JP2003257764A - 希土類系永久磁石の製造方法 - Google Patents

希土類系永久磁石の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた磁石特性を有するとともに高い電気抵
抗を示す高密度化R−Fe−B系ナノコンポジットバル
ク磁石の製造方法を提供すること。 【解決手段】 硬磁性相と軟磁性相とで構成されるR−
Fe−B系ナノコンポジット磁石を製造するための急冷
合金粉末を構成する個々の粒子が30体積%以上非晶質
状態にある粉末と、体積抵抗率が1×10−1Ω・cm
以上の絶縁成分とからなる出発材料を使用し、第1の製
造方法では、出発材料を圧力が10MPa以上、温度が
急冷合金粉末の結晶化温度〜850℃の条件下で熱間成
形することで、第2の製造方法では、出発材料を圧力が
10MPa以上、温度が400℃〜急冷合金粉末の結晶
化温度の条件下で熱間成形して、高密度化バルク体を
得、圧力が1MPa以下、温度が急冷合金粉末の結晶化
温度〜850℃の条件下で結晶化熱処理することで、密
度が6.5g/cm以上の高密度化バルク磁石とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類系永久磁石
の製造方法に関する。より詳細には、優れた磁石特性を
有するとともに高い電気抵抗を示す高密度化R−Fe−
B系ナノコンポジットバルク磁石の温和な条件下での簡
便な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】NdFe14B相などの硬磁性相と鉄
基硼化物相やα−Fe相などの軟磁性相とで構成される
Nd−Fe−B系ナノコンポジット磁石に代表されるR
(希土類元素)−Fe−B系ナノコンポジット磁石は、
硬磁性相と軟磁性相とがナノメートルスケールの微結晶
相として混在して磁気的に結合した組織を有する磁石で
あり、優れた磁石特性を有することで注目を集めてい
る。ナノコンポジット磁石粉末の代表的な製造方法とし
ては、単ロール法などのメルトスピニング技術により、
溶融した原料合金から非晶質急冷合金薄帯を得、得られ
た非晶質急冷合金薄帯を粉砕して非晶質急冷合金粉末と
した後、これを結晶化熱処理して当該粉末を構成する個
々の粒子に対して微結晶を析出させるという方法があ
る。従来、このようにして得られた磁石粉末は樹脂バイ
ンダと混練され、ボンド磁石とされていた。ナノコンポ
ジット磁石粉末から高密度化バルク磁石を製造すること
ができれば、その優れた磁石特性を有効に発揮させるこ
とができるので望ましいことであるが、ナノコンポジッ
ト磁石粉末を構成する個々の粒子が持つ微細な結晶粒
(磁性相)は熱的安定性が低い。従って、ナノコンポジ
ット磁石粉末に対して常圧で1000℃以上に加熱する
といったような一般的な焼結条件を適用した場合、磁石
中の微細な結晶粒が粗大化してしまい、磁石特性が大き
く劣化してしまうという問題が発生する。この問題を解
消するため、ナノコンポジット磁石粉末から高密度化バ
ルク磁石を製造するための技術として、圧力を加えなが
ら加熱して成形する熱間成形が提案され、実用化に向け
て鋭意検討がなされている。熱間成形によれば、高密度
化バルク磁石とするために必要な焼結条件、特に焼結温
度を緩和することができるため、磁石中の微細な結晶粒
の粗大化が抑制されることで、優れた磁石特性を劣化さ
せることなく、高密度化バルク磁石を製造することが可
能になる。
【0003】優れた磁石特性を有する高密度化ナノコン
ポジットバルク磁石が工業的に大量生産されるようにな
れば、当該磁石は、各種の技術分野において様々な利用
がなされるであろうと予想される。希土類系永久磁石モ
ータへの利用も、期待される利用方法の一つである。し
かしながら、R−Fe−B系永久磁石は本質的に電気抵
抗が低いという性質を有する。従って、優れた磁石特性
を有する高密度化ナノコンポジットバルク磁石であって
も、モータに組み込んで使用した場合には、渦電流損失
が大きくなり、モータ効率の低下を招くという問題があ
る。この問題を解決するためには磁石の電気抵抗を高め
る措置を講じなければならない。
【0004】高密度化ナノコンポジットバルク磁石の電
気抵抗を高める幾つかの方法が既に提案されている。例
えば、特開平9−186010号公報には、ナノコンポ
ジット磁石粉末にLi,Na,Mg,Ca,Ba,Sr
から選ばれる少なくとも一つの元素を含むフッ化物およ
び/または酸化物からなる化合物を絶縁成分として混合
して熱間成形することで、高密度化バルク磁石中の磁石
部分をこれらの化合物で分散させ、電気抵抗を高める方
法が記載されている。また、特開平9−232122号
公報には、ナノコンポジット磁石粉末にGe粉末を絶縁
成分として混合して熱間成形し、磁石粉末を構成する個
々の粒子をGe粉末で分離した状態でバルク化すること
により、電気抵抗を高める方法が記載されている。この
ように、絶縁成分を利用して磁石粉末を構成する粒子同
士を分離して熱間成形することで高密度化バルク磁石の
電気抵抗を高める方法は、ナノコンポジット磁石に限ら
ず、磁性相がRFe14B相などだけで構成される急
冷磁石(多くの場合Rリッチ相を非磁性相として含む)
においても提案されており、例えば、特開平5−121
220号公報には、急冷磁石粉末と絶縁成分であるホウ
ケイ酸ガラスなどの無機バインダとの混練物を熱間成形
する方法が記載されており、特開平6−69009号公
報には、急冷磁石粉末を構成する個々の粒子の表面を絶
縁成分である金属アルコキシドの加水分解化合物で被覆
した被覆粉末を熱間成形する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高密度化ナノコンポジ
ットバルク磁石中の磁石部分が絶縁成分の存在によって
分離されていれば、磁石の電気抵抗を高めることが理論
上は可能である。しかしながら、ナノコンポジット磁石
の高密度化の過程においては、急冷磁石のようにRリッ
チ相の一部が液相となって収縮することで緻密化が進行
するといったようなことがなく、磁石粉末を構成する粒
子の変形抵抗が大きいことから、緻密化が円滑に進行し
ない場合がある。そして、この傾向は、絶縁成分の存在
によってさらに助長される。勿論、より高温で熱間成形
すれば緻密化を進行させることが可能となるが、こうし
た場合、磁石粉末を構成する粒子と絶縁成分が反応して
しまったり、磁石中の微細な結晶粒が粗大化してしまう
ことで磁石特性が大きく劣化してしまったりする。一
方、低温で緻密化を進行させようとすれば、より高圧で
熱間成形しなければならない。こうした場合、磁石粉末
を構成する粒子が破壊されることで粒子の表面積が大き
くなる恐れがある。粒子の表面積が大きくなれば絶縁成
分との反応性が高まるので、磁石特性の劣化を招きかね
ない。また、熱間成形するための装置に特別な仕様など
が必要となることがある。そこで本発明は、優れた磁石
特性を有するとともに高い電気抵抗を示す高密度化R−
Fe−B系ナノコンポジットバルク磁石の温和な条件下
での簡便な製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の点に
鑑みて種々の検討を行った結果、熱間成形するための出
発材料として結晶化熱処理された磁石粉末を使用するの
ではなく、個々の粒子が所定割合以上非晶質状態にある
急冷合金粉末を使用すれば、絶縁成分の存在下において
もナノコンポジット磁石の高密度化の過程における緻密
化が円滑に進行することから、過酷な熱間成形条件によ
らずとも、優れた磁石特性を有するとともに高い電気抵
抗を示す高密度化R−Fe−B系ナノコンポジットバル
ク磁石を簡便に製造することが可能となることを見出し
た。
【0007】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
のであり、本発明の第1の希土類系永久磁石の製造方法
は、請求項1記載の通り、硬磁性相と軟磁性相とで構成
されるR−Fe−B系ナノコンポジット磁石を製造する
ための急冷合金粉末であって、急冷合金粉末を構成する
個々の粒子が30体積%以上非晶質状態にある粉末と、
体積抵抗率が1×10−1Ω・cm以上の絶縁成分とか
らなる出発材料を使用し、これを圧力が10MPa以
上、温度が急冷合金粉末の結晶化温度〜850℃の条件
下で熱間成形して、密度が6.5g/cm以上の、少
なくとも磁石部分と絶縁成分とからなる高密度化バルク
磁石とすることを特徴とする。また、本発明の第2の希
土類系永久磁石の製造方法は、請求項2記載の通り、硬
磁性相と軟磁性相とで構成されるR−Fe−B系ナノコ
ンポジット磁石を製造するための急冷合金粉末であっ
て、急冷合金粉末を構成する個々の粒子が30体積%以
上非晶質状態にある粉末と、体積抵抗率が1×10−1
Ω・cm以上の絶縁成分とからなる出発材料を使用し、
これを圧力が10MPa以上、温度が400℃〜急冷合
金粉末の結晶化温度の条件下で熱間成形して、高密度化
バルク体を得、この高密度化バルク体に対し、圧力が1
MPa以下、温度が急冷合金粉末の結晶化温度〜850
℃の条件下で結晶化熱処理して、密度が6.5g/cm
以上の、少なくとも磁石部分と絶縁成分とからなる高
密度化バルク磁石とすることを特徴とする。また、請求
項3記載の製造方法は、請求項1または2記載の製造方
法において、高密度化バルク磁石中の磁石部分の90体
積%以上が結晶質状態になるまで結晶化させることを特
徴とする。また、請求項4記載の製造方法は、請求項1
乃至3のいずれかに記載の製造方法において、軟磁性相
が鉄基硼化物相で構成されることを特徴とする。また、
請求項5記載の製造方法は、請求項1乃至4のいずれか
に記載の製造方法において、絶縁成分が希土類酸化物、
窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化珪素から選ばれる少
なくとも一つであることを特徴とする。また、請求項6
記載の製造方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の
製造方法において、急冷合金粉末を構成する個々の粒子
の表面に絶縁成分からなる絶縁層を形成した絶縁成分被
覆粉末を出発材料として使用することを特徴とする。ま
た、請求項7記載の製造方法は、請求項6記載の製造方
法において、絶縁層の形成を不活性ガス雰囲気中または
真空中で乾式法により行うことを特徴とする。また、請
求項8記載の製造方法は、請求項7記載の製造方法にお
いて、不活性ガス雰囲気中または真空中で行う乾式法が
気相成膜法であることを特徴とする。また、請求項9記
載の製造方法は、請求項6乃至8のいずれかに記載の製
造方法において、絶縁層の厚みを5μm以下とすること
を特徴とする。また、本発明の高密度化R−Fe−B系
ナノコンポジットバルク磁石は、請求項10記載の通
り、請求項1乃至9のいずれかに記載の製造方法で製造
されたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の希土類系永久磁石の製造
方法は、硬磁性相と軟磁性相とで構成されるR−Fe−
B系ナノコンポジット磁石を製造するための急冷合金粉
末であって、急冷合金粉末を構成する個々の粒子が30
体積%以上非晶質状態にある粉末と、体積抵抗率が1×
10−1Ω・cm以上の絶縁成分とからなる出発材料を
使用し、第1の製造方法では、出発材料を圧力が10M
Pa以上、温度が急冷合金粉末の結晶化温度〜850℃
の条件下で熱間成形することで、第2の製造方法では、
出発材料を圧力が10MPa以上、温度が400℃〜急
冷合金粉末の結晶化温度の条件下で熱間成形して、高密
度化バルク体を得、この高密度化バルク体に対し、圧力
が1MPa以下、温度が急冷合金粉末の結晶化温度〜8
50℃の条件下で結晶化熱処理することで、密度が6.
5g/cm以上の、少なくとも磁石部分と絶縁成分と
からなる高密度化バルク磁石とすることを特徴とするも
のである。本発明の希土類系永久磁石の製造方法によれ
ば、絶縁成分が存在していてもナノコンポジット磁石の
高密度化の過程における緻密化が円滑に進行することか
ら、過酷な熱間成形条件によらずとも、優れた磁石特性
を有するとともに高い電気抵抗を示す高密度化R−Fe
−B系ナノコンポジットバルク磁石を簡便に製造するこ
とが可能となる。
【0009】出発材料として使用する急冷合金粉末の組
成は、硬磁性相と軟磁性相とで構成されるR−Fe−B
系ナノコンポジット磁石を製造することができるもので
あればどのようなものであってもよいが、一般的には、
Rが、RFe14Bの化学量論組成よりも小さい10
原子%以下のもので、最終的に、磁石を構成する硬磁性
相がRFe14B相で、軟磁性相がFeB相やFe
23相などの鉄基硼化物相やα−Fe相となるもの
が用いられる。磁石特性の向上を図るため、Co、A
l、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Ga、
Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Pt、Pb、A
u、Cなどの種々の元素を添加してもよい。このうち、
鉄基硼化物相は塑性変形しにくい結晶相であるので、軟
磁性相が鉄基硼化物相で構成されるR−Fe−B系ナノ
コンポジット磁石を製造するための急冷合金粉末は、当
該粉末を構成する粒子の結晶化が進行するにつれて、熱
間成形の際に変形抵抗が大きくなり、高密度化の過程に
おける緻密化が困難になる。そして、この傾向は、絶縁
成分の存在によってさらに助長される。従って、本発明
の希土類系永久磁石の製造方法は、とりわけ、軟磁性相
が鉄基硼化物相で構成されるR−Fe−B系ナノコンポ
ジット磁石を製造するに際して効果を発揮する。
【0010】通常、急冷合金粉末は、単ロール法などの
メルトスピニング技術により、溶融した原料合金から作
成される非晶質急冷合金薄帯を粉砕することにより取得
されるものである。当該粉末を構成する個々の粒子は、
その後の結晶化熱処理により、平均結晶粒径が500n
m以下の範囲にある硬磁性相と軟磁性相とが混在して磁
気的に結合した組織を有する粒子とされる。粉末の平均
粒度は、300μmを超えると高密度化の過程における
緻密化が円滑に進行しない恐れがあるので、300μm
以下が望ましく、10μm〜200μmがより望まし
い。
【0011】本発明の希土類系永久磁石の製造方法にお
いては、急冷合金粉末を構成する個々の粒子が30体積
%以上非晶質状態にある粉末を出発材料として使用す
る。個々の粒子における非晶質状態の体積比率が30体
積%未満、即ち、個々の粒子における結晶質状態の体積
比率が70体積%を超えると、熱間成形の際に変形抵抗
が大きくなり、高密度化の過程における緻密化が困難に
なる。そして、この傾向は、絶縁成分の存在によってさ
らに助長される。出発材料として使用される急冷合金粉
末は、当該粉末を構成する個々の粒子が非晶質状態のみ
からなる粉末であってもよいので、非晶質急冷合金薄帯
を粉砕することにより取得される非晶質急冷合金粉末自
体を出発材料として使用してもよい。非晶質状態と結晶
質状態が混在した粒子から構成される急冷合金粉末は、
非晶質急冷合金薄帯を粉砕することにより取得される非
晶質急冷合金粉末をその結晶化温度以上でごく短時間熱
処理した後、アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガス
を用いて冷却することにより得ることができる。急冷合
金粉末の結晶化温度は、その組成や熱処理条件によって
異なるが、概ね550℃〜800℃である。当該粉末の
結晶化反応は発熱を伴うので、当該粉末の結晶化温度や
当該粉末を構成する個々の粒子における非晶質状態の体
積比率は、示差熱分析などの熱分析による測定や透過電
子顕微鏡を用いた評価を行うことにより知ることができ
る。従って、これらのデータに基づけば、非晶質状態の
体積比率が所望する数値である粒子から構成される急冷
合金粉末を取得するための熱処理条件は容易に導き出さ
れる。また、非晶質状態と結晶質状態が混在した粒子か
ら構成される急冷合金粉末は、溶融した原料合金から急
冷合金薄帯を得る際、急冷速度を遅らせることで一部が
結晶化した急冷合金薄帯を得、これを粉砕することによ
り取得することもできる。
【0012】出発材料として使用する体積抵抗率が1×
10−1Ω・cm以上の絶縁成分としては、酸化イット
リウム(Y)などの希土類酸化物、窒化硼素、窒
化アルミニウム、窒化珪素などが望ましい。これらは体
積抵抗率が1×10−1Ω・cm以上であることから、
高密度化ナノコンポジットバルク磁石中において、十分
な絶縁性を発揮するとともに、後述する熱間成形条件に
おいては、急冷合金粉末との反応性が低いので、磁石特
性(特に保磁力:HcJ)の劣化を引き起こすようなこ
とがない。
【0013】出発材料となる急冷合金粉末と絶縁成分の
使用態様としては、粉末の絶縁成分を使用して、急冷合
金粉末と絶縁成分粉末を、乾式法または湿式法により混
合し、両者の混合物を熱間成形する態様が挙げられる。
この場合、絶縁成分粉末の平均粒度は、混合物中におけ
る均一分散性や磁石の有効体積確保などの観点から、
0.01μm〜5μm(六方晶窒化硼素のような扁平形
状粉末を使用する場合はその平均厚みの値)であること
が望ましい。また、急冷合金粉末を構成する個々の粒子
の表面に絶縁成分からなる絶縁層を形成した絶縁成分被
覆粉末を、予め乾式法または湿式法により作成し、当該
粉末を熱間成形する態様であってもよい。高密度化ナノ
コンポジットバルク磁石とした際に当該磁石がより高い
電気抵抗を示すようにするためには、急冷合金粉末を構
成する個々の粒子の表面に絶縁成分からなる絶縁層を形
成した絶縁成分被覆粉末を熱間成形する態様が望まし
い。なお、絶縁成分の使用量についてであるが、高密度
化ナノコンポジットバルク磁石に求められる磁石特性
(特に残留磁束密度:B)を考慮すると、当該バルク
磁石中の磁石部分の体積比率は少なくとも85体積%以
上である必要があり、その比率は高ければ高いほど望ま
しい。従って、絶縁成分の使用量は、その下限は作用を
十分に発揮させる観点から、高密度化ナノコンポジット
バルク磁石中の体積比率として1体積%以上となるよう
に使用することが望ましいが、その上限は15体積%と
なるように使用することが望ましく、10体積%となる
ように使用することがより望ましく、5体積%となるよ
うに使用することがさらに望ましい。
【0014】絶縁成分被覆粉末を乾式法により作成する
場合、急冷合金粉末を構成する個々の粒子の表面への絶
縁層の形成は、アルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガ
ス雰囲気中または真空中で行い、急冷合金粉末が極力酸
化されないように配慮することが望ましい。プラズマC
VD(化学気相蒸着)法、イオンプレーティング法、ス
パッタリング法などの気相成膜法は、その方法上、不活
性ガス雰囲気中や真空中で行われるものであるので、絶
縁層を形成する工程中において、急冷合金粉末が酸化す
ることがない。従って、気相成膜法による絶縁層の形成
は好適な態様であるといえる。また、急冷合金粉末と粉
末の絶縁成分を用い、両者に機械的エネルギーを付与し
て絶縁層を形成する方法、例えば、高速気流中衝撃法や
メカノフュージョン法などを採用してもよい。
【0015】絶縁成分被覆粉末を湿式法により作成する
方法としては、粉末の絶縁成分を適当な溶剤に分散させ
て調製した分散液を急冷合金粉末にスプレー法にて噴き
かけたり、当該分散液に急冷合金粉末を分散させたりし
た後、加熱乾燥して溶剤を揮散させる方法、急冷合金粉
末と粉末の絶縁成分と添加物とから作成されたスラリー
を加熱乾燥して溶剤を揮散させる方法、ゾル−ゲル化反
応を利用して絶縁成分の原料を含むゾル液に急冷合金粉
末を分散させた後、加熱乾燥して溶剤を揮散させる方法
などが挙げられる。
【0016】急冷合金粉末を構成する個々の粒子の表面
に形成される絶縁層の厚みは、5μmを超えると、磁石
としての有効体積が小さくなり、ボンド磁石よりも磁石
特性が低くなる恐れや、高密度化の過程において絶縁成
分被覆粉末を構成する粒子と粒子の間に無視できない空
隙が残存してしまい、当該空隙が緻密化の進行を阻害す
る恐れがある。従って、絶縁層の厚みは、5μm以下で
あることが望ましく、0.1μm〜3μmであることが
より望ましい。
【0017】乾式法と湿式法を比較すると、乾式法にお
いては、溶剤を使用しないので、熱間成形時において、
溶剤が残存することで高密度化の過程における緻密化の
進行が阻害されたり、残存した溶剤が急冷合金粉末と反
応することで磁石特性の劣化を招いたりすることがな
い。従って、これらの点においては乾式法が湿式法より
も有利である。
【0018】以上のような方法で調製された出発材料を
使用し、本発明の第1の製造方法では、これを圧力が1
0MPa以上、温度が急冷合金粉末の結晶化温度〜85
0℃の条件下で熱間成形して、密度が6.5g/cm
以上の、少なくとも磁石部分と絶縁成分とからなる高密
度化バルク磁石とする。急冷合金粉末を構成する個々の
粒子が30体積%以上非晶質状態にある粉末を使用して
いるので、このような温和な条件下であっても、高密度
化の過程における緻密化が円滑に進行するとともに、当
該粒子の結晶化も進行する。従って、密度が6.5g/
cm以上の高密度化バルク磁石を製造することができ
る。最適な熱間成形条件は、急冷合金粉末の組成や使用
する絶縁成分の種類によって適宜設定されるべきもので
あるが、一般に、圧力は、得られるバルク磁石の密度を
所望する数値とするためや金型強度の観点から、50M
Pa〜500MPaとすることが望ましい。高密度化バ
ルク磁石中の磁石部分の90体積%以上が結晶質状態に
なるまで結晶化させることで、より優れた磁石特性を有
する高密度化バルク磁石とすることができる。
【0019】熱間成形するための方法は、種々知られて
いるが、本発明においてはそのいずれをも採用すること
ができ、バルク磁石の形状などに基づいて、圧縮成形、
押し出し成形、圧延成形などを適宜採用すればよい。例
えば、圧縮成形を行う場合、ホットプレス焼結(HP)
装置や放電プラズマ焼結(SPS)装置など公知の装置
を使用して行えばよい。
【0020】本発明の第1の製造方法では、熱間成形の
際、ともすれば、結晶化反応に伴う発熱により、装置内
部の急冷合金粉末の温度制御をうまく行えなくなること
で、磁石中の微細な結晶粒が粗大化してしまい、磁石特
性が大きく劣化してしまうことがあるので注意を払うべ
きである。この点、本発明の第2の製造方法において
は、圧力が10MPa以上、温度が400℃〜急冷合金
粉末の結晶化温度の条件下で熱間成形して、高密度化の
過程における緻密化のみを進行させて高密度化バルク体
を得、この高密度化バルク体に対する結晶化熱処理を、
1MPa以下の圧力下(例えば、アルゴンガスや窒素ガ
スなどの不活性ガス雰囲気中または真空中)で、温度を
急冷合金粉末の結晶化温度〜850℃に制御して行うこ
とにより、本発明の第1の製造方法において起こりうる
ような事態を回避することができる。
【0021】前述のように、急冷合金粉末の結晶化温度
は、その組成や熱処理条件によって異なるが、概ね55
0℃〜800℃である。組成によっては硬磁性相と軟磁
性相とで結晶化温度が異なることに依存して2段階以上
の結晶化過程を経るために、示差熱分析などの熱分析を
行うと、2段階以上の発熱ピークが観察されるものがあ
る。このような組成の急冷合金粉末の場合、最も高い温
度で結晶化する結晶相の結晶化温度を基準として温度を
設定することに留意すべきである。従って、本発明の第
2の製造方法における熱間成形を行うための温度も、4
00℃〜最も高い温度で結晶化する結晶相の結晶化温度
である。しかしながら、熱間成形の際に結晶化反応に伴
う発熱をできるだけ引き起こさないようにするために
は、当該温度は、400℃〜最も低い温度で結晶化する
結晶相の結晶化温度であることが望ましい。
【0022】熱間成形するに際し、高密度化の過程にお
ける緻密化の進行促進や磁石強度の向上を目的として、
出発材料に結合剤を添加してもよい。結合剤としては、
上記の熱間成形条件において容易に変形し、かつ、すぐ
れた絶縁性を示すガラス質材料や耐熱性樹脂(シリコー
ン樹脂やポリイミド樹脂など)などが挙げられる。結合
剤は、例えば、急冷合金粉末と絶縁成分粉末の混合物に
混合したり、絶縁成分被覆粉末に混合したりして使用す
ればよいが、絶縁成分被覆粉末に混合する態様を採用し
た場合、急冷合金粉末と結合剤との反応(特に急冷合金
粉末を構成する粒子に含まれるRと結合剤との反応)が
絶縁成分の存在により確実に抑制される点において望ま
しい。中でも、前述の希土類酸化物、窒化硼素、窒化ア
ルミニウム、窒化珪素などは、急冷合金粉末と結合剤と
の反応を効果的に抑制する絶縁成分である。結合剤の使
用量は、絶縁成分の使用量との合計量として、高密度化
ナノコンポジットバルク磁石中の体積比率が15体積%
以下となるように使用することが望ましく、10体積%
以下となるように使用することがより望ましく、5体積
%以下となるように使用することがさらに望ましい。
【0023】
【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】〈非晶質急冷合金薄帯の作成〉絶対圧力が
30kPaのアルゴンガス雰囲気中で、厚み5μm〜1
5μmのクロムめっき層を形成した直径350mmの銅
合金製冷却ロールを15m/minの周速度で回転さ
せ、単ロール法によって、NdFe14B(硬磁性
相)とFeB(軟磁性相)とで構成されるナノコンポ
ジット磁石を製造するためのNd 5.5Fe66
18.5CoCrの組成を有する急冷合金薄帯を作
成した。得られた急冷合金薄帯を透過電子顕微鏡で観察
したところ、ほぼ100%が非晶質であった。また、こ
の急冷合金薄体の結晶化温度を示差走査熱分析装置(D
SC)を用いて測定したところ、570℃であった。
【0025】〈急冷合金粉末の作成〉 1.粉末A 上記の非晶質急冷合金薄帯をパワーミルおよびビンディ
スクミルを用いて粉砕した後、JIS8801準拠の標
準ふるいを用いて分級し、表1のように粒度調整を行っ
て非晶質急冷合金粉末を得、当該粉末を粉末Aとした。
【0026】
【表1】
【0027】2.粉末B 粉末Aを構成する個々の粒子の表面に絶縁成分である窒
化硼素(体積抵抗率:約1014Ω・cm)からなる厚
みが約2μmの絶縁層を形成して窒化硼素被覆粉末を
得、当該粉末を粉末Bとした。なお、窒化硼素被覆粉末
の作成は、アルゴンガス雰囲気中での高周波プラズマC
VD法により、平均厚みが約0.4μmの六方晶窒化硼
素粉末を使用して行った。得られた窒化硼素被覆粉末を
粉砕して当該粉末中の窒化硼素量を蛍光X線装置で測定
したところ、約10体積%であった。
【0028】3.粉末C アルゴンガス雰囲気中で粉末Aを石英管に充填した。粉
末Aを充填した石英管を管状炉内で570℃×30秒間
加熱した後、石英管ごと水冷して室温にまで冷却した。
以上の熱処理を行った粉末Aを透過電子顕微鏡で観察し
たところ、粉末を構成する個々の粒子は約50体積%が
非晶質状態にあった。この粉末を構成する個々の粒子の
表面に、粉末Bを作成する方法と同様の方法で、絶縁成
分である窒化硼素からなる厚みが約2μmの絶縁層を形
成して窒化硼素被覆粉末を得、当該粉末を粉末Cとし
た。
【0029】4.粉末D アルゴンガス雰囲気中で粉末Aを石英管に充填した。粉
末Aを充填した石英管を管状炉内で680℃×5分間加
熱した後、石英管ごと水冷して室温にまで冷却した。以
上の熱処理を行った粉末Aを透過電子顕微鏡で観察した
ところ、この粉末を構成する個々の粒子はほぼ100%
結晶質状態にあった。この粉末を構成する個々の粒子の
表面に、粉末Bを作成する方法と同様の方法で、絶縁成
分である窒化硼素からなる厚みが約2μmの絶縁層を形
成して窒化硼素被覆粉末を得、当該粉末を粉末Dとし
た。
【0030】〈ナノコンポジットバルク磁石の製造例1
〜5〉上記の4種類の粉末A〜粉末Dを使用し、各々の
粉末35gから直径20mmの円柱状ナノコンポジット
バルク磁石を製造した。熱間成形は放電プラズマ焼結装
置を使用した圧縮成形により行った。具体的には、図1
に示すような、内側にスリーブを設けた超硬合金製のダ
イと超硬合金製のパンチからなる金型を用い、この金型
に急冷合金粉末を充填してから放電プラズマ焼結装置に
セットし、装置内を1Pa以下に減圧した後、196M
Paの加圧下でパルス通電焼結を行った。パルス通電焼
結における昇温速度は40℃/minとし、表2に示す
温度×時間で保持した後、通電を停止してから放冷して
バルク磁石を得た。なお、放電プラズマ焼結時の温度
は、スリーブに接する部分にまでダイに孔を開け、当該
孔に熱電対を挿入して測定した。
【0031】
【表2】
【0032】〈ナノコンポジットバルク磁石の製造例
6〉上記の粉末B35gから直径20mmの円柱状ナノ
コンポジットバルク磁石を製造した。熱間成形は放電プ
ラズマ焼結装置を使用した圧縮成形により行った。具体
的には、図1に示すような、内側にスリーブを設けた超
硬合金製のダイと超硬合金製のパンチからなる金型を用
い、この金型に急冷合金粉末を充填してから放電プラズ
マ焼結装置にセットし、装置内を1Pa以下に減圧した
後、196MPaの加圧下でパルス通電焼結を行った。
パルス通電焼結における昇温速度は40℃/minと
し、530℃×5分間保持した後、通電を停止してから
放冷した。得られたバルク体を金型から取り出し、1P
a以下の減圧雰囲気中で620℃×5分間加熱した後、
アルゴンガスを導入することにより冷却してバルク磁石
を得た。なお、放電プラズマ焼結時の温度は、スリーブ
に接する部分にまでダイに孔を開け、当該孔に熱電対を
挿入して測定した。
【0033】〈ナノコンポジットバルク磁石の評価〉上
記の製造例1〜6で得られた6種類のバルク磁石を切断
・研磨し、各々のバルク磁石から5mm×5mm×5m
mの立方体状試験片を作成し、その寸法と重量から密度
を求めた。また、この試験片について3.2MA/mの
パルス磁界を用いて着磁を行い、BHトレーサーを使用
してその磁石特性を測定した。さらに、6種類のバルク
磁石を切断・研磨し、各々のバルク磁石から5mm×5
mm×15mmの直方体状試験片を作成し、この試験片
について四端子法にて比抵抗を測定した。結果を表3に
示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3から明らかなように、製造例2、3、
6で得られたバルク磁石は、粉末Bまたは粉末Cを出発
材料として使用して製造されたものであるが、優れた磁
石特性を有するとともに高い電気抵抗を示し、密度が
6.5g/cm以上の高密度化されたバルク磁石であ
った。なお、製造例2で得られたバルク磁石を透過電子
顕微鏡で観察した結果、バルク磁石中の磁石部分の95
体積%以上が結晶質状態であった。一方、製造例1で得
られたバルク磁石は、粉末Aを出発材料として使用して
製造されたものであるが、絶縁成分を使用していないこ
とから、磁石特性と高密度化の点では優れるものの、電
気抵抗が低いという欠点を有していた。製造例4で得ら
れたバルク磁石は、粉末Dを出発材料として使用して製
造されたものであるが、この粉末を構成する個々の粒子
はほぼ100%結晶質状態にあることから、緻密化の進
行が阻害され、高密度化の点で劣るという欠点を有して
いた。製造例5で得られたバルク磁石は、製造例4で得
られたバルク磁石と同様に、粉末Dを出発材料として使
用して製造されたものであるが、放電プラズマ焼結時に
おける保持温度を製造例4の保持温度よりも高く設定し
たことで、高密度化の点で改善が見られたが、温度が高
すぎたためにHcJが大きく劣化してしまい、磁石特性
に問題があった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、優れた磁石特性を有す
るとともに高い電気抵抗を示す高密度化R−Fe−B系
ナノコンポジットバルク磁石の温和な条件下での簡便な
製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例においてナノコンポジットバルク磁石
を製造するために使用した金型の模式図(一部透視
図)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 AA27 KA45 KA61 5E040 AA04 BC08 CA01 HB07 HB11 HB14 HB17 NN01 NN05 NN06 NN18 5E062 CC05 CD04 CE04 CG02 CG03 CG07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬磁性相と軟磁性相とで構成されるR−
    Fe−B系ナノコンポジット磁石を製造するための急冷
    合金粉末であって、急冷合金粉末を構成する個々の粒子
    が30体積%以上非晶質状態にある粉末と、体積抵抗率
    が1×10−1Ω・cm以上の絶縁成分とからなる出発
    材料を使用し、これを圧力が10MPa以上、温度が急
    冷合金粉末の結晶化温度〜850℃の条件下で熱間成形
    して、密度が6.5g/cm以上の、少なくとも磁石
    部分と絶縁成分とからなる高密度化バルク磁石とするこ
    とを特徴とする希土類系永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 硬磁性相と軟磁性相とで構成されるR−
    Fe−B系ナノコンポジット磁石を製造するための急冷
    合金粉末であって、急冷合金粉末を構成する個々の粒子
    が30体積%以上非晶質状態にある粉末と、体積抵抗率
    が1×10−1Ω・cm以上の絶縁成分とからなる出発
    材料を使用し、これを圧力が10MPa以上、温度が4
    00℃〜急冷合金粉末の結晶化温度の条件下で熱間成形
    して、高密度化バルク体を得、この高密度化バルク体に
    対し、圧力が1MPa以下、温度が急冷合金粉末の結晶
    化温度〜850℃の条件下で結晶化熱処理して、密度が
    6.5g/cm以上の、少なくとも磁石部分と絶縁成
    分とからなる高密度化バルク磁石とすることを特徴とす
    る希土類系永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 高密度化バルク磁石中の磁石部分の90
    体積%以上が結晶質状態になるまで結晶化させることを
    特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 軟磁性相が鉄基硼化物相で構成されるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 絶縁成分が希土類酸化物、窒化硼素、窒
    化アルミニウム、窒化珪素から選ばれる少なくとも一つ
    であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 急冷合金粉末を構成する個々の粒子の表
    面に絶縁成分からなる絶縁層を形成した絶縁成分被覆粉
    末を出発材料として使用することを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁層の形成を不活性ガス雰囲気中また
    は真空中で乾式法により行うことを特徴とする請求項6
    記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 不活性ガス雰囲気中または真空中で行う
    乾式法が気相成膜法であることを特徴とする請求項7記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】 絶縁層の厚みを5μm以下とすることを
    特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の製
    造方法で製造されたことを特徴とする高密度化R−Fe
    −B系ナノコンポジットバルク磁石。
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