JP2004260791A - フラクショナルn周波数シンセサイザ及びシンセサイズ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コスト及び低電力消費であるフラクショナルN周波数シンセサイザを提供する。
【解決手段】フラクショナルN周波数シンセサイザ10は、基準周波数と比較周波数とを入力する位相検知器14と、位相検知器からの制御信号を入力するために設けられたループフィルタ18と、ループフィルタで濾波された制御信号を入力し出力周波数を出力する発振器12と、発振器から入力した出力周波数を分周制御数(N+F)で分周し、分周した出力周波数を比較周波数として位相検知器に出力する整数分周器16とを備えている。分周制御数は、整数(N)及び少なくとも二つの異なるオーダの小数に分かれた小数部(F)で構成されている。第1及び第2のシグマ−デルタ変換器20及び22は主に別々の小数を形成する処理を行っており、小さい方の小数を処理する第2のシグマ−デルタ変換器22は、大きい方の小数を処理する第1のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数によって動作される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、フラクショナルN技術を利用した周波数シンセサイザ及びシンセサイズ方法、特にカスケード状に接続したシグマ−デルタ変換器を有するフラクショナルN周波数シンセサイザ及びそれを用いたシンセサイズ方法に関する。
近年、無線業界において、無線中継システム及びデジタル無線システムの進歩がめざましい。このような無線システムでは、必要となる周波数解像度の関係で、従来の単一回路で構成された周波数シンセサイザが提供できるスイッチング速度よりも大きなスイッチング速度を必要とする。さらには、管理当局は、チャネル幅を狭くして、細分化された周波数を割り当てつつある。このことによって、アナログとデジタルトランシーバのいずれについても、ローカル発振器周波数の解像度の要求レベルが高くなってきている。従来の単一回路周波数シンセサイザは、周波数解像度が高くなると、スイッチング時間や位相ノイズが増加するという問題がある。さらに、高速データデジタル無線システムにおいては、現在のアナログ無線システムよりも、位相ノイズは少なくスイッチング時間は短いことが要求される。
受信回路と送信回路で別々の周波数シンセサイザを使用すれば他の技術は、スイッチング速度の問題は解決できるが、コストが高く、電力消費が大きくなり、また、他の周波数シンセサイザの干渉を受ける可能性がある。さらに、この方法でも、位相ノイズや周波数解像度の問題は解決できない。
このようにして、比較的低いスイッチング速度で位相ノイズが少ない周波数シンセサイザを用いて必要な回路を実現できるフラクショナルN周波数合成と称する技術が開発されてきた。
フラクショナルN技術を利用する周波数シンセサイザの起源は、可変周波数発振器から基準周波数が与えられている位相比較器へのフィードバック回路に設けられた整数分周器でフィードバック信号をN(N:1以上の整数)分周するタイプの周波数シンセサイザである。この種の周波数シンセサイザは基準周波数の正確に倍数の出力周波数を生成する(倍数とは、整数分周器にセットされた整数Nのことである)。より詳細には、このような周波数シンセサイザは、位相ロック回路(PLL)を利用している。PLLを利用した周波数シンセサイザについて、図1を参照して説明する。図1は、PLLを使用した従来の周波数シンセサイザを示す回路図である。
図1に示すように、この種の周波数シンセサイザは、電圧制御発振器(VCO)100と、位相検知器102(通常、位相比較器とも称する。)と、VCO100と位相検知器102との間に接続された整数分周器104とを有している。VCO100の周波数foutの出力信号は、整数分周器104において、内部で選択された除数(分周比)Nで分周され、位相検知器102に供給される。位相検知器102には、さらに、既知の基準周波数frefを有する基準信号が供給される。位相検知器102は、両入力信号の位相を比較し、位相差に応じた信号を出力する。即ち、基準周波数frefの基準信号と整数分周器104によって除数(分周比)Nで分周された後のVCO100の出力信号(その周波数はfout/N)との位相差に応じた信号を生成する。位相検知器102の出力は、VCO100を、要求されている周波数に固定するために、ループフィルタ106を経由して再度VCO100の入力となる。したがって、VCO100の出力周波数foutの増減分は正確に基準周波数に等しくなる。従って、出力信号がとりうる周波数は、fref、2・fref、3・fref...であり、frefと2・frefとの間の数値や、2・frefと3・frefとの間の数値の周波数はとりえない。
このような周波数シンセサイザの問題点は、近接した出力周波数を得るためには、極めて低い基準周波数が必要になることである。また、回路の安定性を保つためには、ループフィルタ106の帯域幅を基準周波数の10分の1またはそれ以下に設定すべきであるが、帯域幅をこのように狭くすると、出力周波数を他の周波数に切り替える時に切り替えに要する時間が長くなってしまう。また、低い基準周波数frefは、回路ループの構成要素の固有ノイズを多数発生させ、出力周波数foutにおける位相ノイズが増加してしまう。
これらの問題点や限界を解決することを目的として、アナログフラクショナルN合成と称するシステムが、基準周波数の有理数倍の周波数を有する出力信号を合成するために開発された。アナログフラクショナルN周波数シンセサイザの構成の一例を図2に示す。
「フラクショナル合成」という言葉は、出力信号の周波数を小数部を含む正の有理数で除算(出力信号を有理数で分周)することを意味している。但し、実際の除算(分周)は平均値という意味においてのみ少数部(フラクショナル値)を含む有理数である。すなわち、整数分周器104は整数でのみ除算(分周)できるので、処理の途中で一時的に整数である除数(分周比)の値を変化させることによって少数部を含む有理数による除算がシミュレートされる。したがって、必要としている少数部を含む除数(分周比)にほぼ近い平均的な除算が得られるようなサイクルで複数の整数の除数を交換すること、例えば、ある周期で整数の除数Nと整数の除数(N+1)を交換しながら除算することにより実現される。この手続きは、パルススワローまたはパルス除去と言われることがある。除数値の一時的な変化を制御する連続したパルスは、アキュムレータ108によって生成される。
アキュムレータ108は、比較的容易に入手可能な電子回路要素であって、クロック周波数で駆動されると共に、完全に満たされた状態になるとオーバーフロー信号またはキャリー信号を発する。オーバーフロー信号は整数分周器104の除数(分周比)を変更、例えば、除数(分周比)をNから(N+1)に変化させるために使用される。オーバーフロー信号を生成するタイミングはアキュムレータの状態数(Pで示す。)とアキュムレータ内にプログラムされた所望のフラクショナル値(数値自体は整数であり、Fで示す。)とに基づく。即ち、アキュムレータ108のオーバーフロー信号OVFの平均値は、小数F/Pで示され、VCO100の出力周波数foutの平均値を(N+F/P)*frefに等しくするのに必要な時間で、整数分周器104の除数(分周比)をNから(N+1)に変化させる。
このような構成によれば、平均出力周波数foutは所望の正しい値が得られるが、大きな位相エラーが位相検知器によって生成される。この位相エラーは実質的にはアキュムレータの内容に等しい。従って、アキュムレータの内容を加算器112に与えて位相エラーを取り除くように、クロック型のデジタルアナログ変換器(DAC)110が追加される。加算器112は、位相検知器102とループフィルタ106との間に設けられ、エラーを打ち消す。
アナログフラクショナルN合成を利用した周波数シンセサイザの問題点は、位相検知器は鋸歯状の位相エラーを有しており、それゆえ、通信トランシーバの要求を満たすために、このエラーを正確に取り除くことが要求されることである。このことは、適切にエラーを取り除くために基準周波数は比較的低周波数(例えば、100〜300kHz)に保たれねばならず、また、位相検知器及びDACの線形性が要求される、ということを意味する。N分周周波数シンセサイザを改良したアナログフラクショナルN合成を使用するこのような周波数シンセサイザは、エラーを取り除くために低い基準周波数が必要となるので、遅い切り替え速度と比較的大きな位相ノイズを有している。
アナログフラクショナルN周波数シンセサイザの問題点や限界に鑑み、シグマ−デルタ変換器またはシグマ−デルタ変調器に基づいた周波数シンセサイザが開発された。シグマ−デルタ変換自体は、アナログデジタル変換器(ADC)及びデジタルアナログ変換器(DAC)、また、CDプレーヤのような高性能製品に広く使用されているよく知られた技術である。
図3は、シグマ−デルタ変換器を利用したフラクショナルN周波数シンセサイザのブロック図である。この周波数シンセサイザはシグマ−デルタ変換器114と、VCO100の出力周波数を、平均的な有理数(N+F/P)により分周する整数分周器104とを有している。有理数(N+F/P)は、整数部分Nと小数部分F/Pからなっている。フラクショナル値Fは、ΣΔ変換器に供給される値であり、それ自体は、正の整数であるが、有理数である分周比のうちの小数部分を生成するためのものである。一方、Pは、ΣΔ変換器114状態数(取りうる値の数)である。シグマ−デルタ変換器114はフラクショナル値Fと、基準周波数frefまたは出力周波数foutから派生したクロック信号とを受信し、クロック信号に応答して、フラクショナル値Fを累算し、最大値に達すると、信号を出力する。従って、PクロックにF回の割合で信号が出力されることになる。例えば、1次の例で説明すると、Fが「11h(3)」で、シグマ−デルタ変換器114内の累算器の取りうる値が「00h(0)」〜「FFh(255)」であるとすれば、状態数Pは256となり、256クロックに3回の割合で信号が出力される。加算器116は、信号を、「1h(1)」として取り扱い、整数値Nと加算する。従って、加算器116の出力の瞬時値(分周制御数の瞬時値)はN又はN+1であり、その平均値である分周制御数(分周比)は、有理数の(N+F/P)となる。
図4は、MASH111と称されることがあるシグマ−デルタ変換器の具体例のブロック図である。アキュムレータの取りうる値の数(状態数)であるPに分数出力F/Pを加えていくという変換器の機能がこれらの技術構成によって理解される(例えば、特許文献1,2,3,4,5及び6参照。)
シグマ−デルタ変換器の1つの特性は、位相エラーを完全には取り除くことは出来ず、むしろ、位相エラーは別個のスプリアス信号だったのがノイズに変換され、また、このノイズはノイズシェービングにより低周波領域では減衰され、高周波数にされることである。
この点に関し、シグマ−デルタ変換器からのノイズが平坦であれば、ノイズのスペクトル密度は1/frefになる。このことにより、シグマ−デルタ変換器内において、周波数シンセサイザ用に適切にノイズを減少させるためには、かなり高周波のクロックが必要となる。
また、シグマ−デルタ変換器は位相ノイズを整形するように設計されている。例えば、フラクショナルN周波数シンセサイザにおいて使用されるMASH111変換器は、(1)式に示す出力位相ノイズスペクトルを有する:
位相ノイズスペクトル=δ(2π)/12・fref(1−z−12(m−1) rad/Hz ・・・(1)
mはシグマ−デルタ変換器のオーダ(次数)であり、δは量子化ステップサイズである。このステップは、従来のシグマ−デルタ・フラクショナルN合成におけるステップに等しい。
高速サンプル速度(ループフィルタ帯域幅に比較して)でδ=1のときは、3次のシグマ−デルタ変換器においてノイズはおよそ(2)式に示す量である:
ノイズ=(2π)/(12・fref)(2π・f/fref rad/Hz ・・・(2)
(例えば、非特許文献1参照。)このようにして、PLLのオーダー及びバンド幅が正確に選択されると、シグマ−デルタ変換器からのノイズはループフィルタ帯域においては低くなり、PLLは高周波のシグマ−デルタノイズを取り除く。
スプリアス信号やノイズを減らしてフラクショナルN周波数シンセサイザの性能を改善する研究は多数行われてきた。特に興味深いのは、加算器によってカスケード状に接続したふたつのシグマ−デルタ変換器を有するフラクショナルN分周器を含む周波数シンセサイザについて開示されている発明である(例えば、特許文献7(Riley)参照。)。シグマ−デルタ変換器の出力制御信号は、この出力制御信号と他の制御信号とを統合する加算器の入力となる。統合された制御信号は、他のシグマ−デルタ変換器の入力となる。シグマ−デルタ変換器の出力制御信号は、位相検知器に向かう位相制御信号及びその倍数の制御信号の周波数において信号の量子化されたノイズを取り除くことが出来ると言われている。
また、周波数シンセサイザは、他に、周波数変調または復調用装置としても使用が期待されている。しかしながら、PLL回路を使用したフラクショナルN周波数シンセサイザにおいて、スイッチング速度を高くすると、外乱を補正する効果が高くなる。また、変調信号も一種の外乱として補正されてしまうため、変調が掛かりにくいという問題点がある。
(例えば、特許文献8及び9参照。)。
米国特許第4,694,475号明細書 米国特許第4,758,802号明細書 米国特許第4,800,342号明細書 米国特許第4,996,699号明細書 米国特許第5,038,117号明細書 米国特許第5,055,802号明細書 米国特許第4,965,531号明細書 特許第2,650,492号明細書 特表平4−505841号公報 Brian Miller,A Multiple Modulator Fractional dividr. IEEE Tansactions on Instrumentation and Measurement, vol.40, No.3,June 1991,pp.578−583
図3に示すフラクショナルN周波数シンセサイザにおいては、例えば、アナログフラクショナルN技術を使用する周波数シンセサイザの場合より、位相検知器の線形性の高さが要求される。というのは、例えば、アナログフラクショナルN技術がNを2カウント(0及び1)で変化させるのに対し、MASH111シグマ−デルタ変換器は8カウント(−3から+4)で変化させるからである。したがって、図3に示される周波数シンセサイザの性能は位相検知器の線形性に制限されうる。
また、図4に示すシグマ−デルタ変換器の使用上の他の問題点は、アキュムレータ及び比較器の計算が基準周波数において行われることである。整数分周器104の整数演算において比較的多数ビットが含まれるという観点から考えると、大きな数の演算には比較的大電力が必要になるということである。
また、特許文献7(Riley)に記載された周波数シンセサイザの重大な問題点は、両方のシグマ−デルタ変換器が、例えば整数分周器からの出力周波数といった同じクロック周波数に制御されることである。したがって、このシンセサイザでは、カスケード状のシグマ−デルタ変換器を使用した結果生じるコストを下げたり、演算負荷を減少することが出来ない。というのは、両方のシグマ−デルタ変換器が同一の比較的高周波クロックによって制御されるからである。
また、特許文献8及び9に記載された構成は、その他の構成は、上述したアナログフラクショナルN周波数シンセサイザとほとんど同様の構成なので、演算負荷及びコストなどの上述した問題点を解決することは出来ない。
つまり、ノイズ及びスプリアス信号を取り除くことができると共に、従来技術の周波数シンセサイザより演算量がすくないために従来の周波数シンセサイザと比較してコストが減少するフラクショナルN周波数シンセサイザを提供することが求められていた。さらには、周波数変調機能を有するフラクショナルN周波数シンセサイザを提供することが求められていた。
この発明は上述の問題点に鑑みなされたものであって、従って、この発明の目的は、従来技術と比較して低コスト及び低電力消費であるために、例えば、ハンディタイプのラジオや電池で稼働する製品のような大量生産する電子デバイスに使用可能な新規で改良されたフラクショナルN周波数シンセサイザを提供することである。
また、他の目的は、整数分周器に使用する整数を生成する間の演算数を減少する複数のシグマ−デルタ変換器を有する新規で改良されたフラクショナルN周波数シンセサイザを提供することである。
また、他の目的は、少なくとも1つのシグマ−デルタ変換器は、分周制御数の小さい小数を処理し、そして、周波数シンセサイザで生成されたノイズから反対に影響を受けることなく、他のシグマ−デルタ変換器と比較して低速なクロック速度で動作可能な複数のシグマ−デルタ変換器を有する新規で改良されたフラクショナルN周波数シンセサイザを提供することである。
また、他の目的は、上述した目的を達成し、かつ、周波数変調回路として機能する新規で改良されたフラクショナルN周波数シンセサイザを提供することである。
これらの目的を達成するため、この発明のフラクショナルN周波数シンセサイザは、
基準周波数信号と比較周波数信号とを入力し、両入力信号の位相を比較し、位相差に対応する制御信号を出力する位相検知器と、
当該制御信号を濾波するループフィルタと、
前記ループフィルタにより濾波された制御信号を入力し、この制御信号に従って修正した周波数の信号を出力する可変周波数発振器と、
当該可変周波数発振器の出力信号と時間軸上で変動する整数値を示す分周制御信号とを入力して、当該出力信号を分周制御信号が示す整数値で分周することにより、整数部(N)と少なくとも2つの異なる値から構成される小数部とから形成される値(N+F)で表される平均分周比で前記出力信号を分周し、分周した出力信号を前記比較周波数信号として前記位相検知器に出力する整数分周器と、
少なくとも2つのシグマ−デルタ変換器を備え、それぞれのシグマ−デルタ変換器は前記少なくとも2つの異なる値のうちの対応する1つを主に処理しており、主に論理的に小さい方の値を処理するシグマ−デルタ変換器の方が、主に論理的に大きい方の値を処理するシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で動作するように構成され、その平均値の小数部が前記平均的分周比の小数部(F)に一致するような値を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記値と所定の整数値とを加算して、平均値が前記平均分周比となるような整数値を示す分周制御数を形成し、当該分周制御数を前記整数分周器に出力する第1の加算器と、
を備えている。
ここで、例えば、平均的分周比はほぼ所望の分周比に等しく、整数Nがバイナリフォーマットで表されており、小数点以下を示すビット群として小数部(F)が整数Nに引き続いてバイナリフォーマットで表されている。この小数部は、例えば、少なくとも二つの異なるオーダ(桁)の小数に分かれており、整数Nに引き続くビット群によって形成されているのは論理的に大きい方の(最も大きい)小数であり、さらに、大きい方の小数に引き続くビット群によって論理的に小さい方の(次に大きい)小数が形成されている。
また、それぞれのシグマ−デルタ変換器が、それぞれ対応する小数を処理を行っているというのは、例えば、第1のシグマ−デルタ変換器が上記大きい方の小数を形成するための処理を主に行い、第2のシグマ−デルタ変換器が上記小さい方の小数を形成するための処理を主に行うということである。
従って、少なくとも二つのシグマ−デルタ変換器は、好ましくは、小数部を形成している異なる小数の数と等しい数だけ設けられているのが良い。このとき、少なくとも二つのシグマ−デルタ変換器によって、平均的な分周比の小数部(F)が生成される。そして、この少なくとも二つのシグマ−デルタ変換器によって形成された小数値(F)と整数Nとが、第1の加算器によって加算され、この結果、整数分周器に出力されるべき分周比(N+F)が形成される。
以上のような構成を有するので、主に小さい方の小数を処理するシグマ−デルタ変換器は、小さいクロック周波数つまり遅いクロック速度において動作する。従って、このシグマ−デルタ変換器は単純な構造、例えば、低いオーダーを有しており、そのために低コストで低演算負荷とすることができる。
さらに、主に小さい方の小数を処理するシグマ−デルタ変換器のクロック周波数は小さいために、ノイズやスプリアスはあまり発生しない。これは主に、位相ノイズは数字の位置の機能、すなわち、分周制御数の小数部のうちより小さい小数に対応するビット位置においてノイズが減少することによる。したがって、小さいオーダーのビットでは、大きいオーダーのビットほど位相ノイズエラーが発生しない。その結果、クロック速度を減少させても、位相ノイズエラーを増加させることなく小さいオーダーのビットの処理を行うことが出来る。
また、この発明によれば、シグマ−デルタ変換器の重要なノイズシェープ特性は、カスケード状の配置やクロック速度の減少という観点によって失われることはないという効果がある。
この発明に関し、好ましくは、生成手段は、第2のフラクショナル値(F)を入力し、平均値が(F/P)となる値を出力する第2のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と、前記第2のシグマ−デルタ変換器が出力した値と第1のフラクショナル値(F)とを加算し、平均値が(F+F/P)である合計値を出力する第2の加算器と、前記第2の加算器から出力される合計値を入力し、前記平均的分周比の小数部(F)に一致するような平均値(F/P+F/(P*P))を有する整数値を出力する第1のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と、を備え、前記第2のシグマ−デルタ変換器は前記第1のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で駆動される。
ここでP及びPは、それぞれ第1及び第2のシグマ−デルタ変換器内に存在するアキュムレータの状態数を示している。したがって、アキュムレータはそれぞれP及びPを超える値が入力された場合にはオーバーフロー信号を出力する。つまり、第1及び第2のシグマ−デルタ変換器は、ある値が入力される(入力値)と、平均値がその値を状態数で除算した値となるような値を出力する構造になっている。
また、フラクショナル値F及びFは、詳しくは後述するが、平均的分周制御数(所望の有理数形式の分周制御数)の小数部(F)を構成する小数のうち、それぞれ大きい方の小数及び小さい方の小数を生成するために使用される一種の分周比データである。
この構成の場合、生成手段は、2つのシグマ−デルタ変換器が、加算器を挟んで、カスケード状に接続されている。つまり、シグマ−デルタ変換器は、主に小さい方の小数を処理する第2のシグマ−デルタ変換器からの出力が、主に大きい方の小数を処理する第1のシグマ−デルタ変換器の入力になるという具合に、カスケード状に接続される。すなわち、ひとつのシグマ−デルタ変換器の出力は、他のシグマ−デルタ変換器の出力に派生している。そして、第2の加算器が、第2のシグマ−デルタ変換器の出力にフラクショナル値を付加するために、連続する第1及び第2のシグマ−デルタ変換器の間に配置される。
第2のシグマ−デルタ変換器は、フラクショナル値Fを受信すると共に平均値がF/Pに等しくなるような一連の整数を出力するように設けられている。第2の加算器は、小数F/P及びフラクショナル値Fを加算し、その合計値を第1のシグマ−デルタ変換器に提供する。第1のシグマ−デルタ変換器は、平均値がF/P+F/(P*P)に等しい一連の整数値を出力し、この値が分周制御数の小数部を構成する。
つまり、F/Pが上記大きい方の小数を表し、F/(P*P)が小さい方の小数を表す。また、第2のシグマ−デルタ変換器は、第1のシグマ−デルタ変換器と比較してより小さいクロック周波数で動作する。つまり、第2のシグマ−デルタ変換器はフラクショナル値Fに関連した小さい方の小数を形成するための処理を行っており、第1のシグマ−デルタ変換器は主にフラクショナル値Fに関連した大きい方の小数を形成するための処理を行っている。
従って、上述したように、第2のシグマ−デルタ変換器は、単純な構造、例えば、より低いオーダーを有しており、そのために低コストで低演算負荷とすることができる。
また、この発明の実施に当たり、好ましくは、前記生成手段は、第3のフラクショナル値(F)を入力して平均値が(F/P)で表される値を出力する第3のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と、前記第3のシグマ−デルタ変換器が出力した値と第2のフラクショナル値(F)とを加算して、平均値が(F+F/P)で表される合計値を出力する第3の加算器と、前記第3の加算器からの合計値(F+F/P)を入力し、平均値が(F/P+F/(P*P))で表される値を出力する第2のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と、前記第2のシグマ−デルタ変換器が出力した値と第1のフラクショナル値(F)とを加算する第2の加算器と、前記第2の加算器からの合計値(F+F/P+F/(P*P))を入力し、平均値が前記平均的分周比の小数部に等しい(F/P+F/(P*P)+F/(P*P*P))となる値を出力する第1のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と、を備え、前記第2及び第3のシグマ−デルタ変換器は前記第1のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で駆動されるように構成されてもよい。
この場合、生成手段は、3つのシグマ−デルタ変換器が、加算器を挟んで、カスケード状に接続された構成となっている。
つまり、シグマ−デルタ変換器は、主に最も小さい小数を処理する第3のシグマ−デルタ変換器からの出力が、主に次に小さい小数を処理する第2のシグマ−デルタ変換器の入力になり、第2のシグマ−デルタ変換器からの出力が、主に最も大きい小数を処理する第1のシグマ−デルタ変換器の入力になるという具合に、カスケード状に接続される。すなわち、ひとつのシグマ−デルタ変換器の出力は、他のシグマ−デルタ変換器の出力に派生している。そして、第3の加算器が、第3のシグマ−デルタ変換器の出力にフラクショナル値を付加するために連続する第2及び第3のシグマ−デルタ変換器の間に配置され、及び、第2の加算器が、第2のシグマ−デルタ変換器の出力にフラクショナル値を付加するために連続する第1及び第2のシグマ−デルタ変換器の間に配置される。
第3のシグマ−デルタ変換器は、フラクショナル値Fを入力し、平均値が小数F/Pとなるような一連の整数を出力する。加算器は、小数F/P及び第2のフラクショナル値Fを加算し合計値F+F/Pを第2のシグマ−デルタ変換器に出力する。第2のシグマ−デルタ変換器は、平均値が小数F/P+F/(P*P)となるような一連の整数を出力する。加算器は、第2の小数F/P+F/(P*P)及びフラクショナル値Fを加算し、合計値F+(F/P+F/(P*P))を第1のシグマ−デルタ変換器に出力する。第1のシグマ−デルタ変換器は、平均値が小数F/P+F/(P*P)+F/(P*P*P)となるような一連の整数を出力する。この値が分周制御数の小数部を構成する。
つまり、F/Pが上記最も大きい小数を表し、F/(P*P)が次に大きい小数を表し、及び、F/(P*P*P)が最も小さい小数を表す。また、第2及び第3のシグマ−デルタ変換器は、第1のシグマ−デルタ変換器と比較してより小さいクロック周波数で動作する。つまり、第2及び第3のシグマ−デルタ変換器はフラクショナル値F及びFに関連した最も小さい又は次に小さい小数を形成するための処理を行っており、第1のシグマ−デルタ変換器は主にフラクショナル値Fに関連した最も大きい小数を形成するための処理を行っている。
従って、上述したように、第2及び第3のシグマ−デルタ変換器は、単純な構造、例えば、より低いオーダーを有しており、そのために低コストで低演算負荷とすることができる。
ここで、シグマ−デルタ変換器に提供されまたはプログラムされるフラクショナル値は以下のようにして決定すればよい。発振器からの好ましい出力周波数を得るための所望の分周比が決定される。この、所望の分周比は、整数部と小数部とから構成された有理数である。小数部は整数部から引き続くビット群によって形成され、バイナリフォーマットによって表されている。例えば、バイナリポイント(小数点)の後ろに24ビットにわたって数が続いていて、3つのシグマ−デルタ変換器を有する周波数シンセサイザの構成の場合には、バイナリポイントの後ろの最初の8ビットは最も大きな小数F/Pで構成され、次の8ビットは次に大きな小数F/(P*P)で構成され、最後の8ビットは最も小さな小数F/(P*P*P)で構成される。そして、これらの3つの小数の値が、上述したあらかじめ決定された所望の分周比の小数部を構成する値にそれぞれ等しくなるように、フラクショナル値F、F及びFが決定される。つまり、フラクショナル値は、所望の分周比の小数部及びシグマ−デルタ変換器の状態数に基づいて決定される。
なお、上述においては、シグマ−デルタ変換器を2つ又は3つ備えた構成について説明したが、一般的にシグマ−デルタ変換器をm個備えた構成についてこの発明は適用可能である。この場合、一般的には、分周制御数を生成するために、m個のフラクショナル値が用意され、m個のフラクショナル値をそれぞれシグマ−デルタ変換するシグマデルタ変換器がされる。ただし、これに限定されるものではない。
前記濾波された制御信号を入力し、この制御信号にしたがって修正した出力周波数信号を出力する調節可能な発振器と、当該発振器の出力周波数信号を入力し、この出力周波数信号を、整数(N)及びm個の異なる1より小さい小数(但し、mは2以上の整数とする。)に分かれた小数部(F)で構成されている分周制御数(N+F)で分周し、分周した出力周波数信号を前記比較周波数信号として前記位相検知器に出力する整数分周器と、m個のクロック周波数C(但し、kは1以上m以下の整数である。)で駆動されるカスケード状に接続されたm個の第kのシグマ−デルタ変換器(但し、状態数をPとする。)と、m個の第kの加算器とを備え、前記第mのシグマ−デルタ変換器は、フラクショナル値F(但し、Fm−1>Fとする。)を入力し、状態数Pで除算した結果を出力し、k≧2の前記第kの加算器は、前記第kのシグマ−デルタ変換器からの出力値及びkの増加に伴って減少する値であるF(k−1)を入力し、これらの値を加算した結果を出力し、k≦(m−1)の前記第kのシグマ−デルタ変換器は、前記第(k+1)の加算器からの出力値を入力し、Pで除算した結果を出力し、及び、前記第1の加算器は、前記第1のシグマ−デルタ変換器からの出力値であって前記小数(F)と前記整数Nとを入力し、これらの値を加算した結果すなわち前記分周制御数を前記整数分周器に出力するように接続されており、かつ、前記クロック周波数Ckは、kの値の増加に従って、等しいか小さくなる値を有している構成であると良い。
また、この発明の実施に当たり、好ましくは、前記第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を分周することによって、前記第2のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を形成するための周波数分周器をさらに備えていると良い。
つまり、この好適例は、2つのカスケード状に接続されたシグマ−デルタ変換器を使用する場合において(m=2)、周波数分周器を1つ備えていることを示している。そして、例えば、第1のシグマ−デルタ変換器は周波数分周器の入力側に接続すると共に、第2のシグマ−デルタ変換器は第1の周波数分周器の出力側に接続すればよい。
また、この発明の実施に当たり、好ましくは、前記第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を分周することによって、前記第2及び第3のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を形成するための周波数分周器をさらに備えていると良い。
また、この発明の実施に当たり、好ましくは、前記第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を分周することによって、前記第2のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を形成するための第1の周波数分周器と、前記第2のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号をさらに分周することによって、前記第3のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を形成するための第2の周波数分周器とをさらに備えていると良い。
つまり、これらの2つの好適例は、3つのカスケード状に接続されたシグマ−デルタ変換器を使用する場合において(m=3)、周波数分周器をそれぞれ1つ又は2つ備えていることを示している。周波数分周器が1つのときには、例えば、第1のシグマ−デルタ変換器は周波数分周器の入力側に接続すると共に、第2及び第3のシグマ−デルタ変換器は第1の周波数分周器の出力側に接続すればよい。
そして、周波数分周器が2つのときには、例えば、第1のシグマ−デルタ変換器は第1の周波数分周器の入力側に接続し、第2のシグマ−デルタ変換器及び第2の周波数分周器の入力側を第1の周波数分周器の出力側に接続し、かつ、第3のシグマ−デルタ変換器の入力側を第2の周波数分周器の出力側に接続すればよい。
周波数分周器を備えることにより、主に小さい小数を処理するシグマ−デルタ変換器には、周波数分周器から出力された小さいクロック周波数で駆動することが出来る。m=3の場合においては、周波数分周器を2つ備える構成にすることにより、すべてのシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を異ならせることが出来る。
また、この発明の実施に当たり、第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数は基準周波数としても良い。
また、この発明の実施に当たり、第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数は整数分周器の出力周波数としても良い。
また、この発明の実施に当たり、さらに、入力された変調信号をデジタルデータに変換して出力するA/D変換器と、前記デジタルデータMとフラクショナル値F又はFとを加算する変調信号加算器とを備え、及び、前記第2のシグマ−デルタ変換器又は第2の加算器には、それぞれF又はFではなく、前記変調信号加算器からの加算された出力であるそれぞれ(M+F)又は(M+F)が入力される構成としても良い。
このような構成であると、デジタルデータ化された変調信号及び分周制御数を加算した信号を分周比とするので、周波数変調回路としても機能する。
また、この発明の実施に当たり、さらに、入力された変調信号をデジタルデータに変換して出力するA/D変換器と、前記デジタルデータM及び(N+F+F)を加算する変調信号加算器と、前記変調信号加算器からの加算された出力を、それぞれN、F及びFのオーダーに相当する部分に分割し出力する分割器とを備え、及び、
前記第1の加算器、前記第2の加算器、及び前記第2のシグマ−デルタ変換器には、それぞれN、F及びFではなく、前記分割器からの出力のうち、それぞれ前記N、F及びFのオーダーに相当する部分が入力される構成としても良い。
このような構成であると、デジタルデータ化された変調信号及び分周制御数を加算した信号を分周比とするので、周波数変調回路としても機能する。
また、この発明のフラクショナルN周波数シンセサイズ方法によれば、位相検知器に基準周波数及び比較周波数信号を入力し位相を比較した結果を制御信号として出力するステップと、当該制御信号をループフィルタに入力し濾波するステップと、当該濾波された制御信号を調節可能な発振器に入力し、この制御信号にしたがって修正した出力周波数信号を出力するステップと、当該発振器からの出力周波数信号を整数分周器に入力するステップと、整数(N)及び少なくとも二つの異なる小数部に分かれた小数部(F)で構成されている分周制御数(N+F)を前記整数分周器に入力するステップと、前記整数分周器において、前記発振器からの出力周波数信号を前記分周制御数で分周し、前記分周した周波数信号を前記比較周波数信号として出力するステップとを有する方法であって、前記分周制御数を前記整数分周器に入力するステップは、少なくとも二つのシグマ−デルタ変換器を順次に使用して、前記小数部のうち主に別の小数部をそれぞれ形成するための処理を行うステップであって、この処理の際に、主に小さい方の小数部を形成するための処理を行うシグマ−デルタ変換器が、主に大きい方の小数部を形成するための処理を行うシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で動作するようにして行う前記分周制御数の小数部(F)を生成するステップと、前記小数部(F)及び整数(N)を第1の加算器に入力し加算して前記分周制御数を形成し、当該分周制御数を前記整数分周器に入力するステップとを有する。
また、この発明の実施に当たり、好ましくは、小数部生成ステップは、第2のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)にフラクショナル値(F)を入力し小数(F/P)を出力するステップと、第2の加算器に前記小数(F/P)及びフラクショナル値(F)を入力し加算するステップと、第1のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)に前記第2の加算器から合計値(F+F/P)を入力し、前記分周制御数の小数部(F)を構成する小数(F/P+F/(P*P))を出力するステップとを有しており、及び、前記第2のシグマ−デルタ変換器は前記第1のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で駆動される構成であるのが良い。
また、この発明の実施に当たり、好ましくは、小数部生成ステップは、第3のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)にフラクショナル値(F)を入力し小数(F/P)を出力するステップと、第3の加算器に前記小数(F/P)及びフラクショナル値(F)を入力し加算するステップと、第2のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)に前記第3の加算器から合計値(F+F/P)を入力し、小数(F/P+F/(P*P))を出力するステップと、第2の加算器に前記小数(F/P+F/(P*P))及びフラクショナル値(F)を入力し加算するステップと、第1のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)に前記第2の加算器から合計値(F+F/P+F/(P*P))を入力し、前記分周制御数の小数部を構成する小数(F/P+F/(P*P)+F/(P*P*P))を出力するステップとを有しており、及び、前記第2及び第3のシグマ−デルタ変換器は前記第1のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で駆動される構成であるのが良い。
また、この発明の他のフラクショナルN周波数シンセサイズ方法によれば、−Nから+M(但し、N及びMは共に正の整数とする。)までの範囲の整数を出力するように設計されたシグマ−デルタ変換器に入力するフラクショナル値を生成する方法であって、整数部及び小数部(1以下の小数で構成される部分)を有する分周制御数を得るために、好適な出力周波数を基準周波数で除算するステップと、前記小数部を複数の小数に分けるステップと、前記シグマ−デルタ変換器をカスケード状に接続するステップと、カスケード状に配置された前記シグマ−デルタ変換器の隣り合う一組の間と、最も上流のシグマ−デルタ変換器及び整数分周器の間とに加算器を設け、それぞれの加算器が前記シグマ−デルタ変換器からの出力、及び前記整数部又は前記小数部を入力できるように接続するステップと、及びそれぞれの前記シグマ−デルタ変換器からの出力にNを加算するステップと、修正された小数部や修正された整数部を得るために、それぞれの前記加算器によって加算される小数部又は整数部からNを減算し、減算前の小数がN未満のときは、より大きい小数部や整数部から数を借り、その結果、どの前記加算器における加算結果も0より大きいか等しくするステップとを有している。この方法は、一般に使用されるマイクロプロセッサを使用するソフトウェアによって全て実施することが出来る。
この方法によると、整数部及び小数部から構成される分周制御数を得るために、まず、好ましい出力周波数が基準周波数によって除算される。その結果、整数部及び小数部が算出される。そして、このときに、シグマ−デルタ変換器への負の入力を避けるために、それぞれのシグマ−デルタ変換器からの出力にNが加算され、同時に、それぞれの加算器によって加算される小数又は整数部からNが減算される。このとき、減算した結果が負になる、つまり、演算前の小数がN未満であれば、より大きな小数や整数部から数を借りてくる処理が行われる。このようにして、従って、修正された小数部及び修正された整数部を得ることにより、加算器に入力される小数又は整数部、シグマ−デルタ変換器の出力、及び、加算器における加算結果つまりシグマ−デルタ変換器への入力のすべてを0より大きいか等しくすることが出来る。
この結果、クロックサイクルにおけるプリスケーラ及び整数分周器のプログラミングが単純化されうる。つまり、整数分周器の値を変化させる必要が無く、プリスケーラを変化させるだけでよい。従って、インタフェース回路における速度要求は減少し、次のサイクルの分周への負荷を減らすことが出来る。また、シグマ−デルタ変換器の入力が負のとき、すなわち否定信号のときには、否定信号を補償するための複雑な構成が必要であったが、入力信号が0以上であるため簡易な構成とすることが出来る。
また、この発明の実施に当たり、好ましくは、シグマ−デルタ変換器はMASH111であり、及び、Nの値は3、かつ、Mの値は4に等しいと良い。
また、この発明の実施に当たり、好ましくは、修正された小数部及び修正された整数部を用いて前もって演算して修正された好適な出力周波数を算出し、その後、この好適な出力周波数に、出力周波数を変化させるのが良い。
このとき、好適な出力周波数を得るための演算負荷を減らすことができるので、出力周波数を分周して好適な出力周波数に変化させるのを容易に行うことが出来る。
この発明のフラクショナルN周波数シンセサイザによれば、カスケード状に接続された複数のシグマ−デルタ変換器が分周制御数の整数及び複数の小数のそれぞれを処理する構造であって、小さい方の小数を処理するシグマ−デルタ変換器が小さい周波数クロックによって駆動される構造であるので、整数分周器に使用する整数を生成する間の演算数が減少する。したがって、単純な構造及び低演算負荷になり、そのために低コスト、低電力消費とすることができる。
さらに、小さい方の小数を処理するシグマ−デルタ変換器は、周波数シンセサイザで生成されたノイズから反対に影響を受けることなく、目立ったノイズやスプリアス信号は発生しない。その結果、クロック速度の減少によって位相ノイズエラーを増加させることなく小さいオーダーのビットの処理を行うことが出来る。
また、この発明によれば、シグマ−デルタ変換器の重要なノイズシェープ特性は、カスケード状の配置やクロック速度の減少という観点によって失われることはないという効果がある。
また、デジタルデータ化された変調信号及び分周制御数を加算した信号を分周比とするので、周波数変調回路としても機能する。
この発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。
まず、この発明の第1〜第6の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザに共通する構成要素について、図5〜10を参照して説明する。図5〜10は、それぞれ、第1〜第6の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザの構成を示すブロック図である。
第1〜第6の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザは、それぞれ10,50,52,54,56、58で示され、電圧制御発振器(VCO,Votage Controlled Oscillator)のような可変周波数発振器12と、位相検知器14と、可変周波数発振器12から位相検知器14へのフィードバック回路上に設置された整数分周器(除算回路)16と、位相検知器14と発振器12との間に挿入されたループフィルタ18と、を有している。
位相検知器14は、基準周波数frefを有する基準周波数信号と、後述する比較周波数fを有する比較周波数信号とを入力し、両信号の位相を比較する。そして比較した結果に対応する制御信号を出力する。具体的には、位相検知器14は、比較した両信号の位相差に対応する電圧レベルを有する制御信号を出力する。
ループフィルタ18は、制御信号を濾波するために設けられている。濾波とは、周波数などの大きさによって通過・非通過を振り分ける処理のことを意味する。具体的には、所定のカットオフ周波数以上の周波数成分を吸収或いは減衰させることを意味し、例えば、ローパスフィルタなどが使用される。
可変周波数発振器12は、濾波された制御信号を入力し、この制御信号に従った出力周波数foutを有する周波数信号(出力周波数信号)を出力する。具体的には、制御信号の電圧レベルに基づいて出力周波数foutを調節する。
整数分周器16は、可変周波数発振器12の出力周波数信号を入力し、出力周波数信号を分周制御数で分周して比較周波数fの比較周波数信号とし、この比較周波数信号を位相検知器14に出力する。
位相検知器14に再度入力された比較周波数fを有する比較周波数信号により、出力周波数信号の出力周波数foutが調節される。このような動作がフィードバックされる(繰り返される)ことにより、比較周波数fは、基準周波数frefに等しくなる。
周波数シンセサイザ10,50〜58は、整数分周器16の分周制御数を生成するための構成要素も含んでいる。ここで、分周制御数は、一瞬一瞬をとらえれば整数であるが、平均的には整数部(N)と小数部(F)とを備える有理数である。小数部(F)は、少なくとも二つの異なる小数(F,F,F,...)から生成される。小数部を複数個の小数から生成することにより、電力消費をさほど増加させることなく、周波数シンセサイザ10,50〜58によって生成される出力周波数の数を増やすことが可能になる。
一般的には、この発明によると、上述した分周制御数を生成する構成要素として、分周制御数の小数部(F)を生成する小数部生成手段(図5では、20−24、28;図6では30−38、28;図7では30−38、28,42;図8では22−24、28;以下、小数部生成手段と称する。)及び第1の加算器26又は40を備えている。
第1の加算器26,40は、小数部生成手段で生成された小数部(F)と、整数部(N)とを加算して、平均値が有理数である分周制御数(瞬時値は整数)を形成し、この分周制御数を整数分周器16に出力する。整数分周器16は、その時点で指示されている整数の分周制御数(分周比)で入力信号を分周するが、平均すると(平均分周比)、有理数の分周比(分割値)となる。
小数部生成手段は、少なくとも二つのシグマ−デルタ変換器を有している。各シグマ−デルタ変換器は、所定のクロック周波数で動作する。少なくとも二つのシグマ−デルタ変換器のそれぞれが、分周制御数の小数部分を生成するために、少なくとも2つの異なるフラクショナル値を処理する。そして、処理対象の少なくとも2つのフラクショナル値は別々の値で、シグマ−デルタ変換器の数と、所望の有理数の分周比の小数部分を生成するための複数のフラクショナル値の数とが、同数であるのが望ましい。さらに、それぞれのシグマ−デルタ変換器による処理は、順番に行われる。また、主な処理対象であるフラクショナル値が論理的に小さい(値そのものではなく、平均的分周比の値に寄与する割合の小さい)方のシグマ−デルタ変換器は、主な処理対象であるフラクショナル値が論理的に大きい(値自体の大小ではなく、整数分周器の平均的分周比に寄与する割合の大小)方のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数によって動作する(一般に、整数分周器16に近い方のシグマ−デルタ変換器のクロック周波数の方が、整数分周器16から遠い方のシグマ−デルタ変換器のクロック周波数よりも高い)。
このような機能を有する小数部生成手段は、好ましくは、カスケード状に配置された複数のシグマ−デルタ変換器から構成される。つまり、少なくとも1つのシグマ−デルタ変換器の出力が、他のシグマ−デルタ変換器の入力に直接或いは間接的に接続される。さらに、フラクショナル値を用いてあるシグマ−デルタ変換器で生成された小数値に、別のフラクショナル値を加算するための加算器を有している。この加算器は、それぞれのシグマ−デルタ変換器に挟まれた状態で接続される。このとき、小数部生成手段は、シグマ−デルタ変換器と加算器とが交互にカスケード状に接続された状態になる。また、小数部生成手段と上述の第1の加算器26,40とを合わせると、シグマ−デルタ変換器の数と加算器の数は等しくなる。
周波数シンセサイザ10,50〜58は、このような構成を有するので、主に小さい小数を処理するシグマ−デルタ変換器は演算量が少なく、従って、高速であると共にシステム構築のコストも減らすことが出来る。また、主に小さい小数を処理するシグマ−デルタ変換器は、主に大きい小数を処理するシグマ−デルタ変換器に比べて、例えばアキュムレータの数が少ないなどより簡易な構成とすることが出来る。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザ10について、図5を参照して説明する。
この実施の形態は、シグマ−デルタ変換器の段数m=2の場合の例である。小数部生成手段は、第1のシグマ−デルタ変換器22と、第2のシグマ−デルタ変換器20と、第2の加算器24とから構成されている。整数分周器16に直接接続されている最下流の第1の加算器26から、第1のシグマ−デルタ変換器22、第2の加算器24、第2のシグマ−デルタ変換器20が、順にカスケード状に接続されている。
第2のシグマ−デルタ変換器20にはフラクショナル値F及び基準周波数frefから派生したクロック信号Cが入力される。第2の加算器24には第2のシグマ−デルタ変換器20の出力及びフラクショナル値Fが入力される。第1のシグマ−デルタ変換器22には第2の加算器24の出力及び基準周波数frefに等しい周波数のクロック信号Cが入力される。第1の加算器26には第1のシグマ−デルタ変換器22の出力及び整数値Nが入力される。そして、整数分周器16の制御入力端に第1の加算器24の出力が入力される。
第1及び第2のシグマ−デルタ変換器22及び20は、それぞれ状態数P及びPを有しており、平均値が、入力値を状態数で除算した値となるような値を出力する。また、第1及び第2のシグマ−デルタ変換器22及び20は、平均的な分周制御数の小数部を生成するための処理を行っている。第1及び第2の加算器26及び24は、二つの入力値を加算処理した結果を出力する。
これらの小数部生成手段及び第1の加算器26を使用して任意の有理数の平均的分周制御数を生成する動作について説明する。
第2のシグマ−デルタ変換器20は、基準周波数frefから派生したクロック信号Cの入力タイミングによってフラクショナル値Fを入力し、平均値がF/Pである値を示す信号を生成し、第2の加算器24に出力する。第2の加算器24は、第2のシグマ−デルタ変換器20からの平均値がF/Pである信号に、フラクショナル値Fを加算して、平均値がF+F/Pである信号を生成し、第1のシグマ−デルタ変換器22に出力する。
第1のシグマ−デルタ変換器22は、第2の加算器24からの平均値がF+F/Pである信号及び基準周波数frefに等しいクロック信号Cを入力信号として受取る。第1のシグマ−デルタ変換器22は、入力状態数Pを有しており、平均値が(F+F/P)/Pとなるような整数値を示す信号を生成し、第1の加算器26に出力する。第1の加算器26は、第1のシグマ−デルタ変換器22からの信号(瞬時値は整数)と整数値Nとを加算し、平均値が(N+(F+F/P)/P)=(N+(F/P+F/P・P)である信号を生成し、これを整数分周器16に入力する。この信号の瞬時瞬時の指示値は整数分周器16の分周比を指示する整数値であり、その平均値が整数分周器16の平均分周比(平均分周制御数)に相当する有理数(整数部+小数部)である。従って、整数分周器16は、平均値がfout/(N+F/P+F/(P*P))に等しくなるような周波数fを出力する。
位相検知器14は、既知の基準周波数frefの基準信号と整数分周器16からの周波数fの出力信号との位相差に比例した出力信号を生成する。位相検知器14の出力は、可変周波数発振器12を適当な周波数に調節し固定するために、ループフィルタ18を経由して可変周波数発振器12に供給される。従って、可変周波数発振器12の出力周波数foutは、fref*(N+F/P+F/(P*P))に等しくなる。
この実施の形態の重要な特徴は、第2のシグマ−デルタ変換器20を駆動するクロック周波数Cが第1のシグマ−デルタ変換器22を駆動するクロック周波数Cより小さいことである。
このことを実現するため、周波数分周器28は基準周波数frefを整数、この実施の形態の説明においては4で分周する。分周されない基準周波数frefは第1のシグマ−デルタ変換器22のクロック周波数Cとして使用される。このように、第1のシグマ−デルタ変換器22のクロック周波数Cはfrefなのに対し、第2のシグマ−デルタ変換器20のクロック周波数Cはfref/4となる。
上流のシグマ−デルタ変換器のクロック周波数を、下流のシグマ−デルタ変換器(整数分周器16と直列に接続されているシグマ−デルタ変換器のうち扱うフラクショナル値が論理的に最も大きいもの、即ち、整数分周器16に最も近いもの)よりも下げることによって、シグマ−デルタ変換器の演算負荷を減らし、周波数合成のコストや電力消費を減らすことが出来る。例えば、fref/4に等しいクロック周波数Cを使用したとき、第2のシグマ−デルタ変換器20の電力消費はおよそ半分になる。
また、一般的には低いクロック周波数を使用すると周波数シンセサイザによって生成されるノイズが増加するが、分周制御数の平均値の小数部分のうち低いオーダーのビット処理をする第2のシグマ−デルタ変換器20のクロック周波数を減少させることによって、ノイズを抑えることができる。
例えば、第1のシグマ−デルタ変換器22のビット数が8でクロックCが基準周波数数の1/4であれば、第2のシグマ−デルタ変換器20からのノイズは、(3)式で表される。
(δ/2(2π)/(12・fref/4)(2πf/fref)/4) rad/Hz = 1/64*(2π)/(12・fref)(2πf/fref rad/Hz ・・・(3)
言い換えると、第1のシグマ−デルタ変換器22のノイズより18dB小さくなる。
ここで使用したように、第1のシグマ−デルタ変換器22によって生成される信号は平均がF/P+F/(P*P)である一連のビットであって、好適な出力周波数を得るために整数分周器16の除数(分周比)つまり分周制御数を変化させて制御する必要があるビットの連続の代表値である。このように、所望の出力周波数が決定され、シグマ−デルタ変換器20及び22のビット数が決まると、フラクショナル値F及びFは既知の方法によって直ちに決定される。
この発明で使用される第1及び第2のシグマ−デルタ変換器22及び20は、既知のどんなタイプのシグマ−デルタ変換器であっても変調器であってもよい。例えば、MASHシグマ−デルタ変換器は、詳しくは後述するが、図11に示すように使用される。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザ50について、図6を参照して説明する。
この実施の形態においては、段数m=3の場合である。整数分周器16に接続されている第1の加算器40から、第1のシグマ−デルタ変換器34、第2の加算器38、第2のシグマ−デルタ変換器32、第3の加算器36、第3のシグマ−デルタ変換器30が、順にカスケード状に接続されている。
第3のシグマ−デルタ変換器30にはフラクショナル値Fと基準周波数frefから派生したクロック信号Cが入力される。第3の加算器36には第3のシグマ−デルタ変換器30からの出力及びフラクショナル値Fが入力される。第2のシグマ−デルタ変換器32には第3の加算器36からの出力及び基準周波数frefから派生したクロック信号Cが入力される。第2の加算器38には第2のシグマ−デルタ変換器32からの出力及びフラクショナル値Fが入力される。第1のシグマ−デルタ変換器34には第2の加算器38からの出力及び基準周波数frefに等しいクロック信号Cが入力される。第1の加算器40には第1のシグマ−デルタ変換器34からの出力及び整数値Nが入力される。そして、整数分周器16に第1の加算器40からの出力が入力される。
第1、第2及び第3のシグマ−デルタ変換器34,32及び30は、それぞれ状態数P、P及びPを有しており、平均値が、入力値を状態数で除算した値になるような値を出力する。また、第1、第2及び第3のシグマ−デルタ変換器34,32及び30は、分周制御数(分周比)の平均値の小数部を形成するための処理を行っている。第1、第2及び第3の加算器40,38及び36は、2つの入力値を加算した結果を出力する。
これらの小数部生成手段及び第1の加算器40を使用して分周制御数を生成する動作について説明する。
第3のシグマ−デルタ変換器30は、基準周波数frefから派生するクロック信号Cの入力タイミングでフラクショナル値Fを入力し、平均値がF/Pである信号を出力する。この出力信号とフラクショナル値Fを示す信号とが第3の加算器36に入力される。第3の加算器36は、両信号を加算し、平均値がF+F/Pである信号を生成し、第2のシグマ−デルタ変換器32に出力する。
第2のシグマ−デルタ変換器32は、第3の加算器36からの平均値が(F+F/P)の信号と、基準周波数frefから派生するクロック信号Cとを受け取り、クロック信号Cに応答して、第3の加算器36からの信号を取り込む。シグマ−デルタ変換器32は入力状態数(P)を有しており、平均値がF/P+F/(P*P)である信号を出力する。この出力信号はフラクショナル値Fの信号と共に第2の加算器38に入力される。加算器38は、両信号を加算し、平均値がF+F/P+F/(P*P)である信号を生成し、第1のシグマ−デルタ変換器34に供給する。
第1のシグマ−デルタ変換器34は、第2の加算器38からの平均値がF+F/P+F/(P*P)の信号を基準周波数frefに等しい周波数のクロック信号Cに応答して取り込む。第1のシグマ−デルタ変換器34は入力状態数(P)を有しており、平均値がF/P+F/(P*P)+F/(P*P*P)の信号を出力する。この出力信号は整数Nを表す信号と共に第1の加算器40に入力される。第1の加算器40は、両信号を加算し、平均値がN+F/P+F/(P*P)+F/(P*P*P)である信号を生成し、整数分周器16に供給する。
従って、位相検知器14は、基準周波数fref及び整数分周器16から出力された周波数fout/(N+F/P+F/(P*P)+F/(P*P*P))の位相差に比例した出力信号を生成する。位相検知器14の出力は、発振器12を好ましい周波数に調節し固定するために、ループフィルタ18を経由し再び発振器12に入力される。従って、発振器12の出力周波数foutは、fref*(N+F/P+F/(P*P)+F/(P*P*P))に等しくなる。
この実施の形態において、最上流の第3のシグマ−デルタ変換器30に提供されたクロック周波数C及び中間の第2のシグマ−デルタ変換器32に提供されたクロック周波数Cは、最下流(最も大きなフラクショナル値を処理する)第1のシグマ−デルタ変換器34に提供されたクロック周波数Cより小さい。このことを実現するため、周波数分周器28が、基準周波数frefを整数、この実施の形態の説明においては「4」で分周するために使用される。分周されない基準周波数frefは第1のシグマ−デルタ変換器34のクロック周波数Cとして使用される。このように、第1のシグマ−デルタ変換器34のクロック周波数はfrefなのに対し、第2及び第3のシグマ−デルタ変換器32及び30のクロック周波数はfref/4となる。
このような構成、即ち、小さい方のフラクショナル値を処理する第2及び第3のシグマ−デルタ変換器32、30のクロック周波数を小さくすることにより、これら第2及び第3のシグマ−デルタ変換器32、30への演算負荷が減少することである。また、第2及び第3のシグマ−デルタ変換器32、30は、第1のシグマ−デルタ変換器34より低いオーダーで構成することが出来、さらに演算負荷を減少することが出来る。
さらに、低いクロック周波数で第2及び第3のシグマ−デルタ変換器32及び30を動作させることによるノイズの増加もない。つまり、第1の実施の形態で示したように第2のシグマ−デルタ変換器32のノイズは数式3に示すとおりである。また、第3のシグマ−デルタ変換器30からのノイズについては、もしビット数が8でクロック周波数が第2のシグマ−デルタ変換器32と同じであれば、ノイズがあるとしても第2のシグマ−デルタ変換器32以下であり、第2のシグマ−デルタ変換器32より48dB小さくすることができる。
仮に、位相エラーであるインパルス増幅された基準周波数frefが入力されると、位相検知器14がインパルスを生成するようなものの場合には、図6に示す周波数シンセサイザの性能は理想的である。しかしながら、実際の位相検知器14の出力は、基準周波数が零から立ち上がる(又は立ち下がる)ときには、典型的なパルス幅変調(PWM,Pulse Width Modulation)となる。
PWMのタイミングエラーを取り除くために、例えば、VCO12の前にサンプルアンドホールドアンプを配置すればよい。サンプルアンドホールドアンプを使用することにより、基準周波数の急激な変化を取り除くこともできる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザ52について、図7を参照して説明する。
この実施の形態においては、第2の実施の形態の構成に加えて、さらに付加的な第2の周波数分周器42を、第1の周波数分周器28からのクロック出力を第2の周波数分周器42に入力できる位置に設けてある。この第2の周波数分周器42は第3のシグマ−デルタ変換器30用のクロック周波数をさらに減少させる。このように、第3のシグマ−デルタ変換器30に提供されたクロック周波数C及び中間の第2のシグマ−デルタ変換器32に提供されたクロック周波数Cは、第1のシグマ−デルタ変換器34に提供されたクロック周波数Cより小さくなっていると共に、CはCより小さくなっている。このことを実現するため、第2の分周器42は、第1の周波数分周器28から供給された分周された基準周波数を整数(4)でさらに分周する。分周されない基準周波数frefは第1のシグマ−デルタ変換器34のクロック周波数として使用される。1度分周された第2のシグマ−デルタ変換器32のクロック周波数はfref/4で、2度分周された第3のシグマ−デルタ変換器30のクロック周波数はfref/16となる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザ54について、図8を参照して説明する。
第1〜第3の実施の形態においては、シグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数は基準周波数frefから派生していた。
しかしながら、整数分周器16により生成される信号を、シグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を得るために使用することも出来る。つまり、この実施の形態においては、図8に示すように、整数分周器16の出力信号をクロックとしてシグマ−デルタ変換器を駆動している。
したがって、整数分周器16からの出力周波数fは位相検知器14以外に、第1のシグマ−デルタ変換器22及び周波数分周器28に供給される。そして、周波数分周器28に供給されたクロック周波数fはf/4に分周されて第2のシグマ−デルタ変換器20に入力される。このようにして、第2のシグマ−デルタ変換器20のクロック周波数はf/4、シグマ−デルタ変換器22のクロック周波数はfとなる。
この実施の形態では2つのシグマ−デルタ変換器を使用する第1の実施の形態の変形例とした。しかしながら、シグマ−デルタ変換器のクロック周波数を生成するために、基準周波数frefではなく整数分周器の出力周波数fを使用するという構成は、全ての実施の形態に適用することが出来る。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザ56について、図9を参照して説明する。
この実施の形態においては、第1の実施の形態の構成に加えて、シグマ−デルタ変換器に入力される分周制御数に、さらに変調信号のデジタルデータを加算(重畳)することにより、周波数変調(FM)回路としての機能を有する構成になっている。
すなわち、変調信号が入力されるA/D変換器43、及び、A/D変換器43からの出力と分周制御数の第2のフラクショナル値F2が入力される変調信号加算器44が設けられており、さらに、変調信号加算器44の出力が第2シグマ−デルタ変換器20に入力される構成になっている。変調信号加算器44は、第1及び第2の加算器24、26と同様の加算器が使用可能であり、A/D変換器43としては任意のA/D変換器が使用可能である。
低周波数の変調信号がA/D変換器43に入力されると、値がMのデジタルデータに変換される。この値がMのデジタルデータ(変調信号)とフラクショナル値Fが変調信号加算器44に入力されると、(M+F)なる値の信号が出力される。ここで、フラクショナル値Fは平均分周制御数の小数部を生成するためのバイナリデータであり、変調信号Mは、変調信号として変調周波数の大きさを示すバイナリデータである。従って、第2のシグマ−デルタ変換器20からの出力が示す値の平均値は(M+F)/P、第2の加算器24からの出力の示す値の平均値は(F+(M+F)/P)、第1のシグマ−デルタ変換器22からの出力の示す値の平均値は(F/P+(M+F)/(P*P))、第1の加算器26からの出力の示す値の平均値は(N+F/P+(M+F)/(P*P))となり、これが整数分周器16の平均分周比となる。
従って、整数分周器16からの出力周波数fはfout/(N+F/P+(M+F)/(P*P))となり、発振器12からの出力周波数foutはfref*(N+F/P+(M+F)/(P*P))となる。つまり、可変周波数発振器12からの出力周波数foutは、変調信号のデジタルデータMに基づいて、周波数変調(FM変調)されていることがわかる。
なお、第1の実施の形態と同様に、基準周波数frefを分周器28によりfref/4に分周して、第2のシグマ−デルタ変換器20にクロックとして供給しているので、第2のシグマ−デルタ変換器20の電力消費、コスト、及びノイズを抑えることができる。
(第5の実施の形態の変形例)
第5の実施の形態においては、A/D変換器43からの変調信号の値Mをフラクショナル値Fと加算する構成であったが、フラクショナル値Fに加算する構成としても良い。このときは、変調信号加算器44には、A/D変換器43からの出力とフラクショナル値Fが入力され、さらに、変調信号加算器44の出力が第2の加算器24に入力される構成になる。
この変形例の場合には、出力周波数foutはfref*(N+(M+F)/P+F/(P*P))となる。従って、変調信号の示す値Mが発振器12の出力周波数に与える影響が第5の実施の形態に比べて大きくなる。つまり、同じ変調信号に対して、この変形例の方が、変調度を大きくすることが出来る。逆に述べると、第5の実施の形態の方が、狭帯域での周波数変調を行える。従って、周波数変調を行いたい帯域幅によって、変調信号を第5の実施の形態のようにフラクショナル値Fに加算するか、変形例のようにフラクショナル値Fに加算するか、構成を適宜決定すればよい。あるいは、フラクショナル値Fに加算又はフラクショナル値Fに加算する構造の両方に切り換えることができる構成としても良い。
なお、周波数変調の変調信号の値Mが示す周波数帯域は、発振器12からの出力周波数foutと比較して小さい。このため、上述したように変調信号をその値Mを同程度の大きさを有するフラクショナル値F又はFに加算した。ただし、これに限定されず、フラクショナル値の整数であるNに加算する構成としても良い。
この実施の形態では2つのシグマ−デルタ変換器を使用する第1の実施の形態を変形させた構成とした。しかしながら、その特徴部分であるフラクショナル値にデジタルデータである変調信号を重畳させるという構成は、例えば第1〜第3の実施の形態で説明した3つのシグマ−デルタ変換器を使用する構成においても付加することが出来る。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザ58について、図10を参照して説明する。
第5の実施の形態においては、変調信号をフラクショナル値FまたはFに加算していたが、第6の実施の形態においては、整数N及び複数のフラクショナル値に分割する前に、変調信号を加算する構成になっている。
すなわち、上述した全ての実施の形態においては、分周制御数の基になるデータは、小数点を挟んだ連続したビットにわたるバイナリデータであり、上述したように、このバイナリデータの整数に相当する部分を整数N、小数点以下に相当する部分をフラクショナル値としている。そして、フラクショナル値の最初の数ビットに相当する部分をフラクショナル値F、また、次に低いオーダー(桁)の数ビットをフラクショナル値F、以後同様に、さらに低いオーダー(桁)の数ビットをフラクショナル値Fとしている。そして、各部を分割した状態でそれぞれの加算器に入力しており、第5の実施の形態では、分割した後に変調信号Mを加算していた。
それに対し、この実施の形態では、分割する前の分周制御数のバイナリデータ(小数分周比データと称する。)そのものに、変調信号Mを加算する。
従って、図10に示すように、フラクショナルN周波数シンセサイザ58は、変調信号が入力されるA/D変換器43、A/D変換器43でデジタルデータに変換された変調信号Mと小数比データとが入力される変調信号加算器46、及び、変調信号加算器46からの出力が分割される分割器48を有している。また、分割器48によって分割された各出力のうち、整数Nは第1の加算器26に、第1のフラクショナル値Fは第2の加算器24に、及び、フラクショナル値Fは第2のシグマ−デルタ変換器20にそれぞれ入力される。A/D変換器43及び変調信号加算器46については通常のA/D変換器及び加算器を使用すればよい。分割器48は、上述の全ての実施の形態においては説明しなかったが、所望の分周制御数を整数と複数のフラクショナル値に分割する場合において使用するものである。その構成は任意であり、要するに、連続したビットの連続である分周制御数を各部に分けて取り出すことが出来ればよい。例えば、分割器48は、変調信号加算器46の出力するバイナリデータから、小数点以上のビット列を抽出して得られる整数N、小数点以下第1桁から第8桁のビット列を抽出して得られる8ビットのフラクショナル値F(フラクショナル値Fだけをとらえれば8ビットの整数値)と、小数点以下第9桁から第16桁のビット列を抽出して得られる8ビットのフラクショナル値F(フラクショナル値Fだけをとらえれば8ビットの整数値)と、に分割する。なお、分割器48から出力されるフラクショナル値FとFは、その値だけをとらえれば8ビットの整数値である。
ここで、バイナリデータとしての変調信号Mのうち、整数Nと同じオーダーに対応する信号(例えば、小数点以上のビット列)をMN、フラクショナル値Fと同じオーダーに対応する信号(例えば、小数点以下第1桁から第8桁のビット列)をM、フラクショナル値Fと同じオーダーに対応する信号(例えば、小数点以下第9桁から第16桁のビット列)をMとすると、foutはfref*(MN+N+(M+F)/P+(M+F)/(P*P))となる。つまり、発振器12からの出力周波数foutは、変調信号のデジタルデータMに基づいて、周波数変調(FM変調)されていることがわかる。
この実施の形態では2つのシグマ−デルタ変換器を使用する第1の実施の形態を変形させた構成とした。しかしながら、その特徴部分である小数分周比データにデジタルデータである変調信号を重畳させるという構成は、例えば第1〜第3の実施の形態で説明した3つのシグマ−デルタ変換器を使用する構成においても付加することが出来る。
(実施例)
上述においては、この発明のフラクショナルNシンセサイザの実施の形態について、構成要素を中心としてブロック図で説明してきた。
各実施の形態において、整数分周器に提供された整数は好適な出力周波数を得るために変化させることが出来る。しかしながら、プリスケールカウンタの値を変化させるような発明も可能である。このことと関連して、VHF及びUHFシンセサイザは通常、プリスケーラの前に設置されたCMOS整数分周器を使用した整数機能により分周を実施する。プリスケーラは比較的高速でありながら、CMOS整数分周器は比較的コストが低く電力消費も低い。ループ周波数を決めるためには、プリスケーラ及びCMOS整数分周器がプログラムされなければならない。従って、シグマ−デルタ・フラクショナルNシンセサイザは、典型的には、両方の要素がすべてのクロック周期においてプログラムされる必要がある。
ここで、シグマ−デルタ変換器の出力を常に負にしないために出力にバイアスをかけることにより、各クロックサイクルにおけるプリスケーラ及び整数分周器のプログラミングは単純化されうる。例えば、MASH111シグマ−デルタ変換器において、整数出力が0〜7のときには3という数が加算される。このようにすると、シグマ−デルタ変換器においてCMOS整数分周器を変化させる必要はなく、単にプリスケーラを変化させる必要があるだけである。これによって、インタフェース回路における速度要求は減少し、プリスケーラで使用されるカウンタは大部分の参照周期においては稼働していないので、次のサイクルの分周への負荷は重大な問題ではない。
このような概念に基づいて、この発明のフラクショナルNシンセサイザが汎用マイクロプロセッサを使用するソフトウェアを通じて実施されたときの実施例について、図11を参照して説明する。図11はこのようなソフトウェアのフローチャートを示す。
まず、「3」という値を加算するため、3段のMASH111シグマ−デルタ変換器Q1,Q2,Q3において、最終段の加算器において入力データに値「3」が加算される。
出力周波数foutは、整数部及び小数部を得るために、基準周波数frefによって決定されると共に除算される。ここで、小数部は3つのフラクショナル値、すなわち、frac1(小数点の後ろの最初の8ビット)、frac2(frac1の8ビットの後ろの次の7ビット)frac3(frac2の7ビットの後ろの次の8ビット)に分割される。
図11に示すように、frac2に関して述べると、frac2から3を減算し、必要ならより高い位のフラクショナル値(frac1)及び整数から数字を借りるというルーチンが形成されている。より具体的には、frac2が3未満かどうか判別する。そうでなければ(3以上であれば)、修正されたfrac2、即ち、frac2’を提供するために、frac2から3を減算する(frac2’=frac2−3)。
rac2が3未満であれば、修正されたfrac2’をfrac2+253(つまり、(2−3)である。)に設定し、frac1−1に等しい修正されたfrac1’を提供するためにfrac1から1を減算する(frac1’=frac1−1)。frac1が1未満であるときは、整数から1を減算し(修正された整数’=整数−1)、修正されたfrac1’をfrac1+255(つまり、(2−1)。)とする。修正されたfrac2’は適切なシグマ−デルタ変換器の前に設置された加算器、例えば、図6に示した実施の形態においては第2のシグマ−デルタ変換器32の下流に設置された第3の加算器36へ入力されるフラクショナル値として使用される。同様の減算スキームがfrac1においても適用される。
MASH111シグマ−デルタ変換器は−3〜+4の範囲の整数を出力するので、frac2(そして他の任意のフラクショナル値)からの減算は有益である。このようにして、第3のシグマ−デルタ変換器30(図6に示した実施の形態において。)の出力にフラクショナル値Fが加算されると、第3の加算器36の加算結果は、フラクショナル値Fが3未満であれば、負の信号になる。このことによって、第2のシグマ−デルタ変換器32が負の信号を補償するために不必要に複雑になってしまう(シグマ−デルタ変換器は基本的には正の入力のみに対して設計されているという観点による)。シグマ−デルタ変換器の前に設置された他のシグマ−デルタ変換器の出力へのフラクショナル値Fの加算と同様に、第2のシグマ−デルタ変換器32の出力へフラクショナル値Fが加算されると同様の問題が発生する。
この問題を解決するために、どのシグマ−デルタ変換器の出力も0〜7の範囲の整数(−3〜+4のかわりに)が加算される。シグマ−デルタ変換器からの出力や平均的な周波数におけるこのような増加を補償するために、加算器を経由してシグマ−デルタ変換器に加算された全ての数(フラクショナル値又は整数)から3が減算される。3を減算すると言うことは、次に大きいフラクショナル値(または整数)から数字を借りることが必要であることを意味している。この借りる処理は、全てのクロックサイクルにおいて必要ではなく、周波数が変化したときに一度前もって演算されればよい。
図11においては、さらに付加的な処理がfrac1に関して実施されている。具体的には、frac1が6未満であるならば、修正された整数’を「整数−4」に設定し、修正されたfrac1’を「frac1+250」に設定する。一方、frac1が6未満でないときには、修正された整数’を「整数−3」に設定し、修正されたfrac1’を「frac1−6」に等しくなるように設定する。修正されたfrac1’は、適切なシグマ−デルタ変換器に導く加算器、すなわち図6に示したの実施の形態においてはシグマ−デルタ変換器34の前に設置された加算器38に供給される。修正された整数’は整数分周器16の前に設置された加算器40に供給される。
整数及びフラクショナル値frac1,frac2,frac3の処理は、周波数が変化したときのみ実施される。この処理は、パーソナルコンピュータ内のプロセッサ、製品内の主プロセッサ又はキーボード制御ユニットによって実行される。新しい出力周波数に対する整数及びフラクショナル値を前もって演算することによって、シグマ−デルタ変換器上の演算負荷をさらに減少させることが出来る。
シグマ−デルタ変換器の問題点の1つは、ある入力数に対しては、好適なとても長いパターンや、好適なノイズのようなパターンではなく、とても短いパターンを生成する可能性があることである。周波数シンセサイザにおいては、これらのパターンは望ましくないスプリアスな位相変調を生成する。カスケード状の設計において、他のシグマ−デルタ変換器に駆動されるシグマ−デルタ変換器(すなわち、他のシグマ−デルタ変換器から出力を受け取るシグマ−デルタ変換器である。)にとっては、定常的な入力ではなく下流のシグマ−デルタ変換器のノイズのような出力により駆動されるので、このような問題は発生しない。
これに対し、カスケード状設計の最初の段階において、すなわち最も下流のシグマ−デルタ変換器にとっては、この問題点を解決するためにいくつかの技術が使用されている。Miller,米国特許第5,038,117号によると、LSBを「1」に設定することが提案されている。また変化し続ける信号を使用する方法も提案されている。これらの技術はこの発明においても使用することが出来る。
しかしながら、この発明のソフトウェアの実施において、4回サイクルするごとにおいてもLSBに1を加算可能なことが発見された。これは、パターンをうち破るのに有用であり、構成が複雑にならない。
以上のように、上述した従来のフラクショナルNシンセサイザに顕著な効果を与えるフラクショナルN周波数シンセサイザについて説明してきた。この発明のこのようなシンセサイザは、無線の分野に限定されない様々な分野において使用可能である。
この発明の特定の実施の形態について示し説明したが、これらの技術を変化させたり変更したものは広い視野においてはこの発明とは差異をなすものではなく、従って、補足した請求項の目的は、そのような変化や変更をこの発明の真の思想及び技術範囲内に含むことである。
従来の周波数シンセサイザを示すブロック図である。 従来のアナログフラクショナルN合成を使用した周波数シンセサイザを示すブロック図である。 従来のシグマ−デルタ変換器を使用したフラクショナルN周波数シンセサイザを示すブロック図である。 従来のシグマ−デルタ変換器を示すブロック図である。 第1の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザを示すブロック図である。 第2の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザを示すブロック図である。 第3の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザを示すブロック図である。 第4の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザを示すブロック図である。 第5の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザを示すブロック図である。 第6の実施の形態のフラクショナルN周波数シンセサイザを示すブロック図である。 この発明のフラクショナルN周波数シンセサイザの実施例の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10,50,52,54,56,58 フラクショナルN周波数シンセサイザ
12 可変周波数発振器(VCO)
14 位相検知器
16 整数分周器
18 ループフィルタ
20,22,30,32,34 シグマ−デルタ変換器
24,26,36,38,40 加算器
28,42 周波数分周器
43 A/D変換器
44,46 変調信号加算器
48 分割器

Claims (16)

  1. 基準周波数信号と比較周波数信号とを入力し、両入力信号の位相を比較し、位相差に対応する制御信号を出力する位相検知器と、
    当該制御信号を濾波するループフィルタと、
    前記ループフィルタにより濾波された制御信号を入力し、この制御信号に従って修正した周波数の信号を出力する可変周波数発振器と、
    当該可変周波数発振器の出力信号と時間軸上で変動する整数値を示す分周制御信号とを入力して、当該出力信号を分周制御信号が示す整数値で分周することにより、整数部(N)と少なくとも2つの異なる値から構成される小数部とから形成される値(N+F)で表される平均分周比で前記出力信号を分周し、分周した出力信号を前記比較周波数信号として前記位相検知器に出力する整数分周器と、
    少なくとも2つのシグマ−デルタ変換器を備え、それぞれのシグマ−デルタ変換器は前記少なくとも2つの異なる値のうちの対応する1つを主に処理しており、主に論理的に小さい方の値を処理するシグマ−デルタ変換器の方が、主に論理的に大きい方の値を処理するシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で動作するように構成され、その平均値の小数部が前記平均的分周比の小数部(F)に一致するような値を生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成された前記値と所定の整数値とを加算して、平均値が前記平均分周比となるような整数値を示す分周制御数を形成し、当該分周制御数を前記整数分周器に出力する第1の加算器と、
    を備えることを特徴とするフラクショナルN合成を利用した周波数シンセサイザ。
  2. 前記生成手段は、
    第2のフラクショナル値(F)を入力し、平均値が(F/P)となる値を出力する第2のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と、
    前記第2のシグマ−デルタ変換器が出力した値と第1のフラクショナル値(F)とを加算し、平均値が(F+F/P)である合計値を出力する第2の加算器と、
    前記第2の加算器から出力される合計値を入力し、前記平均的分周比の小数部(F)に一致するような平均値(F/P+F/(P*P))を有する整数値を出力する第1のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と
    を備え、
    前記第2のシグマ−デルタ変換器は前記第1のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で駆動される
    ことを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ。
  3. 前記第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を分周することによって、前記第2のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を形成する周波数分周器を備えている、ことを特徴とする請求項2に記載の周波数シンセサイザ。
  4. 前記生成手段は、
    第3のフラクショナル値(F)を入力して平均値が(F/P)で表される値を出力する第3のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と、
    前記第3のシグマ−デルタ変換器が出力した値と第2のフラクショナル値(F)とを加算して、平均値が(F+F/P)で表される合計値を出力する第3の加算器と、
    前記第3の加算器からの合計値(F+F/P)を入力し、平均値が(F/P+F/(P*P))で表される値を出力する第2のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と、
    前記第2のシグマ−デルタ変換器が出力した値と第1のフラクショナル値(F)とを加算する第2の加算器と、
    前記第2の加算器からの合計値(F+F/P+F/(P*P))を入力し、平均値が前記平均的分周比の小数部に等しい(F/P+F/(P*P)+F/(P*P*P))となる値を出力する第1のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)と
    を備え、
    前記第2及び第3のシグマ−デルタ変換器は前記第1のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で駆動される
    ことを特徴とする請求項1に記載の周波数シンセサイザ。
  5. 前記第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を分周することによって、前記第2及び第3のシグマ−デルタ変換器を起動するクロック周波数を有する信号を形成する周波数分周器をさらに備えている、ことを特徴とする請求項4に記載の周波数シンセサイザ。
  6. 前記第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を分周することによって、前記第2のシグマ−デルタ変換器を起動するクロック周波数を有する信号を形成する第1の周波数分周器と、
    前記第2のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を分周することによって、前記第3のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数を有する信号を形成する第2の周波数分周器と、
    をさらに備えている、ことを特徴とする請求項4に記載の周波数シンセサイザ。
  7. 前記第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数は基準周波数である、ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
  8. 前記第1のシグマ−デルタ変換器を駆動するクロック周波数は前記整数分周器の出力周波数である
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
  9. 入力された変調信号をデジタルデータに変換して出力するA/D変換器と、
    前記デジタルデータ(M)といずれかのフラクショナル値(F又はF)とを加算する変調信号加算器と、
    をさらに備え、
    前記第2のシグマ−デルタ変換器又は第2の加算器には、それぞれフラクショナル値(F又はF)ではなく、前記変調信号加算器からの加算された出力である(M+F)又は(M+F)が入力される
    ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の周波数シンセサイザ。
  10. 入力された変調信号をデジタルデータに変換して出力するA/D変換器と、
    前記A/D変換器からのデジタルデータ(M)と(整数値N+フラクショナル値F+フラクショナル値F)とを加算する変調信号加算器と、
    前記変調信号加算器からの出力を、それぞれ整数部N、フラクショナル値F及びFのオーダーに相当するオーダー部分に分割して出力する分割器と
    をさらに備え、
    前記第1の加算器、前記第2の加算器、及び前記第2のシグマ−デルタ変換器には、それぞれN、F及びFではなく、前記分割器からの出力のうち、それぞれ前記整数値N、フラクショナル値F及びFのオーダーに相当する部分が入力される
    ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の周波数シンセサイザ。
  11. 位相検知器に基準周波数及び比較周波数信号を入力し位相を比較した結果を制御信号として出力するステップと、
    当該制御信号をループフィルタに入力し濾波するステップと、
    当該濾波された制御信号を調節可能な発振器に入力し、この制御信号にしたがって修正した出力周波数信号を出力するステップと、
    当該発振器からの出力周波数信号を整数分周器に入力するステップと、
    整数(N)及び少なくとも二つの異なる小数に分かれた小数部(F)で構成されている分周制御数(N+F)を前記整数分周器に入力するステップと、
    前記整数分周器において、前記発振器からの出力周波数信号を前記分周制御数で分周し、前記分周した周波数信号を前記比較周波数信号として出力するステップと
    を有する方法であって、
    前記分周制御数を前記整数分周器に入力するステップは、
    少なくとも二つのシグマ−デルタ変換器を順次に使用して、前記小数部を形成するための処理を行うステップであって、主に小さい方の小数を形成するための処理を行うシグマ−デルタ変換器が、主に大きい方の小数を形成するための処理を行うシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で動作するようにして行う前記分周制御数の小数部(F)を生成するステップと、
    前記小数部(F)と整数(N)とを第1の加算器に入力し加算して前記分周制御数を形成し、当該分周制御数を前記整数分周器に入力するステップと
    を有する
    ことを特徴とするフラクショナルN周波数シンセサイズ方法。
  12. 前記小数部生成ステップは、
    第2のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)に第2のフラクショナル値(F)を入力し第2の小数(F/P)を出力するステップと、
    第2の加算器に前記第2の小数(F/P)と第1のフラクショナル値(F)とを入力し加算するステップと、
    第1のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)に第2の加算器から合計値(F+F/P)を入力し、前記分周制御数の小数部(F)を構成する小数(F/P+F/(P*P))を出力するステップと
    を有し、
    前記第2のシグマ−デルタ変換器は前記第1のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で駆動される
    ことを特徴とする請求項11に記載のフラクショナルN周波数シンセサイズ方法。
  13. 前記小数部生成ステップは、
    第3のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)に第3のフラクショナル値(F)を入力し第3の小数(F/P)を出力するステップと、
    第3の加算器に前記第3の小数(F/P)と前記第2のフラクショナル値(F)とを入力し加算するステップと、
    第2のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)に前記第3の加算器から合計値(F+F/P)を入力し、第2の小数(F/P+F/(P*P))を出力するステップと、
    第2の加算器に前記第2の小数(F/P+F/(P*P))と第1のフラクショナル値(F)を入力し加算するステップと、
    第1のシグマ−デルタ変換器(状態数をPとする。)に前記第2の加算器から合計値(F+F/P+F/(P*P))を入力し、前記分周制御数の小数部を構成する小数(F/P+F/(P*P)+F/(P*P*P))を出力するステップと
    を有し、
    前記第2及び第3のシグマ−デルタ変換器は前記第1のシグマ−デルタ変換器より小さいクロック周波数で駆動される
    ことを特徴とする請求項11に記載のフラクショナルN周波数シンセサイズ方法。
  14. −Nから+M(但し、N及びMは共に正の整数とする。)までの範囲の整数を出力するように設計されたシグマ−デルタ変換器に入力するフラクショナル値を生成する方法であって、
    整数部及び小数部を有する分周制御数を得るために、好適な出力周波数を基準周波数で除算するステップと、
    前記小数部を複数の小数に分けるステップと、
    前記シグマ−デルタ変換器をカスケード状に接続するステップと、
    カスケード状に配置された前記シグマ−デルタ変換器の隣り合う一組の間と、最も上流のシグマ−デルタ変換器及び整数分周器の間とに加算器を設け、それぞれの加算器が前記シグマ−デルタ変換器からの出力、及び前記整数部又は前記小数部を入力できるように接続するステップと、及び
    それぞれの前記シグマ−デルタ変換器からの出力にNを加算するステップと、
    修正された小数部や修正された整数部を得るために、それぞれの前記加算器によって加算される小数部又は整数部からNを減算し、減算前の小数部の値がN未満のときは、より大きい小数部や整数部から数を借り、その結果、どの前記加算器における加算結果も0より大きいか等しくするステップと
    を有することを特徴とするフラクショナルN周波数シンセサイズ方法。
  15. 前記シグマ−デルタ変換器はMASH111であり、及び、
    Nの値は3、かつ、Mの値は4に等しい
    ことを特徴とする請求項14に記載のフラクショナルN周波数シンセサイズ方法。
  16. 修正された小数部及び修正された整数部を用いて前もって演算して修正された好適な出力周波数を算出し、その後、この好適な出力周波数に、出力周波数を変化させる
    ことを特徴とする請求項14に記載のフラクショナルN周波数シンセサイズ方法。
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