JP2002174406A - 加圧流動層燃焼装置における流動粒子の磨耗速度の推定方法及び加圧流動層燃焼装置における流動粒子の粒度分布の予測方法 - Google Patents

加圧流動層燃焼装置における流動粒子の磨耗速度の推定方法及び加圧流動層燃焼装置における流動粒子の粒度分布の予測方法

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JP2002174406A
JP2002174406A JP2000372114A JP2000372114A JP2002174406A JP 2002174406 A JP2002174406 A JP 2002174406A JP 2000372114 A JP2000372114 A JP 2000372114A JP 2000372114 A JP2000372114 A JP 2000372114A JP 2002174406 A JP2002174406 A JP 2002174406A
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fluidized
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JP2000372114A
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English (en)
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Hachiro Ueda
八郎 上田
Nobuyuki Suzuki
伸行 鈴木
Shinichi Sakuno
慎一 作野
Nobuhiro Misawa
信博 三沢
Koji Sasazu
浩司 笹津
Hideki Goto
秀樹 後藤
Tadaaki Shimizu
忠明 清水
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Electric Power Development Co Ltd
Original Assignee
Electric Power Development Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、加圧流動層燃焼装置における流動
粒子の磨耗速度の推定方法、及び、脱硫性能の予測や熱
交換器への伝熱係数の推定も可能にするとともに、脱硫
剤の粉砕及び整粒に過度の作業工数を割くのを防止でき
作業性に優れ、流動層の安定性と制御性の向上に優れる
加圧流動層燃焼装置における流動粒子の粒度分布の予測
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の加圧流動層燃焼装置における流
動粒子の粒度分布の予測方法は、供給する脱硫剤の粒度
分布を測定し、粒径Dp,j-1の脱硫剤の重量分率fj-1
求める工程と、重量分率fj-1と、脱硫剤の供給速度F
と、流動層内に存在する流動粒子の粒子重量Wと、流動
層内から抜き出す流動粒子の抜出重量Bと、によって、
時間Δtが経過した後に流動層内に存在する粒径D
p,j-1の重量W・wj-1(t+Δt)を演算によって求める
工程と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭や石油コーク
ス等の含硫黄燃料を燃焼させる加圧流動層燃焼装置にお
ける流動粒子の磨耗速度の推定方法及び加圧流動層燃焼
装置における流動粒子の粒度分布の予測方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、圧力容器内に設置した加圧流動層
ボイラで石炭や石油コークス等を高圧条件で燃焼させ、
加圧流動層ボイラ内に配設した熱交換器から発生する蒸
気で駆動する蒸気タービン発電と、加圧流動層ボイラの
燃焼ガスを利用するガスタービン発電と、を組み合わせ
ることによって、熱効率を向上させた複合発電方式を構
成することができる加圧流動層燃焼装置がある。加圧流
動層燃焼装置は、流動層内に石灰石(CaCO3)やド
ロマイト〔CaMg(CO32〕等の脱硫剤を混合さ
せ、流動層内で石灰石−石膏反応によりSO2をCaS
4の形で捕捉する炉内脱硫を行うとともに、850℃
程度の比較的低温で燃焼させるため、硫黄酸化物(SO
X)や窒素酸化物(NOX)の発生も低く低公害発電が可
能となる等の特徴を有している。また、加圧燃焼により
燃焼装置が大幅にコンパクト化できるため省スペース性
にも優れるとともに複合発電による高い発電効率を得る
ことができるという特徴を有している。
【0003】このような加圧流動層燃焼装置の加圧流動
層ボイラ内に存在する流動粒子(脱硫剤)は流動化され
て磨耗して粒径が減少し、また加圧流動層ボイラ内に新
たに供給される脱硫剤は、ボイラ内に導入されたときに
内部に含む水分が急激に膨張したり熱勾配ができたりし
て破砕されて微細化されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の加
圧流動層燃焼装置においては、加圧流動層ボイラ内での
流動粒子が磨耗して粒径が変動する挙動の予測や、加圧
流動層ボイラ内に供給される脱硫剤が破砕する挙動の予
測はなされていなかったので、加圧流動層燃焼装置にお
ける流動粒子の磨耗速度の推定方法や加圧流動層燃焼装
置における流動粒子の粒度分布の予測方法は提案されて
いなかった。そのため、以下のような課題を有してい
た。 (1)10気圧以上に加圧した加圧流動層ボイラ内で
は、炉内に供給された脱硫剤としてのCaCO3はCa
CO3或いは脱硫反応後のCaSO4として存在し、熱分
解生成物であるCaOの存在量は極めて少ないことが
「Ljungstorm, E., Lindqvist, O., Proc. 7th Int. Co
nf. On Fluidized Bed Combustion(Philadelphia, U.S.
A), P.465, 1982」に記載されている。また、加圧焼成
条件下でのCaCO3の脱硫反応は、未反応核モデルで
進行し、生成物(CaSO4)と未反応核(CaCO3
の界面の反応速度と、生成物層内SO2拡散の両方が反
応速度に影響を与えることが、「K. Qui, O. Lindqvis
t, Chem. Eng. Sci., 55, 3091-3100, 2000」に記載さ
れており、石灰石の外部表面、特に生成物層の厚みの薄
い清浄な表面がボイラ内の脱硫性能に大きな影響を与え
ると推察される。清浄な表面を有するボイラ内に存在す
る脱硫剤としては、ボイラの外部から新たに供給された
生成物(CaSO4)層の薄い清浄な脱硫剤と、この脱
硫剤が破砕して新たな表面が形成された脱硫剤と、ボイ
ラ内に存在する流動粒子(脱硫剤)の表面に形成された
生成物(CaSO4)層が磨耗して未反応面が露出した
脱硫剤と、が考えられる。脱硫剤の破砕や磨耗によっ
て、脱硫剤の外部表面積が変動すれば、脱硫剤の外部表
面の影響を受ける脱硫性能も変動すると推察される。し
かし、脱硫剤の外部表面の磨耗や破砕の挙動の予測がな
されていなかったために、加圧流動層燃焼装置における
脱硫率の予測が非常に困難であるという課題を有してい
た。 (2)また、流動粒子の粒度分布等に影響を受ける加圧
流動層ボイラ内に配設された熱交換器への伝熱係数の推
定も困難であったため、プラント出力制御の予測も困難
であるという課題を有していた。 (3)加圧流動層ボイラ内で磨耗や破砕によって粒径が
減少する脱硫剤の粒径分布が予測できないため、脱硫反
応に大きな影響を与える流動層内の脱硫剤の表面積を把
握できず、高い脱硫率を得ようとするあまり必要以上の
量の脱硫剤を過剰に供給してしまうことが多く、生産性
に劣るという課題を有していた。 (4)また、磨耗や破砕によって脱硫剤の粒径が減少す
ると、加圧流動層ボイラ内の流動層からフリーボードへ
飛び出して脱塵装置で捕集されて加圧流動層燃焼装置の
系外に排出されるために、流動層内に存在する脱硫剤の
量が減少することも予測できない。そのため、流動層の
高さが変化して熱交換器を浸している割合が変化し、加
圧流動層燃焼装置の出力が変化してしまうことが予測で
きず、プラント出力の制御性に劣るという課題を有して
いた。 (5)また、磨耗や破砕によって減少する脱硫剤の粒径
が予測できないため、加圧流動層ボイラ内に供給する脱
硫剤の適切な粒度が推定できないので、供給する脱硫剤
の粉砕及び整粒に過度の作業工数を割くことがあり、作
業性に劣るという課題を有していた。 (6)加圧流動層ボイラ内の脱硫剤を流動化に最適な粒
径に予測して調整することができないので、脱硫剤が微
細化する傾向が強まり、炉底部から吹き込まれた流動用
流体が上昇するに従って凝集し、流動層界面において急
激に膨張するスラッギングが発生し易い状態になり、流
動粒子が間欠的な流れ(脈動流)となり制御性が悪化す
るという課題を有していた。
【0005】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、磨耗による流動粒子の粒径変化を把握するための加
圧流動層燃焼装置における流動粒子の磨耗速度の推定方
法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、脱
硫性能(脱硫率)の予測や加圧流動層ボイラ内に配設さ
れた熱交換器への伝熱係数の推定も可能にするととも
に、供給する脱硫剤の粉砕及び整粒に過度の作業工数を
割くのを防止でき作業性に優れ、流動層の安定性と制御
性の向上に優れる加圧流動層燃焼装置における流動粒子
の粒度分布の予測方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために、本発明者は鋭意研究した結果、加圧流動層燃
焼装置における加圧流動層ボイラ内の流動粒子が磨耗し
ていく磨耗線速度の推定方法を開発し、磨耗線速度が燃
料種類やプラント出力にかかわらずほぼ一定であること
を見出した。さらに、その関係を用いて、加圧流動層ボ
イラ内の流動粒子の粒径分布の予測方法を開発した。本
発明の加圧流動層燃焼装置における流動粒子の磨耗速度
の推定方法及び加圧流動層燃焼装置における流動粒子の
粒度分布の予測方法は、以下の構成を有している。
【0007】本発明の請求項1に記載の加圧流動層燃焼
装置における流動粒子の磨耗速度の推定方法は、硫黄分
を含む燃料を燃焼させる加圧流動層燃焼装置において、
加圧流動層ボイラで単位時間あたりに発生するフライア
ッシュ中のカルシウム量と、前記加圧流動層ボイラ内に
単位時間あたりに供給する脱硫剤の内サイクロンカット
サイズ以下の粒径を有する前記脱硫剤中のカルシウム量
と、前記加圧流動層ボイラ内に単位時間あたりに供給す
る石炭灰中のカルシウム量と、によって、前記加圧流動
層ボイラ内の流動粒子が磨耗して単位時間に生成される
磨耗流動粒子中のカルシウム量を(数6)の演算式を用
いて求める工程と、前記磨耗流動粒子中のカルシウム量
を前記脱硫剤のカルシウム含有密度で除して前記磨耗流
動粒子の磨耗体積速度(a)を求める工程と、前記加圧
流動層ボイラ内に存在する前記流動粒子の粒度分布を測
定し、(数7)の演算式を用いて前記流動粒子の外部表
面積(b)を求める工程と、前記磨耗体積速度(a)を
前記外部表面積(b)で除して前記流動粒子の磨耗線速
度を求める工程と、を備えた構成を有している。
【数6】
【数7】 この構成によって、以下のような作用が得られる。 (1)これまで定量的に示されていなかった流動粒子
(脱硫剤)の磨耗速度を定量的に示すことができるの
で、磨耗による流動粒子の粒径変化を把握することがで
きる。
【0008】ここで、流動粒子(脱硫剤)の磨耗速度と
しては、流動粒子の半径の減少速度である磨耗線速度が
用いられる。流動粒子は、加圧流動層ボイラの流動層内
で流動化している脱硫剤であり、脱硫剤としては、Ca
CO3(又は石灰石),MgCO3(又はドロマイト)の
他、CaO(生石灰),Ca(OH)2(消石灰),K2
CO3,貝殻等のカルシウムを含む水産廃棄物,セメン
トスラッジ,加圧・常圧流動層ボイラの炉底部から取り
出された流動粒子等が用いられる。これらの脱硫剤は、
燃料や脱塩剤等と水と混合され燃料スラリーに調整され
て加圧流動層ボイラの濃厚層内へ供給される。また、ス
ラリーに調整せずにロックホッパ等によってドライフィ
ードすることもできる。なお、流動粒子としては、石灰
石等の脱硫剤の他に石炭灰も考えられるが、石炭灰はす
ぐに粉化して流動層から飛び出すか、若しくは加圧流動
層ボイラ内への供給量が非常に少ないので、流動層内に
滞留しないものとした。
【0009】また、硫黄分を含む燃料としては、石炭,
亜炭,褐炭,瀝青炭,コークス,石油コークス,オイル
コークス,オイルサンド,重質油,石炭液化残渣,ゴ
ム,古タイヤ,廃油,一般ゴミ,一般廃棄物,木質物,
炭化物,RDFやその他の炭化物,木屑,産業廃棄物,
食品工場や農業等で排出される有機残渣物,下水汚泥,
し尿処理汚泥,工業廃水処理汚泥等や、これらの混合物
が用いられる。
【0010】また、流動粒子(脱硫剤)の粒度分布の測
定方法としては、篩い分け法や粉体の沈降速度を利用し
て測定する重量沈降法,遠心力沈降法,水ひ等や、粉体
の慣性力を利用して測定するカスケードインパクタ法,
サイクロン分級法,画像解析法,光透過法,X線透過
法,レーザー回折・散乱法,電気的検知等が用いられ
る。なお、粒度分布を測定するための流動粒子は、加圧
流動層ボイラの炉底部から抜き出すことができる。
【0011】また、サイクロンカットサイズとしては、
加圧流動層ボイラで発生した燃焼ガスの脱塵を行う粗脱
塵装置で捕集される脱硫剤の最小粒径が用いられる。な
お、粗脱塵装置としては、大量の灰塵の除去能力に優れ
るサイクロン,重力沈降装置,ラビリンス等が用いられ
る。
【0012】ここで、磨耗流動粒子の生成量は、フライ
アッシュの量から、サイクロンカットサイズ以下の粒径
を有する脱硫剤の量及び石炭灰の量を減じることにより
求める。これにより、流動層内の流動粒子が磨耗により
微細化して生成したフライアッシュの量が求められる。
カルシウム量は、元素分析等によって測定される。磨耗
速度をフライアッシュ中のカルシウムの量と、脱硫剤の
カルシウム含有密度と、を基に求めるので、脱硫剤のカ
ルシウム純度等に影響されずに、一般化された流動粒子
(脱硫剤)の磨耗速度を求めることができる。
【0013】本発明の請求項2に記載の加圧流動層燃焼
装置における流動粒子の粒度分布の予測方法は、硫黄分
を含む燃料を燃焼させる加圧流動層燃焼装置において、
加圧流動層ボイラ内に供給する脱硫剤の粒度分布を測定
し、前記脱硫剤の内の粒径D p,j-1の重量分率fj-1を求
める工程と、前記重量分率fj-1と、前記加圧流動層ボ
イラ内に供給する前記脱硫剤の供給速度Fと、前記加圧
流動層ボイラの流動層内に存在する流動粒子の粒子重量
Wと、前記脱硫剤の供給量が前記流動粒子が前記加圧流
動層ボイラ内で磨耗によって減少する量よりも多い場合
に前記加圧流動層ボイラの炉底部から抜き出す前記流動
粒子の抜出重量Bと、によって、時刻tから時間Δtが
経過した後に前記流動層内に存在する前記粒径Dp,j-1
を有する前記流動粒子の重量W・wj-1(t+Δt)を
(数8)によって求める工程と、(数8)の演算を各々
の粒径毎及び時間毎に定常状態になるまで繰り返し行い
各絶対量を求め、前記各絶対量の合計から各々の粒径毎
の重量分率を演算して粒度分布を求める工程と、を備え
た構成を有している。
【数8】 この構成によって、以下のような作用が得られる。 (1)これまで予測をすることが困難であった磨耗によ
る流動粒子(脱硫剤)の粒度分布の変化が、定量化が可
能な因子を用いた演算によって予測できるので、流動粒
子の粒度分布や外部表面積に起因している脱硫率の予測
や伝熱係数の推定等が可能となる。
【0014】ここで、演算式(式c)は以下のようにし
て導かれる。加圧流動層ボイラの流動層内には流動粒子
として脱硫剤のみが存在していると仮定する。石炭灰は
すぐに粉化して流動層から飛び出すか、或いは石油コー
クスのように供給量が非常に少ないので加圧流動層ボイ
ラ内に滞留しないとみなすことができるからである。脱
硫剤磨耗線速度をa〔μm/hr〕とし、粒径には依存
せず一定であると仮定する。加圧流動層ボイラ内には粒
子重量W〔t〕の流動粒子が存在しており、ある時刻t
における粒径Dp,jの流動粒子の重量分率がwj(t)で
あるとする。粒径Dp,jの流動粒子が、時間Δtの間に
磨耗して粒径Dp,j-1の流動粒子になったとすると、粒
径Dp,jの流動粒子の1個あたりの重量πρDp,j 3/6
はπρSp,j-1 3/6に減少する。同時に、脱硫剤磨耗
線速度aは粒径には依存せず一定であると仮定したの
で、粒径Dp,j-1の流動粒子は時間Δtの間に全部が磨
耗して粒径Dp,j-2となる。ここで、ρは流動粒子の粒
子密度〔kg/m3〕である。
【0015】この時間Δtの間に加圧流動層ボイラ内に
脱硫剤がFΔt〔t〕供給されるとする。ここで、Fは
脱硫剤の加圧流動層ボイラ内への供給速度〔t/hr〕
である。加圧流動層ボイラ内に供給される粒径Dp,j-1
の脱硫剤の重量分率をfj-1とすると、粒径Dp,j-1の脱
硫剤が時間Δtの間に加圧流動層ボイラに供給される重
量は、Ffj-1Δt〔t〕である。従って、加圧流動層
ボイラの炉底部からの流動粒子の抜き出しがない場合に
は、時間Δt後にボイラ内に存在する粒径Dp, j-1の流
動粒子の重量xj-1(t+Δt)は、磨耗と供給のバラ
ンスから(式f)で表すことができる。
【数9】
【0016】ボイラ内への脱硫剤の供給量が磨耗によっ
て失われた量より多い場合には、加圧流動層燃焼装置の
出力を一定にするために、炉底部から流動粒子を抜き出
してボイラ内の流動粒子の量を一定にする。炉底部から
抜き出す流動粒子の抜出重量をBとするとBは(式g)
で表すことができる。
【数10】 ここで、和をとる流動粒子の粒径範囲は、流動化開始速
度が空塔速度を超えない粒径より大きな粒径とする。流
動化開始速度が空塔速度を超える粒径を有する流動粒子
は、流動層からフリーボードへ飛び出し、流動層内での
存在確率が低いからである。流動粒子が完全に混合して
いると仮定すると、ボイラ内に残る流動粒子の割合はW
/(W+B)で表される。従って、時間Δtが経過した
後にボイラ内に残存する粒径Dp,j-1の流動粒子の重量
W・wj-1(t+Δt)は、(式c)で表すことができ
る。(式c)により、各粒径範囲毎に磨耗と供給及びボ
イラ内の残存率を考慮して、各粒径範囲の質量を各時間
毎に計算し、定常になるまで演算を進め、その絶対量の
和を取ることによって各粒径範囲毎の重量分布が演算さ
れるので、流動層内の流動粒子の粒度分布を予測するこ
とができる。
【0017】本発明の請求項3に記載の加圧流動層燃焼
装置における流動粒子の粒度分布の予測方法は、加圧流
動層ボイラの炉底部から抜き出した流動粒子の粒度分布
を測定し、測定された前記流動粒子の前記粒度分布から
粒径範囲x〜yの粒径を有する前記流動粒子の重量分率
e(x−y)を求める工程と、加圧流動層ボイラ内に供
給する前の脱硫剤の粒度分布を測定し、測定された前記
脱硫剤の前記粒度分布から粒径範囲x〜yの前記脱硫剤
の重量分率f(x−y)を求める工程と、前記加圧流動
層ボイラ内で磨耗や破砕によって粒径が変動した前記脱
硫剤の残存率R(x−y)を(数11)の演算式で演算
する工程と、前記残存率R(x−y)に応じて、請求項
2に記載の予測方法で予測された前記粒度分布を補正す
る工程と、を備えた構成を有している。
【数11】 この構成によって、以下のような作用が得られる。 (1)粒径範囲x〜yの脱硫剤の残存率R(x−y)>
1のときは粒径範囲x〜yの流動粒子の重量分率が増加
していることを示している。 (2)また、R(x−y)<1のときは粒径範囲x〜y
の流動粒子の重量分率が減少していることを示してい
る。 (3)また、R(x−y)=1のときは粒径範囲x〜y
の流動粒子の重量分率が変化していないことを示してい
る。 (4)以上のように残存率を求めることによって、脱硫
剤の重量分率が減少・増加している粒径範囲が明確にな
る。そのため、破砕されて減少する脱硫剤の粒径範囲、
破砕されて生成される粒径範囲が明確になり、破砕され
て減少する脱硫剤の粒径範囲の予測が可能になる。
【0018】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
3に記載の加圧流動層燃焼装置における流動粒子の粒度
分布の予測方法であって、前記残存率R(x−y)=1
となる前記脱硫剤の粒径DRを求める工程と、前記加圧
流動層ボイラの前記炉底部から抜き出した前記流動粒子
の前記粒度分布から、前記加圧流動層ボイラ内の流動層
に存在する前記流動粒子の最大粒径DMAXを求める工程
と、前記加圧流動層ボイラ内で磨耗や破砕によって粒径
が変動した粒径範囲x〜yの粒径を有する前記脱硫剤の
増加率F(x−y)を(数12)の演算式で演算する工
程と、前記増加率F(x−y)に応じて、請求項2に記
載の予測方法で予測された前記粒度分布を補正する工程
と、を備えた構成を有している。
【数12】 この構成によって、請求項3に記載の作用に加え、以下
のような作用が得られる。 (1)破砕されて生成し増加した微細な脱硫剤の重量分
率が明確になり、増加する脱硫剤の粒径範囲の予測が可
能になる。 (2)脱硫剤の破砕によって変動する脱硫剤の粒度分布
の予測も可能になるため、脱硫剤の外部表面の影響を受
ける脱硫性能(脱硫率)の予測が可能になる。 (3)脱硫率の予測が可能になるので、高い脱硫率を得
ようとするあまり必要以上の量の脱硫剤を過剰に供給す
るのを防止することができ、生産性に優れる。 (4)また、流動粒子の粒度分布等に影響を受ける加圧
流動層ボイラ内に配設された熱交換器への伝熱係数の推
定も可能となり、プラント出力制御の予測も可能にな
る。 (5)破砕によって微細化する脱硫剤の粒径を予測する
ことにより、加圧流動層ボイラ内に供給する脱硫剤の適
切な粒度の推定ができるので、供給する脱硫剤の粉砕及
び整粒に過度の作業工数を割くのを防止でき、作業性に
優れる。 (6)加圧流動層ボイラ内の脱硫剤を流動化に最適な粒
径に予測して調整することができるので、流動粒子が微
細化すると発生し易いスラッギングの未然防止が可能と
なり加圧流動層ボイラの流動層の安定性と制御性に優れ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、
図面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1におけ
る加圧流動層燃焼装置のブロック図である。図1におい
て、1は本実施の形態1における加圧流動層燃焼装置、
2はコンプレッサ16(後述する)からの空気で加圧す
ることにより酸素密度を高めた状態のもとで燃料を流動
化させて燃焼させる加圧流動層ボイラ、2aは加圧流動
層ボイラ2の下部から注入された気体によって燃料と脱
硫剤とを有する流動粒子が流動化されている流動層、2
bは加圧流動層ボイラ2内の流動層2aの上部の空間で
あるフリーボード、2cは加圧流動層ボイラ2に一端部
が連通し加圧流動層ボイラ2内で流動化された燃料が燃
焼して発生した含塵排ガスをサイクロン3(後述する)
内に導く排ガス導入管、3は排ガス導入管2cの他端部
が連通し排ガス導入管2cによって導かれた含塵排ガス
から粗粒灰を分離する粗脱塵装置としてのサイクロン、
4は加圧流動層ボイラ2及びサイクロン3を内設しコン
プレッサ16からの空気により内部を高圧状態に保つ圧
力容器、5はサイクロン3で分離された粗粒灰を加圧流
動層ボイラ2へ戻すための返流管、5aはサイクロン3
で粗粒灰が分離された排ガス及び微粒灰を圧力容器4の
外部へ排出してセラミックチューブフィルタ8へ導く排
ガス排出管、5bは加圧流動層ボイラ2の炉底部に配設
され流動層2aの高さを調節するために流動層2aを構
成する流動粒子を抜き出す炉底抜出口である。6は粒径
6mm程度以下に調整された石油コークスや石炭等の燃
料と、粒径10mm程度以下に調整された石灰石やドロ
マイト、炭酸カリウムや水酸化カリウム等の脱硫剤又は
脱塩剤と、水と、を混合しスラリー状に調整し燃料スラ
リーを作成するスラリータンク、7はスラリータンク6
で作成された燃料スラリーを加圧流動層ボイラ2内に供
給するスラリーポンプ、8はサイクロン3から排出され
排ガス排出管5aを通過した高温の排ガスが流入され排
ガス中の微粒灰の脱塵を行う精密脱塵装置としてのセラ
ミックチューブフィルタ、9はセラミックチューブフィ
ルタ8で捕集された微粒灰が堆積する微粒灰タンク、1
0はセラミックチューブフィルタ8の下流側に連通する
排ガス流路、11は排ガス流路10の下流側に連通して
配設され排ガス流路10からの排ガスにより回転するガ
スタービン、11aはガスタービン11により回転駆動
される発電機、12はガスタービン11の下流側に連通
して配設され選択的触媒還元法(SCR)により排ガス
中のNOxを触媒により接触還元する脱硝反応塔、12
aはガスタービン11と脱硝反応塔12とを連通する排
ガス管、12bは排ガス管12aを流れる排ガス中のS
Ox濃度を測定する非分散型赤外法等によるSOx検出
器、13は脱硝反応塔12の下流側に連通して配設され
排ガスの有する熱により給水を予熱するエコノマイザ、
14はエコノマイザ13の下流側に連通して配設され排
ガスに残留する灰塵を除塵するバグフィルタ、15はバ
グフィルタ14の下流側に連通して配設され排ガスを大
気に放出する煙突、16はガスタービン11により回転
駆動され圧力容器4内の気圧を昇圧するための空気を圧
縮するコンプレッサである。17は加圧流動層ボイラ2
内に配設された熱交換器、17aは熱交換器17により
発生する蒸気が通気する蒸気管、18は蒸気管17aか
ら送気される蒸気により回転駆動される蒸気タービン、
18aは蒸気タービン18により回転駆動される発電
機、19は蒸気タービン18から排出される蒸気を冷却
し復水する復水器、20は復水器19で復水された水を
循環させる復水ポンプ、21は復水ポンプ20からエコ
ノマイザ13へ送水する送水管、22はエコノマイザ1
3で加熱された水を熱交換器17へ給水する給水管であ
る。
【0020】以上のように構成された本実施の形態1の
加圧流動層燃焼装置1について、流動粒子の粒度分布の
予測方法を以下、説明する。脱硫剤を所望の粒度に粉砕
した後に、重量沈降法,遠心力沈降法,篩い分け法,画
像解析法,光透過法,X線透過法,レーザー回折・散乱
法,電気的検知等の粒度分布測定方法にて、スラリータ
ンク6へ投入する前の脱硫剤の粒度分布を予め測定して
おく。これによって、加圧流動層ボイラ2の流動層2a
内に供給する粒径Dp,j-1の脱硫剤の重量分率fj-1を求
めることができる。重量分率fj-1、スラリータンク6
から加圧流動層ボイラ2内に供給される脱硫剤の供給速
度F、流動層2aに存在する流動粒子の粒子重量W、及
び流動層2aから炉底抜出口5bを介して抜き出す脱硫
剤の抜出重量Bを用いて演算式(式c)で演算を行っ
て、加圧流動層ボイラ内の脱硫剤の粒度分布を予測する
ことができる。なお、本実施の形態においては、脱硫剤
は、石油コークスや石炭等の燃料等と水とを混合しスラ
リータンク6でスラリー状に調整した燃料スラリーに混
合して加圧流動層ボイラ2内に供給したが、燃料スラリ
ーを供給する配管とは別の配管を加圧流動層ボイラ2の
底部に連通して、燃料スラリーとは別の配管から加圧流
動層ボイラ2へ供給する場合もある。また、スラリーに
調整せずにロックホッパ等によってドライフィードする
こともできる。
【0021】以上のように構成された本実施の形態1の
加圧流動層燃焼装置における流動粒子の粒度分布の予測
方法によれば、以下のような作用が得られる。 (1)これまで予測をすることが困難であった磨耗によ
る流動粒子(脱硫剤)の粒度分布の変化が、定量化が可
能な因子を用いた演算によって予測できるので、流動粒
子の粒度分布や外部表面積に起因している脱硫率の予測
や伝熱係数の推定等が可能となる。
【0022】
【実施例】以下、加圧流動層燃焼装置の燃料スラリー燃
焼試験について、本発明の脱硫剤の粒度分布の予測方法
を実施した例について説明する。試験装置は、71MW
e加圧流動層燃焼装置を用いた。燃料としては(表1)
に示す5種の石炭及び1種の石油コークスを単独、若し
くは混合して用いた。脱硫剤としては(表2)に示す組
成を有する津久見産石灰石及び船尾産石灰石を単独、若
しくは混合粉砕し種々の粒度分布にしたものを用いた。
(表3)に混合粉砕した脱硫剤の粒径と混合比を示し
た。
【表1】
【表2】
【表3】 燃料にBA石炭と石油コークスとを用いた場合には、脱
硫剤は(表3)に示す津久見産石灰石と船尾産石灰石と
を混合粉砕したものを用いた。その場合の脱硫剤の実測
の粒度分布を(図2)に示した。また、燃料に種々の石
炭を用いた場合には、脱硫剤は(表2)に示す津久見産
石灰石を単独で用いた。その場合の脱硫剤の実測の粒度
分布を(図3)に示した。(図2)及び(図3)より、
燃料に種々の石炭を用いた場合は、燃料にBA石炭と石
油コークスとを用いた場合に比べて粒径の大きな脱硫剤
を用いたことがわかる。
【0023】(図2)及び(図3)に示す脱硫剤と燃料
とを水と混合してペースト状にして加圧流動層ボイラ内
に供給した。流動層に供給する脱硫剤の量と炉底抜出口
から抜き出す流動粒子の量を調整して流動層の高さを調
節することで、熱交換器が流動層に浸されている割合を
制御して出力を制御するとともに、流動層温度を825
〜865℃の間に制御した。また、圧力は空塔速度(流
動層の粒子濃厚層間中に流れる見掛けの燃焼ガスの流
速)が0.8±0.4m/sになるように一定に保っ
た。
【0024】流動層内が完全混合していると仮定する
と、抜き出した流動粒子の粒径分布は流動層の流動粒子
の粒径分布と同じであるとみなすことができる。その仮
定に基づき、流動層内に存在する流動粒子の外部表面積
を(式b)の演算式に基づいて演算した。一方、脱硫剤
の磨耗による磨耗流動粒子中のカルシウム量を、加圧流
動層ボイラのカルシウムバランスから、(式a)の演算
式と、流動粒子のカルシウム含有密度と、に基づいて演
算した。(式a)とカルシウム含有密度と、によって得
られた流動粒子の磨耗による磨耗体積速度を、(式b)
によって得られた脱硫剤の外部表面積で除して平均磨耗
線速度を求めた。この流動粒子の平均磨耗線速度とプラ
ント出力との関係を(図4)に示した。(図4)から、
流動粒子の平均磨耗線速度は、燃料種類やプラント出力
にかかわらず約1±0.5μm/hrとほぼ一定である
ことがわかった。本発明者が、脱硫剤磨耗線速度をa
〔μm/hr〕とし、粒径には依存せず一定であるとし
た仮定は正しいことが証明された。
【0025】次に、加圧流動層ボイラの炉底部から抜き
出した流動粒子の粒度分布を測定した。燃料にBA石炭
と石油コークスとを用いた場合の抜き出した流動層を構
成する流動粒子の粒度分布を(図5)に、燃料に種々の
石炭を用いた場合の抜き出した流動粒子の粒度分布を
(図6)に示した。また、燃料にBA石炭と石油コーク
スとを用いた場合、炉底部から抜き出した脱硫剤の実測
の粒度分布と(式c)の演算式によって予測された流動
層内に存在する流動粒子の粒度分布を(図7)に示し
た。さらに、燃料に種々の石炭を用いた場合、炉底部か
ら抜き出した脱硫剤の実測の粒度分布と(式c)の演算
式によって予測された流動層内に存在する脱硫剤の粒度
分布を(図8)に示した。燃料にBA石炭と石油コーク
スとを用いた場合、炉底部から抜き出した脱硫剤の実測
の粒度分布と(式c)の演算式によって予測された流動
層内に存在する脱硫剤の粒度分布とが、(図7)に示す
ようにほぼ一致した。これにより、(式c)の演算式
は、磨耗によって粒径が減少する脱硫剤の粒度分布を予
測する演算式として適していることが明らかになった。
一方、燃料にBA石炭を用い石灰石T5(粒径5mm以
下の津久見産の石灰石)を脱硫剤として用いた場合、
(図8)に示すように、炉底部から抜き出した脱硫剤の
実測の粒度分布と(式c)の演算式によって予測された
流動層内に存在する脱硫剤の粒度分布とが一致せず、実
測の粒度分布の方が、予測された粒径分布より小さい粒
径を有する脱硫剤の重量比率が高くなる傾向がみられ
た。以上のことから、粒径の大きな脱硫剤が加圧流動層
ボイラ内に供給されている場合、脱硫剤の磨耗による細
粒化だけでなく、破砕による細粒化が起こっていること
が確認された。
【0026】次に、燃料に石炭を用いた場合の粒径範囲
x〜yの脱硫剤のうち、細粒化せずに残存している脱硫
剤の粒径範囲を調べるために、(式d)で示される残存
率R(x−y)の演算結果を(図9)に示した。(図
9)の横軸に脱硫剤の粒径を示し、縦軸に残存率を示し
た。(図9)から、残存率R(x−y)=1となる粒径
は、1.2mm(DR=1.2mm)であり、脱硫剤の
粒径範囲が1.2〜2mmの場合の残存率は0.29〜
0.94(平均0.61)であり、粒径範囲が2〜5.
7mm(DMAX=5.7mm)の場合の残存率は0.0
9〜0.43(平均0.25)であり、粒径が大きな脱
硫剤の残存率が低いことが確認された。
【0027】さらに、増加率を(式e)で示す演算式に
よって演算した。この結果、粒径範囲が0.25mm〜
0.5mmの増加率は平均0.97であり、粒径範囲が
0.5mm〜1.2mmの増加率は平均0.03であっ
た。粒径DR〜DMAX(1.2mm〜5.7mm)の脱硫
剤が破砕して減少し、0.25〜0.5mmの粒径を有
する脱硫剤が生成したことが示された。なお、磨耗線速
度は1μm/hrとして計算した。以上のようにして算
出された残存率の平均値と増加率の平均値とを用いて、
(図8)に太実線で示した予測値の補正を行った。その
結果を(図10)に示した。(図10)において、太実
線で示したものが補正された流動粒子の粒度分布の予測
値である。太実線で示される補正された流動粒子の粒度
分布の予測値は、破線で示される実測値とほぼ一致する
ことが確認された。以上のことから、本発明の粒度分布
の予測方法によれば、磨耗による粒度分布の変動予測だ
けでなく、破砕による粒度分布の変動予測も可能となる
ことが明らかになった。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば以下のよ
うな有利な効果が得られる。請求項1に記載の発明によ
れば、 (1)これまで定量的に示されていなかった流動粒子
(脱硫剤)の磨耗速度を定量的に示すことができるの
で、磨耗による流動粒子の粒径変化を把握することがで
きる加圧流動層燃焼装置における流動粒子の磨耗速度の
推定方法を提供することができる。
【0029】請求項2に記載の発明によれば、 (1)これまで予測をすることが困難であった磨耗によ
る流動粒子(脱硫剤)の粒度分布の変化が、定量化が可
能な因子を用いた演算によって予測できるので、流動粒
子の粒度分布や外部表面積に起因している脱硫率の予測
や伝熱係数の推定等が可能となる加圧流動層燃焼装置に
おける流動粒子の粒度分布の予測方法を提供することが
できる。
【0030】請求項3に記載の発明によれば、 (1)破砕されて減少する脱硫剤の粒径範囲、破砕され
て生成される脱硫剤の粒径範囲が明確になり、破砕され
て減少する脱硫剤の粒径範囲の予測が可能になる加圧流
動層燃焼装置における流動粒子の粒度分布の予測方法を
提供することができる。
【0031】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
の効果に加え、 (1)破砕されて生成し増加した微細な脱硫剤の重量分
率が明確になり、増加する脱硫剤の粒径範囲の予測が可
能になる流動粒子の粒度分布の予測方法を提供すること
ができる。 (2)脱硫剤の破砕によって変動する脱硫剤の粒度分布
の予測も可能になるため、脱硫剤の外部表面の影響を受
ける脱硫性能(脱硫率)の予測が可能になる流動粒子の
粒度分布の予測方法を提供することができる。 (3)脱硫率の予測が可能になるので、高い脱硫率を得
ようとするあまり必要以上の量の脱硫剤を過剰に供給す
るのを防止することができ、生産性に優れる流動粒子の
粒度分布の予測方法を提供することができる。 (4)また、流動粒子の粒度分布等に影響を受ける加圧
流動層ボイラ内に配設された熱交換器への伝熱係数の推
定も可能となり、プラント出力制御の予測も可能になる
流動粒子の粒度分布の予測方法を提供することができ
る。 (5)破砕によって微細化する脱硫剤の粒径を予測する
ことにより、加圧流動層ボイラ内に供給する脱硫剤の適
切な粒度の推定ができるので、供給する脱硫剤の粉砕及
び整粒に過度の作業工数を割くのを防止でき、作業性に
優れる流動粒子の粒度分布の予測方法を提供することが
できる。 (6)加圧流動層ボイラ内の脱硫剤を流動化に最適な粒
径に予測して調整することができるので、流動粒子が微
細化すると発生し易いスラッギングの未然防止が可能と
なり加圧流動層ボイラの流動層の安定性と制御性に優れ
る流動粒子の粒度分布の予測方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における加圧流動層燃焼
装置のブロック図
【図2】燃料にBA石炭と石油コークスとを用いた場合
の脱硫剤の実測の粒度分布を示す図
【図3】燃料に石炭を用いた場合の脱硫剤の実測の粒度
分布を示す図
【図4】流動粒子(脱硫剤)の平均磨耗線速度とプラン
ト出力との関係を示す図
【図5】燃料にBA石炭と石油コークスとを用いた場合
の流動粒子(脱硫剤)の実測の粒度分布
【図6】燃料に石炭を用いた場合の流動粒子(脱硫剤)
の実測の粒度分布
【図7】燃料にBA石炭と石油コークスとを用いた場合
の流動粒子(脱硫剤)の実測の粒度分布と(式c)の演
算式によって予測された流動層内に存在する流動粒子の
粒度分布の関係を示す図
【図8】燃料にBA石炭を用いた場合の流動粒子(脱硫
剤)の実測の粒度分布と(式c)の演算式によって予測
された流動粒子の粒度分布の関係を示す図
【図9】燃料に石炭を用いた場合の粒径範囲x〜yの脱
硫剤の残存率R(x−y)を示す図
【図10】燃料にBA石炭を用いた場合の流動粒子(脱
硫剤)の実測の粒度分布と、補正後の流動粒子の粒度分
布を示す図
【符号の説明】
1 加圧流動層燃焼装置 2 加圧流動層ボイラ 2a 流動層 2b フリーボード 2c 排ガス導入管 3 サイクロン 4 圧力容器 5 返流管 5a 排ガス排出管 5b 炉底抜出口 6 スラリータンク 7 スラリーポンプ 8 セラミックチューブフィルタ 9 微粒灰タンク 10 排ガス流路 11 ガスタービン 11a,18a 発電機 12 脱硫反応塔 12a 排ガス管 12b SOx検出器 13 エコノマイザ 14 バグフィルタ 15 煙突 16 コンプレッサ 17 熱交換器 17a 蒸気管 18 蒸気タービン 19 復水器 20 復水ポンプ 21 送水管 22 給水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/30 ZAB (72)発明者 作野 慎一 神奈川県横浜市磯子区新磯子町37の2 電 源開発株式会社新磯子火力建設所内 (72)発明者 三沢 信博 神奈川県横浜市磯子区新磯子町37の2 電 源開発株式会社新磯子火力建設所内 (72)発明者 笹津 浩司 東京都中央区銀座六丁目15番1号 電源開 発株式会社内 (72)発明者 後藤 秀樹 東京都中央区銀座六丁目15番1号 電源開 発株式会社内 (72)発明者 清水 忠明 新潟県新潟市五十嵐二の町8050 Fターム(参考) 3K064 AA01 AA06 AA20 AB01 AC01 AC05 AD03 AD05 AD06 AD08 AF03 BA13 BA15 BA17 BA24 BB09 4D002 AA02 AC01 BA03 BA14 CA09 DA05 DA06 DA16 EA02 EA06 FA03 GA01 GA03 GB02 GB03 GB06 GB12 HA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄分を含む燃料を燃焼させる加圧流動
    層燃焼装置において、加圧流動層ボイラで単位時間あた
    りに発生するフライアッシュ中のカルシウム量と、前記
    加圧流動層ボイラ内に単位時間あたりに供給する脱硫剤
    の内サイクロンカットサイズ以下の粒径を有する前記脱
    硫剤中のカルシウム量と、前記加圧流動層ボイラ内に単
    位時間あたりに供給する石炭灰中のカルシウム量と、に
    よって、前記加圧流動層ボイラ内の流動粒子が磨耗して
    単位時間に生成される磨耗流動粒子中のカルシウム量を
    (数1)の演算式を用いて求める工程と、 前記磨耗流動粒子中のカルシウム量を前記脱硫剤のカル
    シウム含有密度で除して前記磨耗流動粒子の磨耗体積速
    度(a)を求める工程と、 前記加圧流動層ボイラ内に存在する前記流動粒子の粒度
    分布を測定し、(数2)の演算式を用いて前記流動粒子
    の外部表面積(b)を求める工程と、 前記磨耗体積速度(a)を前記外部表面積(b)で除し
    て前記流動粒子の磨耗線速度を求める工程と、 を備えていることを特徴とする加圧流動層燃焼装置にお
    ける流動粒子の磨耗速度の推定方法。 【数1】 【数2】
  2. 【請求項2】 硫黄分を含む燃料を燃焼させる加圧流動
    層燃焼装置において、 加圧流動層ボイラ内に供給する脱硫剤の粒度分布を測定
    し、前記脱硫剤の内の粒径Dp,j-1の重量分率fj-1を求
    める工程と、 前記重量分率fj-1と、前記加圧流動層ボイラ内に供給
    する前記脱硫剤の供給速度Fと、前記加圧流動層ボイラ
    の流動層内に存在する流動粒子の粒子重量Wと、前記脱
    硫剤の供給量が前記流動粒子が前記加圧流動層ボイラ内
    で磨耗によって減少する量よりも多い場合に前記加圧流
    動層ボイラの炉底部から抜き出す前記流動粒子の抜出重
    量Bと、によって、時刻tから時間Δtが経過した後に
    前記流動層内に存在する前記粒径Dp,j-1を有する前記
    流動粒子の重量W・wj-1(t+Δt)を(数3)によっ
    て求める工程と、 (数3)の演算を各々の粒径毎及び時間毎に定常状態に
    なるまで繰り返し行い各絶対量を求め、前記各絶対量の
    合計から各々の粒径毎の重量分率を演算して粒度分布を
    求める工程と、 を備えていることを特徴とする加圧流動層燃焼装置にお
    ける流動粒子の粒度分布の予測方法。 【数3】
  3. 【請求項3】 加圧流動層ボイラの炉底部から抜き出し
    た流動粒子の粒度分布を測定し、測定された前記流動粒
    子の前記粒度分布から粒径範囲x〜yの粒径を有する前
    記流動粒子の重量分率e(x−y)を求める工程と、 加圧流動層ボイラ内に供給する前の脱硫剤の粒度分布を
    測定し、測定された前記脱硫剤の前記粒度分布から粒径
    範囲x〜yの前記脱硫剤の重量分率f(x−y)を求め
    る工程と、 前記加圧流動層ボイラ内で磨耗や破砕によって粒径が変
    動した前記脱硫剤の残存率R(x−y)を(数4)の演
    算式で演算する工程と、 前記残存率R(x−y)に応じて、請求項2に記載の予
    測方法で予測された前記粒度分布を補正する工程と、 を備えていることを特徴とする加圧流動層燃焼装置にお
    ける流動粒子の粒度分布の予測方法。 【数4】
  4. 【請求項4】 前記残存率R(x−y)=1となる前記
    脱硫剤の粒径DRを求める工程と、 前記加圧流動層ボイラの前記炉底部から抜き出した前記
    流動粒子の前記粒度分布から、前記加圧流動層ボイラ内
    の流動層に存在する前記流動粒子の最大粒径D MAXを求
    める工程と、 前記加圧流動層ボイラ内で磨耗や破砕によって粒径が変
    動した粒径範囲x〜yの粒径を有する前記脱硫剤の増加
    率F(x−y)を(数5)の演算式で演算する工程と、 前記増加率F(x−y)に応じて、請求項2に記載の予
    測方法で予測された前記粒度分布を補正する工程と、 を備えていることを特徴とする請求項3に記載の加圧流
    動層燃焼装置における流動粒子の粒度分布の予測方法。 【数5】
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