JP5659874B2 - 加工径補正装置 - Google Patents
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Description
そこで、加工径を補正するための加工径補正装置に係る技術が種々開発されており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され、公知となっている。
また、特許文献1において開示されている第二の実施形態に係る加工径補正装置では、工具ホルダー(スライドベース)の回転動作により、チップを支持する部材であって偏心カムを有するロッドを撓ませることによって、加工径を補正する構成としている。
本出願人の開発に係る加工径補正装置は、押圧部を備え、該押圧部を所定のストロークで押圧することによって、所定の補正量だけチップを変位させて加工径を補正する構成としている。また、押圧部を押圧するための機構には、工具ホルダーを変位させる機構を活用しており、工具ホルダーの変位動作によって、被押圧部に対して、押圧部を押圧する構成としている。
このため、補正がうまく行われなかった場合(即ち、押圧部が所定のストロークで押圧されなかった場合)には、規格に合わない加工品が生成されてしまい、手戻りが発生することもあるため、加工径の補正を思うように自動化できないという課題があった。
まず始めに、本発明の一実施形態に係る加工径補正装置について、図1および図2を用いて説明をする。
図1に示す如く、本発明の一実施形態に係る加工径補正装置1は、金属製の素材に孔を切削する加工(ボーリング加工)を行うための装置たるボーリング装置(図示せず)において用いられる装置であり、補正部2、被押圧部3、制御部4等を備えている。
即ち、図1に示すように、加工径補正装置1の補正部2は、主軸8により保持され、また、ツール7は、補正部2により保持される構成としている。
さらに主軸8は、図示しない変位装置によって、図1(a)(b)中に示すX軸・Y軸・Z軸の各方向に変位可能に構成されている。
また、基部7aと軸部7bの軸心方向における中間の部位には、基部7aおよび軸部7bに比して拡径した部位である鍔部7cを備えている。
このため、チップ9の先端部9aの軸心Pに対する距離Rを変更することによって、ツール7による加工径A(即ち、A=2R)を設定する構成としている。
補正部2は、保持部13を主軸8の保持部8aにより保持することによって、主軸8に対して一体的に固定されており、主軸8の変位に伴って、図1(a)(b)中に示すX軸・Y軸・Z軸の各方向に変位可能であるとともに、主軸8の回転に伴って、軸心Pを軸心として回転される構成としている。
尚、以後の説明では、押圧部11aを押圧して、該押圧部11aを所定のストロークLで変位させる動作を押し込み動作と呼ぶものとする。
支持孔14aは、その軸心方向が軸心Pと略平行となるように形成されており、出力部12を軸心Pと略平行に変位させることができる構成としている。
本実施形態における変換機構16は油圧シリンダ16aにより構成され、該油圧シリンダ16aに形成された軸心Pに対して傾斜した面である傾斜部16bによって、応力の作用方向を変換する構成としている。
このとき、本体部14は、割り部14bの切り込み形状が略扇形となるように変形されるため、該本体部14の端面14eによって、隣接するツール7の鍔部7cを押圧することができる。
そして、軸部7bの軸心Pに対する傾きを変更することによって、チップ9における先端部9aの軸心Pに対する距離R(即ち、チップ9による加工径A)を補正する構成としている。
押圧部11aの押し込み動作による出力部12の変位は、図示しない保持機構(例えば、ラチェット機構等)によって保持され、押圧部11aに対する押圧を解除しても、出力部12の変位は保持される構成としている。
一方、押圧部11aの変位量が所定のストロークL未満であった場合には、押圧部11aに対する押圧を解除すると、出力部12の変位は、押圧部11aを押圧する前の位置に復元される構成としている。
これにより、押圧部11aに対して押し込み動作を行った回数によって、チップ9の補正量(即ち、先端部9aの軸心Pに対する距離Rの変化量、以下では補正量ΔRと呼ぶ)を変更することができる。
被押圧部3は、補正部2における入力部11の押圧部11aを押圧するための部位であり、主軸8による押圧部11aの可動域内において、ツール7によるボーリング加工の妨げとならない位置に配置している。
また、圧力センサ3bによる押圧力Fの測定結果は、制御部4に入力される構成としている。
例えば、押圧部11aを1回所定のストロークLで変位させたときにおけるチップ9の補正量ΔRが1μmであった場合に、必要な補正量が5μmであれば、押圧部11aに対する必要な押圧回数を5回と設定することができる。
例えば、図2(b)に示すように、被押圧部3が、被押圧部3の他端の全面がベース部材3cに当接していなくて傾斜姿勢になっているなど、押圧部11aに対して適切に配置されていないと、被押圧部3によって押圧部11aを押圧し、所定のストロークLで変位させたつもりであっても、押圧部11aの変位ストロークが所定のストロークL未満のストロークUとなり、これにより、出力部12の変位量が所定のストロークS未満のストロークVとなって、適切に加工径Aの補正をすることができない。
そして、加工径補正装置1では、制御部4によって、押圧力Fの測定結果と正常に押し込み動作が行われたときの押圧力Fに係る情報を比較することによって、正常に押し込み動作が行われたか否かの判定を行うようにしている。
本発明の一実施形態に係る加工径補正装置1を用いて加工径の補正を行う場合、まず、図3に示す如く、そのときのツール7の状態で、ワーク20に対して孔20aの加工を行う(STEP−1)。
具体的には、測定した孔20aの加工径Aを、作業者が制御部4に対して入力し、制御部4によって、孔20aの加工径Aが、所望する加工径の誤差範囲に収まっているか否かの判定を行う。前記所望する加工径の誤差範囲は、加工径の誤差値が、加工径補正装置1による加工径の自動補正を行うことが可能である値の範囲である。
また、主軸8と被押圧部材3aの配置から、制御部4によって、必要な主軸8の移動量を算出する(STEP−6)。
そして、主軸8を所定の補正位置に変位させるとともに、その補正位置における押圧部11aと被押圧部材3aが当接する位置を基準として、主軸8をZ軸方向下向きに所定のストロークLで変位させる(STEP−7)。
これにより、被押圧部材3aによって、押圧部11aを、所定のストロークLで変位させることができる。
加工径補正装置1における補正動作(所定の押し込み動作)は、図2(b)に示すようい、図示しない変位装置による主軸8の変位位置がずれたり、あるいは、被押圧部材3aがずれたりした場合には、被押圧部材3aが、入力部11の所定位置に当接しないため、図示しない変位装置によって、主軸8を所定のストロークLで変位させても、出力部12が所定のストロークSで変位されない場合がある。
そこで、加工径補正装置1では、圧力センサ3bにより検出した押圧力Fに基づいて、所定の押し込み動作が正常に行われているか否かの判定を行う構成としている。
そして、図示しない変位装置による主軸8の下方への変位が下死点まで到達した状態で押圧力Fが最大となり、この状態で一定時間(本実施形態では、時刻t2から時刻t3まで)保持するようにしている。
そして、この一定時間保持しているときの押圧力Fを、予め制御部4に記憶されている正常な押し込み動作の場合の押圧力Fに係る情報と比較して、所定の許容範囲に収まっていれば、被押圧部材3aが入力部11に正常に挿入され、正常に補正動作が行われているものと判定する構成としている。
一方、本発明の一実施形態に係る加工径補正装置1のように、補正動作の良否をフィードバックすることによって、より完全な自動化を図ることが可能になる。
これにより、チップ9に対して必要な補正量を与えて、補正動作を完了する。
このような構成により、より簡易な構成の加工径補正装置1を備えたボーリング装置において、加工径Aの補正を自動化することができる。
2 補正部
3 被押圧部
3a 被押圧部材
3b 圧力センサ
3c ベース部材
4 制御部
7 ツール
8 主軸
9 チップ
11 入力部
12 出力部
16 変換機構
Claims (1)
- ボーリング加工におけるチップによる加工径を補正するための装置であり、
押圧することによって変位する部位である入力部と、
前記入力部が所定のストロークで変位することによって、所定のストロークだけ変位する部位である出力部と、
前記入力部の変位を前記出力部の変位に変換する変換機構と、
を備え、
前記チップを支持する主軸が、変位機構によって変位可能に支持される加工径補正装置であって、
前記入力部に対する押圧力を測定するための圧力センサと、
前記入力部に対する押圧力の許容値に係る情報が予め記憶されるとともに、前記圧力センサにより測定した押圧力が、前記許容値に適合するか否かを判断する制御部と、
をさらに備え、
前記変位機構によって、
前記入力部に対する押圧力を発生させる、
ことを特徴とする加工径補正装置。
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