JP2015218929A - 流動床炉の運転方法及び流動床炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動床の温度が比較的低温の状態において、流動不良の発生を抑制しながら塩化水素ガスを有効に除去することが可能な流動床炉及びその運転方法を提供すること。【解決手段】炉本体(20)内において二酸化ケイ素を主成分とする流動媒体(30)を流動化ガスで流動化させることによって形成される流動床(32)で塩素含有廃棄物を加熱する流動床炉(10)の運転方法であって、流動床(32)の温度が450℃〜550℃に維持されるように炉本体(20)内に流動化ガスを供給する燃焼空気工程と、流動床(32)に塩素含有廃棄物を供給する廃棄物供給工程と、流動床(32)にナトリウムを含む薬剤を供給する薬剤供給工程と、備えること。【選択図】図1

Description

本発明は、流動床式焼却炉や流動床式ガス化炉等の流動床炉内で発生する塩化水素ガスの除去に関するものである。
従来、流動床炉を備えた廃棄物処理設備が知られている。流動床炉は、炉本体内において流動媒体が流動することによって形成される流動床で廃棄物を加熱することにより当該廃棄物からガスを取り出す炉である。この炉本体に供給される廃棄物中に塩素系プラスチック等の塩素含有廃棄物が含まれている場合、当該塩素含有廃棄物の燃焼に起因して炉本体内に塩化水素ガスが発生する。塩化水素ガスは、廃棄物処理設備における流動床炉の下流側の設備を腐食させる懸念がある。このため、炉本体内で発生するガス中から塩化水素ガスが除去されることが望まれている。例えば、特許文献1には、炉本体に脱塩剤を供給することにより可燃性ガスに含まれる塩化水素ガスを除去することが開示されている。具体的に、特許文献1には、部分燃焼炉と、部分燃焼炉内で流動媒体が流動することによって形成される流動床と、流動床に対して消石灰や生石灰等の脱塩剤を供給する脱塩剤供給手段と、を備える流動床式ガス化炉が開示されている。脱塩剤供給手段から流動床に供給された消石灰(生石灰)は、可燃性ガスに含まれる塩化水素ガスと反応し、塩化カルシウムとなる。よって、可燃性ガス中から塩化水素ガスが除去される。
特開平10−169935号公報
上記特許文献1に記載されるように、一般に、流動床炉では、脱塩剤として、カルシウムを含むものが用いられている。この脱塩剤中のカルシウムの反応速度は、温度に大きく依存し、廃棄物を有効に燃焼可能な流動床の温度範囲である450℃〜700℃では、十分な脱塩効果が得られない。
上記の温度範囲においても塩化水素ガスを有効に除去可能な脱塩剤として、ナトリウムを含む薬剤(炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等)が挙げられる。すなわち、ナトリウムの反応速度は、カルシウムのそれに比べて温度の影響を受けにくいため、流動床の温度が700℃以下であっても、ナトリウムを含む薬剤は塩化水素ガスと良好に反応し、前記ガスに含まれる塩化水素ガスを有効に除去する。
しかし、脱塩剤として前記ナトリウムを含む薬剤が流動床に供給された場合、流動媒体が大粒化し、これにより流動不良を引き起こす懸念がある。具体的に、流動床炉では、流動媒体として、二酸化ケイ素(SiO)を主成分とする珪砂が多く用いられる。このため、脱塩剤として前記ナトリウムを含む薬剤が流動床に供給された場合、珪砂とナトリウムとが反応することによって珪酸ナトリウムが生成される。これは、550〜670℃で軟化することが知られている。よって、流動床の温度が550℃以上の状態で当該流動床にナトリウムを含む薬剤が供給されると、流動床で生じた珪酸ナトリウムが軟化し、これが流動媒体(珪砂)の表面に付着する。そうすると、軟化した珪酸ナトリウム同士が接触することによって流動媒体が大粒化し、これにより流動不良を引き起こすおそれがある。
本発明の目的は、流動床の温度が比較的低温の状態において、流動不良の発生を抑制しながら塩素含有廃棄物の加熱時に発生する塩化水素ガスを有効に除去することが可能な流動床炉及びその運転方法を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、炉本体内において二酸化ケイ素を主成分とする流動媒体を流動化ガスで流動化させることによって形成される流動床で塩素含有廃棄物を加熱する流動床炉の運転方法であって、前記流動床の温度が450℃〜550℃に維持されるように前記炉本体内に前記流動化ガスを供給する燃焼空気供給工程と、前記流動床に前記塩素含有廃棄物を供給する廃棄物供給工程と、前記流動床にナトリウムを含む薬剤を供給する薬剤供給工程と、備える運転方法を提供する。
本運転方法では、塩素含有廃棄物が流動床で加熱された際に発生する塩化水素ガスがナトリウムを含む薬剤によって有効に除去され、しかも流動床の温度が450℃〜550℃に維持されるので、流動媒体中の二酸化ケイ素とナトリウムとの反応によって生じる珪酸ナトリウムの軟化が抑制される。よって、流動媒体の大粒化が抑制され、これにより流動不良の発生が抑制される。すなわち、本運転方法では、流動床の温度が比較的低温の550℃以下の状態において、流動不良の発生が抑制されながら塩化水素ガスが有効に除去される。
この場合において、前記薬剤供給工程では、前記薬剤として、前記流動床で前記塩素含有廃棄物が加熱されることによって生じるガスの前記炉本体のフリーボード部での流速よりも大きな終末速度となる粒径を有するものを供給することが好ましい。
このようにすれば、前記薬剤が流動床に到達する前に当該薬剤の粒子が前記ガスに随伴されて炉本体外へ飛散することが抑制される。このため、薬剤の粒子がより確実に流動床に取り込まれ、当該粒子が流動床において塩化水素ガスと反応するので、当該塩化水素ガスが一層有効に除去される。なお、前記ガスのフリーボード部での流速は、フリーボード部での前記ガスの体積流量を当該フリーボード部の断面積で除することにより算出される。また、前記薬剤の終末速度は、前記薬剤の粒径、前記薬剤の密度、前記ガスの密度及び前記ガスの粘性係数に基づいて算出される。
また、本運転方法において、前記流動床で前記塩素含有廃棄物が加熱された際に発生する塩化水素ガスの濃度を測定するガス濃度測定工程をさらに備え、前記薬剤供給工程では、前記濃度が予め設定された基準値となるように前記薬剤の供給量を制御しながら当該薬剤を供給することが好ましい。
この方法における薬剤供給工程では、前記塩化水素ガスの濃度が前記基準値となるように、すなわち流動床で発生した塩化水素ガスのうち前記基準値を超えた分が除去されるように薬剤の供給量を制御しながら当該薬剤を供給するので、前記薬剤の過剰供給が抑制される。流動床中のナトリウム濃度が増加すると、流動不良が生じやすくなることから、薬剤の過剰供給の抑制により、流動不良の発生が一層抑制される。具体的に、燃焼空気供給工程において、流動床の温度が450℃〜550℃となるように流動化ガスが供給されている場合であっても、流動床には部分的に550℃以上になる高温領域が生じ得る。その領域では珪酸ナトリウムが軟化するため、流動床に前記薬剤が過剰に供給されると、前記高温領域で流動媒体が大粒化することが懸念される。これに対し、本薬剤供給工程では、前記薬剤の過剰供給が抑制されるので、流動不良の発生が抑制される。
また、本発明において、前記流動床に供給される前記流動媒体の量、前記流動床に供給される前記薬剤の量、及び前記炉本体から抜き出される前記流動媒体及び前記薬剤の量に基づいて、前記流動床を形成する流動媒体中のナトリウムに対するケイ素のモル比を算出するモル比算出工程をさらに備え、前記薬剤供給工程では、前記モル比が10以上となる範囲で、かつ前記濃度が前記基準値となるように前記薬剤の供給量を調整しながら当該薬剤を供給することが好ましい。
このようにすれば、流動不良の発生がより確実に抑制される。具体的に、流動床における前記高温領域では珪酸ナトリウムが軟化するため、前記モル比が10未満の場合、換言すれば、流動床に含まれるナトリウム量が多くなり過ぎた場合、前記高温領域で流動媒体が大粒化することが懸念される。これに対し、本薬剤供給工程では、前記モル比が10以上となる範囲で薬剤を供給するので、前記高温領域での流動媒体の大粒化が抑制され、これにより流動不良の発生が抑制される。
加えて、前記薬剤供給工程における前記薬剤の前記流動床への供給と同時に前記モル比が10以上の流動媒体を前記流動床に供給する流動媒体供給工程をさらに備えることが好ましい。
このようにすれば、前記モル比を10以上に維持しながらより多くの塩化水素ガスの除去が可能となる。具体的に、流動媒体供給工程では、薬剤の供給と同時に前記モル比が10以上の流動媒体を供給するので、薬剤の供給による前記モル比の低下が抑制される。よって、前記モル比を10以上に維持しながら薬剤の供給量をより多く確保することが可能となる。
具体的に、前記薬剤供給工程では、前記モル比が10未満となった場合に、前記薬剤の供給量を減少させることが好ましい。
このようにすれば、仮に流動床中の前記モル比が10未満になった場合であっても、流動不良の発生が有効に抑制される。具体的に、流動床では塩素含有廃棄物とナトリウムとの反応が繰り返し生じるので、前記モル比が10未満となった場合に薬剤の供給量を減少させることにより、前記モル比は10以上となるまで次第に上昇し、これにより流動不良の発生が有効に抑制される。
この場合において、前記流動媒体供給工程は、前記モル比が10未満となった場合に、前記モル比が10以上の流動媒体を前記流動床に供給することが好ましい。
このようにすれば、流動不良の発生がさらに抑制される。具体的に、前記モル比が10未満となった場合に、薬剤供給工程で薬剤の供給量を減少させ、かつ流動媒体供給工程で前記モル比が10以上の流動媒体を前記流動床に供給するので、前記モル比が早期に10以上に上昇する。よって、流動不良の発生が抑制される。
また、本発明において、前記ガス濃度測定工程では、前記炉本体から流出したガスに含まれる煤塵量が低減された後の排ガスであって、当該排ガスに含まれる前記塩化水素ガスを除去する集塵機を通過する前の排ガスに含まれる前記塩化水素ガスの濃度を測定することが好ましい。
このようにすれば、ガスに含まれる煤塵量が低減され、かつ塩化水素ガスが実質的に除去されていない状態の排ガスに含まれる塩化水素ガスの濃度が測定されるので、炉本体内で発生した塩化水素ガスの濃度の正確な測定が可能となる。
また、本発明は、塩素含有廃棄物を加熱することにより当該塩素含有廃棄物からガスを取り出す流動床炉であって、炉本体と、前記炉本体内に収容されており、二酸化ケイ素を主成分とする流動媒体と、前記流動媒体を流動化させる流動化ガスを前記炉本体内に供給する燃焼空気供給部と、前記流動媒体が流動することによって形成される流動床の温度を検出する温度センサと、前記流動床に対して前記塩素含有廃棄物を供給する廃棄物供給部と、ナトリウムを含む薬剤を前記流動床に供給する薬剤供給部と、前記温度センサの検出値が450℃〜550℃に維持されるように前記燃焼空気供給部が供給する前記流動化ガスの供給量を制御する制御部と、を備える流動床炉を提供する。
本流動床炉では、流動床の温度が比較的低温の550℃以下の状態において、流動不良の発生が抑制されながら塩化水素ガスが有効に除去される。
この場合において、前記薬剤供給部は、前記薬剤として、前記ガスの前記炉本体のフリーボード部での流速よりも大きな終末速度となる粒径を有するものを供給することが好ましい。
このようにすれば、前記薬剤が流動床に到達する前に当該薬剤の粒子が前記ガスに随伴されて炉本体外へ飛散することが抑制されるため、薬剤の粒子がより確実に流動床に取り込まれる。
また、本発明において、前記流動床で前記塩素含有廃棄物が加熱された際に発生する塩化水素ガスの濃度を測定するガス濃度測定部をさらに備え、前記制御部は、前記濃度が予め設定された基準値となるように前記薬剤供給部が供給する前記薬剤の供給量を制御することが好ましい。
このようにすれば、流動不良の発生が一層抑制される。
また、本発明において、前記流動床に供給される前記流動媒体の量、前記流動床に供給される前記薬剤の量、及び前記炉本体から抜き出される前記流動媒体及び前記薬剤の量に基づいて、前記流動床を形成する流動媒体中のナトリウムに対するケイ素のモル比を算出するモル比算出工程をさらに備え、前記制御部は、前記モル比が10以上となる範囲で、かつ前記濃度が前記基準値となるように前記薬剤供給部が供給する前記薬剤の供給量を制御することが好ましい。
このようにすれば、流動不良の発生がより確実に抑制される。
加えて、前記モル比が10以上の流動媒体を前記流動床に供給する流動媒体供給部をさらに備え、前記制御部は、前記薬剤供給部の駆動と同時に前記流動媒体供給部を駆動することが好ましい。
このようにすれば、前記モル比を10以上に維持しながらより多くの塩化水素ガスの除去が可能となる。
さらに、前記制御部は、前記モル比が10未満となった場合に、前記薬剤供給部が供給する前記薬剤の供給量を減少させることが好ましい。
このようにすれば、仮に流動床中の前記モル比が10未満になった場合であっても、流動不良の発生が有効に抑制される。
この場合において、前記制御部は、前記モル比が10未満となったときに前記流動媒体供給部を駆動することが好ましい。
このようにすれば、前記モル比が早期に10以上に上昇するので、流動不良の発生がさらに抑制される。
また、本発明において、前記ガス濃度測定部は、前記ガスに含まれる煤塵量を低減させる煤塵低減部の下流側であって、前記煤塵低減部から排出された排ガスに含まれる前記塩化水素ガスを除去する集塵機の上流側に設けられていることが好ましい。
このようにすれば、炉本体内で発生した塩化水素ガスの濃度の正確な測定が可能となる。
以上のように、本発明によれば、流動床の温度が比較的低温の状態において、流動不良の発生を抑制しながら塩素含有廃棄物の加熱時に発生する塩化水素ガスを有効に除去することが可能な流動床炉及びその運転方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の流動床炉を含む廃棄物処理設備の概略を示す図である。 図1に示す制御部の制御範囲S1及び流動不良が発生し得る範囲S2を示すグラフである。 図1に示す制御部の制御内容を示すフローチャートである。 流動床の温度と塩化水素ガスの除去率との関係を示すグラフである。
本発明の一実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の流動床炉10を含む廃棄物処理設備1の全体構成の概略を示した図である。まず、この廃棄物処理設備1における廃棄物の処理要領について説明する。
図1に示されるように、本実施形態の廃棄物処理設備1は、流動床炉10に加え、主に、二次燃焼室200と、ボイラ300と、集塵機400と、誘引送風機500と、煙突600とを備えている。
この廃棄物処理設備1では、まず、廃棄物が定量的に流動床炉10に供給される。流動床炉10は、炉本体20内において流動媒体30が流動することによって形成される流動床32で廃棄物を加熱することにより当該廃棄物からガスを取り出す炉である。ここで発生したガスは、二次燃焼室200に導かれる。
二次燃焼室200では、前記ガス中の未燃物の完全燃焼が行われる。この二次燃焼室200から排出された排ガスは、ボイラ300に導入される。
ボイラ300では、前記排ガスを熱交換器に接触させることで当該排ガスの廃熱が回収される。前記排ガスは、ボイラ300でその廃熱が回収された後、集塵機400に導かれる。
集塵機400では、ボイラ300から流出した排ガスに含まれる塩化水素ガスやダイオキシン等が除去される。集塵機400によって除塵された排ガスは、誘引送風機500を経て煙突600から排出される。
次に、本実施形態の流動床炉10の詳細について説明する。
流動床炉10は、炉本体20と、流動媒体30と、燃焼空気供給部40と、二次燃焼空気供給部42と、廃棄物供給部50と、温度センサ60と、制御部70と、抜出装置80と、分級装置90と、切替部95と、を備えている。
炉本体20は、上下方向に長い筒状に形成されている。炉本体20の側部には、当該炉本体20内に廃棄物を供給するための供給口22が形成されている。この供給口22を通じて廃棄物供給部50によって炉本体20内に廃棄物が供給される。炉本体20の底壁24には、炉本体20内から流動媒体30及び廃棄物に含まれる不燃物等の混合物を排出するための排出口26が形成されている。本実施形態では、流動媒体30として、二酸化ケイ素(SiO)を主成分とする珪砂が用いられている。
燃焼空気供給部40は、炉本体20の底壁24から流動媒体30に対し当該流動媒体30を流動化させる流動化ガスを供給する。底部24には、多数のガス噴射口をもつ分散板(図示せず)が設けられており、前記ガス噴射口を通じて供給された流動化ガスで流動媒体30が流動することによって流動床32が形成される。この流動床32で廃棄物が燃焼されることによってガスが発生する。このガスは、炉本体20内の流動床32よりも上部に二次燃焼空気供給部42から供給される二次燃焼空気によりフリーボード部28で二次燃焼した後、炉本体20の上部から当該炉本体20外に流出し、二次燃焼室に流入する。
前記流動床32の温度は、一定の範囲内に収まるように制御される。具体的に、流動床32の温度が温度センサ60によって検知され、制御部70により、前記温度センサ60の検出値が所定範囲に収まるように燃焼空気供給部40が供給する流動化ガスの供給量が制御される。例えば、流動床32の温度を高くする場合には、制御部70は、流動化ガスの供給量を増加させる。また、制御部70は、温度センサ32の検出値が閾値を超えた場合に水供給部100から流動床32に水を供給させる。
抜出装置80は、排出口26を通じて炉本体20内から混合物を抜き出す装置である。この排出装置80は、排出口26の下方に設けられ、この排出口26から落下してきた混合物を分級装置90へ送る。例えば、前記混合物は、抜出装置80のスクリュー押し込み機によって分級装置90へ送られる。
分級装置90は、排出装置80から送られてきた混合物から流動媒体30を分離する装置である。ここで分離された流動媒体30は、切替部95を経由した後に図示略の循環装置によって炉本体20内に戻される。なお、分級装置90により分離された不燃物は、別途処理される。
切替部95は、分級装置90で分離された流動媒体30を貯留するとともに、当該流動媒体30を前記循環装置を経て炉本体20内に戻すか流動床炉10の系外に導出するかを切り替える。
一般に、廃棄物供給部50から炉本体20内に供給される廃棄物には、塩素系プラスチック等の塩素含有廃棄物が含まれる。この塩素含有廃棄物が流動床32で加熱されると、塩化水素ガスが発生する。この塩化水素ガスは、廃棄物処理設備1のうち流動床炉10の下流側の設備(ボイラ300等)を腐食するおそれがある。このため、本流動床炉10は、塩化水素ガスを有効に除去可能に構成されている。具体的に、流動床炉10は、ナトリウムを含む薬剤を供給する薬剤供給部110と、塩化水素ガスの濃度を測定するガス濃度測定部120と、ナトリウムに対するケイ素のモル比を測定するモル比測定部130と、流動媒体30を流動床32に供給する流動媒体供給部140と、モル比算出部150と、をさらに備えている。
薬剤供給部110は、流動床32に薬剤を供給する。本実施形態では、ナトリウムを含む薬剤として、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムが用いられている。また、本実施形態では、薬剤として、フリーボード部28におけるガスの流速(空塔速度)よりも大きな終末速度となる粒径を有するものが供給される。空塔速度は、フリーボード部28での前記ガスの体積流量を当該フリーボード部28の断面積で除することにより算出される。前記体積流量は、塩素含有廃棄物が流動床32で完全燃焼した場合に生じるガスの量と、燃焼空気供給部40によって供給される燃焼空気の量と、二次燃焼空気供給部42によって供給される二次燃焼空気の量との和に基づいて算出される。なお、空塔速度は、炉本体20に設けられた流速計44によって計測されてもよい。終末速度は、薬剤の粒径、薬剤の密度、流動床32で発生するガスの密度及び前記ガスの粘性係数に基づいて算出される。前記ガスの密度は、フリーボード部28の圧力から推定される。この圧力は、フリーボード部28の圧力を検知可能となるように炉本体20に設けられた圧力センサ(図示略)によって検知される。この薬剤は、塩化水素ガスと反応することで塩化ナトリウムとなる。よって、炉本体20内で発生した塩化水素ガスが有効に除去される。
ガス濃度測定部120は、ボイラ300の下流側でかつ集塵機400の上流側の排ガスに含まれる塩化水素ガスの濃度を測定する。この測定値は、制御部70に送られる。ガス濃度測定部120として、レーザガス分析計等が挙げられる。ボイラ300では、熱交換器を排ガスが通過するときに、排ガスに含まれる煤塵の一部が前記熱交換機に付着する。このため、排ガスがボイラ300を通過することにより当該排ガス中の煤塵の量が低減する。すなわち、本実施形態では、ボイラ300が「煤塵低減部」として機能する。
モル比測定部130は、流動媒体30中のナトリウムに対するケイ素のモル比を測定する。このモル比の算出に用いられるナトリウム量には、薬剤供給部110から供給されるナトリウム量と廃棄物に含まれるナトリウム量とが含まれる。本実施形態では、モル比測定部130は、分級装置90の下流側に設けられている。このため、モル比測定部130は、分級装置90によって前記混合物から不燃物が取り除かれることで残った流動媒体30中の前記モル比を測定する。このモル比の測定値は、制御部70に送られる。なお、モル比測定部130は、省略されてもよい。
流動媒体供給部140は、前記モル比が10以上の流動媒体を流動床32に供給する。本実施形態では、流動媒体供給部140は、分級装置90で分離された流動媒体とともに前記モル比が10以上の流動媒体を流動床32に供給する。
モル比算出部150は、流動床32に供給される流動媒体30の量、流動床32に供給される前記薬剤の量、及び炉本体20から抜き出される流動媒体30及び薬剤の量に基づいて、前記モル比を算出する。流動床32に供給される流動媒体30の量は、廃棄物供給部50から廃棄物とともに流動32に供給される流動媒体30の量である。なお、流動床32に供給される流動媒体30の量には、流動媒体供給部140から供給される流動媒体30の量が加えられてもよい。流動床32に供給される前記薬剤の量は、薬剤供給部110から供給される薬剤の量である。炉本体20から抜き出される流動媒体30及び薬剤の量は、切替部95から流動床炉10の系外に導出される流動媒体30及び薬剤の量である。また、モル比の算出には、過去に測定されたデータが考慮されてもよい。このモル比の算出値は、制御部70に送られる。
そして、制御部70は、温度センサ60の検出値が450℃〜550℃に維持されるように燃焼空気供給部40が供給する流動化ガスの供給量を制御する。これは、流動床32での廃棄物の安定的な燃焼機能を確保しながら当該流動床32での流動不良の発生を抑制するためである。具体的に、ナトリウムを含む薬剤が流動床32に供給された場合、流動媒体30(珪砂)とナトリウムとが反応することによって珪酸ナトリウムが生成される。これは、550〜670℃で軟化することが知られている。よって、流動床32の温度が550℃以上の状態で当該流動床32にナトリウムを含む薬剤が供給されると、流動床32で生じた珪酸ナトリウムが軟化し、これが流動媒体30(珪砂)の表面に付着する。そうすると、軟化した珪酸ナトリウム同士が接触することによって流動媒体30が大粒化し、これにより流動不良を引き起こす懸念がある。このため、本実施形態では、制御部70は、温度センサ60の検出値が550℃以下となるように燃焼空気供給部40が供給する流動化ガスの供給量を制御する。また、制御部70は、温度センサ32の検出値が550℃を超えた場合に水供給部100から流動床32に水を供給させる。
さらに、制御部70は、前記モル比が10以上となる範囲で、かつ前記ガス濃度測定部120の測定値が予め設定された基準値となるように薬剤供給部110が供給する前記薬剤の供給量及び流動媒体供給部140の駆動を制御する。これは、流動床32で発生する塩化水素ガスの有効な除去機能を確保しながら薬剤の過剰供給に起因する流動床32での流動不良の発生を抑制するためである。具体的に、流動床32の温度が550℃以下となるように燃焼空気供給部40から流動化ガスが供給され、または水供給部100から水が供給されている場合であっても、流動床32のうち部分的に550℃以上になる高温領域が生じ得る。その領域では珪酸ナトリウムが軟化するため、流動床32に薬剤が過剰に供給されることによって当該流動床32が薬剤過多状態になった場合(流動床32に含まれるナトリウム量が多くなり過ぎた場合)、前記高温領域での流動媒体30同士の固着が進行し、流動不良が発生するおそれがある。このため、制御部70は、塩化水素ガスの濃度が前記基準値となるように、すなわち流動床32で発生した塩化水素ガスのうち前記基準値を超えた分が除去されるように薬剤供給部110が供給する薬剤の供給量を制御する。
前記薬剤過剰状態は、前記モル比が10未満となった状態をいう。具体的に、流動床32の温度が550℃以下であっても、前記モル比が10未満になると、流動媒体30の大粒化が進み、流動媒体30中の固着物の割合が2%を超える。そうすると、前記固着物が存在する領域は流動しにくくなるため、流動床32中に相対的に高温の領域と相対的に低温の領域とが生じる。その結果、前記相対的に高温の領域で流動媒体30同士の固着がさらに進行し、これにより流動不良が発生すると考えられる。そのため、制御部70は、前記モル比が10以上となる範囲で、かつ前記濃度が前記基準値となるように薬剤供給部110及び流動媒体供給部140を制御する。すなわち、制御部70は、前記モル比が図2の範囲S1内に収まるように薬剤供給部110及び流動媒体供給部140を制御する。なお、図2の範囲S2は、流動不良の発生が懸念される領域である。以下、制御部70の具体的な制御内容を図3を参照しながら説明する。
まず、制御部70は、ガス濃度測定部120の測定値(塩化水素ガスの濃度)を受信する(ステップST10)。そして、前記濃度が基準値よりも大きいか否かを判定する(ステップST11)。
その結果、前記濃度が基準値以下の場合(ステップST11でNO)、前記濃度が基準値と等しいか否かを判定する(ステップST12)。この結果、前記濃度と基準値とが等しくない場合(ステップST12でNO)、すなわち前記濃度が基準値よりも小さい場合、薬剤供給部110が供給する薬剤の供給量を減らし(ステップST13)、ステップST10に戻る。一方、前記濃度が基準値と等しい場合(ステップST12でYES)、薬剤供給部110が供給する薬剤の供給量を維持し(ステップST14)、ステップST10に戻る。
前記ステップST11でYESの場合、モル比算出部150の算出値(前記モル比)を受信し、これが10以下か否かを判定する(ステップST15)。この結果、前記モル比が10より大きい場合(ステップST15でNO)、薬剤供給部110が供給する薬剤の供給量を増やし(ステップST16)、ステップST10に戻る。一方、前記モル比が10以下の場合、前記モル比が10であるか否かを判定する(ステップST17)。
この結果、前記モル比が10より小さい場合(ステップST17でNO)、薬剤供給部110が供給する薬剤の供給量を減らす(ステップST18)。その後、流動媒体供給部140を駆動し(ステップST19)、ステップST10へ戻る。一方、ステップST17でYESの場合、すなわち前記モル比が10の場合、薬剤供給部110が供給する薬剤の供給量を維持し(ステップST20)、ステップST10へ戻る。なお、制御部70は、必要に応じて、モル比測定値130の測定値に基づいて薬剤の供給量や流動媒体30の供給量を調整してもよい。
制御部70は、上記の制御中において、薬剤供給部110の駆動と同時に流動媒体供給部140も駆動する。
以上説明したように、本実施形態の流動床炉10の運転方法では、流動床32の温度が450℃〜550℃に維持され、かつ薬剤の過剰供給が抑制されるので、流動床32の温度が比較的低温の550℃以下の状態において、流動不良の発生が抑制されながら塩化水素ガスが有効に除去される。塩化水素ガスが有効に除去されることにより、流動床10の後段に配置されたボイラ300の腐食が抑えられる可能性がある。
また、上記実施形態では、薬剤供給部110は、薬剤として、流動床32で塩素含有廃棄物が加熱されることによって生じるガスのフリーボード部28での流速よりも大きな終末速度となる粒径を有するものを供給する。よって、薬剤が流動床32に到達する前に当該薬剤の粒子が前記ガスに随伴されて炉本体20外へ飛散することが抑制される。このため、薬剤の粒子がより確実に流動床32に取り込まれ、当該粒子が流動床32において塩化水素ガスと反応するので、当該塩化水素ガスが一層有効に除去される。
また、上記実施形態では、前記モル比が10以上となる範囲で薬剤が供給されるので、流動不良の発生がより確実に抑制される。
また、上記実施形態では、薬剤の流動床32への供給と同時に前記モル比が10以上の流動媒体が流動床32に供給されるので、前記モル比を10以上に維持しながらより多くの塩化水素ガスの除去が可能となる。具体的に、薬剤の供給と同時に前記モル比が10以上の流動媒体30が供給されることにより、薬剤の供給による前記モル比の低下が抑制される。よって、前記モル比を10以上に維持しながら薬剤の供給量をより多く確保することが可能となる。
また、上記実施形態では、前記モル比が10未満となった場合、すなわち、流動床32が前記薬剤過剰状態になった場合に、薬剤の供給量を減少させるので、流動不良の発生が有効に抑制される。具体的に、流動床32では塩素含有廃棄物とナトリウムとの反応が繰り返し生じるので、前記モル比が10未満となった場合に薬剤の供給量を減少させることにより、前記モル比は10以上となるまで次第に上昇し、これにより流動不良の発生が有効に抑制される。
また、上記実施形態では、前記モル比が10未満となった場合に、前記モル比が10以上の流動媒体を流動床32に供給するので、流動不良の発生がさらに抑制される。具体的に、前記モル比が10未満となった場合に、薬剤の供給量を減少させ、かつ前記モル比が10以上の流動媒体30を流動床32に供給するので、前記モル比が早期に10以上に上昇する。
また、本実施形態では、ボイラ300の下流側でかつ集塵機400の上流側において前記濃度が測定される。つまり、ガスに含まれる煤塵量が低減され、かつ塩化水素ガスが実質的に除去されていない状態の排ガスに含まれる塩化水素ガスの濃度が測定されるので、炉本体20内で発生した塩化水素ガスの濃度が正確に測定される。
ここで、ナトリウムを含む薬剤の脱塩効果とカルシウムを含む薬剤の脱塩効果とを、図4を参照しながら説明する。
図4に示されるように、ナトリウムを含む薬剤(炭酸ナトリウム)は、流動床32の温度が400℃〜800℃の範囲において非常に高い脱塩効果を有しており、その反動速度の温度依存性も極めて小さいことが分かる。一方、カルシウムを含む薬剤(炭酸カルシウム)は、流動床32の温度が400℃〜800℃のすべての範囲でナトリウムを含む薬剤よりも脱塩効果が低く、しかもその反応速度の温度依存性も非常に大きいことが分かる。特に、600℃以上の範囲では、実質的に脱塩効果は得られない。換言すれば、本実施形態では、薬剤としてナトリウムを含むものが用いられるため、流動床32の温度が450℃〜550℃のすべての範囲において非常に高い脱塩効果を得ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、ボイラ300と集塵機400との間にガス濃度測定部120が設けられた例が説明されたが、ガス濃度測定部120は、二次燃焼室200とボイラ300との間に設けられてもよい。このようにすれば、炉本体20により近い位置で塩化水素ガスの濃度が測定されるので、制御部70による制御速度が大きくなる。あるいは、ガス濃度測定部120は、集塵機400と誘引送風機500との間に設けられてもよい。このようにすれば、既設のガス濃度測定部、つまり集塵機400から排出された排ガスに含まれる塩化水素ガスの濃度を測定するためのガス濃度測定部の流用が可能となる。
1 廃棄物処理設備
10 流動床炉
20 炉本体
30 流動媒体
32 流動床
40 燃焼空気供給部
50 廃棄物供給部
60 温度センサ
70 制御部
95 切替部
110 薬剤供給部
120 ガス濃度測定部
130 モル比測定部
140 流動媒体供給部
150 モル比算出部
200 二次燃焼室
300 ボイラ(煤塵低減部)
400 集塵機
500 誘引送風機
600 煙突

Claims (16)

  1. 炉本体内において二酸化ケイ素を主成分とする流動媒体を流動化ガスで流動化させることによって形成される流動床で塩素含有廃棄物を加熱する流動床炉の運転方法であって、
    前記流動床の温度が450℃〜550℃に維持されるように前記炉本体内に前記流動化ガスを供給する燃焼空気供給工程と、
    前記流動床に前記塩素含有廃棄物を供給する廃棄物供給工程と、
    前記流動床にナトリウムを含む薬剤を供給する薬剤供給工程と、備える運転方法。
  2. 請求項1に記載の流動床炉の運転方法において、
    前記薬剤供給工程では、前記薬剤として、前記流動床で前記塩素含有廃棄物が加熱されることによって生じるガスの前記炉本体のフリーボード部での流速よりも大きな終末速度となる粒径を有するものを供給する運転方法。
  3. 請求項1又は2に記載の流動床炉の運転方法において、
    前記流動床で前記塩素含有廃棄物が加熱された際に発生する塩化水素ガスの濃度を測定するガス濃度測定工程をさらに備え、
    前記薬剤供給工程では、前記濃度が予め設定された基準値となるように前記薬剤の供給量を制御しながら当該薬剤を供給する運転方法。
  4. 請求項3に記載の流動床炉の運転方法において、
    前記流動床に供給される前記流動媒体の量、前記流動床に供給される前記薬剤の量、及び前記炉本体から抜き出される前記流動媒体及び前記薬剤の量に基づいて、前記流動床を形成する流動媒体中のナトリウムに対するケイ素のモル比を算出するモル比算出工程をさらに備え、
    前記薬剤供給工程では、前記モル比が10以上となる範囲で、かつ前記濃度が前記基準値となるように前記薬剤の供給量を調整しながら当該薬剤を供給する運転方法。
  5. 請求項4に記載の流動床炉の運転方法において、
    前記薬剤供給工程における前記薬剤の前記流動床への供給と同時に前記モル比が10以上の流動媒体を前記流動床に供給する流動媒体供給工程をさらに備える運転方法。
  6. 請求項5に記載の流動床炉の運転方法において、
    前記薬剤供給工程では、前記モル比が10未満となった場合に、前記薬剤の供給量を減少させる運転方法。
  7. 請求項6に記載の流動床炉の運転方法において、
    前記流動媒体供給工程は、前記モル比が10未満となった場合に、前記モル比が10以上の流動媒体を前記流動床に供給する運転方法。
  8. 請求項3ないし7のいずれかに記載の流動床炉の運転方法において、
    前記ガス濃度測定工程では、前記炉本体から流出したガスに含まれる煤塵量が低減された後の排ガスであって、当該排ガスに含まれる前記塩化水素ガスを除去する集塵機を通過する前の排ガスに含まれる前記塩化水素ガスの濃度を測定する運転方法。
  9. 塩素含有廃棄物を加熱することにより当該塩素含有廃棄物からガスを取り出す流動床炉であって、
    炉本体と、
    前記炉本体内に収容されており、二酸化ケイ素を主成分とする流動媒体と、
    前記流動媒体を流動化させる流動化ガスを前記炉本体内に供給する燃焼空気供給部と、
    前記流動媒体が流動することによって形成される流動床の温度を検出する温度センサと、
    前記流動床に対して前記塩素含有廃棄物を供給する廃棄物供給部と、
    ナトリウムを含む薬剤を前記流動床に供給する薬剤供給部と、
    前記温度センサの検出値が450℃〜550℃に維持されるように前記燃焼空気供給部が供給する前記流動化ガスの供給量を制御する制御部と、を備える流動床炉。
  10. 請求項9に記載の流動床炉において、
    前記薬剤供給部は、前記薬剤として、前記ガスの前記炉本体のフリーボード部での流速よりも大きな終末速度となる粒径を有するものを供給する流動床炉。
  11. 請求項9又は10に記載の流動床炉において、
    前記流動床で前記塩素含有廃棄物が加熱された際に発生する塩化水素ガスの濃度を測定するガス濃度測定部をさらに備え、
    前記制御部は、前記濃度が予め設定された基準値となるように前記薬剤供給部が供給する前記薬剤の供給量を制御する流動床炉。
  12. 請求項11に記載の流動床炉において、
    前記流動床に供給される前記流動媒体の量、前記流動床に供給される前記薬剤の量、及び前記炉本体から抜き出される前記流動媒体及び前記薬剤の量に基づいて、前記流動床を形成する流動媒体中のナトリウムに対するケイ素のモル比を算出するモル比算出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記モル比が10以上となる範囲で、かつ前記濃度が前記基準値となるように前記薬剤供給部が供給する前記薬剤の供給量を制御する流動床炉。
  13. 請求項12に記載の流動床炉において、
    前記モル比が10以上の流動媒体を前記流動床に供給する流動媒体供給部をさらに備え、
    前記制御部は、前記薬剤供給部の駆動と同時に前記流動媒体供給部を駆動する流動床炉。
  14. 請求項13に記載の流動床炉において、
    前記制御部は、前記モル比が10未満となった場合に、前記薬剤供給部が供給する前記薬剤の供給量を減少させる流動床炉。
  15. 請求項14に記載の流動床炉において、
    前記制御部は、前記モル比が10未満となったときに前記流動媒体供給部を駆動する流動床炉。
  16. 請求項9ないし15のいずれかに記載の流動床炉において、
    前記ガス濃度測定部は、前記ガスに含まれる煤塵量を低減させる煤塵低減部の下流側であって、前記煤塵低減部から排出された排ガスに含まれる前記塩化水素ガスを除去する集塵機の上流側に設けられている流動床炉。
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