JP2004257196A - 屋根の換気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】屋根4の棟部分に設けた屋根開口部7の上方側に下部材12を設け、この下部材12の上方側に上部材13を設け、この上部材13の上方側に覆い部材14を設け、覆い部材14及び上部材13は上壁22,27とこの上壁22,27の梁行方向両縁から下方側に延びる側壁23,28とを備えており、これら覆い部材14と上部材13との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路37とすると共に、覆い部材14の側壁28下端と屋根4との間を通風路37の出入口30とし、下部材12と上部材13との間を屋根開口部7からの空気を排気させる排気通路35とし、この排気通路35を通風路37に連通させる連通口25を上部材13の上壁22に設け、上部材13の側壁23から軒側に向けて突出する風きり壁60を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根の換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋根の換気装置として、屋根の棟部分に屋根開口部を設け、この屋根開口部の上方側に該屋根開口部を覆うように下部材を設け、この下部材の上方側に該下部材を覆うように上部材を設け、この上部材の上方側に該上部材を覆うように覆い部材を設け、覆い部材及び上部材は上壁とこの上壁の梁行方向両縁から下方側に延びる側壁とを備えており、これら覆い部材と上部材との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路とすると共に、覆い部材の側壁下端と屋根との間を通風路の空気の出入口とし、下部材と上部材との間を屋根開口部からの空気を排気させる排気通路とし、この排気通路を通風路に連通させる連通口を上部材の上壁の軒側の端部側に設けたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
この屋根の換気装置にあっては、雨等の水が通風路の出入口から風と共に入ってくるので、この水が連通口,排気通路及び屋根開口を介して屋根裏に侵入するのを防止する必要がある。
この屋根裏への水の侵入を防止するために、従来のものにあっては、下部材から排気通路内に立ち上がる防水桟と、上部材から排気通路内に垂れ下がる防水桟とを空気の流通方向に交互に設けて、排気通路をラビリンス構造としている。
また、他の構造の屋根の換気装置として、屋根の棟部分に屋根開口部を設け、この屋根開口部の上方側に該屋根開口部を覆うように下部材を設け、この下部材の上方側に該下部材を覆うように上部材を設け、この上部材は上壁とこの上壁の梁行方向両縁から下方側に延びる側壁とを備えており、下部材の棟側には、屋根開口部に対応する排気口が形成され、下部材と上部材との間を屋根開口部からの空気を排気させる排気通路とすると共に、上部材の上壁の軒側に、前記排気通路の空気を排気する開口を形成しているものがある(特許文献2参照)。
【0004】
この換気装置にあっては、上方から降ってきて、上部材の上壁に形成された開口から侵入する雨水等は、上部材の側壁下端と下部材との間に設けられた排水用開口から排水されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−254492号公報 (第4〜6頁、図1)
【特許文献2】
特開平10−102707号公報 (図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載の屋根の換気装置にあっては、防水桟の数を多くすればするほど防水効果は大きいが、部品点数が多くなり、また組み付け工数も増えることで、経済的に不利であるという問題がある。
また、特許文献2に記載の屋根の換気装置にあっては、梁行方向一方から他方に流れる横風が吹いた場合、該横風は、上部材の上壁上面に沿って流れるため、上部材の上壁に形成された開口から侵入し易く、このため、横風と共に開口から侵入した雨水等が排気通路を経て屋根開口部から屋根裏へと侵入する可能性が大きい(この問題は特許文献1でも同様である)。
【0007】
この横風と共に侵入してくる雨水等の屋根裏への侵入を完全に防ぐには、通常内部(上部材と下部材との間)に複雑なラビリンス構造を採ることが考えられるが、内部に複雑なラビリンス構造を採ると、前記と同様の問題が生じる。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、内部の構造を複雑なものとすることなく、必要な防水機能を簡単に且つ経済的に高めることのできる屋根の換気装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が課題を解決するために講じた技術的手段は、屋根の棟部分に屋根開口部を設け、この屋根開口部の上方側に該屋根開口部を覆うように下部材を設け、この下部材の上方側に該下部材を覆うように上部材を設け、この上部材の上方側に該上部材を覆うように覆い部材を設け、覆い部材と上部材との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路とし、下部材と上部材との間を屋根開口部から通風路へと空気を排気させる排気通路とした屋根の換気装置において、
前記通風路の空気の出入口の内側に、該出入口から侵入する風の勢いを抑制するように、軒側から棟側に向けて凹設状とされた風圧抑制部を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、他の技術的手段は、屋根の棟部分に屋根開口部を設け、この屋根開口部の上方側に該屋根開口部を覆うように下部材を設け、この下部材の上方側に該下部材を覆うように上部材を設け、この上部材の上方側に該上部材を覆うように覆い部材を設け、覆い部材及び上部材は上壁とこの上壁の梁行方向両縁から下方側に延びる側壁とを備えており、これら覆い部材と上部材との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路とすると共に、覆い部材の側壁下端と屋根との間を通風路の空気の出入口とし、下部材と上部材との間を屋根開口部からの空気を排気させる排気通路とし、この排気通路を通風路に連通させる開口を上部材の上壁に設けた屋根の換気装置において、
上部材の側壁から軒側に向けて突出する風きり壁を設けたことを特徴とする。
【0010】
また、風きり壁を上部材の側壁の上下中途部に設け、開口を上部材の上壁から側壁の風きり壁上方側に亘って形成するのがよい。
また、覆い部材の側壁下端に、棟側に向けて延びるガイド壁を設けてもよい。
また、他の技術的手段は、屋根の棟部分に屋根開口部を設け、この屋根開口部の上方側に該屋根開口部を覆うように下部材を設け、この下部材の上方側に該下部材を覆うように上部材を設け、この上部材は上壁とこの上壁の梁行方向両縁から下方側に延びる側壁とを備えており、下部材と上部材との間に屋根開口部からの空気を排気させる排気通路を設けると共に、上部材の上壁の軒側の端部側に、前記排気通路の空気を排気する開口を形成している屋根の換気装置において、
前記上部材の上壁に形成された開口の近傍に、上部材の側壁から軒側に向けて突出する風きり壁を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、前記構成において、上部材の上方側に該上部材を覆うように覆い部材を設けており、この覆い部材と上部材との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路としているのがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図にもとづいて説明する。
図1〜4において、1は桁行方向に設けられた棟木であり、2は棟から軒に向けて設けられた垂木であり、これら棟木1と垂木2とで組み上げた(屋根4の)骨組上に野地板3が張り付けられており、この野地板3の上面側には、アスファルトルーフィング等の防水シート5が敷かれ、その上にスレート瓦等の屋根材6を葺くことで屋根4が主構成されている。
【0013】
この屋根4の棟部分には、垂木2,野地板3及び屋根材6等を切り欠いてなる屋根開口部7が設けられ、この屋根開口部7の上方に、棟を挟む一対の屋根面4a間に跨るように、且つ屋根開口部7を覆うように換気装置10が設けられている。
なお、前記屋根開口部7の梁行方向両縁側には、屋根面4aを伝って雨水が屋根開口部7から浸入することを防ぐために、屋根面4a側から上方側に延びるように設けられた水切り部材11が設けられている。
【0014】
また、以下の説明において、屋根流れ方向での棟側を単に棟側、屋根流れ方向での軒側を単に軒側と呼ぶ。
前記換気装置10は、防腐加工が施された板金等で形成された下部材12と上部材13と覆い部材14とを備えている。
下部材12は、屋根開口部7の上方側に配置されていて、棟を挟む一対の屋根面4a間に跨るように且つ屋根開口部7を覆うように配置されて屋根4に取り付けられている。
【0015】
上部材13は、前記下部材12の上方側に且つ該下部材12を覆うように(下部材12に覆い被さるように)配置されていて、該下部材12に取り付けられている。
覆い部材14は、前記上部材13の上方側に且つ該上部材13を覆うように(上部材13に覆い被さるように)配置されていて、該上部材13に取り付けられている。
前記下部材12は、上壁16と、この上壁16の梁行方向(桁行方向に直交する水平方向)の両縁側(上壁16の両側の軒側の端部)から下方側に(屋根面4aに向けて)延びる側壁17と、この各側壁17の下端から屋根面4aに沿って梁行方向外方側に延びる設置壁18とを備えている。
【0016】
この下部材12の上壁16は、梁行方向中央部(屋根4の棟部分)で屈曲されていて屋根面4aの傾斜に対応する山形状(棟から梁行方向両外方に行くに従って下方に移行する傾斜状)に形成されている。
また、この上壁16の頂部(梁行方向中央側)には、屋根開口部7に上下方向で対向する(屋根開口部7の上方に位置する)排気口20が形成されており、この排気口20は、図2に示すように、桁行方向(下部材12の長手方向)に長い略矩形状に形成されている。
【0017】
設置壁18の軒側先端部は下方に曲げられた上で棟側に折り返された折り返し部19とされている。
また、この下部材12は、設置壁18を屋根面4a上に載置し、その上から釘等の締結具31を野地板3に達するまで打ち込むことで、屋根面4a上に固定されている。
設置壁18と屋根面4aとの間には、雨水が浸入することを防ぐべく防水材57が挟み込まれており、また、前記折り返し部19は、屋根面4aに圧着するようになっていて、雨水の浸入を防ぐようになっている。
【0018】
前記上部材13は、上壁22と、この上壁22の梁行方向の両縁側(上壁22の両側の軒側の端部)から下方側に(屋根面4aに向けて)延びる側壁23と、この各側壁23の下端から屋根面4aに沿って梁行方向内方側に延びる折曲壁24とを備えている。
この上部材13の上壁22は、下部材12と同様、梁行方向中央部(屋根4の棟部分)で屈曲されていて屋根面4aの傾斜に対応する山形状(棟から梁行方向両外方に行くに従って下方に移行する傾斜状)に形成されている。
【0019】
上部材13の側壁23は、下部材12の側壁17より軒側に位置する。
また、上部材13の側壁23下端の折曲壁24は、上部材13と下部材12との間に一定の空間を保つように下部材12の設置壁18上に載置され、この上部材13と下部材12との間の空間が屋根開口部7からの空気を排気する排気通路35となっている。
この排気通路35は、詳しくは、下部材12の上壁16と上部材13の上壁22とに挟まれた空間、及び、それに続く下部材12の側壁17と上部材13の側壁23とに挟まれた空間で構成されている。
【0020】
なお、上部材13の折曲壁24と、下部材12の設置壁18との間には、雨水が浸入することを防ぐべく防水材57が介装されている。
また、上部材13の上壁22の梁行方向両端側(上部材13の上壁22の両方の軒側)には、それぞれ連通口(開口)25が設けられており、この連通口25は、図2に示す如く、桁行方向(上部材13の長手方向)に長い略矩形状に形成されている。
前記排気通路35の梁行方向両側には、邪魔板38が設けられ、この邪魔板38と下部材12の側壁17とで前記排気通路35がラビリンス(迷路)構造とされている。
【0021】
この邪魔板38は、下部材12や上部材13とは別の部材であり、連通口25と桁行方向で略同じ長さに形成されていて、連通口25に対応する位置に設けられている。
さらに、図3及び図4に示すように、各邪魔板38は、上部材13の上壁22と重合する重合部39と、この重合部39の軒側端から梁行方向外方に向かうに従って下方に移行する傾斜方向に延びる傾斜壁部40と、この傾斜壁部40の軒側端から屋根面4aに向けて垂下する垂下壁部41とを有している。
【0022】
この邪魔板38は、重合部39が上部材13の上壁22下面に重合すると共に、垂下壁部41が連通口25の棟側縁に略対応する位置に位置するように、上部材13に取り付けられている。
前記覆い部材14は、上壁27と、この上壁27の梁行方向の両縁側(上壁27の両側の軒側の端部)から下方側に(屋根面4aに向けて)延びる側壁28と、この各側壁23の下端から屋根面4aに沿って梁行方向内方側に延びるガイド壁29とを備えている。
【0023】
この覆い部材14の上壁27は、下部材12及び上部材13と同様、梁行方向中央部(屋根4の棟部分)で屈曲されていて屋根面4aの傾斜に対応する山形状(棟から梁行方向両外方に行くに従って下方に移行する傾斜状)に形成されている。
また、この覆い部材14の側壁28は、上部材13の側壁23より軒側に位置する。
この覆い部材14は、上部材13との間に一定の空間を保つように、上部材13の上方に配置されており、かかる覆い部材14と上部材13との間の空間が、梁行方向一端側から他端側にわたる通風路37とされている。
【0024】
すなわち、上部材13と覆い部材14との上壁22,27間、及び、側壁23,28間の空間が通風路37であり、覆い部材14の側壁28の下端は、屋根面4aと所定間隔をおいて位置しており、この覆い部材14の側壁28の下端と屋根面4aとの間(図例では、覆い部材14の側壁28の下端と下部材12の設置壁18との間)が、通風路37の空気(風)の出入口30とされている。
また、通風路37は、前記連通口25を介して排気通路35と連通されている。
【0025】
前記上部材13の上壁22上面の梁行方向両側の端部側には(連通口25の近傍には)、上部材13の側壁23の上端から軒側に向けて突出する風きり壁60が設けられている。
この風きり壁60は、上部材13の上壁22に桁行方向にわたって重合固定され、風きり壁60の、上部材上壁22と重合する部分の、連通口25に対応する部分は切り欠かれている。
また、この風きり壁60は、覆い部材14の側壁28下端(出入口30上縁、ガイド壁29)よりも上方に位置する。
【0026】
この風きり壁60と、上部材13の側壁23と、下部材12の設置壁18とで、軒側から棟側に向けて凹設状とされた風圧抑制部61が構成されている。
本実施の形態に係る換気装置10における換気は以下のように行われる。
すなわち、外部からの空気は、図1に点線の矢印bで示す如く、通風路37の一方の出入口30から侵入し、通風路37内を通って通風路37の他方の出入口30から外部に排出される。
一方、屋根開口部7からの排気は、図1に実線の矢印aで示す如く、排気口20を通って排気通路35に入り、連通口25まで到達し、この連通口25を介して屋根4内部からの排気が通風路37に入り込み、通風路37の出入口30から外部に排気される。
【0027】
また、通風路37の出入口30から侵入した外気は、連通口25から排気通路35に侵入する場合があり、このとき、通風路37の出入口30から侵入する風の勢いが強いと、前記風きり壁60がない場合、該風と一緒に雨水等の水が侵入してきたときに、該水が連通口25を介して排気通路35に入り、屋根裏に至ることとなる(風きり壁60を設けないと、図3に点線cで示すように、通風路37の出入口30から侵入する横風は、上部材13の上壁22上面に沿って、通風路37内を低い位置で流れるため、連通口25から侵入しやすい)。
【0028】
しかしながら、本実施の形態にあっては、通風路37の出入口30を介して外部から屋根面4aに沿って侵入した風(外気)は、図3に実線dで示すように、上部材13の側壁23外面に沿って上方に向き変更すると共に風きり壁60にガイドされて向き変更し、該風きり壁60の軒側の端部側を迂回して通風路37の、上部材13と覆い部材14との上壁22,27間部分に流れる。
したがって、風きり壁60が出入口30から侵入して通風路37を流通する風の流通の抵抗となり、該風きり壁60によって通風路37の出入口30から侵入する風の勢いが抑制されるようになっている。
【0029】
このように、風きり壁60によって通風路37の出入口30から侵入する風の勢いを抑制することにより、雨水等の侵入を通風路37の出入口30の内側付近で防止し、連通口25を介しての排気通路35への水の侵入を防止できる。
また、換言すると、本発明にあっては、通風路37の空気の出入口30の内側に、風圧抑制部61を設けることにより、出入口30から侵入する風の風圧を著しく低下させることができ、これにより、屋根裏への水の侵入を防止することができ、内部の構造を複雑なものとすることなく、換気装置10に必要な防水機能を簡単に且つ経済的に高めることができる。
【0030】
また、前記構成のものにあっては、図3に実線dで示すように、通風路37の出入口30から侵入する横風は、風切り壁60によって通風路37の高い位置に流されるため、該横風が連通口25から内部へ侵入し難いこととなり、これにより、横風に対する防水性が高められているともいえる。
また、覆い部材14の側壁28下端に設けられた、棟側に向けて延びるガイド壁29によって、通風路37の出入口30を介して外部から屋根面4aに沿って侵入する風を風圧抑制部61へと案内でき、これによって、前述した風の勢いの抑制効果を高めることができる。
【0031】
また、本実施の形態では、一定の空間を保持しながら、換気装置10の各部材12,13,14を上下方向に配置するために、図1,4に示す如く、当該換気装置10には、下部材12と上部材13とを連結する第1連結部材44と、上部材13と覆い部材14とを連結する第2連結部材45とが設けられている。
これら第1連結部材44及び第2連結部材45は、剛性のある片状の金具により構成されている。
第1連結部材44は、上壁部46と、上壁部46の屋根流れ方向両縁から下方に突出した一対の垂下部47と、各垂下部47の先端から棟側に突出して上壁16に接する下壁部48とを有している。
【0032】
第2連結部材45は、第1連結部材44と略同一の形状であって、上壁部46と、上壁部46の屋根流れ方向両縁から下方に突出した一対の垂下部47と、各垂下部47の先端から棟側に突出して上壁22に接する下壁部48とを有している。
屋根面4a上に配置された下部材12において、下部材12の上壁16の外側(上面側)で且つ軒側に第1連結部材44の下壁部48が当接するように配置され、リベット等で互いが締結されている。このとき、垂下部47から下壁部48が棟側に突出するように第1連結部材44は配置されている。
【0033】
この第1連結部材44の上方から上部材13が覆い被さるように配置されている。すなわち、上部材13の上壁22の内側(下面側)で且つ軒側に、前記第1締結部材の上壁部46が接するようになっている。
加えて、第1連結部材44と上部材13の上壁22との間には、前記邪魔板38の重合部39が挟み込まれており、上部材13の上壁22の外側からビス等の締結具33により、第1連結部材44と上部材13と邪魔板38とが互いに連結されて一体となっている。
【0034】
この第1連結部材44の垂下部47により、上部材13と下部材12との間に上下方向に一定の空間が形成され、排気通路35が形成されている。
前記上部材13の上壁22の外側で且つ軒側には、第2連結部材45の下壁部48が棟側を向き且つ当接するように配置され、リベット等で互いが締結されている。
また、風きり壁60の上部材上壁22との重合部分は、第2連結部材45の軒側の下壁48と上部材上壁22との間に挟み込まれてリベット等の締結具32によって、風きり壁60と第2連結部材45の軒側の下壁48と上部材13の上壁22とが強固に連結されている。
【0035】
また、第2連結部材45の棟側の下壁部48と、上部材13の上壁22と、前記邪魔板38の重合部39とは、リベット等の締結具32で固定されており、強固に連結されている。
第2連結部材45の上壁部46には、覆い部材14の上壁27の内側で且つ軒側が当接するようになっている。その上で、上壁27の外側からビス等の締結具33で両者を締結するようになっている。
この第2連結部材45の垂下部47により、覆い部材14と上部材13との間に上下方向に一定の空間が形成され、その部分が通風路37となっている。
【0036】
前記第1及び第2連結部材45の幅は、覆い部材14及び上部材13及び下部材12を連結し支えるに足る強度を有するものであればよい。
また、第1及び第2連結部材45は、上下で略一致する位置に設けられ、桁行方向には略同一間隔をもって設けられているが、位置ズレしていてもよい。
一方、前記換気装置10の桁行方向両側にあっては、図2に示す如く、下部材12の両側に、上方から棟上の棟包み50が覆い被さるように配置されて、下部材12の上壁16上に棟包み50の上壁部51の棟側(梁行方向中央側)が面接するようになっている。
【0037】
上部材13の桁行方向両側には、それぞれ閉塞板54が設けられており、この閉塞板54は、棟包み50の端部に略垂直に当接するようになっており、下部材12の上壁16に重なり合っていない棟包み50の上壁部51(すなわち棟包み上壁部51の軒側)と棟包み50の側壁52との間の空間を塞ぐようになっている。
なお、当該閉塞板54は、上部材13の上壁22の軒側と側壁23とに固定された略四角形の板からなるものであり、上部材13を屈曲成形する際に同時に屈曲成形するものであってもよく、別途製作した板を溶着することで形成してもよい。
【0038】
また、覆い部材14の桁行方向両側には、閉塞板55が側壁28と略同高さで設けられている。
この閉塞板55の下端部は、棟包み50の上壁部51にほぼ垂直に突き当たるように配置されており、前記閉塞板54と同様に換気装置10内に棟包み50を伝って雨水が入り込むことを防ぐようになっていると共に、桁行方向から空気が入らないようになっている。
雨水等の浸入をより効果的に防ぐために、閉塞板55が棟包みの上壁部51に当接している部分にはシーリング材を塗布しておくことが好ましい。
【0039】
前述の如く、棟包み50の切り取られた部分に設けられた換気装置10は、下部材12の上壁16に棟包み50の上壁部51が上方から重合し、棟包み50の側壁部52より棟側に下部材12の側壁17が配置されるようになっている。
したがって、下部材12の側壁17と上部材13の側壁23とで挟まれた空間、すなわち、排気通路35の一部が棟包み50内部に設けられると共に、換気装置10の下部が棟包み50の下方に位置する構成となっている。
これにより、棟包みの上に下部材が配置され、その上方に排気通路が形成される従来の換気装置に比べ、屋根4の棟部に設置された当該換気装置10はその高さを十分に低くすることが可能となっている。
【0040】
本実施形態にかかる屋根の換気装置10の設置方法は以下の通りである。
換気装置10を取り付ける場合、まず、屋根開口部7が形成されている部分の棟包み50を切り開いて取り去る。
次に、下部材12を一対の屋根面4a,4a間に跨らせ且つ棟包み50の開口された部分に嵌め込むように配置し、下部材12の設置壁18を防水材57を介して屋根面4a上に載置して、釘等の締結具31を上から打ち付けることで固定する。
【0041】
なお、下部材12の上壁16には、それぞれ複数の第1連結部材44がリベット等の締結具32により固定されている。
その後、下部材12の桁行方向側部に、取り去られていない棟包み50の端を覆い被せるように配置する。
さらに、複数の第2連結部材45及び邪魔板38がリベット等の締結具32により固定されている上部材13を、下部材12の上方から載せ、ビス等の締結具33により第1連結部材44の上壁部46に固定する。
【0042】
この際、上部材13の折曲壁24と下部材12の設置壁18とが当接する部分には、防水材57を挟み込むことで雨水の浸入を防ぐようにすると共に、閉塞板54が前記棟包み50の端に略垂直に突き当たるようにする。
最後に、覆い部材14を上部材13の上から覆い被せ、該覆い部材14の上壁27を第2連結部材45の上壁部46上に載置する。
そして、この第2連結部材45の上壁部46と覆い部材14の上壁27とをビス等の締結具33で締め付け固定すればよい。この場合も、閉塞板55の下端部が棟包み傾斜部51の外側に突き当たるようにする。
【0043】
図5は、第2の実施の形態に係る換気装置10を示しており、この実施の形態にあっては、風きり壁60を上部材13の側壁23の上下中途部に設け、連通口25を上部材13の上壁22から側壁23の風きり壁60上方側に亘って形成されている。
もし、風きり壁60を設けないとした場合、連通口25を上部材13の上壁22から側壁23にわたって形成すると、連通口25から排気通路35に水が侵入する度合いが高くなるが、風きり壁60を設けることにより、通風路37の出入口30から侵入する雨水を含んだ風の勢いを抑制することができ、これによって、水の侵入を防止できるので、連通口25を上部材13の上壁22から側壁23にわたって形成でき、連通口25を上部材13の上壁22から側壁23にわたって形成することにより、連通口25を前記第1の実施の形態と梁行方向に同じ幅で広い面積の開口とすることができる。
【0044】
その他の構成は、前記第1の実施の形態と略同様に構成される。
図6は、第3の実施の形態に係る換気装置10を示しており、この実施の形態にあっては、上部材13の上壁22の連通口25に対応する部分を梁行方向外方に向かうに従って下方に移行する傾斜状としたものであり、この実施の形態にあっても、連通口25を前記第1の実施の形態と梁行方向に同じ幅で広い面積の開口とすることができる。
その他の構成は、前記第1の実施の形態と略同様に構成される。
【0045】
前記第1〜3の各実施の形態において、図7に例示するように、覆い部材14の側壁28の下端側にガイド壁29がなくても本願発明の風の勢いの抑制効果は十分にある。
なお、本発明にかかる屋根の換気装置10は、前記実施の形態に限定されるものではなく種種設計変更可能である。
例えば、前記各実施の形態の換気装置10において、覆い部材14は設けられていなくてもよい(覆い部材14が設けられていないタイプの屋根の換気装置に風切り壁60を採用してもよい)。
【0046】
この場合、上部材13の上方から降ってきて、上部材13の上壁22に形成された開口(連通口)25から侵入する雨水等を排水するために、上部材13の側壁23下端と、屋根面4a又は下部材12との間に排水用開口が設けられる。
このものにあっても、梁行方向一方から他方に流れる横風が吹いた場合、該横風は、開口25の直ぐ手前に設けられた風きり壁60によって、上部材13の上壁22の開口25の上方側の比較的高い位置に案内されるので、梁行方向一方から他方に流れる横風が開口25を介して内部側に侵入する惧れを極めて少なくでき、覆い部材14が設けられていないタイプの換気装置10であっても、雨水を含んだ横風に対しての換気装置10の防水性を高めることができ、さらに、覆い部材14を設けることにより、積雪や上からの雨に強い構造の換気装置10となる。
【0047】
また、前記構成の換気装置10において、下部材12の排気口20や上部材13の連通口25は、図2に示すような桁行方向に長い矩形である必要はなく、多数の円形孔によって構成されるものであってもよい。
さらに、図1において、外気は通風路37を左から右へ流れている状態を図示しているが、右から左へ流れてもよく、その方向が適宜変化するものであっても、換気装置10の換気性能には何ら影響を及ぼすものではない。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、屋根の棟部分に屋根開口部を設け、この屋根開口部の上方側に該屋根開口部を覆うように下部材を設け、この下部材の上方側に該下部材を覆うように上部材を設け、この上部材の上方側に該上部材を覆うように覆い部材を設け、覆い部材と上部材との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路とし、下部材と上部材との間を屋根開口部から通風路へと空気を排気させる排気通路とした屋根の換気装置において、前記通風路の空気の出入口の内側に、該出入口から侵入する風の勢いを抑制するように、軒側から棟側に向けて凹設状とされた風圧抑制部を設けたことにより、内部の構造を複雑なものとすることなく、換気装置に必要な防水機能を簡単に且つ経済的に高めることができる換気装置を提供することができる。
【0049】
また、屋根の棟部分に屋根開口部を設け、この屋根開口部の上方側に該屋根開口部を覆うように下部材を設け、この下部材の上方側に該下部材を覆うように上部材を設け、この上部材の上方側に該上部材を覆うように覆い部材を設け、覆い部材及び上部材は上壁とこの上壁の梁行方向両縁から下方側に延びる側壁とを備えており、これら覆い部材と上部材との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路とすると共に、覆い部材の側壁下端と屋根との間を通風路の空気の出入口とし、下部材と上部材との間を屋根開口部からの空気を排気させる排気通路とし、この排気通路を通風路に連通させる連通口を上部材の上壁に設けた屋根の換気装置において、上部材の側壁から軒側に向けて突出する風きり壁を設けたことにより、通風路の出入口から侵入する風を風きり壁によって抑制でき、内部の構造を複雑なものとすることなく、換気装置に必要な防水機能を簡単に且つ経済的に高めることができる換気装置を提供することができる。
【0050】
また、風きり壁を設けて、通風路の出入口付近で水の侵入を防止することにより、連通口を上部材の側壁にも形成でき、そして、風きり壁を上部材の側壁の上下中途部に設け、連通口を上部材の上壁から側壁の風きり壁上方側に亘って形成することにより、連通口を大きな面積の開口とすることができる。
また、覆い部材の側壁下端に、棟側に向けて延びるガイド壁を設けることにより、風きり壁による風の抑制効果を向上させることができる。
また、屋根の棟部分に屋根開口部を設け、この屋根開口部の上方側に該屋根開口部を覆うように下部材を設け、この下部材の上方側に該下部材を覆うように上部材を設け、この上部材は上壁とこの上壁の梁行方向両縁から下方側に延びる側壁とを備えており、下部材と上部材との間に屋根開口部からの空気を排気させる排気通路を設けると共に、上部材の上壁の軒側の端部側に、前記排気通路の空気を排気する開口を形成している屋根の換気装置において、
前記上部材の上壁に形成された開口の近傍に、上部材の側壁から軒側に向けて突出する風きり壁を設けたことにより、梁行方向一方から他方に流れる横風が吹いた場合、該横風は、開口の直ぐ手前に設けられた風きり壁によって、上部材の上壁の開口の上方側の比較的高い位置に案内されるので、梁行方向一方から他方に流れる横風が開口を介して内部側に侵入する惧れを極めて少なくでき、たとえ覆い部材が設けられていないタイプの屋根の換気装置であっても、雨水を含んだ横風に対しての換気装置の防水性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る換気装置の梁行方向の面での断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る換気装置の分解斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る換気装置の連通口形成部分での断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る換気装置の連通口非形成部分での断面図である。
【図5】第2の実施の形態に係る換気装置の断面図である。
【図6】第3の実施の形態に係る換気装置の断面図である。
【図7】変形例に係る換気装置の断面図である。
【符号の説明】
4 屋根
7 屋根開口部
12 下部材
13 上部材
14 覆い部材
16 上壁
17 側壁
22 上壁
23 側壁
29 ガイド壁
30 出入口
35 排気通路
37 通風路
60 風きり壁
61 風圧抑制部
Claims (6)
- 屋根(4)の棟部分に屋根開口部(7)を設け、この屋根開口部(7)の上方側に該屋根開口部(7)を覆うように下部材(12)を設け、この下部材(12)の上方側に該下部材(12)を覆うように上部材(13)を設け、この上部材(13)の上方側に該上部材(13)を覆うように覆い部材(14)を設け、覆い部材(14)と上部材(13)との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路(37)とし、下部材(12)と上部材(13)との間を屋根開口部(7)から通風路(37)へと空気を排気させる排気通路(35)とした屋根の換気装置において、
前記通風路(37)の空気の出入口(30)の内側に、該出入口(30)から侵入する風の勢いを抑制するように、軒側から棟側に向けて凹設状とされた風圧抑制部(61)を設けたことを特徴とする屋根の換気装置。 - 屋根(4)の棟部分に屋根開口部(7)を設け、この屋根開口部(7)の上方側に該屋根開口部(7)を覆うように下部材(12)を設け、この下部材(12)の上方側に該下部材(12)を覆うように上部材(13)を設け、この上部材(13)の上方側に該上部材(13)を覆うように覆い部材(14)を設け、覆い部材(14)及び上部材(13)は上壁(27,22)とこの上壁(27,22)の梁行方向両縁から下方側に延びる側壁(28,23)とを備えており、これら覆い部材(14)と上部材(13)との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路(37)とすると共に、覆い部材(14)の側壁(28)下端と屋根(4)との間を通風路(37)の空気の出入口(30)とし、下部材(12)と上部材(13)との間を屋根開口部(7)からの空気を排気させる排気通路(35)とし、この排気通路(35)を通風路(37)に連通させる開口(25)を上部材(13)の上壁(22)に設けた屋根の換気装置において、
上部材(13)の側壁(23)から軒側に向けて突出する風きり壁(60)を設けたことを特徴とする屋根の換気装置。 - 風きり壁(60)を上部材(13)の側壁(23)の上下中途部に設け、開口(25)を上部材(13)の上壁(22)から側壁(23)の風きり壁(60)上方側に亘って形成したことを特徴とする請求項2に記載の屋根の換気装置。
- 覆い部材(14)の側壁(28)下端に、棟側に向けて延びるガイド壁(29)を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の屋根の換気装置。
- 屋根(4)の棟部分に屋根開口部(7)を設け、この屋根開口部(7)の上方側に該屋根開口部(7)を覆うように下部材(12)を設け、この下部材(12)の上方側に該下部材(12)を覆うように上部材(13)を設け、この上部材(13)は上壁(22)とこの上壁(22)の梁行方向両縁から下方側に延びる側壁(23)とを備えており、下部材(12)と上部材(13)との間に屋根開口部(7)からの空気を排気させる排気通路(35)を設けると共に、上部材(13)の上壁(22)の軒側の端部側に、前記排気通路(35)の空気を排気する開口(25)を形成している屋根の換気装置において、
前記上部材(13)の上壁(22)に形成された開口(25)の近傍に、上部材(13)の側壁(23)から軒側に向けて突出する風きり壁(60)を設けたことを特徴とする屋根の換気装置。 - 上部材(13)の上方側に該上部材(13)を覆うように覆い部材(14)を設けており、この覆い部材(14)と上部材(13)との間を、梁行方向一端側から他端側にわたって空気を流通させる通風路(37)としていることを特徴とする請求項5に記載の屋根の換気装置。
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JP2019044345A (ja) * | 2017-08-30 | 2019-03-22 | 株式会社トーコー | 屋根用板金役物に用いる積雪用換気カバー |
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