JP2004261834A - 歪み修正方法および歪み修正装置 - Google Patents

歪み修正方法および歪み修正装置 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した高精度の歪み修正が得られる歪み修正方法および歪み修正装置を提供する。
【解決手段】クランクシャフト90の歪み量を測定する歪み検出手段40と、歪み量が測定されたクランクシャフト90を架け渡して支持する一対のワーク固定支持台31、35と、歪み量とこの歪みの修正に要する押し込み量との関係によって予め設定された修正曲線に基づいて上記測定された歪み量の修正に要する押し込み量を押し込む加圧手段50とを備えた歪み修正装置1であって、加圧手段50による押し込みにあたり、加圧手段50による押し込み荷重が予め設定された規定荷重に達した時点で、加圧手段50による押し込み量を修正曲線に基づいて算出し、この算出した押し込み量を押し込む。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歪み修正方法および歪み修正装置に関し、特に軸状のワークの歪みを修正する歪み修正方法および歪み修正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鍛造品や焼き入れ・焼き戻し等の熱処理が施されたクランクシャフト等の軸状のワークは、鍛造や熱処理に伴って生じる歪みを修正するために歪み修正装置によって修正される。
【0003】
この歪み修正方法としては、ワークの歪み量を測定後、歪み量とこの歪みの修正に要する押し込み量との関係によって予め設定された修正曲線に基づいて修正に要する押し込み量を決定し、その押し込み量に基づいてワークを修正する歪み修正装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この歪み修正装置による修正方法の概要を図9を参照して説明する。図9は歪み修正装置101の概要を示す説明図である。修正する軸状のワーク100は、このワーク100に対して前進する左右の測定用センタ102によって芯出し支持されて回転される。ワーク100の歪みは、ワーク100を回転した状態で差動トランス104により測定される。この測定結果に基づいてワーク100の歪み側、すなわち曲がっている側を加圧パンチ106側に向けて回転を停止させると共に、左右のセンタ102がワーク100から退避してワーク100をワーク受け103上に載った状態にする。
【0005】
この状態で差動トランス104で押し込み量を監視しながら加圧パンチ106によりワーク100を押し込むことによって、歪みを修正する。しかる後、加圧パンチ106を上昇させ、再び左右のセンタ102をワーク100に対して前進させてワーク100を芯出し支持し、再度ワーク100を回転させて差動トランス104によって歪み量を計測し、歪み量が予め設定された公差以内、すなわち許容範囲内である場合には左右のセンタ102を後退させて歪みの修正を終了する。歪み量が公差を越える場合には、再度上記歪み修正を繰り返す。この修正に要する加圧パンチ106によるワーク100の押し込み量は、予め実験或いはシミュレーション等によって設定されてCPU108に記憶された修正曲線に基づいて加圧制御部109によって制御される。
【0006】
【特許文献1】
特許第3096000号公報(段落番号0006、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載された歪み修正の方法によると、ワーク100の歪み量を差動トランス104によって測定し、その測定結果に従って予めワーク100毎に加圧パンチ106による押し込み量と歪み量の関係を実験的に求めて得られた修正曲線に基づいて、修正に要する加圧パンチ106による押し込み量を決定し、その押し込み量を加圧パンチ106によって押し込みすることによってワーク100の歪み修正が行われる。
【0008】
ここで、歪み修正にあたり加圧パンチ106によるワーク100に対する押し込み荷重と加圧パンチ106の押し込み量、すなわち加圧パンチ106のストロークの関係は、図10(a)の押し込み荷重−ストローク線図に破線で理想曲線を示すようにワーク100の弾性域において荷重の付加開始と連動してストロークが比例的に増加し、塑性域において押し込み荷重に対して緩やかに湾曲してストロークが増加する挙動が望ましい。
【0009】
しかし、実際の歪み修正作業にあたっては、ワーク100とワーク受け103との間や、ワーク100と加圧パンチ106との間等に異物等が噛み込まれたり、歪み修正装置101の機械的ガタや修正作動開始時の初期なじみ等に起因して無負荷状態にあっても加圧パンチ106のストロークが増加することがある。この無負荷状態でのストローク変化によって図10(a)に修正時におけるワーク100の実挙動曲線を実線で示すように、理想曲線との間に誤差δ1を有する。この誤差δ1に起因して図10(b)の修正量−押し込み量線図に示すように、修正量と押し込み量との関係を示す修正曲線と実挙動曲線との間に誤差δ2が発生し、修正量にバラツキが生じて十分な修正精度が達成できないことが懸念される。
【0010】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の第1の目的は、修正量のバラツキを回避することによって安定した高精度の歪み修正が得られる歪み修正方法を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明の第2の目的は、上記歪み修正方法を確実に実施するための歪み修正装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成する請求項1に記載の歪み修正方法の発明は、一対のワーク固定支持台および該一対のワーク固定支持台に架け渡されたワークの上記両ワーク固定支持台間を押し込む加圧手段を有し、軸状のワークの歪み量を測定し、該歪み量が測定されたワークを上記一対のワーク固定支持台に架け渡して支持すると共に、歪み量と該歪みの修正に要する押し込み量との関係によって予め設定された修正曲線に基づいて上記測定された歪みの修正に要する押し込み量を上記加圧手段によって押し込んで上記ワーク歪みを修正する歪み修正方法において、上記加圧手段による押し込みにあたり、上記加圧手段による押し込み荷重が予め設定された規定荷重に達した時点で、加圧手段による押し込み量を上記修正曲線に基づいて算出し、該算出した押し込み量を押し込むことを特徴とする。
【0013】
請求項1の発明によると、加圧手段による押し込み荷重が、予め設定された規定荷重に達した時点を基準として歪み量の修正に要する加圧手段による押し込み量を修正曲線に基づいて算出し、その算出された押し込み量を押し込むことによって、ワーク固定支持台とワークの間への異物の噛み込みや、歪み修正装置の初期なじみ等に起因する測定誤差の発生が回避でき、修正量のバラツキが抑制されて安定した高精度な歪み修正が得られる。
【0014】
上記第2の目的を達成する請求項2に記載の歪み修正装置の発明は、軸状のワークの歪み量を測定する歪み検出手段と、該歪み量が測定されたワークを架け渡して支持する一対のワーク固定支持台と、該架け渡されて支持されたワークの一対のワーク固定支持台間を、歪み量と該歪みの修正に要する押し込み量との関係によって予め設定された修正曲線に基づいて上記測定された歪み量の修正に要する押し込み量を押し込む加圧手段とを備えた歪み修正装置において、上記加圧手段による押し込み荷重を測定する押し込み荷重測定手段を有し、上記加圧手段による押し込みにあたり、上記押し込み荷重測定手段によって測定された上記加圧手段による押し込み荷重が予め設定された規定荷重に達した時点で、加圧手段による押し込み量を上記修正曲線に基づいて算出し、該算出した押し込み量を押し込むことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の方法を実施する歪み修正装置であって、押し込み荷重測定手段によって測定された加圧手段による押し込み荷重が、予め設定された規定荷重に達した時点を基準として歪み測定手段によって測定された歪み量の修正に要する加圧手段による押し込み量を修正曲線に基づいて算出し、その算出された押し込み量を押し込むことによって、ワーク固定支持台とワークの間への異物の噛み込みや、歪み修正装置の初期なじみ等に起因する測定誤差の発生が回避でき、修正量のバラツキが抑制されて安定した高精度な歪み修正が得られる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2の歪み修正装置において、上記歪み検出手段によって、上記加圧手段による上記押し込み量を検出することを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明によると、歪み検出手段によって加圧手段による押し込み量を検出することによって、歪み検出手段が押し込み量の検出機能を兼備するので、押し込み量検出手段を別途配置する必要がなく、構成の簡素化が得られる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3の歪み修正装置において、上記加圧手段は、パンチ支持部材と、該パンチ支持部材をワークに接離する方向に移動可能に嵌合保持するパンチガイド部材と、該パンチ支持部材の先端に上記ワークと対向して取り付けられた加圧パンチと、上記パンチ支持部材をワークに接離する方向に移動させるサーボモータとを有し、該サーボモータの駆動により上記パンチ支持部材をワークに接近する方向に移動せしめて上記加圧パンチによって押し込むことを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の加圧手段の具体的例を示すものであって、サーボモータの正逆回転駆動によってパンチ部材をワークに接離する方向の移動を容易に制御することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項4に歪み修正装置において、上記押し込み荷重測定手段は、サーボモータを駆動する電力値の変化により上記規定荷重を検出することを特徴とする。
【0021】
請求項5の発明によると、サーボモータの駆動に要する電力値の変化に基づいて押し込み荷重を検出することによって押し込み荷重測定手段が構成でき、別途押し込み荷重を検出するための押し込み荷重検出手段を配設する必要がなく、装置の簡素化、コンパクト化および制御の簡素化が得られ、設備コストおよびメンテナンスコストの低減が期待できる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項4の歪み検出装置において、上記押し込み荷重測定手段は、上記パンチ支持部材と加圧パンチとの間にロードセルを配設し、該ロードセルによって上記規定荷重を検出することを特徴とする。
【0023】
請求項6の発明によると、押し込み荷重測定手段が、パンチ支持部材と加圧パンチとの間に配置したロードセルにより構成でき、ロードセルによって直接的に加圧パンチに作用する押し込み荷重を検知でき、より高精度の歪み修正が期待できる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、請求項2または3の歪み修正装置おいて、上記加圧手段は、パンチ支持部材と、該パンチ支持部材をワークに接離する方向に移動可能に嵌合保持するパンチガイド部材と、該パンチ支持部材の先端に上記ワークと対向して取り付けられた加圧パンチと、上記パンチ支持部材をワークに接離する方向に移動させる油圧シリンダとを有し、上記押し込み荷重測定手段は、上記パンチ支持部材と加圧パンチとの間に配設されて上記押し込み荷重を検出するロードセルであって、上記油圧シリンダの駆動により上記パンチ支持部材をワークに接近する方向に移動せしめて上記加圧パンチによって押し込むことを特徴とする。
【0025】
請求項7の発明は、請求項2または3に記載の加圧手段の具体的例を示すものであって、油圧シリンダによってパンチ部材をワークに接離する方向の移動を容易に制御することができ、かつパンチ支持部材と加圧パンチとの間に配置したロードセルにより直接的に加圧パンチに作用する押し込み荷重を検知でき、高精度の歪み修正が期待できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による歪み修正方法および歪み修正装置の実施の形態を、ワークがエンジンのクランクシャフトを例に図を参照して説明する。
【0027】
(第1実施の形態)
本発明の第1実施の形態を図1乃至図7を参照して説明する。
【0028】
本実施の形態における歪み修正する軸状のワークであるクランクシャフト90は、例えば高炭素鋼の鍛造製であって、図7に側面図を示すようにその回転中心軸線L上に同軸上で配置された第1〜第5ジャーナル91〜95を有し、第1ジャーナル91と第2ジャーナル92、第2ジャーナル92と第3ジャーナル93、第3ジャーナル93と第4ジャーナル94、第4ジャーナル94と第5ジャーナル95はそれぞれウエブ96およびクランクピン97を介在して一体形成されている。
【0029】
図1は歪み修正装置1の概略を示す正面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2のA矢視図、図4は図3のB矢視図である。
【0030】
歪み修正装置1は、支持台2および支持台2に立設されたプレス支持枠3を有し、支持台2上に設けられたワーク回転駆動手段10、ワーク固定手段30、歪み検出手段40、プレス支持枠3に設けられた加圧手段50および制御装置70を有し、ワーク回転駆動手段10によって回転駆動されるクランクシャフト90の歪み量を歪み検出手段40により検出し、そのクランクシャフト90をワーク固定手段30上に載せ換え、歪み量の検出結果に基づいてワーク固定手段30上に保持されたクランクシャフト90を加圧手段50により押し込むことによって歪みを修正するものである。
【0031】
ワーク回転駆動手段10は、図2および図3に示すようにクランクシャフト90の第1ジャーナル91および第5ジャーナル95をそれぞれ回転自在に支持する一対の芯出し装置11、21を有している。
【0032】
左の芯出し装置11は図3および図4に示すように支持台2に上下方向に延在して立設された一対のパイロットバー12a、12bに架け渡されて上下移動自在に支持されたローラ支持部材13を有し、ローラ支持部材13にベアリング14a、14bおよび回転軸15a、15bを介してクランクシャフト90の第1ジャーナル91を支持する一対のローラ16a、16bが回転自在に並設されている。支持台2とローラ支持部材13の間に架設された昇降シリンダ17の伸縮によってローラ支持部材13がパイロットバー12a、12bに沿って昇降してローラ16a、16bが上昇位置に上昇すると共に下降位置に下降する。
【0033】
右の芯出し装置21も同様に、支持台2に立設された一対のパイロットバー22a、22bに架け渡されて上下移動自在に支持されたローラ支持部材23にベアリング24a、24bおよび回転軸25a、25bを介して第5ジャーナル95を支持する一対のローラ26a、26bが回転自在に並設されている。支持台2とローラ支持部材23の間に架設された昇降シリンダ27の伸縮によってローラ支持部材23がパイロットバー22a、22bに沿って昇降してローラ26a、26bが上昇位置に上昇し、かつ下降位置に下降する。さらに、回転軸25aを回転駆動する回転駆動手段である駆動モータ28が設けられ、他方の回転軸25bの回転位置を検出するワーク回転位置検出装置29が設けられている。
【0034】
そして、芯出し装置11のローラ16aと16bの間にクランクシャフト90の第1ジャーナル91を上方から載せ、かつ芯出し装置21のローラ26aと26bの間に第5ジャーナル95を上方から載せることによってクランクシャフト90が芯出しされた状態で回転自在に支持され、かつ駆動モータ28によって回転駆動されるローラ26aによって第5ジャーナル95を介してクランクシャフト90が、その回転中心軸線Lを中心に回転駆動され、かつ第5ジャーナル95によって回転駆動されるローラ26bを介してその回転がワーク回転位置検出装置29に入力されてクランクシャフト90の回転位置が検出される。
【0035】
ワーク固定手段30は、互いに離間して芯出し装置11および21にそれぞれ隣接して配置された一対のワーク固定支持台31および35を有している。左のワーク固定支持台31は、図2および図4に示すように芯出し装置11に隣接して支持台2上に基部32が取り付けられ、頂部に第1ジャーナル91が上方から嵌合可能な凹状のワーク保持部33aが形成された板状のワーク受け部材33が基部32上に立設されている。同様に右のワーク固定支持台35は、芯出し装置21に隣接して支持台2上に基部36が取り付けられ、頂部に第5ジャーナル95が上方から嵌合可能な凹状のワーク保持部37aが形成されたワーク受け部材37が基部36上に立設されている。
【0036】
そして、芯出し装置11および21のローラ支持部13、23が上昇位置において、ローラ16aと16bの間に第1ジャーナル91を上方から載せ、かつローラ26aと26bの間に第5ジャーナル95を上方から載せてクランクシャフト90がセットされた状態から、それぞれの昇降シリンダ17、27を縮小してローラ支持部材13、23を下降位置に下降させると、その下降動作によってクランクシャフト90が下降して、第1ジャーナル91が左のワーク固定支持台31のワーク保持部33aに受け渡され、かつ第5ジャーナル95が右のワーク固定支持台35のワーク保持部37aに受け渡されてクランクシャフト90がワーク固定支持台31、35に移載される。一方、昇降シリンダ17、27を伸張してローラ支持部材13、23を下降位置から上昇位置に上昇させると、第1ジャーナル91がローラ16a、16bに支持され、かつ第5ジャーナル95がローラ26a、26bに支持されてクランクシャフト90がワーク固定支持台31、35から芯出し装置11、21に受け渡される。
【0037】
歪み検出手段40は、芯出し装置11と21に架け渡されてセットされたクランクシャフト90の第2〜第4ジャーナル92、93、94にそれぞれ対応して支持台2に配設された第1〜第3歪み検出装置41、44、47を有している。
【0038】
第1歪み検出装置41は、図3および図5に示すように支持台2に基部42が取り付けられ、この基部42に揺動自在に支持されて先端43aが第2ジャーナル92の下面に接触する測定子43を有し、クランクシャフト90の回転に伴う測定子43の揺動によって第2ジャーナル92の部分の歪み量を検出する差動トランスによって構成される。第2歪み検出装置44および第3歪み検出装置47もそれぞれ同様に、支持台2に取り付けられた基部45、48に支持された測定子46、49の先端46a、49aがそれぞれ第3ジャーナル93および第4ジャーナル94の下面に接触してクランクシャフト90の第3ジャーナル93および第4ジャーナル94の部分における歪み量をそれぞれ検出する差動トランスによって構成される。また、これら第1〜第3歪み検出装置41、44、47は差動トランスに代えリニアゲージ等他の手段によって構成することもできる。
【0039】
加圧手段50は、図1および図2に示すようにプレス支持枠3に設けられたガイドレール51aおよびこのガイドレール51aに沿って移動するスライダ51bによって形成されたリニアガイド51によって、ベース52が芯出し装置11、21上にセットされたクランクシャフト90の上方でかつそのクランクシャフト90の回転中心軸線Lの延在方向と平行に往復移動自在に支持されている。また、プレス支持枠3にベアリングボックス53を介して回転自在に支持されたボールネジ55aと、ベース52に設けられて図示しないボールを介在してボールネジ55aに螺合するナット部55bとからなるボールネジ送り機構55、およびボールネジ55aを回転駆動する駆動モータ56を備えた加圧パンチ送り装置54が設けられている。駆動モータ56によるボールネジ55aの正逆回転によって、ベース52がリニアガイド51に案内されてクランクシャフト90の回転中心軸線Lと平行に移動する。
【0040】
ベース52には、一対のワーク固定支持台31と35に架け渡されたワークとしてのクランクシャフト90を、ワーク固定支持台31と35の間の部分を押し込む加圧パンチ装置60が設けられている。加圧パンチ装置60は、ベース52に立設された円筒状のパンチガイド部材64を有し、パンチガイド部材64によって先端にクランクシャフト90と対向して加圧パンチ61が取り付けられた円筒状のパンチ支持部材62を回転が阻止された状態でクランクシャフト90と接離する上下方向に移動自在に保持している。パンチ支持部材62の内周にはネジ穴が穿設され、ボールを介在してこのネジ穴に螺合するボールネジ63によってボールネジ機構を形成し、このボールネジ63の上端が歯車機構65を介して回転駆動手段であるサーボモータ66によって回転駆動される。
【0041】
加圧パンチ装置60のボールネジ63を歯車機構65を介してサーボモータ66によって正逆回転することによって、ボールネジ機構によってパンチ支持部材62が昇降し、パンチ支持部材62の下端に取り付けられた加圧パンチ61が昇降する。また、サーボモータ66の駆動に要する電力値の変化に基づいてクランクシャフト90を押圧した際の押し込み荷重が制御装置70によって算出される。すなわち、サーボモータ66の駆動に要する電力値の変化を検出することによって押し込み荷重測定手段が形成される。
【0042】
ここで、図6(a)の押し込み荷重−ストローク線図に、押し込み荷重付与箇所となる例えばクランクシャフト90の第2ジャーナル92を修正する際の加圧パンチ61に付加される押し込み荷重と加圧パンチ61の移動ストロークの変化、すなわち左右のワーク固定支持台31、35とクランクシャフト90との間に異物等の噛み込みや、初期なじみ等に起因する無負荷状態での増加等を含んだクランクシャフト90の実挙動曲線を示す。さらに、図6(b)の修正量−押し込み量線図に、少なくとも無負荷状態でのストローク増加範囲を除いた規定荷重以上の荷重を付加した時のクランクシャフト90の実挙動状態を示す実挙動曲線およびクランクシャフト90の塑性変形域における加圧パンチ61によるクランクシャフト90の修正量との関係を示す。図6(b)において修正量と押し込み量を示す修正曲線は、ほぼ相対関係にあり、規定荷重に達した時点でこの修正曲線に基づいて修正量、すなわち押し込み量を算出することによって修正曲線に倣った実挙動曲線が得れる。この加圧パンチ61による加圧による歪み量と押し込み量の関係を示す修正曲線は、対象のクランクシャフト90の第2〜第4ジャーナル92、93、94のそれぞれの歪み量と押し込み量の関係を予め実験あるいはシミュレーション等によって確認し、このデータに基づいて設定し、制御装置70に修正データとして記憶されている。また制御装置70からの指示に従って各部が作動制御される。
【0043】
さらに、芯出し装置11の近傍位置にクランクシャフト90に刻印を付するマーキング装置67が、クランクシャフト90の回転中心軸線Lと平行に移動自在に支持台2上に設けられている。このマーキング装置67は予め定められた許容範囲に修正されたクランクシャフト90に良品であることを示す刻印を施すものであるが、本発明と直接的な関係がないので詳細な説明は省略する。
【0044】
次に、以上のように構成された修正装置1によるクランクシャフト90の修正方法を説明する。
【0045】
ワーク回転駆動手段10の左右の芯出し装置11、21の昇降シリンダ17、27を伸張させてそれぞれのローラ支持部材13、23を上昇位置に保持した状態で、芯出し装置11のローラ16a、16b上に修正するクランクシャフト90の第1ジャーナル91を上方から載せ、かつ芯出し装置21のローラ26a、26bに第5ジャーナル95を上方から載せてクランクシャフト90を芯出し装置11と21に架け渡してセットする。このセットされたクランクシャフト90は芯出し装置11のローラ16a、16bおよび芯出し装置21のローラ26a、26bによって芯出しされ、かつ回転中心軸線Lを中心として回転自在に支持される。
【0046】
芯出し装置11および21にセットされたクランクシャフト90は、駆動モータ28によって回転駆動されるローラ26aによって第5ジャーナル95を介して中心軸線Lを中心に回転駆動され、かつ回転する第5ジャーナル95によって回転駆動されるローラ26bを介してその回転がワーク回転位置検出装置29に入力されてクランクシャフト90の回転位置が検出され、その検出された回転位置信号が制御装置70に入力される。
【0047】
一方、第1歪み検出装置41の測定子43の先端43aが回転するクランクシャフト90の第2ジャーナル92の下面に接触し、回転する第2ジャーナル92の下面の変化に追従して揺動する測定子43の変位量に基づいて第2ジャーナル92の部分におけるクランクシャフト90の歪み量が検出され、かつその最大歪み量および最大歪み方向、すなわち曲がり方向の位置がワーク回転位置検出装置29によって検出され、その歪み量データおよび最大歪み位置データが制御装置70に送られる。同様に、第2歪み検出装置44の測定子46および第3歪み検出装置47の測定子49の先端46a、49aを、回転するクランクシャフト90の第3ジャーナル93、第4ジャーナル94の下面にそれぞれ接触し、測定子46、49の変位量に基づいて第3ジャーナル93および第4ジャーナル94のそれぞれの部分におけるクランクシャフト90の歪み量が検出され、かつその最大歪み量および最大歪み方向位置がワーク回転位置検出装置29によって検出され、それらの歪み量データおよび最大歪み位置データが制御装置70に送られる。
【0048】
制御装置70において、第1〜第3歪み検出装置41、44、47およびワーク回転位置検出装置29によって検出された第2〜第4ジャーナル92〜94におけるそれぞれの最大歪み量および最大歪み位置に基づいて最も最大歪み量の大きいジャーナル、例えば第2ジャーナル92を抽出し、その最大歪み方向が加圧パンチ装置60側、本実施の形態では上方側となるように回転制御して駆動モータ28を停止し、クランクシャフト90の回転を停止する。
【0049】
次に、芯出し装置11、21の昇降シリンダ17、27を縮小してローラ支持部材13、23を上昇位置から下降位置に下降させる。この下降動作によってローラ16a、16bよびローラ26a、26bに支持されたクランクシャフト90が下降して、第1ジャーナル91がワーク固定支持台31のワーク保持部33aに受け渡され、かつ第5ジャーナル95がワーク固定支持台35のワーク保持部37aに受け渡されてクランクシャフト90がワーク固定支持台31、35に移載される。
【0050】
さらに、このクランクシャフト90の下降と連動し、あるいは連動することなく加圧手段50に設けられた加圧パンチ送り装置54の駆動モータ56によりボールネジ55aを正回転あるいは逆回転してボールネジ送り機構55を介してベース52を移動し、ベース52に設けられた加圧パンチ装置60のパンチ支持部材62の下端に取り付けられた加圧パンチ61をクランクシャフト90の第2ジャーナル92と対向させて、駆動モータ56を停止し、加圧パンチ装置60を加圧位置に保持する。
【0051】
この加圧パンチ装置60を加圧位置に維持した状態で、サーボモータ66により歯車機構65を介してボールネジ63を回転駆動し、ボールネジ送り機構によってパンチ支持部材62を下降させて加圧パンチ61によってワーク固定支持台31と35に第1ジャーナル91および第5ジャーナル95がそれぞれ保持されたクランクシャフト90の第2ジャーナル92を上方から押し込み付与してクランクシャフト90を修正する。
【0052】
この加圧パンチ61によるクランクシャフト90の修正は、サーボモータ66の駆動により下降する加圧パンチ61がクランクシャフト90の第2ジャーナル92に当接し、さらにサーボモータ66により加圧パンチ61を下降させて第2ジャーナル92を押し込む。この加圧パンチ61による第2ジャーナル92の押し込みに要するサーボモータ66の駆動に要する電力値の変化によって検出される加圧パンチ61による第2ジャーナル92の押し込み荷重が規定荷重に達した時点で、予め設定された修正曲線に基づいて最大歪み量に対応する修正量に相当する押し込み量を算出し、第1歪み検出装置41によって第2ジャーナル92の下降ストローク、すなわち押し込み量を検出しつつ、第2ジャーナル92の部分における算出された最大歪み量に対応する修正量に相当する押し込み量だけサーボモータ66により加圧パンチ61を下降させて第2ジャーナル92を押し込みクランクシャフト90の歪みを修正する。
【0053】
しかる後、サーボモータ66により歯車機構65を介してボールネジ63を逆回転駆動し、ボールネジ送り機構によってパンチ支持部材62を上昇させて加圧パンチ61を第2ジャーナル92から離間させる。
【0054】
そして、再び芯出し装置11および21の昇降シリンダ17、27を伸張してローラ支持部材13、23を下降位置から上昇位置に上昇させる。この上昇動作によってワーク固定支持台31および35に支持されて歪みが修正されたクランクシャフト90が、芯出し装置11、21のローラ16a、16bよびローラ26a、26b上に移載され、かつこれらローラ16a、16bよびローラ26a、26bによって芯出しされ、かつ回転中心軸線Lを中心として回転自在に支持されて再び芯出し装置11および21にセットする。
【0055】
芯出し装置11および21にセットされたクランクシャフト90は、駆動モータ28によってローラ26aを介して回転駆動され、かつワーク回転位置検出装置29によってクランクシャフト90の回転位置を検出する。そして、再び第1〜第3歪み検出装置41、44、47によってそれぞれ第2〜第4ジャーナル92、93、94の部分における歪み量を測定する。
【0056】
測定された第2〜第4ジャーナル92、93、94の各部分の歪み量が予め設定された許容値以下、すなわち許容範囲の場合には、駆動モータ28によるクランクシャフト90の回転を停止し、クランクシャフト90にマーキング装置67により良品であることを表示する刻印を施してクランクシャフト90の修正工程を終了する。
【0057】
一方、第2〜第4ジャーナル92、93、94のいずれかの部分における歪み量が許容値以上、すなわち許容範囲を外れている場合は、再度クランクシャフト90を回転駆動し、第1〜第3歪み検出装置41、44、47によって第2〜第4ジャーナル92、93、94のそれぞれの部分における最大歪み量および最大歪み方向位置を検出して、それらの歪み量データおよび最大歪み位置データを制御装置70に送る。
【0058】
制御装置70において、それぞれの最大歪み量データおよび最大歪み位置データに基づいて最も最大歪み量の大きいジャーナル、例えば第3ジャーナル93を抽出し、その最大歪み方向が加圧パンチ装置60側となるように回転制御してクランクシャフト90の回転を停止する。
【0059】
次に、芯出し装置11および21のローラ支持部材13、23を上昇位置から下降位置に下降させてクランクシャフト90をワーク固定支持台31、35に移載する。さらに、加圧パンチ送り装置54の駆動モータ56によりボールネジ55aを正回転あるいは逆回転してベース52を移動し、加圧パンチ装置60の加圧パンチ61をクランクシャフト90の第3ジャーナル93と対向させる。
【0060】
続いて、サーボモータ66の駆動により下降する加圧パンチ61がクランクシャフト90の第3ジャーナル93に当接し、さらにサーボモータ66により加圧パンチ61を下降させて第3ジャーナル93を押し込み、加圧パンチ61による第3ジャーナル93の押し込みに要するサーボモータ66の駆動に要する電力値の変化によって検出される加圧パンチ61による第3ジャーナル93の押し込み荷重が規定荷重に達した時点で、修正曲線に基づいて押し込み量を算出し、第2歪み検出装置44によって第3ジャーナル93の下降ストローク、すなわち押し込み量を検出しつつ、修正量に相当する押し込み量だけサーボモータ66により加圧パンチ61を下降させて第3ジャーナル93を押し込みクランクシャフト90の歪みを修正する。
【0061】
しかる後、サーボモータ66により歯車機構65を介してボールネジ63を逆回転駆動し、ボールネジ機構によってパンチ支持部材62を上昇させて加圧パンチ61を第3ジャーナル93から離間させる。
【0062】
そして、再び芯出し装置11および21の昇降シリンダ17、27を伸張してローラ支持部材13、23を下降位置から上昇位置に上昇させ、ワーク固定支持台31および35に支持されて修正されたクランクシャフト90を、芯出し装置11、21のローラ16a、16bよびローラ26a、26b上に移載して、再びクランクシャフト90を回転駆動し、第1〜第3歪み検出装置41、44、47によってそれぞれ第2〜第4ジャーナル92、93、94の部分における歪み量を測定する。
【0063】
第2〜第4ジャーナル92、93、94の各部の歪み量が予め設定された許容値以下の場合には、クランクシャフト90にマーキング装置67により良品であることを表示する刻印を施しクランクシャフト90の修正工程を終了する。一方、第2〜第4ジャーナル92、93、94のいずれかの部分における歪み量が許容値以上の場合には、上記修正が繰り返される。
【0064】
従って、本実施の形態によると、加圧パンチ61による押し込み荷重が予め設定された規定荷重に達した時点を基準として、修正に要する加圧パンチ61のストローク、すなわち押し込み量を修正曲線に基づいて算出し、その算出された押し込み量を押し込みことによって、ワーク固定支持台31、35とクランクシャフト90の間への異物の噛み込みや、歪み修正装置1の初期なじみ等に起因する無負荷状態でのストローク増加等による測定誤差を回避でき、修正量のバラツキが抑制されて安定した高精度な歪み修正が得られる。
【0065】
また、加圧パンチ61を昇降するサーボモータ66の正逆回転を切り換えることによって、加圧パンチ61の昇降が容易に制御できる。さらに、サーボモータ66の駆動に要する電力値の変化に基づいてクランクシャフト90の押し込み荷重を検出することから、別途押し込み荷重を検出するための加圧センサ等の押し込み荷重検出手段を配設する必要がなく、装置の簡素化、コンパクト化および制御の簡素化が得られ、設備コストおよびメンテナンスコストの低減が期待できる。さらに、歪み検出手段40によって押し込み量を検出する押し込み量検出機能を兼備し、押し込み量検出手段を別途配置する必要がなく、構成の簡素化が期待できる。
【0066】
(第2実施の形態)
本発明の第2実施の形態を図8を参照して説明する。なお、図8は本実施の形態における歪み修正装置の要部示す説明図であり、本実施の形態は上記第1実施の形態と加圧手段50のベース52に取り付けられる加圧パンチ装置が異なり、他は第1実施の形態と同様の構成であることから、図8に上記図1乃至図7と同一部分に対応する符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。
【0067】
加圧手段50のベース52に設けられる加圧パンチ装置80は、ベース52に立設された円筒状のパンチガイド部材81を有し、パンチガイド部材81に上下移動自在にパンチ支持部材82が摺動自在に嵌合支持され、パンチ支持部材82の下端に押し込み荷重検出手段であるロードセル83を介在して加圧パンチ61が取り付けられている。
【0068】
一方、パンチガイド部材81の上端にシリンダロッド84aがパンチ支持部材82の上端に連結し、かつ図示しない油圧切り換えバルブを介して供給される油圧によって伸縮する油圧シリンダ84が設けられている。この加圧付与手段となる油圧シリンダ84の伸縮によってパンチ支持部材82がパンチガイド部材81に案内されて昇降し、パンチ支持部材82の下端にロードセル83を介して取り付けられた加圧パンチ61が昇降する。油圧シリンダ84の伸張によりパンチ支持部材82を下降させて加圧パンチ61によってクランクシャフト90を押し込んだ際の押し込み荷重がロードセル83によって検出され、その荷重が制御装置70に出力される。
【0069】
次に、このように構成された修正装置1によるクランクシャフト90の修正方法を説明する。
【0070】
第1実施の形態と同様に、ワーク回転駆動手段10の左右の芯出し装置11、21のローラ支持部材13、23を上昇位置に保持した状態で、芯出し装置11、21のローラ16a、16bおよびローラ26a、26bにクランクシャフト90を載せて、クランクシャフト90をセットする。クランクシャフト90を駆動モータ28によって回転駆動すると共に、ワーク回転位置検出装置29によってクランクシャフト90の回転位置が検出され、その検出された回転位置信号が制御装置70に入力される。
【0071】
一方、第1〜第3歪み検出装置41、44、47によってクランクシャフト90の第2〜第4ジャーナル92、93、94のそれぞれの部分におけるクランクシャフト90の歪み量が検出され、かつその最大歪み量および最大歪み方向位置がワーク回転位置検出装置29によって検出され、それらの歪み量データおよび最大歪み位置データが制御装置70に送られる。制御装置70において、第1〜第3歪み検出装置41、44、47およびワーク回転位置検出装置29によって検出された第2〜第4ジャーナル91〜94におけるそれぞれの最大歪み量データおよび最大歪み位置データに基づいて最も最大歪み量の大きいジャーナル、例えば第2ジャーナル92を抽出し、その最大歪み方向が加圧パンチ装置80側となるように回転制御して駆動モータ28を停止し、クランクシャフト90の回転を停止する。
【0072】
次に、芯出し装置11、21のローラ支持部材13、23を上昇位置から下降位置に下降させる。この下降動作によって第1ジャーナル91がワーク固定支持台31のワーク保持部33aに受け渡され、かつ第5ジャーナル95がワーク固定支持台35のワーク保持部37aに受け渡されてクランクシャフト90がワーク固定支持台31、35に移載される。
【0073】
一方、加圧パンチ送り装置54によりベース52を移動し、ベース52に設けられた加圧パンチ装置80のパンチ支持部材82の下端に取り付けられた加圧パンチ61をクランクシャフト90の第2ジャーナル92と対向する加圧位置に保持する。
【0074】
加圧パンチ装置80を加圧位置に維持した状態で、油圧切り換えバルブを切り換えて油圧シリンダ84の伸張動作によりパンチ支持部材82を下降させて加圧パンチ61によってワーク固定支持台31と35に第1ジャーナル91および第5ジャーナル95が保持されたクランクシャフト90の第2ジャーナル92を上方から加圧してクランクシャフト90を修正する。
【0075】
この加圧パンチ61によるクランクシャフト90の修正は、油圧シリンダ84の伸張動作により下降する加圧パンチ61がクランクシャフト90の第2ジャーナル92に当接し、さらに加圧パンチ61を下降させて第2ジャーナル92を押し込み、加圧パンチ61による第2ジャーナル92の押し込みに要する加圧パンチ61による押し込み荷重がロードセル83により検出される。この押し込み荷重が規定荷重に達した時点で修正曲線に基づいて押し込み量を算出し、第1歪み検出装置41によって第2ジャーナル92の下降ストローク、すなわち押し込み量を検出しつつ、第2ジャーナル92の部分における最大歪み量に対応する修正量に相当する押し込み量だけ油圧シリンダ84により加圧パンチ61を下降させて第2ジャーナル92を押し込みクランクシャフト90の歪みを修正する。
【0076】
しかる後、油圧切り換えバルブを切り換えて油圧シリンダ84を収縮させ、その収縮動作によってパンチ支持部材82を上昇させて加圧パンチ61を第2ジャーナル92から離間させる。
【0077】
そして、再び芯出し装置11および21のローラ支持部材13、23を下降位置から上昇位置に上昇させて、ワーク固定支持台31、35に支持されて歪みが修正されたクランクシャフト90を芯出し装置11、21のローラ16a、16bよびローラ26a、26b上に移載し、芯出し装置11、21にセットする。芯出し装置11および21にセットされたクランクシャフト90は、駆動モータ28によって回転駆動され、再び第1〜第3歪み検出装置41、44、47によってそれぞれ第2〜第4ジャーナル92、93、94の部分における歪み量が測定される。
【0078】
第2〜第4ジャーナル92、93、94の各部分の歪み量が予め設定された許容値以下、すなわち許容範囲の場合には、クランクシャフト90にマーキング装置67により良品であることを表示する刻印を施して修正工程を終了する。
【0079】
一方、第2〜第4ジャーナル92、93、94のいずれかの部分における歪み量が許容値以上の場合には、再度クランクシャフト90を回転駆動し、第1〜第3歪み検出装置41、44、47によって第2〜第4ジャーナル92、93、94のそれぞれの部分における最大歪み量および最大歪み方向位置を検出して、それぞれの最大歪み量データおよび最大歪み位置データに基づいて最も最大歪み量の大きいジャーナルを抽出し、同様の修正工程を繰り返す。
【0080】
その結果、第2〜第4ジャーナル92、93、94の各部の歪み量が予め設定された許容値以下の場合には、クランクシャフト90にマーキング装置67により良品であることを表示する刻印を施しクランクシャフト90の修正工程を終了する。一方、第2〜第4ジャーナル92、93、94のいずれかの部分における歪み量が許容値以上の場合には、上記修正工程が繰り返される。
【0081】
従って、本実施の形態によると、第1実施の形態と同様に、加圧パンチ61による修正箇所の押し込み荷重が、予め設定された規定荷重に達した時点を基準として修正に要する加圧パンチ61のストローク、すなわち押し込み量を修正曲線に基づいて算出して設定することから、ワーク固定支持台31、35とクランクシャフト90の間に異物の噛み込みや、初期なじみ等に起因する測定誤差を回避でき、修正量のバラツキが抑制されて安定した高精度な歪み修正が得られる。
【0082】
また、加圧パンチ61の昇降を油圧シリンダ84の伸縮により下端にロードセル83を介在して加圧パンチ61を支持するパンチ支持部材82を直接的に昇降させることから、第1実施の形態の歯車機構65やボール送り機構を介してサーボモータ66の回転駆動によってクランクシャフト90に押し込み荷重を付加する構造に比べ、構造の簡素化が得られると共に、ロードセル83により直接的に加圧パンチ61に作用する荷重、すなわち押し込み荷重が検知でき、より高精度の歪み修正が期待できる。
【0083】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば上記第1実施の形態では、サーボモータ66の駆動電流の変化によって加圧パンチ61に作用する押し込み荷重を検出する押し込み荷重検出手段を構成したが、第2実施の形態と同様にパンチ支持部材と加圧パンチ61の間に押し込み荷重検出手段となるロードセルを配置し、直接的にロードセルによって押し込み荷重を検出するように変更することができる。この構成によりロードセルにより直接的に加圧パンチに作用する荷重、すなわち押し込み荷重が検知でき、より高精度の歪み修正が期待できる。また、上記各実施の形態では修正するワークとしてクランクシャフトを例に説明したが、カムシャフト等の他の軸状のワークの修正に適用することもできる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明した歪み修正方法の発明によると、軸状のワークの歪み量を測定し、この歪み量が測定されたワークを一対のワーク固定支持台に架け渡して支持すると共に、歪み量とこの歪みの修正に要する押し込み量との関係によって予め設定された修正曲線に基づいて測定された歪み量の修正に要する押し込み量を加圧手段によって押し込んで歪みを修正する歪み修正方法において、加圧手段による押し込み荷重が、予め設定された規定荷重に達した時点を基準として歪み量の修正に要する加圧手段による押し込み量を修正曲線に基づいて算出し、その算出された押し込み量を押し込むことによって、ワーク固定支持台とワークの間への異物の噛み込みや、歪み修正装置の初期なじみ等に起因する測定誤差を排除することができ、修正量のバラツキを抑制して安定した高精度な歪み修正を行うことができる。
【0085】
また、歪み修正装置の発明によると、ワークの歪み量を測定する歪み検出手段と、この歪み量が測定されたワークを架け渡して支持する一対のワーク固定支持台と、架け渡されて支持されたワークの一対のワーク固定支持台間を、歪み量と該歪みの修正に要する押し込み量との関係によって予め設定された修正曲線に基づいて上記測定された歪み量の修正に要する押し込み量を押し込む加圧手段とを備えた歪み修正装置において、押し込み荷重検出手段を有し、押し込み荷重検出手段によって測定された加圧手段による押し込み荷重が、予め設定された規定荷重に達した時点を基準として歪み測定手段によって測定された歪み量の修正に要する加圧手段による押し込み量を修正曲線に基づいて算出し、その算出された押し込み量を押し込むので、ワーク固定支持台とワークの間への異物の噛み込みや、歪み修正装置の初期なじみ等に起因する測定誤差を排除することができ、修正量のバラツキを抑制して安定した高精度な歪み修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による歪み修正方法および歪み修正装置の第1実施の形態の概要を示す歪み修正装置の正面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】図3のB矢視図である。
【図5】歪み検出手段の説明図である。
【図6】作用説明図であり、(a)は押し込み荷重−ストローク線図、(b)は修正量−押し込み量線図である。
【図7】ワークであるクランクシャフトの側面図である。
【図8】本発明による歪み修正方法および歪み修正装置の第2実施の形態の概要を示す歪み修正装置の説明図である。
【図9】従来の歪み修正装置の概要説明図である。
【図10】従来の作用説明図であり、(a)は押し込み荷重−ストローク線図、(b)は修正量−押し込み量線図である。
【符号の説明】
1 歪み修正装置
10 ワーク回転駆動手段
30 ワーク固定手段
31、35 ワーク固定支持台
40 歪み検出手段
50 加圧手段
60 加圧パンチ装置
61 加圧パンチ
62 パンチ支持部材
63 ボールネジ
64 パンチガイド部材
65 歯車機構
66 サーボモータ
70 制御装置
80 加圧パンチ装置
81 パンチガイド部材
82 パンチ支持部材
83 ロードセル(押し込み荷重検出手段)
84 油圧シリンダ
90 クランクシャフト(ワーク)
L 回転中心軸線

Claims (7)

  1. 一対のワーク固定支持台および該一対のワーク固定支持台に架け渡されたワークの上記両ワーク固定支持台間を押し込む加圧手段を有し、軸状のワークの歪み量を測定し、該歪み量が測定されたワークを上記一対のワーク固定支持台に架け渡して支持すると共に、歪み量と該歪みの修正に要する押し込み量との関係によって予め設定された修正曲線に基づいて上記測定された歪みの修正に要する押し込み量を上記加圧手段によって押し込んで上記ワーク歪みを修正する歪み修正方法において、
    上記加圧手段による押し込みにあたり、上記加圧手段による押し込み荷重が予め設定された規定荷重に達した時点で、加圧手段による押し込み量を上記修正曲線に基づいて算出し、該算出した押し込み量を押し込むことを特徴とする歪み修正方法。
  2. 軸状のワークの歪み量を測定する歪み検出手段と、
    該歪み量が測定されたワークを架け渡して支持する一対のワーク固定支持台と、
    該架け渡されて支持されたワークの一対のワーク固定支持台間を、歪み量と該歪みの修正に要する押し込み量との関係によって予め設定された修正曲線に基づいて上記測定された歪み量の修正に要する押し込み量を押し込む加圧手段とを備えた歪み修正装置において、
    上記加圧手段による押し込み荷重を測定する押し込み荷重測定手段を有し、
    上記加圧手段による押し込みにあたり、上記押し込み荷重測定手段によって測定された上記加圧手段による押し込み荷重が予め設定された規定荷重に達した時点で、加圧手段による押し込み量を上記修正曲線に基づいて算出し、該算出した押し込み量を押し込むことを特徴とする歪み修正装置。
  3. 上記歪み検出手段によって、上記加圧手段による上記押し込み量を検出することを特徴とする請求項2に記載の歪み修正装置。
  4. 上記加圧手段は、
    パンチ支持部材と、
    該パンチ支持部材をワークに接離する方向に移動可能に嵌合保持するパンチガイド部材と、
    該パンチ支持部材の先端に上記ワークと対向して取り付けられた加圧パンチと、
    上記パンチ支持部材をワークに接離する方向に移動させるサーボモータとを有し、
    該サーボモータの駆動により上記パンチ支持部材をワークに接近する方向に移動せしめて上記加圧パンチによって押し込むことを特徴とする請求項2または3に記載の歪み修正装置。
  5. 上記押し込み荷重測定手段は、
    サーボモータを駆動する電力値の変化により上記規定荷重を検出することを特徴とする請求項4に記載の歪み修正装置。
  6. 上記押し込み荷重測定手段は、
    上記パンチ支持部材と加圧パンチとの間にロードセルを配設し、該ロードセルによって上記規定荷重を検出することを特徴とする請求項4に記載の歪み検出装置。
  7. 上記加圧手段は、
    パンチ支持部材と、
    該パンチ支持部材をワークに接離する方向に移動可能に嵌合保持するパンチガイド部材と、
    該パンチ支持部材の先端に上記ワークと対向して取り付けられた加圧パンチと、
    上記パンチ支持部材をワークに接離する方向に移動させる油圧シリンダとを有し、
    上記押し込み荷重測定手段は、
    上記パンチ支持部材と加圧パンチとの間に配設されて上記押し込み荷重を検出するロードセルであって、
    上記油圧シリンダの駆動により上記パンチ支持部材をワークに接近する方向に移動せしめて上記加圧パンチによって押し込むことを特徴とする請求項2または3に記載の歪み修正装置。
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