JP4873322B2 - プレス方法および該方法を用いるプレス装置 - Google Patents
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Description
しかし、図2〜図3のような埋め栓圧入工程のように、型51により球体52の母材53への圧入と母材53を塑性変形させ、孔54をふさぐカシメを同時に行う場合、つぎに示す理由のため、特許文献1記載の方法では加工精度を向上させるには不充分である。
(1)加圧力を設定した場合は、球体52が想定寸法より若干大きい、または孔54が想定寸法より小さいと圧入力が大きくなり、カシメが充分に行われないおそれがある。
(2)加工完了位置を設定した場合は、母材53の寸法の大小により、カシメが不足して、球体52が孔から外れてしまったり、カシメが過剰となって、母材53が破損してしまうおそれがある。
また、図3(c)から加圧完了点である図3(d)までの加工工程では、球体52が徐々に押し込まれながら母材53が徐々に変形されていくので、荷重の上昇を判定しにくく、誤って荷重変化を変曲点(あらかじめ設定されたしきい値を超えた点)として検出し加圧力を停止すると、安定した加工精度が得られない。さらに、特許文献2で記載されるような荷重(加圧力)が急激に上がる変曲点として検出できないため、該変曲点を検出してプレス動作を完了する加工方法では、高い加工精度を得ることは難しい。
また、前記所定の設定値が設定加圧力または設定距離であるのが好ましい。
また、前記変曲点が、荷重の変化率の変化率が負の数から正の数に変動する点であるのが好ましい。
前記中央処理装置が、荷重の2階微分曲線の演算回路、圧入時の荷重の変曲点の演算回路および負の数から正の数への変動を判定する判定回路を具備するのが好ましい。
また、ワークの寸法のばらつきが存在しても正確に加工することができる。
さらに、変曲点として荷重の変化率の変化率(荷重の2階微分曲線)が負の数から正の数に変動する点を用いることにより、ワーク毎に変化するしきい値をあらかじめ設定したり、段取り替えのたびにしきい値を変更して設定する必要がないので、効率よく確実に変曲点を検出して加工精度を維持することができる。
また、本発明のプレス装置は、第1ワークを第2ワークに圧入するプレス装置であって、エアまたは油を駆動源とするシリンダを使用したプレス装置または駆動源としてサーボモータを使用し、該サーボモータの回転をボールねじの直線運動にする直動方式のプレス装置などに適用することができる。第1ワークとしては、たとえば筒状部品の軸受、金属リングなどであり、第2ワークとしては該軸受と組み付けるシャフト、該金属リングと組付ける筒状碍子などである。
以下、添付図面に基づいて本発明のプレス方法および該方法を用いるプレス装置について説明する。図1に示されるように、本発明の一実施の形態にかかわるプレス装置は、基台1の上方に配置される直動手段Aと、荷重検出手段Bと、位置検出手段Cと、該直動手段A、荷重検出手段Bおよび位置検出手段Cに電気的に接続され該直動手段Aの動作を制御する制御手段Dとから構成されている。なお、実施の形態にかかわるプレス装置は、竪型配置にされているが、横型配置にすることができる。すなわちプレス装置は、第1ワークW1を第2ワークW2に圧入させる方向が垂直方向になるように構成されているが、水平方向になるように構成することができる。
前記可動フレーム6の下部には、前記荷重検出手段Bとしてのロードセル7が連結されているとともに、このロードセル7の先端には第1ワークW1を保持するヘッド8が連結されている。また、前記定盤2の上には第2ワークW2が第1ワ−クW1の下方に載置される。なお、前記ロードセル7は、圧入工程での加圧力を計測する、カシメ工程での加圧力を計測する、および変曲点の検出のための荷重情報を取得するために、荷重指示計(図示せず)を介して制御手段Dに接続することができる。
また、このCPU25は、荷重の2階微分曲線の演算回路、圧入時の荷重の変曲点の演算回路、負の数から正の数への変動を判定する判定回路も含んでおり、荷重の変曲点の演算および検出も行っている。
そして、一般的な位置や速度条件に加えて、変曲点からの追加設定加圧力も含む動作条件は、パーソナルコンピュータ31またはティーチングボックスよりコントローラ26に入力、メモリ24に記憶される。設定された動作条件とロードセル7により検出された荷重から、CPU25により動作速度を決定する。その決定された速度で動かすための指令をサーボドライバ21に与える。その時、装置に取り付けられたエンコーダ9から、現在の速度、位置をフィードバックして指令どおりの動作を実現する。
なお、前記設定加圧力および設定距離は、カシメに必要な加圧力および加圧距離であるため、あらかじめ加工目標値や実際に使用される時の外部から受けることが予想される力などにより求めることができ、たとえば圧入条件として鉄製の球体をアルミニウムの母材に圧入およびアルミ母材のカシメである場合、設定加圧力は、3〜10kNであり、設定距離は、0.1〜5mmとすることができる。
ただ、変曲点として、あらかじめ設定されたしきい値を超えた点を用いるよりも、荷重の2階微分曲線(荷重変化率の変化率)が負の数から正の数に変動する点を用いるのが、確実に変曲点を検出できるため、該変曲点から所定の圧入設定値または設定距離まで加圧することにより加工精度を向上させることができる。
B 荷重検出手段
C 位置検出手段
D 制御手段
W1 第1ワーク
W2 第2ワーク
1 基台
2 定盤
3 ガイドロッド
4 上部フレーム
5 ホルダ
6 可動フレーム
7 ロードセル
8 ヘッド
9 エンコーダ
10 サーボモータ
11 電動シリンダ
12 リニアゲージ
21 サーボドライバ
22 A/D変換器
23 入出力部
24 メモリ
25 CPU
26 コントローラ
31 パーソナルコンピュータ
Claims (6)
- 第1ワークを第2ワークに圧入するプレス方法であって、
前記第1ワークの位置を検出する工程と、
前記第1ワークを第2ワークに圧入する圧入時の荷重を計測する工程と、
該圧入時の荷重の変曲点を検出する工程と、
該変曲点から所定の設定値まで加圧する工程
とを含むプレス方法。 - 前記所定の設定値が設定加圧力または設定距離である請求項1記載のプレス方法。
- 前記変曲点が、荷重の変化率の変化率が負の数から正の数に変動する点である請求項2記載のプレス方法。
- 請求項1記載のプレス方法を用いるプレス装置であって、
前記第1ワークを第2ワークに圧入する直動手段と、
該第1ワークの位置を検出する位置検出手段と、
該第1ワークを第2ワークに圧入する圧入時の荷重を計測するロードセルと、
前記直動手段の動作を制御する制御手段と備えており、
該制御手段が、少なくとも
圧入工程の位置情報および荷重情報ならびに動作条件として設定された所定の設定値を記憶するメモリと、
圧入時の荷重の変曲点の演算および検出する中央処理装置
とを備えてなるプレス装置。 - 前記所定の設定値が設定加圧力または設定距離である請求項4記載のプレス装置。
- 前記中央処理装置が、荷重の2階微分曲線の演算回路、圧入時の荷重の変曲点の演算回路および負の数から正の数への変動を判定する判定回路を具備する請求項5記載のプレス装置。
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