JP2004002587A - 環境に優しいごみの資源化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は低コストでダイオキシンや有害重金属類の環境への排出を抑制しつつ、ごみ発電の効率を上げ、焼却灰をセメント等の工業用原料として有効に利用することを目的とする。
【解決手段】ごみを400〜750℃で熱分解し熱分解炉出口に設けた熱回収部でガス温度を70〜500℃に下げると共にアルカリ性物質を吹き込んで塩化水素などを固定し、次いで集塵機で分解ガス中のアルカリ塩、未反応アルカリ性物質と粉化した流動媒体及び熱分解残滓等を含む固形分を除去して、得られるクリーンなガス成分は発電用等の燃料用ガスとして利用し、除去された固形分はアルカリ分を除いた後セメントや高炉用の工業用原料として利用することを特徴とするごみの資源化方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は低コストでダイオキシン等の環境に有害な物質の発生を抑制しつつ、ごみを資源として有効に利用することを目的とするごみ処理技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】
ダイオキシンは化学的に安定であるために環境の中では分解され難く、たとえ排出濃度が低くても経年的に環境の中に蓄積され、やがてそれが食物連鎖を経て人体に大きな害を与える恐れがあるために、都市ごみや、産業廃棄物の焼却炉からの排ガスや飛灰・焼却灰から排出されるダイオキシンと有害重金属を含む飛灰・焼却灰の処理が深刻な社会問題になっている。
【0003】
ダイオキシンと飛灰・焼却灰の究極的な処理方法として、ガス化熔融炉が次世代のごみ焼却技術として開発されている。ガス化熔融炉を次世代ごみ焼却技術と位置づける根拠は1400〜1500℃の高温に曝せばダイオキシンは焼き尽くされ、排ガス中のダイオキシン濃度は0.01ng(TEQ)/mNのレベルに、灰分はダイオキシンを含まず且つ有害重金属を溶出しない熔融スラグになるから安全であると言うものである。しかし、この方式は処理工程が複雑であり、且つ1400〜1500℃の過酷な温度条件下での操作を含むために、炉材の寿命が短かかったり、また除塵工程でのde novo合成を避けるために排ガス温度を下げ、その後NOxを除去するために排ガス温度を上げると言った無駄な操作を行なっている。その対応のために建設費のみならず維持管理費も高くつき、見かけ以上にコスト高になる。また高いコストをかけて処理したにもかかわらずその生成物である熔融スラグは依然として廃棄物扱いでしかないと言う問題も残されている。
【0004】
一方、飛灰・焼却灰の熔融処理をごみ処理プラントの中で自己完結的に小規模に処理するのでなく、セメント原材料として1450℃のセメントキルンの中に投入して処理すると言う考え方があるが、この方式が飛灰・焼却灰の処理方法としては国民経済的にも最も合理的な方法であると考えられる。
【0005】
また近年ごみを厄介な廃棄物からエネルギ−資源として見直そうと言う動きがあるが、その際の最大の問題点はごみから発生するHClによるボイラ伝熱管の高温腐蝕のために発電効率が10数%を越えられなかったことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は低コストでダイオキシンや有害重金属類の環境への排出を抑制しつつ、ごみ発電の効率を上げ、焼却灰をセメント等の工業用原料として有効に利用することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は焼却炉におけるダイオキシン生成メカニズムを研究する中で、炉内のHCl濃度がダイオキシンの生成に大きく影響していること、つまり、
[ダイオキシンの生成量] ∝ [ HCl濃度 ]2〜3
の関係を見出した。仮に炉内でHCl発生後直ちにHClを除去し、HCl濃度を1/10にすればダイオキシンの発生量は1/100〜1/1000になる。
【0008】
ガス化熔融炉法ではダイオキシン抑制は1400〜1500℃の過酷な温度条件下で強引に焼き尽くすことによって、ようやく0.01ng(TEQ)/mNのレベルが達成されるのであるが、本発明者の研究によると極く普通の焼却炉において炉内のHCl濃度を迅速に1/10にするだけの方法で、ダイオキシン排出量は1 ng(TEQ)/mNのレベルにあったものを0.01〜0.001ng(TEQ)/mNのレベルにすることが可能であることを見出した。
炉内のHCl濃度を下げるには、炉内にアルカリ性物質(重炭酸ソ−ダ、炭酸ソ−ダ、天然ソ−ダ、苛性ソ−ダ、重炭酸カリ、炭酸カリ、カ性カリ、生石灰、消石灰など)を吹き込んでHClをNaCl、KCl、CaCl等として固定する方法が考えられる。この方法の問題点はNaClの融点(800.4℃)、KClの融点(776℃)、CaClの熱安定性(400℃以上で不安定)の制約を受けるために、アルカリ性物質がNa、K系であるときは炉温は750℃以下でなければならないし、Ca系であるときは400℃以下でなければならない。
【0009】
そこで、本発明者は750℃以下の還元状態でごみの熱分解ガス化を行い、この分解ガス中にアルカリ性物質を添加して発生した塩化水素ガスなどをアルカリ塩として固定し、熱分解残滓と共に高温集塵機で除去した後のクリ−ンガスを燃料ガスとして利用し,高温集塵機で捕集された固形分は水洗によってアルカリ塩を除いた後、工業用原料として利用する方法を先に提案した。
しかし、ごみの熱分解では温度が高いほどガス化率(プラスチック類の脱塩素化率)が高くなり、タ−ル状物質の発生が少なくなる。この点からは熱分解温度は少なくとも400℃以上好ましくは550℃以上でなければならない。一方集塵操作では集塵機の技術的制約(フィルタ−の高温に対する信頼性、固体物質の融着トラブル)とガスの取扱い量(集塵機の容量に関係する)及びHCl除去率(Ca系のアルカリ性物質を用いる場合)の点では温度が低い方が有利である。そこで熱分解と集塵におけるこの相反する温度条件を満足させる方法として本発明者は熱分解部の出口に熱回収部を設けて、熱分解ガス温度を500℃以下にし、この部分にアルカリ性物質を吹き込む方法を新たに見出し本発明を得た。
有害な重金属成分であるZn、Pb、Mn、Cu、Cr、Ni、Cdはごみ焼却炉の中では揮発性の塩化物として存在するために通常の乾式HCl除去装置では除去することが困難であったが、本発明方式では500℃以下の還元雰囲気中で集塵を行うために重金属成分は概ね不揮発性の硫化物または酸化物として回収される。
即ち、本発明は、熱分解炉においてごみを400〜750℃で熱分解した後、発生する熱分解ガスを熱交換器に導いて熱エネルギ−を回収しながら70〜500℃に温度を下げると共にアルカリ性物質を添加して、熱分解ガス中に含まれる酸性ガスをアルカリ塩として固定し、次いで固形分を集塵機を用いて除去し、得られるクリ−ンガス成分は燃料用ガスとして利用し、当該除去された固形分はアルカリ分を除いた後工業用原料として利用することを特徴とするごみの資源化方法である。
【0010】
本発明において、熱分解残滓とは灰とチャ−を含むものであり、本来灰中に含まれている重金属類の硫化物や酸化物も含まれる。また上記固形成分には粉化した流動媒体も含まれる。
【0011】
本発明によればごみを塩化水素や硫黄分を含まないクリ−ンな燃料ガスと固形分に転換する。そして、クリ−ンな燃料ガスは発電ボイラに導いて高効率で電力に転換し、固形分は水洗によりアルカリ性物質の塩化物(NaCl、KCl、CaCl)等や未反応のアルカリ性物質を除去した後、セメントや高炉の原材料として利用する。クリ−ンガスを燃料とする発電ボイラではダイオキシンも煤塵も全く発生しないし、また集塵機内ではHClの濃度が低く、且つ還元雰囲気であるためにde novo合成でダイオキシンが合成されることはない。そのため、集塵機で回収した固形分にもダイオキシンは含まれない。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、対象となるごみとしては、一般の都市ごみや産業廃棄物などである。具体的なごみの種類としては厨芥、食品残飯、塵埃、繊維類、紙類、草木、プラスチック類、汚泥、廃油、鉱物、硝子や陶器等のセラミックス等である。
【0013】
これらごみは熱分解炉に投入するに先立ち、あらかじめ一般に用いられる破砕機等を用いて細片化、粒状化し、調整槽で均一化しておくことが好ましい。
【0014】
本発明に使用するアルカリ性物質としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム及び水酸化カルシウム等のアルカリ性を示すアルカリ金属の炭酸塩、水酸化物、酸化物が利用できる。
【0015】
これらは単独でのみならず、数種混合して用いても良く、更に、これらを含む鉱物資源、例えば石灰石、ドロマイト、天然ソーダなどを利用することは極めて有益である。
【0016】
熱分解炉において熱分解時に酸性ガスが発生し、無処理の熱分解ガス中には通常この酸性ガスが含有されている。該酸性ガスとしては、塩化水素ガスや硫化水素ガスが代表的ガスとして挙げられる。これらの酸性ガスは、上記アルカリ性物質と反応して固形のアルカリ塩となる。
【0017】
熱分解ガスの成分は、ごみの種類や配合比によって一概に特定できないが、通常、水素、一酸化炭素、メタン等の可燃ガス成分が含まれている。
【0018】
本発明において、ごみを熱分解する方法及びその装置は特に制限されないが、代表的には例えば、キルン方式、流動床方式が主として用いられるが、温度制御のやり易さとコンパクトさの点で流動床炉が優っている。また、加熱方式には間接加熱方式と炉内での部分燃焼方式があるがキルン方式、流動床方式の何れの場合にもタ−ル状物質の発生が少ない部分燃焼方式が適している。
【0019】
熱分解残滓をセメント、高炉の原材料にするためには塩素分を除去しなければならないが、熱分解炉の操作温度が低くなるとチャ−に残る有機性の塩素分(水洗で除去出来ない塩素分)とチャ−の生成量が多くなり、且つタ−ル状物質が発生して後段の集塵操作に支障を来す。
【0020】
従って、熱分解炉の操作温度は出来るだけ高くし、有機性塩素分を少なく、且つチャ−とタ−ルを出来るだけ少なくすることが好ましい。
以上の事情から好ましい熱分解温度は400〜750℃であるが、550℃の熱分解温度では元のごみに含まれる有機性塩素量の1%以下が熱分解残滓中に残存する。従って、より好ましい熱分解温度は550〜650℃である。
一方集塵操作では集塵機の技術的制約(フィルタ−の高温に対する信頼性、固体物質の融着トラブル)とガスの取扱い量(集塵機の容量に関係する)及びHCl除去率(Ca系のアルカリ性物質を用いる場合)の点では温度が低い方が有利である。つまり集塵機として通常のバグフィルタ−を使う場合には200℃以下で且つ、熱分解ガスの露点(熱分解ガス中の水蒸気濃度が30%の時には70℃)以上にしなければならないし、セラミックフィルタ−の場合でも500℃以下が好ましいとされている。そこで熱分解と集塵におけるこの相反する温度条件を満足させる方法として、本発明者は400〜750℃の熱分解部の出口に熱回収部を設けて、熱分解ガス温度を70〜500℃に下げ、この部分にアルカリ性物質を添加する方法を新たに創作した。
熱分解部出口に設ける熱回収部の構造は熱回収伝熱管へのタ−ル等の粘着物質の付着トラブルを回避し、熱伝導をよくする目的で流動床付きの伝熱管とするのが好ましい。熱分解部と熱回収部は図2に示すように一体化した構造でもよいし、独立したものをダクトで繋いだ構造でもよい。熱回収伝熱管は空気予熱器、ボイラ給水予熱器等として用いられるが、回収した熱の有効利用の観点から熱回収部は図3に示すように温度の異なる流動床を多段に設けて熱回収することが好ましい。
アルカリ性物質の添加方法としてはエアロゾルとして吹き込む方法、流動床の流動媒体に添加する方法等が採用される。
アルカリ性物質の添加場所はアルカリ性物質の温度特性(高温より低温の方が有利である)から熱分解部より熱回収部の方が好ましいが、アルカリ性物質は最初に熱分解部に添加して熱分解ガスと共に移動しながら熱回収部で反応を完結させる方法でもよい。
【0021】
流動床炉の流動媒体としては通常、砂(珪砂)が用いられるが、 SiOとNa系(K系)物質は下記(1)、(2)式で示す様な反応を起こす。Na(K)はその他いろいろな共融混合物を生成する。その結果、流動床の固結トラブルの原因となる。本発明方法では上述の様にアルカリ性物質は高温の熱分解部に入り込む場合もあるので、珪砂を石灰石粒或いは鉄鉱石粒に置き換えることによって熱分解部での流動床の固結トラブルは回避できる。
【0022】
2 NaCl + SiO + HO = NaSiO + 2 HCl  (1)
NaCO+ SiO  = NaSiO +CO         (2)
鉄鉱石粒を流動媒体として用いた場合には熱分解で生成した硫化水素が鉄鉱石と(3)式のように反応し
FeO + HS = FeS + HO           (3)
て脱硫されるので、アルカリによる流動床の固結トラブルの解消と脱硫効果が同時に叶えられる。流動媒体として鉄鉱石を用いない場合には脱硫剤として酸化鉄の粉末を流動床に添加すればよいし、鉄鉱石と石灰石の混合物を流動媒体にすることも出来る。これらの点は熱分解部流動床、熱回収部流動床に共通することである。
【0023】
また本発明は以下の優れた特徴をも有する。ごみ中に含まれる微量のZn、Pb、Mn、Cu、Cr、Ni、Cdなどは従来のごみ焼却炉では揮発性の塩化物になるために通常の乾式HCl除去装置では除去することが困難であるが、硫化水素が一部存在し、塩化水素濃度が低く且つ温度が比較的低い集塵機の中では例えば揮発性の塩化鉛は(4)、(5)式の様に不揮発性の硫化鉛、酸化鉛になる。Zn、Mn、Cu、Cr、Ni、Cdについても(4)、(5)式と同様の反応で不揮発性の硫化物や酸化物になるために煤塵として集塵機で除去することができる。これらの重金属類の大気中への放出量を低くするためには集塵機の温度は可能な限り低い温度つまり、70℃(熱分解ガスの露点)近くであることが好ましい。
【0024】
PbCL + HS = PbS + 2 HCl        (4)
PbCL + HO = PbO + 2 HCl        (5)
熱分解ガスから回収された固形分中には熱分解残滓、粉化した流動媒体の他、未反応アルカリ性物質及びアルカリ塩からなるアルカリ分が含まれるので、この固形分を工業用原料として利用するためには、当該アルカリ分を除去する必要がある。
【0025】
アルカリ分の除去方法は特に限定されないが、これらは水溶性であるので、水洗により取り除くことが出来る。水洗の方法も何んら制限がなく適宜条件を設定して実施すればよい。
【0026】
アルカリ分を除去した本発明の固形分はチャ−を含んでいるのでセメントや高炉用の原材料に利用できる。
【0027】
以上の説明は集塵機で回収される固形分(飛灰)の処理についてのものであるが、熱分解炉底から回収される主灰については、酸化されていない金属類を資源として回収した後、残りの固体部分を上記飛灰と同様に処理することが可能である。
【0028】
本発明を図1に示すブロック図でもって240ton/dayのごみ処理量の場合について具体的に説明するが、この説明に何ら制限されるものではない。
【0029】
Aはごみ調整槽、Bは流動床熱分解炉(炉内温度:650℃)、Cは流動床付き熱回収器(温度:140℃)、Dはサイクロン、Eは集塵機、Fは分解ガス燃焼ボイラ(炉内温度:850℃、蒸気温度:500℃、蒸気圧力:20MPa)、Gは消石灰貯槽、Hは固形分(熱分解残滓、CaCl、粉化流動媒体等)のホッパ、Iは流動媒体(石灰石)ホッパ、Jは脱硫剤(酸化鉄)ホッパをそれぞれ示す。
【0030】
ごみ、燃焼用空気等の供給量、分解ガス等の発生量やその化学組成については以下の通りである。
▲1▼ごみ(ごみ供給量:10.0t/h、水分:4.2t/h、灰分:0.92t/h、可燃分:4.88t/h(内有機性塩素:0.059t/h)、低位発熱量:2200 kcal/kg)
▲2▼部分燃焼用空気(11.13kmN/h)
▲3▼熱分解ガス(22.43kmN/h、140℃, HCl:20ppm)
▲4▼燃焼用空気(16.58kmN/h)
▲5▼排ガス(36.63kmN/h、140℃、HCl:12.2ppm、SOx:6ppm、ダイオキシン:0.001ng(TEQ)/mN以下)
▲6▼固形分(灰:0.92t/h、チャ−:0.237t/h、石灰石:0.152t/h、CaCl:0.091t/h、消石灰:0.013t/h、FeS:0.0136t/h、FeO:0.003t/h)
▲7▼消石灰(0.073t/h)
▲8▼酸化鉄(0.016t/h)
図1のフロ−から明らかなように、本発明方法はガス化熔融方式に比べて、操作温度が低く仕組みが単純である。その分処理コストが大幅に安い。また従来のごみ焼却方式と比べると、燃焼工程が低温部(熱分解部)と高温部(主燃焼部)の二段に分かれていて、集塵操作とHClや硫黄分等の除去を効果的に行うために熱分解部の出口に熱回収部を設けて、熱分解ガスを70〜500℃に冷却する点で、仕組みがやや複雑ではあるが、従来のごみ焼却方式では燃焼効率が悪く過剰空気量が多いために設備が水ぶくれ状態であるが,本発明方法では理論量に近い空気量のために設備がコンパクトになる。そのために設備の建設費は従来のごみ焼却方式とあまり差がない。一方ダイオキシン、HCl、SOx、Zn、Pb、Mn、Cu、Cr、Ni、Cdの環境への排出量が極めて低く、エネルギ−回収効率(発電効率:30%以上)が高いのが本発明の特徴である。
【0031】
【実施例】
実施例1
内径300mm、高さ1800mmのステンレス製のパイプの下部900mmを外部加熱ヒ−タ付き流動床反応器とし、上部900mmにステンレス製の冷却管付きの流動床を設けた反応器を用いて、400μmの鉄鉱石を上下段流動床の流動媒体とし、約5mmの大きさに砕いたRDF(ペレット状成形ごみ、Cl含有率:0.85%)(供給速度:80g/min)、空気(供給速度:0.15mN/min)、窒素ガス(供給速度:0.10mN/min)、水(供給速度:60g/min)を下段の流動床反応器に供給しながら下段流動床温度を650℃に保ち、上段流動床の冷却管には空気を流して上段流動床温度を140℃に保ち、消石灰(供給速度:1.0g/min)を供給しながら70分間反応させた。分解ガスはフィルタ−を通して、固形物を除去した後、ガラス製の水冷冷却器に導き、その後0.1N−NaOH溶液を入れたガス洗浄瓶に導いて吸収させ、HClは逆滴定で、重金属はイオンクロマトで分析した。
【0032】
実施例2
実施例1において400μm鉄鉱石の流動媒体を400μm珪石に置き換える以外は同じ条件で実験を行った。
実施例3
実施例1において上段流動床温度を350℃に保ち、炭酸ソ−ダ(供給速度:1.4/min)を供給する以外は同じ条件で実験を行った。
実施例4
実施例2において上段流動床温度を350℃に保ち、アルカリ性物質を添加しない以外は同じ条件で実験を行った。
【0033】
実施例1、2、3、4の測定結果を表1に纏めて示す。
【表1】
Figure 2004002587
【0034】
鉄鉱石を存在させることによってHSは80%以上が除去される。重金属類のガス中への揮散量はガス中のHS濃度、HCl濃度と温度に大きく左右され、HS存在下で熱分解炉出口のHCl濃度と温度を下げる本発明方法はダイオキシンのみならず有害重金属類の環境への排出抑制に効果がある。
【0035】
【発明の効果】
炉内で発生したHClを発生直後に除去して、HCl濃度を1/10にすることができればダイオキシンの発生量は1/100〜1/1000になると言うことを本発明者は基礎研究の結果見出した。この原理を工業化するために、ごみを400〜750℃で熱分解し、熱分解炉出口に設けた70〜500℃の熱回収部にアルカリ性物質や酸化鉄粉末(流動媒体として鉄鉱石を用いない場合)を吹き込み、HCl、HSを固定した後、集塵装置を通してHCl、HSを含まないクリ−ンガスと固形分に分けてクリ−ンガスを発電ボイラに導き、高効率発電を行う一方、固形物は水洗等でアルカリ塩を除去した後、セメントや高炉の原材料として利用する有害物質ゼロエミッションの画期的なごみ処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体的に説明するブロック図である。
【図2】熱分解部と熱回収部の一体型構造の図である。
【図3】熱分解部と多段(2段)熱回収部の一体型構造の図である。
【符号の説明】
A:調整槽
B:流動床式熱分解炉
C:流動床付き熱回収器
D:サイクロン
E:集塵機
F:分解ガス燃焼ボイラ
G:消石灰貯槽
H:固形分(熱分解残滓、CaCl等)ホッパ
I:流動媒体(石灰石)ホッパ
J:脱硫剤(酸化鉄粉末)ホッパ
▲1▼:ごみ
▲2▼:部分燃焼用空気
▲3▼:熱分解ガス
▲4▼:燃焼用空気
▲5▼:排ガス
▲6▼:固形分
▲7▼:消石灰
▲8▼:酸化鉄

Claims (5)

  1. 熱分解炉においてごみを400〜750℃で熱分解した後、発生する熱分解ガスを熱交換器に導いて熱エネルギ−を回収しながら70〜500℃に温度を下げると共にアルカリ性物質を添加して、熱分解ガス中に含まれる酸性ガスをアルカリ塩として固定し、次いで固形分を集塵機を用いて除去し、得られるクリ−ンガス成分は燃料用ガスとして利用し、当該除去された固形分はアルカリ分を除いた後工業用原料として利用することを特徴とするごみの資源化方法。
  2. アルカリ性物質が、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、ドロマイト、及び天然ソーダからなる群より選ばれた少なくとも一種のアルカリ性物質であることを特徴とする請求項1記載のごみの資源化方法。
  3. 熱交換器が流動床付きの伝熱管であることを特徴とする請求項1、又は2記載のごみの資源化方法。
  4. 熱分解炉が部分燃焼法式の流動床式熱分解炉であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のごみの資源化方法。
  5. 流動媒体が石灰石及び又は鉄鉱石であることを特徴とする請求項4記載のごみの資源化方法。
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