JP2002248452A - 環境に優しいごみの資源化方法 - Google Patents

環境に優しいごみの資源化方法

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JP2002248452A
JP2002248452A JP2001047170A JP2001047170A JP2002248452A JP 2002248452 A JP2002248452 A JP 2002248452A JP 2001047170 A JP2001047170 A JP 2001047170A JP 2001047170 A JP2001047170 A JP 2001047170A JP 2002248452 A JP2002248452 A JP 2002248452A
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furnace
refuse
pyrolysis
hcl
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Yoshio Kobayashi
義雄 小林
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Tokuyama Corp
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    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、低コストでダイオキシン等の環境に
有害な物質の発生を抑制しつつ、ごみを資源として有効
に利用することを目的とする。 【解決手段】 熱分解炉において、炭酸ナトリウム等の
アルカリ性物質と酸化鉄等からなる脱硫剤の存在下にご
みを350〜750℃で熱分解して、熱分解時に生じる
塩化水素ガスをアルカリ塩とし、硫化水素ガスを硫化鉄
等の重金属硫化物として固定しつつ分解ガスを生成せし
め、次いで分解ガス中のアルカリ塩、劣化した脱硫剤と
劣化した流動媒体及び熱分解残滓を含む固形分を熱分解
温度近傍で除去して、得られるクリーンなガス成分は発
電用等の燃料用ガスとして利用し、当該除去された固形
分はアルカリ塩を除いた後セメントや高炉用の工業用原
料として利用することを特徴とするごみの資源化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低コストでダイオキシン
等の環境に有害な物質の発生を抑制しつつ、ごみを資源
として有効に利用することを目的とするごみ処理技術に
係わる。
【0002】
【従来の技術】ダイオキシンは化学的に安定であるため
に環境の中では分解され難く、たとえ排出濃度が低くて
も経年的に環境の中に蓄積され、やがてそれが食物連鎖
を経て人体に大きな害を与える恐れがあるために、都市
ごみや、産業廃棄物の焼却炉からの排ガスや飛灰・焼却
灰から排出されるダイオキシンと有害重金属を含む飛灰
・焼却灰の処理が深刻な社会問題になっている。
【0003】ダイオキシン環の水素原子を4〜8個の塩
素原子で置換した17種の化合物に毒性がある。それら
は何れも2,3,7,8の位置が塩素原子で置換されたもので
あり、その中でも2,3,7,8の位置に4個塩素置換した2,
3,7,8テトラクロロ・ヂベンゾ・パラ・ヂオキシン(2,
3,7,8−TCDD)が最も毒性が強く、その他の16種類の
化合物の毒性は2,3,7,8-TCDDの0.5倍から0.001
倍のものまで多様である。2,3,7,8-TCDDの毒性を1とし
た場合のダイオキシン類の相対的な毒性値が毒性等価係
数(THF)として表されている。このTHF値を用いて重み
付けすることによってダイオキシン類の毒性の力価換算
が行われ、その換算値を毒性当量(TEQ)で表す。
【0004】このダイオキシンと飛灰・焼却灰の究極的
な処理方法として、ガス化熔融炉が次世代のごみ焼却技
術として開発されている。ガス化熔融炉を次世代ごみ焼
却技術と位置づける根拠は1400〜1500℃の高温
に曝せばダイオキシンは焼き尽くされ、排ガス中のダイ
オキシン濃度は0.01ng(TEQ)/m3Nのレベルに、灰分
はダイオキシンを含まず且つ有害重金属を溶出しない熔
融スラグになるから安全であると言うものである。
【0005】しかし、この方式は処理工程が複雑であ
り、且つ1400〜1500℃と言う過酷な温度条件下
での操作を含むために、炉材の寿命が短かかったり、ま
た除塵工程でのde novo合成を避けるために排ガス温度
を下げ、その後NOxを除去するために排ガス温度を上げ
ると言った無駄な操作を行なっている。その対応のため
に建設費のみならず維持管理費も高くつき、見かけ以上
にコスト高になる。また高いコストをかけて処理したに
もかかわらずその生成物である熔融スラグは依然として
廃棄物扱いでしかないと言う問題も残されている。
【0006】一方、近年、セメント業界では飛灰・焼却
灰を引き取ってセメントの原材料にしょうという動きが
見られるが、飛灰・焼却灰の熔融処理はごみ処理プラン
トの中で自己完結的に小規模に処理するのでなく、この
セメント製造業者にセメント原材料として引き取って貰
って1450℃のセメントキルンの中で処理して貰うの
が安価で、また国民経済的にも最も合理的な方法である
と考えられる。
【0007】また、近年ごみを厄介な廃棄物からエネル
ギ−資源として見直そうと言う動きがあるが、その際の
最大の問題点はごみから発生するHClがボイラ効率向上
の妨げになっていることである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低コストで
ダイオキシンや有害重金属類物質の環境への排出を抑制
しつつ、ごみを資源として有効に利用することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は焼却炉におけ
るダイオキシン生成メカニズムを研究する中で、炉内の
HCl濃度がダイオキシンの生成に大きく影響しているこ
と、つまり、[ダイオキシンの生成量] ∝ [ HCl濃度
]2 3の関係を見出した。 仮に、炉内でHCl発生後直ち
にHClを除去し、HCl濃度を1/10にすればダイオキシ
ンの発生量は1/100〜1/1000になる。
【0010】ガス化熔融炉法ではダイオキシン抑制は1
400〜1500℃と言う過酷な温度条件下で強引に焼
き尽くすことによって、ようやく0.01ng(TEQ)/m3N
のレベルが達成されるのであるが、本発明者の研究によ
ると極く普通の焼却炉において炉内のHCl濃度を迅速に
1/10にするだけの方法で、ダイオキシン排出量は1
ng(TEQ)/m3Nのレベルにあったものを0.01〜0.0
01ng(TEQ)/m3N のレベルにすることが可能であること
を見出した。炉内のHCl濃度を下げるには、炉内にアル
カリ性物質(重炭酸ソ−ダ、炭酸ソ−ダ、天然ソ−ダ、
苛性ソ−ダ、重炭酸カリ、炭酸カリ、カ性カリ、生石
灰、消石灰など)を吹き込んでHClをNaCl、KCl、CaCl2
等として固定する方法が考えられる。この方法の問題点
はNaClの融点(800.4℃)、KClの融点(776℃)、CaCl2
の熱安定性(400℃以上で不安定)の制約を受けるため
に、アルカリ物質がNa、K系であるときは炉温は750℃以
下でなければならないし、Ca系であるときは400℃以下
でなければならない。、そこで、本発明者はごみ焼却炉
の構造を炉温が750℃以下の熱分解部と炉温が800℃以上
の主燃焼部に分けることとし、750℃以下の熱分解部に
アルカリ性物質を吹き込んで塩化水素ガスを除去する方
法を考案した。
【0011】熱分解部で塩化水素を除去すると、塩化水
素と酸素を含まず、硫化水素が存在する雰囲気となる。
有害な重金属成分であるZn、Pb、Mn、Cu、Cr、Ni、Cdは
通常のごみ焼却炉の中では揮発性の塩化物として存在す
るために通常の乾式HCl除去装置では除去することが困
難であり、大気中に放出されるのが常であるが、塩化水
素と酸素を含まず、硫化水素が存在する雰囲気中ではそ
れらの重金属成分は概ね不揮発性の硫化物または酸化物
として固定される。さらに硫化水素は鉄鉱石などの酸化
鉄成分を添加することによって除去できること、ひいて
は後段におけるde novo合成を抑制出来ることを明らか
にし、本発明を完成するに到った。
【0012】即ち、本発明は、熱分解炉において、アル
カリ性物質並びに酸化鉄を主体とする脱硫剤の存在下に
ごみを350〜750℃で熱分解して、熱分解時に生じ
る塩化水素ガス及び硫化水素ガスを各々アルカリ塩及び
硫化鉄として固定しつつ分解ガスを生成せしめ、次いで
分解ガス中から固形分を除去して、得られるクリ−ンガ
ス成分は燃料用ガスとして利用し、当該除去された固形
分はアルカリ塩を除いた後工業用原料として利用するこ
とを特徴とするごみの資源化方法である。
【0013】本発明においては、熱分解時に生じる塩化
水素ガスをアルカリ塩として固定し、また、同時に発生
する硫化水素ガスの作用で有害重金属成分を硫化物とし
て固定すると同時に余分の硫化水素を酸化鉄を主体とす
る脱硫剤と反応させて硫化鉄とする。
【0014】本発明によれば、ごみをHClや硫黄分等を
含まないクリ−ンな熱分解ガスと、主として熱分解残
滓、アルカリ塩、及び劣化した脱硫剤からなる固形分と
に転換される。本発明において、熱分解残滓とは灰とチ
ャ−を含むものであり、当該残滓中には上記の通りの硫
化鉄その他の重金属類の硫化物や酸化物が含まれる。ま
た、固形分中には、熱分解過程で劣化した脱硫剤や場合
によっては劣化した流動媒体も含まれる。
【0015】そして、クリ−ンな熱分解ガスは発電ボイ
ラに導いて高効率で電力に転換し、固形分は水洗により
塩化物(NaCl、KCl、CaCl2)を除去した後、セメントや
高炉の原材料として利用する。クリ−ンガスを燃料とす
る発電ボイラではダイオキシンも煤塵も全く発生しな
い。また熱分解炉内ではHClの濃度が低く、且つ高温集
塵機の温度がde novo合成温度域から大幅にずれている
ためにダイオキシンが合成されることはない。そのた
め、高温集塵機等で回収した固形分にもダイオキシンは
殆ど含まれていない。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において、対象となるごみ
としては、一般の都市ごみや産業廃棄物などである。具
体的なごみの種類としては厨芥、食品残飯、塵埃、繊維
類、紙類、草木、プラスチック類、汚泥、廃油、鉱物、
硝子や陶器等のセラミックス等である。
【0017】これらごみを熱分解炉に投入するに先立
ち、あらかじめ一般に用いられる破砕機等を用いて細片
化、粒状化し、調整槽で均一化しておくことが好まし
い。
【0018】本発明に使用するアルカリ性物質として
は、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリ
ウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウ
ム、酸化カルシウム及び水酸化カルシウム等のアルカリ
性を示すアルカリ金属の炭酸塩、水酸化物、酸化物が利
用できる。
【0019】これらは単独でのみならず、数種混合して
用いても良く、更に、これらを含む鉱物資源、例えば石
灰石、ドロマイト、天然ソーダなどを利用することは極
めて有益である。
【0020】本発明において、ごみを熱分解する方法及
びその装置は特に制限されないが、代表的には例えば、
キルン方式、流動床方式が主として用いられる。また、
加熱方式には間接加熱方式と炉内での部分燃焼方式があ
るが、装置の構造、操作の簡便性の点でキルン、流動床
の何れの場合にもタ−ル状物質の発生が少ない部分燃焼
方式が適している。
【0021】流動床炉はアルカリによる流動媒体の固結
トラブルを引き起こし易い欠点があるが、炉内温度を均
一にし、且つ炉内に吹き込んだ少量のアルカリ性物質と
熱分解ガスとの接触をよくしてHCl等の除去率を上げる
点で適している。
【0022】熱分解温度は、350〜750℃とするこ
とが必須である。Na系、K系のアルカリ性物質を800
℃以上の通常の焼却炉の中に吹き込むと、熔融したNaCl
やKClが炉材の表面に付着し、炉材のSiO2成分と反応し
て炉材を浸食する。この浸食による炉材の損傷は炉温が
高くなるほど、また、アルカリ性物質の吹き込み量が多
くなるほど大きくなる。したがって800℃以上で操業
している通常の焼却炉にアルカリ物質を吹き込む方法で
のダイオキシン抑制値は0.01ng(TEQ)/m3N近辺が限
界ではないかと推察される。これに対して、操作温度が
750℃以下の熱分解炉では炉材が損傷する心配がな
く、HCl等の除去操作がやりやすく、炉内のHCl濃度を1
0数ppm近辺にまで下げることが可能となる。他方、熱
分解残滓をセメント、高炉の原材料にするためには塩素
分を除去しなければならないが、熱分解炉の操作温度が
低くなるとチャ−に残る有機性の塩素分(水洗で除去出
来ない塩素分)とチャ−の生成量が多くなり、且つタ−
ル状物質が発生して後段の集塵操作に支障を来す。
【0023】従って、熱分解炉の操作温度は出来るだけ
高くし、有機性塩素分を少なく、且つチャ−とタ−ルを
出来るだけ少なくすることが好ましい。以上の事情から
好ましい熱分解温度は350〜750℃より好ましく
は、550〜650℃である。尚、600℃の熱分解温
度では熱分解残滓中の不溶性の有機性塩素量はごみに含
まれる有機性塩素分の1%以下である。
【0024】本発明においては、ごみの分解とともに発
生する塩化水素ガスをアルカリ塩として固定されるよう
に、分解時にアルカリ性物質が存在することが必須であ
るが、その手段は特に限定されない。一般的には、熱分
解炉中に粉末状のアルカリ性物質をエアロゾルとして吹
き込む方法、予めごみと混合しておく方法、流動床の流
動媒体に添加する方法等が採用される。
【0025】流動床炉の流動媒体としては通常、砂(珪
砂)を用いているが、熱分解操作温度が高くなると、 S
iO2とNa系(K系)物質は、下記(1)、(2)式で示す
様な反応を起こす。Na(K)はその他いろいろな共融混合
物を生成する。その結果、流動床の固結トラブルとかHC
l除去率の低下の原因となる。
【0026】 2 NaCl + SiO2 + H2O = Na2SiO3 + 2 HCl (1) Na2CO3 + SiO2 = Na2SiO3 +CO2 (2) 従って、砂(珪砂)を石灰石粒とか鉄鉱石粒に置き換え
ることによって、これらのトラブルは回避できる。
【0027】熱分解炉内で発生し塩化水素ガスは吹き込
んだアルカリと反応すると同時に流動媒体の石灰石とも
下記(3)式のように反応する。 CaCO3 + 2 HCl = CaCl2 + CO2 + H2O (3) 上記(3)式の反応を起こさせるには純粋なCaCO3 より
もMgを含んだドロマイトの方が好ましい。
【0028】また熱分解炉内では、ごみ中の硫黄分が硫
化水素ガスとなって発生するが、このH2Sは熱分解炉内
に存在する酸化鉄を主体とする脱硫剤と(4)式のよう
に容易に反応し、高率で脱硫される。
【0029】 FeO + H2S = FeS + H2O (4) 酸化鉄以外のCuO,MnOなどの重金属酸化物でも安定な硫
化物を生成し(4)式と類似の脱硫反応が起こるが、環境
への影響と価格の点で、重金属酸化物としては酸化鉄を
主体とするものが最も適している。
【0030】酸化鉄は単体のみならず、これを含む鉱物
資源、例えば純度の高い鉄鉱石を利用することは極めて
有益である。
【0031】本発明においては、ごみの分解とともに発
生する硫化水素ガスを固定するために、熱分解時に酸化
鉄を主体とする脱硫剤が存在することが必須であるが、
その手段は特に限定されない。
【0032】例えば、鉄鉱石を砕いたものを流動媒体と
して使用する方法、微粉末状の鉄鉱石をエアロゾルとし
て熱分解炉に吹き込んで使用する方法が挙げられる。鉄
鉱石を流動媒体として用いた場合、アルカリによる流動
床の固結トラブルの解消と脱硫効果が同時に叶えられ
る。また鉄鉱石と石灰石の混合物を流動媒体にすること
も出来る。
【0033】また、本発明は以下の通りの優れた特徴を
有するものである。通常、ごみ中に含まれる微量の亜
鉛、鉛、マンガン、銅、クロム、ニッケル、カドミウム
などは従来のごみ焼却炉では揮発性の塩化物になるため
に通常の乾式HCl除去装置では除去することが困難であ
るが、HCl濃度の低い熱分解炉の中では例えば揮発性の
塩化鉛は(5)(6)式の様に不揮発性の硫化鉛、酸化
鉛になる。亜鉛、マンガン、銅、クロムニッケル、カド
ミウムについても(5)(6)式と同様の反応で不揮発
性の硫化物や酸化物になるために煤塵として集塵機で除
去することができる。
【0034】 PbCL2 + H2S = PbS + 2 HCl (5) PbCL2 + H2O = PbO + 2 HCl (6) 熱分解炉で生じる分解ガス中には、前記の通りの重金属
類の硫化物や酸化物を含む熱分解残滓、HClと反応して
生じるアルカリ塩、並び熱分解過程で劣化した脱硫剤や
流動媒体が含まれているので、これらを固形分として除
去しなければならない。
【0035】除去する手段は特に制限はないが、例えば
サイクロンとセラミックフィルタ−を組み込んだ高温集
塵機を組み合わせた方法がある。固形分の除去時の温度
は特に限定されないが、エネルギー効率の観点からは、
熱分解温度とほぼ同じ温度の高温で処理することが好ま
しいが、脱硫率をあげるためには600℃より低めの方
が好ましい。
【0036】熱分解炉内はHCl濃度が低く且つde novo合
成温度域よりも高いために熱分解ガスや熱分解残滓にダ
イオキシンが含まれることはない。熱分解ガスから除去
された固形分中には、上記の通りアルカリ塩が含まれる
ので、当該固形分を工業用原料として利用するために
は、有害なアルカリ塩を除去する必要がある。
【0037】アルカリ塩の除去方法は特に限定されない
が、アルカリ塩は水溶性であるので、水洗により取り除
くことが出来る。水洗の方法も何んら制限がなく適宜条
件を設定して実施すればよい。
【0038】アルカリ塩を除去した本発明の固形分は、
チャ−、灰、劣化した脱硫剤と劣化した流動媒体を含ん
でいるので、例えば、セメントや高炉用の原材料に利用
できる。
【0039】以上の説明は回収される固形分(飛灰)の
処理についてのものであるが、熱分解炉底から回収され
る主灰については、必要に応じて酸化されていない金属
類を資源として回収した後、残りの固体部分を上記飛灰
と同様に処理、利用することが可能である。
【0040】本発明を図1に示すブロック図でもって2
00ton/dayのごみ処理量の場合について具体的に説明
するが、この説明に何ら制限されるものではない。
【0041】Aはごみ調整槽、Bは流動層熱分解炉(炉
内温度:600℃)、Cはサイクロン、Dは高温集塵機
(セラミックフィルタ−)、Eは分解ガス燃焼ボイラ
(炉内温度:850℃、蒸気温度:500℃、蒸気圧力:20MP
a)、Fはソ−ダ灰貯槽、Gは固形分(熱分解残滓、NaC
l、硫化物・脱硫剤等)のホッパ、Hは流動媒体(石灰
石/鉄鉱石)ホッパ、Iは脱硫剤(酸化鉄)ホッパをそ
れぞれ示す。
【0042】ごみ、燃焼用空気等の供給量、分解ガス等
の発生量やその化学組成については以下の通りである。 ごみ(ごみ供給量:8.34t/h、水分:3.50t/h、灰分:
0.458t/h、可燃分:4.376t/h(内有機性塩素:0.038t/
h)、低位発熱量:2100 kcal/kg) 部分燃焼用空気(9.40km3N/h) 熱分解ガス(18.25km3N/h、600℃, HCl:15ppm) 燃焼用空気(19.95km3N/h) 排ガス(31.54km3N/h、200℃、HCl:8.5ppm、SOx:6
ppm、 ダイオキシン:0.001ng(TEQ)/m3N以下) 固形分( 灰:0.46t/h、チャ−:0.216t/h、石灰石:
0.152t/h、 NaCl:0.062t/h、炭酸ソ−ダ:0.01t/
h、FeS:0.0136t/h、FeO:0.003t/h) 炭酸ソ−ダ(0.084t/h) 酸化鉄(0.016t/h) 図1のフロ−から明らかなように、本発明方法はガス化
熔融方式に比べて、仕組みが極めて単純である。その分
処理コストが大幅に安い。また従来のごみ焼却方式と比
べると、燃焼工程が低温部(熱分解部)と高温部(主燃
焼部)の二段に分かれていて、HClや硫黄分等の除去を
低温部(熱分解部)で行う点で、仕組みがやや複雑では
あるが、従来のごみ焼却方式では厨芥に含まれるNaClの
ために受けていた炉材の損傷と補修の手間が大幅に減る
ために、処理コストはあまり差がない。一方ダイオキシ
ン、HCl、SOx、Zn 、Pb、Mn、Cu、Cr、Ni、Cdの環境へ
の排出量が極めて低く、エネルギ−回収効率(発電効
率:30%以上)が高いのが本発明の特徴である。
【0043】以上は常圧での操作であるが、エネルギ−
回収効率を更に向上させるために全体を加圧系にして、
ガスタ−ビンと蒸気タ−ビンのコンバインドサイクルシ
ステムにすることも出来る。
【0044】
【実施例】実験1 内径300mm、高さ1000mmのスティンレス製の外部
加熱ヒ−タ付き流動床反応器を用いて、500μmの鉄
鉱石を流動媒体とし、約5mmの大きさに砕いたRDF
(ペレット状成形ごみ、Cl含有率:0.85%)(供給速
度:80g/min)、炭酸ソ−ダ(供給速度:1.4g/min)、
空気(供給速度:0.15m3N/min)、窒素ガス(供給速
度:0.10m3N/min)、水(供給速度:60g/min)を流動床
反応器に供給しながら600℃(流動媒体の温度)で7
0分間反応させた。分解ガスはセラミックフィルタ−を
通して、固形物を除去した後、ガラス製の水冷冷却器に
導き、その後0.1N-NaOH溶液を入れたガス洗浄瓶に導い
て吸収させ、 HClは逆滴定で、重金属はイオンクロマ
トで分析した。
【0045】実験2 内径300mm、高さ1000mmのスティンレス製の外部
加熱ヒ−タ付き流動床反応器を用いて、500μmの珪
砂を流動媒体とし、約5mmの大きさに砕いたRDF(ペ
レット状成形ごみ、Cl含有率:0.85%)(供給速度:80g
/min)、炭酸ソ−ダ(供給速度:1.4g/min)、空気(供
給速度:0.15m3N/min)、窒素ガス(供給速度:0.10m3N
/min)、水(供給速度:60g/min)を流動床反応器に供
給しながら600℃(流動媒体の温度)で70分間反応
させた。分解ガスはセラミックフィルタ−を通して、固
形物を除去した後、ガラス製の水冷冷却器に導き、その
後0.1N-NaOH溶液を入れたガス洗浄瓶に導いて吸収さ
せ、 HClは逆滴定で、重金属はイオンクロマトで分析
した。
【0046】実験3 内径300mm、高さ1000mmのスティンレス製の外部
加熱ヒ−タ付き流動床反応器を用いて、500μmの珪
砂を流動媒体とし、約5mmの大きさに砕いたRDF(ペ
レット状成形ごみ、Cl含有率:0.85%)(供給速度:80g
/min)、空気(供給速度:0.15m3N/min)、窒素ガス
(供給速度:0.10m3N/min)、水(供給速度:60g/min)
を流動床反応器に供給しながら600℃(流動媒体の温
度)で70分間反応させた。分解ガスはセラミックフィ
ルタ−を通して、固形物を除去した後、ガラス製の水冷
冷却器に導き、その後0.1N-NaOH溶液を入れたガス洗浄
瓶に導いて吸収させ、 HClは逆滴定で、重金属はイオ
ンクロマトで分析した。
【0047】実験1、2、3 の測定結果を表1に纏めて
示す。
【0048】
【表1】
【0049】鉄鉱石の添加によってH2S は90%以上が除
去される。重金属類のガス中への揮散量はガス中のH2S
濃度よりもHCl濃度に大きく左右され、炉内のHCl濃度を
下げる本発明方法はダイオキシンのみならず有害重金属
類の環境への排出抑制に効果がある。
【0050】
【発明の効果】炉内で発生したHClを発生直後に除去し
て、HCl濃度を1/10にすることができればダイオキ
シンの発生量は1/100〜1/1000になると言う
ことを本発明者は基礎研究の結果見出した。この原理を
工業化するために、炉内温度の低い熱分解炉の中にNa
系、K系のアルカリ物質を吹き込み、HClをを塩化アルカ
リとして固定した後、高温除塵装置等を通してHClを含
まないクリ−ンガスと固形分に分けてクリ−ンガスを発
電ボイラに導き、高効率発電を行う一方、固形物は水洗
等でアルカリ塩を除去した後、セメントや高炉の原材料
として利用するゼロエミッションで、クリ−ンなごみ処
理方法を先に発明し提案した。
【0051】本発明は先の発明を更に改良した、排ガス
中の硫黄分及び有害重金属分をも同時に除去する画期的
な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を具体的に説明するブロック図であ
る。
【符号の説明】
A・・調整槽 B・・流動層式熱分解炉 C・・サイクロン D・・高温集塵機(セラミックフィルタ−) E・・分解ガス燃焼ボイラ F・・ソ−ダ灰貯槽 G ・・固形分(熱分解残滓、NaCl、FeS等)ホッパ H ・・石灰石(流動媒体)ホッパ I ・・脱硫剤ホッパ ・・ごみ ・・部分燃焼用空気 ・・熱分解ガス ・・燃焼用空気 ・・排ガス ・・固形分 ・・炭酸ソ−ダ ・・酸化鉄
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10J 3/54 B09B 3/00 ZAB C10L 3/00 C10L 3/00 Z Fターム(参考) 4D004 AA02 AA03 AA07 AA12 AA18 AA19 AA46 AB07 BA03 BA06 CA04 CA12 CA24 CB01 CB09 CC11 CC12 DA03 DA06 4D059 AA00 BB03 BB13 BB14 BK11 CA14 CC03 DA01 DA02 DA03 DA04 DA05 DA51 EA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱分解炉において、アルカリ性物質並び
    に酸化鉄を主体とする脱硫剤の存在下にごみを350〜
    750℃で熱分解して、熱分解時に生じる塩化水素ガス
    及び硫化水素ガスを各々アルカリ塩及び硫化鉄として固
    定しつつ分解ガスを生成せしめ、次いで分解ガス中から
    固形分を除去して、得られるクリ−ンガス成分は燃料用
    ガスとして利用し、当該除去された固形分はアルカリ塩
    を除いた後工業用原料として利用することを特徴とする
    ごみの資源化方法。
  2. 【請求項2】 固形分を、高温集塵機で除去することを
    特徴とする請求項1記載のごみの資源化方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ性物質が、重炭酸ナトリウム、
    炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、重炭酸カリウム、
    炭酸カリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム及び水
    酸化カルシウム、石灰石、ドロマイト、及び天然ソーダ
    からなる群より選ばれた少なくとも一種のアルカリ性物
    質であることを特徴とする請求項1又は2記載のごみの
    資源化方法。
  4. 【請求項4】 熱分解炉が、部分燃焼法式の流動床熱分
    解炉であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    ごみの資源化方法。
  5. 【請求項5】 流動媒体が、石灰石及び又は鉄鉱石であ
    ることを特徴とする請求項4記載のごみの資源化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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