JP3077756B2 - 廃棄物処理装置 - Google Patents

廃棄物処理装置

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JP3077756B2
JP3077756B2 JP11001078A JP107899A JP3077756B2 JP 3077756 B2 JP3077756 B2 JP 3077756B2 JP 11001078 A JP11001078 A JP 11001078A JP 107899 A JP107899 A JP 107899A JP 3077756 B2 JP3077756 B2 JP 3077756B2
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air
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利昭 荒戸
強 柴田
昌良 久保田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物に含まれる
灰を燃焼熱によって効果的にスラグ化すると共に、ダイ
オキシンの発生を低減できる廃棄物処理装置および廃棄
物の熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ等の廃棄物には、塩素化合物が
塩素に換算して約1重量%混入している。この塩素化合
物は燃焼によって塩化水素ガスを発生し、未燃炭素や燃
焼灰と反応してダイオキシンを発生する。
【0003】ダイオキシンは発癌性の有毒物質である。
厚生省はダイオキシンの排出濃度をガイドラインにおい
て設定した。それによると、廃棄物の大規模な処理設備
においては、燃焼排ガス中のダイオキシン濃度を0.1
ngTEQ/Nm3以下に低減しなければならない。こ
うしたダイオキシンは1200℃以上で分解する。
【0004】一方、廃棄物に含まれる灰は燃焼熱によっ
て溶融する。最近の燃焼炉では、ダイオキシンの低減
と、灰の溶融減容を兼ね備えた燃焼方式を採用してい
る。このような燃焼方法の代表的なものに特開平1−4
9816号公報、特開平9−112855号公報があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】都市ごみに代表される
廃棄物は水分、可燃物、石やカレットや陶磁器片のよう
な不燃物、アルミ箔や釘などの金属類で構成される。
【0006】廃棄物の処理装置には、金属類と不燃物の
分離、不燃物の溶融並びにそのスラグ化を必要とする。
【0007】第1の課題は、不燃物と金属類を簡単な手
段で分離後、不燃物と可燃物を溶融炉で燃焼し、燃焼し
た熱で不燃物を溶融し、水砕スラグとして取り出すこと
ができることである。廃棄物の性状は、曜日、季節、地
域の経済状態等によって異なり、その燃焼状態は廃棄物
の性状の変動に影響される。廃棄物の性状は、元素組
成、発熱量、水分含有率および灰分含有率である。
【0008】第2の課題は、廃棄物の性状に依存されに
くい廃棄物処理装置を提供することである。例えば、燃
焼によって灰をスラグ化して減容固化する場合、燃焼炉
はスラグタップを燃焼室に有し、溶融灰はスラグタップ
から回収される。溶融灰を炉外に安定に排出するために
は、スラグタップ周辺の雰囲気は灰の流動点以上の温度
に保持されねばならない。
【0009】第3の課題は、廃棄物の性状変化に影響さ
れにくいスラグタップを提供することである。例えば、
廃棄物の発熱量が低い場合、燃焼ガス温度は低下し、ス
ラグタップ近傍の温度も低下する。灰の温度が流動点よ
り低くなると、溶融灰の粘度は急激に上昇し、スラグタ
ップは炉底に滞留した溶融灰で閉塞される。これは廃棄
物処理装置にとって致命的である。溶融炉を、燃焼ガス
の温度変動を見込んで燃焼温度を高めて運転すると、溶
融炉内面の耐火壁は耐熱温度に近い条件となり、廃棄物
処理装置の耐用年数が短くなる。
【0010】廃棄物に混入する塩素は燃焼排ガスにおい
ては、主に塩化水素の形で存在する。金属材料は500
℃〜700℃で塩化水素と燃焼灰に暴露されると、腐食
が急激に進行し、その減肉量は年間に換算して4〜6m
mになる。この腐食は溶融塩腐食と呼称される。排ガス
の温度が500℃よりも低いと、排熱蒸気発生装置は溶
融塩腐食から回避される。しかし、これでは排熱蒸気発
生装置で得る蒸気温度と圧力を高くできないため、その
発電効率は低い。
【0011】第4の課題は、溶融塩腐食を起こしにくい
廃棄物処理装置を提供することにある。ダイオキシンは
燃焼排ガスの冷却過程で再び生成する。再生成量は塩素
濃度のみならず燃焼排ガスの温度や含有成分に依存す
る。ダイオキシンの生成を抑制するには、粉塵濾過装置
と排ガス浄化装置を燃焼排ガス温度や燃焼排ガス含有物
を調整した状態で、煙道に設置しなければならない。
【0012】第5の課題はダイオキシンの再生成を抑制
する粉塵濾過装置と排ガス浄化装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0014】〔1〕 廃棄物を低温乾留ガス54と不揮
発性の熱分解残留物55に変換する熱分解炉9と、該熱
分解炉9に接続され、前記低温乾留ガス54と熱分解残
留物55を分離する分離塔10と、前記低温乾留ガス5
4を導入する熱分解ガス燃焼室13、および、前記熱分
解残留物の溶融を行う溶融炉28を備えた廃棄物処理装
置であって、 (a)前記熱分解炉9が、熱分解ガス燃焼室13からの
熱分解ガス燃焼排ガスを加熱ジャケット11内に導入す
ることによって加熱されるよう構成され、 (b)粉砕器22が前記分離塔10の熱分解残留物排出
側に接続され、 (c)分別機23が前記粉砕器22の排出側に接続さ
れ、 (d)前記分別機23が、主として金属成分を含む粗い
粒分57を、主として可燃成分を含む細かい粒分から分
離するよう構成され、 (e)分離した主として可燃成分を含む細かい粒分を搬
送用空気63が前記溶融炉28に供給するよう構成さ
れ、 (f)前記溶融炉28が、供給される搬送用空気63と
燃焼用空気64との旋回流によって高温還元燃焼域79
と完全燃焼域80の燃焼領域を形成し、 (g)前記高温還元燃焼域79は、可燃成分を含む細か
い粒分を理論空気量よりも少ない空気量で燃焼して、
融流動性スラグを生成し、 (h)前記溶融流動性スラグ、溶融炉28外に排出す
スラグタップ33を有し、 (i)前記完全燃焼域80は、可燃成分を含む細かい粒
分を理論空気量よりも多い空気量で燃焼する、ように構
成されていることを特徴とする廃棄物処理装置。
【0015】〔2〕 前記溶融炉28から煙突42に至
る煙道中に排熱蒸気発生装置37、空気加熱器38、粉
塵濾過装置39、煙道ガス浄化装置40および排気ファ
ン41が配置されている前記の廃棄物処理装置。
【0016】〔3〕 粉砕器22は、熱分解残留物55
に含まれる可燃物、石、カレット、陶磁器片を粉砕する
が金属類は粉砕せずに排出する前記の廃棄物処理装置。
【0017】〔4〕 前記溶融炉28の高温還元燃焼域
79の壁面温度が1200℃以上に設定され、燃焼ガス
は1200℃以上になって完全燃焼域80に供給される
前記の廃棄物処理装置。
【0018】〔5〕 粉塵濾過装置39は400℃以上
の燃焼排ガス65を流入し、その後段に設けた煙道ガス
浄化装置40には300℃以下に冷却した燃焼排ガス6
5を流入すると共に、前記粉塵濾過装置39により燃焼
排ガス65から分離された濾過粉塵を、主として可燃成
分を含む細かい粒分を溜めるホッパ24へ戻すように構
成した前記の廃棄物処理装置。
【0019】〔6〕 排熱蒸気発生装置37と粉塵濾過
装置39に、熱分解ガス燃焼排ガス61の供給導管を設
けて排熱蒸気発生装置37への燃焼ガス温度を調整でき
るよう構成した前記の廃棄物処理装置。
【0020】〔7〕 熱分解炉9の前段に設けた乾燥炉
5は、乾燥空気52で廃棄物中の水分を蒸発させ、該水
分含有空気は空気乾燥器16で乾燥後、熱分解ガス燃焼
室13で低温乾留ガス54を燃焼するよう構成した前記
の廃棄物処理装置。
【0021】〔8〕 廃棄物を低温乾留ガス54と不揮
発性の熱分解残留物55に変換する熱分解炉9と、該熱
分解炉9に接続され、前記低温乾留ガス54と熱分解残
留物55を分離する分離塔10と、前記低温乾留ガス5
4を導入する熱分解ガス燃焼室13、および、前記熱分
解残留物の溶融を行う溶融炉28を備えた廃棄物処理装
置であって、前記溶融炉28は、(a)炉を昇温するた
めの昇温バーナと、炉の下端に溶融灰を排出するスラグ
タップ33と、炉の上端に燃焼排ガスを排出する出口絞
り32を有し、(b)スラグタップから絞り部に向い順
次取付けられて炉内に旋回流を形成する、主として可
燃成分を含む細かい粒分を供給する1次ノズル、空気
を供給する2次ノズル、2次ノズルよりも高速の空気
を供給する3次ノズルを有し、(c)炉内壁面の少なく
ともスラグタップ部から2次ノズル配置部までの壁面が
断熱性耐火材で被覆され、(d)スラグタップの下部に
生成するスラグを水砕スラグとして排出するスラグ排出
手段を有することを特徴とする廃棄物処理装置。
【0022】
〔9〕 スラグ排出塔はスラグタップを介
して燃焼室内部の燃焼ガスを吸引する吸引ノズル84
と、吸引ノズルの下流に接続された粉塵捕集装置81を
有し、前記の粉塵捕集装置81で捕捉した捕集粉塵を、
熱分解残留物を溜めるホッパ24へ戻すよう構成されて
いる前記の廃棄物処理装置。
【0023】〔10〕 (a)廃棄物の含有水分量を約
10%に乾燥する工程、(b)乾燥後の廃棄物を酸素の
遮断下で低温乾留して低温乾留ガスと熱分解残留物を生
成する工程、(c)熱分解残留物を粉砕し、主として金
属成分を含む粗い粒分と、主として可燃成分を含む細か
い粒分とに分離する工程、(d)主として可燃成分を含
む細かい粒分を理論空気量より少ない空気量で燃焼し、
溶融流動性のスラグを形成する工程、(e)可燃ガスを
含む燃焼ガスと可燃物を理論空気量よりも多い空気量で
燃焼する工程、を含むことを特徴とする廃棄物の熱処理
方法。
【0024】また、スラグ排出塔は、熱分解燃焼室の燃
焼排ガス、低温乾留ガス、気体燃料、もしくは液体燃料
のいずれかによる加熱手段を備えている。
【0025】また、スラグ排出塔はスラグタップを介し
て燃焼室内部の燃焼ガスを吸引する手段と、吸引ノズル
の下流に接続された粉塵捕集手段と、前記の粉塵捕集手
段で捕捉した捕集粉塵を熱分解残留物を溜めるホッパへ
戻す手段を備えている。
【0026】さらにまた、本発明は燃焼排ガスから重金
属酸化物で富化された煙道塵を分離して、重金属酸化物
のリサイクル用原料、および、溶融流動性スラグを冷却
後建材として使用することである。
【0027】
【発明の実施の形態】〔実施例 1〕図1は本発明の廃
棄物処理装置の一実施例のフロー図である。廃棄物1は
破砕機2により破砕ごみ50に裁断する。破砕ごみ50
は、含有する金属を磁選機3で除去した後、廃棄物ホッ
パ4を経て、乾燥炉5へ供給される。乾燥炉5に供給さ
れた破砕ごみ50には、乾燥空気52が供給される。
【0028】乾燥空気52は、空気加熱器15を介して
乾燥炉空気ファン17で供給され、乾燥炉5の内部温度
は80〜150℃となる。乾燥炉5内の破砕ごみ50
は、含有水分10%まで乾燥され、乾燥炉5に接続され
た分離塔6で、乾燥空気52と乾燥ごみ51とに分離す
る。
【0029】乾燥ごみ51は、分離塔6に接続された乾
燥廃棄物ホッパ7に供給される。乾燥廃棄物ホッパ7に
は捕集ごみ53も供給される。捕集ごみ53は分離塔6
から排出された乾燥空気52に含有する粉塵である。乾
燥廃棄物ホッパ7は乾燥ごみ51と捕集ごみ53を混合
し、乾燥ごみ51を排出する。
【0030】乾燥廃棄物ホッパ7はプッシャー8を介し
て熱分解炉9に接続される。該熱分解炉9は分離塔10
に接続される。熱分解炉9はその外周に加熱ジャケット
11を備えている。
【0031】上記プッシャー8は2つの機能を有する。
第1の機能は、乾燥ごみ51を熱分解炉9へ供給する機
能である。第2の機能は、負圧で運転される熱分解炉9
への空気の漏れ込みを防ぐ機能である。なお、プッシャ
ー8は、例えば、シリンダーとピストンを組合せたもの
である。乾燥ごみ51はシリンダーに詰められ、ピスト
ンで熱分解炉9へ圧入される。
【0032】熱分解炉9は乾燥ごみ51を低温乾留す
る。低温乾留には2つの条件がある。第1の条件は、金
属の酸化温度よりも低温で乾燥ごみ51を保持すること
である。第2の条件は、酸素を遮断した雰囲気を作るこ
とである。
【0033】上記低温乾留は約300℃〜600℃、約
0.5〜1.5時間の条件で行う。熱分解炉9は乾燥ごみ
51から揮発成分と不揮発成分を分離する。揮発成分は
低温乾留ガス54である。不揮発成分は熱分解残留物5
5である。乾燥ごみ51は塩素分を含有する。この塩素
分は廃棄物中の塩化ビニール樹脂もしくは食塩等中に存
在する。食塩類は低温乾留処理において熱分解残留物5
5中に存在する。
【0034】一方、塩化ビニール樹脂からの塩素は、ま
ず熱分解炉9内の前段部の低温乾留ガス54に放出され
る。その気相中の塩素は熱分解炉9内の後段部で熱分解
残留物55に吸着する。なお、塩素分はその起源によら
ず熱分解残留物55へ移行する。従って、低温乾留ガス
54は熱分解炉9の後段の分離塔10においては塩素分
をほとんど含有していない。熱分解炉9の一例にはロー
タリーキルンがある。
【0035】分離塔10は、低温乾留ガス54と熱分解
残留物55とを分離する。低温乾留ガス54は熱分解ガ
ス燃焼室13へ供給される。また、熱分解残留物55は
冷却器20へ供給される。
【0036】図1から分かるように、乾燥空気52,低
温乾留ガス54および補助燃料60が、熱分解ガス燃焼
室13に流入する。なお、乾燥空気52は、乾燥炉サイ
クロン46から乾燥炉循環ファン18と空気加熱器16
を介して熱分解ガス燃焼室13に到達する。
【0037】熱分解ガス燃焼室13は、熱分解燃焼排ガ
ス61を排出する。低温乾留ガス54の燃焼によって熱
分解ガス燃焼排ガス61は1100℃より高い温度にな
り、加熱ジャケット11へ供給される。加熱ジャケット
11は、熱分解ガス燃焼排ガス61の熱で加熱され、熱
分解炉9の内部を約300〜600℃に加熱できるよう
設定される。
【0038】加熱ジャケット11は加熱器14に接続さ
れる。熱分解ガス燃焼排ガス61は、加熱器14の出口
において燃焼排ガス61aと61bとに二分される。燃
焼排ガス61aは、空気加熱器15で乾燥空気52を加
熱する。燃焼排ガス61bは、空気加熱器16で乾燥炉
5を通過した乾燥空気52を加熱する。熱分解ガス燃焼
排ガス排気ファン19は、燃焼排ガス61aと燃焼排ガ
ス61bを合流して熱分解ガス排ガス61に昇圧する。
熱分解ガス排ガス61は、燃焼排ガス65へ混合する。
【0039】熱分解残留物55は分離塔10から冷却器
20へ供給される。冷却器20には、ホッパ21、粉砕
器22、分別機23、ホッパ24が順次接続される。熱
分解残留物55は冷却器20によって冷却される。この
際の冷却温度は熱分解残留物20が空気雰囲気下で発火
しない温度にする。
【0040】粉砕器22で砕かれた熱分解残留物55
は、可燃物、石、カレット、陶磁器片を含むが、熱分解
残留物55に含まれる金属の大きさは変えない。なお、
粉砕器22としては、振動ロットミルが用いられる。
【0041】分別機23は、主として金属成分を含む粗
い粒分57を、主として可燃成分を含む細かい粒分56
から分離する。1mm以上の粒子は金属成分を含む粗い
粒分57である。1mm未満の粒子は主として可燃成分
を含む細かい粒分56である。上記粗い粒分57は、金
属類を除去し、回収ホッパ44に回収され、ホッパ21
へ戻す。
【0042】ホッパ24は、主として可燃成分を含む細
かい粒分56と、粉塵濾過装置39の濾過粉塵59とを
貯蔵する。
【0043】ホッパ24は定量供給器25を介して溶融
炉28に接続される。溶融炉28は熱分解ガス燃焼室1
3とは別個に設けられている。定量供給器25は粉体5
8を溶融炉28に供給する。
【0044】溶融炉空気ファン27は、空気62をヘッ
ダ26へ供給する。ヘッダ26は空気62を搬送用空気
63と燃焼用空気64とに分割する。燃焼用空気64
は、空気加熱器38で加熱される。一方、搬送用空気は
63は、1次ノズル31を介して粉体58を溶融炉28
へ気流搬送する。
【0045】燃焼用空気64は、燃焼用空気64aと6
4bに分割される。空気64aは2次ノズル30を介し
て溶融炉28へ供給される。同じく空気64bは3次ノ
ズル29を介して溶融炉28へ供給される。
【0046】溶融炉28は、(a)〜(f)の構成上の
特徴を有する。
【0047】(a) 炉の一端に溶融灰を排出するスラ
グタップ33を有する。
【0048】(b) 炉の多端は燃焼排ガスを排出する
出口絞り32を有する。
【0049】(c) スラグタップ33から出口絞り3
2へ向かう順に取付けられた1次ノズル31、2次ノズ
ル30、3次ノズル29を有する。
【0050】(d) 溶融炉内壁面の少なくともスラグ
タップ33から2次ノズル30までの壁面を断熱性の耐
火材69が覆っている。
【0051】(e) スラグタップ33を挟んで可燃物
の燃焼空間との対向する位置に、溶融灰を水砕スラグと
するスラグ排出塔34を有する。
【0052】(f) 溶融炉28を昇温するための昇温
バーナ47を備えている。
【0053】図3に示すように、1次ノズル31は、溶
融炉28の内壁に対して接線方向に粉体58と搬送空気
63を供給するよう構成されている。2次ノズル30お
よび3次ノズル33は、溶融炉28の内壁に対して接線
方向に燃焼用空気64aおよび空気64bを供給するよ
う構成されている。
【0054】本実施例の廃棄物処理装置が特開平9−3
29311号公報記載のものと異なる点は下記のとおり
である。
【0055】本実施例の廃棄物処理装置は、乾燥炉5、
熱分解炉9、熱分解ガス燃焼室13、溶融炉28を備え
ており、上記熱分解ガス燃焼室13に導入される低温乾
留ガス54は塩素成分を含まないので、熱分解ガス燃焼
排ガス61も塩素成分を含まない。従って、廃熱蒸気発
生装置37が塩素成分により腐食される心配が無く、蒸
気タービン発電機43を高温で運転することができる。
【0056】また、本実施例の構成とすることにより二
つの効果を生ずる。その一つは、熱分解残留物55の燃
料性状を一定にできることである。燃料性状とは含有水
分量と燃料比である。乾燥炉5は、廃棄物1の水分を1
0%まで乾燥する。熱分解炉9は乾燥ごみ51の熱分解
温度を一定に設定することができる。廃棄物1の性状に
よらず熱分解残留物55の水分と燃料比が一定になる。
燃料比とは、比較的低温で揮発する可燃成分と、固体燃
料として残存する可燃成分の比率である。燃料比が大き
くなると、熱分解残留物55は燃えにくくなる。
【0057】スラグ排出塔34は、水槽35に接続さ
れ、溶融灰を水砕スラグにする。スラグ排出コンベア3
6は水砕スラグを回収ホッパ45へ供給する。
【0058】溶融炉28から煙突42に至る煙道は、排
熱蒸気発生装置37、空気加熱器38、粉塵濾過装置3
9、煙道ガス浄化装置40および排気ファン41を有す
る。蒸気タービン発電機43は排熱蒸気発生装置37と
加熱器14とで生成した蒸気で発電する。
【0059】もう一つの効果は、溶融炉28の炉内温度
を一定にできることである。廃棄物処理装置は、溶融炉
28と熱分解ガス燃焼室13の二つの燃焼室を有する。
【0060】乾燥ごみ51のプラスチック含有量は変動
するので、低温乾留ガス54の発熱量変動は熱分解残留
物55より大きい。溶融炉28は熱分解残留物55のみ
を燃焼する。熱分解残留物55は発熱量がごみ組成によ
らず安定しているので、溶融炉28の入熱量は変動しに
くい。これは溶融炉28の炉内温度を一定にできること
を示すので、溶融灰は安定にスラグ化される。
【0061】次に、図1の実施例の廃棄物処理装置は、
粉砕器22の後段に分別器23を有する。この構成とす
ることで第3の効果を有する。それは金属類のみの回収
と不燃物の減容固化である。粉砕器22は熱分解残留物
55に含まれる可燃物、石、カレット、陶磁器片を小さ
くする。但し、金属類は転延性を有するため、粉砕器2
2では金属類は粉砕できない。
【0062】分別器23は主として金属成分を含む粗い
粒分57を、主として可燃成分を含む細かい粒分56か
ら分離する。両者を分離する粒径は0.5〜2mmであ
る。分離粒径1mmは分級効率の観点で優れている。
【0063】本実施例の第4の効果は、スラグタップ3
3の温度変動を小さくすることによる溶融灰の安定排出
である。これは以下の作用によって生ずる。
【0064】図2に示すように、溶融炉28では搬送用
空気63と燃焼用空気64の旋回流が形成される。旋回
流は高温還元燃焼域79と完全燃焼域80を形成する。
主として可燃成分を含む細かい粒分56は高温還元燃焼
域79において理論空気量よりも少ない空気で燃焼す
る。
【0065】高温還元燃焼域79では1200℃以上の
壁面温度に設定する。高温還元燃焼域79を一定の温度
水準に保つことによって溶融流動性のスラグを生成す
る。溶融流動性のスラグは溶融炉28に設けたスラグタ
ップ33を経て排出され、冷却後ガラス化する。
【0066】燃焼ガスは1200℃以上になって完全燃
焼域80へ供給される。完全燃焼域80は可燃成分を含
む細かい粒子を理論空気量よりも多い空気で燃焼する。
【0067】次に、本実施例の第5の効果は、図1の燃
焼排ガス65に含まれるダイオキシンとNOxの濃度を
同時に低減できることである。一般に、ダイオキシンを
低減するために燃焼率を高くすると、NOx濃度は上昇
する。
【0068】上記の効果は、溶融炉28の中に二つの燃
焼域を形成することによって実現できる。図2の溶融炉
28は高温還元燃焼域79と完全燃焼域80を形成す
る。高温還元域79はNOx濃度を低減し、窒素分の中
間生成物を生成する。粉体58が、低酸素濃度,120
0℃以上の高温雰囲気で反応すると窒素分の中間生成物
を生成する。
【0069】アンモニアは窒素分の中間生成物の代表例
である。窒素分の中間生成物は高温還元燃焼域79でN
Oxと反応して、燃焼排ガス65のNOx濃度を低減す
る。一方、完全燃焼域80は炉内温度を1200℃以上
にすることで、ダイオキシンの前駆物質の濃度を低減す
ると共に、ダイオキシンをも熱分解する。
【0070】次に、本実施例の第6の効果は蒸気タービ
ン発電機43を高効率で運転できることである。その効
果は本実施例における二つの特徴によって得られる。
【0071】第1の特徴は、加熱器14を加熱ジャケッ
ト11の後段に配置した点である。加熱器14は排熱蒸
気発生装置37の蒸気を加熱する。塩素分の大多数は熱
分解残留物55へ移行し、低温乾留ガス54は塩素分を
ほとんど含有しない。これは熱分解ガス燃焼排ガス61
の塩素濃度を低くし、金属の塩素腐食を軽減する効果が
ある。これによって、加熱器14の操作温度条件を高く
設定できるので、蒸気タービン発電機43を発電効率3
5%以上に設定することができる。
【0072】第2の特徴は、熱分解ガス燃焼排ガス61
用の二つの導管を煙道に配置した点である。第1の導管
は排熱蒸気発生装置37の上流側に設けられ、第2の導
管は粉塵濾過装置39の上流側に設けられている。
【0073】上記二つの導管は、熱分解燃焼排ガス61
の流量調節機能を有する。第1の導管は熱分解燃焼排ガ
ス61の流量を調節する。燃焼排ガス65の温度は排熱
蒸気発生装置37の前段において、溶融炉28の燃焼負
荷とは独立に制御できる。これにより、排熱蒸気発生装
置37は熱効率を最大とする条件で運転できる。
【0074】本実施例の第7の効果は、溶融炉28の燃
焼排ガス65の冷却過程で、再生成するダイオキシンを
低減できることである。燃焼排ガスの粉塵濾過装置39
は濾過粉塵59をホッパ24へ戻し、主とし可燃成分を
含む細かい粒分56と混合する。
【0075】燃焼排ガスの粉塵濾過装置39は、少なく
とも500℃〜800℃の燃焼排ガス65の煙道に設置
される。燃焼灰は金属成分を含有し、粉塵濾過装置39
は溶融炉28において、以下の特性を示す灰中の金属成
分を捕捉する。
【0076】上記の金属成分は、溶融炉の温度条件で揮
発性を示すので溶融灰に取り込まれない。この金属成分
は500℃〜800℃で凝固して燃焼排ガス中の灰に付
着する。こうした特性を示す代表的な金属成分はNa,
K,Cu,Cd,Ca,Zn,Pb等である。
【0077】濾過粉塵59は、その一部を廃棄物処理装
置から抜き出す。濾過粉塵59はNaとKを除く重金属
を含有する。ダイオキシンはCuやFeの塩化物を触媒
として再生成する。この再生成反応は400℃以下で進
行するが、粉塵濾過装置39は500℃〜800℃で重
金属を捕捉するので、ダイオキシンの再生成反応を抑制
できる。
【0078】煙道ガス浄化装置40は、燃焼排ガス65
を300℃以下に急冷する。この急冷は煙道におけるダ
イオキシン再生成を抑制する。粉塵濾過装置39は、灰
と、ダイオキシン生成触媒作用のある重金属酸化物を除
去するので、ダイオキシンは生成されない。なお、煙道
ガス浄化装置40は、活性炭や水酸化カルシウムを浄化
剤として用い、塩化水素,フッ化水素,水銀,二酸化硫
黄等を除去する。
【0079】本実施例の第8の効果は、濾過粉塵59を
重金属酸化物のリサイクル原料として使用することがで
きることである。濾過粉塵59の一部は系外へ抜き出
し、他の濾過粉塵59はホッパ24へ戻す。その結果、
濾過粉塵59の重金属の濃度は高くなるが、この濃度は
系外へ抜き出す濾過粉塵59の割合で定まる。濾過粉塵
59は重金属酸化物の濃度を高めるので、重金属酸化物
の原料とし用いることができる。
【0080】〔実施例 2〕次に、本発明の溶融炉28
の構成について説明する。図2は本発明の溶融炉の一実
施例を示す模式縦断面図で、炉内のガスの流れ状態と燃
焼領域を示す。図2に示す流れ方向(71〜75)は、
溶融炉28の軸方向と半径方向の速度を合成して得た流
れ方向である。また、溶融炉28の燃焼領域(79,8
0)は右側に示す。図3は溶融炉28の模式横断面図
で、図4はノズルの取付け部構造の説明図である。
【0081】溶融炉28は、円筒状の燃焼炉で炉底にス
ラグタップ33を有する。一方、出口絞り32はスラグ
タップ33と対向する炉上に位置する。1次ノズル3
1、2次ノズル30および3次ノズル29は、溶融炉2
8の側壁に開口している。
【0082】1次ノズル31は、粉体58と搬送用空気
63とを供給し、2次ノズル30は燃焼用空気64aを
供給し、3次ノズル29は燃焼用空気64bを供給す
る。燃焼用空気64aと64bは、空気加熱器38で2
00〜400℃に昇温される。
【0083】1次ノズル31は、図3に示すように、炉
壁の接線方向に取付けられる。2次ノズル30と3次ノ
ズル29も、同様に溶融炉内壁の接線方向に取付けられ
る。
【0084】図3は、1次ノズル31を2本配置した溶
融炉28の一実施例である。2次ノズル30と3次ノズ
ル29も同様に複数のノズルで構成できる。同じ種類の
ノズルが複数本配置される場合、これ等のノズルは同じ
断面に位置することが好ましい。このように配置するこ
とで噴流が干渉され、旋回流の強度が高くなる。また、
旋回流の強度はノズルの取付け位置によっても変わる。
【0085】この取付け位置は、ノズルの中心軸が接す
る円の直径D(ノズル位置と云う)と、溶融炉28の炉
直径D0の比=D/D0で定まる。D/D0が1に近づく
ほど、同一の噴出速度における旋回流の強度は高くな
る。図3に示す1次ノズル31と溶融炉28の位置関係
は最も高い旋回強度を得るものである。なお、D/D0
は0.5〜0.9に設定することが好ましい。
【0086】角運動量は流量と密度と噴出速度とノズル
位置Dとから算出できる。1次ノズル31の流体密度
は、搬送空気63の密度と、粉体58の密度と重量濃度
から算出できる。粉体58が溶融炉28に滞留する時間
は、溶融炉28の性能に影響する。この滞留時間は3次
ノズル29の角運動量と、全てのノズルの角運動量を合
計した値の比率(以下、角運動量比)に依存する。角運
動量比を0.4よりも大きな値に設定すると、粉体58
の滞留時間は長くなる。
【0087】図4において、昇温バーナ47の燃料噴出
方向を溶融炉28の中心軸方向に向けると、溶融炉28
は最も安定に昇温する。昇温バーナ47は気体燃料や油
を燃料として用いる。溶融炉28の昇温が終了したなら
ば、昇温バーナ47の先端を断熱材70の位置まで移動
する。これは昇温バーナ47の溶損を抑制する上で有効
である。
【0088】昇温バーナ47を休止する場合、昇温バー
ナ47にパージ用の気体を流す。この操作は昇温バーナ
の先端が溶融灰によって閉塞するのを避ける点で優れて
いる。
【0089】図2に示す流れ方向は、角運動量比を0.
5に設定した場合である。この操作条件において、1次
ノズル流体71と2次ノズル流体72は、溶融炉28の
内周面を旋回しながらスラグタップ33の方向へ流下す
る。この流体はスラグタップ33の近傍で流れ方向を反
転した後、溶融炉28の中心軸上を経て出口絞り32へ
到達する。
【0090】3次ノズル29から出た流体は、3次ノズ
ル流体73と3次ノズル流体74に分岐する。3次ノズ
ル流体73は、2次ノズル流体72と1次ノズル流体7
1をスラグタップ33の方向へ流下させる。3次ノズル
流体73は2次ノズル30の位置まで下降した後、1次
ノズル流体71と2次ノズル流体72の上昇流と合流す
る。その一部は出口絞り32からスラグタップ33の方
向へ流れる循環流75となる。3次ノズル流体74は、
溶融炉28の内壁に沿って出口絞り32の方向へ流れ、
循環流75によってスラグタップ33の方向へ戻され
る。
【0091】溶融炉28は、その内壁面が耐火材69で
形成される。耐火材69はその外周に断熱材70と伝熱
管48を有する。伝熱管48は断熱材70からの放熱を
吸収する。
【0092】伝熱管48により、断熱材70の最外周の
温度を400℃以下に設定する。これは耐火材69や断
熱材70の溶損を抑制する点で優れている。溶融炉の内
壁面はその一部を水冷壁で構成することもできる。特
に、水冷壁は3次ノズル29と出口絞り32の間に設置
するのがよく、高温還元燃焼域79の温度を灰溶融温度
に保つ点で優れている。
【0093】スラグタップ33は耐火材69と断熱材7
0で構成される。断熱材70はスラグタップ33からス
ラグ排出塔34へ放射される熱の損失量を低減する。こ
れは溶融灰のスラグタップ33への固着を防止する。
【0094】スラグ排出塔34には、低温乾留ガス54
または熱分解ガス燃焼排ガス61を供給するガスノズル
を備えることもできる。これにより低温乾留ガス54を
スラグ排出塔34で燃焼させることもできる。このよう
にスラグ排出塔34へ高温ガスを供給することで、溶融
灰の流動性を保ったままスラグ排出塔へ排出することが
できる。
【0095】スラグ排出塔34には吸引ノズル84を設
けて、スラグタップ33を介して溶融炉28の燃焼ガス
をスラグ排出塔34へ供給する。この燃焼ガスはスラグ
タップ33を加熱して、溶融灰の流動に適した温度にす
る。吸引ノズル84を設けることにより、スラグ排出塔
34を加熱する前記補助バーナ(低温乾留ガス54また
は熱分解ガス燃焼排ガス61)の出力を小さくできる。
【0096】吸引ノズル84は、上記燃焼ガスを吸引ガ
ス83として排出する。吸引ノズル84の後段には粉塵
捕集装置81が接続される。吸引ガス83に含有する粉
体は、捕集粉塵82として捕集される。捕集粉塵82は
ホッパ24へ戻され、粉体56に混合される。
【0097】図4は1次ノズル31の配置を示す模式横
断面図である。1次ノズル31の取付ポートは円筒77
と円筒78で構成される。円筒78は1次ノズル31と
の隙間を塞ぐ構造を有する。円筒78の他端は円筒77
に接続するように構成されている。そして、円筒77は
耐火材69に埋め込まれ、1次ノズル31が移動できる
よう構成されている。
【0098】本実施例の第1の効果は、スラグ化率を8
0%以上にできることである。スラグ化率は溶融炉28
でスラグ化される溶融灰の比率で、溶融炉28と粉塵濾
過装置39で捕集される灰量を100としたときの相対
的な比率で定まる。
【0099】上記第1の効果は二つの作用によって達成
される。第1の作用は遠心力によって1次ノズル31か
ら供給される粉体58を内壁近傍に集めることである。
図2に示した流れ模様は、高温還元燃焼域79と完全燃
焼域80とを形成する。
【0100】高温還元燃焼域79は、スラグタップ33
と1次ノズル31との間に形成され、粉体58を1次ノ
ズル流体71と2次ノズル流体72で燃焼する。
【0101】搬送用空気63と燃焼用空気64aの流量
と流速を調整すれば、高温還元燃焼域79は理論空気量
よりも少ない空気で粉体58を燃焼する。そして、高温
還元燃焼域79は1200℃以上に設定された壁面温度
で、粉体58を燃焼する。
【0102】また、粉体58は旋回流による遠心力によ
って溶融炉28の内壁近傍に集まる。粉体58に含まれ
る灰は1200℃以上の温度で溶融する。溶融灰は遠心
力によって溶融炉28内壁に付着するが、溶融炉28内
壁を下降後、溶融灰はスラグタップ33から排出され
る。
【0103】重金属酸化物は溶融灰に内包されるが、溶
融灰はガラス状に固化しているので、重金属類が溶出す
る恐れはない。
【0104】第2の作用は1次ノズル流体71と2次ノ
ズル流体72の流れをスラグタップ33の直上で反転さ
せることである。前記流れが方向を変えても、灰粒子は
慣性によって気流に追随できず、従って、灰粒子は反転
流から分離される。
【0105】本実施例の第2の効果は、粉体58の燃焼
率を98%以上にできることである。高温還元燃焼域7
9は2種の未燃成分を完全燃焼域80へ供給する。
【0106】その一つの未燃成分は粉体58に含まれ、
主に粒径20μm以下の粉体58に含まれる。この粒径
よりも大きな粉体58は高温燃焼域79に滞留して燃焼
する。
【0107】もう一つの未燃成分は一酸化炭素や水素の
ような不完全燃焼ガスである。完全燃焼域80は3次ノ
ズル流体74によって2種の未燃成分を燃焼する。粉体
58は完全燃焼域80内に2〜3秒間滞留するので、そ
の可燃成分の98%以上を燃焼することができる。不完
全燃焼ガスも3次ノズル流体74によって燃焼する。従
って、一酸化炭素の濃度は燃焼排ガス65において30
ppm以下に低減された。
【0108】
【発明の効果】本発明により以下の効果が得られる。
【0109】(a) 廃棄物に含有する灰は廃棄物の組成
変動にかかわらず溶融スラグ化できる。
【0110】(b) 燃焼排ガス中のダイオキシンの濃度
は0.1ngTEQ/Nm3下になる。
【0111】(c) 金属類のみが廃棄物から分離回収で
き、石やカレットや陶磁器片は溶融スラグ化される。
【0112】(d) 蒸気タービン発電機の効率を35%
以上向上できる。
【0113】(e) 排熱蒸気発生装置の塩素腐食が抑制
できる。
【0114】(f) 廃棄物に含まれる重金属を資源とし
て、また、溶融スラグを建材等に利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物処理装置の一実施例を示すフロ
ー図である。
【図2】本発明の廃棄物処理装置の溶融炉の模式縦断面
図である。
【図3】本発明の廃棄物処理装置の溶融炉の模式横断面
図である。
【図4】溶融炉のノズル取付け状態を示す模式横断面図
である。
【符号の説明】
1…廃棄物、2…破砕機、3…磁選機、4…廃棄物ホッ
パ、5…乾燥炉、6…分離塔、7…乾燥廃棄物ホッパ、
8…プッシャー、9…熱分解炉、10…分離塔、11…
加熱ジャケット、12…補助燃料、13…熱分解ガス燃
焼室、14…加熱器、15,16…空気加熱器、17…
乾燥炉空気ファン、18…乾燥炉循環ファン、19…熱
分解ガス燃焼ガス排気ファン、20…冷却器、21…ホ
ッパ、22…粉砕器、23…分別機、24…ホッパ、2
5…定量供給器、26…ヘッダ、27…溶融炉空気ファ
ン、28…溶融炉、29…3次ノズル、30…2次ノズ
ル、31…1次ノズル、32…出口絞り、33…スラグ
タップ、34…スラグ排出塔、35…水槽、36…スラ
グ排出コンベア、37…排熱蒸気発生装置、38…空気
加熱器、39…粉塵濾過装置、40…煙道ガス浄化装
置、41…排気ファン、42…煙突、43…蒸気タービ
ン発電機、44,45…回収ホッパ、46…乾燥炉サイ
クロン、47…昇温バーナ、48…伝熱管、50…破砕
ごみ、51…乾燥ごみ、52…乾燥空気、53…捕集ご
み、54…低温乾留ガス、55…熱分解残留物、56…
主として可燃成分を含む細かい粒分、57…主として金
属成分を含む粗い粒分、58…粉体、59…濾過粉塵、
60…補助燃料、61…熱分解ガス燃焼排ガス、62…
空気、63…搬送用空気、64…燃焼用空気、65…燃
焼排ガス、66…水蒸気、67…冷却液、68…助燃
剤、69…耐火材、70…断熱材、71…1次ノズル流
体、72…2次ノズル流体、73,74…3次ノズル流
体、75…循環流、76…シュラウド、77,78…円
筒、79…高温還元燃焼域、80…完全燃焼域、81…
粉塵捕集装置、82…捕集粉塵、83…吸引ガス、84
…吸引ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F23J 1/00 F23J 1/00 B 15/00 15/00 Z (72)発明者 久保田 昌良 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 岡崎 輝幸 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 宇津野 英明 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 平10−246420(JP,A) 特開 昭56−162308(JP,A) 特開 昭49−57674(JP,A) 特開 平10−213316(JP,A) 特開 平10−89650(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/027 B09B 3/00 302 F23G 5/00 115 F23G 5/14 F23J 1/00 F23J 15/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を低温乾留ガスと不揮発性の熱分
    解残留物に変換する熱分解炉と、該熱分解炉に接続さ
    れ、前記低温乾留ガスと熱分解残留物を分離する分離塔
    と、前記低温乾留ガスを導入する熱分解ガス燃焼室、お
    よび、前記熱分解残留物の溶融を行う溶融炉を備え、
    記溶融炉から煙突に至る煙道中に排熱蒸気発生装置、空
    気加熱器、粉塵濾過装置、煙道ガス浄化装置および排気
    ファンが配置された廃棄物処理装置であって、 (a)前記熱分解炉が、熱分解ガス燃焼室からの熱分解
    ガス燃焼排ガスを加熱ジャケット内に導入することによ
    って加熱されるよう構成され、 (b)粉砕器が前記分離塔の熱分解残留物排出側に接続
    され、 (c)分別機が前記粉砕器の排出側に接続され、 (d)前記分別機が、主として金属成分を含む粗い粒分
    を、主として可燃成分を含む細かい粒分から分離するよ
    う構成され、 (e)分離した主として可燃成分を含む細かい粒分を搬
    送用空気が前記溶融炉に供給するよう構成され、 (f)前記溶融炉が、供給される搬送用空気と燃焼用空
    気との旋回流によって高温還元燃焼域と完全燃焼域の燃
    焼領域を形成し、 (g)前記高温還元燃焼域は、可燃成分を含む細かい粒
    分を理論空気量よりも少ない空気量で燃焼して、溶融流
    動性スラグを生成し、 (h)前記溶融流動性スラグを、溶融炉外に排出するス
    ラグタップを有し、 (i)前記完全燃焼域は、可燃成分を含む細かい粒分を
    理論空気量よりも多い空気量で燃焼し、 前記粉塵濾過装置は400℃以上の燃焼排ガスを流入
    し、その後段に設けた煙道ガス浄化装置には300℃以
    下に冷却した燃焼排ガスを流入すると共に、前記粉塵濾
    過装置により燃焼排ガスから分離された濾過粉塵を、主
    として可燃成分を含む細かい粒分を溜めるホッパへ戻す
    ように構成されていることを特徴とする廃棄物処理装
    置。
  2. 【請求項2】 廃棄物を低温乾留ガスと不揮発性の熱分
    解残留物に変換する熱分解炉と、該熱分解炉に接続さ
    れ、前記低温乾留ガスと熱分解残留物を分離す る分離塔
    と、前記低温乾留ガスを導入する熱分解ガス燃焼室、お
    よび、前記熱分解残留物の溶融を行う溶融炉を備え、前
    記溶融炉から煙突に至る煙道中に排熱蒸気発生装置、空
    気加熱器、粉塵濾過装置、煙道ガス浄化装置および排気
    ファンが配置された廃棄物処理装置であって、 (a)前記熱分解炉が、熱分解ガス燃焼室からの熱分解
    ガス燃焼排ガスを加熱ジャケット内に導入することによ
    って加熱されるよう構成され、 (b)粉砕器が前記分離塔の熱分解残留物排出側に接続
    され、 (c)分別機が前記粉砕器の排出側に接続され、 (d)前記分別機が、主として金属成分を含む粗い粒分
    を、主として可燃成分を含む細かい粒分から分離するよ
    う構成され、 (e)分離した主として可燃成分を含む細かい粒分を搬
    送用空気が前記溶融炉に供給するよう構成され、 (f)前記溶融炉が、供給される搬送用空気と燃焼用空
    気との旋回流によって高温還元燃焼域と完全燃焼域の燃
    焼領域を形成し、 (g)前記高温還元燃焼域は、可燃成分を含む細かい粒
    分を理論空気量よりも少ない空気量で燃焼して、溶融流
    動性スラグを生成し、 (h)前記溶融流動性スラグを、溶融炉外に排出するス
    ラグタップを有し、 (i)前記完全燃焼域は、可燃成分を含む細かい粒分を
    理論空気量よりも多い空気量で燃焼し、 前記 排熱蒸気発生装置と粉塵濾過装置に、熱分解ガス燃
    焼排ガスの供給導管を設けて排熱蒸気発生装置への燃焼
    ガス温度を調整できるよう構成されていることを特徴と
    する廃棄物処理装置。
  3. 【請求項3】 廃棄物を低温乾留ガスと不揮発性の熱分
    解残留物に変換する熱分解炉と、該熱分解炉に接続さ
    れ、前記低温乾留ガスと熱分解残留物を分離する分離塔
    と、前記低温乾留ガスを導入する熱分解ガス燃焼室、お
    よび、前記熱分解残留物の溶融を行う溶融炉を備えた廃
    棄物処理装置であって、 前記溶融炉は、(a)炉を昇温するための昇温バーナ
    と、炉の下端に溶融灰を排出するスラグタップと、炉の
    上端に燃焼排ガスを排出する出口絞りを有し、 (b)スラグタップから絞り部に向い順次取付けられて
    炉内に旋回流を形成する、主として可燃成分を含む細
    かい粒分を供給する1次ノズル、空気を供給する2次
    ノズル、2次ノズルよりも高速の空気を供給する3次
    ノズルを有し、 (c)炉内壁面の少なくともスラグタップ部から2次ノ
    ズル配置部までの壁面が断熱性耐火材で被覆され、 (d)スラグタップの下部に生成するスラグを水砕スラ
    グとして排出するスラグ排出手段を有することを特徴と
    する廃棄物処理装置。
  4. 【請求項4】 スラグ排出手段はスラグタップを介して
    燃焼室内部の燃焼ガスを吸引する吸引ノズルと、吸引ノ
    ズルの下流に接続された粉塵捕集装置を有し、前記粉塵
    捕集装置で捕捉した捕集粉塵を、熱分解残留物を溜める
    ホッパへ戻すよう構成されている請求項に記載の廃棄
    物処理装置。
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