、前記高温除塵装置から排出された粒子からダストを分離する手段と、ダストを分離した粒子を前記高温除塵装置に返送する手段を設けたことを特徴としている。
【0032】
請求項8に記載の発明に係る排ガスからの熱回収装置は、請求項7に記載の発明において、粒子から分離されたダストから塩類を分離する手段と、塩類を分離後の残余のダストを前記廃棄物の焼却設備もしくはガス化設備に返送する手段を設けたことを特徴としている。
【0033】
請求項9に記載の発明に係る排ガスからの熱回収装置は、請求項7または請求項8に記載の発明において、ボイラの後段に、排ガス中に有害ガス成分除去剤を添加する手段と、低温除塵装置を設け、前記高温除塵装置から排出されたダストから分離された塩類を前記ボイラと前記低温除塵装置との間の排ガス中に返送する手段を設けたことを特徴としている。
【0034】
請求項10に記載の発明に係る排ガスからの熱回収装置は、請求項9に記載の発明において、前記高温除塵装置から排出されるダストから塩類を分離する手段が、前記ダストを水洗する手段であり、前記手段より排出される塩類水溶液を前記ボイラと前記低温除塵装置との間に設けた減温塔に導入する手段を設けたことを特徴としている。
【0035】
上記の各発明においては、粒子に捕捉されたダストの再飛散を防止するために、除塵装置の粒子充填層に、導入される排ガス中で溶融状態あるいは粘着性を有する状態に変化する物質(除塵用助剤)を存在させるようにし、融解した除塵用助剤に排ガス中のダストを付着させることを図っている。粒子充填層に除塵用助剤を存在させることにより、ダストが融解した除塵用助剤に付着して捕捉されるので、ダストの捕捉率が向上すると共に、捕捉されたダストの再飛散が防止され、高い除塵効率が達成される。
【0036】
本発明において使用する除塵用助剤は、除塵装置へ導入する排ガス中で融解する物質、またはその排ガスガス中の成分と反応してガス中で融解する化合物を生成する物質、あるいはその双方を含むものである。
【0037】
除塵装置へ導入する排ガス中で融解する物質を除塵用助剤として使用する場合、好ましいものとしては、融点が排ガスの温度よりも低く、かつ300℃以上の無機物質である。除塵用助剤は高温の排ガス中で融解させるものであり、高温域において安定な物質であることを要するが、低融点の物質は、一般に、高温域で気化したり、分解したりする。このため、高温域で安定な物質として、融点が300℃以上の無機物質を使用するのがよい。
【0038】
上記の条件に適うものとして、アルカリ金属化合物のアルカリ類や塩類、アルカリ土類金属の塩化物などの塩類がある。これらの物質は、比較的に融点が低く、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの融点は700℃〜800℃程度であり、その融点の前後およびそれ以上の温度では融解して粘着性を示す。このため、700℃〜800℃以上の排ガスが通過する充填層中の粒子の表面に、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの物質を付着されば、それらの物質が融解して粘着性を有するものになり、その上にダストが付着して捕捉されるので、ダストの再飛散が防止される。
【0039】
また、排ガスガス中の成分、例えば、酸性ガスと反応してガス中で融解する化合物を生成する物質を除塵用助剤として使用する場合、その物質の融点は排ガス温度以下であることに限定されない。酸性ガスが含まれているガスを処理する場合には、融点がガス温度よりも高い物質であっても、その物質が酸性ガスと反応して排ガス温度以下の融点を有する化合物が生成するものであれば、その物質を添加することにより、除塵効率を高めることができる。例えば、塩化水素、硫黄酸化物、硫化水素などの酸性ガスを含む排ガスを処理する場合に、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、または炭酸水素塩などの物質が存在していると、その物質が上記酸性ガスと反応して、元の物質よりも融点が遥かに低い塩化物、硫酸塩、硫化物などが生成する。そして、その生成物質が粒子充填層の粒子表面で融解し、除塵効率を高める作用をする。このため、酸性ガスが含まれている排ガスを処理する場合には、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、または炭酸水素塩などの物質を除塵用助剤として使用することができる。
【0040】
なお、除塵用助剤を添加した際に、添加した除塵用助剤とダスト中の他の成分が混合されたり、あるいは複数種類の除塵用助剤を添加したときには、固溶体が生成し、その融点はそれぞれ単独の化合物の融点よりも低くなることが多い。このため、添加する除塵用助剤の融点が、ガス温度に近接していても、あるいはそれ以下であっても、除塵用助剤の種類とダストの組成によっては、ダストの再飛散を防止することができることがある。
【0041】
そして、本発明によれば、酸性ガスが含まれている排ガスを処理する場合、特定の除塵用助剤を選定することにより、ダストが除去されるとともに、塩素化合物や硫黄化合物などの酸性ガスを除去することもできる。すなわち、除塵用助剤として、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、または酸化物のいずれかを選定すれば、それらの物質が融解して除塵効率を高める助剤の役割をなすとともに、酸性ガスの吸収剤の役割をもなす。
【0042】
上記のように、本発明においては、好ましい除塵方式の一つとして、目詰まりが起こりにくく、導入ガス温度の上限が限定されない粒子充填層方式を選び、その方式による除塵処理を行う際には、除塵装置の粒子充填層に除塵用助剤を存在させ、飛散してきたダストをその除塵用助剤に付着させて捕捉するので、高い除塵効率を達成することができる。このため、除塵装置の下流に配置されているボイラにおいては、ダストに起因する伝熱管の腐食が低減され、より高い温度と圧力の蒸気を発生させることができる。
【0043】
また、粒子充填層に除塵用助剤を存在させることにより、ダストの捕捉率が高くなるので、粒子充填層の厚さを格段と薄くすることができ、除塵装置の圧力損失を大幅に低減することができる。
【0044】
粒子充填層方式の除塵装置から抜き出された粒子は、付着しているダストを分離する処理がなされた後、除塵装置へ返送される。この際、分離されたダストは、シリカやアルミナ等の灰分と、少量の塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩類からなるものであるが、これをそのまま埋立て処分することはできず、その処分に際しては、有害物除去などの処理を施さなければならない。
【0045】
本発明においては、除塵装置から抜き出された粒子から分離したダストを系内で処理することにより、その処分の簡素化を図っている。ダストを系内で処理する場合、ダストには沸点の低い塩類が含まれており、この塩類が除塵装置より上流の炉へ返送される処理を行うと、塩類が気化し、排出されることなく、再び除塵装置へ舞い戻ってきてしまうので、粒子から分離したダストをシリカやアルミナ等の灰分と塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩類に分ける処理を行い、灰分は排ガス発生元の炉へ返送し、塩類はボイラより下流の排ガス中へ投入する。排ガス発生元へ返送された灰分は、再度加熱された後、焼却灰やスラグとして排出される。また、ボイラより下流の排ガス中投入された塩類は、低温除塵装置で捕集され、集塵灰として処分される。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面によって本発明を具体的に説明する。図1は本発明に係る一例の熱回収装置を備えた廃棄物ガス化設備の説明図である。図1に示す熱回収装置は高温除塵装置とボイラを有し、ボイラの上流に高温除塵装置が配置されたものである。図1において、10は廃棄物を空気などの酸化剤で部分酸化してガス化する廃棄物ガス化炉、20は粒子充填層方式で移動層型の高温除塵装置、21は除塵装置内に形成される粒子充填層、30は排ガスの熱回収をするボイラ、40は熱回収後の排ガスを急冷する減温塔、41は低温除塵装置として設けられたバグフィルタである。
【0047】
そして、22は除塵装置の粒子充填層21に除塵用助剤を存在させるようにするために、除塵装置20へ導入する排ガスに除塵用助剤を添加する除塵用助剤供給装置、23は除塵装置20へ充填用粒子を供給する粒子供給装置、24は除塵装置20から連続的あるいは間欠的に抜き出される粒子からダストを分離するダスト分離手段、25はダスト分離手段24でダストが除かれた粒子を粒子供給装置20へ返送する輸送手段、26はダスト分離手段24で粒子から分離されたダストを灰分と塩類に分ける塩類分離手段、27は塩類分離手段26で塩類が除かれたダスト(灰分)を炉10へ返送する輸送手段、28は塩類分離手段26で分離された塩類をボイラ30と低温除塵装置41の間の排ガス中へ装入するための輸送手段である。
【0048】
粒子からダストを分離するダスト分離手段24は、粒子を水洗する方式が採用されている。このため、塩類分離手段26では、ダスト分離手段24から排出されたダストの懸濁液を濾過あるいは沈降分離などによる固液分離処理が行われ、灰分のスラッジと塩類の水溶液に分けられる。そして、灰分はスラッジの状態で炉10内へ吹込まれ、塩類は水溶液のまま急冷用の水と共に減温塔40へ吹込まれるようになっている。
【0049】
なお、粒子充填層21に存在させる除塵用助剤は、上記のようにして除塵装置20へ導入する排ガスに添加してもよいし、除塵装置20へ供給する充填粒子に付着させてもよい。
【0050】
粒子充填層21に存在させる除塵用助剤としては、次に挙げるものを使用することができる。
【0051】
除塵装置20へ導入される排ガス中で融解する除塵用助剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属化合物、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属の塩類、または、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩類があり、これらのものを2種以上併用してもよい。
【0052】
また、粒子充填層へ導入される排ガス中の酸性成分と反応して該排ガス中で融解する化合物を生成する除塵用助剤としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムがあり、これらのものを2種以上併用してもよい。
【0053】
なお、本発明で使用することができる除塵用助剤は、排ガス中で融解する物質と、排ガス中の成分と反応して融解する化合物を生成する物質とに区分されるが、この区分された物質はそれぞれ単独で使用することに限定されるものではなく、上記2つの区分のものを併用してもよい。
【0054】
図1の構成による廃棄物処理設備の操業と熱回収は次のように行われる。廃棄物ガス化炉10で酸化分解されてガス化した排ガスは煙道11を通り、高温のまま除塵装置20へ導入される。この際、除塵装置20に近接する排ガス煙道中へ粉体あるいは水溶液の状態の除塵用助剤が吹込まれ、その除塵用助剤が排ガスと共に除塵装置20へ導入されて粒子充填層21で捕集される。粒子充填層21では、捕集された除塵用助剤が融解し、その融解物が粒子を濡らす。そして、飛散してきたダストは粒子表面の融解物(除塵用助剤)に付着し、粒子に固定される。このため、粒子に捕捉されたダストの再飛散は起こらない。
【0055】
粒子充填層21を通過してダストが除去された排ガスは高温状態を保ちながら除塵装置20から排出してボイラ30へ導入される。ボイラ30では、ダストが除去された排ガスが導入されるので、伝熱管の腐食が促進されることなく、温度540℃、圧力100kg/cm 程度の温度、圧力の高い蒸気を発生させることができる。発生した蒸気は発電装置へ送られる。
【0056】
ボイラ30で熱回収された排ガスは減温塔40で水が噴霧されて急冷され、バグフィルタ41に導入可能の温度まで下げられた後、有害ガス除去処理の工程へ送られる。冷却された排ガスにはアルカリ剤供給装置42から消石灰などのアルカリ剤の粉末が吹込まれ、塩化水素や硫黄酸化物などの酸性ガスが吸収されて除去される。アルカリ剤が吹込まれた排ガスはバグフィルタ41へ導入され、除塵処理される。ここで、先に吹込まれたアルカリ剤と酸性ガスの反応性生物および未反応のアルカリ剤が捕集されて除去され、清浄化されて放散される。
【0057】
なお、前記の除塵処理で酸性ガス吸収剤の機能をも有する除塵用助剤を使用する場合、排ガス中の酸性ガスの濃度や種類によっては、熱回収後の排ガスにアルカリ剤を添加しなくても、あるいは少量を添加するたけで、酸性ガスの濃度を放散できる値まで低下させることができる。
【0058】
一方、除塵装置20で排ガス中のダストを捕捉した粒子は、連続的あるいは間欠的に抜き出され、ダスト分離手段24へ投入される。ダスト分離手段24では粒子を水洗する処理が行われ、粒子に付着していたダストは懸濁液の状態になって粒子から除かれる。ダストが除去された粒子は、必要に応じて乾燥され、粒子供給装置23へ返送されて循環使用される。
【0059】
ダスト分離手段24から排出されたダストは灰分と塩類の混合物であり、塩類はボイラの伝熱管の腐食を促進させる物質であるので、このダストを系外へ排出することなく系内で処理するためには、灰分と塩類を分離し、それぞれ別の工程へ返送して処理しなければならない。
【0060】
このため、ダスト分離手段24から排出されたダストの懸濁液は、塩類分離手段26で、濾過あるいは沈降分離によるによる固液分離処理が施され、灰分のスラッジと塩類の水溶液に分けられる。灰分はスラッジの状態で廃棄物ガス化炉10内へ吹込まれ、新たに投入された廃棄物の灰分と共にスラグとなって排出される。塩類の水溶液はボイラから排出された排ガスを急冷する水の一部として使用され、減温塔40内へ吹込まれる。吹込まれた水溶液中の塩類は水分が蒸発して粉末になるので、バグフィルタ41で捕集され、集塵灰として処理される。
【0061】
【発明の効果】
以上述べた本発明によれば、ボイラによる熱回収に先だって行う除塵処理では、小さな圧力損失で高い除塵効率が得られるので、ボイラの伝熱管の腐食が促進されることなく、温度、圧力の高い蒸気を発生させることができ、熱エネルギーを効率よく回収することができる。
【0062】
また、除塵処理に用いる除塵用助剤の選定によっては、除塵と酸性ガスの除去処理が同時に行われ、ボイラの上流で酸性ガスの除去処理がなされるので、ボイラの伝熱管の腐食が一層低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一例の熱回収装置を備えた廃棄物ガス化設備の説明図である。
【符号の説明】
10 廃棄物ガス化炉
11 排ガス煙道
20 高温除塵装置
21 粒子充填層
22 除塵用助剤供給装置
23 粒子供給装置
24 ダスト分離手段
25 輸送手段
26 塩類分離手段
27 輸送手段
28 輸送手段
30 ボイラ
40 減温塔
41 バグフィルタ
42 アルカリ剤供給装置

Claims (10)

  1. 廃棄物の焼却設備もしくはガス化設備から排出されるガスを高温で除塵した後、ボイラで熱回収する方法において、前記除塵を行う際に、前記ガス中で融解する除塵用助剤、および/または、前記ガス中の成分と反応して前記ガス中で融解する化合物を生成する除塵用助剤を用いることを特徴とする排ガスからの熱回収方法。
  2. 前記ガスを高温で除塵する際に、粒子充填移動層型の除塵装置を使用することを特徴とする請求項1に記載の排ガスからの熱回収方法。
  3. 前記除塵装置から排出された粒子からダストを分離し、ダストを分離した粒子を前記除塵装置に返送することを特徴とする請求項2に記載の排ガスからの熱回収方法。
  4. 粒子から分離したダストから塩類を分離し、残余のダストを前記廃棄物の焼却設備もしくはガス化設備に返送することを特徴とする請求項3に記載の排ガスからの熱回収方法。
  5. 高温除塵装置とボイラを備えた廃棄物の焼却設備もしくはガス化設備から排出される排ガスからの熱回収装置において、前記高温除塵装置が、前記排ガス中で融解する除塵用助剤、および/または、前記排ガス中の成分と反応して前記排ガス中で融解する化合物を生成する除塵用助剤を使用する装置であることを特徴とする排ガスからの熱回収装置。
  6. 前記高温除塵装置が、粒子充填移動層型の除塵装置であることを特徴とする請求項5に記載の排ガスからの熱回収装置。
  7. 前記高温除塵装置から排出された粒子からダストを分離する手段と、ダストを分離した粒子を前記高温除塵装置に返送する手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の排ガスからの熱回収装置。
  8. 粒子から分離されたダストから塩類を分離する手段と、塩類を分離後の残余のダストを前記廃棄物の焼却設備もしくはガス化設備に返送する手段を設けたことを特徴とする請求項7に記載の排ガスからの熱回収装置。
  9. ボイラの後段に、排ガス中に有害ガス成分除去剤を添加する手段と、低温除塵装置を設け、前記高温除塵装置から排出されたダストから分離された塩類を前記ボイラと前記低温除塵装置との間の排ガス中に返送する手段を設けたことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の排ガスからの熱回収装置。
  10. 前記高温除塵装置から排出されるダストから塩類を分離する手段が、前記ダストを水洗する手段であり、前記手段より排出される塩類水溶液を前記ボイラと前記低温除塵装置との間に設けた減温塔に導入する手段を設けたことを特徴とする請求項9に記載の排ガスからの熱回収装置。
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