JP2004263275A - R−Fe−N系磁石粉末およびその製造方法 - Google Patents

R−Fe−N系磁石粉末およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉砕処理を不用でありながら不純物が少なく、粉砕歪のない高保磁力のR−Fe−N系磁石粉末、特に異方性Sm−Fe−N系磁石粉末を提供する。
【解決手段】R−Fe系合金粉末を窒素ガスを含む反応ガス中に放射したプラズマ中で溶融する工程と、前記R−Fe系合金粉末の溶融物を窒素と反応させR−Fe−N系合金の溶融物とする工程と、前記R−Fe−N系合金の溶融物を急速冷却し平均粒径0.5〜10μmの磁石粉末を得る工程と、からなることを特徴とする高純度なR−Fe−N系磁石粉末の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉砕処理を必要としない高保磁力のR−Fe−N系の希土類磁石合金粉末、特に異方性Sm−Fe−N系磁石粉末とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
R−Fe−N系永久磁石材料は、R−Fe−B系永久磁石材料に匹敵する高い磁気的な物性値を有する化合物として注目されている。その中でも、近年Sm−Fe−N材料はその高い磁気的なポテンシャルを利用してボンド磁石として工業的に利用されている。R−Fe−N系化合物のひとつであるSmFe17は、現在最高の飽和磁化を持つNd−Fe−B系永久磁石合金に近い飽和磁化を有し、かつSmCo永久磁石合金に匹敵する異方性磁界を有する理想的な永久磁石合金である。しかし、この化合物は600℃以上で熱分解するため、焼結型の永久磁石としては実用化されておらず磁石粉末を樹脂等で固めたいわゆるボンド磁石として実用化されている。Sm−Fe−N系ボンド磁石には、磁気的に等方性のものと異方性のものが実用化されているが、異方性のボンド磁石はエネルギー績で焼結SmCoに近い値が得られるため工業的に注目されている磁石材料である。異方性Sm−Fe−N磁石の製造方法としては、溶解法あるいは還元拡散法で得られた、数10〜数100μmのSm−Fe系合金粉末を窒素ガスや窒素とアンモニアの混合ガスあるいは窒素と水素の混合ガス中で気相−固相反応により、Sm−Fe合金の結晶格子間に窒素を固溶させ、SmFe17なる結晶構造の磁石合金を得た後、窒素雰囲気中のジェットミル粉砕等の乾式機械粉砕や、アルコールなどの有機溶媒中でのボールミル粉砕や媒体攪拌ミル粉砕などの湿式機械粉砕により平均粒径で3μm以下の微粉とし異方性ボンド磁石用の原料として提供される。この粉砕処理は、この磁石の磁気特性が単磁区微粒子理論により導かれるために、磁石粉末の粒子径を微細にすればするほど磁気性能(保磁力)が基本的に向上するために必要な処理である。これらのプロセスは特開平6−45121号公報や特開2002−246214号公報に開示されている。しかし、これらの従来の機械粉砕による製造方法においては機械粉砕時に磁石粉末表面に粉砕による歪が導入されるため保磁力が低下し、本来の磁石合金が持つ異方性磁界(理想的な保磁力)に対し、高々3〜4%程度の低い保磁力しか得られないという問題点があった。
【0003】
この問題点を解消する方法として、たとえばマグネトプラムバイト型のSrフェライト系磁石粉末などでは、機械粉砕により導入された歪を700〜1000℃で一定時間熱処理することにより歪を除去して、保磁力を回復することが一般的におこなわれており、公知となっている。しかしながら、Sm−Fe−N系磁石合金粉末においては、600℃以上の加熱により合金はSmN窒化物とFeに分解し、磁石としての性質を失うために、熱処理により粉砕歪を取り除くことが出来ないという問題点を有する。したがって得られる、粉砕粉の保磁力は高々11kOe程度にとどまり、この磁石粉末を原料とする、異方性ボンド磁石の保磁力も高々10kOeであるため、大きな逆磁界のかかる回転機や、高温環境下で使用される用途への応用が困難であった。
【0004】
このような、問題点を解消するため、特開平11−189811号公報や特開平11−241104号公報では、原料に粒径10μm以下の沈殿物粒子を使用し、この沈殿物を焼成し、この焼成物をCaで還元し、液相―固相反応により、10μm以下のSm−Fe合金を作製した後、N化処理した後、反応生成物であるCaOを水洗除去し、強い機械粉砕を加えないで磁石合金粉末を得る方法が開示されている。本方法によると、ジェットミルやボールミルで導入されるような大きな機械歪を与えないで、磁石合金粉末が得られるため、4〜5μmの平均粒径で、粉砕法と比較して高い保磁力を得ることが可能とされている。しかしながら、本方法では水洗時の酸化や、還元剤のCaなどが不純物として混入することによる磁気特性の劣化については避けられないという問題点がある。また得られる磁石粉末の粒径は、RD反応後の水洗時の酸化による磁気特性の劣化を防止するためには、磁石粉末の粒径を、ある程度大きくする必要があり、4μm以下の磁石粉末とすることは事実上困難である。そのため本プロセスを用いても、粒径の制約により得られる保磁力は機械粉砕による粉末と
比較すると優れるものの、高々15kOeにとどまる。また本プロセスでは、RD反応時に細かい粒子の焼結反応が避けられず、一部粒子が多結晶となるため飽和磁化の低下が避けられないという問題点もある。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−45121号公報 (第3頁 実施例1)
【特許文献2】
特開2002−246214号公報 (第5頁 実施例1)
【特許文献3】
特開平11−189811号公報 (第6−7頁 実施例1)
【特許文献4】
特開平11−241104号公報 (第8頁 実施例1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、粉砕処理が不用でありながら不純物が少なく、粉砕歪のない高保磁力のR−Fe−N系磁石粉末、特に異方性Sm−Fe−N系磁石粉末を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討を行なった。その結果、R−Fe系合金粉末を窒素ガスを含む反応ガス中に放射したプラズマ中で溶融する工程と、前記R−Fe系合金粉末の溶融物を窒素と反応させつつ溶融物を急速冷却し平均粒径0.5〜10μmの磁石粉末を得る工程と、からなる製法を適用することにより、高純度で球状のSm−Fe−N系原料粉末が得られることを見出し本発明に到った。
【0008】
熱プラズマで得られる平均粒径0.5〜10μmの原料粉末は、非晶質または部分的に結晶質であり、この状態では永久磁石としての硬磁性を示さない。この粉末を非酸化雰囲気中300〜600℃で熱処理をおこなうことによりSm−Fe−N合金が結晶化し、窒素が格子間に侵入したSmFe17磁石合金が形成されることを見出した。熱処理温度が300〜600℃では原料粉末の粒成長による粗大化は起らず、粒子同士の融着反応もないため、熱プラズマ後の粒子径がそのまま保存される。したがって熱処理後の磁石粉末は1個の粒子が単結晶となり、熱処理後機械的粉砕をあたえることなく永久磁石粉末として十分な保磁力が得られることを見出した。
【0009】
本方法によると、ジェットミル粉砕やボールミル粉砕では避けられない、酸素やCのコンタミの少ない清浄な磁石粉末を得ることが出来る。本発明では熱プラズマを発生するガスとして、Arと窒素を50vol%以下添加したガスを用いることが望ましい。熱プラズマで得られるSm−Fe−N原料粉末の酸素量は1質量%以下、C量は0.1質量%以下とすることができる。また、粉末形状の特徴として、通常の機械的粉砕のような鋭利な角が殆どなく、凹凸は多少有るが実質的に粒状の磁性粉末である。これにより成形する際の磁粉の流動性が向上し、高性能なボンド磁石を従来より効率良く得ることができる。
【0010】
本発明における、熱プラズマ装置としてはプラズマ温度の高いRF熱プラズマでも、設備コストの低い低電圧のDCプラズマのいずれも利用可能である。RF熱プラズマは無電極放電の1種であり、電極物質が不純物としてプラズマ中に混入しない。RF熱プラズマの周波数は数MHzから15MHzが利用可能である。高融点金属酸化物や化合物の精錬の場合には高温帯を広げるためにコイルに流す周波数をインバータ等を用いて小さく(数百kHz)することが行われる。しかしSm−Fe系合金の場合は、融点が1500℃以下と比較的低いため、10MHz程度の周波数を採用することで何等問題がない。プラズマ温度が3000〜6000Kと低いDCプラズマも融点が比較的低い本合金系では使用可能である。
【0011】
本発明に用いるR−Fe系合金粉末は、Sm等の希土類とFeその他必要な添加元素を加えた原料を高周波溶解し鋳型に鋳造したインゴットを20〜200μmに粉砕するか、あるいは溶解した原料を回転するロールやデイスク上に注湯して得られる、フレーク状の薄片を破砕しても良い。また、原材料費を低減するために、原料としてアトマイズ鉄粉などの安価なFe粉を用い、酸化サマリウム粉末とCaとの混合物を900〜1100℃に加熱し、酸化サマリウムをCaで還元し、Fe粉中にSmを拡散させた反応物を水洗しCaOを除去し,得られる数10μmのSm−Fe系合金粉末(R/D粉末)を原料として用いることは、原料粉末のコスト低減に有効である。従来R/D粉末の欠点である、プロセスから混入する、酸素やC、Caなどの不純物は熱プラズマプロセスにおいて、プラズマジェットの精錬効果により低減することが可能である。これによってアルカリ金属やアルカリ土類金属が0.05質量%以下という従来にない極めて小さい含有量とすることが可能である。
【0012】
本発明に用いるR−Fe系合金粉末において、Feの一部をCoで置換することによりキュリー点、磁化及び耐酸化性が向上するので好ましい。Co含有量は0.1〜20質量%とするのが好ましく、1〜10質量%とするのがより好ましい。Co含有量が0.1%未満では実質的な添加効果を得られず、20%超では磁化の低下が大きくなり好ましくない。またFeの一部をGa,Al,Zn,Sn,Cr,Ni,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W,Pd,Si及びGeの群から選択される少なくも1種の元素で置換することもできる。
【0013】
RはYを含む希土類元素の1種または2種以上である。高保磁力を得るために、Rに占めるSm比率を50原子%以上にするのが好ましく、95原子%以上にするのがより好ましい。また、R含有量は20〜30%が好ましく、22〜28がより好ましい。R含有量が20%未満では室温のHcJが955.2kA/m(12kOe)未満になり、30%超では(BH)maxが大きく低下する。RはSm,La及び不可避的R成分からなり、La含有量は5%以下にするのが好ましく、3%以下にするのがより好ましい。Y,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuの群から選択される少なくとも1種が不可避的R成分に該当する。La含有量が5%超では(BH)maxの低下が顕著になる。Smミッシュメタル等の安価な混合希土類合金をR用原料合金として用いるのが実用的である。磁粉中の窒素含有量は2.5〜4.0%が好ましい。窒素含有量が2.5%未満及び4.0%超ではiHc及び(BH)maxが大きく低下し、有用な磁気特性を得ることが困難になる。
【0014】
本発明では、熱プラズマ処理に使用する、原料粉末の平均粒径は20〜200μmが好ましい。原料粉末の平均粒径が微細になると、粉末の分散供給が困難となる場合があり、プラズマ処理が不安定になるため好ましくない。一方、原料粉末が大きくなると処理効率が低下する。原料粉末が従来で使用されていたものをそのまま使用できるため、新たな設備などが必要でない点も本発明の優位な点である。
【0015】
熱プラズマにより得られた、平均粒径0.5〜10μmのSm−Feの合金粉末は、平均粒径1μm以下の粉末は非晶質であり、1〜5μmの粉末は部分的に結晶質である。平均粒径5μm以上の粉末は結晶質である。熱プラズマにより、得られたSm−Fe合金粉末を、300〜600℃で2〜4H非酸化性の雰囲気中で熱処理することにより、結晶化とNの拡散が進行し、磁気的に異方性のSmFe17なる磁石合金粉末を得ることが出来る。混合ガス中の窒素量を、10〜50vol%とした理由は、窒素量が10vol%以下では、SmFe17を形成するのに十分な窒素量が得られない。また、窒素量が50vol%以上では窒素量が過剰となり,熱処理後の磁気特性が低下する。
【0016】
熱処理雰囲気として、真空、Arなどの不活性ガスが好ましい。熱処理温度が300℃以下では、結晶化が十分に進行せず高い磁気特性が得られない。また熱処理温度が600℃以上ではSmFe17が分解し、硬磁性を失うため好ましくない。
【0017】
本発明による、Sm−Fe−N系磁石合金粉末は、熱処理後の平均粒径が10μm以下であり、機械的な粉砕を加えなくても10kOe以上の高い保磁力が得られる。平均粒径が0.5μm以下では、熱処理後の磁粉の大気中でのハンドリングが困難となり、また超常磁性現象が現れるため好ましくない。平均粒径が0.5〜4μmであれば1114.4kA/m(14kOe)以上、2.5μm以下であれば1273.6kA/m(16kOe)以上の保磁力を得ることができる。また、含有酸素量は粒径が1.8μm以下のものであれば0.5質量%以下のものが得られる。さらに炭素量は0.06質量以下のものが得られ、粒径が1.8μm以下のものであれば0.04質量%以下のものが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明に用いた熱プラズマ装置を図1に示す。この熱プラズマ装置1は粉砕粉を回収するための容器である冷却チャンバー4と、その下部には粉末回収装置5が取りつけられ、また、冷却チャンバーの上部には取りつけられた水冷チューブとその外周に備えられたRFコイルが備えられている。さらに、その水冷チューブの中心にノズルの一端が設置され、かつノズルの他端は粉体供給装置に連結されている。
粉末供給装置2よりノズル6を介してRF熱プラズマ装置内に導入される。まずRFコイル7に高周波電流を通電することによって、水冷チューブ8の内部にプラズマ高音帯を発生させた。Arキャリアガスによりプラズマ高温帯3にR−Fe合金粉末を送った。プラズマ高温帯3中を通過する間、導入されたR−Fe合金粉末が熔融し金属液滴になる。それと同時に、不純物元素の蒸発により、高純度化がおこる。また、液滴金属の表面張力により、球状化液滴となり、球状あるいは近球状粉末となり、冷却チャンバー4中で冷却され、固化した粉末が粉末回収装置5により回収される。
【0019】
高周波溶解にて得られた、Sm24.5質量%−Fe75.5質量%および不可避不純物からなるインゴットを、デイスクミルを用いて,平均粒径75μmに粉砕した。このR−Fe合金粉末を図1に示す熱プラズマ装置により、平均粒径2.1μmの球状のSm−Fe−N合金粉末を製造した。RFコイルに通電する高周波電源周波数は13.5MHzとした。原料粗粉を、キャリアガスにより、プラズマ中に供給し溶融し球状化した後、冷却チャンバ内で高速冷却し、回収サイクロンにて回収した。RF熱プラズマの処理条件は表1とした。得られた,球状のSm−Fe微粉末を、Ar中450℃で2時間熱処理をおこなった。熱処理後の粉末の組成分析結果を表2に示す。
また、VSM用の銅容器中にこの熱処理後の微粉を所定量パラフィンワックスとともに密封した。その後、銅容器を1.59MA/m(20kOe)の平行磁場を印加したまま80℃に加熱してパラフィンワックスを溶かし、磁粉を配向させ、室温まで冷却して磁粉を固定した。次いで最大印加磁場1.59MA/m(20kOe)のVSMを用いて、磁粉の室温の磁気特性を測定した。得られた測定値を100%磁粉のみに換算(理論密度を7.65Mg/m)した結果を表3に示す。
【0020】
【表1】
Figure 2004263275
【0021】
【表2】
Figure 2004263275
【0022】
【表3】
Figure 2004263275
【0023】
(実施例2)
原料として、酸化サマリウム粉末、平均粒径55μmのアトマイズFe粉、粒状のCaメタルを用い、これらの混合物を、アルゴン雰囲気中1050℃で4時間加熱し還元拡散反応により、Sm−Fe合金とCaOからなる固形物を得た。この固形物を水洗しCaOを除去し、平均粒径、約45μmのSmFe17合金系のR/D粉末を得た。この合金粉末の組成分析結果を表4に示す。このSmFe17合金粉末を表5に示す条件で高周波熱プラズマをおこない、平均粒径2.5μmの微粉を得た。
この微粉を、450℃で3時間Ar中で熱処理した。熱処理後の、微粉の組成と磁気特性を表6、および表7に示す。熱プラズマ法により、原料R/D粉末中の不純物O、C、およびCa量が低減し高い保磁力が得られている。
【0024】
【表4】
Figure 2004263275
【0025】
【表5】
Figure 2004263275
【0026】
【表6】
Figure 2004263275
【0027】
【表7】
Figure 2004263275
【0028】
(実施例3)
実施例2と同一のSm−Fe系合金のR/D粉末を出発原料として、RF熱プラズマのガス中のN量を変えてSm−Fe−N微粉末を作製した。回収した微粉を、Ar中400℃で熱処理し、熱処理後の粉末中のN量と磁気特性を測定した。反応ガス中のN量が5vol%の場合は粉末中のN量が3%以下となり磁気特性の低下が確認された、反応ガス中のN量が60vol%の場合は、粉末中のN量は3.65%となり、磁気特性の低下が確認された。
【0029】
【表8】
Figure 2004263275
【0030】
(実施例4)
実施例2と同一のSm−Fe系合金の還元/拡散(R/D)粉末を出発原料として、実施例2と同じRF熱プラズマ条件にて、Sm−Fe−N微粉末を作製した。回収した微粉を、Ar中で熱処理温度を250〜650℃と変えて作製した試料の、熱処理後の粉末中の磁気特性を測定した。熱処理温度250℃では、十分な保磁力が得られず、650℃の熱処理では、全ての磁気特性が低下した。
【0031】
【表9】
Figure 2004263275
【0032】
(実施例5)
実施例2と同一の、表4に示すR/D粉末を原料とし、DCプラズマ法により平均粒径
4.9μmのSm−Fe球状粉末を得た。DCプラズマの反応条件を表10に示す。得られた球状粉末を,実施例2と同様の条件で熱処理し、Sm−Fe−N磁石合金粉末を得た。表11に、熱処理後の組成を、表12に磁粉の磁気特性を示す。表11,12に示すように、DCプラズマにおいても同様の結果が得られた。
【0033】
【表10】
Figure 2004263275
【0034】
【表11】
Figure 2004263275
【0035】
【表12】
Figure 2004263275
【0036】
(実施例6)
実施例2と同一の組成のSm−Fe系合金のR/D原料粉末を用いて、DCプラズマにより球状微粉末を作製した。DCプラズマ条件と得られた球状粉末の平均粒径を表13に示す。この球状粉末を450℃で、4時間Ar雰囲気中で熱処理し、Sm−Fe−N磁石合金粉末を得た。得られた磁石粉末の保磁力をと平均粒径の関係を図2に示す。なお図2に比較例として、同一組成の粉砕法(ボールミル)による磁石粉末の保磁力を示す。また図3に磁石合金中の不純物酸素量と粒径の関係を、図4に炭素量と粒径の関係を実施例および比較例について示す。本発明によると、機械粉砕粉に比較し不純物量が少なく、歪のない磁石合金粉末が得られ、高い保磁力が得られることが解る。
【0037】
【表13】
Figure 2004263275
【0038】
【発明の効果】
本発明のプロセスを適用することで、歪のない高保磁力で、不純物量の少ない異方性ボンド磁石用Sm−Fe−N磁石合金の製造が可能である。また,本発明による磁石粉末は形状が球形であるため、樹脂と混練し射出成形ボンド磁石としたときの金型への流動性に優れ、成形性の良い成形用コンパウンドが作製できるというメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いたRF熱プラズマ装置の一例である。
【図2】本発明磁石粉末の平均粒系と保磁力との関係を示す図である。
【図3】本発明磁石粉末の平均粒系と酸素量とを示す図である。
【図4】本発明磁石粉末の平均粒系と炭素量とを示す図である。
【符号の説明】
1 熱プラズマ装置、2 粉末供給装置、3 プラズマ高温帯、
4 冷却チャンバー、5 粉末回収装置、6 ノズル、7 コイル、
8 水冷チューブ

Claims (8)

  1. 平均粒径0.5〜10μmのR−Fe−N系磁石粉末であり、保磁力Hcjが955.2kA/m(12kOe)以上であり、かつ酸素量が1質量%以下、炭素量が0.1質量%以下であることを特徴とするR−Fe−N系磁石粉末。
  2. 前記R−Fe−N系磁石粉末はアルカリ金属およびアルカリ土類金属の総和が質量%で0.05ppm以下である請求項1に記載のR−Fe−N系磁石粉末。
  3. 前記R−Fe−N系磁石粉末の形状が実質的に球形である請求項1または2に記載のR−Fe−N系磁石粉末。
  4. R−Fe系合金粉末を窒素ガスを含む反応ガス中に放射したプラズマ中で溶融する工程と、前記R−Fe系合金粉末の溶融物を窒素と反応させつつ溶融物を急速冷却し平均粒径0.5〜10μmの磁石粉末を得る工程と、からなることを特徴とする高純度なR−Fe−N系磁石粉末の製造方法。
  5. 前記平均粒径0.5〜10μmとした磁石粉末を300〜600℃の非酸化性雰囲気中で熱処理する工程を有する請求項4に記載のR−Fe−N系磁石粉末の製造方法。
  6. 前記R−Fe系合金粉末は平均粒径が20〜200μmであり、かつ放射するプラズマは熱プラズマである請求項4または5に記載のR−Fe−N系磁石粉末の製造方法。
  7. 前記反応ガスはArと窒素の混合ガスである請求項4〜6のいずれかに記載のR−Fe−N系磁石粉末の製造方法。
  8. 前記混合ガス中の窒素量が10〜50vol%である請求項4〜7のいずれかに記載のR−Fe−N系磁石粉末の製造方法。
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