JP2005009197A - 換気棟 - Google Patents
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Abstract
【課題】側方から非常に強い雨水等を含む風が吹いた場合でも、十分な防水性能を確保できるようにする。
【解決手段】屋根の棟部分に設けた屋根開口部7の上方に、排気孔20を有する換気棟板11が設けられ、換気棟板11の内側に屋根開口部7からの排気を排気孔20から外部に排出するように換気通路39が形成された換気棟において、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して換気通路39を狭めるように、邪魔板部材13が換気棟板11の内側に揺動自在に設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】屋根の棟部分に設けた屋根開口部7の上方に、排気孔20を有する換気棟板11が設けられ、換気棟板11の内側に屋根開口部7からの排気を排気孔20から外部に排出するように換気通路39が形成された換気棟において、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して換気通路39を狭めるように、邪魔板部材13が換気棟板11の内側に揺動自在に設けられている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の屋根に設置される換気棟に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅等の屋根に設置される換気棟には、図11に示すように、屋根の棟部分に設けた屋根開口部71の上方に、棟を挟む一対の屋根面間に跨るように換気棟板72が設けられ、該換気棟板72は、一対の屋根面に沿うように山形状に形成された一対の傾斜部73を有し、一対の傾斜部73に排気孔76が設けられ、換気棟板72の下方に、棟板受け77が設けられ、排気孔76の下方に、棟板受け77に一体に形成した止水部材78が設けられて、止水部材78と棟板受け77との間に、屋根開口部71からの排気を棟側から軒側に流して排気孔76から外部に排出するように換気通路79が形成されたものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−78782号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば暴風雨等の側方から非常に強い風が吹いた場合に、風にのって排気孔76から雨水等が侵入して、止水部材78と棟板受け77との間の換気通路79から屋根開口部71側に流出して、防水性が損なわれる問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み、側方から非常に強い雨水等を含む風が吹いた場合でも、十分な防水性能を確保できるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、屋根の棟部分に設けた屋根開口部の上方に、排気孔を有する換気棟板が設けられ、換気棟板の内側に屋根開口部からの排気を排気孔から外部に排出するように換気通路が形成された換気棟において、前記排気孔から前記換気棟板内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して前記換気通路を狭めるように、邪魔板部材が換気棟板の内側に揺動自在に設けられている点にある。
【0006】
本発明の他の技術的手段は、前記換気棟板は、屋根面に沿うように形成された一対の傾斜部と、傾斜部の棟側端から下方に突出した起立部とを有し、前記排気孔は起立部に設けられ、排気孔から換気棟板内に侵入した水を止めるように、前記邪魔板部材が排気孔に対応して換気棟板の内側に設けられている点にある。
本発明の他の技術的手段は、前記排気孔から侵入する外気を堰き止めるように、排気孔に対向して換気棟板の内側に袋状部材が設けられ、邪魔板部材と袋状部材との間に換気通路の一部を構成する開閉通路が形成されており、前記邪魔板部材が、排気孔から換気棟板内に侵入する風の所定以上の風圧によって揺動して袋状部材に近づくことにより、前記換気通路が狭められる点にある。
【0007】
本発明の他の技術的手段は、前記排気孔は、前記起立部に庇部を軒側に切り起こすことにより形成されている点にある。
本発明の他の技術的手段は、前記換気棟板の下方に、換気棟板との間で前記換気通路を形成するように下部材が設けられ、前記邪魔板部材は、換気棟板又は下部材とは別体に構成されて、排気孔から換気棟板内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して換気通路を狭めるように、換気棟板材又は下部材に弾性体を介して連結されている点にある。
【0008】
本発明の他の技術的手段は、前記換気棟板の下方に、換気棟板との間で前記換気通路を形成する下部材が設けられ、前記邪魔板部材は、換気棟板又は下部材とは一体に構成されて、排気孔から換気棟板内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して換気通路を狭めるように、弾性変形自在又は撓み自在に形成されている点にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜7は、本発明に係る第1の実施の形態の換気棟の構造を示している。
図1において、1は棟木、2は垂木、3は野地板で、棟木1と垂木2とで組み上げた屋根の骨組み状に貼り付けられている。野地板3の上面に、アスファルトルーフィング等の防水シート5が敷かれ、その上にスレート瓦等の屋根材6が葺かれている。
【0010】
屋根4の棟部分に、野地板3及び屋根材6等を切り欠いてなる屋根開口部7が設けられ、この屋根開口部7の上方に、棟を挟む一対の屋根面4a、4b間に跨るように換気棟10が設けられている。なお、8は屋根開口部7に対応して設けられた水切り部材である。
図1〜3において、換気棟10は、換気棟板11と、左右一対の下部材12と、左右一対の邪魔板部材13と、左右一対の袋状部材14とを有している。
換気棟板11は、一対の屋根面4a、4bに沿うように山形状に形成された一対の傾斜部15と、一対の傾斜部15の外側端(軒側端)から下方に突出された一対の起立部16と、一対の起立部16の下端から屋根面4a、4bに添うように屋根流れ方向に突出された一対の設置部17とを有している。換気棟板の設置部17の外端部に、下側にU字状に折り返してなる折り返し部19が設けられている。
【0011】
換気棟板11の起立部16には、排気孔20が設けられ、この排気孔20は、桁行き方向(棟方向)に間隔をおいて複数設けられている。排気孔20は、起立部16に庇部21を軒側に切り起こすことにより形成され、庇部21は、円弧状に湾曲形成されている。
したがって、この庇部21は、排気孔20の軒側上方に位置し且つ上方から排気孔20を覆うようになっており、これにより、例えば、換気棟板11の上方から雪などが降った場合に、その雪で直接排気孔20を塞ぐことを防止することができる。
【0012】
換気棟板11の傾斜部15には、換気棟板11の固定用の取付孔22がバーリングにより環状に形成され、この換気棟板11の取付孔22の開口縁部23は上方に突出したものとなっている。
下部材12は、一対の傾斜部15の外側部側(軒側)の下方にそれぞれ配置され、防水材24を介して屋根面4a、4b上に設置されている。下部材12は、換気棟板11の傾斜部15に沿うように傾斜し且つ傾斜部15に当接する当接部27と、この当接部27の一端(棟側)から下方に突出した起立部28と、この起立部28の下端から棟側に突出する中板部29と、この中板部29の棟側端から下方に突出した下垂部30と、この下垂部30の下側端から屋根流れ方向の軒側に突出し且つ屋根面4a、4bに沿って配置される下板部31とを有している。この当接部27と起立部28と中板部29と下垂部30と下板部31とは、帯状の長い板を屈曲して成形したものであり、一体形成されている。
【0013】
下部材12の当接部27には、下部材12の固定用の取付孔25が設けられ、下部材12の中板部29には、排気口32が設けられている。下部材12の下板部31の軒側には、排水口33が設けられている。また、下部材12の下板部31には、下部材12の固定用の取付孔34が、バーリングにより環状に形成され、この取付孔34の開口縁部35は上方に突出したものとなっている。
したがって、図2に示すように、この下部材12の当接部27を、換気棟板11の下側から傾斜部15に当接し、下板部31の軒側端を換気棟板11の折り返し部19に嵌合して、スペーサ部材36を換気棟板11の取付孔22と下部材12の取付孔25、34に挿入して、スペーサ部材36を傾斜部15と下板部31との間に介在させ、換気棟板11の上方から釘、ねじ、ビス等の固定具37をスペーサ部材36の挿通孔38に挿入して、固定具37を野地板3に打ち付けることによって、換気棟板11と下部材12とを屋根面4a、4bに固定することができるようになっている。
【0014】
このように、換気棟板11と下部材12とを屋根面4a、4bに固定することにより、換気棟板11の内側において、換気棟板11と下部材12との間に屋根開口部7からの排気を排気孔20から外部に排出するように換気通路39が形成される。即ち、換気通路39は、換気棟板11の傾斜部15と下部材12の起立部28、中板部29とで囲まれた空間部分と、下部材12の当接部27、起立部28、中板部29、下垂部30、下板部31、及び換気棟板11の傾斜部15、起立部16等で囲まれる空間部分とに亘って上下に迂回するように形成されている。
【0015】
袋状部材14は、換気棟板11の内側の下方で、排気孔20に対向するように設けられており、下部材12の下板部31に重合する設置部40と、この設置部40の棟側端から起立して換気棟板11の起立部16に対向する立上板部41と、立上板部41の上端から軒側へ突出する風切り部42とを有している。そして、この設置部40と、立上板部41と、風切り部42とは、帯状の長い板を屈曲して成形したものであり、一体形成されている。袋状部材14の設置部40には、下板部31の排水口33に対応する位置に排水口43が設けられている。
【0016】
袋状板部14の立上板部41及び風切り部42は、排気孔20に対応して配置しており、これにより、排気孔20から侵入する外気の勢いを堰き止めるようになっている。
この袋状部材14は、換気棟板部材11と下部材12とを固定具37により固定する際に、下部材12の下板部31に設置部40を重合させ、設置部40の軒先側端部を換気棟板11の折り返し部19に嵌合することによって、袋状部材14は換気棟板11と下部材12とにより挟持される。
【0017】
なお、図10に示すように、この袋状板部材14の設置部40と下部材12の下板部31とを2つ折り状に折り曲げて、袋状板部材14と下板部12とを一体的に構成してもよい。
邪魔板部材13は、換気棟板11の内側の下方、即ち、下部材12の当接部27の軒側端部に揺動自在に設けられている。この邪魔板部材13は、屋根流れ方向に換気棟板11の起立部16(排気孔20)と袋状部材14との間に配置されており、邪魔板部材14と袋状部材13との間の空間部分は、換気通路39の一部を構成する開閉通路39aとされている。
【0018】
この邪魔板部材13は、帯状の長い板を側面断面視で略くの字状に屈曲したのもので、換気棟板11又は下部材12とは別体に構成されている。この邪魔板部材13は、取付板部45と止水部46とを有し、取付板部45と下部材12の当接部27の軒側端部との間にゴム等の弾性体47が設けられ、リベット等の締結具48を換気棟板11の傾斜部15と、当接部27と、邪魔板部材13の取付板部45及び弾性体47とに打ち付ける(締結する)ことにより、邪魔板部材13は、下部材12に弾性体47を介して連結されている。
【0019】
邪魔板部材13の止水部46は、取付板部45の軒側端部から下方(屋根面側)に突出すると共に、下方にいくにしたがって徐々に棟側(袋状部材14側)に向かうように傾斜しており排気孔20に対応する位置に配置されている。
即ち、邪魔板部材13が揺動していない静止した状態において、邪魔板部材13の止水部46の下側端部が、排水孔20の下側開口縁部よりも屋根面側(下方側)に突出するように止水部46は配置されており、これにより、邪魔板部材13の止水部46は、排気孔20から水等が換気棟板11内に侵入したときに、その水が邪魔板部材13よりも棟側に侵入しないように止水するようになっている。
【0020】
邪魔板部材13の止水部46は、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧を受けると、取付板部45が上方に押し上げられて弾性体47が収縮し、風の強さに応じて袋状部材14の風切り部42(袋状部材14の一部)に近づくように揺動して、邪魔板部材13と袋状部材14との間の開閉通路39aを狭め、邪魔板部材13の止水部46が袋状部材14の風切り部42に当接して、開閉通路39aを閉鎖するようになっている。
図5〜7に示すように、スペーサ部材36は、ゴムや弾性を有する合成樹脂等により円筒状に形成され、スペーサ部材36の軸心方向に、釘等の固定具37を挿通する挿通孔38が形成され、スペーサ部材36の上端部に、換気棟板11の取付孔22の開口縁部23を係止する上係止部51が設けられ、スペーサ部材36の下端部に、下部材12の取付孔34の開口縁部35を係止する下係止部51が設けられている。
【0021】
上係止部50は、スペーサ部材36の上端部外周面に没入形成した環状溝により構成され、上係止部50に換気棟板11の取付孔22の開口縁部23が外嵌されて、上係止部50で取付孔22の開口縁部23を上下移動不能に係止している。下係止部51は、スペーサ部材36の下端部に設けたフランジ部により構成され、下係止部51の外径は下部材12の取付孔34の孔径より大に形成され、下係止部51は取付孔34に挿通不能になっており、取付孔34の開口縁部35がスペーサ部材36の下係止部51の上方に外嵌されて、下係止部51で取付孔34の開口縁部35の下方移動を規制するように係止している。
【0022】
スペーサ部材36の上係止部50より上方に、上方に向けて徐々に小径となるテーパー部52が設けられ、テーパー部52は取付孔22、25に下側から挿通可能とされている。スペーサ部材36の下係止部51より上方側は、その外径が取付孔34の孔径と略同一に形成され、下取付孔34に挿通可能とされている。上記の如く上係止部50で取付孔22の開口縁部23を上下移動不能となるように係止すると共に、下係止部51で取付孔34の開口縁部35の下方移動を規制するように係止することにより、スペーサ部材36で換気棟板11と下部材12とを互いに離間しないように締結している。下部材12の接当部27の傾斜部15への接当及び下板部31の折り返し部19への圧接により、換気棟板11と下部材12との近接方向への移動が規制され、これにより、換気棟板11と下部材12とが相対移動不能に固定されている。
【0023】
上記実施の形態によれば、屋根開口部7から排出された排気は、図4に示すように矢印aで示す如く換気通路39を通って排気孔20から外部へ排出される。即ち、屋根開口部7から排出された排気は、下部材12の排気口32を通って、邪魔板部材13と袋状部材14との間の開閉通路39aに入り、開閉通路39aが開状態であれば、この開閉通路39aを通過して排気孔20から外部へ流出する。
一方、排気孔20から強い風が換気棟板11内(換気通路39)に侵入して、その風が所定以上の風圧であれば、図4の鎖線で示しように、風の風圧により邪魔板部材13の止水部46が袋状部材14側へ押されて揺動し、これにより、止水部46と風切り部42との間の開閉通路39aが閉鎖する。従って、例えば、暴風雨や暴風雪であっても、排気孔20から侵入した雨水等が、止水部46と風切り部42との間の開閉通路39aから屋根開口部7側に流出するのを、邪魔板部材13によって確実に防ぐことができて、十分な防水性能を確保することができる。
【0024】
また、邪魔板部材13が袋状部材14側へ揺動したときに、邪魔板部材13の止水部46が袋状部材14の風切り部42に当接するようになっているので、風切り部42がストッパとして働き、確実に開閉通路39aを閉鎖することが可能である。
なお、図10の鎖線で示すように、邪魔板部材13が袋状部材14側に揺動して開閉通路39aを閉鎖したときに、邪魔板部材13の止水部46の先端部が袋状部材14の立上板部41に当接し、且つ、邪魔板部材13の止水部46の中途部が風切り部42に当接するようにすれば、止水部46の先端部と止水部46の中途部との2箇所で開閉通路39aを閉鎖することができるので、より一層防水性能を向上させることができる。
【0025】
また、排気孔20から換気棟板11内に侵入した雨水等の水は、袋状部材14の設置部40を伝わって、袋状部材14の排水口43及び下部材12の排水口33から屋根面4a、4b上に排出される。排水口33、43がオーバーブローしても、残った水は、折り返し部19側から屋根面4a、4b上に排出される。このとき、下部材12と屋根面4a、4bとの間に防水材24が介在されているので、下部材12と屋根面4a、4bとの間に排水路を確保することができる。従って、換気棟板11内に侵入した水を、屋根面4a、4b上にスムーズに排水することができる。
【0026】
また、排気孔20から侵入する外気による風の勢いを袋状部材14により効果的に抑制することができ、袋状部材14の風切り部42によって、袋状部材14よりも棟側に水が侵入するのを止めることができる。
次に、本発明に係る第2の実施の形態の換気棟の構造について説明する。
図8に示すように、上記第1の実施の形態と同様に邪魔板部材13は、換気棟板11及び下部材12とは別体に構成されている。この邪魔板部材13は、第1の実施の形態とは異なり、換気棟板11の傾斜部15のみに弾性体47を介して連結されて、邪魔板部材13は、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して開閉通路39aを狭めるように揺動自在に設けられている。これにより、第1の実施の形態と同様に、暴風雨や暴風雪であっても、十分な防水性能を確保することができる。なお、その他の点は、第1の実施の形態と同様の構成である。
【0027】
次に、本発明に係る第3の実施の形態の換気棟の構造について説明する。
図9に示すように、邪魔板部材13は、下部材12と一体に形成され、邪魔板部材13の止水部46は、下部材12の当接部27から屋根面側に突出すると共に、下方にいくにしたがって徐々に棟側に向かうように傾斜している。また、邪魔板部材13が揺動していない静止した状態において、邪魔板部材13の止水部46の下側端部が、排水孔20の下側開口縁部よりも屋根面側(下方側)に突出するように止水部46は配置している。
【0028】
この止水部46は、弾性変形又は撓み変形し易くなるように、その板厚が薄く形成されており(例えば、0.35mm以下)、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧を受けることにより袋状部材14側に揺動して、開閉通路39aを狭めるように、弾性変形自在又は撓み自在に形成されている。
これにより、第1の実施の形態と同様に、暴風雨や暴風雪であっても、十分な防水性能を確保することができる。なお、その他の点は、第1の実施の形態と同様の構成である。
【0029】
また、上記第3の実施の形態では、邪魔板部材13の止水部46の板厚を薄くすることにより、止水部46を弾性変形又は撓み変形し易くなるようにしているが、これに代え、邪魔板部材13の止水部46の材質を弾性変形又は撓み変形自在のものに変更することによって、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧を受けることにより袋状部材14側に揺動して開閉通路39aを狭めるようにしてもよい。
さらに、第3の実施の形態では、邪魔板部材13を下部材12と一体に形成するようにしているが、これに代え、邪魔板部材13を、換気棟板11と一体に形成し、例えば弾性変形又は撓み変形し易くなるように形成して、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧を受けることにより袋状部材14側に揺動して開閉通路39aを狭めるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、側方から非常に強い雨水等を含む風が吹いた場合でも、十分な防水性能を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す換気棟の概略図である。
【図2】同換気棟の固定具及び邪魔板部材付近の断面図である。
【図3】同換気棟板と下部材と邪魔板部材と袋状部材の概略斜視図である。
【図4】同換気棟の換気通路及び開閉通路を流れる排気の説明図である。
【図5】同スペーサ部材の正面図である。
【図6】同スペーサ部材の平面図である。
【図7】同スペーサ部材の断面図である
【図8】第2の実施の形態を示す換気棟の邪魔板部材付近の断面図である。
【図9】第3の実施の形態を示す換気棟の邪魔板部材付近の断面図である。
【図10】袋状部材と下部材とを一体形成したときの、概略断面図である。
【図11】従来例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
4a、4b 屋根面
7 屋根開口部
10 換気棟
11 換気棟板
12 下部材
13 邪魔板部材
14 袋状部材
15 傾斜部
16 起立部
20 排気孔
39 換気通路
39a 開閉通路
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の屋根に設置される換気棟に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅等の屋根に設置される換気棟には、図11に示すように、屋根の棟部分に設けた屋根開口部71の上方に、棟を挟む一対の屋根面間に跨るように換気棟板72が設けられ、該換気棟板72は、一対の屋根面に沿うように山形状に形成された一対の傾斜部73を有し、一対の傾斜部73に排気孔76が設けられ、換気棟板72の下方に、棟板受け77が設けられ、排気孔76の下方に、棟板受け77に一体に形成した止水部材78が設けられて、止水部材78と棟板受け77との間に、屋根開口部71からの排気を棟側から軒側に流して排気孔76から外部に排出するように換気通路79が形成されたものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−78782号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば暴風雨等の側方から非常に強い風が吹いた場合に、風にのって排気孔76から雨水等が侵入して、止水部材78と棟板受け77との間の換気通路79から屋根開口部71側に流出して、防水性が損なわれる問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み、側方から非常に強い雨水等を含む風が吹いた場合でも、十分な防水性能を確保できるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、屋根の棟部分に設けた屋根開口部の上方に、排気孔を有する換気棟板が設けられ、換気棟板の内側に屋根開口部からの排気を排気孔から外部に排出するように換気通路が形成された換気棟において、前記排気孔から前記換気棟板内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して前記換気通路を狭めるように、邪魔板部材が換気棟板の内側に揺動自在に設けられている点にある。
【0006】
本発明の他の技術的手段は、前記換気棟板は、屋根面に沿うように形成された一対の傾斜部と、傾斜部の棟側端から下方に突出した起立部とを有し、前記排気孔は起立部に設けられ、排気孔から換気棟板内に侵入した水を止めるように、前記邪魔板部材が排気孔に対応して換気棟板の内側に設けられている点にある。
本発明の他の技術的手段は、前記排気孔から侵入する外気を堰き止めるように、排気孔に対向して換気棟板の内側に袋状部材が設けられ、邪魔板部材と袋状部材との間に換気通路の一部を構成する開閉通路が形成されており、前記邪魔板部材が、排気孔から換気棟板内に侵入する風の所定以上の風圧によって揺動して袋状部材に近づくことにより、前記換気通路が狭められる点にある。
【0007】
本発明の他の技術的手段は、前記排気孔は、前記起立部に庇部を軒側に切り起こすことにより形成されている点にある。
本発明の他の技術的手段は、前記換気棟板の下方に、換気棟板との間で前記換気通路を形成するように下部材が設けられ、前記邪魔板部材は、換気棟板又は下部材とは別体に構成されて、排気孔から換気棟板内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して換気通路を狭めるように、換気棟板材又は下部材に弾性体を介して連結されている点にある。
【0008】
本発明の他の技術的手段は、前記換気棟板の下方に、換気棟板との間で前記換気通路を形成する下部材が設けられ、前記邪魔板部材は、換気棟板又は下部材とは一体に構成されて、排気孔から換気棟板内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して換気通路を狭めるように、弾性変形自在又は撓み自在に形成されている点にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜7は、本発明に係る第1の実施の形態の換気棟の構造を示している。
図1において、1は棟木、2は垂木、3は野地板で、棟木1と垂木2とで組み上げた屋根の骨組み状に貼り付けられている。野地板3の上面に、アスファルトルーフィング等の防水シート5が敷かれ、その上にスレート瓦等の屋根材6が葺かれている。
【0010】
屋根4の棟部分に、野地板3及び屋根材6等を切り欠いてなる屋根開口部7が設けられ、この屋根開口部7の上方に、棟を挟む一対の屋根面4a、4b間に跨るように換気棟10が設けられている。なお、8は屋根開口部7に対応して設けられた水切り部材である。
図1〜3において、換気棟10は、換気棟板11と、左右一対の下部材12と、左右一対の邪魔板部材13と、左右一対の袋状部材14とを有している。
換気棟板11は、一対の屋根面4a、4bに沿うように山形状に形成された一対の傾斜部15と、一対の傾斜部15の外側端(軒側端)から下方に突出された一対の起立部16と、一対の起立部16の下端から屋根面4a、4bに添うように屋根流れ方向に突出された一対の設置部17とを有している。換気棟板の設置部17の外端部に、下側にU字状に折り返してなる折り返し部19が設けられている。
【0011】
換気棟板11の起立部16には、排気孔20が設けられ、この排気孔20は、桁行き方向(棟方向)に間隔をおいて複数設けられている。排気孔20は、起立部16に庇部21を軒側に切り起こすことにより形成され、庇部21は、円弧状に湾曲形成されている。
したがって、この庇部21は、排気孔20の軒側上方に位置し且つ上方から排気孔20を覆うようになっており、これにより、例えば、換気棟板11の上方から雪などが降った場合に、その雪で直接排気孔20を塞ぐことを防止することができる。
【0012】
換気棟板11の傾斜部15には、換気棟板11の固定用の取付孔22がバーリングにより環状に形成され、この換気棟板11の取付孔22の開口縁部23は上方に突出したものとなっている。
下部材12は、一対の傾斜部15の外側部側(軒側)の下方にそれぞれ配置され、防水材24を介して屋根面4a、4b上に設置されている。下部材12は、換気棟板11の傾斜部15に沿うように傾斜し且つ傾斜部15に当接する当接部27と、この当接部27の一端(棟側)から下方に突出した起立部28と、この起立部28の下端から棟側に突出する中板部29と、この中板部29の棟側端から下方に突出した下垂部30と、この下垂部30の下側端から屋根流れ方向の軒側に突出し且つ屋根面4a、4bに沿って配置される下板部31とを有している。この当接部27と起立部28と中板部29と下垂部30と下板部31とは、帯状の長い板を屈曲して成形したものであり、一体形成されている。
【0013】
下部材12の当接部27には、下部材12の固定用の取付孔25が設けられ、下部材12の中板部29には、排気口32が設けられている。下部材12の下板部31の軒側には、排水口33が設けられている。また、下部材12の下板部31には、下部材12の固定用の取付孔34が、バーリングにより環状に形成され、この取付孔34の開口縁部35は上方に突出したものとなっている。
したがって、図2に示すように、この下部材12の当接部27を、換気棟板11の下側から傾斜部15に当接し、下板部31の軒側端を換気棟板11の折り返し部19に嵌合して、スペーサ部材36を換気棟板11の取付孔22と下部材12の取付孔25、34に挿入して、スペーサ部材36を傾斜部15と下板部31との間に介在させ、換気棟板11の上方から釘、ねじ、ビス等の固定具37をスペーサ部材36の挿通孔38に挿入して、固定具37を野地板3に打ち付けることによって、換気棟板11と下部材12とを屋根面4a、4bに固定することができるようになっている。
【0014】
このように、換気棟板11と下部材12とを屋根面4a、4bに固定することにより、換気棟板11の内側において、換気棟板11と下部材12との間に屋根開口部7からの排気を排気孔20から外部に排出するように換気通路39が形成される。即ち、換気通路39は、換気棟板11の傾斜部15と下部材12の起立部28、中板部29とで囲まれた空間部分と、下部材12の当接部27、起立部28、中板部29、下垂部30、下板部31、及び換気棟板11の傾斜部15、起立部16等で囲まれる空間部分とに亘って上下に迂回するように形成されている。
【0015】
袋状部材14は、換気棟板11の内側の下方で、排気孔20に対向するように設けられており、下部材12の下板部31に重合する設置部40と、この設置部40の棟側端から起立して換気棟板11の起立部16に対向する立上板部41と、立上板部41の上端から軒側へ突出する風切り部42とを有している。そして、この設置部40と、立上板部41と、風切り部42とは、帯状の長い板を屈曲して成形したものであり、一体形成されている。袋状部材14の設置部40には、下板部31の排水口33に対応する位置に排水口43が設けられている。
【0016】
袋状板部14の立上板部41及び風切り部42は、排気孔20に対応して配置しており、これにより、排気孔20から侵入する外気の勢いを堰き止めるようになっている。
この袋状部材14は、換気棟板部材11と下部材12とを固定具37により固定する際に、下部材12の下板部31に設置部40を重合させ、設置部40の軒先側端部を換気棟板11の折り返し部19に嵌合することによって、袋状部材14は換気棟板11と下部材12とにより挟持される。
【0017】
なお、図10に示すように、この袋状板部材14の設置部40と下部材12の下板部31とを2つ折り状に折り曲げて、袋状板部材14と下板部12とを一体的に構成してもよい。
邪魔板部材13は、換気棟板11の内側の下方、即ち、下部材12の当接部27の軒側端部に揺動自在に設けられている。この邪魔板部材13は、屋根流れ方向に換気棟板11の起立部16(排気孔20)と袋状部材14との間に配置されており、邪魔板部材14と袋状部材13との間の空間部分は、換気通路39の一部を構成する開閉通路39aとされている。
【0018】
この邪魔板部材13は、帯状の長い板を側面断面視で略くの字状に屈曲したのもので、換気棟板11又は下部材12とは別体に構成されている。この邪魔板部材13は、取付板部45と止水部46とを有し、取付板部45と下部材12の当接部27の軒側端部との間にゴム等の弾性体47が設けられ、リベット等の締結具48を換気棟板11の傾斜部15と、当接部27と、邪魔板部材13の取付板部45及び弾性体47とに打ち付ける(締結する)ことにより、邪魔板部材13は、下部材12に弾性体47を介して連結されている。
【0019】
邪魔板部材13の止水部46は、取付板部45の軒側端部から下方(屋根面側)に突出すると共に、下方にいくにしたがって徐々に棟側(袋状部材14側)に向かうように傾斜しており排気孔20に対応する位置に配置されている。
即ち、邪魔板部材13が揺動していない静止した状態において、邪魔板部材13の止水部46の下側端部が、排水孔20の下側開口縁部よりも屋根面側(下方側)に突出するように止水部46は配置されており、これにより、邪魔板部材13の止水部46は、排気孔20から水等が換気棟板11内に侵入したときに、その水が邪魔板部材13よりも棟側に侵入しないように止水するようになっている。
【0020】
邪魔板部材13の止水部46は、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧を受けると、取付板部45が上方に押し上げられて弾性体47が収縮し、風の強さに応じて袋状部材14の風切り部42(袋状部材14の一部)に近づくように揺動して、邪魔板部材13と袋状部材14との間の開閉通路39aを狭め、邪魔板部材13の止水部46が袋状部材14の風切り部42に当接して、開閉通路39aを閉鎖するようになっている。
図5〜7に示すように、スペーサ部材36は、ゴムや弾性を有する合成樹脂等により円筒状に形成され、スペーサ部材36の軸心方向に、釘等の固定具37を挿通する挿通孔38が形成され、スペーサ部材36の上端部に、換気棟板11の取付孔22の開口縁部23を係止する上係止部51が設けられ、スペーサ部材36の下端部に、下部材12の取付孔34の開口縁部35を係止する下係止部51が設けられている。
【0021】
上係止部50は、スペーサ部材36の上端部外周面に没入形成した環状溝により構成され、上係止部50に換気棟板11の取付孔22の開口縁部23が外嵌されて、上係止部50で取付孔22の開口縁部23を上下移動不能に係止している。下係止部51は、スペーサ部材36の下端部に設けたフランジ部により構成され、下係止部51の外径は下部材12の取付孔34の孔径より大に形成され、下係止部51は取付孔34に挿通不能になっており、取付孔34の開口縁部35がスペーサ部材36の下係止部51の上方に外嵌されて、下係止部51で取付孔34の開口縁部35の下方移動を規制するように係止している。
【0022】
スペーサ部材36の上係止部50より上方に、上方に向けて徐々に小径となるテーパー部52が設けられ、テーパー部52は取付孔22、25に下側から挿通可能とされている。スペーサ部材36の下係止部51より上方側は、その外径が取付孔34の孔径と略同一に形成され、下取付孔34に挿通可能とされている。上記の如く上係止部50で取付孔22の開口縁部23を上下移動不能となるように係止すると共に、下係止部51で取付孔34の開口縁部35の下方移動を規制するように係止することにより、スペーサ部材36で換気棟板11と下部材12とを互いに離間しないように締結している。下部材12の接当部27の傾斜部15への接当及び下板部31の折り返し部19への圧接により、換気棟板11と下部材12との近接方向への移動が規制され、これにより、換気棟板11と下部材12とが相対移動不能に固定されている。
【0023】
上記実施の形態によれば、屋根開口部7から排出された排気は、図4に示すように矢印aで示す如く換気通路39を通って排気孔20から外部へ排出される。即ち、屋根開口部7から排出された排気は、下部材12の排気口32を通って、邪魔板部材13と袋状部材14との間の開閉通路39aに入り、開閉通路39aが開状態であれば、この開閉通路39aを通過して排気孔20から外部へ流出する。
一方、排気孔20から強い風が換気棟板11内(換気通路39)に侵入して、その風が所定以上の風圧であれば、図4の鎖線で示しように、風の風圧により邪魔板部材13の止水部46が袋状部材14側へ押されて揺動し、これにより、止水部46と風切り部42との間の開閉通路39aが閉鎖する。従って、例えば、暴風雨や暴風雪であっても、排気孔20から侵入した雨水等が、止水部46と風切り部42との間の開閉通路39aから屋根開口部7側に流出するのを、邪魔板部材13によって確実に防ぐことができて、十分な防水性能を確保することができる。
【0024】
また、邪魔板部材13が袋状部材14側へ揺動したときに、邪魔板部材13の止水部46が袋状部材14の風切り部42に当接するようになっているので、風切り部42がストッパとして働き、確実に開閉通路39aを閉鎖することが可能である。
なお、図10の鎖線で示すように、邪魔板部材13が袋状部材14側に揺動して開閉通路39aを閉鎖したときに、邪魔板部材13の止水部46の先端部が袋状部材14の立上板部41に当接し、且つ、邪魔板部材13の止水部46の中途部が風切り部42に当接するようにすれば、止水部46の先端部と止水部46の中途部との2箇所で開閉通路39aを閉鎖することができるので、より一層防水性能を向上させることができる。
【0025】
また、排気孔20から換気棟板11内に侵入した雨水等の水は、袋状部材14の設置部40を伝わって、袋状部材14の排水口43及び下部材12の排水口33から屋根面4a、4b上に排出される。排水口33、43がオーバーブローしても、残った水は、折り返し部19側から屋根面4a、4b上に排出される。このとき、下部材12と屋根面4a、4bとの間に防水材24が介在されているので、下部材12と屋根面4a、4bとの間に排水路を確保することができる。従って、換気棟板11内に侵入した水を、屋根面4a、4b上にスムーズに排水することができる。
【0026】
また、排気孔20から侵入する外気による風の勢いを袋状部材14により効果的に抑制することができ、袋状部材14の風切り部42によって、袋状部材14よりも棟側に水が侵入するのを止めることができる。
次に、本発明に係る第2の実施の形態の換気棟の構造について説明する。
図8に示すように、上記第1の実施の形態と同様に邪魔板部材13は、換気棟板11及び下部材12とは別体に構成されている。この邪魔板部材13は、第1の実施の形態とは異なり、換気棟板11の傾斜部15のみに弾性体47を介して連結されて、邪魔板部材13は、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して開閉通路39aを狭めるように揺動自在に設けられている。これにより、第1の実施の形態と同様に、暴風雨や暴風雪であっても、十分な防水性能を確保することができる。なお、その他の点は、第1の実施の形態と同様の構成である。
【0027】
次に、本発明に係る第3の実施の形態の換気棟の構造について説明する。
図9に示すように、邪魔板部材13は、下部材12と一体に形成され、邪魔板部材13の止水部46は、下部材12の当接部27から屋根面側に突出すると共に、下方にいくにしたがって徐々に棟側に向かうように傾斜している。また、邪魔板部材13が揺動していない静止した状態において、邪魔板部材13の止水部46の下側端部が、排水孔20の下側開口縁部よりも屋根面側(下方側)に突出するように止水部46は配置している。
【0028】
この止水部46は、弾性変形又は撓み変形し易くなるように、その板厚が薄く形成されており(例えば、0.35mm以下)、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧を受けることにより袋状部材14側に揺動して、開閉通路39aを狭めるように、弾性変形自在又は撓み自在に形成されている。
これにより、第1の実施の形態と同様に、暴風雨や暴風雪であっても、十分な防水性能を確保することができる。なお、その他の点は、第1の実施の形態と同様の構成である。
【0029】
また、上記第3の実施の形態では、邪魔板部材13の止水部46の板厚を薄くすることにより、止水部46を弾性変形又は撓み変形し易くなるようにしているが、これに代え、邪魔板部材13の止水部46の材質を弾性変形又は撓み変形自在のものに変更することによって、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧を受けることにより袋状部材14側に揺動して開閉通路39aを狭めるようにしてもよい。
さらに、第3の実施の形態では、邪魔板部材13を下部材12と一体に形成するようにしているが、これに代え、邪魔板部材13を、換気棟板11と一体に形成し、例えば弾性変形又は撓み変形し易くなるように形成して、排気孔20から換気棟板11内に侵入する風の所定以上の風圧を受けることにより袋状部材14側に揺動して開閉通路39aを狭めるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、側方から非常に強い雨水等を含む風が吹いた場合でも、十分な防水性能を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す換気棟の概略図である。
【図2】同換気棟の固定具及び邪魔板部材付近の断面図である。
【図3】同換気棟板と下部材と邪魔板部材と袋状部材の概略斜視図である。
【図4】同換気棟の換気通路及び開閉通路を流れる排気の説明図である。
【図5】同スペーサ部材の正面図である。
【図6】同スペーサ部材の平面図である。
【図7】同スペーサ部材の断面図である
【図8】第2の実施の形態を示す換気棟の邪魔板部材付近の断面図である。
【図9】第3の実施の形態を示す換気棟の邪魔板部材付近の断面図である。
【図10】袋状部材と下部材とを一体形成したときの、概略断面図である。
【図11】従来例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
4a、4b 屋根面
7 屋根開口部
10 換気棟
11 換気棟板
12 下部材
13 邪魔板部材
14 袋状部材
15 傾斜部
16 起立部
20 排気孔
39 換気通路
39a 開閉通路
Claims (6)
- 屋根の棟部分に設けた屋根開口部(7)の上方に、排気孔(20)を有する換気棟板(11)が設けられ、換気棟板(11)の内側に、屋根開口部(7)からの排気を排気孔(20)から外部に排出するように換気通路(39)が形成された換気棟において、
前記排気孔(20)から前記換気棟板(11)内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して前記換気通路(39)を狭めるように、邪魔板部材(13)が換気棟板(11)の内側に揺動自在に設けられていることを特徴とする換気棟。 - 前記換気棟板(11)は、屋根面(4a、4b)に沿うように形成された一対の傾斜部(15)と、傾斜部(15)の棟側端から下方に突出した起立部(16)とを有し、前記排気孔(20)は起立部(16)に設けられ、排気孔(20)から換気棟板(11)内に侵入した水を止めるように、前記邪魔板部材(13)が排気孔(20)に対応して換気棟板(11)の内側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の換気棟。
- 前記排気孔(20)から侵入する外気を堰き止めるように、排気孔(20)に対向して換気棟板(11)の内側に袋状部材(14)が設けられ、邪魔板部材(13)と袋状部材(14)との間に換気通路(39)の一部を構成する開閉通路(39a)が形成されており、前記邪魔板部材(14)が、排気孔(20)から換気棟板(11)内に侵入する風の所定以上の風圧によって揺動することにより、前記開閉通路(39a)が狭められることを特徴とする請求項2に記載の換気棟。
- 前記排気孔(20)は、前記起立部(16)に庇部(21)を軒側に切り起こすことにより形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の換気棟。
- 前記換気棟板(11)の下方に、換気棟板(11)との間で前記換気通路(39)を形成するように下部材(12)が設けられ、前記邪魔板部材(14)は、換気棟板(11)又は下部材(12)とは別体に構成されて、排気孔(20)から換気棟板(11)内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して換気通路(39)を狭めるように、換気棟板材(11)又は下部材(12)に弾性体(47)を介して連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の換気棟。
- 前記換気棟板(11)の下方に、換気棟板(11)との間で前記換気通路(39)を形成する下部材(12)が設けられ、前記邪魔板部材(14)は、換気棟板(11)又は下部材(12)とは一体に構成されて、排気孔(20)から換気棟板(11)内に侵入する風の所定以上の風圧により揺動して換気通路(39)を狭めるように、弾性変形自在又は撓み自在に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の換気棟。
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